JP2670670B2 - 高力高導電性銅合金 - Google Patents
高力高導電性銅合金Info
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Description
【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
本発明は、トランジスタや集積回路(IC)などの半導
体機器のリード材、コネクター、端子、リレー、スイッ
チ等の導電性ばね材に適する銅合金に関するものであ
る。 [従来の技術] 従来、半導体機器のリード材としては熱膨脹係数が低
く、素子及びセラミックとの接着および封着性の良好な
コバール(Fe−29Ni−16Co)、42合金などの高ニッケル
合金が好んで使われてきた。しかし、近年、半導体回路
の集積度の向上に伴い消費電力の高いICが多く使用され
るようになってきたことと、封止材料として樹脂が多く
使用され、かつ素子とリードフレームの接着も改良が加
えられたことにより使用されるリード材の放熱性の良い
銅基合金が使われるようになってきた。 又、従来電気機器用ばね、計測器用ばね、スイッチ、
コネクター等に用いられるばね用材料としては、安価な
黄銅、優れたばね特性及び耐食性を有する洋白、あるい
は優れたばね特性を有するりん青銅が使用されていた。 [発明が解決しようとする問題点] 一般に半導体機器のリード材としては以下のような特
性が要求されている。 (1)リードが電気信号伝達部であるとともに、パッケ
ージング工程中及び回路使用中に発生する熱を外部に放
出する機能を併せ持つことを要求されるため、優れた熱
及び電気伝導性を示すもの。 (2)リードとモールドとの密着性が半導体素子保護の
観点から重要であるため、リード材とモールド材の熱膨
脹係数が近いこと。 (3)パッケージング時に種々の加熱工程が加わるた
め、耐熱性が良好であること。 (4)リードはリード材を打ち抜き加工し、また曲げ加
工して作製されるものがほとんどであるため、これらの
加工性が良好であること。 (5)リードは表面に貴金属めっきを行うため、これら
貴金属とのめっき密着性が良好であること。 (6)パッケージング後に封止材の外に露出している、
いわゆるアウター・リード部に半田付けするものが多い
ので、良好な半田付け性を示すこと。 (7)機器の信頼性及び寿命の観点から耐食性が良好な
こと。 (8)価格が低廉であること。 これら各種の要求特性に対し従来より使用されている
無酸素銅、錫入り銅、りん青銅、コバール、42合金はい
ずれも一長一短があり、これらの特性のすべてを必ずし
も満足しえるものではない。 又、バネ材として用いられている黄銅は強度、ばね特
性が劣っており、又強度、ばね特性の優れた洋白、りん
青銅も洋白は18重量%のNi、りん青銅は8重量%のSnを
含むため、原料の面及び製造上熱間加工性が悪い等の加
工上の制約も加わり高価な合金であった。さらには電気
機器用等に用いられる場合、電気伝導度が低いという欠
点を有していた。従って、導電性が良好であり、ばね特
性に優れた安価な合金の出現が待たれていた。 [問題点を解決するための手段] 本発明はかかる点に鑑みなされたもので、従来の銅基
合金のもつ欠点を改良し、半導体機器のリード材及び導
電性ばね材として好適な諸特性を有する銅合金を提供し
ようとするものである。 特にCu−Cr−Zr系合金を改良し、要求に合致した銅合
金を提供しようとするものである。すなわちCu−Cr−Zr
合金は優れた導電性と強度を示し、半導体機器リード材
としても導電性ばね材としても優れた銅合金といえる
が、はんだ付け性、めっき性、エッチング性、折り曲げ
性については満足できる特性を示さず改良の必要があっ
た。 本発明者らはこれらの特性劣化要因を種々検討したと
ころ、Cr、Zrの硫化物がその原因であり、その大きさを
ある一定値以下とすることよりこれら諸特性の改善をは
かれることを見出した。 本発明は、 (1)Cr0.05〜1.0重量%及びZr0.05〜1.0重量%を含
み、残部がCu及び不可避不純物であり、かつ介在物であ
るCr、Zrの硫化物の大きさが1.0μm以下であることを
特徴とする高力高導電性銅合金。 および (2)Cr0.05〜1.0重量%、Zr0.05〜1.0重量%及びAl、
Be、Co、Fe、Ni、Hf、In、Mo、Mg、Pb、Si、Te、Sn、T
i、Znからなる群より選択された1種又は2種以上の元
素を0.05〜1.0重量%含み、残部がCu及び不可避不純物
であり、かつ介在物があるCr、Zrの硫化物の大きさが1.
0μm以下であることを特徴とする高力高導電性銅合
金。 であり、半導体機器リード材又は導電性ばね材として優
れた電気及び熱伝導性、耐熱性、ばね特性を有するばか
りでなく、半田付け性、めっき性、エッチング性、折り
曲げ性をも著しく改良したことを特徴とするものであ
る。 次に本発明(1)、(2)の両合金を構成する合金成
分の限定理由を説明する。 Crの含有量を0.05重量%以上1.0重量%以下とするの
は、Crの含有量が0.05重量%未満ではZrの共添を伴って
も十分な強度が得られず、逆にCrの含有量が1.0重量%
を越えると、加工性、導電性の低下が見られるようにな
るためである。 Zrの含有量を0.05重量%以上1.0重量%以下とした理
由は、Zrの含有量が0.05重量%未満ではZrの含有による
強度の向上は顕著でなく、Zr含有量が1.0重量%を越え
ると加工性、導電性の低下が見られるようになるためで
ある。 Cr、Zrの硫化物の大きさ(なお硫化物の大きさとは硫
化物の粒の平均さしわたし寸法を意味する。)を1.0μ
m以下とする理由は、通常Cu中には微量のSが存在し、
かつ溶解鋳造時に外部からSが混入する場合もあるが、
Sが存在するとCr、Zrは非常にSと結合しやすく容易に
硫化物になり銅中に存在するようになり、素材の最終製
品時の硫化物の大きさが1.0μmをこえると折り曲げ
性、半田付け性、めっき性、エッチング性が著しく低下
するためである。 具体的には硫化物が1.0μmをこえると折り曲げ時の
割れ起点として働きやすく、さらに半田付けあるいはめ
っきを施した時に、これら硫化物のぬれ性が悪いため硫
化物の上に正常な半田、めっきがつきにくく、めっき密
着性も急激に低下する。エッチング性についてもマトリ
ックスと硫化物で腐食速度が異なるため、バリ状の硫化
物がエッチング面により残され、リード材としての所定
の寸法がでないという現象が起こる。従ってCu−Cr−Zr
系合金においては硫化物の大きさを1.0μm以下にしな
ければ実用に供する合金とならない。 硫化物の大きさを1.0μm以下にするには、インゴッ
ト時のSの含有量を例えば0.0015重量%以下のように少
なくするとともに溶体化処理、冷間加工、時効処理条件
の組合せを例えば実施例のように選定することにより得
られる。 さらに副成分としてAl、Be、Co、Fe、Ni、Hf、In、M
o、Mg、Pb、Si、Te、Sn、Ti、Znの1種又は2種以上を
含有すると強度、ばね特性を向上させるが、その含有量
が0.05重量%未満では効果があまり期待できず、又、1.
0重量%を越えると導電率の低下が著しくなることから
0.05〜1.0重量%とした。 [実施例] 第1表に示される本発明合金に係る各種成分組成のイ
ンゴットを電気銅あるいは無酸素銅を原料として、高周
波溶解炉で大気、又は不活性あるいは還元性雰囲気中で
溶解・鋳造した。なお、本発明合金用として用いた銅原
料のS含有量は0.0015重量%以下であった。 次にこれを900℃で熱間圧延して厚さ4mmの板とした後
900℃×5分の溶体化処理を行い、面削を行って、冷間
圧延で厚さ0.3mmの板とした。これに種々の条件の時効
処理を施した。 こうして得られた供試材の硫化物の大きさを確認する
とともリード材及びばね材としての評価を以下の方法で
行った。 強度と伸びは引張試験によりばね性をK6値により評価
した。曲げ性は板の圧延方向に平行な方向における曲げ
(〃)同直角な方向における曲げ(⊥)について、定荷
重(225gf)負荷により板厚と同一の曲げR(0.25mm)
での繰り返し曲げ(破断させずに曲げることのできる90
゜曲げ往復回数)により、耐熱性は加熱時間5分におけ
る軟化温度により、また電気伝導性と放熱性とを導電率
(%IACS)により示したが、これは電気伝導性と熱伝導
性は相互に比例関係にあり、共に導電率で評価し得るか
らである。半田付け性は、垂直式浸漬法によって、230
±5℃の半田浴(Sn60%、Pb40%)に5秒間浸漬して、
半田のぬれ状態を目視観察することにより評価した。半
田の耐剥離性は上記の方法で半田付けした試料を大気中
で150℃、1500時間加熱後、板厚と同一の曲げR(0.25m
m)の90゜曲げを行い、剥離の有無を評価した。エッチ
ング性は供試材を塩化第二鉄でエッチングを行い、その
断面のバリ状の突出物の有無によって評価した。 密着性は試料に厚さ3μmのAgめっきを施し、表面を
発生するフクレの有無を目視観察することにより評価し
た。 これらの結果を比較合金を含めて第1表に示した。 第1表に示すように、本発明の合金は強度、ばね性、
曲げ性、導電性、耐熱性、半田付け性、半田耐剥離性、
エッチング性、めっき密着性に優れていることが明白で
あり、半導体機器のリードあるいはばね用材料等の高力
高導電性銅合金として好適であるということができる。 [発明の効果] このように本発明合金はCu−Cr−Zr系合金の硫化物の
大きさを限定することにより、今まで本合金の欠点であ
った折り曲げ性、半田付け性、めっき性、エッチング性
を著しく改善することができる。又、熱膨脹係数はプラ
スチックに近く、半導体機器のリード材としてはプラス
チックパッケージ用に適している。従って、本発明合金
は半導体機器のリード材及び導電性ばね材として好適な
材料であり、先行技術の合金においてこのような総合的
特性を兼備するものはない。
体機器のリード材、コネクター、端子、リレー、スイッ
チ等の導電性ばね材に適する銅合金に関するものであ
る。 [従来の技術] 従来、半導体機器のリード材としては熱膨脹係数が低
く、素子及びセラミックとの接着および封着性の良好な
コバール(Fe−29Ni−16Co)、42合金などの高ニッケル
合金が好んで使われてきた。しかし、近年、半導体回路
の集積度の向上に伴い消費電力の高いICが多く使用され
るようになってきたことと、封止材料として樹脂が多く
使用され、かつ素子とリードフレームの接着も改良が加
えられたことにより使用されるリード材の放熱性の良い
銅基合金が使われるようになってきた。 又、従来電気機器用ばね、計測器用ばね、スイッチ、
コネクター等に用いられるばね用材料としては、安価な
黄銅、優れたばね特性及び耐食性を有する洋白、あるい
は優れたばね特性を有するりん青銅が使用されていた。 [発明が解決しようとする問題点] 一般に半導体機器のリード材としては以下のような特
性が要求されている。 (1)リードが電気信号伝達部であるとともに、パッケ
ージング工程中及び回路使用中に発生する熱を外部に放
出する機能を併せ持つことを要求されるため、優れた熱
及び電気伝導性を示すもの。 (2)リードとモールドとの密着性が半導体素子保護の
観点から重要であるため、リード材とモールド材の熱膨
脹係数が近いこと。 (3)パッケージング時に種々の加熱工程が加わるた
め、耐熱性が良好であること。 (4)リードはリード材を打ち抜き加工し、また曲げ加
工して作製されるものがほとんどであるため、これらの
加工性が良好であること。 (5)リードは表面に貴金属めっきを行うため、これら
貴金属とのめっき密着性が良好であること。 (6)パッケージング後に封止材の外に露出している、
いわゆるアウター・リード部に半田付けするものが多い
ので、良好な半田付け性を示すこと。 (7)機器の信頼性及び寿命の観点から耐食性が良好な
こと。 (8)価格が低廉であること。 これら各種の要求特性に対し従来より使用されている
無酸素銅、錫入り銅、りん青銅、コバール、42合金はい
ずれも一長一短があり、これらの特性のすべてを必ずし
も満足しえるものではない。 又、バネ材として用いられている黄銅は強度、ばね特
性が劣っており、又強度、ばね特性の優れた洋白、りん
青銅も洋白は18重量%のNi、りん青銅は8重量%のSnを
含むため、原料の面及び製造上熱間加工性が悪い等の加
工上の制約も加わり高価な合金であった。さらには電気
機器用等に用いられる場合、電気伝導度が低いという欠
点を有していた。従って、導電性が良好であり、ばね特
性に優れた安価な合金の出現が待たれていた。 [問題点を解決するための手段] 本発明はかかる点に鑑みなされたもので、従来の銅基
合金のもつ欠点を改良し、半導体機器のリード材及び導
電性ばね材として好適な諸特性を有する銅合金を提供し
ようとするものである。 特にCu−Cr−Zr系合金を改良し、要求に合致した銅合
金を提供しようとするものである。すなわちCu−Cr−Zr
合金は優れた導電性と強度を示し、半導体機器リード材
としても導電性ばね材としても優れた銅合金といえる
が、はんだ付け性、めっき性、エッチング性、折り曲げ
性については満足できる特性を示さず改良の必要があっ
た。 本発明者らはこれらの特性劣化要因を種々検討したと
ころ、Cr、Zrの硫化物がその原因であり、その大きさを
ある一定値以下とすることよりこれら諸特性の改善をは
かれることを見出した。 本発明は、 (1)Cr0.05〜1.0重量%及びZr0.05〜1.0重量%を含
み、残部がCu及び不可避不純物であり、かつ介在物であ
るCr、Zrの硫化物の大きさが1.0μm以下であることを
特徴とする高力高導電性銅合金。 および (2)Cr0.05〜1.0重量%、Zr0.05〜1.0重量%及びAl、
Be、Co、Fe、Ni、Hf、In、Mo、Mg、Pb、Si、Te、Sn、T
i、Znからなる群より選択された1種又は2種以上の元
素を0.05〜1.0重量%含み、残部がCu及び不可避不純物
であり、かつ介在物があるCr、Zrの硫化物の大きさが1.
0μm以下であることを特徴とする高力高導電性銅合
金。 であり、半導体機器リード材又は導電性ばね材として優
れた電気及び熱伝導性、耐熱性、ばね特性を有するばか
りでなく、半田付け性、めっき性、エッチング性、折り
曲げ性をも著しく改良したことを特徴とするものであ
る。 次に本発明(1)、(2)の両合金を構成する合金成
分の限定理由を説明する。 Crの含有量を0.05重量%以上1.0重量%以下とするの
は、Crの含有量が0.05重量%未満ではZrの共添を伴って
も十分な強度が得られず、逆にCrの含有量が1.0重量%
を越えると、加工性、導電性の低下が見られるようにな
るためである。 Zrの含有量を0.05重量%以上1.0重量%以下とした理
由は、Zrの含有量が0.05重量%未満ではZrの含有による
強度の向上は顕著でなく、Zr含有量が1.0重量%を越え
ると加工性、導電性の低下が見られるようになるためで
ある。 Cr、Zrの硫化物の大きさ(なお硫化物の大きさとは硫
化物の粒の平均さしわたし寸法を意味する。)を1.0μ
m以下とする理由は、通常Cu中には微量のSが存在し、
かつ溶解鋳造時に外部からSが混入する場合もあるが、
Sが存在するとCr、Zrは非常にSと結合しやすく容易に
硫化物になり銅中に存在するようになり、素材の最終製
品時の硫化物の大きさが1.0μmをこえると折り曲げ
性、半田付け性、めっき性、エッチング性が著しく低下
するためである。 具体的には硫化物が1.0μmをこえると折り曲げ時の
割れ起点として働きやすく、さらに半田付けあるいはめ
っきを施した時に、これら硫化物のぬれ性が悪いため硫
化物の上に正常な半田、めっきがつきにくく、めっき密
着性も急激に低下する。エッチング性についてもマトリ
ックスと硫化物で腐食速度が異なるため、バリ状の硫化
物がエッチング面により残され、リード材としての所定
の寸法がでないという現象が起こる。従ってCu−Cr−Zr
系合金においては硫化物の大きさを1.0μm以下にしな
ければ実用に供する合金とならない。 硫化物の大きさを1.0μm以下にするには、インゴッ
ト時のSの含有量を例えば0.0015重量%以下のように少
なくするとともに溶体化処理、冷間加工、時効処理条件
の組合せを例えば実施例のように選定することにより得
られる。 さらに副成分としてAl、Be、Co、Fe、Ni、Hf、In、M
o、Mg、Pb、Si、Te、Sn、Ti、Znの1種又は2種以上を
含有すると強度、ばね特性を向上させるが、その含有量
が0.05重量%未満では効果があまり期待できず、又、1.
0重量%を越えると導電率の低下が著しくなることから
0.05〜1.0重量%とした。 [実施例] 第1表に示される本発明合金に係る各種成分組成のイ
ンゴットを電気銅あるいは無酸素銅を原料として、高周
波溶解炉で大気、又は不活性あるいは還元性雰囲気中で
溶解・鋳造した。なお、本発明合金用として用いた銅原
料のS含有量は0.0015重量%以下であった。 次にこれを900℃で熱間圧延して厚さ4mmの板とした後
900℃×5分の溶体化処理を行い、面削を行って、冷間
圧延で厚さ0.3mmの板とした。これに種々の条件の時効
処理を施した。 こうして得られた供試材の硫化物の大きさを確認する
とともリード材及びばね材としての評価を以下の方法で
行った。 強度と伸びは引張試験によりばね性をK6値により評価
した。曲げ性は板の圧延方向に平行な方向における曲げ
(〃)同直角な方向における曲げ(⊥)について、定荷
重(225gf)負荷により板厚と同一の曲げR(0.25mm)
での繰り返し曲げ(破断させずに曲げることのできる90
゜曲げ往復回数)により、耐熱性は加熱時間5分におけ
る軟化温度により、また電気伝導性と放熱性とを導電率
(%IACS)により示したが、これは電気伝導性と熱伝導
性は相互に比例関係にあり、共に導電率で評価し得るか
らである。半田付け性は、垂直式浸漬法によって、230
±5℃の半田浴(Sn60%、Pb40%)に5秒間浸漬して、
半田のぬれ状態を目視観察することにより評価した。半
田の耐剥離性は上記の方法で半田付けした試料を大気中
で150℃、1500時間加熱後、板厚と同一の曲げR(0.25m
m)の90゜曲げを行い、剥離の有無を評価した。エッチ
ング性は供試材を塩化第二鉄でエッチングを行い、その
断面のバリ状の突出物の有無によって評価した。 密着性は試料に厚さ3μmのAgめっきを施し、表面を
発生するフクレの有無を目視観察することにより評価し
た。 これらの結果を比較合金を含めて第1表に示した。 第1表に示すように、本発明の合金は強度、ばね性、
曲げ性、導電性、耐熱性、半田付け性、半田耐剥離性、
エッチング性、めっき密着性に優れていることが明白で
あり、半導体機器のリードあるいはばね用材料等の高力
高導電性銅合金として好適であるということができる。 [発明の効果] このように本発明合金はCu−Cr−Zr系合金の硫化物の
大きさを限定することにより、今まで本合金の欠点であ
った折り曲げ性、半田付け性、めっき性、エッチング性
を著しく改善することができる。又、熱膨脹係数はプラ
スチックに近く、半導体機器のリード材としてはプラス
チックパッケージ用に適している。従って、本発明合金
は半導体機器のリード材及び導電性ばね材として好適な
材料であり、先行技術の合金においてこのような総合的
特性を兼備するものはない。
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(56)参考文献 特開 昭61−183425(JP,A)
特開 昭60−194032(JP,A)
特開 昭63−93837(JP,A)
特開 昭59−193233(JP,A)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.Cr0.05〜1.0重量%及びZr0.05〜1.0重量%を含み、
残部がCu及び不可避不純物であり、かつ介在物であるC
r、Zrの硫化物の大きさが1.0μm以下であることを特徴
とする高力高導電性銅合金。 2.Cr0.05〜1.0重量%、Zr0.05〜1.0重量%及びAl、B
e、Co、Fe、Ni、Hf、In、Mo、Mg、Pb、Si、Te、Sn、T
i、Znからなる群より選択された1種又は2種以上の元
素を0.05〜1.0重量%含み、残部がCu及び不可避不純物
であり、かつ介在物であるCr、Zrの硫化物の大きさが1.
0μm以下であることを特徴とする高力高導電性銅合
金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61294800A JP2670670B2 (ja) | 1986-12-12 | 1986-12-12 | 高力高導電性銅合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61294800A JP2670670B2 (ja) | 1986-12-12 | 1986-12-12 | 高力高導電性銅合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63149344A JPS63149344A (ja) | 1988-06-22 |
JP2670670B2 true JP2670670B2 (ja) | 1997-10-29 |
Family
ID=17812428
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61294800A Expired - Lifetime JP2670670B2 (ja) | 1986-12-12 | 1986-12-12 | 高力高導電性銅合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2670670B2 (ja) |
Families Citing this family (26)
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---|---|---|---|---|
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DE69116965T2 (de) * | 1990-04-09 | 1996-09-12 | Nippon Steel Corp | Eisen-kupfer-band mit ausgezeichnet homogener gefügestruktur |
EP0569036B1 (en) * | 1992-05-08 | 1998-03-11 | Mitsubishi Materials Corporation | Wire for electric railways and method of producing the same |
US5705125A (en) * | 1992-05-08 | 1998-01-06 | Mitsubishi Materials Corporation | Wire for electric railways |
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KR100958560B1 (ko) | 2005-04-15 | 2010-05-17 | 제이에프이 세이미츠 가부시키가이샤 | 반도체 장치 방열용 합금재 및 그 제조 방법 |
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JP4968533B2 (ja) * | 2007-11-30 | 2012-07-04 | 日立電線株式会社 | 電気・電子部品用銅合金材 |
US8581523B2 (en) | 2007-11-30 | 2013-11-12 | Mevion Medical Systems, Inc. | Interrupted particle source |
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EP2900324A1 (en) | 2012-09-28 | 2015-08-05 | Mevion Medical Systems, Inc. | Control system for a particle accelerator |
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US10254739B2 (en) | 2012-09-28 | 2019-04-09 | Mevion Medical Systems, Inc. | Coil positioning system |
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CN110237447B (zh) | 2013-09-27 | 2021-11-02 | 梅维昂医疗系统股份有限公司 | 粒子治疗系统 |
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