JP2000052103A - 主軸移動型工作機械における工作物搬送装置 - Google Patents

主軸移動型工作機械における工作物搬送装置

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JP2000052103A
JP2000052103A JP10235003A JP23500398A JP2000052103A JP 2000052103 A JP2000052103 A JP 2000052103A JP 10235003 A JP10235003 A JP 10235003A JP 23500398 A JP23500398 A JP 23500398A JP 2000052103 A JP2000052103 A JP 2000052103A
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chuck
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JP10235003A
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Takahisa Makino
高久 牧野
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Hitachi Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工作物をチャックで授受する時に、主軸側に
大きな負荷をかけることなく工作物をチャックに確実に
密着させた状態で授受することができる工作物搬送装置
が求められていた。 【解決手段】 工作物搬送装置3は、基体34と、駆動
手段によって駆動されて基体の上面35上を移動する移
動台54と、移動台の上方に、移動台に対して主軸軸線
方向に移動可能に設けられ、工作物を載置するための工
作物載置台32と、基体に設けられ、かつチャックとの
あいだで工作物を授受するための工作物授受位置に設け
られ、工作物授受位置に位置決めされた工作物載置台を
主軸軸線方向に移動させる昇降手段45と、昇降手段に
設けられ、昇降手段に支持された工作物載置台に載置さ
れた工作物をチャックが押圧した時、昇降移動可能にか
つ傾き動作可能に工作物載置台をチャック側に付勢する
圧縮ばね46とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主軸を回転可能に
支持する主軸台が少なくとも主軸の軸線方向(Z軸方
向)およびこの主軸軸線と直交する方向(X軸方向)に
移動する主軸移動型工作機械に工作物を搬入,搬出し
て、主軸の下端に設けられたチャックとの間で工作物を
授受するための工作物搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】工作機械のうち旋盤は、主軸の先端にチ
ャックが取付けられ、このチャックで工作物を把持して
回転させ切削加工を行う。旋盤には、主軸が水平方向を
向く種類の他、主軸の軸線が上下方向(垂直方向)を向
く立て旋盤が知られている。たとえば、特開昭61−1
66902号公報,特開昭62−199301号公報等
には、工作物インデックステーブル付き立型複合加工数
値制御式旋盤(立形NC旋盤)が開示されている。この
旋盤は、主軸台フレームが上下方向にのみ移動するもの
であるため、加工領域内にワークインデックステーブル
を設けている。そのため、インデックステーブル上など
に切屑,切削油剤が飛散して切屑等が堆積してしまうの
で、確実な材料の授受を行うのが困難になる恐れがあっ
た。また、パワーチャックに材料の取付けをするのに材
料を昇降させるための材料押出し装置(油圧シリンダ
等),インデックステーブルを往復移動させるための油
圧シリンダ等を設ける必要があるので構成が複雑になっ
ていた。
【0003】これに対して、本出願人の出願にかかる特
公平2−46321号公報に開示された工作機械は、主
軸が主軸軸線方向および主軸軸線と直交する方向に移動
して、主軸の下方端部のチャックが工作物を直接把持し
て搬送および加工を行うようになっている。この工作機
械では、材料押出し装置,油圧シリンダ等を不要にして
構成の簡素化を図っており、自動的に工作物を搬送する
ための工作物搬送装置が設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】工作機械でこれから加
工する素材ワークなど未加工工作物は、その寸法(たと
えば、直径寸法,軸線方向寸法)の誤差や端面部の傾き
等がある場合がある。この寸法誤差等があっても、主軸
移動型の立形工作機械では、未加工工作物を把持すると
きチャックに必要以上の荷重で工作物を押付けて把持す
ることが好ましい。この押し付け動作は、工作機械側
(特に、主軸を回転自在に支持する軸受など)に無理な
負荷を与えることがないようにするとともに、未加工工
作物をチャックに確実に密着させて精度よく把持させる
必要がある。そのため、従来は、未加工工作物をチャッ
クで一回把持し、チャックの爪と未加工工作物とを密着
させるために、旋盤の刃物台や心押台等に専用のプッシ
ャを別途設け、プッシャで押圧した状態で再把持するこ
とが行われることが多い。しかし、この方法では、プッ
シャで密着させ再把持するための動作時間分、工作機械
の非加工時間となる工作物交換時間が長くなってしまう
という問題点があった。
【0005】また、工作物搬送装置には、複数の工作物
を段積みして搬送するとともに工作物を所定の高さ位置
に順次昇降させる工作物リフト機能付きワークフィーダ
(以下、リフトフィーダと記載)がある。このリフトフ
ィーダを、前記特公平2−46321号公報に記載のよ
うな工作機械に付属させた場合には、工作物載置台に載
置された工作物を所定の高さ位置に上昇させて、工作機
械のチャックとリフトフィーダとの間で未加工工作物の
授受を行うことになる。しかしながら、特公平2−46
321号公報に記載のものは、未加工工作物の寸法誤差
等を考慮した構成にはなっていないため、この寸法誤差
等があった場合に、未加工工作物をチャックに密着させ
て把持する動作を高精度に行うのが困難となる恐れがあ
った。
【0006】本発明は、このような課題を解決するため
になされたもので、工作物をチャックで授受する時に、
主軸側に大きな負荷をかけることなく工作物をチャック
に確実に密着させた状態で授受することができる主軸移
動型工作機械における工作物搬送装置を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明にかかる主軸移動型工作機械における工作物
搬送装置は、工作物の搬送を行うとともに、主軸を回転
可能に支持する主軸台が少なくとも前記主軸の軸線方向
およびこの主軸軸線と直交する方向に移動する主軸移動
型工作機械の前記主軸の下端に設けられたチャックとの
あいだで前記工作物の授受を行う工作物搬送装置であっ
て、前記主軸移動型工作機械の機械本体の近傍に設置さ
れた工作物搬送装置基体と、駆動手段によって駆動され
て前記工作物搬送装置基体の移送面上を移動する移動体
と、この移動体の上方に、この移動体に対して前記主軸
軸線方向に移動可能に設けられ、載置面に前記工作物を
載置するための工作物載置台と、前記工作物搬送装置基
体に設けられ、かつ前記チャックとのあいだで前記工作
物を授受するための工作物授受位置に設けられ、この工
作物授受位置に位置決めされた前記工作物載置台を前記
主軸軸線方向に移動させる昇降手段と、この昇降手段に
設けられ、この昇降手段に支持された前記工作物載置台
に載置された前記工作物を前記チャックが押圧した時、
昇降移動可能にかつ傾き動作可能に前記工作物載置台を
前記チャック側に付勢する付勢部材とを備えている。
【0008】前記工作物授受位置は、前記主軸移動型工
作機械でまだ未加工の工作物を前記チャックが前記工作
物載置台から受け取る未加工工作物受け取り位置と、こ
の未加工工作物受け取り位置に併設され、前記主軸移動
型工作機械での加工が完了した加工済工作物を前記チャ
ックが前記工作物載置台に渡す加工済工作物渡し位置と
からなり、前記昇降手段は、前記未加工工作物受け取り
位置と前記加工済工作物渡し位置の両方に設けられ、前
記付勢部材は、少なくとも前記未加工工作物受け取り位
置の前記昇降手段に設けられているのが好ましい。
【0009】前記未加工工作物受け取り位置と前記加工
済工作物渡し位置は、前記主軸台の前記主軸軸線と直交
する方向の移動軌跡上に設けられているのが好ましい。
【0010】前記工作物載置台は複数の前記工作物を積
み重ねて載置するものであり、前記昇降手段は、前記工
作物載置台上の前記工作物を順次授受させる高さ位置に
昇降させるものであるのが好ましい。
【0011】一つの実施態様として、前記移動体は、複
数個連鎖状に設けられ前記工作物搬送装置基体の前記移
送面上を移動する移動台であり、この移動台上に前記工
作物載置台が各々設けられている。
【0012】この場合、前記移動台のほぼ中央部に空間
部を設け、前記昇降手段は、昇降部がこの空間部を通過
して前記工作物載置台を昇降させるものであるのが好ま
しい。
【0013】他の実施態様として、前記移動体は、円盤
状に形成され前記工作物搬送装置基体上を旋回移動する
旋回台であり、この旋回台上には複数個の前記工作物載
置台が所定の間隔で設けられている。
【0014】この場合、前記旋回台には前記工作物載置
台のほぼ中央部に対応する位置に空間部が形成され、前
記昇降手段は、昇降部がこの空間部を通過して前記工作
物載置台を昇降させるものであるのが好ましい。
【0015】前記工作物搬送装置は、前記工作物の直径
に合わせてリンク機構により複数のガイド部材を連動調
整可能な工作物ガイド連動手段が前記移動台または前記
旋回台に設けられ、前記昇降手段の前記昇降部は前記工
作物ガイド連動手段の動作と干渉しないように所定の形
状に形成されているのが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる実施の形態
の一例を図1から図11を参照して説明する。この実施
形態では、NC(数値制御)装置により数値制御される
主軸移動型の工作機械として立て旋盤の場合を示してい
る。この工作機械は、主軸を回転可能に支持する主軸台
が少なくとも主軸の軸線方向およびこの主軸軸線と直交
する方向に移動して、主軸の下端(下方端部)に設けら
れたチャックと工作物搬送装置との間で工作物(ワー
ク)を授受(受け渡し)するとともに、主軸台が工作物
授受領域と加工領域との間を移動するようになってい
る。この主軸台が少なくとも主軸軸線方向およびこの主
軸軸線と直交する方向に移動可能な工作機械であれば、
たとえば、ターニングセンタ,研削盤,マシニングセン
タなどのように、直交2軸方向または直交3軸方向に移
動する他の種類の工作機械であってもよい。なお、工作
機械の主軸の軸線は、床面に対して垂直方向を向いてい
る場合を示しているが、この垂直方向に対して所定角度
傾斜した方向を向いた場合でもよい。
【0017】(第1の実施形態)図1から図7は本発明
の第1の実施形態を示す図である。図1および図2は、
それぞれ主軸移動型の立て旋盤に工作物搬送装置を付属
させた全体平面図および全体正面図である。まず最初
に、主軸移動型の立て旋盤(以下、旋盤と記載)1につ
いて説明する。図1および図2に示すように、旋盤1
は、機械本体2と、機械本体2の近傍に設けられ、旋盤
1の所定の位置に工作物を搬送する動作を行う工作物搬
送装置3とを備え、NC装置により数値制御される。旋
盤1においては、主軸台4および主軸5など可動体が、
主軸軸線CL方向と平行な方向であるZ軸方向に移動す
るとともに、Z軸方向と直交するX軸方向に移動する。
すなわち、主軸5は、その中心がX軸方向と平行な移動
軌跡C0 上を移動し、加工領域17内で加工が行われる
位置(以下、加工位置と記載)と、工作物搬送装置3の
工作物授受位置Dとの間で移動する。
【0018】チャック6は、この旋盤1でこれから加工
を行う予定の未加工の工作物(たとえば、素材ワーク)
7を着脱自在に直接把持して工作物搬送装置3から受け
取り、旋盤1の加工領域内で加工した後は、加工が終了
した加工済工作物(たとえば、完成品)8の把持を解除
してこの加工済工作物8を工作物搬送装置3に渡す。主
軸5を含む主軸台4がX軸方向およびZ軸方向に移動す
るこの旋盤1では、主軸台4の移動動作が工作物搬送の
機能も果している。
【0019】旋盤1には、加工位置で加工が行われると
ともにスプラッシュガード9,仕切りカバー9aで遮蔽
された加工領域17と、加工領域17に隣接し、チャッ
ク6と工作物搬送装置3との間で工作物の授受が行われ
る工作物授受領域18とが設けられており、主軸台4は
両方の領域17,18間を移動する。工作物授受領域1
8もスプラッシュガード9でカバーされている。仕切り
カバー9aには、主軸台4の移動のための開口部が設け
られている。主軸台4が少なくとも加工領域17側で加
工を行っている時、前記開口部より加工領域17側の切
屑,切削油剤が外部に飛散しないようなカバーまたは開
閉カバー等が、サドル12,主軸台4等と仕切りカバー
9aとの間に、または仕切りカバー9aに設けられてい
る。工作物搬送装置3は工作物授受領域18側に設置さ
れて、チャック6との間で未加工工作物7や加工済工作
物8の授受を行う。工作物搬送装置3の一部(たとえ
ば、工作物授受位置D側の部分)は工作物授受領域18
に位置し、他の部分は、作業者による加工済工作物8の
取り外し作業,および未加工工作物7の載置作業等が行
われる領域(スプラッシュガード9の外方の領域)に位
置している。
【0020】工作物搬送装置3には、工作物授受領域1
8にある工作物授受位置Dが設定されており、この工作
物授受位置Dには、未加工工作物受け取り位置30と加
工済工作物渡し位置31とがある。工作物授受位置D
で、チャック6と工作物搬送装置3との間で未加工工作
物7および加工済工作物8の授受動作が行われる。未加
工工作物受け取り位置30では、旋盤1でこれから未加
工工作物7を加工するために、チャック6と対向するよ
うに工作物載置台32が位置決めされ、チャック6の複
数の爪(たとえば、3爪)27で、工作物載置台32に
載置された未加工工作物7を把持して受け取る。
【0021】工作物載置台32が未加工工作物受け取り
位置30に位置決めされた時、未加工工作物受け取り位
置30に併設された加工済工作物渡し位置31において
も、チャック6と対向するように工作物載置台32が位
置決めされるようになっている。この加工済工作物渡し
位置31では、旋盤1での加工が完了した加工済工作物
8をチャック6が工作物載置台32に載置して渡すよう
になっている。すなわち、チャック6は、加工済工作物
8の把持を加工済工作物渡し位置31で解除して、この
加工済工作物8を工作物載置台32上に載置する。その
ために、未加工工作物受け取り位置30および加工済工
作物渡し位置31は、主軸5の移動軌跡C0 上に設けら
れている。
【0022】旋盤1のベッド10の上面には、X軸方向
に一対のガイドレール11が平行に取付けられている。
二本のガイドレール11上には、図示しないスライド本
体を介して、サドル12がX軸方向に移動自在に配置さ
れている。ガイドレール11とスライド本体は直動ころ
がり案内を構成している。ベッド10の工作物搬送装置
3側にはブラケット10aが固定されており、ガイドレ
ール11,11は、ベッド10とブラケット10aとに
より支持されている。なお、ブラケット10aはベッド
10と一体に形成してもよい。
【0023】二本のガイドレール11の間には、X軸用
ボールねじのねじ軸13がガイドレール11と平行に配
置され、ねじ軸13には、サドル12に固定されたナッ
ト14がねじ込まれている。ねじ軸13の両端部は、軸
受を内蔵した軸受装置15,16により回転可能に軸支
されている。ねじ軸13は、歯付プーリ13a,13b
および歯付ベルト13cを介して、X軸用サーボモータ
20により正逆方向に回転駆動される。X軸用サーボモ
ータ20に駆動されてねじ軸13が回転すると、ナット
14が固定されているサドル12が、ガイドレール11
に案内されてX軸方向に往復移動し、この移動動作が工
具22に対する主軸台4のX軸方向の移動となる。この
旋盤1は、X軸方向へのサドル12の移動可能距離が工
作物搬送装置3の方向に長くなっている。
【0024】ベッド10には刃物台21が取付けられ、
刃物台21にはタレット23が所定の方向たとえばX軸
軸線と平行な軸線を中心に旋回割出し可能に設けられ、
タレット23には複数の工具22が放射状に取付けられ
ている。サドル12の前面には、Z軸方向に一対のZ軸
ガイドレール24が平行に設けられ、主軸台4が、スラ
イド本体25,25を介して一対のZ軸ガイドレール2
4,24にZ軸方向に移動可能に係合している。Z軸ガ
イドレール24およびスライド本体25は直動ころがり
案内を構成している。
【0025】サドル12の上部にはZ軸用サーボモータ
26が取付けられている。Z軸用サーボモータ26に
は、Z軸用ボールねじ(図示せず)のねじ軸が直結され
て回転駆動されるようになっている。Z軸用ボールねじ
のねじ軸には、主軸台4に固定されたナット(図示せ
ず)がねじ込まれているので、Z軸用サーボモータ26
によりねじ軸が回転すれば、前記ナットを介して主軸台
4がZ軸ガイドレール24に案内されてZ軸方向に昇降
移動する。なお、各案内部の直動ころがり案内は、他の
ころがり案内,すべり案内等の案内部であってもよい。
【0026】主軸台4には主軸5が主軸受(図示せず)
等により回転可能に支持されており、主軸5は、その下
端に設けられたチャック6で工作物を把持した状態で回
転する。主軸5は、主軸台4の内部に組み込まれたビル
トイン型の主軸モータ(図示せず)により回転駆動され
る。主軸モータはビルトイン型が好ましいが、歯車機
構,ベルト・プーリ機構など伝達機構を介して駆動する
ものであってもよい。チャック6には、工作物を把持す
るための複数の爪27が設けられている。主軸5の上部
にはチャックシリンダ28が設けられており、所定の圧
力の流体を供給してチャックシリンダ28を駆動し、爪
27を同時に径方向に開閉移動させることにより、工作
物が把持または把持解除される。
【0027】次に、工作物搬送装置3について説明す
る。図3は図1の III−III 線矢視図、図4は図1のIV
−IV線断面図、図5は図4のV−V線断面図、図6は図
3のVI−VI線矢視図、図7は昇降手段の構造を示す部分
拡大図である。
【0028】図1から図5に示すように、工作物搬送装
置3は、所定の位置(すなわち、未加工工作物受け取り
位置30および加工済工作物渡し位置31)にそれぞれ
未加工工作物7および加工済工作物8を順次位置決めす
るための動作を行う。工作物搬送装置3は、旋盤1の機
械本体2の近傍の所定の位置に設置された工作物搬送装
置基体(以下、基体と記載)34を備えており、基体3
4は、機械本体2とは別体に立設されている。基体34
は、機械本体2に対して所定位置に設けられていればよ
いので、機械本体2と一体でも別体でもよい。たとえ
ば、基体34を、ベッド10またはブラケット10a等
に一体に設けてもよい。また、別体に設けられた基体3
4を、ベッド10等に直接または連結部材を介して固定
してもよい。
【0029】工作物搬送装置3は、移動台駆動手段(駆
動手段)37によって駆動されて基体34の上面(移送
面)35上を移動する移動部36を備えている。基体3
4には、移動台用駆動モータ(図示せず)により伝達機
構を介して駆動される駆動スプロケット38が設けられ
ており、駆動スプロケット38によりエンドレスチェー
ン(以下、チェーンと記載)39が移動動作する。この
チェーン39に複数の移動部36が所定のピッチPで取
付けられている。
【0030】工作物搬送装置3は、未加工工作物7,加
工済工作物8を載置する工作物載置台32を昇降移動さ
せるための昇降手段45を備えており、昇降手段45
は、工作物載置台32上の工作物を順次授受させる高さ
位置に昇降させる。昇降手段45は、チャック6との間
で工作物7,8を授受するために移動部36が位置決め
される工作物授受位置Dに配設されて基体34に設けら
れ、移動部36が工作物授受位置Dに位置決めされた時
に工作物載置台32を主軸軸線CLと平行な方向に昇降
移動させる。これにより、工作物授受位置Dでは、昇降
手段45に設けられた圧縮ばね46など付勢部材の付勢
力により、工作物7,8が所定の荷重でチャック6側に
押し付けられた状態で、工作物7,8の授受を行えるよ
うにしている。
【0031】一つの昇降手段45は、未加工工作物受け
取り位置30に設けられ工作物載置台32を昇降移動可
能にかつ傾き動作可能に支持している。本実施形態で
は、この昇降手段45と実質的に同じ構成の別の昇降手
段45が、加工済工作物渡し位置31にも設けられてい
る。圧縮ばね46は、少なくとも未加工工作物受け取り
位置30の昇降手段45に設けられるが、本実施形態で
は、加工済工作物渡し位置31の昇降手段45にも設け
られている。加工済工作物渡し位置31に設けられた昇
降手段45は、工作物載置台32を昇降移動可能にかつ
傾き動作可能に支持するようになっている。
【0032】移動台駆動手段37は、基体34に取付け
られ減速機を有する移動台用駆動モータと、基体34に
回動可能に軸支され、移動台用駆動モータに駆動されて
駆動側の一方の回転中心C1 回りに正逆方向に回転する
駆動スプロケット38と、基体34に軸支され、他方の
回転中心C2 回りに正逆方向に回転する従動スプロケッ
ト(または、回転リング)51とを有している。駆動ス
プロケット38と従動スプロケット51には、チェーン
39が巻き掛けられている。駆動スプロケット38に
は、大径の歯車49が同心状に平行に取付けられて一体
的に回転するようになっている。歯車49と、移動台用
駆動モータの出力軸に取付けられた小径の歯車とが噛み
合って伝達機構を構成している。移動台用駆動モータの
回転駆動力は、このモータの出力軸,小径の歯車,大径
の歯車49,駆動スプロケット38を介して減速された
状態でチェーン39に伝達され、チェーン39は移動動
作を行う。
【0033】基体34を構成するフレーム52には、移
送面としての上面35が形成されており、チェーン39
は上面35と平行に配設されている。上面35は、チェ
ーン39の全体形状に対応して長細い矩形状をなして水
平方向に配設されている。移動部36は、移動台駆動手
段37によって駆動され基体34の上面35上を移動動
作する移動体としての移動台54と、移動台54の上方
に、かつ移動台54に対して主軸軸線方向に移動可能に
各々設けられ、載置面に工作物7,8を載置するための
工作物載置台32とを備えている。工作物載置台32に
は、複数の未加工工作物7,加工済工作物8を積み重ね
た状態(すなわち、段積み状態)で載置できるようにな
っている。移動台54は、複数個連鎖状に設けられてい
る。
【0034】移動台54の下部には、上面35上を任意
の方向に自在に転動する複数(たとえば、四個)のキャ
スタ53が取付けられている。チェーン39に連結され
た複数の移動部36は、同一ピッチPで上面35上に配
設されキャスタ53を介して移動動作を行う。移動部3
6は複数(たとえば、三つ)のガイド部材55を備えて
いる。ガイド部材55は、移動台54に設けられるとと
もに、工作物7,8の直径(外径寸法)dに対応させて
工作物載置台32の半径方向に工作物ガイド連動手段
(以下、工作物ガイド手段と記載)65によって位置調
整可能になっている。これにより、ガイド部材55は、
複数の工作物7,8を工作物載置台32に積み重ねた状
態で所定位置にガイドしている。
【0035】工作物載置台32は円板状に形成されてお
り、複数(たとえば、三個)の溝56は、工作物載置台
32の中心軸線C3 の周囲に均等に配置されている。溝
56には、各々ガイド部材55が貫通している。工作物
載置台32の中央部の下部には板部材57が取付けられ
ている。工作物載置台32と板部材57は、垂直方向に
配設された複数(たとえば、三本)の連結棒58を介し
て連結固定されている。工作物載置台32および板部材
57は、互いに平行,同心かつ水平方向に配設されてい
る。
【0036】移動台54は、ほぼ矩形状の上板60と下
板61とを備えており、上板60および下板61は、互
いに平行,同心かつ水平方向に配設されている。上板6
0と下板61にはチェーン39がそれぞれ係合してい
る。移動台54のほぼ中央部には空間部63が設けられ
ている。工作物載置台32の板部材57を支持する昇降
手段45の昇降部64が昇降動作し、空間部63を通過
して工作物載置台32を昇降させるようになっている。
【0037】移動台54には工作物ガイド手段65が設
けられている。工作物ガイド手段65は、工作物7,8
の直径dに合わせてリンク機構74により複数のガイド
部材55を連動調整可能になっており、ガイド部材55
を互いに連動させて工作物載置台32の半径方向に移動
させている。昇降部64,板部材57および連結棒58
は、工作物ガイド手段65の動作と干渉しないように所
定の形状に形成されている。本実施形態では、昇降部6
4および板部材57はほぼY字状に形成されており、連
結棒58は板部材57の半径方向外方の三つの頂部に配
置されている。上板60と下板61は、複数(たとえ
ば、三本)の連結部材68を介して連結されている。上
板60と下板61には、空間部63を形成するための貫
通孔66,67が中心軸線C3 と同心にそれぞれ形成さ
れている。キャスタ53は下板61の下部に取付けられ
ている。
【0038】工作物ガイド手段65は、下板61に対し
て回動可能に軸支され中心軸となる回動軸71と、回動
軸71とガイド部材55とを一体的に連結する回動部材
72と、回動部材72の一つに固定された被締結部材7
3と、回動軸71に取付けられたリンク機構74とを備
えている。リンク機構74は、リング体75a,ピン7
5b,連動棒75等を有している。回動軸71の中央部
には、E型止め輪,C型止め輪など止め輪75cが溝部
にはめ込まれており、ボルト71aをねじ込むことによ
り、リング体75aの下面とナット71bとによって軸
線方向に移動台54を挟み込んでいる。これにより、回
動軸71とリング体75aは、移動台54に対して回動
可能に組み込まれている。回動部材72は、ボルト79
により回動軸71に締め付け固定されている。工作物載
置台32は、均等に配置された三つの回動軸71の上端
部により接触離脱自在に水平方向に三点支持されてい
る。溝56は、回動軸71の中心軸線C4 を中心とする
円弧状に形成されている。
【0039】各ガイド部材55に対応して、回動軸71
および回動部材72が設けられている。三つの回動軸7
1は、中心軸線C3 の周りに均等に配置されており、三
つの回動軸71にはリング体75aが固定されている。
リンク機構74の連動棒75が、リング体75aにピン
75bを介して回転可能に設けられており、連動棒75
はこのリンク機構74により互いに連動可能になってい
る。三つの回動部材72のうちの一つに、被締結部材7
3がボルト76など締結部材により固定されている。被
締結部材73には、回動軸71の中心軸線C4 を中心と
する円弧状の係合長孔77が形成されている。この係合
長孔77を、上板60にねじ込まれた固定用の締め付け
ボルト78が貫通している。
【0040】したがって、ガイド部材55の位置を工作
物7,8の直径dに合わせる場合には、締め付けボルト
78を緩めた状態で、被締結部材73を中心軸線C4
りに回動させれば、ガイド部材55は円弧状の溝56内
を移動する。すると、被締結部材73が固定された回動
部材72,回動軸71が、リンク機構74によって連動
し、一体的に中心軸線C4 回りに回転する。
【0041】ガイド部材55は溝56に緩く係合してい
るので、工作物載置台32はガイド部材55とほとんど
摺接することなく昇降移動する。また、溝56はガイド
部材55の揺動中心C4 を中心とする円弧状になってい
るので、ガイド部材55が移動してその位置が変化して
も、工作物載置台32は昇降動作するときガイド部材5
5とほとんど摺接することがない。ガイド部材55を工
作物7,8の直径dに対応して工作物載置台32の半径
方向に位置調整し、この状態で締め付けボルト78を締
め付けると、被締結部材73が上板60に固定されるの
で、三つのガイド部材55は所望の位置に位置決めされ
る。こうして、工作物7,8の外周面が三本のガイド部
材55にガイドされるので、工作物7,8の直径dが異
なる場合でもまた工作物載置台32が昇降移動しても、
工作物7,8は常に工作物載置台32の中心位置に心出
しされる。
【0042】移動台54は、移動台駆動手段37に駆動
されて矢印Eに示すように反時計回りに移動するととも
に、割出し位置検出手段によりその割出し位置が検出さ
れ、一ピッチPずつ間欠的にまたは連続的に送られて所
定位置に割出される。なお、必要に応じて移動台用駆動
モータを逆転させれば、移動台54は時計回りに移動動
作を行うこともできる。
【0043】次に、未加工工作物受け取り位置30と加
工済工作物渡し位置31にそれぞれ配設された昇降手段
45,45のうち前者を例にとって説明する。図1から
図7に示すように、未加工工作物受け取り位置30で
は、開口部90が基体34の上板35に形成されてい
る。開口部90は、未加工工作物受け取り位置30の中
心軸線C30を中心とする円形状をなしている。昇降手段
45の昇降部64は、開口部90を通って昇降移動す
る。昇降部64は、開口部90を通って上昇し、未加工
工作物受け取り位置30に停止している工作物載置台3
2の下部の板部材57の下面に当接可能になっている。
昇降部64は、板部材57および工作物載置台32を、
中心軸線C30方向に昇降移動可能にかつ傾き動作可能に
支持するとともに、圧縮ばね46のたわみにより中心軸
線C30方向に移動可能になっている。
【0044】基体34には、昇降用駆動モータ93とス
ライドブロック94が固定されている。スライドブロッ
ク94には、垂直方向に配設されたガイドレール95が
昇降移動可能に係合している。スライドブロック94と
ガイドレール95により、直動ころがり案内が構成され
ている。ガイドレール95にはラック96が同一方向
(垂直方向)に固定されている。ラック96は、昇降用
駆動モータ93の出力軸に取付けられたピニオン97に
噛合している。なお、このラック・ピニオン機構に代え
てねじ機構を用いてもよい。さらに、昇降用駆動モータ
に代えて油圧シリンダなど流体圧シリンダで昇降部64
を昇降動作させてもよい。ガイドレール95の上端部に
は、圧縮ばね46等を有する支持部98が設けられてい
る。ガイドレール95,ラック96および支持部98に
より昇降部64が構成されている。昇降部64が上限位
置と下限位置との間で昇降動作するように、基体34に
は上限ストッパと下限ストッパ(図示せず)が設けられ
ている。昇降用駆動モータ93を駆動すれば、ピニオン
97とラック96の機構を介して、ガイドレール95が
スライドブロック94に案内されて移動するので、昇降
部64は中心軸線C30の方向に昇降動作する。
【0045】支持部98において、圧縮ばね46は、ほ
ぼY字状の上板部100と下板部101との間に圧縮さ
れた状態で配置されている。下板部101は、ガイドレ
ール95の上端部に固定されて水平方向に配置されてい
る。したがって、圧縮ばね46は上板部100等を上方
に付勢している。上板部100と下板部101は、複数
(ここでは、三本)の当接部材102とナット104に
より接続されるとともに最大の距離hが規制されてい
る。三本の当接部材102は、中心軸線C30の周囲に均
等に配置されて、工作物載置台32の下部のY字状の板
部材57を三点で均等に支持するようになっている。当
接部材102は、上板部100の係合孔100aと下板
部101の係合孔101aに挿通されている。係合孔1
00a,係合孔101aと当接部材102の軸部との間
には所定の隙間が設けられている。
【0046】当接部材102が、工作物載置台32に押
し付けられて上板部100とともに下方に移動すると、
当接部材102は下板部101の係合孔101a内を下
方に摺動する。当接部材102のナット104を調整す
ることにより最大距離hを変化させて、圧縮ばね46の
ばね力を調整することができる。当接部材102の上端
の頭部103の表面は上方に膨らんだ曲面状をなしてい
るので、当接部材102は、板部材57の下面に点接触
することができる。
【0047】上板部100の中心部には棒状部材105
が下方に向けて設けられている。下板部101の上側に
は、断面円形の凹部106が棒状部材105に対向して
形成されている。凹部106は、下板部101に突出形
成された円筒状部108に形成されている。上板部10
0と当接部材102が昇降移動可能にかつ傾き動作可能
なように、棒状部材105の断面円形の係合部107
が、凹部106に緩く嵌合している。このように、棒状
部材105が凹部106に嵌合しているので、上板部1
00と当接部材102は、横方向にずれることなく中心
軸線C30を中心に昇降移動する。圧縮ばね46は、棒状
部材105と円筒状部108を覆って中心位置に配置さ
れた一つの大径ばね110と、三本の当接部材102を
それぞれ覆って大径ばね110の周囲に均等に配置され
た三つの小径ばね111とにより構成されている。
【0048】昇降手段45は、チャック6が未加工工作
物7を押し込んだとき押し過ぎたか否かを検出するため
の押し過ぎ検出手段112を備えている。押し過ぎ検出
手段112は、一本の当接部材102に取付けられた被
検出部113と、ガイドレール95に取付けられた近接
スイッチ,光電センサなど検出器114とを備えてい
る。押し過ぎ検出手段112は、チャック6で未加工工
作物7を授受するためにチャック6が未加工工作物7を
下方に押し込んだ時、当接部材102が所定位置を超え
て下降動作すると、検出器114が被検出部113の移
動動作を検出して、異常が発生した旨を検出できるよう
になっている。
【0049】たとえば、未加工工作物受け取り位置30
での主軸台4の下降動作のプログラムにミスがあった場
合に、チャック6の爪27が未加工工作物7を下方に所
定距離以上に下降させようとする。すると、検出器11
4が被検出部113の下降動作位置を検出するので、こ
の信号に基づいてNC装置が、主軸5の下降動作を停止
するとともにアラーム等を表示するように制御を行う。
このようにして、プログラムミス等を作業者に知らせ、
工具と工作物が衝突するなどのトラブルを防止してい
る。
【0050】チャック6が未加工工作物7を把持する際
には、主軸台4のZ軸方向の移動ストロークを所定量大
きめにプログラムして、チャック6が未加工工作物7を
下方に若干押し込んで圧縮ばね46を圧縮した状態で把
持動作をするようにしている。 したがって、チャック
6が未加工工作物7を受け取る場合に、チャック6の爪
27が未加工工作物7に接触した後も、主軸5が主軸軸
線CLの下方向にさらに若干移動する。未加工工作物7
とともに工作物載置台32,連結棒58,板部材57,
当接部材102,上板部100,棒状部材105等が、
主軸5の下降移動動作に伴って圧縮ばね46のばね力に
抗して下降する。主軸5が所定位置まで下降した状態
で、チャック6の爪27を閉じて未加工工作物7を把持
する。
【0051】この時、未加工工作物7の軸線方向寸法H
に多少のばらつきがあっても、このばらつきは圧縮ばね
46の弾性変形で吸収され、未加工工作物7がチャック
6の爪27の端面28に確実に密着する。こうして、主
軸軸線CL方向に関する未加工工作物7の位置決めがで
き、チャック6の爪27の把持動作による心出しととも
に、チャック6による未加工工作物7の把持動作を確実
かつ高精度に行うことができる。また、圧縮ばね46の
ばね力により、チャック6の爪27と未加工工作物7と
が当接するので、爪27の端面28と未加工工作物7と
が強く密着した状態で未加工工作物7を把持することが
できるとともに、主軸5側に過大な負荷をかけることが
ない。
【0052】次に、工作物搬送装置3に設けられた工作
物上昇位置検出手段120について説明する。工作物上
昇位置検出手段120は、移動台54が所定の位置(す
なわち、未加工工作物受け取り位置30,加工済工作物
渡し位置31)に位置決めされた後、工作物載置台32
の上面または工作物の上面が所定の高さ位置(すなわ
ち、チャック6が工作物7,8の授受動作を行うことが
できる高さ位置)F1 ,F2 に上昇しているか否かを検
出する。この工作物上昇位置検出手段120は、未加工
工作物上昇位置検出手段121と加工済工作物上昇位置
検出手段122により構成されている。
【0053】未加工工作物上昇位置検出手段121には
透過形の光電センサが使用されており、この未加工工作
物用光電センサ(未加工工作物上昇位置検出手段)12
1は、基体34に取付けられた投光器123および受光
器124を備えている。未加工工作物用光電センサ12
1は、未加工工作物受け取り位置30に移動台54が位
置決めされた時、工作物載置台32に載置された未加工
工作物7が昇降手段45によって所定の高さ位置まで上
昇したか否かを検知するものである。すなわち、未加工
工作物用光電センサ121によって最上部の未加工工作
物7の上端が検出されたときに、昇降手段45による上
昇動作を停止する。また、昇降手段45が上昇端に移動
しても未加工工作物7の上端が検出されない時には、こ
の工作物載置台32上には未加工工作物7は載置されて
いないと判断し、昇降手段45を下降端まで下降させた
後、次の移動台54を未加工工作物受け取り位置30に
移動させる。
【0054】加工済工作物上昇位置検出手段122にも
透過形の光電センサが使用されている。この加工済工作
物用光電センサ(加工済工作物上昇位置検出手段)12
2は、基体34に取付けられた投光器125および受光
器126を備えている。加工済工作物用光電センサ12
2は、加工済工作物渡し位置31に移動台54が位置決
めされた時、工作物載置台32に載置された加工済工作
物8または空の工作物載置台32が、昇降手段45によ
って所定の高さ位置まで下降しているか否かを検知する
ものである。たとえば、加工済工作物用光電センサ12
2の投光器125の光を、加工済工作物8または工作物
載置台32が遮断して受光器126が受光できない状態
から、昇降手段45によって工作物載置台32を下降さ
せて、受光器126が受光可能になった位置を検出す
る。
【0055】そして、加工済工作物用光電センサ122
によって、加工済工作物8または工作物載置台32の上
端が所定の高さ位置F2 に達したことを検出し、昇降手
段45を停止させる。また、昇降手段45が下降端に移
動しても加工済工作物8の上端が所定高さ位置F2 に達
したことを検出できない場合(たとえば、投光器125
の光を遮断している状態が継続している場合)には、こ
の工作物載置台32には、所定数の加工済工作物8が積
み重ねて載置されたとの判断を行うことができる。な
お、光電センサ121,122は、透過形のほか回帰反
射形や拡散反射形等であってもよい。また、非接触式,
接触式で物の有無が判別できるセンサであってもよく、
たとえば、レーザセンサなどの光センサ,超音波セン
サ,磁気センサ,リミットスイッチ等であってもよい。
【0056】次に、旋盤1と工作物搬送装置3の全体の
動作について説明する。工作物搬送装置3において、運
転開始時には、少なくとも一つの工作物載置台32を空
の状態にし、残りの工作物載置台32の全部または一部
には、工作物載置台32ごとに複数の段積み状態で未加
工工作物7が載置されている。そして、工作物搬送装置
3から順次供給される未加工工作物7を旋盤1で加工
し、加工済工作物8は工作物搬送装置3に戻していく。
【0057】待機状態の工作物搬送装置3では、未加工
工作物7が載置されている工作物載置台32と加工済工
作物8を載置するための工作物載置台32が、未加工工
作物受け取り位置30と加工済工作物渡し位置31にそ
れぞれ位置決めされている。未加工工作物受け取り位置
30の工作物載置台32には一つ以上の未加工工作物7
が載置され、加工済工作物渡し位置31の工作物載置台
32は、満杯にならない状態で一つまたは複数の加工済
工作物8が載置されているかまたは空になっている。段
積みされた未加工工作物7は、位置調整可能な三本のガ
イド部材55によりガイドされて、工作物載置台32の
中心位置に心出しされた状態で載置されている。
【0058】一方、旋盤1においては、チャック6によ
って工作物が把持された主軸5を主軸モータにより回転
駆動する。また、X軸用サーボモータ20およびZ軸用
サーボモータ26により、主軸台4およびサドル12を
X軸方向,Z軸方向に移動・位置決め制御する。すなわ
ち、チャック6に把持された工作物を工具22に対して
X軸方向およびZ軸方向に移動・位置決め制御するとと
もに主軸5の回転数を制御して、工具22により工作物
を切削加工する。また、加工の種類に対応して、タレッ
ト23に取付けられた所望の工具を割出す。
【0059】切削加工後、主軸台4を加工領域17から
工作物授受領域18に移動させる移動指令が出力され
る。工作物搬送装置3は、加工済工作物渡し位置31の
所定の高さ位置F2 に、加工済工作物8の上端または工
作物載置台32の上端が位置するように、昇降手段45
を停止させる信号を出力する。加工済工作物用光電セン
サ122が、加工済工作物8の上端または工作物載置台
32の上端が位置したことを検出するまで昇降用駆動モ
ータ93を駆動し、昇降部64を昇降移動させる。
【0060】未加工工作物用光電センサ121は、段積
みの最上部に載っている未加工工作物7の上端が未加工
工作物受け取り位置30の所定の高さ位置F1 に位置す
るように、昇降手段45を停止させる信号を出力する。
未加工工作物7の上端が所定の高さ位置F1 に位置した
ことを未加工工作物用光電センサ121が検出するま
で、昇降用駆動モータ93を駆動して、昇降部64を昇
降移動させる。この状態の時にのみ、主軸台4は工作物
授受位置Dに移動して工作物の受け渡しを行う。
【0061】主軸台4が加工済工作物渡し位置31の上
方に到着し、主軸軸線CLが工作物載置台32の中心軸
線C3 に一致すると、主軸台4を下降させて、工作物載
置台32または以前の加工済工作物8上に加工済工作物
8を載置し、チャック6の爪27を把持解除方向に移動
させ、加工済工作物8の把持を解除して渡す。この時、
主軸台4の下降動作によって、圧縮ばね46のばね力に
抗して工作物載置台32が下降しているため、加工済工
作物8は所定の荷重で押し付けられた状態で、チャック
6から工作物載置台32側に渡される。これにより、加
工済工作物8を、工作物載置台32側に衝突,落下等な
くスムーズに載置することができることになり、加工済
工作物8に傷が付くことを防止することができる。
【0062】次いで、主軸台4を、所定の高さ位置(渡
した加工済工作物8とチャック6の爪27とが干渉しな
い位置)まで少し上昇させ、加工済工作物渡し位置31
から未加工工作物受け取り位置30に移動させる。主軸
台4の主軸軸線CLが、未加工工作物受け取り位置30
における工作物載置台の中心軸線C3 に一致すると、主
軸台4を下降させて、この未加工工作物受け取り位置3
0にある工作物載置台32上に載置されている未加工工
作物7をチャック6の爪27で把持する。この時、工作
物載置台32は、昇降手段45の上部に設けられた圧縮
ばね46により、昇降移動可能にかつ傾き動作可能に支
持されている。
【0063】未加工工作物受け取り位置30および加工
済工作物渡し位置31は、主軸台4の主軸軸線CLと直
交する方向と平行な移動軌跡C0 上にあり、主軸台4が
加工位置から最初に到着する加工済工作物渡し位置31
が、加工位置に近い方に配置されているので、主軸台4
の移動動作には無駄がない。未加工工作物7は、未加工
工作物受け取り位置30で工作物載置台32上にガイド
部材55でガイドされ心出しされた状態で載置されてお
り、しかも、未加工工作物用光電センサ121で、段積
みの最上部に載っている未加工工作物7の上端が所定の
高さ位置F1 にあるように位置決めされているので、チ
ャック6による未加工工作物7の把持を確実に行うこと
ができる。
【0064】チャック6の爪27を開いた状態の主軸台
4が未加工工作物受け取り位置30に到着すると、主軸
台4を下降させる。そして、チャック6の爪27の端面
28を未加工工作物7の上面7aに押し当てたのち、未
加工工作物7をさらに所定距離(たとえば、数ミリメー
トル)、圧縮ばね46のばね力に抗して下方に押し込
む。すると、工作物載置台32,連結棒58,板部材5
7,当接部材102,上板部100,棒状部材105等
が、圧縮ばね46のばね力に抗して一体的に下方に若干
移動する。同時に、棒状部材105の係合部107は、
凹部106内を下方に摺動する。このようにして、未加
工工作物7がチャック6に所定の荷重で押し付けられる
ので、未加工工作物7の上面7aは、圧縮ばね46のば
ね力によりチャック6の爪27の端面28に強く密着す
る。この状態でチャック6の爪27を閉じて、未加工工
作物7をしっかりと把持する。
【0065】ところで、上述のように、未加工工作物7
は加工前なのでその形状や軸線方向寸法Hはかなりラフ
でばらつきがあることがある。たとえば、未加工工作物
7の上面7aが、二点鎖線G(図4)に示すように、工
作物載置台32の載置面に対して傾斜している場合もあ
る。このような場合に、チャック6の爪27が未加工工
作物7を圧縮ばね46のばね力に抗して下方に押付ける
と、工作物載置台32,上板部100等は傾いた姿勢で
下降する。
【0066】その結果、未加工工作物7の形状や軸線方
向寸法Hのばらつきが吸収されて、未加工工作物7の上
面7aが、チャック6の爪27の端面28に圧縮ばね4
6のばね力により強く密着した状態で、未加工工作物7
はしっかりと把持される。このように、チャック6によ
る未加工工作物7の把持を高精度かつ確実に行うことが
できる。未加工工作物7を把持した主軸台4は、加工領
域17側に移動して切削加工を開始する。
【0067】次いで、工作物搬送装置3では、未加工工
作物受け取り位置30における昇降手段45を駆動し
て、未加工工作物用光電センサ121で未加工工作物7
の上端が検出できるまで工作物載置台32を上昇させ
る。加工済工作物渡し位置31では、昇降手段45を駆
動して、加工済工作物用光電センサ122で加工済工作
物8の上端が検出できるまで工作物載置台32を下降さ
せる。すなわち、未加工工作物受け取り位置30では、
昇降用駆動モータ93を駆動し、ピニオン97,ラック
96を介して昇降部64を上昇させる。そして、未加工
工作物用光電センサ121が、段積みの最上部に載って
いる未加工工作物7の上端を検出すると、昇降用駆動モ
ータ93の動作を停止する。これにより、次に加工する
予定の未加工工作物7が所定の高さ位置F1 に位置決め
される。
【0068】一方、加工済工作物渡し位置31において
は、昇降手段45の昇降用駆動モータ93を駆動し、ピ
ニオン97とラック96を介して昇降部64を下方に移
動させる。加工済工作物用光電センサ122が、段積み
の最上部に載っている加工済工作物8の上端を検出する
と、昇降用駆動モータ93の動作を停止する。これによ
り、現在加工が行われている工作物を載置可能な所定の
高さ位置F2 に、最上部の加工済工作物8を位置させる
ことができる。このようにして、工作物搬送装置3を待
機状態にした後、前記と同様の工作物授受の手順を繰り
返して未加工工作物7を順次加工する。
【0069】加工作業が進行し、やがて、未加工工作物
受け取り位置30の工作物載置台32にあった未加工工
作物7が全てなくなる。すると、この工作物載置台32
が最も上昇した状態で、未加工工作物用光電センサ12
1が未加工工作物7を検出できないので、この工作物載
置台32上には未加工工作物7がなくなったことが分か
る。この場合、加工済工作物渡し位置31にある工作物
載置台32には、加工済工作物8が満杯に段積み状態で
載置されている。このことも、工作物載置台32が下降
端に下降しても、加工済工作物用光電センサ122が加
工済工作物8の上端を検出できないことで分かる。
【0070】すると、工作物載置台割出し指令が出力さ
れる。この工作物載置台割出し指令が出力されると、未
加工工作物受け取り位置30と加工済工作物渡し位置3
1における各昇降手段45を駆動して、昇降部64の上
端部を、基体34の上面35より下方の所定位置まで下
降させて退避させる。これにより、移動部36は、昇降
部64に邪魔されることなく移動動作することができ
る。次いで、未加工工作物7が段積みされた次の工作物
載置台32を、未加工工作物受け取り位置30に割出
す。そのために、移動台用駆動モータを駆動すると、こ
の回転駆動力は、移動台用駆動モータの出力軸と歯車4
9など歯車機構とを介して伝達され、駆動スプロケット
38を回転させる。
【0071】駆動スプロケット38の回転によりチェー
ン39が移動すると、チェーン39に取付けられた移動
台54が一体的に移動する。移動台54の下部のキャス
タ53は、基体34の上面35上を転動しながら移動す
る。移動台54が一ピッチPだけ移動すると、未加工工
作物受け取り位置30にあった空の工作物載置台32
が、加工済工作物渡し位置31に移動する。そして、次
の複数の未加工工作物7を載せた工作物載置台32が、
未加工工作物受け取り位置30に移動する。
【0072】未加工工作物受け取り位置30では、未加
工工作物7を載せた工作物載置台32が所定位置に位置
決めされ、加工済工作物渡し位置31の工作物載置台3
2は空になっているので、工作物載置台割出し指令の実
行が完了する。次いで、未加工工作物受け取り位置30
と加工済工作物渡し位置31の各昇降手段45を駆動し
て、両方の工作物載置台32を所定の高さ位置に上昇移
動させる。その後は、未加工工作物受け取り位置30の
工作物載置台32の未加工工作物7がなくなるまで前記
と同様の手順を繰り返す。
【0073】(第2の実施形態)図8は、本発明の第2
の実施形態にかかる工作物搬送装置3aの平面図であ
る。なお、以下の各実施形態において、他の実施形態と
同一または相当部分には同一符号を付してその説明を省
略し、異なる部分のみ説明する。
【0074】図8に示すように、工作物搬送装置3aは
旋回部(移動部)36aを備えている。旋回部36a
は、駆動用モータなど駆動手段によって駆動されて基体
34の上面(移送面)35上を矢印Jに示すように旋回
移動する一つの円盤状の旋回台(移動体)54aと、旋
回台54aの上部でかつ周縁130の近傍に所定の間隔
で均等に配列され、複数の工作物7,8を積み重ねた状
態で載置可能な複数の工作物載置台32とを備えてい
る。工作物載置台32は、旋回台54aに対して昇降移
動可能になっている。
【0075】さらに、旋回部36aは、各工作物載置台
32ごとに複数(たとえば、三本)のガイド部材55を
備えている。ガイド部材55は、工作物7,8の直径d
に対応させて工作物7,8の半径方向に位置調整可能
で、かつ複数の工作物7,8を工作物載置台32に積み
重ねた状態で所定位置にガイドするためのものである。
旋回台54aには、第1の実施形態と同様の工作物ガイ
ド手段65が設けられている。工作物ガイド手段65
は、工作物の直径に合わせてリンク機構74により複数
のガイド部材55を連動調整可能になっており、ガイド
部材55を互いに連動させて工作物載置台32の半径方
向に移動させている。
【0076】未加工工作物受け取り位置30と加工済工
作物渡し位置31は、主軸台4の移動軌跡C0 上に配置
されている。工作物搬送装置3aは、未加工工作物受け
取り位置30と加工済工作物渡し位置31の二箇所に昇
降手段45,45を備えている。昇降手段45は、チャ
ック6との間で工作物7,8を授受するために工作物載
置台32が位置決めされる工作物授受位置D(すなわ
ち、未加工工作物受け取り位置30と加工済工作物渡し
位置31)に配設されて基体34に設けられ、工作物載
置台32が工作物授受位置Dに位置決めされた時に、こ
の工作物載置台32を主軸軸線CL方向に昇降移動させ
るためのものである。
【0077】旋回台54aには、各工作物載置台32の
ほぼ中央部に対応する位置に開口部(空間部)131が
形成されている。昇降手段45の昇降部64は、工作物
ガイド手段65の動作と干渉しないように所定の形状に
形成されている。昇降部64は、開口部131を通過し
て昇降動作することにより工作物載置台32を昇降させ
ることができるようになっている。そして、工作物授受
位置Dでは、昇降手段45の圧縮ばね46のばね力によ
って工作物7,8がチャック6に所定の荷重で押し付け
られた状態で、工作物7,8の授受を行うようにしてい
る。
【0078】(第3の実施形態)図9,図10は、それ
ぞれ本発明の第3の実施形態にかかる工作物搬送装置3
bの一部を示す部分平面図および断面図である。図9お
よび図10に示すように、工作物搬送装置3bにおいて
は、工作物載置台32を支持する昇降手段45bの昇降
部64aは、フォーク形をなして矢印Kに示すように昇
降移動動作できるようになっている。
【0079】移動部36bは、駆動手段によって駆動さ
れて基体34の上面35を移動動作する移動台(移動
体)54bと、移動台54bの上部に配設され、複数の
工作物7,8を載置可能な工作物載置台32とを備えて
いる。移動台54bは、ほぼ矩形状の上板60と下板6
1とを備えている。上板60と下板61は、複数(たと
えば、三本)の連結部材68を介して連結されている。
上板60と下板61にはチェーン39がそれぞれ係合し
ている。下板61は、互いに平行,同心かつ水平方向に
配設された二枚の板材61a,61bを有し、板材61
a,61bを固定部材61cで一体的に固定している。
キャスタ53は、下方の板材61bの下部に取付けられ
ている。移動台54bには工作物ガイド手段65が設け
られている。なお、移動台54bおよび基体34には空
間部は形成されていない。
【0080】昇降手段45bは、チャック6との間で工
作物7,8を授受するために工作物載置台32が位置決
めされる工作物授受位置D(すなわち、未加工工作物受
け取り位置30および加工済工作物渡し位置31)に配
設されて基体34に設けられ、工作物載置台32が工作
物授受位置Dに位置決めされた時に、この工作物載置台
32を主軸軸線CL方向に昇降移動させるためのもので
ある。工作物授受位置Dでは、昇降手段45bに設けら
れた付勢部材としての圧縮ばね132のばね力により、
工作物7,8がチャック6側に所定の荷重で押し付けら
れた状態で、工作物7,8の授受を行うようにしてい
る。
【0081】昇降部64aは、昇降用駆動モータ93に
駆動されて、ピニオン97とラック96を介して昇降移
動する。ラック96にはガイドレール95が固定されて
おり、ガイドレール95の上端部には、フォーク状部材
133が水平方向に取付けられている。フォーク状部材
133は、このフォーク状部材133の所定位置に取付
けられた複数(たとえば、三個)の圧縮ばね132を介
して工作物載置台32を支持する。移動部36bが移動
する時には、昇降部64aを下降させ、フォーク状部材
133と圧縮ばね132を、板材61a,61bの間の
スペース134に退避させることにより、移動台54b
の移動動作の邪魔にならないようにしている。
【0082】(第4の実施形態)図11は、本発明の第
4の実施形態にかかる工作物搬送装置3cの概略断面図
である。図11に示す工作物搬送装置3cでは、工作物
載置台32cの載置面に工作物7,8を平置き(すなわ
ち、一個載置)している。工作物搬送装置3cは、基体
34と、駆動手段によって駆動されて基体34の上面
(移送面)35上を移動する移動部36cと、移動部3
6cの上部に配置されるとともに移動部36cに対して
自在に昇降移動し、一つの工作物7,8を載置するため
の工作物載置台32cと、工作物授受位置(未加工工作
物受け取り位置30および加工済工作物渡し位置31)
Dに配設されて基体34に設けられ、工作物載置台32
cが工作物授受位置Dに位置決めされた時に、この工作
物載置台32cを主軸軸線CL方向に昇降移動させるた
めの昇降手段45cとを備えている。工作物授受位置D
では、昇降手段45cに設けられた圧縮ばね46cなど
付勢部材の付勢力により、工作物7,8がチャック6側
に所定の荷重で押し付けられた状態で、工作物7,8の
授受を行うようにしている。
【0083】基体34には開口部140が形成されてい
る。移動部36cは、駆動手段によって駆動されて基体
34の上面35を移動動作する移動台(移動体)54c
と、移動台54cの上部に配設され、一つの工作物7,
8を載置可能な工作物載置台32cとを備えている。工
作物載置台32cは、移動台54cに係合する複数(た
とえば、二つ)のガイド部材141を介して昇降移動可
能になっている。移動台54cの下部には複数(たとえ
ば、四つ)のキャスタ53が取付けられている。なお、
移動部36cは、駆動手段によって駆動されて基体34
の上面35を旋回移動する旋回台と、この旋回台の上部
でかつ周縁の近傍に所定の間隔で配列される工作物載置
台とからなるものであってもよい。
【0084】昇降手段45cは、基体34に取付けられ
た油圧シリンダなど流体圧シリンダ142と、流体圧シ
リンダ142に駆動され、開口部140を通過して昇降
動作する昇降部64cとを備えている。昇降部64c
は、圧縮ばね46cを有し工作物載置台32cを支持し
て昇降移動させることができる。なお、流体圧シリンダ
142に代えて、昇降用駆動モータ,ラック・ピニオン
機構またはねじ機構により昇降部64cを昇降移動させ
てもよい。また、未加工工作物用光電センサ121およ
び加工済工作物用光電センサ122が、それぞれ所定の
高さ位置F1 ,F2 に配置されている。これにより、工
作物載置台32cに工作物が載置されているか否かを検
出することができる。
【0085】上述の第1から第4の実施形態の工作物搬
送装置3,3a,3b,3cによれば、チャック6との
間で工作物7,8を受け渡しする時に、主軸5側に大き
な負荷をかけることなく、工作物7,8をチャック6に
密着させた状態でスムーズにかつ短時間で受け渡すこと
ができ、また、未加工工作物7の寸法等にばらつきがあ
る場合でもチャック6で確実に把持することができる。
特に、未加工工作物7の軸線方向寸法Hの寸法誤差が大
きい場合や端面部に傾きがある場合などには、未加工工
作物7を段積みすると寸法誤差等が増幅されるが、本発
明によれば、付勢部材で工作物載置台を昇降移動可能に
かつ傾き動作可能に支持しているので、未加工工作物7
をチャック6に密着させた状態で把持することができ
る。また、押し過ぎ検出手段112が設けられているの
で、チャック6で工作物7,8を押し過ぎた場合には、
アラームで主軸台4等の移動動作を停止して装置の破損
を防ぐことができる。
【0086】各実施形態では、主軸台を所定量押し込む
ようにオペレータがプログラムを作成する方法で説明を
行っているが、これに限定されない。押し過ぎ検出手段
112とは別に、押し過ぎ検出手段112の上方に押し
込み検出手段を設け、NCプログラムはこの押し込み位
置より行き過ぎるようにプログラムしておき、この押し
込み検出手段からの信号をスキップ信号としてNC装置
に入力し、Z軸方向の主軸台の移動を停止するようにし
てもよい。また、付勢部材を有する昇降手段を一つと
し、未加工工作物の受け取り動作と加工済工作物の渡し
動作を同じ工作物授受位置で行ってもよい。この場合に
は、たとえば、チャックが工作物載置台に加工済工作物
を渡した後、昇降手段の下降、移動体の移動、昇降手段
の上昇後、チャックが工作物載置台上の未加工工作物を
受け取るようにする。なお、各図中同一符号は同一また
は相当部分を示す。
【0087】
【発明の効果】本発明は上述のように構成したので、工
作物をチャックで授受する時に、主軸側に大きな負荷を
かけることなく工作物をチャックに確実に密着させた状
態でスムーズに授受することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1から図7は本発明の第1の実施形態を示す
図で、図1は主軸移動形立て旋盤に工作物搬送装置を付
属させた全体平面図である。
【図2】図1の全体正面図である。
【図3】図1の III−III 線矢視図である。
【図4】図1のIV−IV線断面図である。
【図5】図4のV−V線断面図である。
【図6】図3のVI−VI線矢視図である。
【図7】昇降手段の構造を示す部分拡大図である。
【図8】第2の実施形態にかかる工作物搬送装置の平面
図である。
【図9】第3の実施形態にかかる工作物搬送装置の部分
平面図である。
【図10】図9の断面図である。
【図11】第4の実施形態にかかる工作物搬送装置の概
略断面図である。
【符号の説明】
1 主軸移動型立て旋盤(主軸移動型工作機械) 2 機械本体 3,3a,3b,3c 工作物搬送装置 4 主軸台 5 主軸 6 チャック 7 未加工工作物(工作物) 8 加工済工作物(工作物) 30 未加工工作物受け取り位置 31 加工済工作物渡し位置 32,32c 工作物載置台 34 工作物搬送装置基体 35 上面(移送面) 37 移動台駆動手段(駆動手段) 45,45b,45c 昇降手段 46,46c,132 圧縮ばね(付勢部材) 54,54b,54c 移動台(移動体) 54a 旋回台(移動体) 55 ガイド部材 63 空間部 64,64a,64c 昇降部 65 工作物ガイド連動手段 74 リンク機構 131 開口部(空間部) CL 主軸軸線 C0 移動軌跡 D 工作物授受位置 d 工作物の直径

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工作物の搬送を行うとともに、主軸を回
    転可能に支持する主軸台が少なくとも前記主軸の軸線方
    向およびこの主軸軸線と直交する方向に移動する主軸移
    動型工作機械の前記主軸の下端に設けられたチャックと
    のあいだで前記工作物の授受を行う工作物搬送装置であ
    って、 前記主軸移動型工作機械の機械本体の近傍に設置された
    工作物搬送装置基体と、 駆動手段によって駆動されて前記工作物搬送装置基体の
    移送面上を移動する移動体と、 この移動体の上方に、この移動体に対して前記主軸軸線
    方向に移動可能に設けられ、載置面に前記工作物を載置
    するための工作物載置台と、 前記工作物搬送装置基体に設けられ、かつ前記チャック
    とのあいだで前記工作物を授受するための工作物授受位
    置に設けられ、この工作物授受位置に位置決めされた前
    記工作物載置台を前記主軸軸線方向に移動させる昇降手
    段と、 この昇降手段に設けられ、この昇降手段に支持された前
    記工作物載置台に載置された前記工作物を前記チャック
    が押圧した時、昇降移動可能にかつ傾き動作可能に前記
    工作物載置台を前記チャック側に付勢する付勢部材とを
    備えたことを特徴とする主軸移動型工作機械における工
    作物搬送装置。
  2. 【請求項2】 前記工作物授受位置は、 前記主軸移動型工作機械でまだ未加工の工作物を前記チ
    ャックが前記工作物載置台から受け取る未加工工作物受
    け取り位置と、 この未加工工作物受け取り位置に併設され、前記主軸移
    動型工作機械での加工が完了した加工済工作物を前記チ
    ャックが前記工作物載置台に渡す加工済工作物渡し位置
    とからなり、 前記昇降手段は、前記未加工工作物受け取り位置と前記
    加工済工作物渡し位置の両方に設けられ、 前記付勢部材は、少なくとも前記未加工工作物受け取り
    位置の前記昇降手段に設けられていることを特徴とする
    請求項1に記載の主軸移動型工作機械における工作物搬
    送装置。
  3. 【請求項3】 前記未加工工作物受け取り位置と前記加
    工済工作物渡し位置は、前記主軸台の前記主軸軸線と直
    交する方向の移動軌跡上に設けられていることを特徴と
    する請求項2に記載の主軸移動型工作機械における工作
    物搬送装置。
  4. 【請求項4】 前記工作物載置台は複数の前記工作物を
    積み重ねて載置するものであり、 前記昇降手段は、前記工作物載置台上の前記工作物を順
    次授受させる高さ位置に昇降させるものであることを特
    徴とする請求項1,2または3に記載の主軸移動型工作
    機械における工作物搬送装置。
  5. 【請求項5】 前記移動体は、複数個連鎖状に設けられ
    前記工作物搬送装置基体の前記移送面上を移動する移動
    台であり、この移動台上に前記工作物載置台が各々設け
    られていることを特徴とする請求項1から4のいずれか
    の項に記載の主軸移動型工作機械における工作物搬送装
    置。
  6. 【請求項6】 前記移動台のほぼ中央部に空間部を設
    け、前記昇降手段は、昇降部がこの空間部を通過して前
    記工作物載置台を昇降させるものであることを特徴とす
    る請求項5に記載の主軸移動型工作機械における工作物
    搬送装置。
  7. 【請求項7】 前記移動体は、円盤状に形成され前記工
    作物搬送装置基体上を旋回移動する旋回台であり、この
    旋回台上には複数個の前記工作物載置台が所定の間隔で
    設けられていることを特徴とする請求項1から4のいず
    れかの項に記載の主軸移動型工作機械における工作物搬
    送装置。
  8. 【請求項8】 前記旋回台には前記工作物載置台のほぼ
    中央部に対応する位置に空間部が形成され、 前記昇降手段は、昇降部がこの空間部を通過して前記工
    作物載置台を昇降させるものであることを特徴とする請
    求項7に記載の主軸移動型工作機械における工作物搬送
    装置。
  9. 【請求項9】 前記工作物の直径に合わせてリンク機構
    により複数のガイド部材を連動調整可能な工作物ガイド
    連動手段が前記移動台または前記旋回台に設けられ、 前記昇降手段の前記昇降部は前記工作物ガイド連動手段
    の動作と干渉しないように所定の形状に形成されている
    ことを特徴とする請求項6または8に記載の主軸移動型
    工作機械における工作物搬送装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008016069A1 (fr) * 2006-08-04 2008-02-07 Citizen Holdings Co., Ltd. Machine de traitement d'ouvrage, système de traitement d'ouvrage et procédé de traitement d'ouvrage utilisant la machine de traitement d'ouvrage
CN113510520A (zh) * 2021-07-16 2021-10-19 中钞印制技术研究院有限公司 一种用于卧式机床的柱体工件上下机装置
CN113664757A (zh) * 2021-09-16 2021-11-19 张家港海运金属冷挤压有限公司 一种输出轴底座加工固定装置及其使用方法

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