JP2000050806A - 耐凍結性カスタ−ドクリ−ムの製造法 - Google Patents

耐凍結性カスタ−ドクリ−ムの製造法

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JP2000050806A
JP2000050806A JP10236457A JP23645798A JP2000050806A JP 2000050806 A JP2000050806 A JP 2000050806A JP 10236457 A JP10236457 A JP 10236457A JP 23645798 A JP23645798 A JP 23645798A JP 2000050806 A JP2000050806 A JP 2000050806A
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Japan
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custard cream
resistant
freezing
fatty acid
texture
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JP10236457A
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English (en)
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Masatsugu Yamashita
政続 山下
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Taiyo Kagaku KK
Original Assignee
Taiyo Kagaku KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造直後になめらかな食感を有するカスター
ドクリームを長期間凍結保存し、使用時に解凍しても、
製造直後の品質と食感を有する耐凍結性のカスタードク
リームを提供する。 【解決手段】 レシチンを酵素的加水分解により製造し
たリゾリン脂質を70%以上含有する精製酵素分解レシ
チンとグリセリン脂肪酸エステルを耐凍結性カスタード
クリームに配合する。精製酵素分解レシチンとグリセリ
ン脂肪酸エステルを配合した耐凍結性カスタードクリー
ムは、凍結による品質と食感の劣化がほとんどない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な耐凍結性カ
スタードクリームの製造法に関する。詳しくはリゾレシ
チンとグリセリン脂肪酸エステルを配合することを特徴
とし、冷凍保存により食感の劣化を起こさない耐凍結性
カスタードクリームの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】シュークリームなどの洋生菓子のベース
クリームとして広く使用されているカスタードクリーム
は、小麦粉、コーンスターチに砂糖、牛乳、バター、卵
黄、香料などを加えて、混合、加熱して製造されてい
る。製造されたカスタードクリームは、品質保証期間が
短く、一般的に10℃以下の保存では製造後2〜4日程
度である。
【0003】生産効率を上げるために、大量生産を行っ
て、出来たカスタードクリームを冷凍保存し、使用する
際に必要に応じて解凍する方法が考えられている。しか
しながら、カスタードクリームは、一度冷凍保存する
と、その主原料である小麦粉澱粉が冷凍変性などにより
老化現象を起こすために、解凍すると、離水や、ボソボ
ソした組織になり、なめらかさが無く、舌触りの悪い食
感のものとなり、また外見上もつややかさやがなくなる
などの問題があった。このため、特開平6−78679
ではエステル化澱粉、エーテル化澱粉、架橋澱粉を用い
て耐凍結性カスタードクリームを得る方法が提案されて
いる。また特開平9−84523にはリゾリン脂質20
%含有のリゾリン脂質またはそのリゾリン脂質と蛋白質
複合体を用いて冷凍カスタードクリームを得る方法が記
載されているがいまだに満足のいく耐凍結性カスタード
クリームは得られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、なめらかな
食感を有するカスタードクリームを長期間凍結保存し、
使用時に解凍しても、製造直後の品質と食感を有する耐
凍結性カスタードクリームを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に用いられるリゾ
レシチンとグリセリン脂肪酸エステルは、本出願人に係
わる特開平6−7070に記載されている食品用乳化剤
である。すなわち本発明のリゾレシチンは、レシチン
(1,2−ジアシルグリセロリン脂質)を酵素的加水分
解により製造したリゾリン脂質(1−モノアシルグリセ
ロリン脂質)であり、リゾホスファチジルコリン、リゾ
ホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジル
イノシトール、リゾホスファチジルセリンの一種または
2種以上の混合物からなる。本発明のリゾレシチンは、
総リン脂質中にリゾレシチン成分が70重量%以上含有
されている精製された酵素分解レシチンであることが望
ましく、70重量%未満では、酵素分解で生成した脂肪
酸が含まれるため、本発明の効果が発揮されにくく、ま
た風味に強く悪い影響を与えるため好ましくない。本発
明の精製酵素分解レシチンは、大豆レシチンや卵黄レシ
チンなどをホスホリパーゼA2などで酵素分解し、分解
で生成した脂肪酸や、原料レシチンに存在する油脂をア
セトン、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エ
チル、ヘキサンなどの有機溶媒で除去して得られるリゾ
レシチンである。本発明のリゾレシチンをデキストリ
ン、カゼインNaなどの賦形剤を用いて、混合したり、
スプレードライ法やフリーズドライ法などにより粉末化
したリゾレシチン製剤を使用することもできる。リゾレ
シチンの添加量は特に限定されるものではないがカスタ
ードクリーム中に0.01重量%〜5重量%含有される
ことが望ましいが、望ましくは0.05〜2重量%であ
る。0.01重量%未満であるとカスタードクリームの
品質や食感が、冷凍保存後解凍した時に維持できなくな
り、5重量%より多いと最終製品にリゾレシチン特有の
風味が付与されて好ましくない。リゾレシチンの添加方
法は、特に限定はないが作業の容易さにより澱粉、砂糖
などの粉体と混合して用いるのが好ましい。また牛乳や
水などにリゾレシチンを分散溶解して用いる方法もでき
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に用いるグリセリン脂肪酸
エステルは、グリセリンモノ脂肪酸エステル、有機酸グ
リセリン脂肪酸エステル、及びポリグリセリン脂肪酸エ
ステルの1種または2種以上の混合物である。これらの
グリセリン脂肪酸エステルの内、脂肪酸が炭素数16か
ら18のパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸のエ
ステルが望ましく、より望ましくはステアリン酸エステ
ルである。有機酸グリセリン脂肪酸エステルの内、有機
酸がクエン酸、コハク酸、乳酸、ジアセチル酒石酸のエ
ステルであることが望ましく、より望ましくはコハク
酸、ジアセチル酒石酸のエステルである。ポリグリセリ
ン脂肪酸エステルの内、モノエステル、ジエステル、ト
リエステルが望ましく、より望ましくはHLB6以上の
ポリグリセリンモノエステル、ポリグリセリンジエステ
ルである。グリセリン脂肪酸エステルの添加量は、特に
限定されるものではないがカスタードクリーム中に0.
01%〜10%含有されることが望ましいが、望ましく
は0.05〜3重量%である。0.01重量%未満であ
るとカスタードクリームの品質や食感が、冷凍保存後解
凍した時に維持できなくなり、10重量%より多いと最
終製品にグリセリン脂肪酸エステル特有の風味が付与さ
れて好ましくない。
【0007】グリセリン脂肪酸エステルの添加方法は、
特に限定はないが作業の容易さにより澱粉、砂糖などの
粉体と混合して用いるのが好ましい。また牛乳や水など
にリゾレシチンを分散溶解して用いる方法もできる。更
にリゾレシチンとグリセリン脂肪酸エステルを製剤化し
て用いることもできる。次に本発明を実施例によって説
明するが、これらによって本発明をなんら制限するもの
ではない。
【0008】
【実施例】実施例1 砂糖15重量%、ワキシーコーンスターチ(商品名:C
OLFLO67,王子ナショナル(株)製)5重量%、
リゾレシチン含量88%の精製酵素分解レシチン(商品
名:サンレシチンA、太陽化学(株)製)0.1重量
%、グリセリン脂肪酸エステル(商品名:サンソフト#
641KM、グリセリンモノステアリン酸エステル:4
0%、ジアセチル酒石酸モノステアリン酸グリセリン:
35%,太陽化学(株)製)0.5重量%を粉体混合し、
クッキングミキサーに入れる。牛乳69.4重量%と卵
黄10重量%を添加してよく混合する。90℃達温まで
加熱しながらよく攪拌した。その後耐凍結性の樹脂製袋
にホット充填し、直ちにチラー水中で室温以下まで冷却
した後、−25℃の冷凍庫に入れて冷凍し、耐凍結性カ
スタードクリームを製造した。−25℃で2週間冷凍保
存した後、5〜10℃の冷蔵庫で解凍した後、外観性状
と食感を調べた。その結果、解凍したカスタードクリー
ムの外観性状は、なめらかなクリーム状でつやがあり、
水の分離も見られなかった。食感はなめらかで口どけも
よく、舌触りもよくコクのあるものであった。
【0009】実施例2 砂糖15重量%、ワキシーコーンスターチ(商品名:C
OLFLO67,王子ナショナル(株)製)5重量%、
リゾレシチン含量88%の精製酵素分解レシチンが33
%含まれるレゾレシチンのデキストリン製剤(商品名:
サンレシチンA―1、太陽化学(株)製)0.5重量%
を粉体混合し、クッキングミキサーに入れる。牛乳6
9.4重量%と卵黄10重量%を添加し、更にHLB1
1のデカグリセリンジステアリン酸エステル(商品名:
サンソフトQ−182S,太陽化学(株)製)0.5重
量%を添加してよく混合する。90℃達温まで加熱しな
がらよく攪拌した。その後耐凍結性の樹脂製袋にホット
充填し、直ちにチラー水中で室温以下まで冷却した後、
−25℃の冷凍庫に入れて冷凍し、耐凍結性カスタード
クリームを製造した。−25℃で2週間冷凍保存した
後、5〜10℃の冷蔵庫で解凍した後、外観性状と食感
を調べた。その結果、解凍したカスタードクリームの外
観性状は、なめらかなクリーム状でつやがあり、水の分
離も見られなかった。食感はなめらかで口どけもよく、
舌触りもよくコクのあるものであった。
【0010】比較例1 砂糖15重量%、ワキシーコーンスターチ(商品名:C
OLFLO67,王子ナショナル(株)製)5重量%、
リゾレシチン含量50%の未精製酵素分解レシチン(商
品名:サンレシチンCR、太陽化学(株)製)0.5重
量%を粉体混合し、クッキングミキサーに入れる。牛乳
69.8重量%と卵黄10重量%を添加ししてよく混合
する。90℃達温まで加熱しながらよく攪拌した。その
後耐凍結性の樹脂製袋にホット充填し、直ちにチラー水
中で室温以下まで冷却した後、−25℃の冷凍庫に入れ
て冷凍し、耐凍結性カスタードクリームを製造した。−
25℃で2週間冷凍保存した後、5〜10℃の冷蔵庫で
解凍した後、外観性状と食感を調べた。その結果、解凍
したカスタードクリームの外観性状は、クリーム状で水
の分離も見られなかったが、食感は刺激味でレシチン風
味が強く、舌触りが悪いものであった。
【0011】比較例2 砂糖15重量%、ワキシーコーンスターチ(商品名:C
OLFLO67,王子ナショナル(株)製)5重量%、
を粉体混合し、クッキングミキサーに入れる。牛乳70
重量%と卵黄10重量%を添加ししてよく混合する。9
0℃達温まで加熱しながらよく攪拌した。その後耐凍結
性の樹脂製袋にホット充填し、直ちにチラー水中で室温
以下まで冷却した後、−25℃の冷凍庫に入れて冷凍
し、耐凍結性カスタードクリームを製造した。−25℃
で2週間冷凍保存した後、5〜10℃の冷蔵庫で解凍し
た後、外観性状と食感を調べた。その結果、解凍したカ
スタードクリームの外観性状は、かなりボソボソしてお
り、水が分離していた。食感は舌触りが悪く、ザラつい
て口溶けの悪いものであった。
【0012】
【発明の効果】本発明の耐凍結性カスタードクリーム
は、長期間凍結保存後解凍しても製造直後の品質となめ
らかな食感が維持できるものである。従って、本発明の
耐凍結性カスタードクリームを大量生産して冷凍庫内で
凍結保存することが可能となり、生産性が著しく向上す
るものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リゾレシチンとグリセリン脂肪酸エステ
    ルを配合することを特徴とする耐凍結性カスタードクリ
    ームの製造法
  2. 【請求項2】 リゾレシチンがレシチン(1,2−ジア
    シルグリセロリン脂質)を酵素的加水分解により製造し
    たリゾリン脂質(1−モノアシルグリセロリン脂質)を
    70%以上含有する精製酵素分解レシチンである請求項
    1記載の耐凍結性カスタードクリームの製造法
  3. 【請求項3】 グリセリン脂肪酸エステルがグリセリン
    モノ脂肪酸エステル、有機酸グリセリン脂肪酸エステ
    ル、及びポリグリセリン脂肪酸エステルよりなる群より
    選ばれる1種以上である請求項1記載の耐凍結性カスタ
    ードクリームの製造法
JP10236457A 1998-08-07 1998-08-07 耐凍結性カスタ−ドクリ−ムの製造法 Pending JP2000050806A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003093006A (ja) * 2001-09-25 2003-04-02 Snow Brand Milk Prod Co Ltd 凍結ホイップドクリーム
JP2004254612A (ja) * 2003-02-26 2004-09-16 Sakamoto Yakuhin Kogyo Co Ltd 起泡性乳化剤及びこれを用いた気泡含有食品
JP2004254611A (ja) * 2003-02-26 2004-09-16 Sakamoto Yakuhin Kogyo Co Ltd 起泡性乳化剤及びこれを用いた気泡含有食品
JP2007503825A (ja) * 2003-09-04 2007-03-01 サティア ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング モノアシルグリセリド及びジアシルグリセリド含有乳化剤の、酵素による製造方法

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JP2007503825A (ja) * 2003-09-04 2007-03-01 サティア ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング モノアシルグリセリド及びジアシルグリセリド含有乳化剤の、酵素による製造方法
JP4938450B2 (ja) * 2003-09-04 2012-05-23 サティア ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング モノアシルグリセリド及びジアシルグリセリド含有乳化剤の、酵素による製造方法

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