JP2000047049A - 屈折率分布型光ファイバ及びケーブル - Google Patents

屈折率分布型光ファイバ及びケーブル

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JP2000047049A
JP2000047049A JP10209962A JP20996298A JP2000047049A JP 2000047049 A JP2000047049 A JP 2000047049A JP 10209962 A JP10209962 A JP 10209962A JP 20996298 A JP20996298 A JP 20996298A JP 2000047049 A JP2000047049 A JP 2000047049A
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友義 山下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 開口数を小さくすることなく高帯域性能を達
成可能でかつ低損失な光ファイバを提供する。 【解決手段】 コアに屈折率分布を有するプラスチック
光ファイバであって、レーザ波長543nmまたは63
3nmにおける限定モード励振伝送損失測定法におい
て、コア中心部の屈折率とクラッド層の屈折率から規定
される開口角をθc度とした場合に、入射角θが3〜
0.75θc度のいずれかの高次モードの伝送損失が、
入射角θが0度の低次モードの伝送損失よりも大きい屈
折率分布型光ファイバ。前記光ファイバの外周に被覆層
が設けられてなる光ファイバケーブル。更にこの光ファ
イバケーブルの端部にプラグが取り付けられてなるプラ
グ付き光ファイバケーブル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光通信媒体等として
利用可能な屈折率分布型光ファイバ及びケーブルに関す
る。
【0002】
【従来の技術】屈折率分布を有する光ファイバのうち多
層構造形態を有する広帯域プラスチック光ファイバとし
ては、WO97/36196号及び特開平9−1338
21号公報が知られている。
【0003】WO97/36196号は、2種類以上の
単量体M1、M2、・・・、Mn(nは2以上の整数)
からそれぞれ製造され屈折率が順次低下する単独重合体
HP1、HP2、・・・、HPn、及びこれら単量体の
2元共重合体CP一種類以上から選ばれる共重合組成比
と屈折率が異なる(共)重合体を同心円状に積層した多
層構造のコアを有し、コア中心部の屈折率が最も高く外
周部に向かって屈折率が順次低下する多層構造の屈折率
分布型光ファイバに関するものであり、コアを階段状屈
折率分布にすることで、帯域性能に優れた光ファイバが
得られると記載している。しかし、コア各層の材料が有
する損失特性等と光の伝搬モードの減衰、並びにそれら
と密接に関わる帯域性能との関係については何ら検討さ
れていない。
【0004】特開平9−133821号公報は、2層以
上の多層コアの外側にクラッド層を有するプラスチック
光ファイバにおいて、コア部を構成する材料が、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,
3,3−ヘキサフルオロプロパン(成分A)及び9,9
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(成分
B)を共に含有してなるポリカーボネートであって、内
側のコアが外側のコアと較べて成分Bをより多く含有す
る光ファイバを開示している。ここで、成分Bは、成分
Aに比してその分子骨格内に多くのフェニル基を含むた
め、π電子共役系における電子遷移に基づく吸収損失が
大きくなる。従って、成分Bのモル分率が高い材料ほど
その伝送損失は大きく、即ち、この光ファイバは、成分
Bをより多く含有する中心部の層ほど伝送損失が大き
く、外周部ほど伝送損失が小さいものとなっている。
【0005】このような伝送損失分布を有する多層構造
の光ファイバでは中心部のみならず外周部をも伝送路と
して使用する光のモード(高次モード)の損失が、中心
部のみを使用する光のモード(低次モード)の損失より
も小さいため、比較的高次モードの光が減衰することな
く長距離伝搬する。そして高次モードの光は、低次モー
ドの光と比較すると、所定距離伝搬する際の到達時間が
より遅いので、これが光パルス波形の時間的広がりの原
因となり、光通信における帯域性能を著しく低下させる
原因となる。また、光伝送路において利用効率の高い中
心層ほど伝送損失が大きい光ファイバでは、光ファイバ
全体として伝送損失が大きくなる点が問題である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】屈折率分布を有する光
ファイバとして、例えば、多層構造の光ファイバにおい
ては、ファイバの開口数を小さくする手段や、層数を増
やすなどの手段により、帯域性能をより向上させること
が可能である。
【0007】しかし開口数を小さくしすぎるとファイバ
の曲げによる損失が大きくなる点が問題である。また層
数を多くすると製造プロセスが煩雑になりコスト高にな
る点が問題である。従って、開口数を過度に小さくする
ことなくかつ比較的少ない層数で帯域性能を効率よく向
上させる技術が望まれる。
【0008】本発明の目的は、屈折率分布型光ファイバ
において、そのファイバ内部を伝搬する光のモードの損
失形態に着目し、開口数を小さくすることなく高帯域性
能を達成可能でかつ低損失な光ファイバを提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、コアに
屈折率分布を有するプラスチック光ファイバであって、
レーザ波長543nmまたは633nmにおける限定モ
ード励振伝送損失測定法において、コア中心部の屈折率
とクラッド層の屈折率から規定される開口角をθc度と
した場合に、入射角θが3〜0.75θc度のいずれか
の高次モードの伝送損失が、入射角θが0度の低次モー
ドの伝送損失よりも大きい屈折率分布型光ファイバにあ
る。
【0010】また本発明の要旨は、前記光ファイバの外
周に被覆層が設けられてなる光ファイバケーブルにあ
り、更にこの光ファイバケーブルの端部にプラグが取り
付けられてなるプラグ付き光ファイバケーブルにある。
【0011】尚、前記屈折率分布型光ファイバの代表的
なものとして、2種類以上の単量体単位M1、M2、・
・・、Mn(nは2以上の整数)からそれぞれ構成され
屈折率が順次低下する単独重合体HP1、HP2、・・
・、HPn、及びこれら単量体単位の2元共重合体CP
一種類以上から選ばれる共重合組成比と屈折率が異なる
(共)重合体を同心円状に積層した多層構造のコアを有
し、コア中心部の屈折率が最も高く外周部に向かって屈
折率が順次低下する多層構造の屈折率分布型光ファイバ
が例示される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の光ファイバにおいてコア
は光の伝送経路として用いられる部分である。コアに屈
折率分布を有する光ファイバとは、コアの中心部から外
周部に向かって連続的または不連続的に屈折率が低下す
る光ファイバを意味する。屈折率変化が不連続的なもの
としては、屈折率が階段状に変化するものが例示され
る。
【0013】本発明においてコア中心部とクラッド層の
屈折率から規定される開口角θcは、光ファイバのコア
中心部の屈折率とクラッドの屈折率から規定される開口
角のことであり、JIS C6862に規定される反射
法によって測定される。即ち、コア中心部とクラッド層
のそれぞれの屈折率をn1及びn2とした場合に、開口角
θcは式(1)により求められる角度である。またこの
式のsinθcが開口数である。
【0014】 sinθc =(n1 2−n2 20.5 (1) 本発明において限定モード励振伝送損失測定法とは以下
に示される測定法である。図1は限定モード励振伝送損
失測定装置の構成図である。波長543nm又は633
nm、ビーム広がり角1ミリラジアンのHe−Neレー
ザ光源1から出たビームは、開口数0.4の対物レンズ
2と開口数0.1の対物レンズ3によって、対物レンズ
3から25cm離れた位置で、ビーム径150μmの平
行光線になるよう調整される。ここでビーム径とは、ガ
ウス分布をしているレーザ光のパワーが、(1/e)2
となる幅で定義される値である。但し、eは自然対数の
底である。
【0015】光ファイバ5の端面は、ファイバ軸に対し
て垂直に切断され鏡面研磨される。光ファイバは直線状
にセットされる。平行光線は、そのビームの中心が、光
ファイバ端面の中心に位置精度20μm以内の精度で入
射される。
【0016】今、光ファイバ端面の中心点をOとする
と、点Oを含み、ファイバ端面に垂直な法線方向を0度
として、その法線を含む面内で、法線との任意のなす角
θをもってファイバ内へ平行光線を入射することができ
る。これらの位置合わせは、レーザ光源1並びにレンズ
光学系(2,3)をリニアレール10上に配列し、それ
を精密位置合わせのできるXYZθステージ4上にマウ
ントして行う。このステージの位置合わせ精度は、直線
方向で1μm、回転方向で0.002度が可能である。
【0017】光ファイバからの出射光は積分球6に導か
れ、ファイバからの直接光が入らない位置に配置された
シリコンフォトダイオード7とそれにつながれた電流計
8によって光量の測定が行われる。これらXYZθステ
ージと電流計はパソコン9によって制御される。
【0018】次に限定モード励振伝送損失測定法の原理
について述べる。本測定法では、光ファイバ端面の点O
を中心に入射角θを変化させて、平行光線を光ファイバ
内に入射し、出射端面での出射光量を測定する。限定モ
ード励振伝送損失測定は、ある2点のファイバ長におけ
る出射光量をθの関数として測定し、通常のカットバッ
ク法と同様の計算式に従って、伝送損失をθの関数とし
て求めるものである。
【0019】ある長さの光ファイバを通ってきたときの
光量をI(θ)、これをある距離Lだけ切断して残った短
い光ファイバを通ってきたときの光量をI0(θ)とする
と、光伝送損失α(θ)は式(2)で表される。
【0020】 α(θ)=(10/L)1og{I0(θ)/I(θ)} (2) 限定モード励振伝送損失とは、全モード励振伝送損失
(あらゆる入射角度の光が存在するときの損失)に比べ
て、充分少ないモード数となるように、入射光ビームの
径を光ファイバの直径に比べ充分小さくして、かつその
入射角を特定の角度に制限した場合の伝送損失のことで
ある。
【0021】以下、本装置で測定した限定モード励振伝
送損失を「限定モード損失」と呼ぶ。低次モードとは入
射角の極めて小さい光の伝搬モードのことで、高次モー
ドとは入射角の大きい光の伝搬モードのことを示し、こ
れらは本来相対的な概念であるが、本発明においては入
射角3度以上のモードを「高次モード」と呼び、入射角
θが0度のモードを「低次モード」と呼ぶ。
【0022】次に、この測定で得られるデータの解釈に
ついて、簡単のために2層コアの光ファイバを例にして
説明する。図2及び図3は、2層コアの光ファイバ内を
通るメリディオナル光線の軌跡を表したものである。こ
のファイバの1層目のコア11の屈折率をn1、2層目
のコア12の屈折率をn2、クラッド層13の屈折率を
3とすると、それぞれの屈折率の関係は次のようにな
る。
【0023】 n3 <n2<n1 (3) 1層目コアと2層目コアの界面で全反射が許される最大
入射角θ1cは式(4)で表される。また2層目コアと
クラッドとの界面で全反射が許される最大入射角θ2c
は式(5)で表される。
【0024】 θ1c=arcsin(n1 2−n2 20.5 (4) θ2c=arcsin(n1 2−n3 20.5 (5) 光ファイバへの入射角θが0度からθ1cまでの光線
は、1層目コアと2層目コアの界面で全反射して伝わる
光であり、即ち1層目コアのみを伝搬する光である。図
2はこの状態を示している。また、θ1cからθ2cま
での光線は、1層目コアから2層目コアに移り2層目コ
アとクラッドとの界面で全反射して伝わる光であり、即
ち1層目と2層目のコアを伝搬する光である。図3はこ
の状態を示している。
【0025】ここで、2層コアの光ファイバに全モード
励振でパルスを入射させ、一定距離伝搬させた後の出射
パルスの時間的な広がり幅について議論する。図4及び
図5は、0度から開口角θc度の範囲で均一な入射角分
布を有する光を光ファイバ内にパルス状で入射させ、そ
のときの出射パルスの状態を模式的に表したものであ
る。図4−(a)は、0度からθ1cまでの入射角度の
パルスに対応する出射パルス波形を、図4−(b)はθ
1cを超えかつθ2c以下の入射角度のパルスに対応す
る出射パルス波形を示している。
【0026】一般に、大きな角度の伝搬光は、多くの異
なる伝搬モードを含むため、伝搬時間に広い分布を生じ
る。従って、θ1cを超えかつθ2c以下の入射角度の
パルスに対応する出射パルスは、0度からθ1cに対応
する出射パルスよりも広がり易くなる。実際の出射パル
スは、図4−(a)と図4−(b)を重ね合わせた図4
−(c)のようになる。ここでは、1層目と2層目の屈
折率と層の厚みを最適化して、(a)と(b)の最大光
量の出射時間を合わせたものとして示してある。
【0027】図5は図4と同様の光ファイバにおいて、
2層目の伝送損失を大きくしたときの状態を示してい
る。それぞれ、(a)と(d)、(b)と(e)、
(c)と(f)の状態が対応する。図5−(e)は2層
目の伝送損失を大きくしたために、図4−(b)より出
射光量が少なくなっている。それによって、図5−
(f)に示された出射パルスは、図4−(c)と比較し
てその幅が狭くなる。すなわち、2層目の伝送損失を大
きくすることによって、単位時間当たり、より多くの信
号を伝送できるようになり、伝送帯域を広げることがで
きる。
【0028】2層目の伝送損失を1層目よりも大きくす
る方法としては、2層目に材料の損失が大きいものを選
ぶ、あるいは、2層目に不純物を混入させるなどが考え
られる。また、2層目とクラッド層との界面不整が大き
い場合、あるいは、クラッド層の損失が著しく大きい場
合も同様の効果が生じる。
【0029】このように設計された多層構造の光ファイ
バは、先に述べた限定モード損失に関し、He−Neレ
ーザの光の波長543nmまたは633nm、入射角θ
が3度以上のある入射角領域における高次モードの伝送
損失が、入射角θが0度の低次モードの伝送損失より大
きい値を示す。
【0030】限定モード損失は、上述の各層を構成する
材料の損失等を制御する方法によっても制御可能である
が、各層の厚さを変えることによっても制御可能であ
る。例えば、高次モードの損失の増大は、1層目に対し
て若干損失の大きな2層目の層を厚くすることでも達成
可能である。
【0031】さて、図6は、本測定法による2層コアの
光ファイバの限定モード損失のデータの模式図である。
横軸は入射光線の入射角θを、縦軸は伝送損失を表して
いる。入射角θの刻み幅は0.1度である。このデータ
では、0度からθ1c付近までは、ほぼ一定の伝送損失
を示し、θ1cからθ2cまでの伝送損失はそれより高
い値となっている。これは2層目の材料の損失が1層目
の損失より大きいものであることを示唆している。ただ
し、θ2c付近の損失がなだらかに変化しているのは、
測定時のファイバの曲がりやファイバ内の構造不整の影
響のためである。
【0032】測定は前述のようにカットバック法で行
い、式(2)を用いて限定モード損失を求めるが、その
カットバック長は光ファイバの透明度と構造不整等に関
わる伝送損失のレベルに依存する。式(2)においてI
0(θ)を測定するためのファイバ長は、入射モードが広
がり過ぎない程度の長さを選ぶのが好ましく、通常は1
m以下が好ましい。また、I(θ)を測定するためのファ
イバ長は、3mから10m程度が好ましい。
【0033】入射角θが3度〜0.75θc度のいずれ
かの高次モードの伝送損失とは、先に定義した平行レー
ザ光束の入射角θを、3度から開口角θcの75%迄の
範囲内のいずれかの角度としたときの損失値のことであ
る。また、実用的な範囲内の極めて小さい開口数を有す
る光ファイバにおいては、入射角θが3度以上の高次モ
ードを減衰することで、帯域性能を向上させる効果が現
れはじめる。
【0034】高次モードの伝送損失が低次モードの伝送
損失よりも若干大きくなるように設計された屈折率分布
型光ファイバは、より優れた伝送帯域性能を発現する。
基本的に伝送帯域を大きく低下させる主要因は、光ファ
イバ内を伝搬する各種モードのうち、モード間での光の
到達時間差を生じ易い高次モードの伝搬である。従っ
て、こうした高次モードのエネルギーを効率よく伝搬中
に減衰させることは、光ファイバの帯域性能を向上させ
る手段として極めて有効である。
【0035】帯域性能を向上させるために要求される低
次モードと高次モードの限定モード損失の差は使用され
るファイバ長にも依存する。ファイバ長20m以上の距
離で使用する場合の低次及び高次の限定モード損失の差
は、望ましくは30[dB/km]以上であり、より望ましく
は50[dB/km]以上、更に望ましくは100[dB/km]以上
である。
【0036】但し、2層目の損失に関する高次モードの
損失が大きくなると帯域性能は向上するが、大きすぎる
と実質的に光が伝搬できる有効開口角が狭くなり、入射
端での取り込み光量の減少や曲げ損失の増大を招き望ま
しくない。そうした観点から、限定モード損失の差は5
00[dB/km]以下、更に望ましくは300[dB/km]以下が
適当である。
【0037】ちなみに、前述の2層コアの光ファイバに
おいて、低次及び高次の限定モード損失の差が50[dB/
km]である光ファイバと損失の差がほとんど無い光ファ
イバを、ファイバ長50mの帯域性能で比較すると、前
者の方が実際に約2割程度帯域が広くなる。但し、更に
短距離で光ファイバで使用する場合、限定モード損失の
差を帯域性能に反映させるためには、その損失差をもっ
と大きくしなければならない。
【0038】以上これまで2層コアの光ファイバの限定
モード損失と、層の構造、損失に関して議論してきた
が、3層以上のコアを有する多層構造の光ファイバにつ
いても同様の考え方、設計思想が適用できる。
【0039】多層構造の光ファイバの代表的なものとし
て、2種類以上の単量体単位M1、M2、・・・、Mn
(nは2以上の整数)からそれぞれ構成され屈折率が順
次低下する単独重合体HP1、HP2、・・・、HP
n、及びこれら単量体単位の2元共重合体CP一種類以
上から選ばれる共重合組成比と屈折率が異なる(共)重
合体を同心円状に積層した多層構造のコアを有し、コア
中心部の屈折率が最も高く外周部に向かって屈折率が順
次低下する多層構造の屈折率分布型光ファイバが挙げら
れる。尚、HPは単独重合体、CPは二元共重合体を意
味する。
【0040】本発明における単量体は、工業的生産を考
慮すると、容易にラジカル重合で高分子化するビニル系
単量体が望ましい。
【0041】本発明の理解を容易にするために先ず単量
体の数nが3の場合について説明する。単量体の数nが
3の場合、各単量体M1、M2及びM3からそれぞれ3
種類の単独重合体HP1、HP2及びHP3が製造され
うる。また、2系列の2元共重合体CPが製造され、こ
れらのひとつのCP(またはひとつのHP)と他のCP
は互いに相溶性の良いものを選択するのが好ましい。
【0042】多層構造の屈折率分布型光ファイバにおい
て高屈折率重合体は、単量体M1の単独重合体HP1、
単量体M1と単量体M2との種々のモル組成比の共重合
体CPとして調製される。又、低屈折率重合体は同様に
して、単量体M3の単独重合体HP3、単量体M3と単
量体M2との種々のモル組成比の共重合体CPとして調
製される。
【0043】この屈折率の高低は相対的である。仮に、
M2としてメチルメタクリレート、(以下「MMA」と
略す)即ちHP2として屈折率1.491のポリメチル
メタクリレート(以下「PMMA」と略す)を用いる場
合、M1及びM3として以下の単量体が例示される。
尚、括弧内のndは単独重合体の屈折率を示す。
【0044】高屈折率の重合体を形成する単量体M1と
しては、ベンジルメタクリレート(nd=1.568
0)、フェニルメタクリレート(nd=1.570
6)、安息香酸ビニル(nd=1.5775)、スチレ
ン(nd=1.5920)、1−フェニルエチルメタク
リレート(nd=1.5490)、2−フェニルエチル
メタクリレート(nd=1.5592)、ジフェニルメ
チルメタクリレート(nd=1.5933)、1,2−
ジフェニルエチルメタクリレート(nd=1.581
6)、1−ブロモエチルメタクリレート(nd=1.5
426)、ベンジルアクリレート(nd=1.558
4)、α,α−ジメチルベンジルメタクリレート(nd
=1.5820)、p−フルオロスチレン(nd=1.
566)、2−クロロエチルメタクリレート(nd=
1.5170)、イソボルニルメタクリレート(nd=
1.505)、アダマンチルメタクリレート(nd=
1.535)、トリシクロデシルメタクリレート(nd
=1.523)、1−メチルシクロヘキシルメタクリレ
ート(nd=1.5111)、2−クロロシクロヘキシ
ルメタクリレート(nd=1.5179)、1,3−ジ
クロロプロピルメタクリレート(nd=1.527
0)、2−クロロ−1−クロロメチルエチルメタクリレ
ート(nd=1.5270)、ボルニルメタクリレート
(nd=1.5059)、シクロヘキシルメタクリレー
ト(nd=1.5066)、テトラヒドロフルフィルメ
タクリレート(nd=1.5096)、アリルメタクリ
レート(nd=1.5196)、テトラヒドロフルフリ
ルメタクリレート(nd=1.5096)、ビニルクロ
ロアセテイト(nd=1.5120)、グリシジルメタ
クリレート(nd=1.517)、メチル−α−クロロ
アクリレート(nd=1.5172)、等が挙げられ
る。
【0045】また、低屈折率の重合体を形成する単量体
M3としては、2,2,2,トリフルオロエチルメタク
リレート(nd=1.415)、2,2,3,3テトラ
フルオロプロピルメタクリレート(nd=1.42
2)、2,2,3,3,3ペンタフルオロプロピルメタ
クリレート(nd=1.392)、2,2,2−トリフ
ルオロ−1−トリフルオロメチルエチルメタクルレート
(nd=1.380)、2,2,3,4,4,4ヘキサ
フルオロブチルメタクリレート(nd=1.407)、
2,2,3,3,4,4,5,5オクタフルオロペンチ
ルメタクリレート(nd=1.393)、2,2,2ト
リフロオロエチルαフルオロアクリレート(nd=1.
386)、2,2,3,3テトラフルオロプロピルαフ
ルオロアクリレート(nd=1.397)、2,2,
3,3,3ペンタフルオロプロピルαフルオロアクリレ
ート(nd=1.366)、2,2,3,3,4,4,
5,5オクタフルオロペンチルαフルオロアクリレート
(nd=1.376)、オルト,パラジフルオロスチレ
ン(nd=1.4750)、ビニルアセテイト(nd=
1.4665)、ターシャルブチルメタクリレート(n
d=1.4638)、イソプロピルメタクリレート(n
d=1.4728)、ヘキサデシルメタクリレート(n
d=1.4750)、イソブチルメタクリレート(nd
=1.4770)、α−トリフルオロメチルアクリレー
ト、β−フルオロアクリレート、β,β−ジフルオロア
クリレート、β−トリフルオロメチルアクリレート、
β,β−ビス(トリフルオロメチル)アクリレート、α
−クロロアクリレート等が挙げられる。
【0046】特に、コア中心部となる1層目コアにPM
MAを用いた多層構造の光ファイバでは比較的低損失な
光ファイバが得られる。例えば、M1にMMA、M2に
フッ素化アルキル(メタ)アクリレートを用い、1層目
コアにMMA単独重合体を用いた場合である。
【0047】中でも、M1にMMA、M2に2,2,
3,3テトラフルオロプロピルメタクリレート(以下
「4FM」と略す)を用い、1層目コアにMMA単独重
合体を用いた多層構造の光ファイバは低損失性にすぐれ
ている。
【0048】また、M1にベンジルメタクリレート(以
下「BzMA」と略す)、M2にMMAを用いた場合も
比較的低損失な多層構造の光ファイバが得られる。この
場合、各層を構成するポリマーは、組成の異なるBzM
A/MMAの各種共重合体(CP)、MMA単独重合体
(HP)となる。しかし、光ファイバの開口数を大きく
しようとすると、1層目コアの共重合体中のBzMA組
成の割合を大きくする必要があり、ガラス転移温度の低
いBzMAを多く用いることは、1層目コアの共重合体
のガラス転移温度の低下をもたらし、光ファイバの耐熱
性を低下させる結果となる。
【0049】この場合、次に示す材料構成を用いること
で解決される。つまり、M1にBzMA、M2にMM
A、更にM3としてフッ素化アルキル(メタ)アクリレ
ートを用いて多層構造の光ファイバを製造する。この場
合の各層を構成するポリマーの構成は、中心層から外周
部に向けて、組成の異なるBzMA/MMAの各種共重
合体(CP)、MMAの単独重合体(HP)、組成の異
なるMMA/フッ素化アルキル(メタ)アクリレートの
各種共重合体(CP)となる。フッ素化アルキル(メ
タ)アクリレートはBzMAより屈折率差があるため、
MMAとの共重合組成として少量用いることで、光ファ
イバの開口数を大きくとることができる。
【0050】同時に、1層目コアのBzMA/MMA共
重合体のBzMA組成を小さくできるため、光ファイバ
全体のガラス転移温度を高めることができ、耐熱性を向
上させることができる。
【0051】本発明の光ファイバの中心部と外周部の屈
折率の差は特に限定されないが、ある帯域性能を保持す
るためには光ファイバの開口数は0.2〜0.4程度で
あることが好ましい。
【0052】以下、本発明の多層構造の光ファイバの製
法例について説明する。2種類以上の単量体M1、M
2、・・・、Mn(nは2以上の整数)からそれぞれ製
造され屈折率が順次低下する単独重合体HP1、HP
2、・・・、HPn、及びこれら単量体の2元共重合体
CP一種類以上から選ばれる、屈折率の異なる2種類以
上好ましくは4種類以上の紡糸原料を調製し、これらを
外周部側程屈折率が低下する様にして多層同心円状ノズ
ルに供給する。外周部には別途調製されたクラッド材を
供給することになるので多層同心円状ノズルの層数はコ
ア数とクラッド数の合計数とする。例えば屈折率の異な
る2種類の紡糸原料をコア材として用い、1種類のクラ
ッド材を用いる場合は、3層ノズルにて紡糸することに
なる。
【0053】いずれの場合も、コア中心部となる1層目
コアに透明性の最も良い材料を選択し、2層目以降の少
なくとも1層に前記中心層よりも透明性の劣る材料を選
択することが好ましい。材料の透明性は材料自身の光透
過率でも評価できるが、高精度を要するため光散乱測定
により評価することが望ましい。これらの透明性は、同
じポリマーであってもその精製の程度により、また同種
類のモノマーを用いた共重合体でもその共重合組成比や
製法等によって変化するものである。
【0054】以上、単量体の数nが3の場合について説
明してきたが、nを4以上へと拡張することは可能であ
る。また、単量体の数nが2の場合であっても同様であ
る。
【0055】限定モード損失の入射角θに関する分布
は、多層構造の光ファイバ内の各層を構成する重合体の
各々の伝送損失や、それら隣接層間に形成されるHPと
CP、又は、異なる組成を有するCP間の混合層の損失
や、それら界面の乱れ、また、各層の厚さや屈折率等の
多層構造の形態に関わる要因等によって変わることは既
に述べた通りである。
【0056】光ファイバの伝送損失を低減するための多
層構造の形態としては、そのコア中心部となる1層目コ
アに伝送損失が小さなPMMAを高い断面積占有率で配
置すること、即ち、光ファイバ全断面積に占める第1層
目の占有断面積の割合Rを大きくすることが好ましい。
なぜなら、光ファイバ内の光の伝搬において、コア中心
部となる1層目コアの利用効率が最も高いためである。
【0057】この1層目コアの占有断面積Rは多層構造
のコアの層数Lにも依存しており、コア全面積に対して
占める割合を100/(L+1)%以上とすることが効
果的である。更に望ましくは、100/L%以上であ
る。例えば、コアが5層で構成され1層目コアがMMA
単独重合体からなる多層構造の光ファイバの場合、Rは
16.7%以上、更に好ましくは20%以上ということ
になる。
【0058】本発明の光ファイバはその外周に被覆層を
配置して光ファイバケーブルとして使用することができ
る。被覆層としては、従来使用されているナイロン1
2、ポリ塩化ビニル、ポリクロロトリフルオロエチレン
共重合体、ポリエチレン、ポリウレタン及びペルプレン
等を用いることができる。また、光ファイバケーブルの
一端または両端部にプラグを取り付けたプラグ付き光フ
ァイバケーブルとして使用することができる。
【0059】
【実施例】以下実施例により具体的に説明する。尚、実
施例の多層コアの光ファイバにおいて、中心部の層を1
層目、その外側の層を順に2層目、・・、n層目と呼
ぶ。また特に断りのない限り、各(共)重合体は、精製
したモノマーを重合することによって得た。即ち、モノ
マー蒸留精製して化学的不純物を除去した後、更に、
0.1ミクロンのフィルタを用いて大きなサイズのダス
ト粒子を除去する方法でモノマーを精製した。
【0060】〔実施例1〕1層目コアが直径465μm
のPMMA層、2層目コアが層厚83μmの4FMとP
MMAとの2元共重合体であり4FMの重量分率が20
wt%である共重合体層、クラッドがフッ素化メタクリ
レート共重合体(「フッ素系共重合体」と略す)層であ
る直径が750μm、1層目コアの面積占有率Rが5
4.3%の光ファイバを多層紡糸法によって製造した
(表1)。
【0061】ファイバ長5mと1mでの光量を測定し、
式(2)から限定モード損失を求め、図7の結果を得
た。このファイバの開口角θcは17.3度である。こ
のとき、波長633nmの限定モード損失は低次モード
域では300[dB/km]であり、13度付近の高次モード
域では354[dB/km]であった。このとき、波長650
nmで50mの帯域は500MHzであり、2層目の伝
送損失が1層目の伝送損失と同程度のものより帯域が2
割程度向上した。 〔実施例2〕各層の条件を表1の値に設定して実施例1
と同様にして直径が750μm、1層目コアの面積占有
率Rが54.3%の光ファイバを製造し、図8の結果を
得た。尚、PMMAは未精製のものを用いた。
【0062】このファイバの開口角は17.3度であ
る。このとき、波長633nmの限定モード損失は低次
モード域では330[dB/km]であり、13度付近の高次
モード域では480[dB/km]であった。このとき、波長
650nmで50mの帯域は620MHzであり、1層
目と2層目の伝送損失が同程度のものより帯域が5割程
度向上した。高次モード域の限定モード損失をもっと大
きくすると、帯域は前述のものよりさらに向上すること
を確認した。
【0063】〔実施例3〕各層の条件を表1の値に設定
して実施例1と同様にして直径が750μm、1層目コ
アの面積占有率Rが33.3%の光ファイバを製造し、
図9の結果を得た。
【0064】このファイバの開口角は16.5度であ
る。このとき、波長633nmの限定モード損失は低次
モード域では340[dB/km]であり、12度付近の高次
モード域では440[dB/km]であった。このとき、波長
650nmで50mの帯域は820MHzであり、3層
目と2層目の伝送損失が1層目の伝送損失と同程度のも
のより帯域が3割程度向上した。
【0065】〔実施例4〕各層の条件を表1の値に設定
して実施例1と同様にして直径が750μm、1層目コ
アの面積占有率Rが20.9%の光ファイバを製造し、
図10の結果を得た。
【0066】このファイバの開口角は20.5度であ
る。このとき、波長633nmの限定モード損失は低次
モード域では350[dB/km]であり、15度付近の高次
モード域では470[dB/km]であった。このとき、波長
650nmで50mの帯域は730MHzであり、4層
目〜2層目の伝送損失が1層目の伝送損失と同程度のも
のより帯域が8割程度向上した。
【0067】〔実施例5〕各層の条件を表1の値に設定
して実施例1と同様にして直径が750μm、1層目コ
アの面積占有率Rが54.3%の光ファイバを製造し、
図11の結果を得た。
【0068】このファイバの開口角は17.3度であ
る。このとき、波長633nmの限定モード損失は低次
モード域で350[dB/km]であり、ファイバの13度付
近の高次モード域でも380[dB/km]であった。このと
き、波長650nmで50mの帯域は450MHzであ
った。
【0069】〔実施例6〕各層の条件を表1の値に設定
して実施例1と同様にして直径が750μm、1層目コ
アの面積占有率Rが20.0%の光ファイバを製造し、
図12の結果を得た。
【0070】このファイバの開口角は10度である。こ
のとき、波長633nmの限定モード損失は低次モード
域では300[dB/km]であり、3度付近より損失が大き
くなっており7度付近の高次モード域では330[dB/k
m]であった。このとき、波長650nmで50mの帯域
は1800MHzであり、5層目〜2層目の伝送損失が
1層目の伝送損失と同程度のものより帯域が2割程度向
上した。
【0071】〔実施例7〕各層の条件を表1の値に設定
して実施例1と同様にして直径が750μm、1層目コ
アの面積占有率Rが20.0%の光ファイバを製造し
た。この光ファイバの外周に保護層としてビニリデンフ
ロライドとテトラフルオロエチレンの20/80[mol
%]の共重合体を被覆し、さらにその外にポリエチレン
を被覆してケーブル化した。
【0072】この光ファイバケーブルの限定モード損失
を図13に示した。このファイバの開口角は、17.3
度である。このとき、波長633nmの限定モード損失
は低次モード域では300[dB/km]であり、12度付近
の高次モード域では340[dB/km]であった。このと
き、波長650nmで50mの帯域は1050MHzで
あり、5層目〜2層目の伝送損失が1層目の伝送損失と
同程度のものより帯域が2割程度向上した。
【0073】
【表1】
【0074】
【発明の効果】本発明によれば開口数を小さすることな
く高帯域性能を達成可能でかつ低損失な光ファイバを提
供することができる。また多層構造の光ファイバは比較
的少ない層数で帯域性能を効率よく向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】限定モード励振伝送損失測定装置の概要を示す
図である。
【図2】2層コアの光ファイバにおいて、1層目と2層
目のコアの界面で全反射して伝搬する光線を示す図であ
る。
【図3】2層コアの光ファイバにおいて、1層目のコア
から2層目のコアに入り、2層目コアとクラッド層との
界面で全反射して伝搬する光線を示す図である。
【図4】2層コアの光ファイバにおいて、1層目と2層
目のコアの伝送損失が同程度である場合の所定距離伝送
後のパルス広がりを表す図である。(a)は、1層目と
2層目のコアとの界面で全反射して伝搬する光(1層目
のコア内のみを伝搬する光)である。(b)、は2層目
コアとクラッドとの界面で全反射して伝搬する光(1層
目と2層目のコア内を伝搬する光)である。(c)は、
(a)と(b)を合成した図である。
【図5】2層コアの光ファイバにおいて、1層目のコア
より2層目のコアの伝送損失が大きい場合の所定距離伝
送後のパルス広がりを表す図である。(d)は、1層目
と2層目のコアとの界面で全反射して伝搬する光(1層
目のコア内のみを伝搬する光)である。(e)、は2層
目コアとクラッドとの界面で全反射して伝搬する光(1
層目と2層目のコア内を伝搬する光)である。(f)
は、(d)と(e)を合成した図である。
【図6】限定モード損失を示す模式図である。
【図7】実施例1の2層コア光ファイバの限定モード損
失を表す図である。
【図8】実施例2の2層コア光ファイバの限定モード損
失を表す図である。
【図9】実施例3の3層コア光ファイバの限定モード損
失を表す図である。
【図10】実施例4の4層コア光ファイバの限定モード
損失を表す図である。
【図11】実施例5の2層コア光ファイバの限定モード
損失を表す図である。
【図12】実施例6の5層コア光ファイバの限定モード
損失を表す図である。
【図13】実施例7の5層コア光ファイバの限定モード
損失を表す図である。
【符号の説明】
1 He−Neレーザ 2 開口数0.4の対物レンズ 3 開口数0.1の対物レンズ 4 XYZθステージ 5 光ファイバ 6 直径15cmの積分球 7 シリコンフォトダイオード 8 電流計 9 パソコン 10 リニアレール 11 1層目のコア 12 2層目のコア 13 クラッド 21 遮光板

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コアに屈折率分布を有するプラスチック
    光ファイバであって、レーザ波長543nmまたは63
    3nmにおける限定モード励振伝送損失測定法におい
    て、コア中心部の屈折率とクラッド層の屈折率から規定
    される開口角をθc度とした場合に、入射角θが3〜
    0.75θc度のいずれかの高次モードの伝送損失が、
    入射角θが0度の低次モードの伝送損失よりも大きい屈
    折率分布型光ファイバ。
  2. 【請求項2】 2種類以上の単量体単位M1、M2、・
    ・・、Mn(nは2以上の整数)からそれぞれ構成され
    屈折率が順次低下する単独重合体HP1、HP2、・・
    ・、HPn、及びこれら単量体単位の2元共重合体CP
    一種類以上から選ばれる共重合組成比と屈折率が異なる
    (共)重合体を同心円状に積層した多層構造のコアを有
    し、中心部の屈折率が最も高く外周部に向かって屈折率
    が順次低下する多層構造の屈折率分布型光ファイバであ
    って、レーザ波長543nmまたは633nmにおける
    限定モード励振伝送損失測定法において、コア中心部の
    屈折率とクラッド層の屈折率から規定される開口角をθ
    c度とした場合に、入射角θが3〜0.75θc度のい
    ずれかの高次モードの伝送損失が、入射角θが0度の低
    次モードの伝送損失よりも大きい屈折率分布型光ファイ
    バ。
  3. 【請求項3】 高次モードの伝送損失が低次モード伝送
    損失より30[dB/km]以上大きいことを特徴とする請求
    項1に記載の光ファイバ。
  4. 【請求項4】 高次モードの伝送損失が低次モード伝送
    損失より30[dB/km]以上大きいことを特徴とする請求
    項2に記載の光ファイバ。
  5. 【請求項5】 コア中心部となる1層目コアがポリメチ
    ルメタクリレートで構成されてなる請求項2又は請求項
    4に記載の光ファイバ。
  6. 【請求項6】 M1がメチルメタクリレート、M2がフ
    ッ素化アルキル(メタ)アクリレートであり、コア中心
    部となる1層目コアがポリメチルメタクリレートで構成
    されてなる請求項2又は請求項4に記載の光ファイバ。
  7. 【請求項7】 M1がメチルメタクリレート、M2が
    2,2,3,3テトラフルオロプロピルメタクリレート
    であり、コア中心部となる1層目コアがポリメチルメタ
    クリレートで構成されてなる請求項6に記載の光ファイ
    バ。
  8. 【請求項8】 M1がベンジルメタクリレート、M2が
    メチルメタクリレートである請求項2又は請求項4に記
    載の光ファイバ。
  9. 【請求項9】 M1がベンジルメタクリレート、M2が
    メチルメタクリレート、M3がフッ素化アルキル(メ
    タ)アクリレートである請求項2又は請求項4に記載の
    光ファイバ。
  10. 【請求項10】 コアの層数がL層の多層構造の光ファ
    イバであって、コア中心部となる1層目コアがポリメチ
    ルメタクリレートで構成され、この層のコア全体に対す
    る占有面積率Rが100/(L+1)%以上であること
    を特徴とする請求項2、請求項4、請求項5、請求項6
    又は請求項7のいずれかに記載の光ファイバ。
  11. 【請求項11】 請求項1〜請求項10のいずれかに記
    載の光ファイバの外周に被覆層が設けられてなる光ファ
    イバケーブル。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の光ファイバケーブ
    ルの端部にプラグが取り付けられてなるプラグ付き光フ
    ァイバケーブル。
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