JP3745831B2 - 光ファイバ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信用の光ファイバに関し、特にマルチモード形の光ファイバにおける伝送情報量の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】
通信に用いられる光ファイバには、モードに関してシングルモード形とマルチモード形があり、また屈折率分布の形態に関してステップインデックス形とグラディエントインデックス形があるなど種々のタイプがあり、その各々に特徴がある。中でもマルチモード・ステップインデックス形は、例えば数百μm〜1mm程度のコア径とすることが可能で、光源や受光器との接続やファイバ−ファイバ間の接続などにおける取扱いが容易であり、また同じく大きなコア径が可能なグラディエントインデックス形に比べ低コストであることなどから、比較的短距離の通信や器機内でのデータ伝送手段として多用されている。
【0003】
しかしマルチモード・ステップインデックス形の光ファイバには、伝搬する光線のモードによる伝搬速度が異なる効果、いわゆるモード分散が大きく、これによって入射光パルスの時間幅が伝搬距離の増大に応じて広がり、パルス形状が崩れ易いという現象がある。このためマルチモード・ステップインデックス形の光ファイバは、シングルモード・ステップインデックス形やグラディエントインデックス形に比べ、同じ伝送距離における伝送帯域が数百分の1程度と狭く、単位時間に伝送可能な情報量が格段に少ない。もっともマルチモード・ステップインデックス形の光ファイバでも、コアとクラッドの屈折率差を小さくすることで伝送帯域を広くさせることが可能である。しかしこのようにすることは、開口数が減少して伝送効率の悪化を招き、実用的でない。
【0004】
ただ伝送距離が短かければモード分散による伝送帯域の低下は比較的小さいこと、またマルチモード・ステップインデックス形が多用されている近距離通信などの分野で今まで必要とされた伝送帯域があまり大きくなかったなどの理由から、上記のようなモード分散がそれほど問題にされていなかった。ところが最近における情報処理器機はその処理速度がますます高速化する傾向にあり、これに伴って近距離通信でもより広い伝送帯域が求められ、マルチモード・ステップインデックス形における伝送帯域の限界が問題になって来ている。
【0005】
ところでグラディエントインデックス形の光ファイバは、上記のようにマルチモード・ステップインデックス形の光ファイバに比べ数百倍の伝送帯域を持ち、しかも接続などの取扱いを容易とする大きなコア径が可能である。したがってこのグラディエントインデックス形の光ファイバを用いることで、上記のような高速化に対応することができる。しかし、グラディエントインデックス形は、例えば特開平4−97302号公報や特公表平5−808488号公報などで知られるように、屈折率分布用の物質を拡散させることで放物線分布の屈折率分布を与えて形成するなどのため、ステップインデックス形に比べてその製造工程などが大幅に複雑になり、コストアップを伴うという問題があること、それにその可能な伝送帯域が現在の一般的な通信システムにあっては過剰性能となることなどから、近距離通信系にグラディエントインデックス形の光ファイバを全面的に用いることは必ずしも適切な対応とはならない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような事情を背景になされたのが本発明で、従来のマルチモード・ステップインデックス形の光ファイバと同様な製造の容易性や接続などについての取扱いの容易性を持ち、しかも従来のマルチモード・ステップインデックス形における伝送帯域の限界を超えて、情報処理器機の高速化により求められる伝送帯域を可能とする新たな光ファイバの提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的のために本発明では、コアとクラッドからなる光ファイバについて、そのコアを、クラッドに内接させて設けられ且つクラッドより大きな屈折率を与えられたアウターコアと、このアウターコア内に設けられ且つアウターコアとは異なる屈折率を与えられたインナーコアとで形成するようにしている。
【0008】
このようなコアがアウターコアとインナーコアからなる多層コア構造の光ファイバにおける多層化のタイプ(多層コアの断面構造におけるインナーコアの配置)には、アウターコアの断面形状を円形とすると共に、これと同様に円形の断面形状を持つようにインナーコアを形成し、このインナーコアをアウターコアに対し、アウターコアの中心とインナーコアの中心を一致させて同心的に設ける完全回転対称タイプつまり無限の回転対称次数の回転対称性を持つタイプと、回転対称性を適当に破るタイプつまり回転対称次数が有限である回転対称性を持つタイプとが可能である。
【0009】
完全回転対称タイプにあっては、インナーコアの屈折率がアウターコアの屈折率より高い構成において、以下のようなメカニズムにより、光ファイバ端面への入射条件の異なる光線について伝搬速度の均一化を生じさせることができ、伝送帯域を広くすることができる。
【0010】
光ファイバを伝搬する光線は、実質的に全てスキューレイ、つまり光ファイバの中心軸を含むメリディオナル面から外れる光線であると見なせる。このスキューレイには、完全対称タイプの多層コアにあっては光ファイバへの入射角度と入射位置とによって、図9に示すように、屈折率の高いインナーコアに閉じ込められてインナーコアのみを伝搬する光線Raと、インナーコアの外側でアウターコアのみを伝搬する光線Rbと、両コアに跨がって伝搬する光線Rcとがある。
【0011】
このような形態の光ファイバの開口数は、コアの屈折率が最も高い部分、すなわちインナーコアとクラッドの屈折率によって決まるため、アウターコアの屈折率をインナーコアとクラッドとのほぼ中間の値とすると、光線Raは同じ開口数のステップインデック形スファイバのほぼ1/2の開口数を持つ導波路を伝わる光線となり、光線Raの成分のみによる伝送帯域は、同じ開口数のステップインデック形スファイバのほぼ2倍である。またこのとき光線Rcの成分のみによる伝送帯域も光線Raと同様に同じ開口数のステップインデック形スファイバのほぼ2倍である。
【0012】
そして光線Raと光線Rcとについて見れば、光線Rcは光線Raより平均光路長が長くなるが、一方で、インナーコアの屈折率をアウターコアのそれより大きくしてあるとすれば、光線Raは屈折率が大きくて伝搬速度の遅い領域のみを伝搬し、光線Rcは屈折率が小さくて伝搬速度の速い領域も伝搬する。すなわち光線Raは、光路長が短いという伝搬速度を相対的に速める要素と、伝搬速度の遅い領域のみを伝搬するという伝搬速度を相対的に遅くする要素を持ち、一方光線Rcは、光路長が長いという伝搬速度を相対的に遅くする要素と、伝搬速度の早い領域も伝搬するという伝搬速度を相対的に速める要素を持つ。この結果、インナーコアの径と屈折率を適当に調整することで光線Raと光線Rcの平均伝搬速度を等しくすることができ、伝送帯域は同じ開口数のステップインデック形スファイバより大きなものとなる。
【0013】
このようにして完全回転対称タイプで得られる伝送帯域の改善効果は、モデルにしたがって計算から求めると、同一開口数の従来のステップインデックス形の光ファイバに比べ、例えばインナーコアを単層としてコア全体を2層とする構造の場合であれば2倍弱程度に伝送帯域を広げることであり、インナーコアを2層としてコア全体を3層とする構造の場合であれば2倍強程度に伝送帯域を広げることである。完全回転対称タイプにおける伝送帯域の改善レベルがこの程度にとどまるのは、これを伝搬する光線に上記のように光線Ra、Rb、Rcの3種類があることが影響していると同時に、特に光線Rbがあることによる影響が大きい。すなわち光線Rbについては、上記のような伝搬速度の均一化を生じさせるメカニズムは余り効果的でなく、逆に屈折率が小さい領域のみを伝搬することによる影響が大きくなり過ぎるために、光線Raと光線Rcにおける伝搬速度の均一化を阻害する要素となる。ただ完全回転対称タイプは、対称性が高いので製造し易いという利点があり、また接続に際してコアの向きを考慮する必要がないので、接続の作業性に優れるという利点もある。
【0014】
次に、回転対称性を破るタイプにあっては、以下のようなメカニズムにより、光ファイバ端面への入射条件の異なる光線について伝搬速度の均一化を生じさせることができ、伝送帯域を広くすることができる。これによる伝搬速度の均一化効果は、上記の完全回転対称タイプにおけるそれよりも大きい。例えば、インナーコアを1つとしてコア全体を2層とする構造の場合であれば、従来の同一開口数のマルチモード・ステップインデックス形の光ファイバに比べ2.5 〜3倍強程度に伝送帯域を広げることができ、インナーコアを2層としてコア全体を3層構造とするかあるいは2つのインナーコアを互いに離して設けて全体を海島構造とする場合であれば5倍弱程度に伝送帯域を広げることができる。
【0015】
回転対称性を破るタイプによると、上記の光線Rbを実質的になくすことが可能で、このことにより完全回転対称タイプの場合よりも伝搬速度の均一化を向上させることができる。また回転対称性を破るタイプでは、例えば楕円形のような非円形の形状をインナーコアの断面形状として選択することで、上記の光線Raに関して伝搬速度が特に遅い成分を効果的に除去することができ、このことによっても伝搬速度の均一化を向上させることができる。
【0016】
さらに回転対称性を破るタイプでは、スキューレイがそれぞれ屈折率の異なるアウターコアとインナーコアを交互に通過しながらコア中を伝搬すると共に、伝搬途中でアウターコアとクラッドとの界面やアウターコアとインナーコアとの界面における入射・反射のパターンを非周期的つまりランダム的に変化させる。この結果、伝搬途中のスキューレイは、屈折率が異なる領域の通過距離を1周期(1周期は、アウターコアとクラッドとの界面でのある反射から次の反射までの周期)毎にランダムに変化させることになり、したがって伝搬途中でランダム的に速度変化を生じる。そしてこの伝搬途中でのランダム的な速度変化による平均化作用により、スキューレイの伝搬速度に効果的な均一化を生じさせることができる。このメカニズムは、クラッドとアウターコア、それにアウターコアとインナーコアの各界面へのスキューレイの入射角度をランダム的に変化させることができるような配置又は断面形状をインナーコア1与えることにより、さらに有効に機能させることができる。このようにすることはまた、コア中に光線を閉じ込める条件を厳しくし、伝搬速度の遅い光線をコア外に逃してカットすることに働くことでも伝搬速度の均一化に寄与する。
【0017】
このような回転対称性を破るタイプには、回転対称性の破り方について幾つかのタイプが可能である。例えばインナーコアの断面形状を円形とし、このインナーコアをアウターコア内で、アウターコアの中心に対しインナーコアの中心をシフトさせて非同心的に配置するタイプがある。またインナーコアの断面形状を例えば楕円形のような非円形の形状あるいは凹凸のある形状とし、このインナーコアをアウターコアに対し同心的に、あるいは非同心的に配置するタイプがある。さらに断面形状を円形又は非円形としたインナーコアを複数、それぞれが重なることのないようにして離散的に設けるタイプも可能である。ただインナーコアの断面形状を非円形とする場合には、アウターコアとインナーコアの界面に不連続な曲折部、つまり鋭角的な曲折部を含むと伝送損失を増大させることになるので、インナーコアの外面形状は滑らかな連続曲面のみからなるようにすることが望ましい。
【0018】
これらの各タイプについては、アウターコアとクラッドの界面での反射を伴うスキューレイの伝搬路と重ならせるようにインナーコアを配置するのが特に好ましい。すなわちこのようにすることで、実質的に全てのスキューレイにインナーコアを通過させる状態が得られ、上記したアウターコアのみを伝搬する光線Rbを効果的に排除できるし、また実質的に全てのスキューレイについて伝搬途中で入射角度をランダム的に変化させることができ、アウターコアとクラッドとの界面やアウターコアとインナーコアとの界面におけるスキューレイの入射・反射パターンの非周期性をより高めることもでき、伝搬速度の均一化をより向上させることができる。
【0019】
本発明による多層コア構造の光ファイバは、以上のようにして広い伝送帯域を可能とするが、同時に製造の容易性も持っている。すなわち本発明による光ファイバは、基本的には従来のステップインデックス形の光ファイバで一般的に用いられているのと同様の製造方法で製造することが可能であり、したがってコアが多層であるものの、コアの多層化程度を適当な範囲とすることで、従来のステップインデックス形の光ファイバにおけるのとそれ程変わらない条件で製造することができる。
【0020】
上記のようにして伝搬速度の均一化を可能とする多層コア構造は、インナーコアを多層にしたり二つ以上設け、その層数や個数を多くするほど均一化の程度を上げることができる。ただインナーコアの層数や個数を多くするとそれだけ製造の困難性が増す。したがって求められる性能要求に応じてインナーコアの層数や個数を選定することになるが、例えば一般的な近距離通信で望まれる伝送帯域を可能とするには、2〜3(コア全体で3〜4層)とするのが適当で、特にインナーコアの層数や個数を2としてコア全体を3層構造とするのが実用上で適している。
【0021】
【実施の形態】
本発明の第1の実施形態による光ファイバは、図1に示すような断面形状を持つ。これから分かるように、コア1は、円形にしてクラッドCに内接させたアウターコア2と、このアウターコア2の内部に設ける楕円形の第1のインナーコア3、及びこの第1のインナーコア3の内部に設ける楕円形の第2のインナーコア4からなる3層構造である。両インナーコア3、4は、何れもアウターコア2に対し同心的にし、且つ楕円の長半径方向に関してアウターコア2の外周面と第1のインナーコア3の外周面との間隔、及び第1のインナーコア3の外周面と第2のインナーコア4の外周面との間隔を製造上で支障のない範囲で十分に狭めて設けるようにする。このような形状と配置とすることにより、光ファイバ伝搬するスキューレイの伝搬路に対しこれを漏れなくカバーするように第1及び第2の両インナーコアを重ならせることができる。この実施形態の光ファイバは、回転対称性を破るタイプであるが、180°の回転対称(回転対称次数が2)を残しており、また直交する二つの鏡面について鏡面対称を持つ。このタイプは、温度変化や吸湿による膨張、収縮量が材料によって異なることに起因するファイバの反りやねじれなどの変形の危険性を小さくできるという利点があり、また比較的製造し易いという利点もある。
【0022】
本発明の第2の実施形態による光ファイバは、図2に示すように、そのコア11が、円形のアウターコア12と楕円形のインナーコア13からなる2層構造である。インナーコア13は、アウターコア12に対し第1の実施形態における第1のインナーコア3と同様にして設けるようにする。したがってこの実施形態でも、第1の実施形態と同様に、スキューレイの伝搬路に対しインナーコアを重ならせることができ、また180°の回転対称と直交する二つの鏡面についての鏡面対称を持っている。
【0023】
本発明の第3の実施形態による光ファイバは、図3に示すように、そのコア21が、円形のアウターコア22と、このアウターコア22の内部に設ける円形の第1のインナーコア23、及びこの第1のインナーコア23の内部に設ける同じく円形の第2のインナーコア24からなる3層構造である。両インナーコア23、24は、何れもアウターコア22に対し非同心的に、且つ各々についても非同心的に設ける。また両インナーコア23、24は、上記各実施形態と同様に、これらをスキューレイの伝搬路に対し重ならせることができるように、両インナーコア23、24それぞれの外周面とアウターコア22の外周面との間隔を製造上で支障のない範囲で十分に狭めて設けるようにする。この実施形態ではさらに回転対称性が破れ、一つの鏡面による鏡面対称性のみを残す。
【0024】
本発明の第4の実施形態による光ファイバは、図4に示すように、そのコア31が、円形のアウターコア32と円形のインナーコア33からなる2層構造である。インナーコア33は、アウターコア32に対し第3の実施形態における第1のインナーコア23と同様にして設けるようにする。この実施形態における対称性は第3の実施形態と同じである。
【0025】
本発明の第5の実施形態による光ファイバは、図5に示すように、何れも楕円形の断面形状に形成した第1のインナーコア41と第2のインナーコア42を互いに重ならないように分離させて離散状とし且つ対称配置にして円形のアウターコア43に設けた3層構造のコア44を持つ。この場合にも上記各実施形態と同様に、スキューレイの伝搬路に対し両インナーコア41、42を重ならせることができるように、両インナーコア41、42それぞれの外周面とアウターコア43の外周面との間隔を製造上で支障のない範囲で十分に狭めて設けるようにする。この実施形態は、両インナーコア41、42が屈折率の異なる材料からなるため、一つの鏡面による鏡面対称性を持つ。
【0026】
本発明の第6の実施形態による光ファイバは、完全な回転対称性を持つタイプで、図6に示すように、そのコア51が、円形のアウターコア52と、このアウターコア52の内部に設ける円形の第1のインナーコア53、及びこの第1のインナーコア53の内部に設ける同じく円形の第2のインナーコア54からなる3層構造であり、両インナーコア53、54は、何れもアウターコア52に対し同心的に設けるようにする。
【0027】
本発明の第7の実施形態による光ファイバは、同じく完全な回転対称性を持つタイプで、図7に示すように、そのコア61が、円形のアウターコア62と円形のインナーコア63からなる2層構造であり、インナーコア63をアウターコア62に対し同心的に設けるようにする。
【0028】
以上の各実施形態におけるアウターコアとインナーコアのサイズやそれぞれの屈折率についての一数値例と、この数値条件における伝送帯域改善効果を図8としたテーブルに示す。このテーブルにおけるn1 は最内の層である第2のインナーコア又はインナーコアの屈折率、n2 は内から2番目の層である第1のインナーコアの屈折率、n3 はアウターコアの屈折率、nc はクラッドの屈折率、Rはアウターコアの半径、R1xは第1のインナーコアの短半径、R1yは第1のインナーコアの長半径、R2xは第2のインナーコアの短半径、R2yは第2のインナーコアの長半径、dx1 はアウターコアの中心に対する第1のインナーコアの中心の偏心距離、そしてdx2 はアウターコアの中心に対する第2のインナーコアの中心の偏心距離であり、半径と偏心距離の単位はmmである。またBWは伝送帯域改善効果であり、同一開口数の従来のステップインデックス形の光ファイバとの比較をモデルにしたがった計算から求めて示してある。
【0029】
ここで以上の各実施形態では、全て内側から外側に向けて屈折率を小さくする順方向分布としているが、完全な回転対称性を破るタイプについては、例えば内側から外側に向けて屈折率を高くする分布や、その他の分布とすることも可能である。このようなものはしばしば順方向分布タイプより高い伝送帯域改善効果を示すが、形態によっては若干伝送損失が大きくなることがある。
【0030】
また以上の各実施形態にあっては、インナーコアの断面形状を円又は楕円としているが、この他に例えば滑らかな連続曲面による凹凸を有する形状をインナーコアの断面形状として与えることも可能である。
【0031】
【発明の効果】
以上説明してきた如く、本発明によると、従来のステップインデックス形光ファイバとほぼ同様な条件で製造することが可能で、しかも従来のステップインデックス形光ファイバに比べ大幅に伝送帯域を広くすることのできる光ファイバを提供することができ、光ファイバを用いる通信システムの機能向上に大きく寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態による光ファイバの断面図。
【図2】第2の実施形態による光ファイバの断面図。
【図3】第3の実施形態による光ファイバの断面図。
【図4】第4の実施形態による光ファイバの断面図。
【図5】第5の実施形態による光ファイバの断面図。
【図6】第6の実施形態による光ファイバの断面図。
【図7】第7の実施形態による光ファイバの断面図。
【図8】各実施形態における数値例と伝送帯域改善効果についてのテーブル図。
【図9】多層コア構造の光ファイバ中を伝搬するスキューレイについての説明図。
【符号の説明】
1,11,21,31,44,51,61 …… コア
2,12,22,32,43,52,62 …… アウターコア
3,4,13,23,24,33,41,42,53,54,63 …… インナーコア
C …… クラッド

Claims (1)

  1. コアとクラッドからなる光ファイバにおいて、前記コアは、クラッドに内接させて設けられ且つクラッドより大きな屈折率を与えられた円形断面のアウターコアと、このアウターコア内に設けられ且つアウタ−コアとは異なる屈折率を与えられたインナーコアとからなり、これらアウターコアとインアーコアを多層化した断面構造について回転対称性を破るタイプとすると共に、アウターコアとクラッドとの界面での反射を伴うスキューレイの伝播路に重ならせるようにインナーコアを設けて、全てのスキューレイがインナーコアを通過するようにしたことを特徴とする光ファイバ。
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