JP2000044694A - 表皮部材及びその積層体 - Google Patents

表皮部材及びその積層体

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JP2000044694A
JP2000044694A JP21270898A JP21270898A JP2000044694A JP 2000044694 A JP2000044694 A JP 2000044694A JP 21270898 A JP21270898 A JP 21270898A JP 21270898 A JP21270898 A JP 21270898A JP 2000044694 A JP2000044694 A JP 2000044694A
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ethylene
weight
olefin
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thermoplastic elastomer
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JP21270898A
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English (en)
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Kensuke Uchida
健輔 内田
Shinichi Shibayama
伸一 柴山
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軟質ポリ塩化ビニルに代わりうる耐摩耗性、
耐環境特性、成形性に優れた表皮部材及びその積層体の
提供。 【解決手段】 (A)エチレンと炭素数6〜12のα−
オレフィンからなる、メタロセン系触媒を用いて製造し
たエチレン・α−オレフィン共重合体1〜99重量部と
(B)プロピレン系樹脂1〜99重量部[(A)と
(B)の合計量が100重量部]とからなる部分的また
は完全に架橋された熱可塑性エラストマー組成物からな
る表皮部材、及び上記表皮部材と緩衝層あるいは補強層
とから形成されてなることを特徴とする積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表皮部材及びその
積層体に関するものである。更に詳しくは、柔軟でゴム
状、皮革状の外観を有するとともに、耐摩耗性、耐環境
特性、成形性に優れた表皮部材及びその積層体に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来から軟質の熱可塑性樹脂から製造さ
れる表皮材は、インスツルメントパネル、天井材、ドア
トリム等の自動車内装材、バッグ、鞄、椅子等の家具、
各種乗り物の座席シート、緩衝シートなどに使用されて
いる。熱可塑性樹脂の中でも、軟質のポリ塩化ビニル
は、傷がつきにくいということ、配合によっては非常に
ソフトタッチの高級感のあるものができること、成形性
に優れているという特徴があり、こうした用途において
は主流を占めてきた。
【0003】ところが、軟質のポリ塩化ビニルは、長期
的な耐候性、耐寒性、可塑剤のブリードアウト、比重が
高い等において問題点を抱えていた。また近年、廃棄物
の焼却の段階で、ポリ塩化ビニルなどの有機塩素化合物
を不適切な設備で燃焼すると、有害なダイオキシンが発
生するということが判明したため、ポリ塩化ビニルが敬
遠され始めた。
【0004】一方、ポリオレフィン系の軟質の熱可塑性
樹脂は、軽量で、耐候性、耐寒性に優れ、焼却時に有毒
なガスを発生することもなく、リサイクルも可能である
ので、ポリ塩化ビニルの代替素材として最も有用であ
る。
【0005】ポリオレフィン系の軟質の熱可塑性樹脂、
言い換えると熱可塑性エラストマー組成物を得る方法と
しては、ラジカル架橋性エラストマーとラジカル架橋性
のないオレフィン系樹脂とをラジカル開始剤の存在下、
押出機中で溶融混練させながら架橋する、いわゆる動的
架橋による熱可塑性エラストマー組成物が既に公知の技
術として知られている。例えば、エチレン−プロピレン
−非共役ジエン共重合体(EPDM)とポリプロピレン
樹脂との動的架橋エラストマー組成物が代表的なもので
ある。ところが、このEPDMはポリマー鎖中にジエン
成分が存在するために架橋性に優れているものの、耐環
境劣化性が劣るために品質上の改善が望まれており、よ
り実用的使用に耐えるポリオレフィン系の熱可塑性エラ
ストマー組成物による表皮部材が求められていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に鑑み、上記のような問題点のない、即ち、耐環境
特性、機械的特性のバランス、加工性等に優れた表皮部
材及びその積層体を提供することを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記問題を
解決するため、鋭意検討した結果、エチレンとα−オレ
フィンとからなるある特定の構造を有したオレフィン系
エラストマーを必須成分として用いることにより、種々
の問題点を解決し得る事を見出だし、本発明を完成し
た。
【0008】即ち本発明は、(A)エチレンと炭素数6
〜12のα−オレフィンからなる、メタロセン系触媒を
用いて製造したエチレン・α−オレフィン共重合体1〜
99重量部と(B)プロピレン系樹脂1〜99重量部
[(A)と(B)の合計量が100重量部]とからなる
部分的または完全に架橋された熱可塑性エラストマー組
成物からなる表皮部材、および上記表皮部材と緩衝層あ
るいは補強層とから形成されてなることを特徴とする積
層体である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明に関して詳しく述べ
る。
【0010】(A)エチレン・α−オレフィン共重合体
は、炭素数が6〜12のα−オレフィンからなるエチレ
ン・α−オレフィン共重合体である。
【0011】炭素数6〜12のα−オレフィンとして
は、例えば、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、
ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−
1、ウンデセン−1、ドデセン−1等が挙げられる。中
でもヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン
−1が好ましく、特に好ましくはオクテン−1である。
オクテン−1は少量でも柔軟化する効果に優れ、得られ
た共重合体は機械的強度に優れている。
【0012】(A)エチレン・α−オレフィン共重合体
は、公知のメタロセン系触媒を用いて製造することがで
きる。
【0013】一般にはメタロセン系触媒は、チタン、ジ
ルコニウム等のIV族金属のシクロペンタジエニル誘導
体と助触媒からなり、重合触媒として高活性であるだけ
でなく、従来のチーグラー系触媒と比較して、得られる
重合体の分子量分布が狭く、共重合体中のコモノマーで
ある炭素数6〜12のα−オレフィンの分布が均一であ
る。従って、メタロセン系触媒により製造されたオレフ
ィン系エラストマーは、チーグラー系触媒等を用いる従
来のものと比較して重合体の性質が大きく異なってい
る。
【0014】メタロセン系重合触媒を用いたエチレンと
α−オレフィンからなるオレフィン系エラストマーの特
徴を列挙すると、 1.重合触媒が高活性であるため、コモノマーのα−オ
レフィンの組成を従来より大幅に高めることが可能とな
り、可塑剤を含まない状態でも柔軟性に富むエラストマ
ー状の重合体が得られる。
【0015】2.チーグラー系ポリマーと比較してコモ
ノマー分布が均一である。
【0016】3.チーグラー系ポリマーと比較して分子
量分布が極めてシャープであり、低分子量成分が極めて
少なく、機械的強度および加工性に優れ、高品質であ
る。
【0017】4.分子量分布がシャープであるにもかか
わらず、長鎖分岐を導入した場合はASTM・D123
8により規定される190℃/10kgfにおけるメル
トインデックス(I10)と、190℃/2.16kg
fにおけるメルトインデックス(I2)との比(I10
/I2)の値が大きく、加工特性に優れる。
【0018】5.ジエン成分を含まず、耐環境劣化性に
優れている。
【0019】6.α−オレフィンの共重合比率が高くて
もブロッキングが発生しにくく、ペレット状の形態が可
能である。等である。
【0020】チーグラー触媒によるエチレンとα−オレ
フィンの共重合体であるオレフィン系エラストマーで
は、上記のメルトインデックス比(I10/I2)と分
子量分布は、ほぼ直線的な比例関係を示し、メルトイン
デックス比の増加と伴に分子量分布も増大する傾向を示
す。分子量分布は3〜10程度である。
【0021】一方、メタロセン系触媒によるオレフィン
系重合体では、メルトインデックス比の値の如何にかか
わらず、分子量分布は3.0未満のシャープな値とな
り、低分子量成分が極めて少ない。このため、加工性は
きわめて優れている。
【0022】(A)エチレン・α−オレフィン共重合体
は、α−オレフィンの共重合比率が1〜60重量%であ
ることが好ましく、更に好ましくは10〜50重量%、
最も好ましくは20〜45重量%である。α−オレフィ
ンの共重合比率が60重量%を越えると、組成物の機械
的強度が低下して実用的に使用し難い傾向にあり、一
方、1重量%未満では、柔軟性が不足する傾向にある。
【0023】(A)エチレン・α−オレフィン共重合体
の密度は、機械的強度と柔軟性とのバランスから、0.
8〜0.9g/cm3の範囲にあることが好ましい。
【0024】(A)エチレン・α−オレフィン共重合体
は、長鎖分岐を有していることが望ましい。長鎖分岐が
存在することで、機械的強度を落とさずに、共重合され
ているα−オレフィンの比率(重量%)に比して、密度
をより小さくすることが可能となり、低密度、低硬度、
高強度のエラストマーを得ることができる。長鎖分岐を
有するオレフィン系エラストマーとしては、米国特許第
5278272号明細書等に記載されている。
【0025】また、(A)エチレン・α−オレフィン共
重合体は、室温以上にDSCの融点ピークを有すること
が望ましい。融点ピークを有するとき、融点以下の温度
範囲では形態が安定しており、取扱い性に優れ、ベタツ
キも少ない。
【0026】また、(A)エチレン・α−オレフィン共
重合体のメルトインデックスは、0.01〜100g/
10分(190℃、2.16kg荷重)の範囲のものが
好ましく用いられ、更に好ましくは0.2〜10g/1
0分である。100g/10分を越えると、熱可塑性エ
ラストマー組成物の架橋性が不十分となる傾向があり、
また0.01g/10分より小さいと流動性が悪く、加
工性が低下する傾向がある。
【0027】(A)エチレン・α−オレフィン共重合体
は、複数の種類のものを混合して用いても良い。そのよ
うな場合には、加工性のさらなる向上を図ることが可能
となる。
【0028】本発明において(B)プロピレン系樹脂
は、ホモのアイソタクチックポリプロピレン、プロピレ
ンとエチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−
1等の他のα−オレフィンとのアイソタクチックプロピ
レン系樹脂(ブロック、ランダムを含む)等が挙げら
れ、複数の種類のものを混合して用いても良い。
【0029】また、(B)プロピレン系樹脂のメルトイ
ンデックスは、0.1〜100g/10分(230℃、
2.16kg荷重)の範囲のものが好ましく用いられ
る。100g/10分を越えると、組成物の耐熱性、接
着強度等の機械的強度が低下傾向であり、また0.1g
/10分より小さいと流動性が悪く、成形加工性が低下
する傾向がある。
【0030】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
(A)エチレン・α−オレフィン共重合体1〜99重量
部と(B)プロピレン系樹脂1〜99重量部[(A)と
(B)の合計量が100重量部]とからなる。好ましく
は(A)エチレン・α−オレフィン共重合体10〜90
重量部と(B)プロピレン系樹脂10〜90重量部、更
に好ましくは(A)エチレン・α−オレフィン共重合体
20〜80重量部と(B)プロピレン系樹脂20〜80
重量部である。(B)プロピレン系樹脂が1重量部未満
では組成物の流動性、加工性が低下し、99重量部を越
えると組成物の柔軟性が不十分であり、望ましくない。
【0031】本発明において、熱可塑性エラストマー組
成物に加工性の向上のために必要に応じて、(C)軟化
剤を配合することができる。
【0032】(C)軟化剤は、パラフィン系、ナフテン
系などのプロセスオイルが好ましい。これらは組成物の
硬度、柔軟性の調整用に0〜250重量部、好ましくは
10〜150重量部用いる。250重量部を越えるとオ
イルのブリードが顕著となる傾向がある。
【0033】本発明において、熱可塑性エラストマー組
成物は、先に説明した(A)特定のオレフィン系エラス
トマーである(A)エチレン・α−オレフィン共重合体
と(B)プロピレン系樹脂に対して、必要に応じて、
(C)軟化剤を特定の組成比で組み合わせることによ
り、機械的強度と柔軟性、加工性のバランスが改善さ
れ、好ましく用いることができる。
【0034】本発明にて提供される熱可塑性エラストマ
ー組成物は、その組成物を有機過酸化物等のラジカル開
始剤あるいはラジカル開始剤および架橋助剤により部分
的または完全に架橋させることが必要である。これによ
り、更に耐摩耗性や機械的強度、耐熱性等を向上させる
ことが可能となる。
【0035】ここで、好ましく使用されるラジカル開始
剤の具体的な例として、1,1−ビス(t−ブチルパー
オキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5
−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキ
シルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−
ブチルパーオキシ)シクロドデカン、1,1−ビス(t
−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス
(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,
4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル
−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート等
のパーオキシケタール類;ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオ
キサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m
−イソプロピル)ベンゼン、α,α’−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメ
チル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン
および2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド
類を挙げることができる。
【0036】また、アセチルパーオキサイド、イソブチ
リルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デ
カノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、
3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、
ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイ
ルパーオキサイドおよびm−トリオイルパーオキサイド
等のジアシルパーオキサイド類;t−ブチルパーオキシ
アセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t
−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−
ブチルパーオキシラウリレート、t−ブチルパーオキシ
ベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレー
ト、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオ
キシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t
−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、および
クミルパーオキシオクテート等のパーオキシエステル類
を挙げることができる。
【0037】また、t−ブチルハイドロパーオキサイ
ド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベ
ンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキ
サン−2,5−ジハイドロパーオキサイドおよび1,
1,3,3−テトラメチルブチルパーオキサイド等のハ
イドロパーオキサイド類を挙げることができる。
【0038】これらの化合物の中では、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミ
ルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンおよび2,5−ジメ
チル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン
−3が好ましい。
【0039】これらのラジカル開始剤は、(A)エチレ
ン・α−オレフィン共重合体100重量部に対し0.0
2〜3重量部、好ましくは0.05〜1重量部の量で用
いられる。0.02重量部未満では架橋が不十分である
傾向があり、3重量部を越えても組成物の物性は向上し
ない傾向がある。
【0040】更に、架橋助剤としては、ジビニルベンゼ
ン、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレ
ート、ダイアセトンジアクリルアミド、ポリエチレング
リコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコ
ールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタク
リレート、ジイソプロペニルベンゼン、P−キノンジオ
キシム、P,P’−ジベンゾイルキノンジオキシム、フ
ェニルマレイミド、アリルメタクリレート、N,N’−
m−フェニレンビスマレイミド、ジアリルフタレート、
テトラアリルオキシエタン、1,2−ポリブタジエン等
が好ましく用いられる。これらの架橋助剤は複数のもの
を併用して用いてもよい。
【0041】これらの架橋助剤は、(A)エチレン・α
−オレフィン共重合体100重量部に対し0.1〜5重
量部、好ましくは0.5〜2重量部の量で用いられる。
0.1重量部未満では架橋が不十分である傾向があり、
5重量部を越えても組成物の物性は向上せず過剰の架橋
助剤が残存する傾向がある。
【0042】本発明において、熱可塑性エラストマー組
成物以外に、その特徴を損ねない程度に他の樹脂、エラ
ストマーを添加してもよい。
【0043】例えば、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレ
ンエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニ
ル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンスルフ
ィド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン
系樹脂、ポリメタクリレート系樹脂、ポリアセタール系
樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、
少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合
体ブロックAと少なくとも1個の共役ジエン化合物を主
体とする重合体ブロックBとからなるブロック共重合
体、もしくはこのブロック共重合体を水素添加してなる
ブロック共重合体、スチレン−ブタジエンランダム共重
合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエチレン−ビ
ニルエステル共重合体、エチレン−エチルアクリレート
共重合体等のエチレン−不飽和カルボン酸エステル共重
合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリブタ
ジエン、ポリブテン、ポリイソブテン、等がある。
【0044】上記ポリスチレン系樹脂は、さらに詳しく
は、ゴム変性スチレン系樹脂及び/または、ゴム非変性
スチレン系樹脂であり、特にゴム変性スチレン系樹脂の
例としては、耐衝撃性ポリスチレン、ABS樹脂(アク
リロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、AA
S樹脂(アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共
重合体)、AES樹脂(アクリロニトリル−エチレンプ
ロピレンゴム−スチレン共重合体)等が挙げられる。
【0045】ここで、特に耐薬品性、耐油性、耐熱性等
を向上させるためには、ポリアミド系、ポリエステル
系、ポリカーボネート系の熱可塑性樹脂が好ましい。
【0046】また、本発明の熱可塑性エラストマー組成
物には、その特徴を損ねない程度に無機フィラーおよび
可塑剤を含有することが可能である。
【0047】ここで用いる無機フィラーとしては、例え
ば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、カー
ボンブラック、ガラス繊維、酸化チタン、クレー、マイ
カ、タルク、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム
等が挙げられる。また、可塑剤としては、例えば、ポリ
エチレングリコール、ジオクチルフタレート(DOP)
等のフタル酸エステル等が挙げられる。
【0048】また、その他の添加剤、例えば、滑剤、有
機・無機顔料、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
光安定剤、難燃剤、シリコンオイル、アンチブロッキン
グ剤、発泡剤、帯電防止剤、抗菌剤等も好適に使用され
る。
【0049】本発明における動的架橋による熱可塑性エ
ラストマー組成物は、通常こうした熱可塑性エラストマ
ー組成物の製造に用いられる溶融混練機であれば、それ
らを用いて製造することができる。具体的には、ミキシ
ングロール、バンバリーミキサー、加圧ニーダー等のバ
ッチ式混練機、単軸押出機、2軸押出機、等の連続式混
練機がある。
【0050】熱可塑性エラストマー組成物は、具体例と
して、次のような加工工程を経由して製造することがで
きる。
【0051】すなわち、(A)エチレン・α−オレフィ
ン共重合体と(B)プロピレン系樹脂とをよく混合し、
押出機のホッパーに投入する。ラジカル開始剤、架橋助
剤は、(A)エチレン・α−オレフィン共重合体と
(B)プロピレン系樹脂とともに当初から添加してもよ
いし、押出機の途中から添加してもよい。またオイルは
押出機の当初から、あるいは途中から添加してもよい
し、当初と途中とに分けて添加してもよい。(A)エチ
レン・α−オレフィン共重合体と(B)プロピレン系樹
脂は一部を押出機の途中から添加してもよい。押出機内
で加熱溶融し混練される際に、(A)エチレン・α−オ
レフィン共重合体とラジカル開始剤および架橋助剤とが
架橋反応し、さらにオイル等を添加して溶融混練するこ
とにより架橋反応と混練分散とを充分させたのち押出機
から取り出す。ペレタイズして本発明の熱可塑性エラス
トマー組成物のペレットを得ることができる。
【0052】本発明の表皮部材を製造する方法は、公知
のものがいずれも使用できる。押出成形、カレンダー成
形、プレス成形、ブロー成形などによりシート状に成形
される。
【0053】表皮部材の厚みは種々厚みのものが可能で
あるが、通常、0.01〜10mmの厚みのものであ
る。
【0054】シートはさらにエンボス、各種素材のコー
ティング、他のシートとのラミネートといった加工が施
されてもよい。また、真空成形、圧空成形、プレス成形
等によりさらに形態を変える加工が施されてもよい。
【0055】本発明で得られた表皮部材にクッション性
を付与するため、あるいは機械的強度、耐熱性、摩耗性
等の補強のため、緩衝層あるいは補強層を積層すること
ができる。
【0056】緩衝層としては、エラストマー、種々の樹
脂やエラストマーからなる発泡体、不織布、織布等があ
る。補強層としては、種々の樹脂、エラストマー、不織
布、織布、金属、セラミクス、木材、紙等がある。中で
もポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系
の樹脂による緩衝層あるいは補強層が、本発明の表皮部
材との接着性、なじみが良く望ましい。自動車内装材と
しては、ポリオレフィン系樹脂による発泡体層を用いる
ことで、積層加工が容易となり、またリサイクル等も容
易に進めることが可能となり望ましい。
【0057】積層する方法としては、接着剤により貼り
合わせる方法、熱融着により貼り合わせる方法、圧力に
より貼り合わせる方法、一方の層を成形時に他方の層を
同時に貼り合わせる方法、多層押出機による積層方法、
等の各種方法を取ることができる。
【0058】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例により更に詳
細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。なお、これら実施例および比較例において、各種
物性の評価に用いた試験法は以下の通りである。
【0059】(1)表面硬度 2mm厚シートを4枚重ねて、ASTM・D2240に
準じ、AタイプもしくはDタイプにて23℃雰囲気下に
て評価した。
【0060】(2)環境劣化性保持率 カーボンアーク式サンシャインウェザーメータ(スガ試
験機製)を用い、ASTM・D1499に準じてブラッ
クパネル温度63℃、降雨時間18分/照射時間120
分とし、2mm厚圧縮成形シートを150時間連続で暴
露した後の引張強度保持率[%]で評価した。
【0061】(3)押出成形性 Tダイによる押出成形機を用いて0.5mm厚シートを
作成し(押出温度220℃)、成形品の表面の状態を次
の尺度で評価した。
【0062】 ○;なめらかである、△;細かな凹凸がある、×;顕著
な凹凸がある。
【0063】(4)耐摩耗性 表皮部材の上にフェルト布を下面に貼り付けた5cm×
5cm×2mmのステンレス板を置き、100g/cm
2の荷重がかかるように重しを載せ、30往復/分の速
度で10000回往復運動をさせた。表面状態を次のよ
うに判定した。
【0064】 ○;傷がほとんど目立たない、△;傷が目立つ、×;傷
がかなり目立つ。
【0065】実施例、比較例で用いる各成分は以下のも
のを用いた。
【0066】(イ)エチレン・α−オレフィン共重合体 a)エチレンとオクテン−1との共重合体(EOCと称
する) 〔デュポンダウエラストマーズ社より入手可能なエンゲ
ージ8180、重合触媒;メタロセン系、α−オレフィ
ン共重合比率:28重量%、密度:0.86g/c
3、Mw/Mn=2.4、長鎖分岐を有する、DSC
融点ピークを有する、メルトインデックス(ASTM・
D1238)0.5〕 b)エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共
重合体(EPDMと称する) 〔重合触媒;チーグラー系、プロピレン共重合比率:2
7重量%、ヨウ素価15、密度:0.86g/cm3
メルトインデックス(ASTM・D1238)2、溶融
粘度;2600poise〕 (ロ)プロピレン系樹脂 日本ポリケム(株)製、ホモアイソタクチックポリプロ
ピレン(PPと称する) (ハ)パラフィン系オイル 出光興産(株)製、ダイアナプロセスオイルPW−38
0(MOと称する) (ニ)ラジカル開始剤 日本油脂社製、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−
ブチルパーオキシ)ヘキサン(商品名パーヘキサ25
B)(POXと称する) (ホ)架橋助剤 和光純薬(株)製、ジビニルベンゼン(DVBと称す
る)
【0067】(実施例1〜2)EOC、PP、POX、
DVB、MOの表1に示す所定量からなる重合体組成物
を、バレル中央部に注入口を有し、注入口の前後に混練
部を有した2条スクリュー2軸押出機(40mmφ、L
/D=47)を用いて動的架橋法により製造した。
【0068】即ち所定の組成でMO以外を混合したのち
2軸押出機(シリンダー温度220℃)のホッパーに投
入し、引き続き、押出機の中央部にある注入口より所定
量のMOをポンプにより注入し、溶融混練を行い、熱可
塑性エラストマー組成物を得た。
【0069】次いで、Tダイによる押出成形機を用いて
幅60cm×厚み0.5mmのシートを作成した(押出
温度220℃)。
【0070】(比較例1)実施例1においてEOCをE
PDMに変更する以外、同一の加工を行った。結果を表
1に示す。
【0071】
【表1】
【0072】表1の結果から明らかな様に、本発明によ
り提供される表皮部材は、良好な押出加工性および耐環
境劣化性を維持しつつ、摩耗性に優れたものとなってい
る。表面部材の表面はきめ細かい艶消し状態で手触りの
良いものであった。
【0073】さらに、この実施例1〜2のシートを用い
て以下の加工を行った。
【0074】実施例1〜2のシートと発泡PPシート
(厚み2mm、発泡倍率20倍)とをそれぞれ予め18
0℃に加熱した後、両方のシートを重ねて、引き取り速
度4m/分で180℃に加熱された2本の圧着ロール間
を通して、積層シートを作成した。
【0075】得られた積層シートは適度なクッション
性、柔軟性を有していた。両方のシートは、界面で熱融
着されており、剥離しようとすると発泡PPシートが破
断し、強固に接着していた。
【0076】
【発明の効果】本発明の熱可塑性エラストマー組成物か
らなる表皮部材及びその積層体は、表皮部材が柔軟でゴ
ム状、皮革状の外観を有するとともに、耐摩耗性、耐環
境特性、成形性に優れている。
【0077】本発明は、インスツルメントパネル、天井
材、ドアトリム、コンソールボックス、シートシール
ド、リアパネル、ステアリングホイールカバー等の自動
車内装材、バッグ、鞄、椅子等の家具、各種乗り物の座
席シート、緩衝シート、家電製品、OA機器等の表皮
材、スポーツ用品、雑貨、日用品、文房具等の表皮材、
壁装材、床材、建材等の用途に幅広く使用可能であり、
産業界に果たす役割は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA10 AA15X AA20 AA21X AC18 AE02 AE04 AE06 AF28 AG05 AH11 AH19 BA01 BB06 BC01 4F100 AK07A AK62A AL05A AR00B AT00C BA03 BA10A BA10C DJ01B EJ05A GB33 GB81 JK09 JK11B JK13 JK17 YY00A 4J002 AC044 AE053 BB05W BB12X BB14X BB15X BP02X EA047 EH077 EH147 EK016 EK026 EK036 EK046 EK056 EK066 EU027 EU197 FD023 FD146 FD154 FD157 GF00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エチレンと炭素数6〜12のα−
    オレフィンからなる、メタロセン系触媒を用いて製造し
    たエチレン・α−オレフィン共重合体1〜99重量部と
    (B)プロピレン系樹脂1〜99重量部[(A)と
    (B)の合計量が100重量部]とからなる部分的また
    は完全に架橋された熱可塑性エラストマー組成物からな
    ることを特徴とする表皮部材。
  2. 【請求項2】 (A)エチレンと炭素数6〜12のα−
    オレフィンからなる、メタロセン系触媒を用いて製造し
    たエチレン・α−オレフィン共重合体1〜99重量部と
    (B)プロピレン系樹脂1〜99重量部[(A)と
    (B)の合計量が100重量部]とからなる部分的また
    は完全に架橋された熱可塑性エラストマー組成物からな
    る表皮部材と緩衝層あるいは補強層とから形成されてな
    ることを特徴とする積層体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007106985A (ja) * 2005-09-14 2007-04-26 Mitsubishi Chemicals Corp 熱可塑性エラストマー組成物及び積層体並びに管状体

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