JP2000044602A - 抗細菌剤 - Google Patents
抗細菌剤Info
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Abstract
又は飲料を提供する。 【解決手段】 フコイダン及び/又はその分解物を有効
成分として含有することを特徴とする抗細菌剤、フコイ
ダン及び/又はその分解物を含有、添加及び/又は希釈
してなる抗細菌用食品又は飲料。
Description
作用、特に抗ヘリコバクター・ピロリ作用を利用した医
薬、食品又は飲料に関する。
化多糖の総称であり、硫酸化フコースを構成糖として含
むものである。フコイダンの生理作用としては、がん増
殖抑制活性、がん転移抑制活性、抗凝血活性、抗ウイル
ス活性等が知られており、医薬品としての様々な用途開
発が期待されている。
例えばフコイダンを有効成分とする抗潰瘍剤、ヘリコバ
クター・ピロリの定着阻害剤(特開平7−138166
号公報)や特定の理化学的性質を有するフコイダンオリ
ゴ糖組成物を含有する抗真菌剤が報告されている(特開
平7−215990号公報)。しかしながら、フコイダ
ンそのものに抗細菌作用、特に抗ヘリコバクター・ピロ
リ作用を見出したという報告は未だなされていない。
術の現状に鑑み創案されたものであり、その目的はフコ
イダンの抗菌作用、特に抗ヘリコバクター・ピロリ作用
を利用した医薬・食品又は飲料を提供することにある。
を達成するために鋭意検討した結果、フコイダンが高濃
度において抗細菌作用、特にヘリコバクター・ピロリ増
殖抑制作用を有することを見出し、本発明の完成に至っ
た。
は、フコイダン及び/又はその分解物を含有することを
特徴とする抗細菌剤に関する。本発明の第2の発明はフ
コイダン及び/又はその分解物を含有、添加及び/又は
希釈してなる抗細菌用食品又は飲料に関する。
酸化フコースを構成糖として含み、抗細菌作用を有する
ものであれば、特に限定はない。例えばガゴメ昆布由来
の多糖類から調製したフコイダンは抗細菌作用を有し、
グルクロン酸含有フコイダンとグルクロン酸非含有フコ
イダンに分離することができる。
ン酸非含有フコイダンはガゴメ昆布からフコイダンを調
製後、陰イオン交換樹脂、界面活性剤等を用いて分離さ
れる。ガゴメ昆布由来のグルクロン酸含有フコイダン及
びグルクロン酸非含有フコイダンの存在比は約1:2で
あり、グルクロン酸含有フコイダンはフコース、マンノ
ース、ガラクトース、グルクロン酸等を含み硫酸含量は
約20%、グルクロン酸非含有フコイダンはフコースと
ガラクトースを含み、硫酸含量は約50%、分子量は両
物質共に約20万を中心に分布している(第18回糖質
シンポジウム要旨集、第159頁、1996年)。
溶液をDEAE−Sepharose Fast Fl
owカラムにアプライ後、NaCl含有緩衝液にて濃度
勾配法により溶出させることにより、グルクロン酸含有
フコイダンとグルクロン酸非含有フコイダンに分離する
ことができる。図1にその1例を示す。すなわち図1は
グルクロン酸含有フコイダンとグルクロン酸非含有フコ
イダンの分離を示す図であり、図中前ピークがグルクロ
ン酸含有フコイダン、後ピークがグルクロン酸非含有フ
コイダンである。
は、酵素学的方法、化学的方法、物理的方法等の公知の
方法にて調製し、目的の抗細菌作用を有する分解物を選
択し、使用することができる。
その分解物を有効成分とし、これを公知の医薬用担体と
組合せ製剤化すれば製造することができる。当該製剤の
製造は一般的には、フコイダン及び/又はその分解物を
薬学的に許容できる液状又は固体状の担体と配合し、か
つ必要に応じて溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定
剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等を加えて、錠
剤、顆粒剤、散剤、粉末剤、カプセル剤等の固形剤、通
常液剤、懸濁剤、乳剤等の液剤とすることができる。ま
たこれを使用前に適当な担体の添加によって液状となし
得る乾燥品とすることができる。
じて選択することができ、経口剤の場合は、例えばデン
プン、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチルセル
ロース、コーンスターチ、無機塩等が利用される。また
経口剤の調製に当っては、更に結合剤、崩壊剤、界面活
性剤、潤沢剤、流動性促進剤、矯味剤、着色剤、香料等
を配合することもできる。
明の有効成分であるフコイダン及び/又はその分解物を
希釈剤としての注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水
溶液、注射用植物油、ゴマ油、ラッカセイ油、ダイズ
油、トウモロコシ油、プロピレングリコール、ポリエチ
レングリコール等に溶解ないし懸濁させ、必要に応じ、
殺菌剤、安定剤、等張化剤、無痛化剤等を加えることに
より調製される。
当な投与経路で投与される。投与方法も特に限定はな
く、内用、外用及び注射によることができる。注射剤
は、例えば静脈内、筋肉内、皮下、皮内等に投与し得、
外用剤には座剤等も包含される。
態、投与方法、使用目的及びこれに適用される患者の年
齢、体重、症状によって適宜設定され、一定ではないが
一般には製剤中に含有されるフコイダン及び/又はその
分解物の量が成人1日当り10〜2000mg/kgで
ある。もちろん投与量は、種々の条件によって変動する
ので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、
あるいは範囲を超えて必要な場合もある。本発明の薬剤
はそのまま経口投与するほか、任意の飲食品に添加して
日常的に摂取させることもできる。またフコイダンを抗
細菌用飲食品の原料として用いても良い。またエタノー
ル、グリシン、酢酸ナトリウム、アスコルビン酸、グリ
セリン脂肪酸エステル、食塩、EDTA等の他の抗菌性
物質と組合せて使用しても良い。
ム陰性細菌に抗菌作用を示すが、特に本発明の抗細菌剤
は胃潰瘍の原因菌とされているヘリコバクター・ピロリ
に抗菌作用を示し、本発明の抗細菌剤は抗ヘリコバクタ
ー・ピロリ剤として特に有用である。
リの胃粘膜下への定着を阻害する物質として知られてい
るが(特開平7−138166号公報)、本発明者らは
フコイダンが高濃度においてヘリコバクター・ピロリの
増殖を抑制し、抗菌作用を示すことを見出した。
ン及び/又はその分解物を含有、添加及び/又は希釈し
てなるものであり、その抗細菌作用により、フコイダン
及び/又はその分解物に感受性を示す細菌性感染症の症
状改善、予防に極めて有用である。特に本発明の抗細菌
用食品又は飲料はそのヘリコバクター・ピロリ増殖抑制
作用により、抗ヘリコバクター・ピロリ用食品又は飲料
として有用である。
定はないが、調理、加工及び一般に用いられている食品
又は飲料の製造法による製造を挙げることができ、製造
された食品又は飲料にフコイダン及び/又はその分解物
が有効成分として含有、添加及び/又は希釈されていれ
ば良い。
いが、例えば穀物加工品(小麦粉加工品、デンプン類加
工品、プレミックス加工品、麺類、マカロニ類、パン
類、あん類、そば類、麩、ビーフン、はるさめ、包装餅
等)、油脂加工品(可塑性油脂、てんぷら油、サラダ
油、マヨネーズ類、ドレッシング等)、大豆加工品(豆
腐類、味噌、納豆等)、食肉加工品(ハム、ベーコン、
プレスハム、ソーセージ等)、水産製品(冷凍すりみ、
かまぼこ、ちくわ、はんぺん、さつま揚げ、つみれ、す
じ、魚肉ハム、ソーセージ、かつお節、魚卵加工品、水
産缶詰、つくだ煮等)、乳製品(原料乳、クリーム、ヨ
ーグルト、バター、チーズ、練乳、粉乳、アイスクリー
ム等)、野菜・果実加工品(ペースト類、ジャム類、漬
け物類、果実飲料、野菜飲料、ミックス飲料等)、菓子
類(チョコレート、ビスケット類、菓子パン類、ケー
キ、餅菓子、米菓類等)、アルコール飲料(日本酒、中
国酒、ワイン、ウイスキー、焼酎、ウオッカ、ブランデ
ー、ジン、ラム酒、ビール、清涼アルコール飲料、果実
酒、リキュール等)、嗜好飲料(緑茶、紅茶、ウーロン
茶、コーヒー、清涼飲料、乳酸飲料等)、調味料(しょ
うゆ、ソース、酢、みりん等)、缶詰・瓶詰め・袋詰め
食品(牛飯、釜飯、赤飯、カレー、その他の各種調理済
み食品)、半乾燥又は濃縮食品(レバーペースト、その
他のスプレッド、そば・うどんの汁、濃縮スープ類)、
乾燥食品(即席麺類、即席カレー、インスタントコーヒ
ー、粉末ジュース、粉末スープ、即席味噌汁、調理済み
食品、調理済み飲料、調理済みスープ等)、冷凍食品
(すき焼き、茶碗蒸し、うなぎかば焼き、ハンバーグス
テーキ、シュウマイ、餃子、各種スティック、フルーツ
カクテル等)、固形食品、液体食品(スープ等)、香辛
料類等の農産・林産加工品、畜産加工品、水産加工品等
が挙げられる。
ン及び/又はその分解物が含有、添加及び/又は希釈さ
れており、その生理機能を発現するための必要量が含有
されていれば特にその形状に限定は無く、タブレット
状、顆粒状、カプセル状等の形状の経口的に摂取可能な
形状物も包含する。
の分解物はラットに1g/kgを経口単回投与しても死
亡例は認められない。
に説明するが、本発明はこれらの記載に何ら限定される
ものではない。なお、実施例における%は重量%を意味
する。
粉砕機(奈良機械製作所製)により粉砕した。水道水9
00リットルに塩化カルシウム二水和物(日本曹達社
製)7.3kgを溶解し、次にガゴメ昆布粉砕物20k
gを混合した。液温12℃から液温90℃となるまで水
蒸気吹込みにより40分間昇温させ、次いでかくはん下
90〜95℃に1時間保温し、次いで冷却し、冷却物1
100リットルを得た。次いで固液分離装置(ウエスト
ファリアセパレーター社製CNA型)を用い、冷却物の
固液分離を行い、約900リットルの固液分離上清液を
調製した。固液分離上清液360リットルをダイセル社
製FE10−FC−FUS0382(分画分子量3万)
を用い、20リットルまで濃縮した。次いで水道水を2
0リットル加え、また20リットルまで濃縮するという
操作を5回行い、脱塩処理を行い、ガゴメ昆布由来の抽
出液25リットルを調製した。該溶液1リットルを凍結
乾燥し、フコイダン乾燥物13gを得た。
4リットルを、0.2MCaCl2 含有20mM酢酸緩
衝液、pH6で透析し、透析内液を得た。DEAEーS
epharose Fast Flowカラム(φ14
cm×45.5cm)を同緩衝液にて平衡化し、透析内
液をアプライ後、同緩衝液で洗い、2MNaCl含有同
緩衝液にて濃度勾配法により溶出させた。フェノール硫
酸法及びカルバゾール硫酸法にて、総糖含量及びウロン
酸含量を求め、溶出順にA画分(グルクロン酸含有フコ
イダン)、B画分及びC画分(グルクロン酸非含有フコ
イダン)を得た。これらを蒸留水に対して透析し、各画
分を調製した。
に行った。すなわち、一定濃度の被検試料を含む液体培
地に被検菌を一定量添加した試験菌液を調製し、1〜6
日培養後の生菌数を比較することにより行った。まず、
5%ウシ胎児血清(FCS:ICN社製)添加BHIブ
ロス培地(pH7.3:デフコ社製)に、一定濃度の被
検試料を加え、2n連続希釈を行った。それに5%FC
S添加BHIブロス培地で37℃、4日間前培養を行っ
た菌液を1×104細胞/mlになるように接種し、培
養は嫌気培養ジャー(BBL社製)で、CampyPa
k(BBL社製)を用い、37℃で行った。
を適宜希釈し表面塗沫培養法により行った。なお、それ
ぞれの菌株の菌数測定に当っては5%FCS添加BHI
寒天培地を使用した。各培養時間での測定した菌数は、
CFU(colony forming units)
/mlとして常用対数値で表示した。下記表1に各試料
(781ppm)のヘリコバクター・ピロリに対する抗
菌作用を示す。表1からわかるように、各フコイダンは
ヘリコバクター・ピロリに抗菌作用を示した。
るフコイダン及び/又はその分解物を有効成分とする、
胃腸の健康維持に有用な抗細菌剤、特に抗ヘリコバクタ
ー・ピロリ剤が提供される。また本発明によりフコイダ
ン及び/又はその分解物の有効濃度を含有、添加及び/
又は希釈してなる抗細菌用食品又は飲料、特に抗ヘリコ
バクター・ピロリ用食品又は飲料が提供され、該食品又
は飲料は胃腸の健康維持に有用な機能性食品又は飲料と
して有用である。
含有フコイダンの分離を示す図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 フコイダン及び/又はその分解物を有効
成分として含有することを特徴とする抗細菌剤。 - 【請求項2】 抗ヘリコバクター・ピロリ剤である請求
項1記載の抗細菌剤。 - 【請求項3】 フコイダン及び/又はその分解物を含
有、添加及び/又は希釈してなる抗細菌用食品又は飲
料。 - 【請求項4】 抗ヘリコバクター・ピロリ用食品又は飲
料である請求項3記載の抗細菌用食品又は飲料。
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---|---|---|---|
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