JP2000043736A - 皮革を被覆したステアリングホイール - Google Patents
皮革を被覆したステアリングホイールInfo
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Abstract
らしコスト低減を可能とし、経年変化による剥がれが小
さく、自動車の運転に際してスムーズにステアリングホ
イールの操作が可能で、しかも、スポーク部形状の自由
なデザインを可能とする、皮革被覆ステアリングホイー
ルを提供しようとするものである。 【解決手段】被覆した皮革の端面をリング部とスポーク
部との合わせ部に設けられた溝、スポーク部裏面に半径
方向に設けられた溝、及び分割されたリングの分割部に
設けられた溝に挿入接着された、皮革を被覆したステア
リングホイールである。リング部周方向に被覆した皮革
の端合わせ部には縫い目の飾り糸をつけることもでき
る。更に、リング部を複数部に分割し、色や表面の異な
る皮革、更には皮革以外の材料を適用し、意匠性を高め
ることができる。
Description
革を被覆したステアリングホイールに関するものであ
る。
ステアリングホイール、シフトノブが好んで使用されて
いる。これは、ステアリングホイールやシフトノブを皮
革で被覆することにより、高級感が出るからである。ス
テアリングホイール、シフトノブへの皮革の被覆は、従
来、手縫い方式で行われてきた。手縫い方式は、裁断し
た皮革をステアリングホイールやシフトノブ等の被覆体
に巻き付けた後、人手により皮革端部同士を突き合わせ
て縫い合わせるものであった。しかしながら、この手縫
い作業は作業工数が非常に多く、また、手間がかかるた
め生産量が限られ、従って、皮革で被覆したステアリン
グホイールやシフトノブは高価なものとなっていた。
部同士を縫い合わせる必要からリング部皮革とスボーク
部皮革を一体にして皮革を裁断していた。このため、皮
革裁断の際の歩留まりが極めて悪いものとなっていた。
そして、皮革裁断時の歩留まりを良くすることを優先し
てスポーク部の形状が決められていた。従って、特に、
スポーク部デザインの自由度が小さく、例えば、スポー
クの形状を握りやすい形状に設計することすら制約され
るといった状況にあった。
ため、近時、接着方式が提案されている。接着方式は作
業工数の低減が可能で、コスト低下を図るため広く採用
されるようになってきている。しかし、接着方式に於い
ては、当然の事ながら、リング部のみならずスポーク部
にも皮革を接着する。この際、リング部とスポーク部の
合わせ部に於ける皮革の接着を如何に行うかが問題にな
る。
巻き込み方式、一体端合わせ方式及び分割型巻き込み方
式の3方式が知られている。これら3方式の概要を、図
1に示した。一体巻き込み方式は、図1(a)に示した
ように、皮革をリング部とスポーク部とを一体に裁断・
接着し、スポーク部の裏面で重ね合わせて接着する方式
である。一体端合わせ方式は、図1(b)に示したよう
に、皮革をリング部とスポーク部とを一体に裁断し、ス
ポーク部に於いても図1(a)のように重ね合わすこと
なく裁断し、端面を端合わせして接着する方式である。
分割型巻き込み方式は、図1(c)に示したように、リ
ング部とスポーク部とを別々に皮革を裁断しリング部、
スポーク部それぞれを接着し、リング部とスポーク部と
は重ね合せて接着接合するものである。
式に於いては、皮革が経年変化や環境変化を受けて、皮
革が収縮し剥がれ現象が生じるという問題がある。即
ち、接着した皮革の端面部分で、皮革が収縮し皮革接着
部分が開口し、この開口部分が次第に大きくなっていく
と同時に皮革の剥がれが生じるという現象である。
グホイールが直射日光の影響を受けて起こる。ステアリ
ングホイールは、自動車フロントガラス、即ち、ダッシ
ュボード付近にあって、直射日光が当たりやすい環境下
にある。従って、ステアリングホイールは、直射日光
(紫外線など)に曝される割合が他の車内皮革製品より
も高く、劣化も早く進みやすい傾向にある。例えば、一
般的な重ね張り合わせ方式では、直射日光の熱と紫外線
による皮革の劣化、収縮(ズレ応力が発生)又は硬化な
どが発生し、接着剤層が徐々に露出し、更に接着剤層の
劣化が進むなどして剥がれが発生する傾向にある
問題を解消した接着方式により皮革を被覆したステアリ
ングホイールを提供しようとするものである。即ち、皮
革裁断時の歩留まりを向上し、作業工数を減らしコスト
低減を可能とし、経年変化による剥がれが小さく、使
用、即ち、自動車の運転に際してスムーズにステアリン
グホイールの操作が可能で、しかも、スポーク部形状の
自由なデザインを可能とする、皮革被覆ステアリングホ
イールを提供しようとするものである。
グ部を被覆する皮革とスポーク部を被覆する皮革とがそ
れぞれ個別に接着されたステアリングホイールに於い
て、リング部とスポーク部との合わせ部に設けられた一
の溝に、リング部を被覆する皮革の端面とスポーク部を
被覆する皮革の端面とが該一の溝に挿入し接着されたこ
とを特徴とする、皮革を被覆したステアリングホイール
である。
革とスポーク部を被覆する皮革とがそれぞれ個別に接着
されたステアリングホイールに於いて、リング部とスポ
ーク部との合わせ部に設けた一の溝に、リング部を被覆
する皮革の端面とスポーク部を被覆する皮革の端面とが
該一の溝に挿入接着され、かつ、スポーク部の裏面半径
方向に設けた二の溝に、スポーク部を被覆する皮革の端
面が該二の溝に挿入し接着されたことを特徴とする、皮
革を被覆したステアリングホイールである。
革とスポーク部を被覆する皮革とがそれぞれ個別に接着
されたステアリングホイールに於いて、リング部とスポ
ーク部との合わせ部に設けた一の溝に、リング部を被覆
する皮革の端面とスポーク部を被覆する皮革の端面とが
該一の溝に挿入接着され、スポーク部の裏面半径方向に
設けた二の溝に、スポーク部を被覆する皮革の端面が該
二の溝に挿入し接着され、かつ、リング部が複数部に分
割されその分割部に設けられた三の溝にリング部を被覆
する皮革の端面が挿入接着されたことを特徴とする、皮
革を被覆したステアリングホイールである。
革とスポーク部を被覆する皮革とがそれぞれ個別に接着
されたステアリングホイールに於いて、リング部とスポ
ーク部との合わせ部に設けた一の溝に、リング部を被覆
する皮革の端面とスポーク部を被覆する皮革の端面とが
該一の溝に挿入接着され、かつ、リング部が複数部に分
割されその分割部に設けられた三の溝にリング部を被覆
する皮革の端面が挿入接着されたことを特徴とする、皮
革を被覆したステアリングホイールである。
革のうち溝に挿入する部分を除いた端面に縫い目の飾り
糸がつけられていることを特徴とする、皮革を被覆した
ステアリングホイールである。
数部に分割されたステアリングホイールに於いて、分割
された部分に色又は表面状態の異なる皮革が配置されて
いることを特徴とする、皮革を被覆したステアリングホ
イールである。請求項7の発明は、リング部の被覆部が
複数部に分割されたステアリングホイールに於いて、分
割部分の一部が木材、プラスチック、金属等の皮革以外
の部材からなっていることを特徴とする、皮革を被覆し
たステアリングホイールである。請求項8の発明は、リ
ング部の被覆部が複数部に分割されたステアリングホイ
ールに於いて、分割部分の一部が木材、プラスチック、
金属等の部材に部分的に皮革を被覆した部材からなって
いることを特徴とする、皮革を被覆したステアリングホ
イールである。
が2層で挿入接着される場合溝の深さをh、溝の幅をd
とするとき、また、皮革が1層で挿入接着される場合、
溝の深さをh1、溝の幅をd1とするとき、t、h及び
dの間に式(1)の関係があり、t、h1及びd1の間
に式(2)の関係があることを特徴とする、皮革を被覆
したステアリングホイールである。 式 (1) 1.6t≦d≦2.4t t≦h≦5.5t 式 (2) 0.8t≦d1≦1.2t t≦h1≦5.5t
たステアリングホイールであって、被覆皮革の端面を溝
に挿入接着することにある。皮革端面を、溝状の凹部に
挿入することは知られている。例えば、特開平4−16
3276号、特開平4−163277号に於いて、ステ
アリングホイールの周方向に沿って断面が略方形状の幅
狭な長溝を設け、該長溝部にバネ部材等とともに皮革の
端面が挿入されている。また、実開平7−42736号
に於いてもステアリングホイールの母材に凹部を設け、
この凹部に皮革の端縁部を挿入している。これらの例
は、いずれも、ステアリングホイールの周方向に亘って
溝が設けられており、ステアリングホイール周方向に亘
って皮革の端縁部が挿入されている。
や特開平4−163277号に於いては、皮革端面に小
ピース部材を接着しなければならず、この作業は手間の
かかるものである。また、小ピースを嵌挿する溝を設け
る必要があるため、皮革挿入のための溝自身が大きく深
くなり当該技術はリング部内周にしか適用できないとい
う問題がある。スポーク部には、当該技術は適用できな
いのである。更に、小ピース部材を嵌挿するためのコ字
状の部品を製作する必要がある。これらの結果、リング
を構成する芯金が大型化し、ステアリングホイール自身
の直経が大きいものになるという問題もある。
リングホイールの母材に凹部を設け、この凹部に皮革の
端縁部を挿入している。しかし、このようにしてステア
リングホイール周方向に亘って凹部を設け皮革の端縁部
を挿入した場合、皮革被覆後の皮革同士の合わせ部が蛇
行するという問題があり、商品価値が低くなり実用上の
障害となっている。本発明は、このような問題を回避し
ながら、溝部を有効に活用して、低コストで、高級感の
あるステアリングホイールを提供しようとするものであ
る。
要を、図2に示した。図2(a)は、ステアリングホイ
ールの外観を示している。ステアリングホイールは基本
的には、リング1、スポーク2(ここでは3本スポーク
の例を示したが、スポーク4本の場合もある)及びボス
7から構成されている。図2(b)は、リングの構成を
示したものである。芯金8の周囲に樹脂層9があり、樹
脂層9の外側に皮革10が配置されている。芯金8は、
図に於いては中空になっていないが、中が空洞になった
中空の材料が使用される場合もある。樹脂層9は、軟質
ポリウレタンなどの軟質の樹脂が使用される。ステアリ
ングホイールは、芯金に樹脂を射出成形するなどして成
形するのが一般的である。
のである。特徴は、リング1とスポーク2との間に溝1
1が設けられていることにある。溝11は、スポーク2
の周囲に亘って設けられている。そして、リング部とス
ポーク部とに被覆した皮革の端面を合わせて、溝11に
挿入接着するのである。
わせて別々に裁断される。従来は、リング部とスポーク
部とを一体裁断していたので、皮革の歩留まりが極端に
悪かったのであるが、本発明に於いては、リング部とス
ポーク部とに分けて、別々に皮革を裁断するので、皮革
の歩留まりは向上するのである。手縫い方式では、一体
裁断が避けられないが、接着方式では、一体裁断の必然
性はなくリング部とスポーク部とに分けて別々に裁断す
ることができる。更に、リング部とスポーク部の皮革を
別々に裁断して接着するため、手縫い方式に比較して、
作業工数が大幅に減少し、ステアリングホイールの製造
コストを低減することができる。
断された皮革は、それぞれリングとスポークに接着され
る。問題は、リング部とスポーク部との合わせ部分に於
ける皮革端面の処理である。例えば、図1(c)に示し
た分割型巻き込み方式では、スポーク部の皮革の端面が
リング部の皮革に重ね合わされて接着されている。ま
た、裏面に於いては、スポーク部に接着した皮革の端面
が重ねられて接着されている。皮革端面を重ねた部分
は、他の部分に対して若干盛り上がったものとなる。従
って、自動車の運転時に、この重ね部分に指が引っかか
ったりすることがしばしば起こり、好ましくない。特
に、リング部とスポーク部の皮革端面の盛り上がった接
着部分は、運転中に手が引っかかりやすいという問題が
指摘されている。
た皮革端面を一緒にして溝11に挿入し、接着するもの
である。図3に示した実施形態の仕上がり状況を、図4
に示した。その表面を図4の左側に、裏面を図4の右側
に示した。スポーク部の皮革端面は、スポーク部の裏面
で重ね合わされて接着されている。リング部とスポーク
部との合わせ部分に溝11が設けられており、この溝1
1にリング部及びスポーク部に被覆した皮革の端面が挿
入され接着されている。16は、その挿入皮革の合わせ
部である。これにより、リング部とスポーク部との合わ
せ部分は重なりが無くスムーズなものとなり、運転中の
手の引っかかりが解消するものとなっている。この実施
形態の例では、スポーク部に皮革の重なり12が生じ
る。
ーク部に被覆する皮革とを別々に裁断するので、皮革裁
断時の歩留まりが向上する。従って、皮革の裁断方法に
制約を受けることなく、スポーク部を含めステアリング
ホイールの設計を比較的自由に行うことができる。従来
は、皮革の裁断方法によってステアリングホイールの形
状等の設計が行われたのであるが、本発明に於いては、
スポーク部を含めステアリングホイールの設計を最初に
行い、その設計されたステアリングホイールの形状に従
って皮革を裁断することができるようになったのであ
る。
た。図5は、ステアリングホイールを裏面から見た図で
ある。この実施形態に於いては、リング1部とスポーク
2部との合わせ部に溝11が設けられ、スポーク部の裏
面に半径方向にも溝13が設けられている。リング部と
スポーク部との合わせ部に於ける溝の数は、言うまでも
なくスポークの数と同じになる。
部を被覆した皮革の端面は、溝11に挿入され接着され
る。また、スポーク部を被覆した皮革の一方の端面は、
溝13に挿入され接着される。図3で示した実施形態に
比較して、この実施形態は、リング部のみならずスポー
ク部もスムーズに皮革が被覆されている。運転中に於け
る手の引っかかりは、更に減少する効果が発揮できる。
リング部とスポーク部の合わせ部に於ける、仕上がった
表面及び裏面の状況を図6に示した。特に、スポーク部
に於ける皮革端面が手際よく処理されていることがわか
る。
た。図7は、ステアリングホイールを裏面から見た図で
ある。この実施形態に於いては、リング部とスポーク部
との合わせ部、スポーク部の裏面に半径方向、及びリン
グ部の分割部にも溝が設けられている。即ち、リングと
スポークの合わせ部に溝31、32、33が設けられ、
スポーク部裏面半径方向に溝38、39、40が設けら
れ、更に、リングの分割部分に溝34、35、36、3
7が設けられている。リング部の分割数は、図7に於い
ては、4個であるが、これに限定されるものではない。
分割数は、ステアリングホイール全体のデザインを考慮
して任意に決めることができる。
ングホイールの意匠性を高める点にある。分割した各部
分に、異なるデザインを持つ皮革を被覆したり、又は、
皮革以外の材料でリング部を構成することにより、ステ
アリングホイールの意匠性を高めるのである。例えば、
図9(a)に於いては、リングはA、B、C及びDの4
部分に分割されている。分割は、4分割に限定されない
が、左右又は上下対称を考慮すると偶数個に分割される
のが意匠上好ましい。図9(a)に於いて、A及びC部
分は赤色に着色した皮革を使用し、B及びDの部分には
黒色に着色した皮革を使用することができる。これら色
の組合せは、なにも赤色と黒色に限定する必要はなく、
適宜、色の組合せを選択することができる。
単に色の異なる皮革を使用するだけではなく、表面状態
の異なる皮革、色の異なる皮革等を組み合わせて意匠の
工夫をして、好みのステアリングホイールに仕上げるこ
とができる。皮革表面状態の異なるものの例としては、
エンボス加工、起毛処理、バックスキンの使用等があ
る。更に、分割部分の一部を皮革以外の材料に置き換え
ることも可能である。置き換える材料としては、木材、
プラスチックや金属等がある。勿論、スポークの数も3
に限定されるものではなく、4の場合もある。これらス
ポークの数の応じて、分割の数、分割部分に使用する皮
革の色や表面状態、更には、皮革以外の材料を適宜選定
することができる。スポーク数が4の場合の例を図9
(b)に示した。
更に、例えば、図10、図11に示すような例もある。
即ち、リング部に被覆する皮革を同一分割部分に於い
て、異なる色又は異なる表面を持つ皮革を使用するもの
である。勿論この場合も、部分的に、皮革以外の材料を
組み合わせることもできる。例えば、図10に於いて、
L部分は、赤色に着色した皮革でK部分は黒色に着色し
た皮革である。他の例としては、図11に於いて、N部
分は皮革でM部分はプラスチック又は木材である。更
に、例えば、木材又はプラスチックの部材としN部分に
皮革を被覆したものを使用することもできる。
を被覆する皮革の端面とスポーク部を被覆する皮革の端
面は、リング部とスポーク部との合わせ部に設けられた
溝31、32、33に挿入接着され、スポーク部を被覆
する皮革の端面はスポーク部の裏面に半径方向に設けら
れた溝38、39、40の挿入接着され、かつ、リング
の分割部のリング被覆皮革の端面はリング部の分割部設
けられた溝34、35、36、37に挿入接着されてい
る。
ないが、リング部とスポーク部との合わせ部に設けた溝
に、リング部を被覆する皮革の端面ととスポーク部を被
覆する皮革の端面とが該溝に挿入接着され、かつ、リン
グ部が複数部に分割されその分割部に設けられた溝にリ
ング部を被覆する分割部の皮革の端面が挿入接着された
ものである。この実施形態では図3の実施形態と同様
に、スポーク部の裏面でスポーク部を被覆した皮革の重
なりが生じる。
いることを特徴とするものである。このように皮革の端
面を、溝に挿入接着することにより、皮革の接合部分に
於ける開口を相当程度抑制することができる。従来の一
体式端合わせ又は重ね合わせ皮革接着では、経時的に皮
革が収縮して、皮革端面の合わせ部で開口が生じ、これ
が成長して皮革の剥離に至るのである。これは、皮革が
剥離接着力が弱いためである。これに対して、本発明に
於いては、皮革端面は溝に挿入され接着されており、皮
革が溝に挿入されていることに加えて、皮革端面部は溝
の縁で折曲しているので、皮革同士のズリ応力が作用す
る。皮革は、皮革の接着面に於いて、剥離に対しては抵
抗力が小さいが、ズリに対しては抵抗力が大きい性質を
持っている。従って、本発明に於ける皮革を溝に挿入接
着している場合には、ズリ応力が大きく作用し、皮革の
収縮時に生じる口開きが相当程度抑えられるのである。
形状を選定することができる。溝の深さが大きすぎる
と、ステアリングホイールの樹脂層が割れやすいという
問題もあって、溝の形状、即ち、溝の幅と深さを適当な
値に設定するのがよい。具体的には、皮革の厚さをt、
皮革が2層で挿入接着される場合溝の深さをh、溝の幅
をdとするとき、また、皮革が1層で挿入接着される場
合、溝の深さをh1、溝の幅をd1とするとき、t、h
及びdの間に式(1)の関係を、t、h1及びd1の間
に式(2)の関係を満たすのがよい(図8を参照のこ
と)。 式 (1) 1.6t≦d≦2.4t t≦h≦5.5t 式 (2) 0.8t≦d1≦1.2t t≦h1≦5.5t
りやすくなり、また、溝が、浅すぎると接着力が不充分
になる。これらの要因を考慮して、溝の深さh、h1
は、皮革の厚みtないし皮革の厚みの5.5倍程度にす
るのが好ましい。また、溝の幅は、皮革厚みの2倍程度
であるが、広すぎると皮革のズリ応力が弱くなるので、
式(1)、(2)の範囲に収めるのが好ましい。
リング部を被覆した皮革の端面とスポーク部を被覆した
皮革の端面とを溝に挿入したような場合には、皮革は2
層になっている。また、例えば、リング部を複数部に分
割した場合で分割した部分の一部に木材又はプラスチッ
ク部材を使用するときには、リング分割部に設けた溝に
挿入する皮革は1層になる。
られた溝28に皮革21、22の端面が挿入されてい
る。溝28の底部には溝空間部24が生じるように皮革
を挿入するのがよい。これは、皮革は採取する場所によ
って伸縮率が異なるので、これら伸縮の差を吸収させる
ためである。図8(b)は、リングを分割してその一部
に皮革以外の部材、例えば、木材、プラスチックや金属
等の部材を使用した場合、溝には皮革25のみが挿入さ
れることになる。
まで挿入することなく若干空間部分を残しておくのが好
ましい。それは、皮革の伸縮率は皮革の採取場所によっ
て異なるので、空間部分を設けて皮革の伸縮率の差を吸
収するのである。空間部分の大きさは、図8のe、e1
で表される値として、0〜4tとするのがよい。4tよ
りも大きいと、即ち、皮革端面部の挿入深さが1tより
も小さいと皮革の挿入距離が短くなって皮革の接着力が
低下するという問題が生じる。
のリング内側端面に縫い目の飾り糸を付けたものにする
ことができる。縫い目の飾り糸を付けることにより、高
級感が出るとともに、運転時のステアリングホイールの
手触りがよいからである。これは、リング部に被覆する
皮革の端面にあらかじめ縫い目の飾り糸を付けておき、
リングに縫い目の飾り糸を合わせて接着することによ
り、実現することができる。縫い目の飾り糸を付けた状
態を、図12に示した。リング1の内側に縫い目の飾り
糸43が×印で示されている。
部とスポーク部との合わせ部に設けられた溝、スポーク
部裏面に半径方向に設けられた溝、及び分割されたリン
グの分割部に設けられた溝に挿入接着された、皮革を被
覆したステアリングホイールである。このように皮革を
接着・被覆することにより、皮革の歩留まりが向上し、
手縫い方式に比較し格段に作業工数が減少する。これら
により、大幅なコスト低減が実現できる。更に、皮革の
接合部分が、平らで滑らかになるので、ステアリングホ
イールの手触りがよく、更に運転時手の引っかかりが少
なくなり運転の安全性も向上する。
がある。従来の手縫い方式では、皮革の歩留まり向上の
観点からステアリングホイールの形状のデザインの自由
度は制限されていたが、本発明では、デザインの自由度
が増しステアリングホイールの意匠性を向上させること
ができる。リング部を複数分割することにより、その分
割部分に異なる色や表面形態をした皮革を組み合わせ被
覆することができ、また、皮革以外の部材をリング部に
使用することにより、意匠性の高い、高級感のあるステ
アリングホイールとすることができる。
皮革接着方式の概要を示す図である。
る。
図である。
図である。
る。
挿入接着部 34、35、36、37 リング部挿入接着部 38、38、40 スポーク部挿入接着部 43 縫い目の飾り糸 A、B、C、D、E、F、G、H、J、K、L、M、N
ステアリングホイールの構成部分を示す符号 t、h、d、l、h1、d1、e、e1 溝寸法を示す
符号
Claims (9)
- 【請求項1】リング部を被覆する皮革とスポーク部を被
覆する皮革とがそれぞれ個別に接着されたステアリング
ホイールに於いて、リング部とスポーク部との合わせ部
に設けられた一の溝に、リング部を被覆する皮革の端面
とスポーク部を被覆する皮革の端面とが該一の溝に挿入
し接着されたことを特徴とする、皮革を被覆したステア
リングホイール。 - 【請求項2】リング部を被覆する皮革とスポーク部を被
覆する皮革とがそれぞれ個別に接着されたステアリング
ホイールに於いて、リング部とスポーク部との合わせ部
に設けた一の溝に、リング部を被覆する皮革の端面とス
ポーク部を被覆する皮革の端面とが該一の溝に挿入接着
され、かつ、スポーク部の裏面半径方向に設けた二の溝
に、スポーク部を被覆する皮革の端面が該二の溝に挿入
し接着されたことを特徴とする、皮革を被覆したステア
リングホイール。 - 【請求項3】リング部を被覆する皮革とスポーク部を被
覆する皮革とがそれぞれ個別に接着されたステアリング
ホイールに於いて、リング部とスポーク部との合わせ部
に設けた一の溝に、リング部を被覆する皮革の端面とス
ポーク部を被覆する皮革の端面とが該一の溝に挿入接着
され、スポーク部の裏面半径方向に設けた二の溝に、ス
ポーク部を被覆する皮革の端面が該二の溝に挿入し接着
され、かつ、リング部が複数部に分割されその分割部に
設けられた三の溝にリング部を被覆する皮革の端面が挿
入接着されたことを特徴とする、皮革を被覆したステア
リングホイール。 - 【請求項4】リング部を被覆する皮革とスポーク部を被
覆する皮革とがそれぞれ個別に接着されたステアリング
ホイールに於いて、リング部とスポーク部との合わせ部
に設けた一の溝に、リング部を被覆する皮革の端面とス
ポーク部を被覆する皮革の端面とが該一の溝に挿入接着
され、かつ、リング部が複数部に分割されその分割部に
設けられた三の溝にリング部を被覆する皮革の端面が挿
入接着されたことを特徴とする、皮革を被覆したステア
リングホイール。 - 【請求項5】リング部を被覆した皮革のうち溝に挿入す
る部分を除いた端面に縫い目の飾り糸がつけられている
ことを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1
項に記載の皮革を被覆したステアリングホイール。 - 【請求項6】リング部の被覆部が複数部に分割されたス
テアリングホイールに於いて、分割された部分に色又は
表面状態の異なる皮革が配置されていることを特徴とす
る、請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の皮革
を被覆したステアリングホイール。 - 【請求項7】リング部の被覆部が複数部に分割されたス
テアリングホイールに於いて、分割部分の一部が木材、
プラスチック、金属等の皮革以外の部材からなっている
ことを特徴とする、請求項3から請求項5のいずれか1
項に記載の皮革を被覆したステアリングホイール。 - 【請求項8】リング部の被覆部が複数部に分割されたス
テアリングホイールに於いて、分割部分の一部が木材、
プラスチック、金属等の部材に部分的に皮革を被覆した
部材からなっていることを特徴とする、請求項3から請
求項5のいずれか1項に記載の皮革を被覆したステアリ
ングホイール。 - 【請求項9】皮革の厚さをt、皮革が2層で挿入接着さ
れる場合溝の深さをh、溝の幅をdとするとき、また、
皮革が1層で挿入接着される場合、溝の深さをh1、溝
の幅をd1とするとき、t、h及びdの間に式(1)の
関係があり、t、h1及びd1の間に式(2)の関係が
あることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれ
か1項に記載の皮革を被覆したステアリングホイール。 式 (1) 1.6t≦d≦2.4t t≦h≦5.5t 式 (2) 0.8t≦d1≦1.2t t≦h1≦5.5t
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