JP2000043717A - 車両連結面間転落防止装置 - Google Patents

車両連結面間転落防止装置

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JP2000043717A
JP2000043717A JP10216629A JP21662998A JP2000043717A JP 2000043717 A JP2000043717 A JP 2000043717A JP 10216629 A JP10216629 A JP 10216629A JP 21662998 A JP21662998 A JP 21662998A JP 2000043717 A JP2000043717 A JP 2000043717A
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vehicle
movable frame
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fall prevention
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JP10216629A
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Masafumi Ishikawa
雅史 石川
Shinji Nakatani
真司 中谷
Toshiyuki Watanabe
俊之 渡邊
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Osaka City
Kinki Sharyo Co Ltd
Original Assignee
Osaka City
Kinki Sharyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単で軽量・コンパクトな構成のもとに、車
両連結部間にプラットホームの乗降客が転落することを
防止し、しかも極端に小さな曲線軌道でも損傷を生じる
ことのない鉄道車両の車両連結面間転落防止装置を提供
する。 【解決手段】 車両妻面に固定される固定枠11と、そ
の固定枠11に対して鉛直軸Vを中心として回動自在に
支持される可動枠12のそれぞれに、互いに対向するよ
うに第1および第2の幌受け14および15を設けると
ともに、その第1と第2の幌受け14,15が離隔する
向きに可動枠12を鉛直軸Vの回りに付勢する弾性部材
13を設けた構成とすることで、複雑な機構を用いるこ
となく確実に転落を防止し、かつ、曲線軌道上の走行時
にも各構成部材の損傷を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鉄道車両の連結部に
形成される車両間の空間に、プラットホームの乗降客が
転落することを防止するための車両連結面間転落防止装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄道車両の連結部には、互いに隣り合う
車両間に空間が形成されるため、プラットホームの乗降
客が転落する可能性がある。このような転落を防止する
ため、従来、各車両の妻面にそれぞれカバー類等からな
る車両連結面間転落防止装置を取り付けることが実用化
されている。
【0003】このような車両連結面間転落防止装置は、
車両が曲線軌道上に位置しているときに隣接する車両の
妻面どうしが平行ではなくなり、内側と外側とでその距
離が相違するため、妻面間の空間を単純に防ぐのではな
く、何らかの対策が必要となる。
【0004】従来のこの種の転落防止装置としては、ゴ
ム板等の弾性板材を、車両妻面の左右両側にそれぞれ車
両側面に略沿うように取り付け、連結部において前後の
車両に取り付けられた弾性板材を所定の間隙を開けて対
向させる方式のものと、蛇腹式等によって伸縮可能な幌
布ないしはベルト等の可撓性材料を用いた方式のものと
が主流をなしている。
【0005】ゴム板等の弾性板材を用いる方式は、車両
が曲線軌道上に位置しているとき、隣接する車両間でそ
の内側において対向する弾性板材どうしが干渉しても、
一方もしくは双方の弾性板材が撓むことで、対向する弾
性材料間の間隙の設定を小さくすることを可能とし、曲
線軌道上に位置している状態で外側において対向する弾
性板材の先端どうしの間隔がさほど大きくならないよう
にしたものである。この方式に係る提案として、例えば
特開平10−6985号を挙げることができ、この提案
では、弾性板材を略U字形に屈曲させた転落防止部材
を、取付け枠を介して車両妻面の左右両側に固定した構
造を採用している。
【0006】一方、幌布等の可撓性材料を用いた方式
は、車両妻面の左右両側のそれぞれに、幌布支持部材と
その支持部材を伸縮させるメカニズムを装着して、車両
が曲線軌道上に位置した状態で内側において対向する幌
布並びにその支持部材どうしの干渉と、同じく外側で対
向する幌布並びにその支持部材どうしの離隔を、伸縮メ
カニズムの作用によって対処しようとするものである。
この方式に係る提案としては、特開平8−282492
号、特開平10−44990号等がある。
【0007】特開平8−282492号の提案において
は、駆動軸とその正転方向への回動を付勢する付勢部材
とダンパ部材を備えたドアクローザを車両妻面に固着す
るとともに、そのドアクローザの駆動軸に水平アームの
基端を固定し、その水平アームの先端には鉛直の押し板
を取付け、更にこの水平アームには、互いに所定の間隔
を開けて複数のベルト支えの各一端を回動自在に支持
し、その各ベルト支えの他端を車両側面側に突出させ、
その各他端にベルトを取り付けた構造を採用している。
【0008】また、特開平10−44990号の提案に
おいては、基端が車両妻面に沿って移動可能に支持さ
れ、先端が車両側面の延長面近傍に位置する揺動アーム
と、基端が車両側面との角隅部近傍の妻面に回動自在に
支持され、先端が揺動アームの中間部位に回動自在に支
持された旋回アームを設けるとともに、揺動アームの基
端を上記角隅部に向けて付勢する水平の圧縮コイルばね
を設けて、上記角隅部の近傍と揺動アームの先端との間
に伸縮可能な幌布を掛け渡した構造を採用している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、鉄道車両に
おいては、一般に、通常の運行路線における軌道のほ
か、例えば一定の周期で実施されるオーバーホール時等
においてその作業場に移送するための軌道上を通過する
必要がある。運行路線上での曲線軌道の曲率半径は、通
常、走行速度との関係もあってある値以上に設定される
のであるが、オーバーホール作業場への移送時等に通過
する軌道では、運行路線上での曲線軌道よりも曲率半径
が大幅に小さな曲線軌道が存在することがある。
【0010】前記した従来の車両連結面間転落防止用装
置のうち、ゴム板等の弾性板材を用いた方式のもので
は、上記のような曲率半径の極端に小さな曲線軌道を通
過すると、その内側に位置する弾性板材の変形が大き
く、亀裂発生等の損傷に至る場合があり、従ってこのよ
うな場合には転落防止用装置を取り外さなければならな
いという問題がある。
【0011】一方、幌布等の可撓性材料とその支持部材
並びに伸縮メカニズムを用いた方式では、弾性板材を用
いる方式に比してより曲率半径の小さい曲線軌道にも対
応可能であるものの、従来のこの種の方式では、可撓性
材料の支持部材並びに伸縮メカニズムが複雑で重量も大
きく、コストが高くなるばかりでなく、妻面に取り付け
るための所要スペースも大きくなって、車両妻面に装着
される他の艤装を移動させることを余儀なくされる等の
問題もある。また、従来のこの方式のものでは、可撓性
材料の支持部材と伸縮メカニズムが複雑で大型であるが
故に、車両の点検や整備作業時に車両連結部間に入るこ
とが困難であるとともに、緊急時に連結部に入り込むこ
とも極めて困難である。
【0012】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
もので、簡単で軽量、コンパクトな構成のもとに、極端
に小さな曲線軌道にも損傷を生じることがなく、しかも
車両連結部に容易に入り込むことのできる車両連結面間
転落保護装置の提供を目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1に係る発明の車両連結面間転落防止装置
は、鉄道車両の妻面の左右両側にそれぞれ取り付けら
れ、連結部における車両間に形成される空間にプラット
ホームの乗降客が転落することを防止するための車両連
結面間転落防止装置において、車両妻面に固定され、一
側縁に当該妻面と車両側面との角隅部に沿ってその近傍
で鉛直に伸びる第1の幌受けが設けられてなる固定枠
と、一側縁に第1の幌受けと対向して鉛直に伸びる第2
の幌受けが設けられ、かつ、他側縁が上記固定枠の他側
縁に鉛直軸を中心として回動自在に支持された可動枠
と、この可動枠を、第2の幌受けが第1の幌受けに対し
て離隔する向きに上記鉛直軸回りに付勢する弾性部材
と、第1と第2の幌受けの間に掛け渡された幌布とを備
えていることによって特徴づけられる。
【0014】請求項2に係る発明においては、第2の幌
受けが第1の幌受けに接近するよう弾性部材の弾性力に
抗して可動枠を回動させた状態で、当該可動枠を固定枠
に対して係合させてその回動を阻止する可動枠固定機構
を備えていることを特徴としている。
【0015】また、請求項3に係る発明では、可動枠を
固定枠に対して鉛直軸回りに付勢する弾性部材をエラス
トマーとしたことを特徴としている。
【0016】更に、請求項4に係る発明は、第1と第2
の幌受けには軸方向に沿った溝が形成されているととも
に、幌布には、その両端部に沿ってそれぞれ袋部が形成
されてその内部に金属芯材が挿入され、その金属芯材を
含む袋部を幌受け端面側から上記溝内に挿入することに
よって当該幌布が各幌受けに装着されていることによっ
て特徴づけられる。
【0017】本発明は幌布を用いた方式の車両連結面間
転落防止装置における幌布の支持と伸縮のためのメカニ
ズムを、従来のこの種の方式の提案に比して大幅に簡素
化するものであって、請求項1に係る発明において、幌
布は第1の第2の幌受けの間に掛け渡されて支持され
る。各幌受けのうち第1の幌受けは、固定枠を介して車
両妻面と側面との角隅部近傍に鉛直に固定される一方、
第2の幌受けは、可動枠によって第1の幌受けに対して
接近・離隔可能なように車両に対して可動に支持される
とともに、可動枠を固定枠に対して鉛直軸回りに付勢す
る弾性部材により、常に第1の幌受けに対して離隔する
向きの弾性力が与えられた状態となる。
【0018】この請求項1に係る発明によると、車両連
結部において隣接する2台の車両の妻面のそれぞれに取
り付けられて互いに対向する第2の幌受けは、それぞれ
の弾性部材によって互いに接近する向きに付勢され、連
結部間の間隔が大きな状態では相互の距離を縮めて、各
車両に取り付けられたそれぞれの幌布間に形成される隙
間を少なくまたは無くするとともに、連結部間の間隔が
小さくなったときには相互に接触して、弾性部材の付勢
力に抗してそれぞれの妻面側に逃げる。このような第1
と第2の幌受けを支持する固定枠と可動枠、およびその
可動枠を固定枠に対して鉛直軸回りに付勢する弾性部材
からなる、シンプルな幌布の支持構造並びに伸縮メカニ
ズムにより、曲率半径の小さな曲線軌道にも対処するこ
とが可能となる。
【0019】ここで、固定枠に対して鉛直軸回りに回動
自在の可動枠を、弾性部材によって所定の向きに付勢す
る伸縮メカニズムの採用により、人的に可動枠を回動さ
せて第2の幌受けを第1の幌受けに対して接近させる操
作が容易であり、従って請求項2に係る発明のように、
第2の幌受けを第1の幌受けに接近するよう可動枠を固
定枠に対して回動させた状態で、可動枠を固定枠に係合
させてその回動を阻止する簡単な機構の付加により、点
検、整備作業や緊急時に車両連結部間に入り込むことが
容易となる。
【0020】また、請求項3に係る発明のように、可動
枠を鉛直軸回りに付勢する弾性部材を、ゴムをはじめと
するエラストマーとすると、金属ばねを用いる場合に比
して疲労や錆による折損や劣化の恐れがなくなり、給油
等のメンテナンスも不要となる。
【0021】更に、幌布の第1と第2の幌受けに対する
装着構造として、請求項4に係る発明のような幌布装着
構造を採用すれば、幌布の交換が容易となってメンテナ
ンスの簡素化を図ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
好適な実施の形態について詳細に説明する。図1は、本
発明の実施の形態を装備した鉄道車両の連結部の側面図
で、図2はその片方の車両側面側のみを示す平面図で、
図3はそのA−A矢視図である。
【0023】車両連結面間転落防止装置1は車両妻面D
の左右両側にそれぞれ1つずつ取り付けられ、車両連結
部に形成される空間において、隣接する車両のそれぞれ
に取り付けられた車両連結面間転落防止装置1が左右に
おいてそれぞれ対向した状態となる。
【0024】各車両連結面間転落防止装置1は、車両妻
面Dに固着される固定枠11、その固定枠11に対して
鉛直軸Vを中心として回動自在に支持された可動枠1
2、その可動枠12を鉛直軸Vの回りに付勢する2つの
ラバースプリング13,13、固定枠11および可動枠
12の各一側縁に設けられて互いに対向する鉛直の第1
と第2の幌受け14と15、およびその各幌受け14,
15に両端が取り付けられた幌布16を主たる構成要素
としている。
【0025】固定枠11は、図4(A)にその正面図
を、図4(B)に平面図を示すように、角パイプからな
る水平の2本の腕11a,11bを、同じく角パイプか
らなる鉛直の繋ぎ金11cで連結して一体化したもので
あり、その一側縁の上下両端部には第1の幌受け14を
回動自在に支持するための幌受け取付金18,18がね
じ止めされ、他側縁の上下両端部に、鉛直軸Vに沿って
後述するラバースプリング13,13が固着されてい
る。また、各腕11a,11bには、それぞれ2つずつ
の貫通孔11dが形成されており、図5に示すような棒
材を屈曲させた固定金具19の両端部を挿入し得るよう
になっている。この固定金具19は、通常の使用状態に
おいてその両端が固定枠11に形成された2つの貫通孔
11d内に挿入される。なお、図5において19aはス
ナップピンである。
【0026】そして、この固定枠11は、図3に示すよ
うに、車両妻面Dに形成されている窓Wや消火器等の艤
装を避けるように設けられた4箇所の取付け金具17a
〜17dを介して、車両妻面Dに固定される。なお、図
3においてRは連結された車両間の連絡通路を覆う幌で
ある。
【0027】ここで、ラバースプリング13はゴムを弾
性材料として用いた、ヒンジばねと同等の機能を持つ市
販の機械要素であって、その概略の機構を図6に模式的
に平面視で示すと、矩形のケース13a内に同じく矩形
の中子13bを配するとともに、ケース13aと中子1
3bとの間に形成される四隅の空間にそれぞれゴム製の
弾性部材13cを介在させたものであって、中子13b
の図中矢印で示す方向へのケース13aに対する回動に
よって付勢力が蓄えられ、図示する定常状態に戻るよう
な軸回りの弾性力が中子13bに作用するようになって
いる。中子13bの上下両端面には、外部部材を固着す
るための取付けねじ孔13dが形成されている。
【0028】可動枠12は、図7(A)に正面図を、図
7(B)に平面図を示すように、角パイプからなる水平
の2本の腕12a,12bを、同じく角パイプからなる
鉛直の繋ぎ金12cで連結して一体化したものであっ
て、その一側縁の上下両端部には第2の幌受け15を回
動自在に支持するための幌受け取付金18,18がねじ
止めされ、他側縁上下端部には、固定枠11の他側縁上
下端部に取り付けられた各ラバースプリング13の中子
13bの上下端面にそれぞれねじ止めするためのコ字形
の固着部12dが設けられている。また、各腕12a,
12bには、前記した固定金具19の一端を挿入するた
めの貫通孔12eが形成されている。なお、この固定金
具19の使用方法については後述する。
【0029】第1および第2の幌受け14および15
は、図8(A)にその横断面図を示すように、外周に軸
方向に沿った一様な溝20が形成された異形パイプから
なり、固定枠11ないしは可動枠12に対する回動自在
の取付けは、図8(B)に示すように、各幌受け取付金
18に形成された凸部18aをパイプ両端に挿入するこ
とによって行われる。
【0030】一方、幌布16は、図9に模式的に示すよ
うに、その両端に沿って袋状に縫製または溶着された袋
部16aが形成され、その内部にステンレス製の針金等
からなる芯材16bが挿入されている。そして、この幌
布16の第1ないしは第2の幌受け14,15に対する
装着は、芯材16bを含む袋部16aを、幌受け14ま
たは15の溝20に対して一端面側から挿入することに
よって行われ、その状態で幌受け14,15の両端を幌
受け取付金18に取り付けることにより、幌布16が第
1と第2の幌受け14と15の間に掛け渡された状態と
なる。
【0031】幌布16の幅寸法は、車両連結面間転落防
止装置1を車両連結部で互いに隣接する車両の各妻面D
に取り付けた状態で、直線軌道上に位置しているとき、
互いに対向する第2の幌受け15どうしの間に数十mm
程度の間隙が開く程度の寸法に設定され、また、その状
態で各ラバースプリング13の中子13bに初期荷重が
作用して第2の幌受け15が第1の幌受け14に対して
離隔する向きにある程度の付勢力が作用するように設定
される。
【0032】以上の構成において、可動枠12は固定枠
11に対して第2の幌受け15が第1の幌受け11から
離隔する向きに付勢されつつ回動自在に支持され、これ
により、第1と第2の幌受け14と15の間に掛け渡さ
れた幌布16が緊張状態となって、車両連結部において
対向する2つのユニットの幌布により、当該連結部に形
成される空間がほぼ塞がれた状態となる。この状態にお
いては、幌布16に直交する力が作用したときに可動枠
12が固定枠11に対して開く方向の力となるため、幌
布16に乗降客が押しつけられても車両連結部の空間に
転落することを確実に防止することができる。また、対
向する第2の幌受け15の間に形成される狭い空間の中
央に乗降客が例え押しつけられた場合でも、ラバースプ
リング13のばね定数を適宜に選定しておくことによっ
て、可動枠12が閉じる向きに回動することを防止し
て、人体が嵌まり込むことを防止できる。
【0033】また、列車が曲線軌道上を通過するとき、
その内側において対向するユニットは、曲率半径数十m
程度の急カーブであっても、図10に平面図を示すよう
に、第2の幌受け15どうしの当接により各可動枠12
が固定枠11側に回動するため、損傷することがない。
【0034】更に、点検時や緊急時に車両連結部間に人
が入り込む必要のあるときには、図11に二点鎖線で示
すように、可動枠12をラバースプリング13の付勢力
に抗して固定枠11側に回動させた状態で、固定金具1
9の一端を可動枠12の貫通孔12eに挿入することに
よって、可動枠12の固定枠11に対する回動が阻止さ
れて可動枠12の閉成状態が保持される。
【0035】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、固定枠
とその固定枠の側縁に鉛直軸を中心として回動自在の可
動枠のそれぞれに幌受けを装着してその間に幌布を掛け
渡すとともに、これら2つの幌受けが離隔する向きに可
動枠を鉛直軸の回りに付勢する弾性部材を備えた簡単、
軽量でコンパクトな構成のもとに、車両連結部間の空隙
に乗降客が転落することを防止することができ、また、
曲率半径の小さな曲線軌道上を列車が通過しても損傷等
の不具合を生じることない。
【0036】また、簡単な固定金具を用いた可動枠の固
定枠に対する回動のロック機構を追加するだけで、可動
枠を閉じて車両連結部が開放された状態を保つことがで
きるため、簡単な操作のもとに車両点検時や緊急時に容
易に車両連結部間に入り込むことができる。
【0037】更に、可動枠を付勢する弾性部材をゴム等
のエラストマーを採用すれば、錆や劣化による弾性部材
の折損等が生じることがなく、給油等のメンテナンスが
不要となる。
【0038】そして、幌受けに対する幌布の装着構造と
して、幌受けの外周に軸方向に沿った溝を設けるととも
に、幌布の両端に袋部を形成してその内部に芯材を通
し、その芯材を含む袋部を幌受けの溝に端面側から挿入
する構造を採用すれば、幌布の交換が容易となってメン
テナンスが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を装備した鉄道車両の連結
部の側面図である。
【図2】本発明の実施の形態を装備した鉄道車両の片方
の車両側面側のみを示す平面図である。
【図3】図2のA−A矢視図である。
【図4】図4(A)は、本発明の実施の形態の固定枠1
1の正面図であり、図4(B)は、平面図である。
【図5】可動枠12を固定枠11に対して固定するため
の固定金具19の正面図である。
【図6】可動枠12を固定枠11に対して鉛直軸Vの回
りに付勢するラバースプリング13の模式的説明図であ
る。
【図7】図7(A)は、本発明の実施の形態の可動枠1
2の正面図であり、図7(B)は、平面図である。
【図8】図8(A)は、第1および第2の幌受け14お
よび15の横断面図であり、図8(B)は、固定枠11
または可動枠12に対する取付け構造の説明図である。
【図9】本発明の実施の形態の幌布16の端部構成の模
式的説明図である。
【図10】本発明の実施の形態を装備した列車が曲線軌
道上を通過する際の状態の説明図である。
【図11】本発明の実施の形態を装備した列車の車両連
結部間に入り込む必要のあるときの操作の説明図であ
る。
【符号の説明】
1 車両連結面間転落防止装置 11 固定枠 11a,11b 腕 11c 繋ぎ金 12 可動枠 12a,12b 腕 12c 繋ぎ金 12d 固着部 13 ラバースプリング 13a ケース 13b 中子 13c 弾性部材 14 第1の幌受け 15 第2の幌受け 16 幌布 16a 袋部 16b 芯材 17a〜17d 取付け金具 18 幌布取付け金具 19 固定金具 20 溝 D 車両妻面 S 車両側面 V 鉛直軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中谷 真司 大阪府東大阪市稲田新町3丁目9番60号 近畿車輛株式会社内 (72)発明者 渡邊 俊之 大阪府東大阪市稲田新町3丁目9番60号 近畿車輛株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄道車両の妻面の左右両側にそれぞれ取
    り付けられ、連結部における車両間に形成される空間に
    プラットホームの乗降客が転落することを防止するため
    の車両連結面間転落防止装置において、 車両妻面に固定され、一側縁に当該妻面と車両側面との
    角隅部に沿ってその近傍で鉛直に伸びる第1の幌受けが
    設けられてなる固定枠と、 一側縁に第1の幌受けと対向して鉛直に伸びる第2の幌
    受けが設けられ、かつ、他側縁が上記固定枠の他側縁に
    鉛直軸を中心として回動自在に支持された可動枠と、 上記可動枠を、第2の幌受けが第1の幌受けに対して離
    隔する向きに上記鉛直軸回りに付勢する弾性部材と、 上記第1と第2の幌受けの間に掛け渡された幌布と、 を備えていることを特徴とする車両連結面間転落防止装
    置。
  2. 【請求項2】 第2の幌受けが第1の幌受けに接近する
    よう上記弾性部材の弾性力に抗して可動枠を回動させた
    状態で、当該可動枠を固定枠に対して係合させてその回
    動を阻止する可動枠固定機構を備えていることを特徴と
    する請求項1に記載の車両連結面間転落防止装置。
  3. 【請求項3】 可動枠を固定枠に対して鉛直軸回りに付
    勢する弾性部材がエラストマーであることを特徴とする
    請求項1または2に記載の車両連結面間転落防止装置。
  4. 【請求項4】 上記各幌受けには外周に軸方向に沿った
    溝が形成されているとともに、上記幌布には、その両端
    部に沿ってそれぞれ袋部が形成されてその内部に金属芯
    材が挿入され、その金属芯材を含む袋部を幌受け端面側
    から上記溝内に挿入することによって当該幌布が各幌受
    けに装着されていることを特徴とする請求項1、2また
    は3に記載の車両連結面間転落防止装置。
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