JP2000037877A - インクジェットプリンタのヘッドにおけるアクチュエ―タの製造方法 - Google Patents

インクジェットプリンタのヘッドにおけるアクチュエ―タの製造方法

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JP2000037877A JP37076498A JP37076498A JP2000037877A JP 2000037877 A JP2000037877 A JP 2000037877A JP 37076498 A JP37076498 A JP 37076498A JP 37076498 A JP37076498 A JP 37076498A JP 2000037877 A JP2000037877 A JP 2000037877A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】チャンバー板と一体に成形される振動板に耐酸
化膜が形成されることで酸化物圧電体の焼結による蒸着
時にも振動板の性質や形状が変わらないようにする。 【解決手段】チャンバー板と振動板にアルミニウムやク
ロムのような耐酸化性金属が接合されるようにしたり、
チャンバー板と振動板との材質を耐酸化性金属が予め含
まれている材質にて構成し、酸化雰囲気での高温の熱処
理工程時に、チャンバー板と振動板との表面に一定の厚
さの耐酸化膜が形成されるようにし、こうした振動板に
圧電体が焼結蒸着されて、上部電極が積層されるように
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタヘッドに
おけるアクチュエータの製造方法に関するもので、より
詳しくは、チャンバー板と一体に成形される振動板に耐
酸化膜が形成されるようにすることで酸化物圧電体の焼
結による蒸着時にも振動板の性質や形状が変わらないよ
うにするインクジェットプリンタのヘッドにおけるアク
チュエータの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的にインクジェットプリンタヘッド
は、酸化物圧電体のようなアクチュエータを利用してイ
ンクを液滴の状態に噴射させる部分である。そのなかで
も、アクチュエータは電気的な力によって圧電体が変形
される作用に連動して、振動板のしなり作用を触発させ
ることで、液室内部のインクを外部に吐出させる。
【0003】現在、プリンタヘッドのアクチュエータで
圧電体として最も多く使用されているのが酸化物圧電体
である。
【0004】酸化物圧電体は、外部から供給される電源
によって長さ方向に伸縮作用をしながら、その底部に形
成される振動板をしなり運動させ、液室内部のインクを
吐出させて印刷できるようにする。
【0005】図11は、現在、主に使用されているイン
クジェットプリンタでの一般的なヘッドの構造を示して
いる。
【0006】上記図面に示すとおり、ヘッドには互いに
異なる大きさと形状のノズル110、リザバ210、流
路310、リストリクタ410及び液室510を有する
とともに、同一の直径の流路220,320,420を
それぞれ有するノズル板100、リザバ板200、流路
板300、リストリクタ板400、チャンバー板500
及び振動板600からなり、該振動板600には下部電
極700、酸化物圧電体800及び上部電極900が積
層されるようにしている。
【0007】こうした構造の振動板600は、通常、ジ
ルコニア(ZrO2)のようなセラミックからなり、グ
リーンシートの状態で高温、即ち、約1500℃で焼結
させて成形する。
【0008】そして、こうして成形された振動板600
の上部には下部電極700及び酸化物圧電体800を順
次、積層させ、特に圧電体800は通常、スクリーン印
刷の方法で積層させ、これを約1100℃の高温で焼結
させる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、振動板600
を構成するセラミックは、完全に焼結された後では加工
性に劣り、微細な構造物を形成できず、特に、高温焼結
によってセラミック物性を有するようにする工程では変
形が引き起こされもする。
【0010】従って、セラミックを使用しては精密な構
造体を作るのがたいへん困難であり、こうしたセラミッ
クを振動板600の主成分に使用すると、機械的性質に
よくなく、脆性破壊の危険性がたいへん高い。
【0011】そして、振動板600の上部に積層される
圧電体800を、たとえ振動板600の焼結温度よりは
低い温度で焼結させたとしても、圧電体800の焼結温
度も約1100℃とたいへん高い温度であるため、圧電
体800の焼結時に、すでに焼結された状態にある振動
板600の物性がやや変わるとともに、振動板600の
形状が変形する、といったたいへん深刻な問題が生じ得
る。
【0012】本発明は、振動板を金属の薄板で形成し、
振動板の表面に耐酸化層を付与して熱処理工程でも振動
板の物性及び形状がそのまま維持されることで、性能に
対する信頼性が向上されるようにすることをその目的と
する。
【0013】また、本発明は、インクとの接触に伴う腐
食を防止することで、耐久性を向上させることも目的と
する。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、チャンバー板と振動板とを一体に備え、
これらの表面に一定の厚さの耐酸化膜が形成され、かか
る耐酸化膜が形成された振動板の上部に圧電体と上部電
極とが積層されるようになるとともに、万一、チャンバ
ー板に液室が形成されていなければ、チャンバー板へエ
ッチング工程によって液室が形成されるようにすること
を特徴とする。
【0015】こうした耐酸化膜の形成は、チャンバー板
と振動板との材質及び酸化させる方法によって異なるた
め、それに起因してプリンタヘッドの製造工程も差が生
じる。
【0016】こうしてチャンバー板と振動板とに耐酸化
膜を形成させるようになると、特に積層時に高温の焼結
が必ず必要となる圧電体を振動板に直接積層させること
ができるとともに、圧電体の焼結時にも常に振動板が本
来の物性をそのまま維持することができるようにして、
より便利で安全なヘッドの製造と製品に対する信頼性を
一層向上させることができるようになる。
【0017】また、チャンバー板と振動板とには、耐酸
化性を有する金属膜を被覆し、振動板に酸化物圧電体を
積層させて焼結するとともに、このときの焼結温度によ
って金属膜が酸化雰囲気で熱処理されて耐酸化膜が形成
されるようにすることもある。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明は、液室壁をなすチャンバ
ー板と振動板とを一体に形成しつつ、少なくともチャン
バー板と振動板との表面には、耐酸化性を有する金属膜
が塗布されるようにする。こうしたチャンバー板と振動
板との表面を酸化雰囲気で高温に熱処理させることで、
チャンバー板と振動板との表面に耐酸化膜が形成される
ようにする点に特徴がある。
【0019】即ち、チャンバー板と振動板との表面に耐
酸化性を有する金属が所定の厚さにコーティングされた
り、蒸着されるようにした後、これを高温で酸化させて
耐酸化膜が形成されるようにしたり、チャンバー板と振
動板とをはじめから耐酸化性を有する金属が含まれてい
る材質で構成し、これを高温で酸化させる方法によって
チャンバー板と振動板との表面に耐酸化膜が形成される
ようにする。
【0020】こうして耐酸化膜を形成させる方法以外に
も、耐酸化膜が形成される振動板とチャンバー板とから
なる構造によってもヘッドを製造する方法は、より多様
に具現させることができる。
【0021】このような本発明の好適な実施形態を、添
付する図面を参照して詳細に説明する。
【0022】(実施形態1)図1は、本発明に従う実施
形態1を示したもので、本実施形態では、まず液室11
が形成されたチャンバー板10と一体に振動板20を成
形する工程から始まる。
【0023】チャンバー板10と振動板20とは一体を
なし、チャンバー板側には液室11を形成した構造に備
えられたり、これとは異なりチャンバー板10と振動板
20とをそれぞれ成形しつつチャンバー板10には液室
11が形成され、これらを結合させた構造として備える
ようにすることもできる。
【0024】結合させたチャンバー板10と振動板20
とは、別途に備えられた加熱炉30の内部でチャンバー
板10と振動板20とに被覆させようとする金属粉末4
0とともに容器に納められ挿入されようにする。
【0025】このとき、金属粉末40として主に使用さ
れる物質は、耐酸化性を有するアルミニウムやクロムで
あり、こうしたアルミニウムやクロムにニッケル又はコ
バルトを添加して使用することも可能である。
【0026】また、炉30には、被覆作用を活性化させ
る活性剤、粉末の流れ防止及び焼結を防止する焼結防止
剤等も粉末状態で所定の比率に混合して挿入させる。
【0027】このとき、挿入される活性剤としては、塩
化ナトリウム又は塩化窒素のようなハロゲン化合物を使
用する。焼結防止剤としては、酸化アルミナ又はジルコ
ニアなどを使用する。
【0028】こうした状態で、炉30を所定の雰囲気条
件、即ち水素などの還元ガスを挿入した還元雰囲気、ア
ルゴンやヘリウム、窒素等の不活性ガスを挿入した不活
性雰囲気、又は10-5Torr〜50Torrである真
空の条件や上記のような条件を同時に備えた条件で高温
に加熱する。尚、この場合、炉30の加熱温度は、約5
00℃以上が最もよい。
【0029】炉30の加熱によって金属粉末40は、溶
融状態になり、同時に容器にともに納めたチャンバー板
10と振動板20との表面に溶融物が被覆されて耐酸化
性金属膜80を形成する。
【0030】耐酸化性金属膜80を形成したチャンバー
板10と振動板20とは、再び600℃〜1500℃の
酸化雰囲気で熱処理される。このとき、チャンバー板1
0と振動板20との表面に形成されていた金属膜80が
酸化されるとともに、チャンバー板10と振動板20と
の表面には耐酸化膜50が形成される。
【0031】こうした耐酸化膜50は、粒子間の密度が
たいへん緻密で、金属内部の酸化を防ぐ作用をするよう
になる。
【0032】このとき、形成される耐酸化膜50の厚さ
は、約0.03〜5μmが適当であり、万一、耐酸化膜
50がそれ以上過度に厚いと、振動板20の振動性能を
たいへん弱化させる悪影響を与えることとなる。
【0033】表面に耐酸化膜50が形成された振動板2
0の上部面には、酸化物圧電体60をスクリーン印刷等
によって蒸着した後、約900℃〜1100℃の高温で
焼結させ、再び酸化物圧電体60の上部には上部電極7
0を積層させてインクジェットプリンタのヘッドを形成
させる。
【0034】こうしてプリンタのヘッドを製造する過程
で、チャンバー板10と振動板20とに予め耐酸化膜5
0を形成させるようになると、酸化物圧電体60を高温
で焼結する場合に耐酸化膜50によって振動板20を保
護するようになるため、振動板20の物性が変わらず、
変形なども防止できる。
【0035】(実施形態2)図2は、本発明に従う実施
形態2を示すものであり、振動板20と一体に結合され
るチャンバー板10には、実施形態1のように液室11
がすでに形成されているようにする。
【0036】このようにチャンバー板10と一体に結合
された振動板20にスパッタリング又はエバポレーショ
ンのような真空蒸着方法で耐酸化性金属膜80が蒸着さ
れるようにするのが本実施形態の特徴的構成である。
【0037】このとき、蒸着される耐酸化性金属膜80
は、事前にすでに酸化された状態の金属を真空蒸着によ
って蒸着させるようにすることもあり、これとは異な
り、耐酸化性金属膜80自体に耐酸化金属が含まれてい
るものを使用することもある。耐酸化性金属膜80が蒸
着されたチャンバー板10と振動板20とを約600℃
〜1500℃の酸化雰囲気で熱処理するようになると、
耐酸化性金属膜80がすでに酸化されていた状態であっ
ても酸化がさらに促進され、結局、チャンバー板10と
振動板20との表面にはたいへん緻密な密度を有する耐
酸化膜50が形成されるようになる。このとき形成され
る耐酸化膜50の厚さは、実施形態1のような約0.0
3〜5μmが最も好ましい。
【0038】このように耐酸化膜50が形成された振動
板20の上部面に酸化物圧電体60を蒸着させながら、
これを約900℃〜1100℃の温度で焼結させる。そ
して、再び酸化物圧電体60の上部に上部電極70を蒸
着させるようになると、必要とするインクジェットプリ
ンタのヘッドが形成される。
【0039】このように耐酸化性金属膜80の蒸着によ
る耐酸化膜50のチャンバー板10及び振動板20への
形成は、たとえ耐酸化性金属膜80を簡単に蒸着させる
単純な工程によって実施形態1のような別途の炉30を
利用しないという長所はあるものの、耐酸化膜50の形
成効率はそれよりは低減される短所がある。
【0040】しかし、本実施形態によってヘッドを形成
させるようになると、振動板20の上部に直接、酸化物
圧電体60を蒸着させて高温で焼結させるようになって
も振動板20の物性変化や形状変化を防止することがで
きる。
【0041】(実施形態3)図3は、本発明に従う実施
形態3を図示したもので、本実施形態では実施形態1,
2と同様に液室11が形成されているチャンバー板10
と振動板20とを一体に結合して成形されたチャンバー
板10と振動板20とには耐酸化金属を含んだ材質で構
成される。
【0042】耐酸化金属が含まれたチャンバー板10と
振動板20とを約600℃〜1500℃の酸化雰囲気で
熱処理するようになると、チャンバー板10と振動板2
0との表面が酸化されながら、耐酸化膜50を形成する
ようになる。尚、このとき形成される耐酸化膜50の厚
さも、約0.03〜5μmが適当である。
【0043】このように耐酸化膜50が表面に形成され
た振動板20の上部面に酸化物圧電体60を蒸着させな
がら、これを約900℃〜1100℃の温度に焼結させ
る。そして、再び酸化物圧電体60の上部に上部電極7
0を蒸着させるようになると、必要とするインクジェッ
トプリンタヘッドが形成される。
【0044】(実施形態4)図4は、本発明に従う実施
形態4を図示したもので、本実施形態での特徴的構成
は、振動板20と一体に結合されるチャンバー板10に
液室が形成されていないことである。
【0045】即ち、実施形態1〜3のようにチャンバー
板10に予め液室11を形成させるようになると、耐酸
化膜50を形成するとき、高温の熱処理中に液室11上
部をカバーする薄い薄板である振動板20の性質が変化
され得る。
【0046】なぜならば、未だ、耐酸化膜50が形成さ
れていない状態で耐酸化膜を形成させるために、振動板
20を約600℃〜1500℃の高温で熱処理させるよ
うになると、振動板20の物性の変化、及び形状の変形
が生じ得るからである。
【0047】従って、本実施形態では、液室が形成され
ていないチャンバー板10を振動板20と結合させるこ
とで、チャンバー板10と振動板20とがこれ以上、高
温の熱処理によって振動板20に物性変化のないように
防止されている。
【0048】液室が形成されていないチャンバー板10
と振動板20とを一体に結合した構造体が実施形態1で
のような条件、即ち、別途に備えられる加熱炉30にチ
ャンバー板10と振動板20とに被覆させようとする金
属粉末40とともに容器に納められて挿入される。
【0049】金属粉末40として主に使用される物質
は、耐酸化性を有するアルミニウムやクロムであり、こ
うしたアルミニウムやクロムにニッケル又はコバルトを
添加して使用することも可能である。
【0050】また、炉30には、被覆作用を活性化させ
る活性剤、粉末の流れ防止及び焼結を防止する焼結防止
剤等も粉末状態で所定の比率に混合して挿入させる。
【0051】このとき、挿入される活性剤としては、塩
化ナトリウム又は塩化窒素のようなハロゲン化合物を使
用する。焼結防止剤としては、酸化アルミナ又はジルコ
ニアなどを使用する。
【0052】こうした状態で、炉30を所定の雰囲気条
件、即ち水素などの還元ガスを挿入した還元雰囲気、ア
ルゴンやヘリウム、窒素等の不活性ガスを挿入した不活
性雰囲気、又は10-5Torr〜50Torrである真
空の条件や上記のような条件をすべて備えた条件で高温
に加熱すると、チャンバー板10と振動板20との表面
には、金属粉末40が溶融され被覆されることで、耐酸
化性金属膜80を形成するようになる。尚、この場合、
炉30は、約500℃以上で加熱させるのが最もよい。
【0053】耐酸化性金属膜80を形成したチャンバー
板10と振動板20とを再び600℃〜1500℃の酸
化雰囲気で熱処理するようになると、チャンバー板10
と振動板20との表面に被覆された耐酸化性金属膜80
が酸化されながら、耐酸化膜50を形成するようにな
る。
【0054】耐酸化膜50は、チャンバー板10と振動
板20とでたいへん緻密な密度を有しつつ、表面内側へ
の酸化を防止するようになる。このとき、形成される耐
酸化膜50の厚さは、約0.03〜5μmが適当であ
り、万一、耐酸化膜50の厚さがそれ以上過度に大きい
と、振動板20の振動性能が弱化する悪影響を与えるこ
ととなる。
【0055】耐酸化膜50が形成された振動板20の上
部面には、酸化物圧電体60をスクリーン印刷等によっ
て蒸着した後、約900℃〜1100℃の高温で焼結さ
せ、再び酸化物圧電体60の上部には上部電極70を積
層させる。
【0056】チャンバー板10と振動板20とに上部電
極70まで積層させるようになると、最後にチャンバー
板10の底面に液室11を形成する。
【0057】図5に示すように、液室11はチャンバー
板10の底面にまずフォトレジスタ90を塗布した後、
マスクを利用して露光、現像及び洗滌によって形成させ
ようとする液室11の平断面積より小さいか同じ大きさ
にフォトレジスタ90の一部を除去した後、エッチング
によって所望の大きさに形成する。
【0058】このようにしてチャンバー板10に液室1
1を形成させるようになると、必要とするインクジェッ
トプリンタヘッドが製作される。
【0059】(実施形態5)図6は、本発明に従う実施
形態5を示すものであり、本実施形態で振動板20と一
体に結合されるチャンバー板10に液室が形成されてい
ないようにするのは、実施形態4と同様である。
【0060】このように振動板20とチャンバー板10
との表面に振動板20にスパッタリング又はエバポレー
ションのような真空蒸着方法で耐酸化性金属膜80を蒸
着する。
【0061】このとき、蒸着される耐酸化性金属膜80
は、事前にすでに酸化された状態の金属を真空蒸着によ
って蒸着させるようにすることもあり、これとは異な
り、耐酸化性金属膜80自体に耐酸化金属が含まれてい
るものを使用することもある。耐酸化性金属膜80が蒸
着されたチャンバー板10と振動板20とを約600℃
〜1500℃の酸化雰囲気で熱処理するようになると、
耐酸化性金属膜80がすでに酸化されていた状態であっ
ても酸化がさらに促進され、結局、チャンバー板10と
振動板20との表面にはたいへん緻密な密度を有する耐
酸化膜50を形成するようになる。このとき形成される
耐酸化膜50の厚さは、実施形態1のような約0.03
〜5μmが適当である。
【0062】表面に耐酸化膜50を被覆した振動板20
の上部面に酸化物圧電体60を蒸着させながら、これを
約900℃〜1100℃の温度で焼結させる。そして、
再び酸化物圧電体60の上部には上部電極70を蒸着す
る。
【0063】こうして上部電極70まで蒸着されると、
実施形態4のようにチャンバー板10の底面に液室11
が形成される。
【0064】即ち、チャンバー板10の底面にフォトレ
ジスタ90を塗布した後、マスクを利用して露光、現像
及び洗滌によって形成させようとする液室11の平断面
積より小さいか同じ大きさにフォトレジスタ90の一部
を除去した後、エッチングによって所望の大きさに液室
11を形成する。
【0065】このようにしてチャンバー板10に液室1
1を形成させることで、必要とするインクジェットプリ
ンタヘッドが製作される (実施形態6)図7は、本発明に従う実施形態6を図示
したもので、本実施形態では振動板20に一体に結合さ
れるチャンバー板10に液室が形成されないようにしつ
つ、チャンバー板10と振動板20とを実施形態3のよ
うに耐酸化金属が含まれている材質にて構成することに
特徴がある。
【0066】このように、耐酸化金属が含まれたチャン
バー板10と振動板20とを約600℃〜1500℃の
酸化雰囲気で熱処理するようになると、チャンバー板1
0と振動板20との表面が酸化されながら、異物質が除
去されて、たいへん緻密な密度を有する耐酸化膜50を
形成するようになる。尚、このとき形成される耐酸化膜
50の厚さは、約0.03〜5μmが適当である。
【0067】このように耐酸化膜50が表面に形成され
た振動板20の上部面に酸化物圧電体60を蒸着させな
がら、これを約900℃〜1100℃の温度に焼結させ
る。そして、再び酸化物圧電体60の上部に上部電極7
0を蒸着する。
【0068】上部電極70を蒸着した直後、実施形態4
及び実施形態5のようにチャンバー板10の底面に液室
11を形成する。
【0069】即ち、チャンバー板10の底面にまずフォ
トレジスタ90を塗布した後、マスクを利用して露光、
現像及び洗滌によって形成させようとする液室11の平
断面積より小さいか同じ大きさにフォトレジスタ90の
一部を除去した後、エッチングによって所望の大きさに
液室11を形成する。
【0070】このようにしてチャンバー板10に液室1
1を形成させることで、必要とするインクジェットプリ
ンタヘッドが製作される (実施形態7)図8は、本発明に従う実施形態7を図示
したもので、本実施形態は実施形態1のように液室11
が形成されているチャンバー板10を振動板20と一体
に成形し、こうしたチャンバー板10と振動板20とを
別途の炉30に挿入させ、チャンバー板10と振動板2
0とに被覆させようとする金属粉末40とともに容器に
納めて挿入する。
【0071】このとき、金属粉末40として主に使用さ
れる物質は、耐酸化性を有するアルミニウムやクロムで
あり、こうしたアルミニウムやクロムにニッケル又はコ
バルトを添加して使用することも可能である。
【0072】また、炉30には、被覆作用を活性化させ
る活性剤、粉末の流れ防止及び焼結を防止する焼結防止
剤等も粉末状態で所定の比率に混合して挿入させる。
【0073】このとき、挿入される活性剤としては、塩
化ナトリウム又は塩化窒素のようなハロゲン化合物を使
用する。焼結防止剤としては、酸化アルミナ又はジルコ
ニアなどを使用する。
【0074】こうした状態で、炉30を所定の雰囲気条
件、即ち水素などの還元ガスを挿入した還元雰囲気、ア
ルゴンやヘリウム、窒素等の不活性ガスを挿入した不活
性雰囲気、又は10-5Torr〜50Torrである真
空の条件や上記のような条件を同時に備えた条件で高温
に加熱する。尚、この場合、炉30の加熱温度は、約5
00℃以上が最もよい。
【0075】炉30の加熱によって金属粉末40は、溶
融状態になり、同時に容器にともに納めたチャンバー板
10と振動板20との表面に溶融物が被覆されて耐酸化
性金属膜80を形成する。
【0076】こうして耐酸化性金属膜80に被覆された
振動板20の上部に酸化物圧電体60を蒸着し、積層さ
せた酸化物圧電体60を酸化雰囲気で熱処理して焼結さ
せるようになると、チャンバー板10と振動板20とに
被覆された耐酸化性金属膜80が同時に酸化されて耐酸
化膜50に変わるようになる。
【0077】即ち、実施形態1では、酸化物圧電体60
を積層させる前にチャンバー板10と振動板20とに耐
酸化膜50を形成させたが、本実施形態では振動板20
に酸化物圧電体60を積層させ、積層させた酸化物圧電
体60を焼結する時に同時に耐酸化膜50が形成される
ようにするのを特徴とする。
【0078】酸化物圧電体60の焼結と同時に耐酸化膜
50を形成し、酸化物圧電体60の上部に上部電極70
を積層させるようになると、必要とするプリンタヘッド
が形成される。
【0079】(実施形態8)図9は、本発明に従う実施
形態8を示すもので、本実施形態は、実施形態4と同様
に液室が形成されていないチャンバー板10を振動板2
0と一体に結合し、実施形態7のように結合されたチャ
ンバー板10と振動板20とを、チャンバー板10と振
動板20とに被覆させようとする金属粉末40とともに
容器に納めて別途の炉30に挿入する。
【0080】このとき、金属粉末40として主に使用さ
れる物質は、耐酸化性を有するアルミニウムやクロムで
あり、こうしたアルミニウムやクロムにニッケル又はコ
バルトを添加して使用することも可能である。
【0081】また、炉30には、被覆作用を活性化させ
る活性剤、粉末の流れ防止及び焼結を防止する焼結防止
剤等も粉末状態で所定の比率に混合して挿入させる。
【0082】このとき、挿入される活性剤としては、塩
化ナトリウム又は塩化窒素のようなハロゲン化合物を使
用する。焼結防止剤としては、酸化アルミナ又はジルコ
ニアなどを使用する。
【0083】こうした状態で、炉30を所定の雰囲気条
件、即ち水素などの還元ガスを挿入した還元雰囲気、ア
ルゴンやヘリウム、窒素等の不活性ガスを挿入した不活
性雰囲気、又は10-5Torr〜50Torrである真
空の条件や上記のような条件を同時に備えた条件で高温
に加熱する。尚、この場合、炉30の加熱温度は、約5
00℃以上が最もよい。
【0084】炉30の加熱によって金属粉末40は、溶
融状態になり、同時に容器にともに納めたチャンバー板
10と振動板20との表面に溶融物が被覆されて耐酸化
性金属膜80を形成する。
【0085】こうして耐酸化性金属膜80が被覆された
振動板20の上部に酸化物圧電体60を蒸着し、積層さ
せた酸化物圧電体60を酸化雰囲気で熱処理して焼結さ
せるようになると、チャンバー板10と振動板20とに
被覆された耐酸化性金属膜80が同時に酸化されながら
耐酸化膜50に変わるようになる。尚、このときの焼結
温度は、約600℃〜1500℃である。
【0086】酸化物圧電体60の焼結と同時に耐酸化膜
50を形成し、酸化物圧電体60の上部に上部電極70
を積層し、チャンバー板10の底面にフォトレジスタ9
0を塗布した後、マスクを利用して露光、現像及び洗滌
によって形成させようとする液室11の平断面積より小
さいか同じ大きさにフォトレジスタ90の一部を除去し
た後、エッチングによって所望の大きさに液室11を形
成する。
【0087】このようにしてチャンバー板10に液室1
1を形成させることで、必要とするインクジェットプリ
ンタヘッドが製作される。
【0088】以上のように、各実施形態でチャンバー板
10と振動板20とに被覆させるようになる耐酸化膜5
0は、クロム酸化膜、又はアルミニウム酸化膜であり、
こうした耐酸化膜50を形成させるために酸化雰囲気で
の熱処理所要時間は、通常、1時間以上が最も好まし
い。
【0089】クロム酸化膜やアルミニウム酸化膜のよう
な耐酸化膜50は、通常、緻密な密度を有する酸化膜で
あるため、たいへん安定した状態であり、一定の時間が
経過しても、それ以上酸化が進展しないようにするた
め、表面には一定の厚さとしてのみ形成されるという長
所がある。
【0090】例えば、チャンバー板10と振動板20と
の主成分がニッケルであり、チャンバー板10と振動板
20とに被覆させる物質がクロムであるとき、実施形態
1、実施形態4及び実施形態8でのような炉30を利用
して耐酸化性金属であるクロムをチャンバー板10と振
動板20とに蒸着させるようになると、はじめには図1
0Aのような成分比を示すようになる。
【0091】即ち、母材であるニッケルの表面として
は、耐酸化性金属膜であるクロム層が所定の厚さに形成
され、これを約600℃〜1500℃に熱処理されるよ
うになると、図10Bのような表面でのニッケルとクロ
ムとの成分比が急激に変わるようになり、このような熱
処理が酸化雰囲気で遂行されると、図10Cに示すよう
に、表面のクロム層は耐酸化膜であるクロム酸化膜に変
わり、深さ方向には比較的クロム成分が多い合金層でニ
ッケルに成分が徐々に変わるようになる。
【0092】即ち、チャンバー板10と振動板20との
表面から徐々にクロム成分が酸化によって酸化膜である
クロム酸化膜に変わるようになるため、表面には主に緻
密な密度の耐酸化膜のみが形成され、内部に入るほど耐
酸化膜の密度は低下し、結局はニッケル成分のみが残る
ようになる。
【0093】しかし、酸化以後、チャンバー板10と振
動板20との表面には、耐酸化膜のみが形成されるた
め、酸素の浸透を防止して、それ以上の酸化が防止され
るとともに、以後、外部からの影響、即ち高温の熱、又
は酸素等にも耐熱性及び耐酸化性を有するようになるた
め、チャンバー板10と振動板20とを安定した状態で
維持させることができるようになる。
【0094】特に、酸化物圧電体60を焼結させる前、
又は酸化物圧電体60の焼結と同時に振動板20に耐酸
化膜50を形成させるようになると、酸化物圧電体60
を焼結させるために、必要とされる高温でも振動板20
は、まったく影響を受けないようになる結果、振動板2
0の変形や物性変化を防ぐことができる。
【0095】また、チャンバー板10の液室11内部に
まで耐酸化膜50を形成させると、持続的にインクと接
触するために引き起こされる液室11内部のチャンバー
板10及び振動板20の腐食を防止することができるよ
うになる。
【0096】一方、耐酸化膜50は、一般的に絶縁性を
有するため、振動板20の上部に酸化物圧電体60を蒸
着させる前に、予めスクリーン印刷等の厚膜工程を利用
して下部電極を形成させることもでき、これと異なり、
被覆される耐酸化膜50に薄膜工程を利用して電線を形
成することで酸化物圧電体60への電源供給が安定的に
なされるようにすることも可能である。
【0097】特に、チャンバー板10と振動板20とに
耐酸化性金属膜80を積層させた後、これを酸化雰囲気
で熱処理するようになると、耐酸化性金属膜80が酸化
されつつ、耐酸化膜50になるため、結局、本来のチャ
ンバー板10と振動板20とに比べ、体積変化がある。
【0098】従って、振動板20にのみ耐酸化膜50を
形成させるようにする場合には、チャンバー板10との
結合時に結合が思いどおりにならないため、事前にチャ
ンバー板10と振動板20とを一体に結合した後、耐酸
化膜50を形成させることが最も好ましい。
【0099】
【発明の効果】以上のように、プリンタヘッドを製造す
るようになると、たとえ振動板が若干の変形を招来する
ようになっても、チャンバー板の変形時に振動板を同時
に変形させるようになるため、ヘッドの製作にはまった
く問題がなくなり、外部からの如何なる影響にもヘッド
を安全に保護するようになるという優れた効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う実施形態1の製造工程図。
【図2】本発明に従う実施形態2の製造工程図。
【図3】本発明に従う実施形態3の製造工程図。
【図4】本発明に従う実施形態4の製造工程図。
【図5】実施形態4での液室形成を示す工程図。
【図6】本発明に従う実施形態5の製造工程図。
【図7】本発明に従う実施形態6の製造工程図。
【図8】本発明に従う実施形態7の製造工程図。
【図9】本発明に従う実施形態8の製造工程図。
【図10】A、B、およびCは、それぞれ、本発明に従
う耐酸化膜を形成する前後の母材の深さに従う成分の比
較線図。
【図11】一般的なプリンタヘッドの側断面図。
【符号の説明】
10…チャンバー板、11…液室、20…振動板、30
…炉、40…金属粉末、50…耐酸化膜、60…酸化物
圧電体、70…上部電極、80…耐酸化性金属膜。

Claims (54)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液室が形成されたチャンバー板と一体に
    結合して振動板を成形する段階と、 一体に成形された前記チャンバー板と振動板とともに被
    覆しようとする金属粉末と被覆を活性化させる活性剤、
    そして粉末の流れ防止及び焼結を防止する焼結防止剤等
    を粉末形態で所定の比率に混合して炉に入れる段階と、 前記炉を所定の雰囲気の条件で高温に加熱して前記チャ
    ンバー板と振動板との表面に耐酸化性金属膜を形成させ
    る段階と、 前記チャンバー板と振動板とを酸化雰囲気で熱処理して
    表面を酸化させて耐酸化膜を形成する段階と、 前記振動板の上部面に酸化物圧電体を焼結によって蒸着
    させる段階と、 前記酸化物圧電体の上部に上部電極を積層させる段階と
    を含んでなることを特徴とするインクジェットプリンタ
    のヘッドにおけるアクチエータの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記金属粉末の主成分はアルミニウムで
    ある請求項1に記載のインクジェットプリンタのヘッド
    におけるアクチュエータの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記金属粉末の主成分はクロムである請
    求項1に記載のインクジェットプリンタのヘッドにおけ
    るアクチュエータの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記金属粉末は、アルミニウム、クロ
    ム、ニッケル及びコバルトが混合されたものである請求
    項1に記載のインクジェットプリンタのヘッドにおける
    アクチュエータの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記炉の雰囲気の条件は、還元雰囲気で
    ある請求項1に記載のインクジェットプリンタのヘッド
    におけるアクチュエータの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記炉の雰囲気の条件は、不活性ガスが
    挿入される不活性雰囲気である請求項1に記載のインク
    ジェットプリンタのヘッドにおけるアクチュエータの製
    造方法。
  7. 【請求項7】 前記炉の雰囲気の条件は、約10-5To
    rr〜50Torrの真空雰囲気である請求項1に記載
    のインクジェットプリンタのヘッドにおけるアクチュエ
    ータの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記チャンバー板と振動板との酸化雰囲
    気での熱処理温度は、約600℃〜1500℃である請
    求項1に記載のインクジェットプリンタのヘッドにおけ
    るアクチュエータの製造方法。
  9. 【請求項9】 液室が形成されたチャンバー板と一体に
    結合して振動板を成形する段階と、 前記チャンバー板が一体に結合された前記振動板の表面
    に真空蒸着によって耐酸化性金属膜を蒸着させる段階
    と、 前記チャンバー板と前記振動板とを熱処理しつつ、表面
    を酸化させて耐酸化膜を形成する段階と、 前記振動板の上部面に酸化物圧電体を焼結によって蒸着
    させる段階と、 前記酸化物圧電体の上部に上部電極を積層させる段階と
    を含んでなることを特徴とするインクジェットプリンタ
    のヘッドにおけるアクチュエータの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記振動板に蒸着される耐酸化性金属
    膜の主成分はアルミニウムである請求項9に記載のイン
    クジェットプリンタのヘッドにおけるアクチュエータの
    製造方法。
  11. 【請求項11】 前記振動板に蒸着される耐酸化性金属
    膜の主成分はクロムである請求項9に記載のインクジェ
    ットプリンタのヘッドにおけるアクチュエータの製造方
    法。
  12. 【請求項12】 前記振動板に蒸着される耐酸化性金属
    膜は、アルミニウム、クロム、ニッケル及びコバルトが
    混合されたものである請求項9に記載のインクジェット
    プリンタのヘッドにおけるアクチュエータの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記耐酸化性金属膜は、予め酸化され
    た状態で積層される請求項9に記載のインクジェットプ
    リンタのヘッドにおけるアクチュエータの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記耐酸化性金属膜は、耐酸化金属を
    含んでいる請求項9に記載のインクジェットプリンタの
    ヘッドにおけるアクチュエータの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記振動板の熱処理温度は、約600
    ℃〜1500℃である請求項9に記載のインクジェット
    プリンタのヘッドにおけるアクチュエータの製造方法。
  16. 【請求項16】 耐酸化金属が含まれるようにした振動
    板を液室が形成されたチャンバー板と一体に結合して成
    形する段階と、前記チャンバー板と一体に成形された前
    記振動板を高温で熱処理しつつ、表面を酸化させて耐酸
    化膜を形成する段階と、 前記振動板の上部面に酸化物圧電体を焼結によって蒸着
    させる段階と、 前記酸化物圧電体の上部に上部電極を積層させる段階と
    を含んでなることを特徴とするインクジェットプリンタ
    のヘッドにおけるアクチュエータの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記耐酸化金属は主成分がアルミニウ
    ムである請求項16に記載のインクジェットプリンタの
    ヘッドにおけるアクチュエータの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記耐酸化金属は主成分がクロムであ
    る請求項16に記載のインクジェットプリンタのヘッド
    におけるアクチュエータの製造方法。
  19. 【請求項19】 前記振動板の熱処理温度は、約600
    ℃〜1500℃である請求項16に記載のインクジェッ
    トプリンタのヘッドにおけるアクチュエータの製造方
    法。
  20. 【請求項20】 液室が形成されていないチャンバー板
    と一体に結合して振動板を成形する段階と、 前記振動板とともに被覆しようとする金属粉末と、被覆
    を活性化させる活性剤、そして粉末の流れ防止及び焼結
    を防止する焼結防止剤等を粉末形態で所定の比率に混合
    して加熱炉に入れる段階と、 前記加熱炉を所定の雰囲気の条件で高温に加熱して前記
    チャンバー板と前記振動板との表面に耐酸化性金属膜を
    形成させる段階と、 前記チャンバー板と前記振動板とを熱処理しつつ、表面
    を酸化させて耐酸化膜を形成する段階と、 前記振動板の上部面に酸化物圧電体を焼結によって蒸着
    する段階と、 前記酸化物圧電体の上部に上部電極を積層させる段階
    と、 前記チャンバー板に液室をパターニングさせる段階とを
    含んでなることを特徴とするインクジェットプリンタの
    ヘッドにおけるアクチュエータの製造方法。
  21. 【請求項21】 前記金属粉末は、主成分がアルミニウ
    ムである請求項20に記載のインクジェットプリンタの
    ヘッドにおけるアクチュエータの製造方法。
  22. 【請求項22】 前記金属粉末は、主成分がクロムであ
    る請求項20に記載のインクジェットプリンタのヘッド
    におけるアクチュエータの製造方法。
  23. 【請求項23】 前記金属粉末は、アルミニウム、クロ
    ム、ニッケル及びコバルトが混合されたものである請求
    項20に記載のインクジェットプリンタのヘッドにおけ
    るアクチュエータの製造方法。
  24. 【請求項24】 前記炉の雰囲気の条件は、還元雰囲気
    である請求項20に記載のインクジェットプリンタのヘ
    ッドにおけるアクチュエータの製造方法。
  25. 【請求項25】 前記炉の雰囲気の条件は、不活性ガス
    が挿入される不活性雰囲気である請求項20に記載のイ
    ンクジェットプリンタのヘッドにおけるアクチュエータ
    の製造方法。
  26. 【請求項26】 前記炉の雰囲気の条件は、約10-5
    orr〜50Torrの真空雰囲気である請求項20に
    記載のインクジェットプリンタのヘッドにおけるアクチ
    ュエータの製造方法。
  27. 【請求項27】 前記振動板の熱処理温度は、約600
    ℃〜1500℃である請求項20に記載のインクジェッ
    トプリンタのヘッドにおけるアクチュエータの製造方
    法。
  28. 【請求項28】 液室が形成されていないチャンバー板
    と一体に結合して振動板を成形する段階と前記チャンバ
    ー板が一体に結合された前記振動板の表面に真空蒸着に
    よって耐酸化性金属膜を蒸着させる段階と、 前記チャンバー板が一体に結合された前記振動板を熱処
    理して、表面を酸化させて耐酸化膜を形成する段階と、 前記振動板の上部面に酸化物圧電体を焼結によって蒸着
    する段階と、前記酸化物圧電体の上部に上部電極を積層
    させる段階と、 前記チャンバー板に液室をパターニングさせる段階とを
    含んでなることを特徴とするインクジェットプリンタの
    ヘッドにおけるアクチュエータの製造方法。
  29. 【請求項29】 前記振動板に蒸着される耐酸化性金属
    膜の主成分は、アルミニウムである請求項28に記載の
    インクジェットプリンタのヘッドにおけるアクチュエー
    タの製造方法。
  30. 【請求項30】 前記振動板に蒸着される耐酸化性金属
    膜の主成分は、クロムである請求項28に記載のインク
    ジェットプリンタのヘッドにおけるアクチュエータの製
    造方法。
  31. 【請求項31】 前記振動板に蒸着される耐酸化性金属
    膜は、アルミニウム、クロム、ニッケル及びコバルトが
    混合されたものである請求項28に記載のインクジェッ
    トプリンタのヘッドにおけるアクチュエータの製造方
    法。
  32. 【請求項32】 前記耐酸化性金属膜は、予め酸化され
    た状態で積層される請求項28に記載のインクジェット
    プリンタのヘッドにおけるアクチュエータの製造方法。
  33. 【請求項33】 前記耐酸化性金属膜は、耐酸化金属を
    含んでいる請求項28に記載のインクジェットプリンタ
    のヘッドにおけるアクチュエータの製造方法。
  34. 【請求項34】 前記振動板の熱処理温度は、約600
    ℃〜1500℃である請求項28に記載のインクジェッ
    トプリンタのヘッドにおけるアクチュエータの製造方
    法。
  35. 【請求項35】 耐酸化金属が含められた振動板を液室
    が形成されていないチャンバー板と一体に結合して成形
    する段階と、 前記チャンバー板と一体に成形された前記振動板を高温
    で熱処理しつつ、前記チャンバー板と前記振動板との表
    面を酸化させて耐酸化膜を形成する段階と、 熱処理した前記振動板の上部面に酸化物圧電体を焼結に
    よって蒸着する段階と、 前記酸化物圧電体の上部に上部電極を積層させる段階
    と、 前記チャンバー板に液室をパターニングさせる段階とを
    含んでなることを特徴とするインクジェットプリンタの
    ヘッドにおけるアクチュエータの製造方法。
  36. 【請求項36】 前記耐酸化金属は、主成分がアルミニ
    ウムである請求項35に記載のインクジェットプリンタ
    のヘッドにおけるアクチュエータの製造方法。
  37. 【請求項37】 前記耐酸化金属は、主成分がクロムで
    ある請求項35に記載のインクジェットプリンタのヘッ
    ドにおけるアクチュエータの製造方法。
  38. 【請求項38】 前記振動板の熱処理温度は、約600
    ℃〜1500℃である請求項35に記載のインクジェッ
    トプリンタのヘッドにおけるアクチュエータの製造方
    法。
  39. 【請求項39】 液室が形成されたチャンバー板と一体
    に結合して振動板を成形する段階と、 一体に成形された前記チャンバー板と振動板とともに被
    覆しようとする金属粉末と被覆を活性化させる活性剤、
    そして粉末の流れ防止及び焼結を防止する焼結防止剤等
    を粉末形態で所定の比率に混合して炉に入れる段階と、 前記炉を所定の雰囲気の条件で高温に加熱して前記チャ
    ンバー板と振動板との表面に耐酸化性金属膜を形成させ
    る段階と、 前記振動板の上部面に酸化物圧電体を蒸着し、酸化雰囲
    気で焼結によって蒸着させつつ、前記チャンバー板と振
    動板との表面を酸化する段階と、 前記酸化物圧電体の上部に上部電極を積層させる段階と
    を含んでなることを特徴とするインクジェットプリンタ
    のヘッドにおけるアクチュエータの製造方法。
  40. 【請求項40】 前記金属粉末の主成分は、アルミニウ
    ムである請求項39に記載のインクジェットプリンタの
    ヘッドにおけるアクチュエータの製造方法。
  41. 【請求項41】 前記金属粉末の主成分は、クロムであ
    る請求項39に記載のインクジェットプリンタのヘッド
    におけるアクチュエータの製造方法。
  42. 【請求項42】 前記金属粉末は、アルミニウム、クロ
    ム、ニッケル及びコバルトが混合されたものである請求
    項39に記載のインクジェットプリンタのヘッドにおけ
    るアクチュエータの製造方法。
  43. 【請求項43】 前記炉の雰囲気の条件は、還元雰囲気
    である請求項39に記載のインクジェットプリンタのヘ
    ッドにおけるアクチュエータの製造方法。
  44. 【請求項44】 前記炉の雰囲気の条件は、不活性ガス
    が挿入される不活性雰囲気である請求項39に記載のイ
    ンクジェットプリンタのヘッドにおけるアクチュエータ
    の製造方法。
  45. 【請求項45】 前記炉の雰囲気の条件は、約10-5
    orr〜50Torrの真空雰囲気である請求項39に
    記載のインクジェットプリンタのヘッドにおけるアクチ
    ュエータの製造方法。
  46. 【請求項46】 前記チャンバー板と振動板との酸化雰
    囲気での熱処理温度は、約600℃〜1500℃である
    請求項39に記載のインクジェットプリンタのヘッドに
    おけるアクチュエータの製造方法。
  47. 【請求項47】 液室が形成されていないチャンバー板
    と一体に結合して振動板を成形する段階と、 前記振動板とともに被覆しようとする金属粉末と、被覆
    を活性化させる活性剤、そして粉末の流れ防止及び焼結
    を防止する焼結防止剤等を粉末形態で所定の比率に混合
    して加熱炉に入れる段階と前記炉を所定の雰囲気の条件
    で高温に加熱して前記チャンバー板と振動板との表面に
    耐酸化性金属膜を形成させる段階と、 前記振動板の上部面に酸化物圧電体を蒸着し、酸化雰囲
    気で焼結によって蒸着させつつ、前記チャンバー板と振
    動板との表面を酸化する段階と、 前記酸化物圧電体の上部に上部電極を積層させる段階
    と、 前記チャンバー板に液室をパターニングさせる段階とを
    含んでなることを特徴とするインクジェットプリンタの
    ヘッドにおけるアクチュエータの製造方法。
  48. 【請求項48】 前記金属粉末の主成分はアルミニウム
    である請求項47に記載のインクジェットプリンタのヘ
    ッドにおけるアクチュエータの製造方法。
  49. 【請求項49】 前記金属粉末の主成分はクロムである
    請求項47に記載のインクジェットプリンタのヘッドに
    おけるアクチュエータの製造方法。
  50. 【請求項50】 前記金属粉末は、アルミニウム、クロ
    ム、ニッケル及びコバルトが混合されたものである請求
    項47に記載のインクジェットプリンタのヘッドにおけ
    るアクチュエータの製造方法。
  51. 【請求項51】 前記炉の雰囲気の条件は、還元雰囲気
    である請求項47に記載のインクジェットプリンタのヘ
    ッドにおけるアクチュエータの製造方法。
  52. 【請求項52】 前記炉の雰囲気の条件は、不活性ガス
    が挿入される不活性雰囲気である請求項47に記載のイ
    ンクジェットプリンタのヘッドにおけるアクチュエータ
    の製造方法。
  53. 【請求項53】 前記炉の雰囲気の条件は、約10-5
    orr〜50Torrの真空雰囲気である請求項47に
    記載のインクジェットプリンタのヘッドにおけるアクチ
    ュエータの製造方法。
  54. 【請求項54】 前記振動板の熱処理温度は、約600
    ℃〜1500℃である請求項47に記載のインクジェッ
    トプリンタのヘッドにおけるアクチュエータの製造方
    法。
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