JPH11179906A - 圧電素子ユニットの製造方法及び圧電ユニットを用いたインクジェットヘッド - Google Patents

圧電素子ユニットの製造方法及び圧電ユニットを用いたインクジェットヘッド

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JPH11179906A
JPH11179906A JP35250697A JP35250697A JPH11179906A JP H11179906 A JPH11179906 A JP H11179906A JP 35250697 A JP35250697 A JP 35250697A JP 35250697 A JP35250697 A JP 35250697A JP H11179906 A JPH11179906 A JP H11179906A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電材料の焼成時における該材料からの構成
成分の蒸発を抑制し、圧電定数の大きい圧電体を低コス
トでしかも製造工程を低減して製造すること。 【解決手段】 基体上に、上下電極に挟まれた圧電体を
形成し、電極間への電界の印加により、電圧−機械変換
効果によって基体の一部を変形させる機能を持つ圧電素
子ユニットの製造方法であって、基体又は中間層上に配
置された下部電極上に圧電材料(ペースト)をスクリー
ン印刷し、その後前記基体及び前記圧電材料を遮蔽体に
よって挟み込んだ状態で加熱・焼成することにより、加
熱・焼成雰囲気中での圧電体の構成元素または分子の蒸
気圧を高くし、それによって圧電体の構成成分の蒸発を
抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は信頼性が高く、効率
よく圧電体の電気機械変換を伝達する圧電素子ユニット
及びその製造方法、及び、圧電素子ユニットを用いた圧
電アクチュエータ、およびそれを用いたインクジェット
ヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】圧電素子ユニット、例えば、インクジェ
ットヘッドの場合、多数の圧電素子を高密度に可動板に
形成する必要がある。以前はそれぞれの圧電素子を形成
後、可動板に接着されていたため、接着時の取扱上の制
約から、圧電素子を小さくすることが困難であり、ヘッ
ドの小型化を進める上で障壁となっていた。圧電素子を
電気−機械変換層形成法において周知の真空成膜法であ
るスパッタ,CVDやゾルーゲルなどは全面デポによる
パターニングにより工程が煩雑になり、コストが高くな
る。特開平8−281944号公報に示されるゾル−ゲ
ル(sol−gel)法により圧電膜を形成する場合、
特に、ゾルーゲル法では1回の塗布による膜厚が0.1
μm以下と小さいために、加圧室基板をたわませるだけ
の膜厚を形成するには、多数回塗布する必要があり、作
製工程がさらに多くなる。またこれらの方法で形成され
た膜は、膜厚方向における組成の均一化が難しく、圧電
特性の再現性が悪い。国際公開第93/22140号パ
ンフレット(1997)に示されるスパッタリング法に
よる圧電膜の場合、成膜速度が稼げず、所望する膜厚を
得ようとする場合、膨大な時間を必要とする。
【0003】そこで、特開平5−29675号公報に示
されるように、最新ではPZT等圧電体の仮焼粉をペー
スト加工し、スクリーン印刷法により形成する方法が提
案されている。スクリーン印刷はパターニング工程が不
要であり、可動版上に圧電素子を低コストで簡便に形成
することができる。
【0004】一方、小型な圧電体を用いて、かつ大きな
変異量を得るためには、圧電定数の大きな圧電体を作製
する必要がある。結晶粒径の大きな誘電率や圧電定数の
大きな圧電体を得るために、焼成温度を高くして圧電体
を焼成する必要がある。しかし、スクリーン印刷で作製
される圧電素子は、体積に対する表面積の割合が高いた
め、温度上昇に伴い圧電体から鉛が抜けやすく、結晶形
が崩れ誘電率や圧電定数が減少するという欠点がある。
【0005】そこで、圧電体からの鉛抜けを防止するた
めに、鉛雰囲気中で圧電体を加熱・焼成する方法が考え
られている。従来は、(1)焼成炉内に鉛粉末を入れた
容器を設置して圧電体が印刷された基板とともに焼成・
加熱する方法、(2)鉛を含むPbOペーストを圧電体
を形成する同じシリコンウエハなどの基板又は別の媒体
用基板上に印刷する方法(特開平7−205431号公
報参照)、又は、(3)前記ペーストを印刷した媒体用
基板と圧電体を印刷した基板を交互に基板台に配置し、
焼成炉中で加熱・焼成を行うといった製造方法が採用さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記(1)の焼成炉内
に鉛粉末を入れた容器を設置して圧電体が印刷された基
板とともに焼成・加熱する方法では焼成のバッチ毎に鉛
粉末の入った容器を設置する必要がある。前記(2)の
鉛を含むPbOペーストを圧電体を形成する同じシリコ
ンウエハなどの基板上又は別の媒体用基板上に印刷する
方法及び,前記(3)の前記ペーストを印刷した媒体用
基板と圧電体を印刷した基板を交互に基板台に配置し、
焼成炉中で加熱・焼成を行う方法については、前者は基
板上に前記ペーストを形成するため、一枚の基板から取
り出すことのできる素子数を減少させてしまうため、量
産性に乏しく、後者は別に媒体用基板を設ける必要があ
るため、焼成炉中で一度に加熱・焼成できる基板の数が
少なくなる。さらに、上記ペーストを印刷するという製
造工程が増える。その結果、材料コスト・製造時間が上
昇し、ヘッドの生産コストを押し上げるという結果にな
っている。よって低コストで高品質の圧電素子ユニット
の製造のためには、簡易かつ効率的に圧電体からの鉛抜
けを抑制する製造方法または構成の実現が必要である。
【0007】本発明は、以上の点に鑑みなされたもので
あって、信頼性が高く、効率よく圧電体の電気機械変換
を伝達する圧電素子ユニットの製造方法に関して、焼成
時における圧電体からの構成部分の蒸発を抑制し、圧電
定数の大きい優れた圧電体を直接形成することが可能
で、かつ製造工程・コストを少なくすることが可能とな
る圧電素子ユニットの製造方法または構成を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、基体
上に配置された下部電極上に圧電材料をスクリーン印刷
し、その後前記圧電材料を加熱・焼成して圧電体を形成
する際、前記圧電材料及び基体を遮蔽体によって挟み込
むことにより、加熱・焼成雰囲気中での前記圧電材料の
構成元素又は分子の蒸気圧を高くする圧電素子ユニット
の製造方法である。
【0009】請求項2の発明は、請求項1に記載された
圧電素子ユニットの製造方法において、前記遮蔽体は酸
化マグネシウム,アルミナ,セラミックスや、イットリ
ウム,セリウム,マグネシウム,カルシウムの酸化物を
少なくとも一つ含んだ部分安定化または完全安定化され
た酸化ジルコニウムからなるセラミック板である圧電素
子ユニットの製造方法である。
【0010】請求項3の発明は、請求項2に記載された
圧電素子ユニットの製造方法において、前記セラミック
板は平面度0.05mm以内、表面荒さ(Rmax)7
μm以下である圧電素子ユニットの製造方法である。
【0011】請求項4の発明は、請求項1に記載された
圧電素子ユニットの製造方法において、前記遮蔽体は、
基体上に予め印刷形成された圧電材料層に対応して、電
極パターンを印刷したグリーンシートを張り合わせて形
成しかつ、上部電極を同時に形成するものである圧電素
子ユニットの製造方法である。
【0012】請求項5の発明は、請求項1乃至4のいず
れに記載された圧電素子ユニットの製造方法において、
前記基体がシリコン単結晶であり、かつ前記基体と圧電
素子ユニット間に1層以上からなる中間層を配置させた
圧電素子ユニットの製造方法である。
【0013】請求項6の発明は、請求項1乃至4項のい
ずれかに記載された製造方法によって製造された圧電素
子ユニットを備えたインクジェットヘッドであって、エ
ッチングにより圧電材料層と対応して形成された圧力室
とを備え、圧電体に電圧を加え、圧力室内のインクをノ
ズルより吐出させることにより記録を行うインクジェッ
トヘッドである。
【0014】請求項7の発明は、請求項5に記載された
前記基体がシリコン単結晶であり、かつ前記基体と圧電
素子ユニット間に1層以上からなる中間層を配置させた
インクジェットヘッドである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明の構成を説明する。
図1に本発明が適用可能な圧電素子ユニットの概略図を
示す。基体1上に、上下電極2,3間に挟まれた電気−
機械変換効果を示す圧電材料層4が形成され、電界印加
に対して基体の一部を変形させる。さらに、図2に示す
ように、基板1の一部に圧電素子に対応して圧力室5を
形成し、ノズルプレート6を接合することによって、電
極への電界印加によって圧力室中のインクがノズル7か
ら吐出されるインクジェット圧電ヘッドが構成される。
【0016】基体1は加工性に優れ、機械的強度が高
く、熱処理・焼成温度で不活性の材料であれば、特に規
制されるものではなく、シリコン基板であっても、セラ
ミックスであっても、金属であってもよく、また複数の
材料による構造体から構成されていてもよい。
【0017】電極材料としては、熱処理・焼成温度での
高温酸化雰囲気に耐える導体であればよく、白金や白金
族元素(Pd,Rh,Ir,Ru)などの高温融点貴金
属類、およびそれらの合金を主成分とする電極材料が安
定性の点からもっとも好ましい。
【0018】下部電極層上の圧電材料層4にはPZT系
セラミックスが好ましい。またPZTに第三成分を加え
たマグネシウムニオブ酸鉛系,ニッケルニオブ酸鉛系,
マンガンニオブ酸鉛系,アンチモンスズ酸鉛系,チタン
酸鉛系、更には、これらの複合材料が用いられる。な
お、PZT系の材料に、ランタン,バリウム,ニオブ,
亜鉛,セリウム,クロム,コバルト,ストロンチウム,
イットリウム,タンタル,タングステン,ニッケル,マ
ンガン等の酸化物やそれらの化合物を添加した材料も好
適である。スクリーン印刷法により、一回の印刷工程で
10ないし20μmの膜厚を形成できる。乾燥後、圧電
材料層4を基体1で挟むように遮蔽体8を配置し、90
0〜1100℃の温度で大気中にて焼成させる。
【0019】遮蔽体8には、PZT焼成温度において十
分耐性を持ち、鉛蒸気に対して気密性が高く、反応性が
低い材料、例えば、酸化マグネシウム,アルミナ,セラ
ミックスやイットリウム,セリウム,マグネシウム,カ
ルシウムの酸化物を少なくとも一つ含んだ部分安定化ま
たは完全安定化された酸化ジルコニウム等のセラミック
板が望ましい。この遮蔽板は一般にセッターと呼ばれる
ものに相当する。そのセッターの平面性,表面性は焼成
するセラミックスの形状的変動を大きく支配する。平面
度が悪い場合には部分的な接触により、焼成中のセラミ
ックス収縮に不均一なところを与えてしまう。また表面
粗さも同様な不具合を生じてしまう。本発明では、これ
ら平面度,表面粗さの最適化を行い、80mm角の面積
において、平面度0.05mm以内、表面粗さ(Rma
x)7μm以下であれば何等支障がないことがわかっ
た。
【0020】(実施例1)日本ファインセラミックス社
製YSZ(セラフレックスA)基板1に、白金ペースト
をスクリーン印刷し、下部電極2を5μm形成する。続
いて、下部電極上にPZT、例えば、Nb0.5mol
添加 Pb(Zr0.52Ti0.48)O3をスクリーン印刷
し、150℃で30分間乾燥する。乾燥後、図5に示す
遮蔽体8として、80mm角で板厚1mmのYSZ板を
圧電材料4上に接するように配置し、焼成炉において大
気中で900〜1200℃の温度で2時間焼成した。P
ZT焼成後、上部電極層3をスクリーン印刷で焼き付け
により形成した。その結果いずれのセラミック板を用い
た場合も、遮蔽体を用いない場合に比べPZTの結晶性
が向上し、圧電定数が増加した。
【0021】(実施例2)さらにそれぞれのセラミック
板の鉛との反応性を調べるため、30回のPZT焼成を
行った後の深さ方向の鉛拡散について調べた。その結果
を図3に示す。酸化マグネシウムがもっとも鉛拡散が少
なく、アルミナは他の二つのセラミックに比べ、鉛が深
く拡散した。しかし、酸化マグネシウムは温度変化に対
して不安定で、スループットの点で好ましくない。よっ
て酸化ジルコニウムが信頼性の点でも鉛拡散抑制の点で
より好ましい。
【0022】(実施例3)次に、セラミックの表面性
(平面度,表面粗さ)と、PZTの鉛抜け抑制の効果に
ついて相関を調べた。その結果を表1に示すように、表
面粗さが70μmと20μmの遮蔽板は、あまりPZT
からの鉛抜け抑制の効果は見られなかったが、表面粗さ
7μmで平面度が0.05μm以下のセラミック板では
遮蔽効果がよく確認できた。
【0023】
【表1】
【0024】(実施例4)図4(A)に示すように、P
ZT焼成時の遮蔽体として、上部電極層3が印刷された
グリーンシート9を用いることも可能である。グリーン
シート9は、例えば、PZT:Pb(Zr0.52
0.48)O3に、バインダ:ポリビニルブチラール、溶
媒:トルエン、可塑剤:ブチルフタリルブチルグリコレ
ートなどを混合したスラリーをドクターブレード装置を
用いてグリーンシートを形成する。グリーンシート上に
上部電極層3となる白金電極層をスクリーン印刷によっ
て、圧電材料層4に対応して5μm形成する。
【0025】図4(B)のPZTペースト乾燥後の下部
構造(PZT圧電材料層/下部電極層/基体)に上部構
造(グリーンシート/上部電極層)を貼り合わせ、これ
ら積層体を140℃、60kg/cm2で60分間熱圧
着した後、焼成炉において大気中で900〜1100℃
で2時間焼成する。グリーンシートによって上電極/圧
電材料層/下電極が覆われることにより、PZTからの
鉛抜けを抑制でき、かつ上下電極間に短絡を防止するこ
とができる。
【0026】(実施例5)図5に本発明が適用可能なイ
ンクジェット圧電ヘッドの概略図を示す。インクジェッ
トヘッドの圧力室を形成する基板は、水晶でも酸化マグ
ネシウムでも、単結晶であれば異方性エッチングが可能
であり、セラミックスでもICPエッチングにより微少
な加工が可能である。一方、圧力室を形成基板にシリコ
ン基板を用いる場合、シリコン異方性エッチングがマイ
クロマシニング技術で確立されており、容易に圧力室を
形成することができる利点がある。
【0027】厚さが300μm、面方位が(110)面
のシリコン基板(基体)1にインクを吐出させるための
圧力室5を形成する。耐シリコンエッチング膜となる酸
化シリコン膜を熱酸化法により形成後、膜上にレジスト
をスピンコートにより塗布し、フォトリソグラフィ技術
を用いて凹部を形成するためのレジストパターンを形成
する。耐シリコンエッチング膜には酸化シリコンだけで
なく、窒化シリコン,金属等シリコンエッチング液に対
して耐食性を示す膜であればよい。フッ酸系エッチング
液にて酸化シリコン膜をエッチング後、さらに90℃の
40%KOH水溶液に浸し、異方性エッチングで295
μmエッチングし、凹部を形成する。残ったシリコン基
板上の酸化シリコン膜はフッ酸系エッチング液にて剥離
する。エッチング量はあらかじめKOH水溶液の濃度,
温度,浸透時間を制御することにより、凹部のエッチン
グ量を制御することができる。
【0028】圧力室が形成されたシリコン基板上に、鉛
拡散防止の中間層10を形成する。中間層10としては
圧電材料層に含有される鉛等の拡散を防ぐ緻密な材料で
あるだけでなく、高い靭性・機械的強度,シリコン基板
との密着性を持つことが求められ、イットリウム,セリ
ウム,マグネシウム,カルシウムの酸化物で安定化され
た酸化ジルコニウム膜が好ましい。酸化ジルコニウム膜
の形成は、ターゲッドに焼結体イットリウム安定化ジル
コニウム8mol%Y23-ZrO2を用いて、RFマグ
ネトロンスパッタリングにより行う。ガス圧0.1Pa
〜2Pa(AtとO2を導入)、放電圧力80〜150
W、基板温度750〜850℃の成膜条件で、膜厚0.
2〜2μm形成する。
【0029】中間層上に、白金ペーストをスクリーン印
刷し、下部電極2を5μm形成する。続いて下部電極上
にPZT、例えば、Nb0.5mol%添加Pb(Zr
0.52Ti0.48)O3を厚さ20μmスクリーン印刷し、
150℃で30分間乾燥する。乾燥後、イットリウム等
によって部分安定化または完全安定化された板厚1mm
の酸化ジルコニウム板を電圧材料層4上に接するように
配置する。PZT上に配置する酸化ジルコニウム板8の
表面特性は、接触面において十分な鉛蒸気圧を保つた
め、平面度0.05mm以内、表面粗さ(Rmax)0.
007mm以下であることが望ましい。その後焼成炉に
おいて、大気中で900〜1100℃の温度で2時間焼
成する。PZT焼成後、上部電極層3をスクリーン印刷
で焼き付けにより形成したり、また、金,銅,スズ等の
メッキ可能材料を成膜後、金−スズ、鉛−スズ等のメッ
キを施す。そして、ステンレス等で作成されたノズルプ
レート6を圧力室に対応して接合し、インクジェット圧
電ヘッドを作成することができる。
【0030】
【発明の効果】請求項1に対応する効果:遮蔽体により
圧電素子ユニットを挟み込んで加熱・焼成するため、焼
成時に発生する圧電材料から構成する元素または分子の
抜けを抑制することができ、圧電定数が大きく高性能の
圧電素子ユニットを低コストで提供することができる。
【0031】請求項2に対応する効果:遮蔽体に焼成温
度で安定性の高いセラミック材料からなる板を用いるこ
とにより、容易に信頼性の高い圧電素子ユニットを得る
ことができる。
【0032】請求項3に対応する効果:遮蔽板に表面性
の良いセラミック板を用いることにより、より信頼性の
高い圧電素子ユニットを提供することができる。
【0033】請求項4に対応する効果:遮蔽体にグリー
ンシート等を用いて、圧電材料を遮蔽することにより、
より効果的に焼成時に発生する圧電材料から構成する元
素または分子の抜けを抑制することができ、高性能で信
頼性の高い圧電素子ユニットを提供することができる。
【0034】請求項5及び7に対応する効果:シリコン
基体と圧電素子ユニット間に1層以上からなる中間層を
配置させたため、シリコン基体中への鉛の拡散を防止す
ることができる。
【0035】請求項6に対応する効果:インクジェット
(圧電)ヘッドを、請求項1または4のいずれかに記載
された製造方法で製造された圧電素子ユニットを用いて
製造することにより、低コストで信頼性の高いヘッドを
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用可能な圧電素子ユニットの概略
断面図図である。
【図2】 本発明の圧電素子ユニットを用いたインクジ
ェット圧電ヘッドの概略断面図である。
【図3】 セラミック板中の鉛の深さ方向とPb濃度と
の関係を示す図である。
【図4】 遮蔽体としてグリーンシートを用いた圧電素
子ユニットの概略断面図である。図4(A)はグリーン
シートの形成を、また、図4(B)はグリーンシトを持
った圧電素子ユニットの製造方法を説明するための図で
ある。
【図5】 本発明を適用可能な他のインクジェット圧電
ヘッドの概略断面図である。
【符号の説明】
1…基体、2,3…電極、4…圧電材料層(圧電体)、
5…圧力室、6…ノズルプレート、7…ノズル、8…遮
蔽体、9…グリーンシート、10…中間層。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に配置された下部電極上に圧電材
    料をスクリーン印刷し、その後前記圧電材料を加熱・焼
    成して圧電体を形成する際、前記圧電材料及び基体を遮
    蔽体によって挟み込むことにより、加熱・焼成雰囲気中
    での前記圧電材料の構成元素又は分子の蒸気圧を高くす
    ることを特徴とする圧電素子ユニットの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された圧電素子ユニット
    の製造方法において、前記遮蔽体は酸化マグネシウム,
    アルミナ,セラミックスや、イットリウム,セリウム,
    マグネシウム,カルシウムの酸化物を少なくとも一つ含
    んだ部分安定化または完全安定化された酸化ジルコニウ
    ムからなるセラミック板であることを特徴とする圧電素
    子ユニットの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載された圧電素子ユニット
    の製造方法において、前記セラミック板は平面度0.0
    5mm以内、表面荒さ(Rmax)7μm以下であるこ
    とを特徴とした圧電素子ユニットの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載された圧電素子ユニット
    の製造方法において、前記遮蔽体は、基体上に予め印刷
    形成された圧電材料層に対応して、電極パターンを印刷
    したグリーンシートを張り合わせて形成しかつ、上部電
    極を同時に形成するものであることを特徴とする圧電素
    子ユニットの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれに記載された圧
    電素子ユニットの製造方法において、前記基体がシリコ
    ン単結晶であり、かつ前記基体と圧電素子ユニット間に
    1層以上からなる中間層を配置させたことを特徴する圧
    電素子ユニットの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至4項のいずれかに記載され
    た製造方法によって製造された圧電素子ユニットを備え
    たインクジェットヘッドであって、エッチングにより圧
    電材料層と対応して形成された圧力室とを備え、圧電体
    に電圧を加え、圧力室内のインクをノズルより吐出させ
    ることにより記録を行うことを特徴とするインクジェッ
    トヘッド。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載された前記基体がシリコ
    ン単結晶であり、かつ前記基体と圧電素子ユニット間に
    1層以上からなる中間層を配置させたことを特徴とした
    インクジェットヘッド。
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