JP2000036110A - 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法

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JP2000036110A JP20321698A JP20321698A JP2000036110A JP 2000036110 A JP2000036110 A JP 2000036110A JP 20321698 A JP20321698 A JP 20321698A JP 20321698 A JP20321698 A JP 20321698A JP 2000036110 A JP2000036110 A JP 2000036110A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気抵抗効果素子とシールド層との間の絶縁
層を厚くすることなく、磁気抵抗効果素子に接続される
引き出し電極層とシールド層との間の絶縁性能を向上さ
せる。 【解決手段】 下部シールド層3に凹部3aを形成した
後、アルミナよりなる絶縁膜5を約500nmの厚みに
形成する。続いて、全面に導電材料として銅(Cu)を
スパッタ法により2〜3μmの厚さに堆積した後、CM
P(Chemical andMechanical Polishing : 化学的機械
研磨)により下部シールド層3の表面が露出するまで研
磨し、平坦化処理を行う。これにより、引き出し電極層
6aが、厚い絶縁膜5によって下部シールド層3に対し
て絶縁された状態で、下部シールド層3の凹部3a内に
形成される。引き出し電極層6aと下部シールド層3と
の間の絶縁性能は極めて高く、引き出し電極層6aと下
部シールド層3との間において、パーティクルや膜のピ
ンホール等による磁気的および電気的な絶縁の不良をな
くすことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも読み出
し用の磁気抵抗効果素子を有する薄膜磁気ヘッドおよび
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ハードディスク装置の面記録密度
の向上に伴って、薄膜磁気ヘッドの性能向上が求められ
ている。薄膜磁気ヘッドとしては、書き込み用の誘導型
磁気変換素子を有する記録ヘッドと読み出し用の磁気抵
抗(以下、MR(Magneto Resistive )とも記す。)素
子を有する再生ヘッドとを積層した構造の複合型薄膜磁
気ヘッドが広く用いられている。MR素子としては、異
方性磁気抵抗(以下、AMR(Anisotropic Magneto Re
sistive )と記す。)効果を用いたAMR素子と、巨大
磁気抵抗(以下、GMR(Giant Magneto Resistive )
と記す。)効果を用いたGMR素子とがあり、AMR素
子を用いた再生ヘッドはAMRヘッドあるいは単にMR
ヘッドと呼ばれ、GMR素子を用いた再生ヘッドはGM
Rヘッドと呼ばれる。AMRヘッドは、面記録密度が1
ギガビット/(インチ)2 を超える再生ヘッドとして利
用され、GMRヘッドは、面記録密度が3ギガビット/
(インチ)2 を超える再生ヘッドとして利用されてい
る。
【0003】AMRヘッドは、AMR効果を有するAM
R膜を備えている。GMRヘッドは、AMR膜を、GM
R効果を有するGMR膜に置き換えたもので、構造上は
AMRヘッドと同様である。ただし、GMR膜は、AM
R膜よりも、同じ外部磁界を加えたときに大きな抵抗変
化を示す。このため、GMRヘッドは、AMRヘッドよ
りも、再生出力を3〜5倍程度大きくすることができる
と言われている。
【0004】一般的に、AMR膜は、MR効果を示す磁
性体を膜としたもので、単層構造になっている。これに
対して、多くのGMR膜は、複数の膜を組み合わせた多
層構造になっている。GMR効果が発生するメカニズム
にはいくつかの種類があり、そのメカニズムによってG
MR膜の層構造が変わる。GMR膜としては、超格子G
MR膜、グラニュラ膜、スピンバルブ膜等が提案されて
いるが、比較的構成が単純で、弱い磁界でも大きな抵抗
変化を示し、量産を前提とするGMR膜としては、スピ
ンバルブ膜が有力である。このように、再生ヘッドは、
例えば、MR膜をAMR膜からGMR膜等の磁気抵抗感
度の優れた構造に変えることで、容易に、性能を向上さ
せることができる。
【0005】ここで、図17ないし図24を参照して、
従来の薄膜磁気ヘッドの製造方法の一例として、複合型
薄膜磁気ヘッド(AMRヘッド)の製造方法の一例につ
いて説明する。なお、図17ないし図21はエアベアリ
ング面(ABS)に垂直な断面の拡大構造を、また、図
22ないし図24では、(a)がエアベアリング面に垂
直な断面構造を示し、(b)は磁極部分のエアベアリン
グ面に平行な断面構造をそれぞれ示している。
【0006】まず、図17に示したように、例えばアル
ティック(Al2 3 ・TiC)よりなる基板101上
に、例えばアルミナ(Al2 3 )よりなる絶縁層10
2を、約5〜10μm程度の厚みで堆積する。次に、絶
縁層102上に、磁性材料よりなる再生ヘッド用の下部
シールド層103を、2〜3μmの厚みに形成する。次
に、下部シールド層103上に、例えばアルミナまたは
チッ化アルミニウムを50〜100nmの厚みにスパッ
タ堆積し、絶縁層としての下部シールドギャップ膜10
4を形成する。次に、下部シールドギャップ膜104上
に、バイアス磁界印加用のSAL(Soft Adjacent Laye
r)膜105a、磁気分離膜としてのタンタル(Ta)膜
105bおよびAMR膜105cを、この順で、数十n
mの厚みに形成する。
【0007】次に、図18に示したように、AMR膜1
05c上に選択的にフォトレジストパターン106aを
形成する。このとき、リフトオフを容易に行うことがで
きるような形状、例えば断面形状がT型のフォトレジス
トパターン106aを形成する。次に、フォトレジスト
パターン106aをマスクとして、例えばイオンミリン
グによってAMR膜105c、タンタル(Ta)膜10
5bおよびSAL膜105aをテーパ形状にエッチング
してAMR素子105を形成する。
【0008】次に、図19に示したように、下部シール
ドギャップ膜104上に、フォトレジストパターン10
6aをマスクとして、AMR膜105cに電気的に接続
される一対の引き出し電極層107aを、数十nmの厚
みに形成する。この引き出し電極層107aはリード電
極であり、AMR膜105cの端部近傍(側端面および
表面の両端領域)を覆うように形成される。引き出し電
極層107aは、例えばチタン・タングステン合金(T
iW)により形成される。
【0009】次に、図20に示したように、フォトレジ
ストパターン106aをリフトオフする。次に、図20
では図示しないが、引き出し電極層107aに電気的に
接続される一対の引き出し電極層107b(図22
(b)参照)を、100〜300nmの厚みで、所定の
パターンに形成する。引き出し電極層107bは、例え
ば、銅(Cu)によって形成される。
【0010】次に、図21に示したように、下部シール
ドギャップ膜104およびAMR膜105c上に、絶縁
層としての上部シールドギャップ膜108を、50〜1
50nmの厚みに形成し、AMR膜105cをシールド
ギャップ膜104,108内に埋設する。次に、上部シ
ールドギャップ膜108上に、磁性材料からなり、再生
ヘッドと記録ヘッドの双方に用いられる上部シールド層
兼下部磁極(以下、上部シールド層と記す。)109
を、約3μmの厚みに形成する。
【0011】次に、図22に示したように、上部シール
ド層109上に、絶縁膜、例えばアルミナ膜よりなる記
録ギャップ層110を、0.2〜0.3μmの厚みに形
成し、この記録ギャップ層110上に、スロートハイト
を決定するフォトレジスト層106bを、約1.0〜
2.0μmの厚みで、所定のパターンに形成する。次
に、フォトレジスト層106b上に、誘導型の記録ヘッ
ド用の第1層目の薄膜コイル111を、3μmの厚みに
形成する。次に、フォトレジスト層106bおよびコイ
ル111上に、フォトレジスト層106cを所定のパタ
ーンに形成する。次に、フォトレジスト層106c上
に、第2層目の薄膜コイル112を、3μmの厚みに形
成する。次に、フォトレジスト層106cおよび薄膜コ
イル112上に、フォトレジスト層106dを所定のパ
ターンに形成する。
【0012】次に、図23に示したように、薄膜コイル
111,112よりも後方(図23における右側)の位
置において、磁路形成のために、記録ギャップ層110
を部分的にエッチングして開口110aを形成する。次
に、記録ギャップ層110、フォトレジスト層106b
〜106d上に、記録ヘッド用の磁性材料、例えばパー
マロイ(NiFe)またはFeNよりなる上部磁極11
3を、約3μmの厚みに形成する。上部磁極113は、
薄膜コイル111,112よりも後方の位置において、
開口110aを介して上部シールド層(下部磁極)10
9と接触し、磁気的に連結される。
【0013】次に、図24に示したように、上部磁極1
13をマスクとして、イオンミリングによって、記録ギ
ャップ層110と上部シールド層(下部磁極)109を
エッチングする。次に、上部磁極113上に、例えばア
ルミナよりなるオーバーコート層114を、20〜30
μmの厚みに形成する。最後に、スライダの機械加工を
行って、記録ヘッドおよび再生ヘッドのエアベアリング
面を形成して、薄膜磁気ヘッドが完成する。図24に示
したように、上部磁極113、記録ギャップ層110お
よび上部シールド層(下部磁極)109の一部の各側壁
が垂直に自己整合的に形成された構造は、トリム(Tri
m)構造と呼ばれる。このトリム構造によれば、狭トラ
ックの書き込み時に発生する磁束の広がりによる実効ト
ラック幅の増加を防止することができる。
【0014】図25は、上述のようにして製造された薄
膜磁気ヘッドの平面図である。なお、図25では、オー
バーコート層114を省略している。図26は、下部シ
ールドギャップ膜104(図示せず)上に、AMR素子
105、引き出し電極層107a,107bを形成した
後の状態を示す平面図である。なお、図22ないし図2
4における(a)は、図25におけるA−A′線断面を
表し、(b)は、図25におけるB−B′線断面を表し
ている。
【0015】図17ないし図24、図25および図26
から分かるように、従来の薄膜磁気ヘッドでは、AMR
素子105をシールドするための下部シールド層103
と上部シールド層109との間に、広い領域にわたっ
て、極めて薄い下部シールドギャップ膜104(図示せ
ず)、上部シールドギャップ膜108(図示せず)を介
して、AMR素子105に接続された引き出し電極層1
07a,107bが介挿された構造になっている。その
ため、引き出し電極層107a,107bとシールド層
103,109との間のシールドギャップ膜104,1
08に、高い絶縁性能が求められる。また、この絶縁性
能が、薄膜磁気ヘッドの歩留りを大きく左右していた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ところで、再生ヘッド
の性能が向上してくると、サーマルアスピリティ(Ther
mal Asperity)が問題となってくる。サーマルアスピリ
ティとは、再生時における再生ヘッドの自己発熱による
再生特性の劣化のことである。このサーマルアスピリテ
ィを克服するため、従来は、下部シールド層103やシ
ールドギャップ膜104,108の材料として冷却効率
の優れた材料が求められていた。そのため、従来、下部
シールド層103には、パーマロイ(NiFe)やセン
ダスト(AlSiFe)等の磁性材料が用いられてい
た。また、シールドギャップ膜104,108は、アル
ミナ等を例えば100〜150nmの厚みでスパッタに
よって形成していた。そして、このシールドギャップ膜
104,108によって、AMR素子105および引き
出し電極層107a,107bとシールド層103,1
09との間の磁気的および電気的な絶縁を得るようにな
っていた。
【0017】また、再生ヘッドの性能を向上させるに
は、サーマルアスピリティの克服が避けられないことか
ら、最近では、シールドギャップ膜104,108の厚
みを、例えば50〜100nmにする等、どんどん薄く
することによって、AMR素子105の冷却効率を上げ
て、サーマルアスピリティを克服する方法が採られてい
た。
【0018】しかしながら、シールドギャップ膜10
4,108はスパッタによって形成するため、パーティ
クル(微粒子)や膜のピンホールによって、AMR素子
105および引き出し電極層107a,107bと、シ
ールド層103,109との間の磁気的および電気的な
絶縁の不良が発生しやすく、これは、シールドギャップ
膜104,108を薄くすると、より顕著になるという
問題点がある。
【0019】また、再生ヘッドの出力特性を向上させる
には、磁気抵抗効果素子における微小な抵抗変化に対応
する微小な出力信号変化を検出できるように、磁気抵抗
効果素子に接続される電極の配線抵抗は低いほどよい。
そのため、従来は、引き出し電極層107bは、大面積
となるように設計される場合が多い。しかしながら、そ
うすると、引き出し電極層107bとシールドギャップ
膜104,108が対向する部分の面積も大きくなり、
上述のようにシールドギャップ膜104,108が薄い
場合には、引き出し電極層107bとシールド層10
3,109との間の磁気的および電気的な絶縁の不良が
より多く発生しやすいという問題点がある。
【0020】また、上述のように、再生ヘッドの出力特
性を向上させるために、磁気抵抗効果素子に接続される
電極の配線抵抗は低いことが望まれるが、従来の薄膜磁
気ヘッドでは、シールド層103,109間に介挿され
た、厚みが50〜100nm程度の薄い引き出し電極層
107a,107bによって電極が形成されているた
め、電極の配線抵抗を低くするのには限界があるという
問題があった。
【0021】また、薄膜磁気ヘッドでは、狭トラック幅
が要求されることから、磁気抵抗効果素子も微小なもの
が要求される。特に、GMRヘッドになると、微小なG
MR素子の出力信号を正確に読み取る必要がある。その
ためには、誘導型の記録ヘッドにおけるコイル等の内部
要因やハードディスク装置のモータ等の外部要因による
ノイズの低減を図る必要がある。しかしながら、従来の
薄膜磁気ヘッドでは、電極層107bにノイズが乗り、
このノイズが再生ヘッドの性能を劣化させるおそれがあ
るという問題があった。
【0022】なお、例えば、特開平6−180825号
公報には、磁気抵抗効果素子に接する部分の伝導層(引
き出し電極層)に重なるように他の伝導層を追加し、断
面積を増加させることにより配線抵抗を下げる技術、ま
た、特開平7−302414号公報には、磁気抵抗効果
素子に接するリード構造体(引き出し電極層)を高導電
性金属および耐熱性金属を含む構造とする技術が開示さ
れている。しかしながら、いずれの技術も、上述のシー
ルド層と引き出し電極層との間の磁気的および電気的な
絶縁の不良を解消することはできないという問題があ
る。
【0023】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その第1の目的は、磁気抵抗効果素子とシールド
層との間の絶縁層を厚くすることなく、磁気抵抗効果素
子に接続される引き出し電極層とシールド層との間の絶
縁性能を向上させることができるようにした薄膜磁気ヘ
ッドおよびその製造方法を提供することにある。
【0024】本発明の第2の目的は、磁気抵抗効果素子
に接続される引き出し電極層の配線抵抗をより低くでき
るようにした薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法を提供
することにある。
【0025】本発明の第3の目的は、磁気抵抗効果素子
に接続される引き出し電極層に対するノイズの影響を低
減できるようにした薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明による薄膜磁気ヘ
ッドは、磁気抵抗効果素子と、この磁気抵抗効果素子を
挟んで対向するように配置されると共に、磁気抵抗効果
素子をシールドする2つのシールド層と、磁気抵抗効果
素子と各シールド層との間に設けられた絶縁層と、磁気
抵抗効果素子に電気的に接続される引き出し電極層とを
備えた薄膜磁気ヘッドであって、一方のシールド層に凹
部が設けられ、凹部内に、引き出し電極層の少なくとも
一部が一方のシールド層に対して絶縁された状態で配置
されているように構成したものである。
【0027】この薄膜磁気ヘッドでは、シールド層に設
けられた凹部内に、磁気抵抗効果素子に接続される引き
出し電極層の少なくとも一部が、シールド層に対して絶
縁された状態で配置されているため、磁気抵抗効果素子
とシールド層との間の絶縁層を厚くすることなく、引き
出し電極層とシールド層との間の絶縁性能が向上する。
【0028】本発明による薄膜磁気ヘッドでは、一方の
シールド層と引き出し電極層は、例えば、これらの間に
設けられた絶縁膜によって絶縁される。また、この絶縁
膜は凹部内の底面から側壁面にかけて形成されているこ
とが好ましい。
【0029】また、本発明による薄膜磁気ヘッドでは、
一方のシールド層、絶縁膜および引き出し電極層それぞ
れの表面が互いに同一面をなすように平坦化されている
ことが望ましい。
【0030】更に、本発明による薄膜磁気ヘッドでは、
一方のシールド層はシード層を用いためっき法により形
成され、シールド層に形成された凹部の底部はシード層
に対して絶縁された状態で覆われているようにしてもよ
い。
【0031】また、本発明による薄膜磁気ヘッドでは、
更に、磁気抵抗効果素子に接すると共に少なくとも一部
が引き出し電極層に重なるように配設された他の引き出
し電極層を有し、この引き出し電極層は他の引き出し電
極層を介して磁気抵抗効果素子に電気的に接続されてい
るようにしてもよい。
【0032】更に、本発明による薄膜磁気ヘッドでは、
更に、磁気的に連結され、且つ記録媒体に対向する側の
一部がギャップ層を介して互いに対向する磁極部分を含
み、それぞれ少なくとも1つの層からなる2つの磁性層
と、この2つの磁性層の間に配設された薄膜コイルとを
有する誘導型磁気変換素子を備えるようにしてもよい。
【0033】また、本発明による薄膜磁気ヘッドでは、
凹部の少なくとも一部は、誘導型磁気変換素子における
2つの磁性層および薄膜コイルに対向する領域の周囲に
配置されているようにしてもよい。
【0034】更に、本発明による薄膜磁気ヘッドでは、
引き出し電極層の少なくとも一部をシールドするための
電極シールド層を備えるようにしてもよい。
【0035】また、本発明による薄膜磁気ヘッドでは、
一方のシールド層は、磁気抵抗効果素子に対向する部分
と、磁気抵抗効果素子に対向しない部分とに分割されて
いるようにしてもよい。
【0036】本発明による薄膜磁気ヘッドの製造方法
は、磁気抵抗効果素子と、この磁気抵抗効果素子を挟ん
で対向するように配置され、磁気抵抗効果素子をシール
ドするための2つのシールド層と、磁気抵抗効果素子と
各シールド層との間に設けられた絶縁層と、磁気抵抗効
果素子に電気的に接続される引き出し電極層とを備えた
薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、一方のシールド層
を形成する工程と、一方のシールド層に引き出し電極層
の少なくとも一部を配置するための凹部を形成する工程
と、引き出し電極の少なくとも一部を、凹部内に、一方
のシールド層に対して絶縁された状態で配置する工程と
を含むものである。
【0037】本発明による薄膜磁気ヘッドの製造方法で
は、例えば、凹部と引き出し電極層との間に絶縁膜を形
成することにより、引き出し電極層と一方のシールド層
との間を絶縁させることができる。この絶縁膜は、凹部
内の側壁面および底面に形成することが望ましい。
【0038】また、本発明による薄膜磁気ヘッドの製造
方法では、互いに同一面をなすように、一方のシールド
層、絶縁膜および引き出し電極層それぞれの表面を平坦
化する工程を含むことが望ましい。
【0039】更に、本発明による薄膜磁気ヘッドの製造
方法では、一方のシールド層の上に磁気抵抗効果素子を
形成した後、磁気抵抗効果素子に接すると共に少なくと
も一部が引き出し電極層に重なるように他の引き出し電
極層を形成する工程を含み、引き出し電極層を他の引き
出し電極層を介して磁気抵抗効果素子に電気的に接続さ
せるようにしてもよい。
【0040】また、本発明による薄膜磁気ヘッドの製造
方法では、更に、磁気的に連結され、且つ記録媒体に対
向する側の一部がギャップ層を介して互いに対向する磁
極部分を含み、それぞれ少なくとも1つの層からなる2
つの磁性層と、この2つの磁性層の間に配設された薄膜
コイルとを有する誘導型磁気変換素子を形成する工程を
含むようにしてもよい。
【0041】更に、本発明による薄膜磁気ヘッドの製造
方法では、凹部の少なくとも一部を、誘導型磁気変換素
子における2つの磁性層および薄膜コイルに対向する領
域の周囲に配置するようにしてもよい。
【0042】また、本発明による薄膜磁気ヘッドの製造
方法では、引き出し電極層の少なくとも一部をシールド
するための電極シールド層を形成する工程を含むように
してもよい。
【0043】更に、本発明による薄膜磁気ヘッドの製造
方法では、引き出し電極層の少なくとも一部をシールド
するための電極シールド層を、誘導型磁気変換素子にお
ける一方の磁性層を形成する際に同時に形成する工程を
含むようにしてもよい。
【0044】また、本発明による薄膜磁気ヘッドの製造
方法では、凹部が形成されるシールド層を、磁気抵抗効
果素子に対向する部分と、磁気抵抗効果素子に対向しな
い部分とに分割して形成するようにしてもよい。
【0045】また、本発明による薄膜磁気ヘッドの製造
方法では、凹部を、シールド層を選択的にドライエッチ
ングすることにより形成するようにしてもよい。
【0046】更に、本発明による薄膜磁気ヘッドの製造
方法では、引き出し電極層を、凹部が形成されたシール
ド層の表面に形成した後、研磨することにより凹部内に
埋め込むようにしてもよい。
【0047】また、本発明による薄膜磁気ヘッドの製造
方法では、凹部が形成されるシールド層を、めっき法に
より形成するようにしてもよく、更に、凹部が形成され
るシールド層を、めっき法により形成するようにしても
よい。
【0048】また、本発明による薄膜磁気ヘッドの製造
方法では、シールド層を形成する工程の前に、シールド
層形成のための電極膜となるシード層をスパッタ法によ
り成膜する工程を含むようにしてもよい。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0050】〔第1の実施の形態〕まず、図1ないし図
6を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁
気ヘッドの製造方法としての、AMRの複合型薄膜磁気
ヘッドの製造方法について説明する。
【0051】本実施の形態では、まず、図1に示したよ
うに、例えばアルティック(Al23 ・TiC)より
なる基板1の上に、例えばアルミナ(Al2 3 )より
なる絶縁層2を、約5〜10μmの厚みで堆積する。続
いて、図示しないが、絶縁層2の上に、下部シールド層
をめっき法にて形成する際に使用される電極膜としての
シード層を、パーマロイ(NiFe)のスパッタによっ
て形成する。
【0052】次に、フォトレジスト膜をマスクとして、
例えばイオンミリングにより、シード層を選択的にエッ
チングして、下部シールド層を形成すべき領域以外の領
域におけるシード層を除去する。続いて、シード層の上
に、フォトレジスト膜をマスクとして、めっき法にて、
磁性材料、例えばパーマロイ(NiFe)を約2〜3μ
mの厚みで選択的に形成して、再生ヘッド用の下部シー
ルド層3を形成する。下部シールド層3は、本発明にお
ける「一方のシールド層」に対応する。
【0053】次に、下部シールド層3上にフォトレジス
ト膜4を形成し、このフォトレジスト膜4をマスクとし
たドライエッチング、例えばイオンビームエッチングに
より下部シールド層3に、例えば幅1〜3μm、深さ1
〜2μmの凹部3aを形成する。
【0054】次に、図2に示したように、凹部3aが形
成された下部シールド層3の全面に、例えばアルミナよ
りなる絶縁膜5を約500nmの厚みに形成する。続い
て、全面に導電材料、例えば銅(Cu)を、例えばスパ
ッタ法により2〜3μmの厚さに堆積した後、例えばC
MP(Chemical and Mechanical Polishing : 化学的機
械研磨)により下部シールド層3の表面が露出するまで
研磨し、平坦化処理を行う。これにより、凹部3a内に
埋め込まれた引き出し電極層6aが形成される。この引
き出し電極層6aが、本発明の「引き出し電極層」に対
応している。
【0055】なお、この平坦化処理はCMPの他に、機
械的な研磨法により行ってもよい。また、ここでは、引
き出し電極層6aを、銅(Cu)を堆積し平坦化処理を
行うことにより形成しているが、めっき法により銅を凹
部3a内に正確に埋め込むことにより形成するようにし
てもよい。
【0056】このように、引き出し電極層6aは、例え
ば500nmの厚みの絶縁膜5によって下部シールド層
3に対して絶縁された状態で、下部シールド層3の凹部
3a内に形成される。従って、引き出し電極層6aと下
部シールド層3との間の絶縁性能は極めて高く、引き出
し電極層6aと下部シールド層3との間において、パー
ティクルや膜のピンホール等による磁気的および電気的
な絶縁の不良をなくすことができる。
【0057】次に、図3に示したように、下部シールド
層3、引き出し電極層6aおよび絶縁膜5の上に、スパ
ッタにより、チッ化アルミニウムやアルミナ等の絶縁材
を、約50〜100nmの厚みに形成して、下部シール
ドギャップ膜7を形成する。下部シールドギャップ膜7
が本発明における「一方の絶縁層」に対応している。下
部シールドギャップ膜7を形成する際には、予め、後述
する引き出し電極層6bと引き出し電極層6aとを電気
的に接続するためのコンタクトホールを形成する部分
に、リフトオフを容易に行うことができるように、例え
ばT型のフォトレジストパターンを形成しておき、下部
シールドギャップ膜7を形成した後、フォトレジストパ
ターンをリフトオフすることにより、コンタクトホール
7aを形成する。なお、コンタクトホール7aは、フォ
トリソグラフィを用いて、下部シールドギャップ膜7の
一部を選択的にエッチングすることにより形成してもよ
い。
【0058】次に、下部シールドギャップ膜7の上に、
例えばスパッタ法により、SAL(Soft Adjacent Laye
r)膜8a、タンタル(Ta)膜8bおよびAMR膜8c
をこの順で、数十nmの厚みに形成する。
【0059】SAL膜8aは横バイアス磁界印加用の磁
性膜であり、具体的には、軟磁性膜、例えば、ニッケル
・鉄・クロム合金(NiFeCr)やコバルト・ニオブ
合金(CoNb)などの材料が用いられる。タンタル膜
8bは磁気分離膜として機能する膜である。AMR膜8
cは磁気抵抗効果膜であり、例えば、パーマロイ(Ni
Fe)などの高飽和磁性材料を用いて形成される。な
お、ここでは図示しないが、引き出し電極層の下に、縦
バイアス磁界印加用の永久磁石層(ハードマグネティッ
クフィルム)を設けるようにしてもよい。
【0060】次に、このAMR膜8cの上にフォトレジ
ストパターン9を形成する。このとき、リフトオフを容
易に行うことができるように、例えばT型のフォトレジ
ストパターン9を形成する。次に、フォトレジストパタ
ーン9をマスクとして、イオンビームエッチング、例え
ばAr(アルゴン)系のガスを用いたイオンミリング法
によって、例えば15〜30°の傾斜角度を有する傾斜
(テーパ)面が形成されるように、AMR膜8c、タン
タル(Ta)膜8bおよびSAL膜8aを斜め方向から
エッチングしてAMR素子8のパターンを形成する。こ
のようにAMR素子8に傾斜面を形成することにより、
AMR素子8と後述の引き出し電極層6bとの間の接触
抵抗が良好になる。
【0061】次に、下部シールドギャップ膜7の上に、
同じフォトレジストパターン9をマスクとして、AMR
素子8に電気的に接続される一対の引き出し電極層6b
を、スパッタ法により、100〜200nmの厚みに形
成する。この引き出し電極層6bは、下部シールドギャ
ップ膜7からAMR素子8の側端面5にかけて接すると
共に、AMR素子8の表面(すなわち、AMR膜8cの
表面)の両端部領域を覆うように形成される。また、こ
の引き出し電極層6bは、下部シールドギャップ膜7に
形成されたコンタクトホール7aを介して、引き出し電
極層6aに対して電気的に接続される。これら引き出し
電極層6a,6bによりAMR素子8に接続される電極
(リード)が構成される。
【0062】なお、この引き出し電極層6bは、例え
ば、タンタル(Ta)と金(Au)との積層膜、チタン
・タングステン合金(TiW)とコバルト・白金合金
(CoPt)の積層膜、窒化チタン(TiN)とコバル
ト・白金合金(CoPt)との積層膜等により形成され
る。なお、引き出し電極層6bが本発明における「他の
引き出し電極層」に対応している。
【0063】次に、図4に示したように、フォトレジス
トパターン9をリフトオフする。これによりフォトレジ
ストパターン9と共に引き出し電極層6bのうちの不要
な部分が除去される。
【0064】次に、図5に示したように、AMR素子8
および引き出し電極層6bの上に、スパッタ法により、
窒化アルミニウムやアルミナ等の絶縁材を、約50〜1
00nmの厚みに形成して、絶縁層としての上部シール
ドギャップ膜10を形成して、AMR素子8をシールド
ギャップ膜7,10内に埋設する。上部シールドギャッ
プ膜10が本発明の「他方のシールドギャップ膜」に対
応している。
【0065】次に、図6に示したように、上部シールド
ギャップ膜10の上に、磁性材料からなり、再生ヘッド
と記録ヘッドの双方に用いられる上部シールド層兼下部
磁極(以下、上部シールド層と記す。)11を形成す
る。この上部シールド層11は、パーマロイ(NiF
e)や、窒化鉄(FeN)やその化合物、Fe−Co−
Zrのアモルファス等の高飽和磁束密度材を用いて形成
してもよいし、パーマロイと高飽和磁束密度材を重ねて
形成してもよい。この上部シールド層11が本発明の
「他方のシールド層」に対応している。
【0066】その後、図示しないが、この上部シールド
層11上に、記録ギャップ層、薄膜コイルおよび上部磁
極からなる誘導型磁気変換素子を形成することにより、
AMRの複合型薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0067】このように本実施の形態では、引き出し電
極層6aが、例えば500nmの厚みの絶縁膜5によっ
て下部シールド層3に対して絶縁された状態で、下部シ
ールド層3の凹部3a内に形成される。従って、引き出
し電極層6aと下部シールド層3との間の絶縁性能は極
めて高く、引き出し電極層6aと下部シールド層3との
間において、パーティクルや膜のピンホール等による磁
気的および電気的な絶縁の不良をなくすことができる。
【0068】〔第2の実施の形態〕図7ないし図12は
本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造
方法としての、GMRの複合型薄膜磁気ヘッドの製造方
法について説明する。ここで、図7ないし図12におい
て、(a)はエアベアリング面に垂直な断面を示し、
(b)は磁極部分のエアベアリング面に平行な断面を示
している。なお、第1の実施の形態と同一の構成要素に
ついては同一の符号を付して以下、説明する。
【0069】本実施の形態に係る製造方法では、まず、
図7に示したように、例えばアルティック(Al2 3
・TiC)よりなる基板1の上に、例えばアルミナ(A
23 )よりなる絶縁層2を、約5〜10μmの厚み
で堆積する。続いて、絶縁層2の上に、膜厚約1.0μ
mのシード層12を、パーマロイ(NiFe)のスパッ
タによって形成する。このシード層12が下部シールド
層をめっき法にて形成する際に使用される電極膜とな
る。
【0070】次に、フォトレジスト膜をマスクとして、
例えばイオンミリングにより、シード層12を選択的に
エッチングして、下部シールド層および後述の凹部を形
成すべき領域以外の領域におけるシード層12を除去す
る。続いて、シード層の上に、フォトレジスト膜をマス
クとして、めっき法にて、磁性材料、例えばパーマロイ
(NiFe)を約2〜3μmの厚みで選択的に形成し
て、図8に示したように、本発明における一方のシール
ド層に対応する、再生ヘッド用の下部シールド層3を形
成する。
【0071】次に、下部シールド層3上にフォトレジス
ト膜(図示せず)を形成し、このフォトレジスト膜をマ
スクとしたドライエッチング、例えばイオンビームエッ
チングにより下部シールド層3に、例えば幅1〜3μ
m、深さ1〜2μmの凹部3aを形成する。このとき凹
部3a内におけるシード層12はエッチングしないよう
にする。
【0072】次に、図9に示したように、凹部3aが形
成された下部シールド層3の全面に、例えばアルミナよ
りなる絶縁膜5を約500nmの厚みに形成する。続い
て、全面に導電材料、例えば銅(Cu)を、例えばスパ
ッタ法により2〜3μmの厚さに堆積した後、例えば機
械研磨またはCMPにより下部シールド層3の表面が露
出するまで研磨し、平坦化処理を行う。これにより、凹
部3a内に埋め込まれた、本発明の引き出し電極層に対
応する引き出し電極層6aが形成される。なお、前述の
ように、引き出し電極層6aはめっき法により形成して
もよい。
【0073】このように、引き出し電極層6aは、例え
ば500nmの厚みの絶縁膜5によって下部シールド層
3に対して絶縁された状態で、下部シールド層3の凹部
3a内に形成される。従って、引き出し電極層6aと下
部シールド層3との間の絶縁性能は極めて高く、引き出
し電極層6aと下部シールド層3との間において、パー
ティクルや膜のピンホール等による磁気的および電気的
な絶縁の不良をなくすことができる。
【0074】次に、図10に示したように、下部シール
ド層3、引き出し電極層6aおよび絶縁膜5の上に、ス
パッタにより、窒化アルミニウムやアルミナ等の絶縁材
を、約50〜100nmの厚みに形成して、本発明の一
方のシールドギャップ膜としての下部シールドギャップ
膜7を形成する。下部シールドギャップ膜7を形成する
際には、ここでは図示しないが、第1の実施の形態と同
様に、予め、後述する引き出し電極層6bと引き出し電
極層6aとを電気的に接続するためのコンタクトホール
を形成する部分に、リフトオフを容易に行うことができ
るように、例えばT型のフォトレジストパターンを形成
しておき、下部シールドギャップ膜7を形成した後、フ
ォトレジストパターンをリフトオフすることにより、コ
ンタクトホールを形成する。
【0075】次に、下部シールドギャップ膜7の上に、
例えばスパッタ法により、GMR素子8′を数10nm
の厚みで形成する。GMR素子8′の構造としては、ス
ピンバルブ型の多層膜を用いる場合には、例えば、パー
マロイ(NiFe)などからなる強磁性層(フリー
層)、銅(Cu)などの非磁性導電層、パーマロイ(N
iFe)やコバルト(Co)を含む合金などからなる強
磁性層(ピンド層)、イリジウム・マンガン合金(Ir
Mn),白金・マンガン合金(PtMn)あるいはニッ
ケル・マンガン合金(Ni・Mn)などからなる反強磁
性層、およびタンタル(Ta)からなる保護層により構
成される積層膜が用いられる。
【0076】次に、このGMR膜8′の上に、リフトオ
フを容易に行うことができる例えばT型のフォトレジス
トパターン(図示せず)を形成する。続いて、このフォ
トレジストパターンをマスクとして、イオンビームエッ
チング、例えばAr(アルゴン)系のガスを用いたイオ
ンミリング法によってGMRパターンを形成する。
【0077】次に、下部シールドギャップ膜7の上に、
同じフォトレジストパターンをマスクとして、GMR素
子8′に電気的に接続される一対の引き出し電極層6b
を、スパッタ法により、100〜200nmの厚みに形
成する。また、この引き出し電極層6bは、下部シール
ドギャップ膜7に形成されたコンタクトホール7aを介
して、引き出し電極層6aに対して電気的に接続され
る。これら引き出し電極層6a,6bによりGMR素子
8′に接続される電極(リード)が構成される。
【0078】次に、フォトレジストパターンをリフトオ
フし、フォトレジストパターンと共に引き出し電極層6
bのうちの不要な部分を除去する。続いて、GMR素子
8′および引き出し電極層6bの上に、スパッタ法によ
り、窒化アルミニウムやアルミナ等の絶縁材を、約50
〜100nmの厚みに形成して、絶縁層としての上部シ
ールドギャップ膜10を形成して、GMR素子8′を下
部シールドギャップ膜7および下部シールドギャップ膜
10内に埋設する。
【0079】次に、図11に示したように、上部シール
ドギャップ膜10の上に、磁性材料からなり、再生ヘッ
ドと記録ヘッドの双方に用いられる上部シールド層兼下
部磁極(上部シールド層)11を形成する。
【0080】その後、全体にアルミナ膜あるいはシリコ
ン酸化膜を、4〜6μmの厚みに形成する。そして、上
部シールド層11の表面が露出するように、全体を平坦
化する。この平坦化は、機械的な研磨やCMP等を用い
て行うことができる。このような平坦化処理を行うこと
により、GMR素子8′のパターンによって上部シール
ド層11に発生する段差がなくなり、上部シールド層1
1の表面が平坦になり、その後に形成される記録ヘッド
の磁極部分の記録ギャップ層を平坦にすることができ
る。その結果、高周波領域における書き込み特性を向上
させることができる。
【0081】次に、図12に示したように、平坦化され
た上部シールド層11の上に、例えばアルミナ膜または
シリコン酸化膜よりなる絶縁膜を1〜2μmの厚みに形
成する。次に、フォトリソグラフィを用いて、絶縁膜を
選択的にエッチングして、スロートハイトを規定するた
めの絶縁層12を形成する。このとき、絶縁層12の磁
極部分側のエッジにテーパ12aを形成する。このテー
パ12aが形成されたエッジがスロートハイトを規定す
る。
【0082】次に、上部シールド層11および絶縁層1
2の上に、アルミナ膜等の絶縁膜よりなる記録ギャップ
層13を形成する。次に、後方(図12における右側)
の位置において、磁路形成のために、記録ギャップ層1
3を部分的にエッチングして開口13aを形成する。次
に、記録ギャップ層13の上に、誘導型の記録ヘッドの
トラック幅を決定する磁極先端部(ポールチップ)14
aと、磁路形成用の磁性層14bを、約3μmの厚みに
形成する。これら磁極先端部14aおよび磁性層14b
は、例えば、NiFe(Ni:50重量%,Fe:50
重量%)を用いてめっき法により形成してもよいし、窒
化鉄(FeN)やその化合物等の高飽和磁束密度材をス
パッタし、パターニングして形成してもよい。なお、磁
極先端部14aの材料としては、上記の例の他に、Ni
Fe(Ni:80重量%,Fe:20重量%)や、Fe
−Co−Zrのアモルファス等の高飽和磁束密度材を用
いても良い。また、磁極先端部14aは、上述の種々の
材料を2種類以上重ねて形成してもよい。磁極先端部1
4aに高飽和磁束密度材を用いることにより、後述する
コイルによって発生する磁束が、途中で飽和することな
く、有効に、磁極部分に到達するようになるため、記録
密度の高い記録ヘッドを形成することができる。
【0083】次に、磁極先端部14aの両側における記
録ギャップ層13をドライエッチングにより除去した
後、露出した上部シールド層11を、磁極先端部14a
をマスクとして、イオンミリングによって、例えば0.
4μmエッチングしてトリム構造とする。
【0084】次に、絶縁層12が形成されている領域に
おける記録ギャップ層13の上に、記録ヘッド用の第1
層目の薄膜コイル15を、例えばめっき法により、2〜
3μmの厚みに形成する。続いて、絶縁層12および薄
膜コイル15の上に、フォトレジストよりなる絶縁層1
6aを、所定のパターンに形成する。次に、絶縁層16
aの上に、第2層目の薄膜コイル17を、2〜3μmの
厚みに形成する。次に、絶縁層16aおよび薄膜コイル
17の上に、フォトレジストよりなる絶縁層16bを、
所定のパターンに形成する。次に、200〜250°
C、例えば200°C程度の温度の熱処理を施す。続い
て、磁極先端部14aの後方の一部と絶縁層16a,1
6bおよび磁性層14bを覆うように、上部磁性層(上
部ヨーク)18を、めっき法により約3〜4μmの厚み
に形成する。このとき、上部磁性層18と同時に、ここ
では図示しないが電極シールド層(図16参照)を引き
出し電極層6aの大部分を覆うように形成する。
【0085】記録ヘッドにおける上部側の磁性層を、磁
極先端部14aと上部磁性層18とに分離することで、
磁極先端部14aの微細化が可能となり、サブミクロン
寸法の狭トラックの記録ヘッドを簡単に形成することが
可能となる。また、上部磁性層18は、磁極先端部14
aの上面と3つの側面の計4面で、磁極先端部14aに
接する。そのため、上部磁性層18を通過する磁束が、
飽和することなく効率よく、磁極先端部14aに流れ込
むため、記録密度の高い記録ヘッドを形成することがで
きる。また、微細に形成した磁極先端部14aをマスク
として、上部シールド層11をエッチングしてトリム構
造とすることができるので、狭トラックの書き込み時に
発生する磁束の広がりによる実効トラック幅の増加を防
止することができる。なお、磁極先端部14a、上部磁
性層18および磁性層14bが一体となって上部磁極を
構成している。
【0086】次に、上部磁性層18の上に、例えばアル
ミナよりなるオーバーコート層19を形成する。最後
に、スライダの機械加工を行って、記録ヘッドおよび再
生ヘッドのエアベアリング面を形成して、薄膜磁気ヘッ
ドが完成する。
【0087】なお、これら上部シールド層(下部磁極)
11、磁極先端部14a、磁性層14b、上部磁性層l
8と、薄膜コイル15,17は、本発明における「誘導
型磁気変換素子」に対応する。つまり、上部シールド層
(下部磁極)11は、本発明に係る記録ヘッドにおける
2つの磁性層のうちの一方に対応し、磁極先端部14
a、磁性層14bおよび上部磁性層18は、2つの磁性
層のうちの他方に対応する。
【0088】図13は、第2の実施の形態において、下
部シールド層3に凹部3aを形成した状態を示す平面
図、図14は、下部シールド層3の凹部3aに、絶縁膜
5および引き出し電極層6a,6bを形成した後、上部
シールド層11、磁極先端部14aおよび薄膜コイル1
5,17を形成した状態を示す平面図である。また、図
15は図14の構造に、更に上部磁性層18を形成した
状態を示す平面図、図16は図15の構造に、更に上部
磁性層18と同時に形成した電極シールド層20を引き
出し電極層6a上に形成した状態を示す平面図である。
なお、図16では、オーバーコート層19を省略してい
る。また、これらの図は、スライダの機械加工を行う前
の状態を表している。なお、図7ないし図12における
(a)は、図14〜図16におけるB−B′線断面を表
し、(b)は、図14〜図16におけるA−A′線断面
を表している。
【0089】下部シールド層3は、GMR素子8′およ
びその周辺に対向する領域と、誘導型磁気変換素子にお
ける2つの磁性層(上部シールド層11と、磁極先端部
14a、磁性層14bおよび上部磁性層l8)および薄
膜コイル15,17に対向する領域とを含む領域に配置
されている。下部シールド層3の凹部3aは、GMR素
子8′の両端部近傍の位置から、GMR素子8′の両側
方に延び、一部は、上部シールド層11に対向する領域
を通過し、残りの大部分は、誘導型磁気変換素子におけ
る2つの磁性層および薄膜コイル15,17に対向する
領域の周囲に配置されている。GMR素子8′に接続さ
れる電極を構成する引き出し電極層6aは、下部シール
ド層3の凹部3a内に絶縁層5を間にして絶縁された状
態で配置されている。また、引き出し電極層6aのGM
R素子8′とは反対側の端部は、凹部3aの幅よりも大
きい幅に形成されて、下部シールド層3の外側に配置さ
れている。
【0090】以上説明したように、本実施の形態では、
下部シールド層3に凹部3aが形成され、この凹部3a
内に、GMR素子8′に接続される引き出し電極層6a
の大部分が、絶縁膜5によって下部シールド層3に対し
て絶縁された状態で配置されている。従って、本実施の
形態によれば、引き出し電極層6aと下部シールド層3
との間の絶縁性能を極めて高くすることができ、引き出
し電極層6aと下部シールド層3との間の磁気的および
電気的な絶縁の不良をなくすことができる。
【0091】また、引き出し電極層6aの一部は、下部
シールドギャップ膜7および上部シールドギャップ膜1
0を介して上部シールド層11と対向するが、大部分は
上部シールド層11と対向しない構造であるため、引き
出し電極層6aと上部シールド層11との間の絶縁性能
も極めて高くすることができ、引き出し電極層6aと上
部シールド層11との間の磁気的および電気的な絶縁の
不良をなくすことができる。
【0092】また、本実施の形態によれば、引き出し電
極層6aが下部シールドギャップ膜7と上部シールドギ
ャップ膜10との間に介挿された構造ではないので、引
き出し電極層6aが下部シールドギャップ膜7、上部シ
ールドギャップ膜10を介して下部シールド層3、上部
シールド層11と広い面積で対向することがない。従っ
て、下部シールドギャップ膜7、上部シールドギャップ
膜10を薄くしても、引き出し電極層6aと下部シール
ド層3および上部シールド層11との間の絶縁性能を高
く維持することができる。
【0093】このように本実施の形態によれば、下部シ
ールドギャップ膜7および上部シールドギャップ膜10
を厚くすることなく、GMR素子8′に接続される電極
と下部シールド層3および上部シールド層11との間の
絶縁性能を向上させることができる。
【0094】また、本実施の形態によれば、サーマルア
スピリティを改善するために、下部シールドギャップ膜
7および上部シールドギャップ膜10を十分薄くするこ
とが可能となり、再生ヘッドの性能を向上させることが
できる。
【0095】また、本実施の形態によれば、引き出し電
極層6aを十分厚く形成することができるので、GMR
素子8′に接続される電極の配線抵抗をより低くするこ
とができる。これにより、GMR素子8′における微小
な抵抗変化に対応する微小な出力信号変化を感度よく検
出することが可能となり、この点からも再生ヘッドの性
能を向上させることができる。
【0096】また、本実施の形態では、引き出し電極層
6aのうちの、下部シールド層3の凹部3a内に配置さ
れた部分は、両側から下部シールド層3に挟み込まれて
シールドされる構造となっている。従って、GMR素子
8′に対する、誘導型の記録ヘッドにおけるコイルから
発生する磁気等の内部要因やハードディスク装置のモー
タ等の外部要因によるノイズの影響を低減することがで
きる。特に、GMR素子8′の近傍では、引き出し電極
層6aは、両側面側が下部シールド層3によってシール
ドされ、上面側が上部シールド層11によってシールド
される構造となっているので、引き出し電極層6aに対
するノイズの影響をより低減することができる。これら
の点からも、再生ヘッドの性能を向上させることができ
る。
【0097】更に、特に、図16に示したように、引き
出し電極層6a上に、上部磁性層18と同時に形成され
た電極シールド層20を設けると共に、引き出し電極層
6aの直下に1.0μmのシード層12を設けることに
より、上下左右すべての方向から、引き出し電極層6a
をシールドすることができ、ノイズを完全に遮断するこ
とができる。
【0098】また、本実施の形態によれば、薄膜コイル
15,17と上部シールド層11との間に、薄い記録ギ
ャップ層13の他に、厚い絶縁層12を形成できるの
で、薄膜コイル15,17と上部シールド層11との間
に、大きな絶縁耐圧を得ることができると共に、薄膜コ
イル15,17からの磁束の漏れを低減することができ
る。
【0099】以上実施の形態を挙げて本発明を説明した
が、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく
種々変形可能である。例えば、上記各実施の形態では、
基体側に読み取り用の磁気抵抗効果素子を形成し、その
上に、書き込み用の誘導型磁気変換素子を積層した構造
の薄膜磁気ヘッドについて説明したが、この積層順序を
逆にしてもよい。
【0100】つまり、基体側に書き込み用の誘導型磁気
変換素子を形成し、その上に、読み取り用の磁気抵抗効
果素子を形成してもよい。このような構造は、例えば、
上記実施の形態に示した上部磁極の機能を有する磁性膜
を下部磁極として基体側に形成し、記録ギャップ膜を介
して、それに対向するように上記実施の形態に示した下
部磁極の機能を有する磁性膜を上部磁極として形成する
ことにより実現できる。この場合、誘導型磁気変換素子
の上部磁極と、磁気抵抗効果素子の下部シールド層を兼
用させることが好ましい。
【0101】従って、このような構造の薄膜磁気ヘッド
では、磁気抵抗効果素子の上部シールド層が、本発明に
おける一方のシールド層に対応する。つまり、上部シー
ルド層に、引き出し電極層が配置される凹部が形成され
る。
【0102】
【発明の効果】以上説明したように請求項1ないし10
のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドまたは請求項11な
いし24のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法
によれば、一方のシールド層に凹部を設け、この凹部内
に、引き出し電極層の少なくとも一部をシールド層に対
して絶縁された状態で配置するようにしたので、引き出
し電極層と各シールド層との間の絶縁性能を高くするこ
とができると共に、引き出し電極層が絶縁層を介して両
シールド層間に介挿された構造ではないので、磁気抵抗
効果素子とシールド層との間の絶縁層を厚くすることな
く、磁気抵抗効果素子に接続される引き出し電極層とシ
ールド層との間の絶縁性能を向上させることができると
いう効果を奏する。
【0103】更に、引き出し電極層を十分厚く形成する
ことができるので、引き出し電極層の配線抵抗をより低
くすることができるという効果を奏する。更に、引き出
し電極層のうちの凹部内に配置された部分が、一方のシ
ールド層によって挟み込まれてシールドされるので、引
き出し電極層に対するノイズの影響を低減することがで
きるという効果を奏する。
【0104】特に、請求項9記載の薄膜磁気ヘッドまた
は請求項18もくしは19記載の薄膜磁気ヘッドの製造
方法によれば、引き出し電極層の少なくとも一部をシー
ルドするための電極シールド層を設けるようにしたの
で、更に、引き出し電極層に対するノイズの影響をより
低減することができるという効果を奏する。
【0105】また、請求項10記載の薄膜磁気ヘッドま
たは請求項20記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれ
ば、一方のシールド層を、磁気抵抗素子に対向する部分
と、磁気抵抗素子に対向しない部分とに分割したので、
更に、高周波域でのシールド特性を向上させることがで
きるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッ
ドの製造方法における一工程を説明するための断面図で
ある。
【図2】図1に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図3】図2に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図4】図3に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図5】図4に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図6】図5に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッ
ドの製造方法における一工程を説明するための断面図で
ある。
【図8】図7に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図9】図8に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図10】図9に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図11】図10に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図12】図11に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドにおいて、下部シールド層に凹部を形成した状態を
示す平面図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドにおいて、下部シールド層の凹部に引き出し電極層
を形成した後、磁極先端部および薄膜コイルを形成した
後の状態を示す平面図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドにおいて、上部磁性層を形成した後の状態を示す平
面図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドにおいて、シールドキャップ層を形成した状態を示
す平面図である。
【図17】従来の薄膜磁気ヘッドの製造方法における一
工程を説明するための断面図である。
【図18】図17に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図19】図18に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図20】図19に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図21】図20に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図22】図21に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図23】図22に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図24】図23に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図25】従来の薄膜磁気ヘッドの平面図である。
【図26】従来の薄膜磁気ヘッドの製造途中の状態を示
す平面図である。
【符号の説明】
1…基板、2…絶縁層、3…下部シールド層、5…絶縁
膜、6a,6b…引き出し電極層、7…下部シールドギ
ャップ膜、8…AMR素子、9…フォトレジスト膜、1
0…上部シールドギャップ膜、11…上部シールド層兼
下部磁極、12…絶縁層、13…記録ギャップ膜、14
a…磁極先端部(ポールチップ)、14b…磁性層、1
5,17…薄膜コイル、18…上部磁性層(ヨーク)、
20─電極シールド層

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気抵抗効果素子と、 この磁気抵抗効果素子を挟んで対向するように配置され
    ると共に、前記磁気抵抗効果素子をシールドする2つの
    シールド層と、 前記磁気抵抗効果素子と各シールド層との間に設けられ
    た絶縁層と、 前記磁気抵抗効果素子に電気的に接続される引き出し電
    極層とを備えた薄膜磁気ヘッドであって、 一方のシールド層に凹部が設けられ、前記凹部内に前記
    引き出し電極層の少なくとも一部が前記一方のシールド
    層に対して絶縁された状態で配置されていることを特徴
    とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記一方のシールド層と前記引き出し電
    極層は、これらの間に設けられた絶縁膜によって絶縁さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の薄膜磁気ヘ
    ッド。
  3. 【請求項3】 前記絶縁膜は前記凹部内の底面から側壁
    面にかけて形成されていることを特徴とする請求項2に
    記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記一方のシールド層、前記絶縁膜およ
    び前記引き出し電極層それぞれの表面が互いに同一面を
    なすように平坦化されていることを特徴とする請求項1
    ないし3のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記一方のシールド層はシード層を用い
    ためっき法により形成され、前記シールド層に形成され
    た前記凹部の底部は前記シード層に対して絶縁された状
    態で覆われていることを特徴とする請求項1ないし4の
    いずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】 更に、前記磁気抵抗効果素子に接すると
    共に少なくとも一部が前記引き出し電極層に重なるよう
    に配設された他の引き出し電極層を有し、 前記引き出し電極層は前記他の引き出し電極層を介して
    前記磁気抵抗効果素子に電気的に接続されていることを
    特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の薄
    膜磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】 更に、磁気的に連結され、且つ記録媒体
    に対向する側の一部がギャップ層を介して互いに対向す
    る磁極部分を含み、それぞれ少なくとも1つの層からな
    る2つの磁性層と、この2つの磁性層の間に配設された
    薄膜コイルとを有する誘導型磁気変換素子を備えたこと
    を特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の
    薄膜磁気ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記凹部の少なくとも一部は、前記誘導
    型磁気変換素子における2つの磁性層および薄膜コイル
    に対向する領域の周囲に配置されていることを特徴とす
    る請求項7に記載の薄膜磁気ヘッド。
  9. 【請求項9】 更に、前記引き出し電極層の少なくとも
    一部をシールドするための電極シールド層を備えたこと
    を特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の
    薄膜磁気ヘッド。
  10. 【請求項10】 前記一方のシールド層は、前記磁気抵
    抗効果素子に対向する部分と、前記磁気抵抗効果素子に
    対向しない部分とに分割されていることを特徴とする請
    求項1ないし9のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッ
    ド。
  11. 【請求項11】 磁気抵抗効果素子と、この磁気抵抗効
    果素子を挟んで対向するように配置され、前記磁気抵抗
    効果素子をシールドするための2つのシールド層と、前
    記磁気抵抗効果素子と各シールド層との間に設けられた
    絶縁層と、前記磁気抵抗効果素子に電気的に接続される
    引き出し電極層とを備えた薄膜磁気ヘッドの製造方法で
    あって、 一方のシールド層を形成する工程と、 前記一方のシールド層に前記引き出し電極層の少なくと
    も一部を配置するための凹部を形成する工程と、 前記引き出し電極の少なくとも一部を、前記凹部内に、
    前記一方のシールド層に対して絶縁された状態で配置す
    る工程とを含むことを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造
    方法。
  12. 【請求項12】 前記凹部と前記引き出し電極層との間
    に絶縁膜を形成し、前記絶縁膜により前記引き出し電極
    層と前記一方のシールド層との間を絶縁させることを特
    徴とする請求項11記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記絶縁膜を前記凹部内の底面から側
    壁面にかけて形成することを特徴とする請求項12に記
    載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  14. 【請求項14】 互いに同一面をなすように、前記一方
    のシールド層、前記絶縁膜および前記引き出し電極層そ
    れぞれの表面を平坦化する工程を含むことを特徴とする
    請求項11ないし13のいずれか1項に記載の薄膜磁気
    ヘッドの製造方法。
  15. 【請求項15】 更に、前記一方のシールド層の上に磁
    気抵抗効果素子を形成した後、前記磁気抵抗効果素子に
    接すると共に少なくとも一部が前記引き出し電極層に重
    なるように他の引き出し電極層を形成する工程を含み、 前記引き出し電極層を前記他の引き出し電極層を介して
    前記磁気抵抗効果素子に電気的に接続させることを特徴
    とする請求項11ないし14のいずれか1項に記載の薄
    膜磁気ヘッドの製造方法。
  16. 【請求項16】 更に、磁気的に連結され、且つ記録媒
    体に対向する側の一部がギャップ層を介して互いに対向
    する磁極部分を含み、それぞれ少なくとも1つの層から
    なる2つの磁性層と、この2つの磁性層の間に配設され
    た薄膜コイルとを有する誘導型磁気変換素子を形成する
    工程を含むことを特徴とする請求項11ないし15のい
    ずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記凹部の少なくとも一部を、前記誘
    導型磁気変換素子における2つの磁性層および薄膜コイ
    ルに対向する領域の周囲に配置することを特徴とする請
    求項16に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  18. 【請求項18】 更に、前記引き出し電極層の少なくと
    も一部をシールドするための電極シールド層を形成する
    工程を含むことを特徴とする請求項11ないし17のい
    ずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  19. 【請求項19】 更に、前記引き出し電極層の少なくと
    も一部をシールドするための電極シールド層を、前記誘
    導型磁気変換素子における一方の磁性層を形成する際に
    同時に形成する工程を含むことを特徴とする請求項18
    に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  20. 【請求項20】 前記凹部が形成されるシールド層を、
    前記磁気抵抗効果素子に対向する部分と、前記磁気抵抗
    効果素子に対向しない部分とに分割して形成することを
    特徴とする請求項11ないし19のいずれか1項に記載
    の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  21. 【請求項21】 前記凹部を、前記シールド層を選択的
    にドライエッチングすることにより形成することを特徴
    とする請求項11ないし20のいずれかに1項に記載の
    薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  22. 【請求項22】 前記引き出し電極層を、前記凹部が形
    成された前記シールド層の表面に形成した後、研磨する
    ことにより前記凹部内に埋め込むことを特徴とする請求
    項11ないし21のいずれかに1項に記載の薄膜磁気ヘ
    ッドの製造方法。
  23. 【請求項23】 前記凹部が形成されるシールド層を、
    めっき法により形成することを特徴とする請求項11な
    いし22のいずれかに1項に記載の薄膜磁気ヘッドの製
    造方法。
  24. 【請求項24】 前記シールド層を形成する工程の前
    に、前記シールド層形成のための電極膜となるシード層
    をスパッタ法により成膜する工程を含むことを特徴とす
    る請求項11ないし23のいずれかに1項に記載の薄膜
    磁気ヘッドの製造方法。
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