JP3452306B2 - 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも読み出
し用の磁気抵抗素子を有する薄膜磁気ヘッドおよびその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ハードディスク装置の面記録密度
の向上に伴って、薄膜磁気ヘッドの性能向上が求められ
ている。薄膜磁気ヘッドとしては、書き込み用の誘導型
磁気変換素子を有する記録ヘッドと読み出し用の磁気抵
抗(以下、MR(Magneto Resistive )とも記す。)素
子を有する再生ヘッドとを積層した構造の複合型薄膜磁
気ヘッドが広く用いられている。MR素子としては、異
方性磁気抵抗(以下、AMR(Anisotropic Magneto Re
sistive )と記す。)効果を用いたAMR素子と、巨大
磁気抵抗(以下、GMR(Giant Magneto Resistive )
と記す。)効果を用いたGMR素子とがあり、AMR素
子を用いた再生ヘッドはAMRヘッドあるいは単にMR
ヘッドと呼ばれ、GMR素子を用いた再生ヘッドはGM
Rヘッドと呼ばれる。AMRヘッドは、面記録密度が1
ギガビット/(インチ)2 を超える再生ヘッドとして利
用され、GMRヘッドは、面記録密度が3ギガビット/
(インチ)2 を超える再生ヘッドとして利用されてい
る。
【0003】AMRヘッドは、AMR効果を有するAM
R膜を備えている。GMRヘッドは、AMR膜を、GM
R効果を有するGMR膜に置き換えたもので、構造上は
AMRヘッドと同様である。ただし、GMR膜は、AM
R膜よりも、同じ外部磁界を加えたときに大きな抵抗変
化を示す。このため、GMRヘッドは、AMRヘッドよ
りも、再生出力を3〜5倍程度大きくすることができる
と言われている。
【0004】再生ヘッドの性能を向上させる方法として
は、MR膜を変える方法がある。一般的に、AMR膜
は、MR効果を示す磁性体を膜としたもので、単層構造
になっている。これに対して、多くのGMR膜は、複数
の膜を組み合わせた多層構造になっている。GMR効果
が発生するメカニズムにはいくつかの種類があり、その
メカニズムによってGMR膜の層構造が変わる。GMR
膜としては、超格子GMR膜、グラニュラ膜、スピンバ
ルブ膜等が提案されているが、比較的構成が単純で、弱
い磁界でも大きな抵抗変化を示し、量産を前提とするG
MR膜としては、スピンバルブ膜が有力である。このよ
うに、再生ヘッドは、例えば、MR膜をAMR膜からG
MR膜等の磁気抵抗感度の優れた材料に変えることで、
容易に、性能を向上するという目的を達せられる。
【0005】再生ヘッドの性能を決定する要因として
は、上述のような材料の選択の他に、パターン幅、特
に、MRハイトがある。MRハイトは、MR素子のエア
ベアリング面(媒体対向面)側の端部から反対側の端部
までの長さ(高さ)を言う。このMRハイトは、本来、
エアベアリング面の加工の際の研磨量によって制御され
る。
【0006】ところで、再生ヘッドとしては、MR素子
を磁性材料によって電気的および磁気的にシールド(遮
蔽)した構造のものが多い。
【0007】ここで、図27ないし図36を参照して、
従来の薄膜磁気ヘッドの製造方法の一例として、複合型
薄膜磁気ヘッドの製造方法の一例について説明する。な
お、図27ないし図34において、(a)はエアベアリ
ング面に垂直な断面を示し、(b)は磁極部分のエアベ
アリング面に平行な断面を示している。
【0008】この製造方法では、まず、図27に示した
ように、例えばアルティック(Al 2 3 ・TiC)よ
りなる基板101上に、例えばアルミナ(Al2 3
よりなる絶縁層102を、約5〜10μm程度の厚みで
堆積する。次に、絶縁層102上に、磁性材料よりなる
再生ヘッド用の下部シールド層103を、2〜3μmの
厚みに形成する。
【0009】次に、図28に示したように、下部シール
ド層103上に、例えばアルミナまたはチッ化アルミニ
ウムを50〜100nmの厚みにスパッタ堆積し、絶縁
層としての下部シールドギャップ膜104を形成する。
次に、下部シールドギャップ膜104上に、再生用のM
R素子105を形成するためのMR膜を、数十nmの厚
みに形成する。次に、このMR膜上に、MR素子105
を形成すべき位置に選択的にフォトレジストパターン1
06を形成する。このとき、リフトオフを容易に行うこ
とができるような形状、例えば断面形状がT型のフォト
レジストパターン106を形成する。次に、フォトレジ
ストパターン106をマスクとして、例えばイオンミリ
ングによってMR膜をエッチングして、MR素子105
を形成する。なお、MR素子105は、GMR素子でも
よいし、AMR素子でもよい。
【0010】次に、図29に示したように、下部シール
ドギャップ膜104上に、フォトレジストパターン10
6をマスクとして、MR素子105に電気的に接続され
る一対の第1の電極層107を、数十nmの厚みに形成
する。第1の電極層107は、例えば、TiW,CoP
t,TiW,Taを積層して形成される。次に、図30
に示したように、フォトレジストパターン106をリフ
トオフする。次に、図30では図示しないが、第1の電
極層107に電気的に接続される一対の第2の電極層
を、50〜100nmの厚みで、所定のパターンに形成
する。第2の電極層は、例えば、銅(Cu)によって形
成される。第1の電極層107および第2の電極層は、
MR素子105に電気的に接続される電極(リードとも
言う。)を構成する。
【0011】次に、図31に示したように、下部シール
ドギャップ膜104およびMR素子105上に、絶縁層
としての上部シールドギャップ膜108を、50〜15
0nmの厚みに形成し、MR素子105をシールドギャ
ップ膜104,108内に埋設する。次に、上部シール
ドギャップ膜108上に、磁性材料からなり、再生ヘッ
ドと記録ヘッドの双方に用いられる上部シールド層兼下
部磁極(以下、上部シールド層と記す。)109を、約
3μmの厚みに形成する。
【0012】次に、図32に示したように、上部シール
ド層109上に、絶縁膜、例えばアルミナ膜よりなる記
録ギャップ層110を、0.2〜0.3μmの厚みに形
成し、この記録ギャップ層110上に、スロートハイト
を決定するフォトレジスト層111を、約1.0〜2.
0μmの厚みで、所定のパターンに形成する。次に、フ
ォトレジスト層111上に、誘導型の記録ヘッド用の第
1層目の薄膜コイル112を、3μmの厚みに形成す
る。次に、フォトレジスト層111およびコイル112
上に、フォトレジスト層113を、所定のパターンに形
成する。次に、フォトレジスト層113上に、第2層目
の薄膜コイル114を、3μmの厚みに形成する。次
に、フォトレジスト層113およびコイル114上に、
フォトレジスト層115を、所定のパターンに形成す
る。
【0013】次に、図33に示したように、コイル11
2,114よりも後方(図33における右側)の位置に
おいて、磁路形成のために、記録ギャップ層110を部
分的にエッチングする。次に、記録ギャップ層110、
フォトレジスト層111,113,115上に、記録ヘ
ッド用の磁性材料、例えば高飽和磁束密度材のパーマロ
イ(NiFe)またはFeNよりなる上部磁極116
を、約3μmの厚みに形成する。この上部磁極116
は、コイル112,114よりも後方の位置において、
上部シールド層(下部磁極)109と接触し、磁気的に
連結している。
【0014】次に、図34に示したように、上部磁極1
16をマスクとして、イオンミリングによって、記録ギ
ャップ層110と上部シールド層(下部磁極)109を
エッチングする。次に、上部磁極116上に、例えばア
ルミナよりなるオーバーコート層117を、20〜30
μmの厚みに形成する。最後に、スライダの機械加工を
行って、記録ヘッドおよび再生ヘッドのエアベアリング
面を形成して、薄膜磁気ヘッドが完成する。図34に示
したように、上部磁極116、記録ギャップ層110お
よび上部シールド層(下部磁極)109の一部の各側壁
が垂直に自己整合的に形成された構造は、トリム(Tri
m)構造と呼ばれる。このトリム構造によれば、狭トラ
ックの書き込み時に発生する磁束の広がりによる実効ト
ラック幅の増加を防止することができる。
【0015】図35は、上述のようにして製造された薄
膜磁気ヘッドの平面図である。なお、図35では、オー
バーコート層117を省略している。図36は、図30
に示した下部シールドギャップ膜104上に、MR素子
105、第1の電極層107および第2の電極層118
を形成した後の状態を示す平面図である。なお、図27
ないし図34における(a)は、図35におけるA−
A′線断面を表し、(b)は、図35におけるB−B′
線断面を表している。
【0016】図35および図36から分かるように、従
来の薄膜磁気ヘッドでは、MR素子105をシールドす
るための下部シールド層103と上部シールド層109
との間に、広い領域にわたって、極めて薄い下部シール
ドギャップ膜104、上部シールドギャップ膜108を
介して、MR素子105に接続された電極層107,1
18が介挿された構造になっている。そのため、電極層
107,118とシールド層103,109との間のシ
ールドギャップ膜104,108に、高い絶縁性能が求
められる。また、この絶縁性能が、薄膜磁気ヘッドの歩
留りを大きく左右していた。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところで、再生ヘッド
の性能が向上してくると、サーマルアスピリティ(Ther
mal Asperity)が問題となってくる。サーマルアスピリ
ティとは、再生時における再生ヘッドの自己発熱による
再生特性の劣化を言う。このサーマルアスピリティを克
服するため、従来は、下部シールド層103やシールド
ギャップ膜104,108の材料として冷却効率の優れ
た材料が求められていた。そのため、従来、下部シール
ド層103には、パーマロイやセンダスト等の磁性材料
が用いられていた。また、シールドギャップ膜104,
108は、アルミナ等を例えば100〜150nmの厚
みでスパッタによって形成していた。そして、このシー
ルドギャップ膜104,108によって、MR素子10
5および電極層107,118とシールド層103,1
09との間の磁気的および電気的な絶縁を得るようにな
っていた。
【0018】また、再生ヘッドの性能を向上させるに
は、サーマルアスピリティの克服が避けられないことか
ら、最近では、シールドギャップ膜104,108の厚
みを、例えば50〜100nmにする等、どんどん薄く
することによって、MR素子105の冷却効率を上げ
て、サーマルアスピリティを克服する方法が採られてい
た。
【0019】しかしながら、シールドギャップ膜10
4,108はスパッタによって形成するため、パーティ
クル(微粒子)や膜のピンホールによって、MR素子1
05および電極層107,118と、シールド層10
3,109との間の磁気的および電気的な絶縁の不良が
発生しやすく、これは、シールドギャップ膜104,1
08を薄くすると、より顕著になるという問題点があ
る。
【0020】また、再生ヘッドの出力特性を向上させる
には、MR素子における微小な抵抗変化に対応する微小
な出力信号変化を検出できるように、MR素子に接続さ
れる電極の配線抵抗は低いほどよい。そのため、従来
は、電極層118は、大面積となるように設計される場
合が多い。しかしながら、そうすると、電極層118と
シールドギャップ膜104,108が対向する部分の面
積も大きくなり、上述のようにシールドギャップ膜10
4,108が薄い場合には、電極層118とシールド層
103,109との間の磁気的および電気的な絶縁の不
良がより多く発生しやすいという問題点がある。
【0021】また、上述のように、再生ヘッドの出力特
性を向上させるために、MR素子に接続される電極の配
線抵抗は低いことが望まれるが、従来の薄膜磁気ヘッド
では、シールド層103,109間に介挿された、厚み
が50〜100nm程度の薄い電極層107,118に
よって電極が形成されているため、電極の配線抵抗を低
くするのには限界があるという問題点があった。
【0022】また、薄膜磁気ヘッドでは、狭トラック幅
が要求されることから、MR素子も微小なものが要求さ
れる。特にGMRヘッドになると、微小なMR素子の出
力信号を正確に読み取る必要がある。そのためには、誘
導型の記録ヘッドにおけるコイル等の内部要因やハード
ディスク装置のモータ等の外部要因によるノイズの低減
を図る必要がある。しかしながら、従来の薄膜磁気ヘッ
ドでは、電極層118にノイズが乗り、このノイズが再
生ヘッドの性能を劣化させるおそれがあるという問題点
があった。
【0023】なお、特開平9−12006号公報に
は、リードの電気抵抗を下げると共に、リードと上シー
ルドとの間の絶縁不良を防止するために、MR素子に接
続されたリードを上下シールド間から引き出す方向の下
シールドの寸法を、上シールドの寸法よりも短く形成す
ると共に、リードの厚さを、上下シールド間に挟まれた
部分で薄く形成し、下シールドから外れた部分で下方に
突出して厚く形成する技術が示されている。
【0024】しかしながら、この技術では、リードは下
シールドによってほとんどシールドされない構造となる
ため、高出力を求めるGMRヘッドでは、コイルからの
磁束をひろいやすく、そのため、リードにノイズが乗り
やすくなるという問題点がある。
【0025】また、特開昭60−93613号公報に
は、MR素子上にスペーサ層を形成し、スペーサ層にコ
ンタクト孔を設けてMR素子の一部を露出させ、次に、
シールド膜と導体膜(リード)とを同時に形成し、導体
膜とMR素子とをコンタクト孔を介して接続する技術が
示されている。
【0026】この技術によれば、導体膜とシールド膜と
の間の絶縁不良を防止することが可能となるが、導体膜
はシールド膜によってシールドされない構造となるた
め、導体膜にノイズが乗りやすくなるという問題点があ
る。
【0027】一方、再生ヘッドの性能向上に伴って、記
録ヘッドの性能向上も求められている。記録ヘッドの性
能のうち、記録密度を高めるには、磁気記録媒体におけ
るトラック密度を上げるために、上部磁極を形成する磁
性層に対して、半導体加工技術を利用してサブミクロン
加工を施して、狭トラック構造の記録ヘッドを実現する
ことや、より高い飽和磁束密度を持つ磁性材料を用いる
ことが望まれていた。
【0028】狭トラック構造の記録ヘッドを実現するた
めには、トラック幅を決定する上部磁極の幅を小さくす
る必要がある。そのためには、上部磁極を微細に形成す
ることが要求される。
【0029】上部磁極を形成する方法としては、例え
ば、特開平7−262519号公報に示されるように、
フレームめっき法が用いられる。フレームめっき法を用
いて上部磁極116を形成する場合は、まず、フォトレ
ジスト層111,113,115で覆われて山状に盛り
上がったコイル部分(以下、エイペックス部と言う。)
の上に全体的に、例えばパーマロイよりなる薄い電極膜
を、例えばスパッタリングによって形成する。次に、そ
の上にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィに
よりパターニングして、めっきのためのフレーム(外
枠)を形成する。そして、先に形成した電極膜をシード
層として、めっき法によって上部磁極を形成する。
【0030】ところで、エイペックス部では、例えば7
〜10μm以上の高低差がある。このエイペックス部上
に、フォトレジストを3〜4μmの厚みで塗布する。エ
イペックス部上のフォトレジストの膜厚が最低3μm以
上必要であるとすると、流動性のあるフォトレジストは
低い方に集まることから、エイペックス部の下方では、
例えば8〜10μm以上の厚みのフォトレジスト膜が形
成される。
【0031】前述のように狭トラックを形成するために
は、フォトレジスト膜によって0.5〜1.0μm程度
の幅のパターンを形成する必要がある。従って、8〜1
0μm以上の厚みのあるフォトレジスト膜によって、
1.0μm程度の幅の微細なパターンを形成する必要が
生じるが、これは、極めて難しかった。
【0032】しかも、フォトリソグラフィの露光時に、
露光用の光が、例えばパーマロイよりなる電極膜で反射
し、この反射光によってもフォトレジストが感光して、
フォトレジストパターンのくずれ等が生じる。その結
果、上部磁極の側壁が丸みを帯びた形状になる等、上部
磁極を所望の形状に形成できなくなる。このように、従
来は、記録ヘッドのトラック幅を決定する上部磁極を微
細に且つ精度よく形成することが極めて難しかった。
【0033】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その第1の目的は、磁気抵抗素子とシールド層と
の間の絶縁層を厚くすることなく、磁気抵抗素子に接続
される電極とシールド層との間の絶縁性能を向上させる
ことができるようにした薄膜磁気ヘッドおよびその製造
方法を提供することにある。
【0034】本発明の第2の目的は、磁気抵抗素子に接
続される電極の配線抵抗をより低くできるようにした薄
膜磁気ヘッドおよびその製造方法を提供することにあ
る。
【0035】本発明の第3の目的は、磁気抵抗素子に接
続される電極に対するノイズの影響を低減できるように
した薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法を提供すること
にある。
【0036】本発明の第4の目的は、書き込み用の誘導
型磁気変換素子と有する記録ヘッドと読み出し用の磁気
抵抗素子を有する再生ヘッドとを積層した構造の複合型
薄膜磁気ヘッドにおいて、記録ヘッドのトラック幅を決
定する磁極を微細に形成できるようにした薄膜磁気ヘッ
ドを提供することにある。
【0037】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜磁気ヘッド
は、磁気抵抗素子と、記録媒体に対向する側の一部が磁
気抵抗素子を挟んで対向するように配置され、磁気抵抗
素子をシールドするための第1および第2のシールド層
と、磁気抵抗素子と各シールド層との間に設けられた絶
縁層と、磁気抵抗素子に接続される電極とを備えた薄膜
磁気ヘッドであって、第1のシールド層と第2のシール
ド層の他の一部は、両者の間に電極の少なくとも一部が
配置される溝が形成されるように、同一平面上に、互い
に絶縁された状態で配置され、電極の少なくとも一部
は、溝内に、第1のシールド層と第2のシールド層に対
して絶縁された状態で配置されているものである。
【0038】本発明の薄膜磁気ヘッドでは、第1のシー
ルド層と第2のシールド層の一部が同一平面上に形成さ
れ、磁気抵抗素子に接続される電極の少なくとも一部
が、第1のシールド層と第2のシールド層の一部との間
に形成された溝内に、第1のシールド層と第2のシール
ド層に対して絶縁された状態で配置されているので、磁
気抵抗素子とシールド層との間の絶縁層を厚くすること
なく、電極とシールド層との間の絶縁性能を向上させる
ことが可能となる。
【0039】また、本発明の薄膜磁気ヘッドでは、電極
は、例えば、溝内に設けられた絶縁膜によって、第1の
シールド層と第2のシールド層に対して絶縁されてい
る。
【0040】また、本発明の薄膜磁気ヘッドでは、第2
のシールド層は、例えば、第1のシールド層と同一平面
上に配置された第1の部分と、磁気抵抗素子を挟んで第
1のシールド層と対向するように配置され、且つ第1の
部分に接続された第2の部分とを有している。
【0041】また、本発明の薄膜磁気ヘッドでは、更
に、磁気的に連結され、且つ記録媒体に対向する側の一
部がギャップ層を介して互いに対向する磁極部分を含
み、それぞれ少なくとも1つの層からなる2つの磁性層
と、この2つの磁性層の間に配設された薄膜コイルとを
有する書き込み用の誘導型磁気変換素子を備えていても
よい。この場合、第2のシールド層は、2つの磁性層の
うちの一方を兼ねていてもよい。また、薄膜コイルの少
なくとも一部は、第2のシールド層の第1の部分と2つ
の磁性層のうちの他方との間であって、第2のシールド
層の第2の部分の面に沿った方向の側方に配置されてい
てもよい。
【0042】また、本発明の薄膜磁気ヘッドでは、更
に、電極の少なくとも一部をシールドするための電極シ
ールド層を備えていてもよい。
【0043】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、磁
気抵抗素子と、記録媒体に対向する側の一部が磁気抵抗
素子を挟んで対向するように配置され、磁気抵抗素子を
シールドするための第1および第2のシールド層と、磁
気抵抗素子と各シールド層との間に設けられた絶縁層
と、磁気抵抗素子に接続される電極とを備えた薄膜磁気
ヘッドの製造方法であって、第1および第2のシールド
層における記録媒体に対向する側の一部が、磁気抵抗素
子を挟んで対向するように配置され、且つ第1のシール
ド層と第2のシールド層の他の一部が、同一平面上に、
互いに絶縁された状態で配置されて、両者の間に電極の
少なくとも一部が配置される溝が形成されるように、磁
気抵抗素子、第1のシールド層および第2のシールド層
を形成すると共に、電極の少なくとも一部が、溝内に、
第1のシールド層と第2のシールド層に対して絶縁され
た状態で配置されるように、電極を形成するものであ
る。
【0044】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法では、
第1のシールド層と第2のシールド層の一部を、同一平
面上に形成し、磁気抵抗素子に接続される電極の少なく
とも一部を、第1のシールド層と第2のシールド層の一
部との間に形成された溝内に、第1のシールド層と第2
のシールド層に対して絶縁された状態で配置するので、
磁気抵抗素子とシールド層との間の絶縁層を厚くするこ
となく、電極とシールド層との間の絶縁性能を向上させ
ることが可能となる。
【0045】また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法
では、電極は、例えば、溝内に設けられた絶縁膜によっ
て、第1のシールド層と第2のシールド層に対して絶縁
される。
【0046】また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法
では、例えば、第2のシールド層が、第1のシールド層
と同一平面上に配置された第1の部分と、磁気抵抗素子
を挟んで第1のシールド層と対向するように配置され、
且つ第1の部分に接続された第2の部分とを有し、第1
のシールド層と第2のシールド層の第1の部分とが、同
一平面上に、互いに絶縁された状態で配置されて、両者
の間に電極の少なくとも一部が配置される溝が形成され
るように、第1のシールド層と第2のシールド層の第1
の部分とを形成する工程と、電極の少なくとも一部が、
溝内に、第1のシールド層と第2のシールド層に対して
絶縁された状態で配置されるように、電極を形成する工
程と、第1のシールド層の上に、絶縁膜を介して磁気抵
抗素子を形成する工程と、磁気抵抗素子の上に、絶縁膜
を介して、第2のシールド層の第2の部分を形成する工
程とを含む。
【0047】また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法
では、更に、磁気的に連結され、且つ記録媒体に対向す
る側の一部がギャップ層を介して互いに対向する磁極部
分を含み、それぞれ少なくとも1つの層からなる2つの
磁性層と、この2つの磁性層の間に配設された薄膜コイ
ルとを有する書き込み用の誘導型磁気変換素子を形成す
るようにしてもよい。この場合、第2のシールド層は、
2つの磁性層のうちの一方を兼ねていてもよい。また、
薄膜コイルの少なくとも一部を、第2のシールド層の第
1の部分と2つの磁性層のうちの他方との間であって、
第2のシールド層の第2の部分の面に沿った方向の側方
に配置してもよい。
【0048】また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法
では、更に、電極の少なくとも一部をシールドするため
の電極シールド層を形成してもよい。
【0049】また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法
では、更に、電極の少なくとも一部をシールドするため
の電極シールド層を、誘導型磁気変換素子における2つ
の磁性層のうちの、電極に対して厚み方向に遠い方の磁
性層を形成する際に同時に形成してもよい。
【0050】また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法
では、電極の少なくとも一部と薄膜コイルの少なくとも
一部を、同一工程で形成してもよい。
【0051】また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法
では、同一平面上に配置される第1のシールド層と第2
のシールド層の一部を、めっき法により形成してもよ
い。また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法では、電
極を、めっき法により形成してもよい。
【0052】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。まず、図1ないし図
11を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る薄膜
磁気ヘッドの製造方法としての複合型薄膜磁気ヘッドの
製造方法について説明する。なお、図1ないし図9にお
いて、(a)はエアベアリング面に垂直な断面を示し、
(b)は磁極部分のエアベアリング面に平行な断面を示
している。
【0053】本実施の形態に係る製造方法では、まず、
図1に示したように、例えばアルティック(Al2 3
・TiC)よりなる基板1の上に、例えばアルミナ(A
23 )よりなる絶縁層2を、約5〜10μmの厚み
で堆積する。
【0054】次に、図示しないが、絶縁層2の上に、下
部シールド層と上部シールド層兼下部磁極(以下、上部
シールド層と記す。)の一部をめっき法にて形成する際
に使用される電極膜としてのシード層を、パーマロイ
(NiFe)のスパッタによって形成する。
【0055】次に、図2に示したように、シード層の上
に、フォトレジスト膜をマスクとして、めっき法にて、
磁性材料、例えばパーマロイ(NiFe)を約2〜3μ
mの厚みで選択的に形成して、再生ヘッド用の下部シー
ルド層3と、上部シールド層の一部(以下、第1の部分
と言う。)4aとを形成する。なお、下部シールド層3
と上部シールド層の第1の部分4aは、磁性材料をスパ
ッタリングした後、フォトリソグラフィによりパターニ
ングして形成してもよい。下部シールド層3と上部シー
ルド層の第1の部分4aは、フォトレジスト膜によっ
て、両者の間に、MR素子に接続される一対の電極それ
ぞれの少なくとも一部が配置される一対の溝5が形成さ
れるように、同一平面上に、互いに絶縁された状態で配
置されるように形成される。下部シールド層3は、本発
明における第1のシールド層に対応し、上部シールド層
は、本発明における第2のシールド層に対応する。
【0056】次に、溝5の部分におけるシード層を、選
択的にエッチングして除去する。次に、溝5内を含め
て、下部シールド層3および上部シールド層の第1の部
分4aの上に、例えばアルミナよりなる絶縁膜6を、例
えばスパッタにより500nm以上の厚みに形成する。
【0057】次に、図3に示したように、絶縁膜6で覆
われた溝5内に、MR素子に接続される電極(リード)
となる一対の導電層7を、例えば銅(Cu)によって形
成する。導電層7は、例えば、フォトレジスト膜をマス
クとして、めっき法にて、銅を約2〜3μmの厚みに、
溝5内に選択的に形成することによって形成する。この
他、導電層7は、スパッタによって形成してもよい。
【0058】次に、全面に、例えばアルミナまたはシリ
コン酸化膜よりなる絶縁層を、4〜6μmの厚みに形成
する。次に、この絶縁層を、下部シールド層3、上部シ
ールド層の第1の部分4aおよび導電層7の表面に至る
まで研磨して平坦化する。この際の研磨方法としては、
機械的な研磨またはCMP(化学機械研磨)が用いられ
る。この平坦化により、下部シールド層3、上部シール
ド層の第1の部分4aおよび導電層7の表面が露出す
る。
【0059】このように、導電層7は、500nm以上
の厚みの絶縁膜6によって完全に覆われた、下部シール
ド層3と上部シールド層の第1の部分4aとの間の溝5
内に、めっき法により正確に埋設されるように形成され
る。従って、導電層7と下部シールド層3および上部シ
ールド層の第1の部分4aとの間の絶縁性能は極めて高
く、導電層7と下部シールド層3および上部シールド層
の第1の部分4aとの間において、パーティクルや膜の
ピンホール等による磁気的および電気的な絶縁の不良を
なくすことができる。
【0060】次に、下部シールド層3、上部シールド層
の第1の部分4a、絶縁膜6および導電層7の上に、ス
パッタにより、チッ化アルミニウムやアルミナ等の絶縁
材を、約50〜100nmの厚みに形成して、絶縁層と
しての下部シールドギャップ膜8aを形成する。下部シ
ールドギャップ膜8aを形成する際には、予め、後述す
る電極層と導電層7とを電気的に接続するためのコンタ
クトホールと、後述する上部シールド層の第2の部分と
第1の部分4aとを接続するためのコンタクトホール
と、後述する薄膜コイルの後方(図3(a)における右
側)の位置における磁路形成のためのコンタクトホール
とを形成する部分に、リフトオフを容易に行うことがで
きるように、例えばT型のフォトレジストパターンを形
成しておき、下部シールドギャップ膜8aの形成後、フ
ォトレジストパターンをリフトオフすることにより、コ
ンタクトホールを形成する。なお、コンタクトホール
は、フォトリソグラフィを用いて、下部シールドギャッ
プ膜8aを選択的にエッチングして形成してもよい。
【0061】次に、下部シールドギャップ膜8aの上
に、再生用のMR素子9を形成するためのMR膜を、ス
パッタにより、数十nmの厚みに形成する。次に、この
MR膜の上に、MR素子9を形成すべき位置に選択的
に、図示しないフォトレジストパターンを形成する。こ
のとき、リフトオフを容易に行うことができるように、
例えばT型のフォトレジストパターンを形成する。次
に、フォトレジストパターンをマスクとして、例えば、
アルゴン系のイオンミリングによってMR膜をエッチン
グして、MR素子9を形成する。なお、MR素子9は、
GMR素子でもよいし、AMR素子でもよい。
【0062】次に、下部シールドギャップ膜8aの上
に、同じフォトレジストパターンをマスクとして、MR
素子9に電気的に接続される一対の電極層10を、スパ
ッタにより、80〜150nmの厚みに形成する。電極
層10は、例えば、TiW,CoPt,TiW,Ta,
Auを積層して形成される。また、電極層10は、下部
シールドギャップ膜8aに形成されたコンタクトホール
を介して、導電層7に対して電気的に接続される。電極
層10および導電層7が、MR素子9に接続される電極
を構成する。
【0063】次に、下部シールドギャップ膜8a、MR
素子9および電極層10の上に、スパッタにより、チッ
化アルミニウムやアルミナ等の絶縁材を、約50〜10
0nmの厚みに形成して、絶縁層としての上部シールド
ギャップ膜8bを形成して、MR素子9をシールドギャ
ップ膜8a,8b内に埋設する。
【0064】次に、下部シールドギャップ膜8aに形成
されたコンタクトホールの後方(図3(a)における右
側)の位置において、下部シールドギャップ膜8aの上
に、例えばアルミナ膜またはシリコン酸化膜よりなる絶
縁膜を、1〜2μmの厚みに形成する。次に、フォトリ
ソグラフィを用いて、絶縁膜を選択的にエッチングし
て、絶縁層11を形成する。このとき、絶縁層11の磁
極部分側のエッジにテーパを形成する。次に、絶縁層1
1の上に、例えば銅(Cu)よりなる、記録ヘッド用の
第1層目の薄膜コイル12を、例えばめっき法により形
成する。
【0065】次に、図4に示したように、上部シールド
ギャップ膜8bの上に、磁性材料からなり、MR素子9
を挟んで下部シールド層3と対向するように配置され、
且つ、上部シールド層の第1の部分4aに接続される上
部シールド層の第2の部分4bを、2〜3μmの厚みに
形成する。同時に、薄膜コイル12の後方の位置におけ
る磁路形成のためのコンタクトホールの上に、磁路形成
のための磁性材料からなる磁性層13を、2〜3μmの
厚みに形成する。
【0066】なお、下部シールド層3や上部シールド層
4a,4bは、NiFe(Ni:80重量%,Fe:2
0重量%)を用いて形成してもよいし、NiFe(N
i:50重量%,Fe:50重量%)、センダスト、チ
ッ化鉄(FeN)やその化合物、Fe−Co−Zrのア
モルファス等の高飽和磁束密度材を用いて形成してもよ
いし、これらの材料を2種類以上重ねて形成してもよ
い。
【0067】次に、図5に示したように、全体にアルミ
ナ膜あるいはシリコン酸化膜よりなる絶縁層14を、4
〜6μmの厚みに形成する。そして、上部シールド層の
第2の部分4bおよび磁性層13の表面が露出するよう
に、全体を平坦化する。この平坦化は、機械的な研磨や
CMP等を用いて行うことができる。このような平坦化
処理を行うことにより、MR素子9のパターンによって
上部シールド層の第2の部分4bに発生する段差がなく
なり、上部シールド層の第2の部分4bの表面が平坦に
なり、その後に形成される記録ヘッドの磁極部分の記録
ギャップ層を平坦にすることができる。その結果、高周
波領域における書き込み特性を向上させることができ
る。
【0068】次に、図6に示したように、平坦化された
上部シールド層の第2の部分4bおよび絶縁層14の上
に、例えばアルミナ膜またはシリコン酸化膜よりなる絶
縁膜15を、0.5〜1μmの厚みに形成する。この絶
縁膜15が、スロートハイトを規定する。次に、絶縁膜
15の上に、例えば銅(Cu)よりなる、記録ヘッド用
の第2層目の薄膜コイル16を、例えばめっき法により
形成する。
【0069】次に、図7に示したように、絶縁層15お
よびコイル16の上に、フォトレジストよりなる絶縁層
17を、所定のパターンに形成する。次に、全体に、ア
ルミナ膜、チッ化アルミニウム膜、シリコン酸化膜等の
絶縁膜よりなる記録ギャップ層18を、200〜300
nmの厚みに形成する。
【0070】次に、図8に示したように、薄膜コイル1
2,16の後方の位置における磁路形成のために、記録
ギャップ層18を部分的にエッチングする。次に、記録
ギャップ層18の上に、誘導型の記録ヘッドのトラック
幅を決定する上部磁極層19を、約3μmの厚みに形成
する。この上部磁極層19は、例えば、NiFe(N
i:50重量%,Fe:50重量%)を用いてめっき法
により形成してもよいし、チッ化鉄(FeN)やその化
合物等の高飽和磁束密度材をスパッタし、パターニング
して形成してもよい。なお、上部磁極層19の材料とし
ては、上記の例の他に、NiFe(Ni:80重量%,
Fe:20重量%)や、Fe−Co−Zrのアモルファ
ス等の高飽和磁束密度材を用いても良い。また、上部磁
極層19は、上述の種々の材料を2種類以上重ねて形成
してもよい。
【0071】次に、図9に示したように、上部磁極層1
9の両側における記録ギャップ層18をドライエッチン
グにより除去した後、露出した上部シールド層の第2の
部分4bを、上部磁極層19をマスクとして、イオンミ
リングによって、例えば約0.5μmエッチングして、
トリム構造とする。
【0072】次に、上部磁極層19の上に、例えばアル
ミナよりなるオーバーコート層20を、約30〜40μ
mの厚みに形成する。最後に、スライダの機械加工を行
って、記録ヘッドおよび再生ヘッドのエアベアリング面
を形成して、薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0073】上部シールド層(下部磁極)4a,4b、
磁性層13、上部磁極層19と、薄膜コイル12,16
は、本発明における誘導型磁気変換素子に対応する。つ
まり、上部シールド層(下部磁極)4a,4bおよび磁
性層13は、本発明に係る記録ヘッドにおける2つの磁
性層のうちの一方に対応し、上部磁極層19は、2つの
磁性層のうちの他方に対応する。
【0074】図10は、上述のようにして製造される本
実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドにおける製造途中の状
態のものを示す平面図、図11は、上述のようにして製
造される本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの平面図で
ある。なお、図10は、図3に示した状態に対応してい
る。また、図11では、オーバーコート層20を省略し
ている。また、この図は、スライダの機械加工を行う前
の状態を表している。なお、図1ないし図9における
(a)は、図11におけるC−C′線断面を表し、
(b)は、図11におけるD−D′線断面を表してい
る。
【0075】図10および図11に示したように、下部
シールド層3は、MR素子9およびその周辺に対向する
領域から、MR素子9の両側方に延び、一部は、上部シ
ールド層の第2の部分4bに対向する領域を通過し、残
りの大部分は、誘導型磁気変換素子における2つの磁性
層(上部シールド層4a,4bおよび磁性層13と、上
部磁極層19)および薄膜コイル12,16に対向する
領域の周囲に配置されている。
【0076】下部シールド層3と上部シールド層の第1
の部分4aは、同一平面上に、互いに絶縁された状態で
配置され、両者の間に溝5が形成されている。MR素子
9に接続される電極を構成する導電層7のMR素子9側
の一部は、溝5内に絶縁された状態で配置されている。
導電層7の残りの部分は、下部シールド層3に対して絶
縁されて状態で、下部シールド層3の内側に沿うように
配置されている。
【0077】以上説明したように、本実施の形態では、
下部シールド層3と上部シールド層の第1の部分4a
が、同一平面上に、互いに絶縁された状態で配置されて
いる。そして、下部シールド層3と上部シールド層の第
1の部分4aの間に形成された溝5内に、MR素子9に
接続される電極を構成する導電層7の一部が、絶縁膜6
によって、下部シールド層3と上部シールド層の第1の
部分4aに対して絶縁された状態で配置されている。従
って、本実施の形態によれば、導電層7と、下部シール
ド層3および上部シールド層の第1の部分4aとの間の
絶縁性能を極めて高くすることができる。また、導電層
7の一部は、下部シールドギャップ膜8aおよび上部シ
ールドギャップ膜8bを介して上部シールド層の第2の
部分4bと対向するが、大部分は上部シールド層4a,
4bと対向しない構造であるため、導電層7と上部シー
ルド層4a,4bとの間の絶縁性能を極めて高くするこ
とができる。
【0078】以上のことから、本実施の形態によれば、
導電層7と、下部シールド層3および上部シールド層4
a,4bとの間の絶縁性能を極めて高くすることがで
き、導電層7と、下部シールド層3および上部シールド
層4a,4bとの間の磁気的および電気的な絶縁の不良
をなくすことができる。
【0079】また、本実施の形態によれば、導電層7が
下部シールドギャップ膜8aと上部シールドギャップ膜
8bとの間に介挿された構造ではないので、導電層7が
下部シールドギャップ膜8a、上部シールドギャップ膜
8bを介して下部シールド層3、上部シールド層4a,
4bと広い面積で対向することがない。従って、下部シ
ールドギャップ膜8a、上部シールドギャップ膜8bを
薄くしても、導電層7と下部シールド層3および上部シ
ールド層4a,4bとの間の絶縁性能を高く維持するこ
とができる。
【0080】このように本実施の形態によれば、下部シ
ールドギャップ膜8aおよび上部シールドギャップ膜8
bを厚くすることなく、MR素子9に接続される電極と
下部シールド層3および上部シールド層4a,4bとの
間の絶縁性能を向上させることができる。
【0081】また、本実施の形態によれば、サーマルア
スピリティを改善するために、下部シールドギャップ膜
8aおよび上部シールドギャップ膜8bを十分薄くする
ことが可能となり、再生ヘッドの性能を向上させること
ができる。
【0082】また、本実施の形態によれば、導電層7を
十分厚く形成することができるので、MR素子9に接続
される電極の配線抵抗をより低くすることができる。こ
れにより、MR素子9における微小な抵抗変化に対応す
る微小な出力信号変化を感度よく検出することが可能と
なり、この点からも再生ヘッドの性能を向上させること
ができる。
【0083】また、本実施の形態では、導電層7のう
ち、MR素子9に近く、溝5内に配置された部分は、両
側から下部シールド層3と上部シールド層の第1の部分
4aに挟み込まれてシールドされ、上面側が上部シール
ド層の第2の部分4bによってシールドされる構造とな
っている。従って、MR素子9に対する、誘導型の記録
ヘッドにおけるコイルから発生する磁気等の内部要因や
ハードディスク装置のモータ等の外部要因によるノイズ
の影響を低減することができる。この点からも、再生ヘ
ッドの性能を向上させることができる。
【0084】また、本実施の形態では、第1層の薄膜コ
イル16は、上部シールド層の第1の部分4aと上部磁
極層19との間であって、上部シールド層の第2の部分
4bの面に沿った方向の側方に配置されている。そのた
め、エイペックス部、すなわち、山状に盛り上がったコ
イル部分の高さを低くでき、記録ヘッドのトラック幅を
決定する磁極(上部磁極層19)を微細に形成すること
が可能となる。これにより、記録密度を高め、記録ヘッ
ドの性能を向上させることが可能となる。
【0085】また、本実施の形態によれば、互いに対向
するコイル12,16と上部シールド層の第1の部分4
aとの間に、厚い絶縁層11を形成できるので、コイル
12,16と上部シールド層4a,4bとの間に、大き
な絶縁耐圧を得ることができると共に、コイル12,1
6からの磁束の漏れを低減することができる。
【0086】次に、図12を参照して、本発明の第2の
実施の形態について説明する。図12は、本実施の形態
に係る薄膜磁気ヘッドの平面図である。なお、図12で
は、オーバーコート層を省略している。また、この図
は、スライダの機械加工を行う前の状態を表している。
【0087】本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドは、導
電層7の少なくとも一部をシールドするための電極シー
ルド層21を設けたものである。この電極シールド層2
1は、導電層7のうち、上部シールド層の第2の部分4
bに対向しない部分を覆うように設けられる。電極シー
ルド層21は、絶縁層11が存在する領域では、絶縁層
11の上に形成され、絶縁層11が存在しない領域で
は、下部シールドギャップ膜8aの上に形成される。
【0088】電極シールド層21は、例えば、上部磁極
層19を形成する際に同時に、上部磁極層19と同じ磁
性材料を用いて形成される。
【0089】本実施の形態によれば、導電層7のうち、
上部シールド層の第2の部分4bに対向しない部分の上
面側を、電極シールド層21によってシールドすること
ができるので、第1の実施の形態に比べて、導電層7に
対するノイズの影響をより低減することができる。
【0090】本実施の形態におけるその他の構成、作用
および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0091】次に、図13ないし図20を参照して、本
発明の第3の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方
法としての複合型薄膜磁気ヘッドの製造方法について説
明する。なお、図13ないし図18において、(a)は
エアベアリング面に垂直な断面を示し、(b)は磁極部
分のエアベアリング面に平行な断面を示している。
【0092】本実施の形態に係る製造方法では、まず、
図13に示したように、例えばアルティック(Al2
3 ・TiC)よりなる基板51の上に、例えばアルミナ
(Al2 3 )よりなる絶縁層52を、約5〜10μm
の厚みで堆積する。
【0093】次に、図示しないが、絶縁層52の上に、
下部シールド層と上部シールド層兼下部磁極(以下、上
部シールド層と記す。)の一部をめっき法にて形成する
際に使用される電極膜としてのシード層を、パーマロイ
(NiFe)のスパッタによって形成する。
【0094】次に、図14に示したように、シード層の
上に、フォトレジスト膜をマスクとして、めっき法に
て、磁性材料、例えばパーマロイ(NiFe)を約2〜
3μmの厚みで選択的に形成して、再生ヘッド用の下部
シールド層53と、上部シールド層の一部(以下、第1
の部分と言う。)54aとを形成する。なお、下部シー
ルド層53と上部シールド層の第1の部分54aは、磁
性材料をスパッタリングした後、フォトリソグラフィに
よりパターニングして形成してもよい。下部シールド層
53と上部シールド層の第1の部分54aは、フォトレ
ジスト膜によって、両者の間に、MR素子に接続される
一対の電極それぞれの少なくとも一部が配置される一対
の溝55が形成されるように、同一平面上に、互いに絶
縁された状態で配置されるように形成される。下部シー
ルド層53は、本発明における第1のシールド層に対応
し、上部シールド層は、本発明における第2のシールド
層に対応する。
【0095】次に、溝55の部分におけるシード層を、
選択的にエッチングして除去する。次に、溝55内を含
めて、下部シールド層53および上部シールド層の第1
の部分54aの上に、例えばアルミナよりなる絶縁膜5
6を、例えばスパッタにより、約0.5〜1μmの厚み
に形成する。
【0096】次に、図15に示したように、絶縁膜56
で覆われた溝55内に、MR素子に接続される電極(リ
ード)となる一対の導電層57を、例えば銅(Cu)に
よって形成する。導電層57は、例えば、フォトレジス
ト膜をマスクとして、めっき法にて、銅を例えば約3μ
mの厚みに、溝55内に選択的に形成することによって
形成する。この他、導電層57は、スパッタによって形
成してもよい。
【0097】次に、全面に、例えばアルミナまたはシリ
コン酸化膜よりなる絶縁層を、2〜3μmの厚みに形成
する。次に、この絶縁層を、下部シールド層53、上部
シールド層の第1の部分54aおよび導電層57の表面
に至るまで研磨して平坦化する。この際の研磨方法とし
ては、機械的な研磨またはCMP(化学機械研磨)が用
いられる。この平坦化により、下部シールド層53、上
部シールド層の第1の部分54aおよび導電層57の表
面が露出する。
【0098】このように、導電層57は、500nm以
上の厚みの絶縁膜56によって完全に覆われた、下部シ
ールド層53と上部シールド層の第1の部分54aとの
間の溝55内に、めっき法により正確に埋設されるよう
に形成される。従って、導電層57と下部シールド層5
3および上部シールド層の第1の部分54aとの間の絶
縁性能は極めて高く、導電層57と下部シールド層53
および上部シールド層の第1の部分54aとの間におい
て、パーティクルや膜のピンホール等による磁気的およ
び電気的な絶縁の不良をなくすことができる。
【0099】次に、上部シールド層の第1の部分54a
の上に、例えばアルミナ膜またはシリコン酸化膜よりな
る絶縁膜を、0.5〜1μmの厚みに形成する。次に、
フォトリソグラフィを用いて、絶縁膜を選択的にエッチ
ングして、絶縁層58を形成する。このとき、絶縁層5
8の磁極部分側のエッジにテーパを形成する。次に、絶
縁層58の上に、例えば銅(Cu)よりなる、記録ヘッ
ド用の薄膜コイル59を、例えばめっき法により形成す
る。次に、絶縁層58およびコイル59の上に、フォト
レジストよりなる絶縁層60を、所定のパターンに形成
する。次に、200°C程度の温度でキュアを施す。
【0100】なお、図15に示した状態に至るまでの製
造工程を、以下の変形例のように変更してもよい。この
変形例では、図14に示した状態から、同じ工程で、同
じ材料を用いて、絶縁膜56の上にコイル59を形成す
ると共に、絶縁膜56で覆われた溝55内に導電層57
を形成する。次に、絶縁膜56およびコイル59の上
に、フォトレジストよりなる絶縁層60を、所定のパタ
ーンに形成する。次に、絶縁層60をマスクにして、絶
縁膜56をパターンニングして、図15に示した状態と
する。この場合には、図15における絶縁層58が、絶
縁膜56に代わる。この変形例によれば、製造工程を大
幅に減少させることができる。
【0101】図15に示した状態から、次に、図16に
示したように、全面に、スパッタにより、チッ化アルミ
ニウムやアルミナ等の絶縁材を、数十nmの厚みに形成
して、絶縁層としての下部シールドギャップ膜61aを
形成する。下部シールドギャップ膜61aを形成する際
には、予め、後述する電極層と導電層57とを電気的に
接続するためのコンタクトホールを形成する部分に、リ
フトオフを容易に行うことができるように、例えばT型
のフォトレジストパターンを形成しておき、下部シール
ドギャップ膜61aの形成後、フォトレジストパターン
をリフトオフすることにより、コンタクトホールを形成
する。なお、コンタクトホールは、フォトリソグラフィ
を用いて、下部シールドギャップ膜61aを選択的にエ
ッチングして形成してもよい。
【0102】次に、下部シールドギャップ膜61aの上
に、再生用のMR素子62を形成するためのMR膜を、
スパッタにより、数十nmの厚みに形成する。次に、こ
のMR膜の上に、MR素子62を形成すべき位置に選択
的に、図示しないフォトレジストパターンを形成する。
このとき、リフトオフを容易に行うことができるよう
に、例えばT型のフォトレジストパターンを形成する。
次に、フォトレジストパターンをマスクとして、例え
ば、アルゴン系のイオンミリングによってMR膜をエッ
チングして、MR素子62を形成する。なお、MR素子
62は、GMR素子でもよいし、AMR素子でもよい。
【0103】次に、下部シールドギャップ膜61aの上
に、同じフォトレジストパターンをマスクとして、MR
素子62に電気的に接続される一対の電極層63を、ス
パッタにより、数十〜数百nmの厚みに形成する。電極
層63は、例えば、TiW,CoPt,TiW,Ta,
Auを積層して形成される。また、電極層63は、下部
シールドギャップ膜61aに形成されたコンタクトホー
ルを介して、導電層57に対して電気的に接続される。
電極層63および導電層57が、MR素子62に接続さ
れる電極を構成する。
【0104】次に、全面に、スパッタにより、チッ化ア
ルミニウムやアルミナ等の絶縁材を、数十nmの厚みに
形成して、絶縁層としての上部シールドギャップ膜61
bを形成して、MR素子62をシールドギャップ膜61
a,61b内に埋設する。次に、フォトレジストパター
ンをマスクとして、ドライエッチングによって、シール
ドギャップ膜61a,61bを選択的に除去して、後述
する上部シールド層の第2の部分と第1の部分54aと
を接続するためのコンタクトホールと、コイル59の後
方(図16(a)における右側)の位置における磁路形
成のためのコンタクトホールとを形成する。
【0105】次に、図17に示したように、磁極部分側
に、磁性材料からなり、MR素子62を挟んで下部シー
ルド層53と対向するように配置され、且つ、上部シー
ルド層の第1の部分54aに接続される上部シールド層
の第2の部分54bを、例えば約3.5μmの厚みに形
成する。同時に、薄膜コイル59の後方の位置における
磁路形成のためのコンタクトホールの上に、磁路形成の
ための磁性材料からなる磁性層64を、例えば約3.5
μmの厚みに形成する。上部シールド層の第2の部分5
4bと磁性層64は、例えば、めっき法によって形成す
る。
【0106】なお、下部シールド層53や上部シールド
層54a,54bは、NiFe(Ni:80重量%,F
e:20重量%)を用いて形成してもよいし、NiFe
(Ni:50重量%,Fe:50重量%)、センダス
ト、チッ化鉄(FeN)やその化合物、Fe−Co−Z
rのアモルファス等の高飽和磁束密度材を用いて形成し
てもよいし、これらの材料を2種類以上重ねて形成して
もよい。
【0107】次に、図18に示したように、コイル59
の上側に、フォトレジストよりなる絶縁層65を、所定
のパターンに形成する。次に、200°C程度の温度で
キュアを施す。本実施の形態において、スロートハイト
は、絶縁層65によって規定される。次に、全体に、ア
ルミナ膜、チッ化アルミニウム膜、シリコン酸化膜等の
絶縁膜よりなる記録ギャップ層66を、例えば300n
m程度の厚みに形成する。次に、磁性層64の上側の部
分において、記録ギャップ層66を選択的に除去して、
磁路形成のためのコンタクトホールを形成する。
【0108】次に、記録ギャップ層66の上に、誘導型
の記録ヘッドのトラック幅を決定する上部磁極層67
を、約3〜4μmの厚みに形成する。この上部磁極層6
7は、例えば、NiFe(Ni:50重量%,Fe:5
0重量%)を用いてめっき法により形成してもよいし、
チッ化鉄(FeN)やその化合物等の高飽和磁束密度材
をスパッタし、パターニングして形成してもよい。な
お、上部磁極層67の材料としては、上記の例の他に、
NiFe(Ni:80重量%,Fe:20重量%)や、
Fe−Co−Zrのアモルファス等の高飽和磁束密度材
を用いても良い。また、上部磁極層67は、上述の種々
の材料を2種類以上重ねて形成してもよい。
【0109】次に、上部磁極層67の両側における記録
ギャップ層66をドライエッチングにより除去した後、
露出した上部シールド層の第2の部分54bを、上部磁
極層67をマスクとして、イオンミリングによって、例
えば約0.5μmエッチングして、トリム構造とする。
【0110】次に、上部磁極層67の上に、例えばアル
ミナよりなるオーバーコート層68を、約30〜40μ
mの厚みに形成する。最後に、スライダの機械加工を行
って、記録ヘッドおよび再生ヘッドのエアベアリング面
を形成して、薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0111】上部シールド層(下部磁極)54a,54
b、磁性層64、上部磁極層67と、薄膜コイル59
は、本発明における誘導型磁気変換素子に対応する。つ
まり、上部シールド層(下部磁極)54a,54bおよ
び磁性層64は、本発明に係る記録ヘッドにおける2つ
の磁性層のうちの一方に対応し、上部磁極層67は、2
つの磁性層のうちの他方に対応する。
【0112】図19は、上述のようにして製造される本
実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドにおける製造途中の状
態のものを示す平面図、図20は、上述のようにして製
造される本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの平面図で
ある。なお、図19は、図15に示した状態に対応して
いる。また、図20では、オーバーコート層68を省略
している。また、この図は、スライダの機械加工を行う
前の状態を表している。図20において、符号69は、
上部シールド層の第2の部分54bと第1の部分54a
とを接続するためのコンタクトホールを示している。な
お、図13ないし図18における(a)は、図20にお
けるE−E′線断面を表し、(b)は、図20における
F−F′線断面を表している。
【0113】なお、図20に示したように、本実施の形
態においても、第2の実施の形態と同様に、導電層57
の少なくとも一部をシールドするための電極シールド層
71を設けてもよい。この電極シールド層71は、導電
層57のうち、上部シールド層の第2の部分54bに対
向しない部分を覆うように設けられる。また、電極シー
ルド層71は、例えば、上部磁極層67を形成する際に
同時に、上部磁極層67と同じ磁性材料を用いて形成さ
れる。
【0114】本実施の形態では、第1の実施の形態と同
様に、下部シールド層53と上部シールド層の第1の部
分54aが、同一平面上に、互いに絶縁された状態で配
置されている。そして、下部シールド層53と上部シー
ルド層の第1の部分54aの間に形成された溝55内
に、MR素子62に接続される電極を構成する導電層5
7の一部が、絶縁膜56によって、下部シールド層53
と上部シールド層の第1の部分54aに対して絶縁され
た状態で配置されている。従って、本実施の形態によれ
ば、第1の実施の形態と同様の効果を奏する。
【0115】ところで、薄膜磁気ヘッドの多くの顧客
は、再生ヘッドにおけるトラック幅や、記録ヘッドにお
けるスロートハイトやトラック幅を、自社製品に合わせ
て注文してくる。しかし、注文の後に、顧客の要求に合
った仕様の薄膜磁気ヘッドを生産していたのでは、注文
から短期間で製品を提供することは困難であった。
【0116】本実施の形態によれば、図15に示したよ
うに、コイル59の形成工程まで(本実施の形態では、
絶縁層60の形成までを言うものとする。)で、薄膜磁
気ヘッドにおける共通の基体が完成する。そこで、本実
施の形態によれば、コイル59の形成工程まで経た半製
品を、多くの在庫が得られるように量産し、顧客に対応
が可能なところまで在庫数を増加させた後、それぞれ異
なる顧客毎の要求を受け入れて、薄膜磁気ヘッドの仕様
を取り決めることができる。従って、本実施の形態によ
れば、薄膜磁気ヘッドの全製造工程の50〜60%以上
の工程を既に終了し、しかも、その多くが良・不良の検
査により良品とされた半製品を適正の在庫だけ持ち、顧
客の期待する仕様の薄膜磁気ヘッドを、注文から短時間
で提供することが可能となる。また、本実施の形態によ
れば、半製品の段階で不良品は既に取り除かれているの
で、良品の半製品を、顧客の要求に応じて、限りなく早
く、製品にすることができ、従来にはない高い品質保証
が可能となり、最終製品の歩留りも向上する。
【0117】本実施の形態におけるその他の構成、作用
および効果は、第1または第2の実施の形態と同様であ
る。
【0118】次に、図21を参照して、本発明の第4の
実施の形態について説明する。図21は、本実施の形態
に係る薄膜磁気ヘッドのエアベアリング面に垂直な断面
を示す断面図である。なお、図21は、スライダの機械
加工を行う前の状態を表している。
【0119】本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドは、第
3の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドにおけるフォトレ
ジストよりなる絶縁層65内に、第2層目の薄膜コイル
72を形成したものである。この場合には、コイル59
の上側にフォトレジストよりなる絶縁層65を、所定の
厚みだけ形成した後、コイル72を、例えばめっき法に
より形成し、更に、このコイル72を覆うように絶縁層
65を形成するようにする。なお、本実施の形態におい
て、スロートハイトは、絶縁層65によって規定され
る。
【0120】本実施の形態におけるその他の構成、作用
および効果は、第3の実施の形態と同様である。
【0121】次に、図22ないし図26を参照して、本
発明の第5の実施の形態について説明する。本実施の形
態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法は、コイル59の形
成工程までは、第3の実施の形態と同様である。そし
て、この工程まで経た半製品を量産し、良・不良のチェ
ックを行って、良品の半製品を適正量だけ確保してお
く。
【0122】本実施の形態では、顧客の要求に応じて製
品を完成される場合には、顧客の要求に応じて、MR素
子の選択(AMR素子とするかやGMR素子とするか
等)や、シールドギャップ膜の材料(アルミナ、窒化ア
ルミニウム、窒化ホウ素等)の選択を行うと共に、再生
ヘッドにおけるトラック幅や、記録ヘッドにおけるスロ
ートハイトやトラック幅を決定し、上記半製品に対し
て、図22に示したように、シールドギャップ膜61
a,61b、MR素子62および電極層63を形成す
る。次に、上部シールド層の第2の部分54bと磁性層
64とを形成する。次に、全体に、例えばアルミナ膜よ
りなる絶縁層81を、3〜4μmの厚みに形成する。そ
して、上部シールド層の第2の部分54bおよび磁性層
64の表面が露出するように、全体を例えばCMPによ
って平坦化する。
【0123】次に、図23に示したように、上部シール
ド層の第2の部分54bおよび絶縁層81の上に、例え
ばアルミナ膜よりなり、記録ヘッドのスロートハイトを
規定するための絶縁層82を形成する。次に、この絶縁
層82の上に、第2層目の薄膜コイル83を形成する。
次に、絶縁層82およびコイル83の上に、フォトレジ
ストよりなる絶縁層84を、所定のパターンに形成す
る。次に、アルミナ膜等の絶縁膜よりなる記録ギャップ
層85を形成する。次に、磁性層64の上側の部分にお
いて、記録ギャップ層85を選択的に除去して、磁路形
成のためのコンタクトホールを形成する。
【0124】次に、図24に示したように、記録ギャッ
プ層85の上に、誘導型の記録ヘッドのトラック幅を決
定する上部磁極層86を形成する。次に、上部磁極層8
6の両側における記録ギャップ層85を、反応性イオン
エッチング等のドライエッチングにより除去した後、露
出した上部シールド層の第2の部分54bを、上部磁極
層86をマスクとして、イオンミリング等によってエッ
チングして、トリム構造とする。
【0125】次に、上部磁極層86の上に、例えばアル
ミナよりなるオーバーコート層87を、約3〜5μmの
厚みに形成する。最後に、スライダの機械加工を行っ
て、記録ヘッドおよび再生ヘッドのエアベアリング面を
形成して、薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0126】図25は、上述のようにして製造される本
実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドにおける製造途中の状
態のものを示す平面図、図26は、上述のようにして製
造される本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの平面図で
ある。また、図26では、オーバーコート層87を省略
している。また、この図は、スライダの機械加工を行う
前の状態を表している。図26において、符号69は、
上部シールド層の第2の部分54bと第1の部分54a
とを接続するためのコンタクトホールを示している。な
お、図22ないし図24における(a)は、図26にお
けるG−G′線断面を表し、(b)は、図26における
H−H′線断面を表している。
【0127】なお、図26に示したように、本実施の形
態においても、第2の実施の形態と同様に、導電層57
の少なくとも一部をシールドするための電極シールド層
91を設けてもよい。この電極シールド層71は、導電
層57のうち、上部シールド層の第2の部分54bに対
向しない部分を覆うように設けられる。また、電極シー
ルド層71は、例えば、上部磁極層86を形成する際に
同時に、上部磁極層86と同じ磁性材料を用いて形成さ
れる。
【0128】本実施の形態におけるその他の構成、作用
および効果は、第3の実施の形態と同様である。
【0129】なお、本発明は、上記各実施の形態に限定
さない。例えば、上記各実施の形態では、基体側に読み
取り用のMR素子を形成し、その上に、書き込み用の誘
導型磁気変換素子を積層した構造の薄膜磁気ヘッドにつ
いて説明したが、この積層順序を逆にしてもよい。
【0130】つまり、基体側に書き込み用の誘導型磁気
変換素子を形成し、その上に、読み取り用のMR素子を
形成してもよい。このような構造は、例えば、上記実施
の形態に示した上部磁極の機能を有する磁性膜を下部磁
極として基体側に形成し、記録ギャップ膜を介して、そ
れに対向するように上記実施の形態に示した下部磁極の
機能を有する磁性膜を上部磁極として形成することによ
り実現できる。この場合、誘導型磁気変換素子の上部磁
極とMR素子の下部シールド層を兼用させることが好ま
しい。
【0131】従って、このような構造の薄膜磁気ヘッド
では、MR素子の上部シールド層が、本発明における第
1のシールド層に対応し、MR素子の下部シールド層
が、本発明における第2のシールド層に対応する。つま
り、上部シールド層と下部シールド層の一部との間に、
導電層が配置される溝が形成される。
【0132】なお、このような構造の薄膜磁気ヘッドで
は、凹部を形成した基体を用いることが好ましい。そし
て、基体の凹部に、コイル部を形成することによって、
薄膜磁気ヘッド自体の大きさをさらに縮小化することが
できる。
【0133】更に、異なる形態としては、誘導型磁気変
換素子のコイル部を構成する各薄膜コイル間に形成され
る絶縁層を、全て無機絶縁層としてもよい。
【0134】
【発明の効果】以上説明したように請求項1ないし7の
いずれかに記載の薄膜磁気ヘッドまたは請求項8ないし
18のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によ
れば、第1のシールド層と第2のシールド層の一部が同
一平面上に形成され、磁気抵抗素子に接続される電極の
少なくとも一部が、第1のシールド層と第2のシールド
層の一部との間に形成された溝内に、第1のシールド層
と第2のシールド層に対して絶縁された状態で配置され
るようにしたので、電極と各シールド層との間の絶縁性
能を高くすることができると共に、電極が絶縁層を介し
て両シールド層間に介挿された構造ではないので、磁気
抵抗素子とシールド層との間の絶縁層を厚くすることな
く、磁気抵抗素子に接続される電極とシールド層との間
の絶縁性能を向上させることができるという効果を奏す
る。更に、電極を十分厚く形成することができるので、
電極の配線抵抗をより低くすることができるという効果
を奏する。更に、電極のうちの溝内に配置された部分
が、2つシールド層によって挟み込まれてシールドされ
るので、電極に対するノイズの影響を低減することがで
きるという効果を奏する。
【0135】また、請求項6記載の薄膜磁気ヘッドまた
は請求項13記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれ
ば、第2のシールドが、書き込み用の誘導型磁気変換素
子の2つの磁性層のうちの一方を兼ね、薄膜コイルの少
なくとも一部が、第2のシールド層の第1の部分と2つ
の磁性層のうちの他方との間であって、第2のシールド
層の第2の部分の面に沿った方向の側方に配置されるよ
うにしたので、更に、山状に盛り上がったコイル部分の
高さを低くでき、記録ヘッドのトラック幅を決定する磁
極を微細に形成することが可能となるという効果を奏す
る。
【0136】また、請求項7記載の薄膜磁気ヘッドまた
は請求項14もしくは15記載の薄膜磁気ヘッドの製造
方法によれば、電極の少なくとも一部をシールドするた
めの電極シールド層を設けたので、更に、電極に対する
ノイズの影響をより低減することができるという効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッ
ドの製造方法における一工程を説明するための断面図で
ある。
【図2】図1に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図3】図2に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図4】図3に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図5】図4に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図6】図5に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図7】図6に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図8】図7に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図9】図8に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドにおける製造途中の状態のものを示す平面図であ
る。
【図11】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの平面図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの平面図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの製造方法における一工程を説明するための断面図
である。
【図14】図13に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図15】図14に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図16】図15に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図17】図16に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図18】図17に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図19】本発明の第3の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドにおける製造途中の状態のものを示す平面図であ
る。
【図20】本発明の第3の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの平面図である。
【図21】本発明の第4の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドのエアベアリング面に垂直な断面を示す断面図であ
る。
【図22】本発明の第5の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの製造方法における一工程を説明するための断面図
である。
【図23】図22に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図24】図23に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図25】本発明の第5の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドにおける製造途中の状態のものを示す平面図であ
る。
【図26】本発明の第5の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの平面図である。
【図27】従来の薄膜磁気ヘッドの製造方法における一
工程を説明するための断面図である。
【図28】図27に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図29】図28に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図30】図29に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図31】図30に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図32】図31に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図33】図32に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図34】図29に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図35】従来の薄膜磁気ヘッドの平面図である。
【図36】従来の薄膜磁気ヘッドの製造途中の状態を示
す平面図である。
【符号の説明】
1…基板、2…絶縁層、3…下部シールド層、4a…上
部シールド層の第1の部分、4b…上部シールド層の第
2の部分、6…絶縁膜、7…導電層、8a…下部シール
ドギャップ膜、8b…上部シールドギャップ膜、9…M
R素子、10…電極層、11…絶縁層、12,16…薄
膜コイル、13…磁性層、18…記録ギャップ層、19
…上部磁極層、20…オーバーコート層。

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気抵抗素子と、 記録媒体に対向する側の一部が前記磁気抵抗素子を挟ん
    で対向するように配置され、前記磁気抵抗素子をシール
    ドするための第1および第2のシールド層と、 前記磁気抵抗素子と各シールド層との間に設けられた絶
    縁層と、 前記磁気抵抗素子に接続される電極とを備えた薄膜磁気
    ヘッドであって、 前記第1のシールド層と前記第2のシールド層の他の一
    部は、両者の間に前記電極の少なくとも一部が配置され
    る溝が形成されるように、同一平面上に、互いに絶縁さ
    れた状態で配置され、 前記電極の少なくとも一部は、前記溝内に、前記第1の
    シールド層と前記第2のシールド層に対して絶縁された
    状態で配置されていることを特徴とする薄膜磁気ヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】 前記電極は、前記溝内に設けられた絶縁
    膜によって、前記第1のシールド層と前記第2のシール
    ド層に対して絶縁されていることを特徴とする請求項1
    記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記第2のシールド層は、前記第1のシ
    ールド層と同一平面上に配置された第1の部分と、前記
    磁気抵抗素子を挟んで前記第1のシールド層と対向する
    ように配置され、且つ前記第1の部分に接続された第2
    の部分とを有することを特徴とする請求項1または2記
    載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 更に、磁気的に連結され、且つ記録媒体
    に対向する側の一部がギャップ層を介して互いに対向す
    る磁極部分を含み、それぞれ少なくとも1つの層からな
    る2つの磁性層と、この2つの磁性層の間に配設された
    薄膜コイルとを有する書き込み用の誘導型磁気変換素子
    を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか
    に記載の薄膜磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記第2のシールド層は、前記2つの磁
    性層のうちの一方を兼ねていることを特徴とする請求項
    4記載の薄膜磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】 更に、磁気的に連結され、且つ記録媒体
    に対向する側の一部がギャップ層を介して互いに対向す
    る磁極部分を含み、それぞれ少なくとも1つの層からな
    る2つの磁性層と、この2つの磁性層の間に配設された
    薄膜コイルとを有する書き込み用の誘導型磁気変換素子
    を備え、 前記第2のシールド層は、前記2つの磁性層のうちの一
    方を兼ねており、 前記薄膜コイルの少なくとも一部は、前記第2のシール
    ド層の第1の部分と前記2つの磁性層のうちの他方との
    間であって、前記第2のシールド層の第2の部分の面に
    沿った方向の側方に配置されていることを特徴とする請
    求項記載の薄膜磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】 更に、前記電極の少なくとも一部をシー
    ルドするための電極シールド層を備えたことを特徴とす
    る請求項1ないし6のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッ
    ド。
  8. 【請求項8】 磁気抵抗素子と、記録媒体に対向する側
    の一部が前記磁気抵抗素子を挟んで対向するように配置
    され、前記磁気抵抗素子をシールドするための第1およ
    び第2のシールド層と、前記磁気抵抗素子と各シールド
    層との間に設けられた絶縁層と、前記磁気抵抗素子に接
    続される電極とを備えた薄膜磁気ヘッドの製造方法であ
    って、 第1および第2のシールド層における記録媒体に対向す
    る側の一部が、磁気抵抗素子を挟んで対向するように配
    置され、且つ第1のシールド層と第2のシールド層の他
    の一部が、同一平面上に、互いに絶縁された状態で配置
    されて、両者の間に電極の少なくとも一部が配置される
    溝が形成されるように、磁気抵抗素子、第1のシールド
    層および第2のシールド層を形成すると共に、 電極の少なくとも一部が、前記溝内に、第1のシールド
    層と第2のシールド層に対して絶縁された状態で配置さ
    れるように、電極を形成することを特徴とする薄膜磁気
    ヘッドの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記電極は、前記溝内に設けられた絶縁
    膜によって、前記第1のシールド層と前記第2のシール
    ド層に対して絶縁されることを特徴とする請求項8記載
    の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記第2のシールド層は、前記第1の
    シールド層と同一平面上に配置された第1の部分と、前
    記磁気抵抗素子を挟んで前記第1のシールド層と対向す
    るように配置され、且つ前記第1の部分に接続された第
    2の部分とを有し、 第1のシールド層と第2のシールド層の第1の部分と
    が、同一平面上に、互いに絶縁された状態で配置され
    て、両者の間に電極の少なくとも一部が配置される溝が
    形成されるように、第1のシールド層と第2のシールド
    層の第1の部分とを形成する工程と、 電極の少なくとも一部が、前記溝内に、第1のシールド
    層と第2のシールド層に対して絶縁された状態で配置さ
    れるように、電極を形成する工程と、 前記第1のシールド層の上に、絶縁膜を介して磁気抵抗
    素子を形成する工程と、 前記磁気抵抗素子の上に、絶縁膜を介して、第2のシー
    ルド層の第2の部分を形成する工程とを含むことを特徴
    とする請求項8または9記載の薄膜磁気ヘッドの製造方
    法。
  11. 【請求項11】 更に、磁気的に連結され、且つ記録媒
    体に対向する側の一部がギャップ層を介して互いに対向
    する磁極部分を含み、それぞれ少なくとも1つの層から
    なる2つの磁性層と、この2つの磁性層の間に配設され
    た薄膜コイルとを有する書き込み用の誘導型磁気変換素
    子を形成することを特徴とする請求項8ないし10のい
    ずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記第2のシールド層は、前記2つの
    磁性層のうちの一方を兼ねていることを特徴とする請求
    項11記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  13. 【請求項13】 更に、磁気的に連結され、且つ記録媒
    体に対向する側の一部がギャップ層を介して互いに対向
    する磁極部分を含み、それぞれ少なくとも1つの層から
    なる2つの磁性層と、この2つの磁性層の間に配設され
    た薄膜コイルとを有する書き込み用の誘導型磁気変換素
    子を形成し、 前記第2のシールド層は、前記2つの磁性層のうちの一
    方を兼ねており、 前記薄膜コイルの少なくとも一部を、前記第2のシール
    ド層の第1の部分と前記2つの磁性層のうちの他方との
    間であって、前記第2のシールド層の第2の部分の面に
    沿った方向の側方に配置することを特徴とする請求項
    記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  14. 【請求項14】 更に、前記電極の少なくとも一部をシ
    ールドするための電極シールド層を形成することを特徴
    とする請求項8ないし13のいずれかに記載の薄膜磁気
    ヘッドの製造方法。
  15. 【請求項15】 更に、前記電極の少なくとも一部をシ
    ールドするための電極シールド層を、前記誘導型磁気変
    換素子における2つの磁性層のうちの、前記電極に対し
    て厚み方向に遠い方の磁性層を形成する際に同時に形成
    することを特徴とする請求項11記載の薄膜磁気ヘッド
    の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記電極の少なくとも一部と前記薄膜
    コイルの少なくとも一部を、同一工程で形成することを
    特徴とする請求項11記載の薄膜磁気ヘッドの製造方
    法。
  17. 【請求項17】 同一平面上に配置される第1のシール
    ド層と第2のシールド層の一部は、めっき法により形成
    されることを特徴とする請求項8ないし16のいずれか
    に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記電極は、めっき法により形成され
    ることを特徴とする請求項8ないし17のいずれかに記
    載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
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