JP3538028B2 - 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法

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JP3538028B2
JP3538028B2 JP15642498A JP15642498A JP3538028B2 JP 3538028 B2 JP3538028 B2 JP 3538028B2 JP 15642498 A JP15642498 A JP 15642498A JP 15642498 A JP15642498 A JP 15642498A JP 3538028 B2 JP3538028 B2 JP 3538028B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも読み出
し用の磁気抵抗素子を有する薄膜磁気ヘッドおよびその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ハードディスク装置の面記録密度
の向上に伴って、薄膜磁気ヘッドの性能向上が求められ
ている。薄膜磁気ヘッドとしては、書き込み用の誘導型
磁気変換素子を有する記録ヘッドと読み出し用の磁気抵
抗(以下、MR(Magneto Resistive )とも記す。)素
子を有する再生ヘッドとを積層した構造の複合型薄膜磁
気ヘッドが広く用いられている。MR素子としては、異
方性磁気抵抗(以下、AMR(Anisotropic Magneto Re
sistive )と記す。)効果を用いたAMR素子と、巨大
磁気抵抗(以下、GMR(Giant Magneto Resistive )
と記す。)効果を用いたGMR素子とがあり、AMR素
子を用いた再生ヘッドはAMRヘッドあるいは単にMR
ヘッドと呼ばれ、GMR素子を用いた再生ヘッドはGM
Rヘッドと呼ばれる。AMRヘッドは、面記録密度が1
ギガビット/(インチ)2 を超える再生ヘッドとして利
用され、GMRヘッドは、面記録密度が3ギガビット/
(インチ)2 を超える再生ヘッドとして利用されてい
る。
【0003】AMRヘッドは、AMR効果を有するAM
R膜を備えている。GMRヘッドは、AMR膜を、GM
R効果を有するGMR膜に置き換えたもので、構造上は
AMRヘッドと同様である。ただし、GMR膜は、AM
R膜よりも、同じ外部磁界を加えたときに大きな抵抗変
化を示す。このため、GMRヘッドは、AMRヘッドよ
りも、再生出力を3〜5倍程度大きくすることができる
と言われている。
【0004】再生ヘッドの性能を向上させる方法として
は、MR膜を変える方法がある。一般的に、AMR膜
は、MR効果を示す磁性体を膜としたもので、単層構造
になっている。これに対して、多くのGMR膜は、複数
の膜を組み合わせた多層構造になっている。GMR効果
が発生するメカニズムにはいくつかの種類があり、その
メカニズムによってGMR膜の層構造が変わる。GMR
膜としては、超格子GMR膜、グラニュラ膜、スピンバ
ルブ膜等が提案されているが、比較的構成が単純で、弱
い磁界でも大きな抵抗変化を示し、量産を前提とするG
MR膜としては、スピンバルブ膜が有力である。このよ
うに、再生ヘッドは、例えば、MR膜をAMR膜からG
MR膜等の磁気抵抗感度の優れた材料に変えることで、
容易に、性能を向上するという目的を達せられる。
【0005】再生ヘッドの性能を決定する要因として
は、上述のような材料の選択の他に、パターン幅、特
に、MRハイトがある。MRハイトは、MR素子のエア
ベアリング面(媒体対向面)側の端部から反対側の端部
までの長さ(高さ)を言う。このMRハイトは、本来、
エアベアリング面の加工の際の研磨量によって制御され
る。
【0006】ところで、再生ヘッドとしては、MR素子
を磁性材料によって電気的および磁気的にシールド(遮
蔽)した構造のものが多い。
【0007】ここで、図23ないし図32を参照して、
従来の薄膜磁気ヘッドの製造方法の一例として、複合型
薄膜磁気ヘッドの製造方法の一例について説明する。な
お、図23ないし図30において、(a)はエアベアリ
ング面に垂直な断面を示し、(b)は磁極部分のエアベ
アリング面に平行な断面を示している。
【0008】この製造方法では、まず、図23に示した
ように、例えばアルティック(Al2 3 ・TiC)よ
りなる基板101上に、例えばアルミナ(Al2 3
よりなる絶縁層102を、約5〜10μm程度の厚みで
堆積する。次に、絶縁層102上に、磁性材料よりなる
再生ヘッド用の下部シールド層103を、2〜3μmの
厚みに形成する。
【0009】次に、図24に示したように、下部シール
ド層103上に、例えばアルミナまたはチッ化アルミニ
ウムを50〜100nmの厚みにスパッタ堆積し、絶縁
層としての下部シールドギャップ膜104を形成する。
次に、下部シールドギャップ膜104上に、再生用のM
R素子105を形成するためのMR膜を、数十nmの厚
みに形成する。次に、このMR膜上に、MR素子105
を形成すべき位置に選択的にフォトレジストパターン1
06を形成する。このとき、リフトオフを容易に行うこ
とができるような形状、例えば断面形状がT型のフォト
レジストパターン106を形成する。次に、フォトレジ
ストパターン106をマスクとして、例えばイオンミリ
ングによってMR膜をエッチングして、MR素子105
を形成する。なお、MR素子105は、GMR素子でも
よいし、AMR素子でもよい。
【0010】次に、図25に示したように、下部シール
ドギャップ膜104上に、フォトレジストパターン10
6をマスクとして、MR素子105に電気的に接続され
る一対の第1の電極層107を、数十nmの厚みに形成
する。第1の電極層107は、例えば、TiW,CoP
t,TiW,Taを積層して形成される。次に、図26
に示したように、フォトレジストパターン106をリフ
トオフする。次に、図26では図示しないが、第1の電
極層107に電気的に接続される一対の第2の電極層
を、50〜100nmの厚みで、所定のパターンに形成
する。第2の電極層は、例えば、銅(Cu)によって形
成される。第1の電極層107および第2の電極層は、
MR素子105に電気的に接続される電極(リードとも
言う。)を構成する。
【0011】次に、図27に示したように、下部シール
ドギャップ膜104およびMR素子105上に、絶縁層
としての上部シールドギャップ膜108を、50〜15
0nmの厚みに形成し、MR素子105をシールドギャ
ップ膜104,108内に埋設する。次に、上部シール
ドギャップ膜108上に、磁性材料からなり、再生ヘッ
ドと記録ヘッドの双方に用いられる上部シールド層兼下
部磁極(以下、上部シールド層と記す。)109を、約
3μmの厚みに形成する。
【0012】次に、図28に示したように、上部シール
ド層109上に、絶縁膜、例えばアルミナ膜よりなる記
録ギャップ層110を、0.2〜0.3μmの厚みに形
成し、この記録ギャップ層110上に、スロートハイト
を決定するフォトレジスト層111を、約1.0〜2.
0μmの厚みで、所定のパターンに形成する。次に、フ
ォトレジスト層111上に、誘導型の記録ヘッド用の第
1層目の薄膜コイル112を、3μmの厚みに形成す
る。次に、フォトレジスト層111およびコイル112
上に、フォトレジスト層113を、所定のパターンに形
成する。次に、フォトレジスト層113上に、第2層目
の薄膜コイル114を、3μmの厚みに形成する。次
に、フォトレジスト層113およびコイル114上に、
フォトレジスト層115を、所定のパターンに形成す
る。
【0013】次に、図29に示したように、コイル11
2,114よりも後方(図29における右側)の位置に
おいて、磁路形成のために、記録ギャップ層110を部
分的にエッチングする。次に、記録ギャップ層110、
フォトレジスト層111,113,115上に、記録ヘ
ッド用の磁性材料、例えば高飽和磁束密度材のパーマロ
イ(NiFe)またはFeNよりなる上部磁極116
を、約3μmの厚みに形成する。この上部磁極116
は、コイル112,114よりも後方の位置において、
上部シールド層(下部磁極)109と接触し、磁気的に
連結している。
【0014】次に、図30に示したように、上部磁極1
16をマスクとして、イオンミリングによって、記録ギ
ャップ層110と上部シールド層(下部磁極)109を
エッチングする。次に、上部磁極116上に、例えばア
ルミナよりなるオーバーコート層117を、20〜30
μmの厚みに形成する。最後に、スライダの機械加工を
行って、記録ヘッドおよび再生ヘッドのエアベアリング
面を形成して、薄膜磁気ヘッドが完成する。図30に示
したように、上部磁極116、記録ギャップ層110お
よび上部シールド層(下部磁極)109の一部の各側壁
が垂直に自己整合的に形成された構造は、トリム(Tri
m)構造と呼ばれる。このトリム構造によれば、狭トラ
ックの書き込み時に発生する磁束の広がりによる実効ト
ラック幅の増加を防止することができる。
【0015】図31は、上述のようにして製造された薄
膜磁気ヘッドの平面図である。なお、図31では、オー
バーコート層117を省略している。図32は、下部シ
ールドギャップ膜104上に、MR素子105、第1の
電極層107および第2の電極層118を形成した後の
状態を示す平面図である。なお、図23ないし図30に
おける(a)は、図31におけるA−A′線断面を表
し、(b)は、図31におけるB−B′線断面を表して
いる。
【0016】図31および図32から分かるように、従
来の薄膜磁気ヘッドでは、MR素子105をシールドす
るための下部シールド層103と上部シールド層109
との間に、広い領域にわたって、極めて薄い下部シール
ドギャップ膜104、上部シールドギャップ膜108を
介して、MR素子105に接続された電極層107,1
18が介挿された構造になっている。そのため、電極層
107,118とシールド層103,109との間のシ
ールドギャップ膜104,108に、高い絶縁性能が求
められる。また、この絶縁性能が、薄膜磁気ヘッドの歩
留りを大きく左右していた。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところで、再生ヘッド
の性能が向上してくると、サーマルアスピリティ(Ther
mal Asperity)が問題となってくる。サーマルアスピリ
ティとは、再生時における再生ヘッドの自己発熱による
再生特性の劣化を言う。このサーマルアスピリティを克
服するため、従来は、下部シールド層103やシールド
ギャップ膜104,108の材料として冷却効率の優れ
た材料が求められていた。そのため、従来、下部シール
ド層103には、パーマロイやセンダスト等の磁性材料
が用いられていた。また、シールドギャップ膜104,
108は、アルミナ等を例えば100〜150nmの厚
みでスパッタによって形成していた。そして、このシー
ルドギャップ膜104,108によって、MR素子10
5および電極層107,118とシールド層103,1
09との間の磁気的および電気的な絶縁を得るようにな
っていた。
【0018】また、再生ヘッドの性能を向上させるに
は、サーマルアスピリティの克服が避けられないことか
ら、最近では、シールドギャップ膜104,108の厚
みを、例えば50〜100nmにする等、どんどん薄く
することによって、MR素子105の冷却効率を上げ
て、サーマルアスピリティを克服する方法が採られてい
た。
【0019】しかしながら、シールドギャップ膜10
4,108はスパッタによって形成するため、パーティ
クル(微粒子)や膜のピンホールによって、MR素子1
05および電極層107,118と、シールド層10
3,109との間の磁気的および電気的な絶縁の不良が
発生しやすく、これは、シールドギャップ膜104,1
08を薄くすると、より顕著になるという問題点があ
る。
【0020】また、再生ヘッドの出力特性を向上させる
には、MR素子における微小な抵抗変化に対応する微小
な出力信号変化を検出できるように、MR素子に接続さ
れる電極の配線抵抗は低いほどよい。そのため、従来
は、電極層118は、大面積となるように設計される場
合が多い。しかしながら、そうすると、電極層118と
シールドギャップ膜104,108が対向する部分の面
積も大きくなり、上述のようにシールドギャップ膜10
4,108が薄い場合には、電極層118とシールド層
103,109との間の磁気的および電気的な絶縁の不
良がより多く発生しやすいという問題点がある。
【0021】また、上述のように、再生ヘッドの出力特
性を向上させるために、MR素子に接続される電極の配
線抵抗は低いことが望まれるが、従来の薄膜磁気ヘッド
では、シールド層103,109間に介挿された、厚み
が50〜100nm程度の薄い電極層107,118に
よって電極が形成されているため、電極の配線抵抗を低
くするのには限界があるという問題点があった。
【0022】また、薄膜磁気ヘッドでは、狭トラック幅
が要求されることから、MR素子も微小なものが要求さ
れる。特にGMRヘッドになると、微小なMR素子の出
力信号を正確に読み取る必要がある。そのためには、誘
導型の記録ヘッドにおけるコイル等の内部要因やハード
ディスク装置のモータ等の外部要因によるノイズの低減
を図る必要がある。しかしながら、従来の薄膜磁気ヘッ
ドでは、電極層118にノイズが乗り、このノイズが再
生ヘッドの性能を劣化させるおそれがあるという問題点
があった。
【0023】なお、特開平9−12006号公報に
は、リードの電気抵抗を下げると共に、リードと上シー
ルドとの間の絶縁不良を防止するために、MR素子に接
続されたリードを上下シールド間から引き出す方向の下
シールドの寸法を、上シールドの寸法よりも短く形成す
ると共に、リードの厚さを、上下シールド間に挟まれた
部分で薄く形成し、下シールドから外れた部分で下方に
突出して厚く形成する技術が示されている。
【0024】しかしながら、この技術では、リードは下
シールドによってほとんどシールドされない構造となる
ため、高出力を求めるGMRヘッドでは、コイルからの
磁束をひろいやすく、そのため、リードにノイズが乗り
やすくなるという問題点がある。
【0025】また、特開昭60−93613号公報に
は、MR素子上にスペーサ層を形成し、スペーサ層にコ
ンタクト孔を設けてMR素子の一部を露出させ、次に、
シールド膜と導体膜(リード)とを同時に形成し、導体
膜とMR素子とをコンタクト孔を介して接続する技術が
示されている。
【0026】この技術によれば、導体膜とシールド膜と
の間の絶縁不良を防止することが可能となるが、導体膜
はシールド膜によってシールドされない構造となるた
め、導体膜にノイズが乗りやすくなるという問題点があ
る。
【0027】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その第1の目的は、磁気抵抗素子とシールド層と
の間の絶縁層を厚くすることなく、磁気抵抗素子に接続
される電極とシールド層との間の絶縁性能を向上させる
ことができるようにした薄膜磁気ヘッドおよびその製造
方法を提供することにある。
【0028】本発明の第2の目的は、磁気抵抗素子に接
続される電極の配線抵抗をより低くできるようにした薄
膜磁気ヘッドおよびその製造方法を提供することにあ
る。
【0029】本発明の第3の目的は、磁気抵抗素子に接
続される電極に対するノイズの影響を低減できるように
した薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法を提供すること
にある。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜磁気ヘッド
は、磁気抵抗素子と、この磁気抵抗素子を挟んで対向す
るように配置され、磁気抵抗素子をシールドするための
2つのシールド層と、磁気抵抗素子と各シールド層との
間に設けられた絶縁層と、磁気抵抗素子に接続される電
極とを備え、一方のシールド層が、電極の少なくとも一
部が配置される溝を有し、電極の少なくとも一部が、溝
内に、一方のシールド層に対して絶縁された状態で配置
されているものである。
【0031】本発明の薄膜磁気ヘッドでは、磁気抵抗素
子に接続される電極の少なくともが、一方のシールド層
の溝内に、一方のシールド層に対して絶縁された状態で
配置されているので、磁気抵抗素子とシールド層との間
の絶縁層を厚くすることなく、電極とシールド層との間
の絶縁性能を向上させることが可能となる。
【0032】また、本発明の薄膜磁気ヘッドでは、溝と
電極は、例えば、これらの間に設けられた絶縁膜によっ
て絶縁されている。
【0033】また、本発明の薄膜磁気ヘッドでは、更
に、磁気的に連結され、且つ記録媒体に対向する側の一
部がギャップ層を介して互いに対向する磁極部分を含
み、それぞれ少なくとも1つの層からなる2つの磁性層
と、この2つの磁性層の間に配設された薄膜コイルとを
有する書き込み用の誘導型磁気変換素子を備えていても
よい。
【0034】この場合、溝の少なくとも一部は、誘導型
磁気変換素子における2つの磁性層および薄膜コイルに
対向する領域の周囲に配置されていてもよいし、誘導型
磁気変換素子における2つの磁性層および薄膜コイルに
対向する領域を通過するように配置されていてもよい。
【0035】また、本発明の薄膜磁気ヘッドでは、更
に、電極の少なくとも一部をシールドするための電極シ
ールド層を備えていてもよい。
【0036】また、本発明の薄膜磁気ヘッドでは、更
に、一方のシールド層を形成する際に使用され、このシ
ールド層が形成される領域よりも広い領域に形成され、
このシールド層に電気的に接続される電極膜を備えてい
てもよい。
【0037】また、本発明の薄膜磁気ヘッドでは、一方
のシールド層が、磁気抵抗素子に対向する部分と、磁気
抵抗素子に対向しない部分とに分割されていてもよい。
【0038】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、磁
気抵抗素子と、この磁気抵抗素子を挟んで対向するよう
に配置され、磁気抵抗素子をシールドするための第1お
よび第2のシールド層と、磁気抵抗素子と第1および第
2のシールド層との間に設けられた第1および第2の絶
縁層と、磁気抵抗素子に接続される電極とを備えた薄膜
磁気ヘッドの製造方法であって、第1のシールド層を形
成する工程と、第1のシールド層の上に、第1の絶縁層
を形成する工程と、第1の絶縁層の上に、磁気抵抗素子
を形成する工程と、磁気抵抗素子および第1の絶縁層の
上に、第2の絶縁層を形成する工程と、第2の絶縁層の
上に、第2のシールド層を形成する工程とを含み、第1
のシールド層を形成する工程または第2のシールド層を
形成する工程が、電極の少なくとも一部が配置される溝
を有するように、第1のシールド層または第2のシール
ド層を形成し、更に、電極の少なくとも一部が、溝内
に、第1のシールド層または第2のシールド層に対して
絶縁された状態で配置されるように、電極を形成する工
程を含むものである。
【0039】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法では、
磁気抵抗素子に接続される電極の少なくとも一部が、一
方のシールド層の溝内に、一方のシールド層に対して絶
縁された状態で配置されるので、磁気抵抗素子とシール
ド層との間の絶縁層を厚くすることなく、電極とシール
ド層との間の絶縁性能を向上させることが可能となる。
【0040】また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法
では、溝と電極は、例えば、これらの間に設けられた絶
縁膜によって絶縁される。
【0041】また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法
では、更に、磁気的に連結され、且つ記録媒体に対向す
る側の一部がギャップ層を介して互いに対向する磁極部
分を含み、それぞれ少なくとも1つの層からなる2つの
磁性層と、この2つの磁性層の間に配設された薄膜コイ
ルとを有する書き込み用の誘導型磁気変換素子を形成す
る工程を含んでいてもよい。
【0042】この場合、溝の少なくとも一部は、誘導型
磁気変換素子における2つの磁性層および薄膜コイルに
対向する領域の周囲に配置されてもよいし、誘導型磁気
変換素子における2つの磁性層および薄膜コイルに対向
する領域を通過するように配置されてもよい。
【0043】また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法
では、更に、電極の少なくとも一部をシールドするため
の電極シールド層を形成する工程を含んでいてもよい。
【0044】この場合、電極シールド層を、誘導型磁気
変換素子における一方の磁性層を形成する際に同時に形
成してもよい。
【0045】また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法
では、更に、溝を有するシールド層を形成する際に使用
され、このシールド層に電気的に接続される電極膜を、
このシールド層が形成される領域よりも広い領域に形成
する工程を含んでいてもよい。
【0046】また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法
では、溝を有するシールド層は、磁気抵抗素子に対向す
る部分と、磁気抵抗素子に対向しない部分とに分割され
て形成されてもよい。
【0047】また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法
では、電極は、例えば、めっき法により形成される。ま
た、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法では、溝を有す
るシールド層は、例えば、めっき法により形成される。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。まず、図1ないし図
14を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る薄膜
磁気ヘッドの製造方法としての複合型薄膜磁気ヘッドの
製造方法について説明する。なお、図1ないし図10に
おいて、(a)はエアベアリング面に垂直な断面を示
し、(b)は磁極部分のエアベアリング面に平行な断面
を示している。
【0049】本実施の形態に係る製造方法では、まず、
図1に示したように、例えばアルティック(Al2 3
・TiC)よりなる基板1の上に、例えばアルミナ(A
23 )よりなる絶縁層2を、約5〜10μmの厚み
で堆積する。
【0050】次に、図示しないが、絶縁層2の上に、下
部シールド層をめっき法にて形成する際に使用される電
極膜としてのシード層を、パーマロイ(NiFe)のス
パッタによって形成する。
【0051】次に、図2に示したように、シード層の上
に、フォトレジスト膜をマスクとして、めっき法にて、
磁性材料、例えばパーマロイ(NiFe)を約2〜3μ
mの厚みで選択的に形成して、再生ヘッド用の下部シー
ルド層3を形成する。この下部シールド層3が、本発明
における一方のシールド層に対応する。このとき、下部
シールド層3は、フォトレジスト膜によって、MR素子
に接続される一対の電極それぞれの少なくとも一部が配
置される一対の溝3aを有するように形成される。次
に、溝3a内を含めて、下部シールド層3の上に、例え
ばアルミナよりなる絶縁膜4を、例えばスパッタにより
500nm以上の厚みに形成する。
【0052】次に、図3に示したように、下部シールド
層3の一対の溝3a内に、MR素子に接続される電極
(リード)となる一対の導電層5を、例えば銅(Cu)
によって形成する。導電層5は、例えば、フォトレジス
ト膜をマスクとして、めっき法にて、銅を約2〜3μm
の厚みに、溝3a内に選択的に形成することによって形
成する。この他、導電層5は、スパッタによって形成し
てもよい。次に、導電層5および絶縁膜4の上の全面
に、例えばアルミナよりなる絶縁層6を、3〜4μmの
厚みに形成する。
【0053】次に、図4に示したように、絶縁層6を、
下部シールド層3の表面に至るまで研磨して平坦化す
る。この際の研磨方法としては、機械的な研磨またはC
MP(化学機械研磨)が用いられる。この平坦化によ
り、下部シールド層3と導電層5の表面が露出する。な
お、図4以降では、絶縁膜4と絶縁層6とを一体的に、
絶縁層6として表している。
【0054】このように、導電層5は、500nm以上
の厚みの絶縁膜4によって完全に覆われた下部シールド
層3の溝3a内に、めっき法により正確に埋設されるよ
うに形成される。従って、導電層5と下部シールド層3
との間の絶縁性能は極めて高く、導電層5と下部シール
ド層3との間において、パーティクルや膜のピンホール
等による磁気的および電気的な絶縁の不良をなくすこと
ができる。
【0055】次に、図5に示したように、下部シールド
層3、導電層5および絶縁層6の上に、スパッタによ
り、チッ化アルミニウムやアルミナ等の絶縁材を、約5
0〜100nmの厚みに形成して、絶縁層としての下部
シールドギャップ膜7aを形成する。下部シールドギャ
ップ膜7aを形成する際には、予め、後述する電極層と
導電層5とを電気的に接続するためのコンタクトホール
を形成する部分に、リフトオフを容易に行うことができ
るように、例えばT型のフォトレジストパターンを形成
しておき、下部シールドギャップ膜7aの形成後、フォ
トレジストパターンをリフトオフすることにより、コン
タクトホールを形成する。なお、コンタクトホールは、
フォトリソグラフィを用いて、下部シールドギャップ膜
7aを選択的にエッチングして形成してもよい。
【0056】次に、下部シールドギャップ膜7aの上
に、再生用のMR素子8を形成するためのMR膜を、ス
パッタにより、数十nmの厚みに形成する。次に、この
MR膜の上に、MR素子8を形成すべき位置に選択的
に、図示しないフォトレジストパターンを形成する。こ
のとき、リフトオフを容易に行うことができるように、
例えばT型のフォトレジストパターンを形成する。次
に、フォトレジストパターンをマスクとして、例えば、
アルゴン系のイオンミリングによってMR膜をエッチン
グして、MR素子8を形成する。なお、MR素子8は、
GMR素子でもよいし、AMR素子でもよい。
【0057】次に、下部シールドギャップ膜7aの上
に、同じフォトレジストパターンをマスクとして、MR
素子8に電気的に接続される一対の電極層9を、スパッ
タにより、80〜150nmの厚みに形成する。電極層
9は、例えば、TiW,CoPt,TiW,Ta,Au
を積層して形成される。また、電極層9は、下部シール
ドギャップ膜7aに形成されたコンタクトホールを介し
て、導電層5に対して電気的に接続される。電極層9お
よび導電層5が、MR素子8に接続される電極を構成す
る。
【0058】次に、下部シールドギャップ膜7a、MR
素子8および電極層9の上に、スパッタにより、チッ化
アルミニウムやアルミナ等の絶縁材を、約50〜100
nmの厚みに形成して、絶縁層としての上部シールドギ
ャップ膜7bを形成して、MR素子8をシールドギャッ
プ膜7a,7b内に埋設する。
【0059】次に、上部シールドギャップ膜7bの上
に、磁性材料からなり、再生ヘッドと記録ヘッドの双方
に用いられる上部シールド層兼下部磁極(以下、上部シ
ールド層と記す。)10を形成する。この上部シールド
層10は、NiFeや、チッ化鉄(FeN)やその化合
物、Fe−Co−Zrのアモルファス等の高飽和磁束密
度材を用いて形成してもよいし、NiFeと高飽和磁束
密度材を重ねて形成してもよい。
【0060】その後、全体にアルミナ膜あるいはシリコ
ン酸化膜を、4〜6μmの厚みに形成する。そして、上
部シールド層10の表面が露出するように、全体を平坦
化する。この平坦化は、機械的な研磨やCMP等を用い
て行うことができる。このような平坦化処理を行うこと
により、MR素子8のパターンによって上部シールド層
10に発生する段差がなくなり、上部シールド層10の
表面が平坦になり、その後に形成される記録ヘッドの磁
極部分の記録ギャップ層を平坦にすることができる。そ
の結果、高周波領域における書き込み特性を向上させる
ことができる。
【0061】次に、図6に示したように、平坦化された
上部シールド層10の上に、例えばアルミナ膜またはシ
リコン酸化膜よりなる絶縁膜を、1〜2μmの厚みに形
成する。次に、フォトリソグラフィを用いて、絶縁膜を
選択的にエッチングして、スロートハイトを規定するた
めの絶縁層11を形成する。このとき、絶縁層11の磁
極部分側のエッジにテーパを形成する。このテーパが形
成されたエッジがスロートハイトを規定する。
【0062】次に、上部シールド層10および絶縁層1
1の上に、アルミナ膜等の絶縁膜よりなる記録ギャップ
層12を形成する。次に、後方(図6における右側)の
位置において、磁路形成のために、記録ギャップ層12
を部分的にエッチングする。次に、記録ギャップ層12
の上に、誘導型の記録ヘッドのトラック幅を決定するポ
ールチップ13と、磁路形成用の磁性層14を、約3μ
mの厚みに形成する。これらポールチップ13および磁
性層14は、例えば、NiFe(Ni:50重量%,F
e:50重量%)を用いてめっき法により形成してもよ
いし、チッ化鉄(FeN)やその化合物等の高飽和磁束
密度材をスパッタし、パターニングして形成してもよ
い。なお、ポールチップ13の材料としては、上記の例
の他に、NiFe(Ni:80重量%,Fe:20重量
%)や、Fe−Co−Zrのアモルファス等の高飽和磁
束密度材を用いても良い。また、ポールチップ13は、
上述の種々の材料を2種類以上重ねて形成してもよい。
ポールチップ13に高飽和磁束密度材を用いることによ
り、後述するコイルによって発生する磁束が、途中で飽
和することなく、有効に、磁極部分に到達するようにな
るため、記録密度の高い記録ヘッドを形成することがで
きる。
【0063】次に、ポールチップ13の両側における記
録ギャップ層12をドライエッチングにより除去した
後、露出した上部シールド層10を、ポールチップ13
をマスクとして、イオンミリングによって、例えば0.
4μmエッチングして、トリム構造とする。
【0064】次に、図7に示したように、絶縁層11が
形成されている領域における記録ギャップ層12の上
に、記録ヘッド用の第1層目の薄膜コイル15を、例え
ばめっき法により、2〜3μmの厚みに形成する。
【0065】次に、図8に示したように、絶縁層11お
よびコイル15の上に、フォトレジストよりなる絶縁層
16を、所定のパターンに形成する。次に、絶縁層16
の上に、第2層目の薄膜コイル17を、2〜3μmの厚
みに形成する。次に、絶縁層16およびコイル17の上
に、フォトレジストよりなる絶縁層18を、所定のパタ
ーンに形成する。次に、200〜250°C、例えば2
00°C程度の温度にてキュアを施す。
【0066】次に、図9に示したように、ポールチップ
13の後方の一部と絶縁層16,18および磁性層14
を覆うように、上部ヨーク19を、めっき法により、約
3〜4μmの厚みを形成する。
【0067】記録ヘッドにおける上部側の磁性層を、ポ
ールチップ13と上部ヨーク19とに分離することで、
ポールチップ13の微細化が可能となり、サブミクロン
寸法の狭トラックの記録ヘッドを簡単に形成することが
可能となる。また、上部ヨーク19は、ポールチップ1
3の上面と3つの側面の計4面で、ポールチップ13に
接する。そのため、上部ヨーク19を通過する磁束が、
飽和することなく効率よく、ポールチップ13に流れ込
むため、記録密度の高い記録ヘッドを形成することがで
きる。なお、ポールチップ13、上部ヨーク19および
磁性層14が一体となって上部磁極を構成している。
【0068】また、微細に形成したポールチップ13を
マスクとして、上部シールド層10をエッチングしてト
リム構造とすることができるので、狭トラックの書き込
み時に発生する磁束の広がりによる実効トラック幅の増
加を防止することができる。
【0069】次に、図10に示したように、上部ヨーク
19の上に、例えばアルミナよりなるオーバーコート層
20を形成する。最後に、スライダの機械加工を行っ
て、記録ヘッドおよび再生ヘッドのエアベアリング面を
形成して、薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0070】これら上部シールド層(下部磁極)10、
ポールチップ13、磁性層14、上部ヨーク19と、薄
膜コイル15,17は、本発明における誘導型磁気変換
素子に対応する。つまり、上部シールド層(下部磁極)
10は、本発明に係る記録ヘッドにおける2つの磁性層
のうちの一方に対応し、ポールチップ13、磁性層14
および上部ヨーク19は、2つの磁性層のうちの他方に
対応する。
【0071】図11は、下部シールド層3の平面図、図
12は、上述のようにして製造される本実施の形態に係
る薄膜磁気ヘッドの平面図である。なお、図12では、
オーバーコート層20を省略している。また、この図
は、スライダの機械加工を行う前の状態を表している。
なお、図1ないし図10における(a)は、図12にお
けるC−C′線断面を表し、(b)は、図12における
D−D′線断面を表している。これらの図に示したよう
に、下部シールド層3は、MR素子8およびその周辺に
対向する領域から、MR素子8の両側方に延び、一部
は、上部シールド層10に対向する領域を通過し、残り
の大部分は、誘導型磁気変換素子における2つの磁性層
(上部シールド層10と、ポールチップ13、磁性層1
4および上部ヨーク19)および薄膜コイル15,17
に対向する領域の周囲に配置されている。下部シールド
層3の溝3aは、MR素子8の両端部近傍の位置から、
MR素子8の両側方に延び、一部は、上部シールド層1
0に対向する領域を通過し、残りの大部分は、誘導型磁
気変換素子における2つの磁性層および薄膜コイル1
5,17に対向する領域の周囲に配置されている。MR
素子8に接続される電極を構成する導電層5は、下部シ
ールド層3の溝3a内に絶縁された状態で配置されてい
る。従って、導電層5は、MR素子8の両端部近傍の位
置から、MR素子8の両側方に延び、一部は、上部シー
ルド層10に対向する領域を通過し、残りの大部分は、
誘導型磁気変換素子における2つの磁性層および薄膜コ
イル15,17に対向する領域の周囲に配置されてい
る。また、導電層5のMR素子8とは反対側の端部は、
溝3aの幅よりも大きい幅に形成されて、下部シールド
層3の外側に配置されている。
【0072】なお、下部シールド層3の形状は、図11
に示したものに限らない。例えば、図13に示したよう
に、下部シールド層3のうち溝3aの内側の部分が、誘
導型磁気変換素子における2つの磁性層および薄膜コイ
ル15,17に対向する領域全体に形成された形状に、
下部シールド層3を形成してもよい。また、図14に示
したように、図13に示した下部シールド層3におい
て、一対の溝3a,3aの代わりに、一対の溝3a,3
aを連結した形状の1つの溝3bを形成し、この溝3b
によって、溝3bの外側の部分3Aと溝3bの内側の部
分3Bとに分離された形状に、下部シールド層3を形成
してもよい。
【0073】以上説明したように、本実施の形態では、
下部シールド層3が溝3aを有し、この溝3a内に、M
R素子8に接続される電極を構成する導電層5の大部分
が、絶縁膜4によって下部シールド層3に対して絶縁さ
れた状態で配置されている。従って、本実施の形態によ
れば、導電層5と下部シールド層3との間の絶縁性能を
極めて高くすることができ、導電層5と下部シールド層
3との間の磁気的および電気的な絶縁の不良をなくすこ
とができる。
【0074】また、導電層5の一部は、下部シールドギ
ャップ膜7aおよび上部シールドギャップ膜7bを介し
て上部シールド層10と対向するが、大部分は上部シー
ルド層10と対向しない構造であるため、導電層5と上
部シールド層10との間の絶縁性能も極めて高くするこ
とができ、導電層5と上部シールド層10との間の磁気
的および電気的な絶縁の不良をなくすことができる。
【0075】また、本実施の形態によれば、導電層5が
下部シールドギャップ膜7aと上部シールドギャップ膜
7bとの間に介挿された構造ではないので、導電層5が
下部シールドギャップ膜7a、上部シールドギャップ膜
7bを介して下部シールド層3、上部シールド層10と
広い面積で対向することがない。従って、下部シールド
ギャップ膜7a、上部シールドギャップ膜7bを薄くし
ても、導電層5と下部シールド層3および上部シールド
層10との間の絶縁性能を高く維持することができる。
【0076】このように本実施の形態によれば、下部シ
ールドギャップ膜7aおよび上部シールドギャップ膜7
bを厚くすることなく、MR素子8に接続される電極と
下部シールド層3および上部シールド層10との間の絶
縁性能を向上させることができる。
【0077】また、本実施の形態によれば、サーマルア
スピリティを改善するために、下部シールドギャップ膜
7aおよび上部シールドギャップ膜7bを十分薄くする
ことが可能となり、再生ヘッドの性能を向上させること
ができる。
【0078】また、本実施の形態によれば、導電層5を
十分厚く形成することができるので、MR素子8に接続
される電極の配線抵抗をより低くすることができる。こ
れにより、MR素子8における微小な抵抗変化に対応す
る微小な出力信号変化を感度よく検出することが可能と
なり、この点からも再生ヘッドの性能を向上させること
ができる。
【0079】また、本実施の形態では、導電層5のうち
の、下部シールド層3の溝3a内に配置された部分は、
両側から下部シールド層3に挟み込まれてシールドされ
る構造となっている。従って、MR素子8に対する、誘
導型の記録ヘッドにおけるコイルから発生する磁気等の
内部要因やハードディスク装置のモータ等の外部要因に
よるノイズの影響を低減することができる。特に、MR
素子8の近傍では、導電層5は、両側面側が下部シール
ド層3によってシールドされ、上面側が上部シールド層
10によってシールドされる構造となっているので、導
電層5に対するノイズの影響をより低減することができ
る。これらの点からも、再生ヘッドの性能を向上させる
ことができる。
【0080】また、本実施の形態によれば、コイル1
5,17と上部シールド層10との間に、薄い記録ギャ
ップ層12の他に、厚い絶縁層11を形成できるので、
コイル15,17と上部シールド層10との間に、大き
な絶縁耐圧を得ることができると共に、コイル15,1
7からの磁束の漏れを低減することができる。
【0081】次に、図15を参照して、本発明の第2の
実施の形態について説明する。図15は、本実施の形態
に係る薄膜磁気ヘッドの平面図である。なお、図15で
は、オーバーコート層を省略している。また、この図
は、スライダの機械加工を行う前の状態を表している。
【0082】本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドは、下
部シールド層3の溝3a内に配置された導電層5のうち
の溝3aより露出する部分に対向する電極シールド層2
1を設けたものである。この電極シールド層21は、下
部シールド層3の溝3a内に配置された導電層5のう
ち、少なくとも、上部シールド層10に対向しない部分
を覆うように設けられる。電極シールド層21は、絶縁
層11が存在する領域では、絶縁層11の上に形成さ
れ、絶縁層11が存在しない領域では、上部シールドギ
ャップ膜7bの上に形成される。
【0083】電極シールド層21は、例えば、上部ヨー
ク19を形成する際に同時に、上部ヨーク19と同じ磁
性材料を用いて形成される。
【0084】本実施の形態によれば、下部シールド層3
の溝3a内に配置された導電層5のうち、上部シールド
層10に対向しない部分の上面側を、電極シールド層2
1によってシールドすることができるので、第1の実施
の形態に比べて、導電層5に対するノイズの影響をより
低減することができる。
【0085】本実施の形態におけるその他の構成、作用
および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0086】次に、図16を参照して、本発明の第3の
実施の形態について説明する。図16は、本実施の形態
に係る薄膜磁気ヘッドのエアベアリング面に垂直な断面
を示す断面図である。なお、図16は、スライダの機械
加工を行う前の状態を表している。
【0087】本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドは、下
部シールド層3を形成する際に使用され、下部シールド
層3に電気的に接続され、下部シールド層3が形成され
る領域よりも広い領域に形成される電極膜としてのシー
ド層31を備えたものである。シード層31は、例え
ば、一対の導電層5,5の間の略全域に形成される。
【0088】シード層31は、絶縁層2上に、例えば、
スパッタにより、パーマロイ(NiFe)を用いて50
〜100nmの厚みに形成される。下部シールド層3
は、シード層31の上に、フォトレジスト膜をマスクと
して、めっき法にて選択的に形成される。
【0089】本実施の形態によれば、下部シールド層3
に、下部シールド層3が形成される領域よりも広い領域
に形成されたシード層31が接続されるので、シード層
31が下部シールド層3と共にシールドとして機能す
る。これにより、第1の実施の形態に比べて、MR素子
8に対するシールド領域が広がり、外部からのノイズの
影響をより低減することができる。
【0090】なお、本実施の形態においても、第2の実
施の形態と同様に、下部シールド層3の溝3a内に配置
された導電層5のうちの溝3aより露出する部分に対向
する電極シールド層21を設けてもよい。
【0091】本実施の形態におけるその他の構成、作用
および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0092】次に、図17を参照して、本発明の第4の
実施の形態について説明する。図17は、本実施の形態
に係る薄膜磁気ヘッドのエアベアリング面に垂直な断面
を示す断面図である。なお、図17は、スライダの機械
加工を行う前の状態を表している。
【0093】本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドは、第
1の実施の形態に比べて、下部シールド層3が形成され
る面積を大きくしたものである。本実施の形態における
下部シールド層3は、例えば、第1の実施の形態におい
て下部シールド層3が形成される領域の他に、一対の導
電層5,5の間の略全域に形成される。このような下部
シールド層3は、シード層31の上に、フォトレジスト
膜をマスクとして、めっき法にて、選択的に形成され
る。なお、本実施の形態において、シード層31は、一
対の導電層5,5の間の略全域に、第3の実施の形態と
同様にして形成される。
【0094】本実施の形態によれば、第1の実施の形態
に比べて、下部シールド層3が形成される面積を大きく
したので、MR素子8に対するシールド領域が広がり、
外部からのノイズの影響をより低減することができる。
【0095】本実施の形態におけるその他の構成、作用
および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0096】次に、図18ないし図20を参照して、本
発明の第5の実施の形態について説明する。図18は、
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの平面図である。な
お、図18では、オーバーコート層を省略している。ま
た、この図は、スライダの機械加工を行う前の状態を表
している。また、図19は、本実施の形態における下部
シールド層を示す平面図、図20は、本実施の形態にお
ける導電層を示す平面図である。
【0097】本実施の形態では、第1の実施の形態にお
ける下部シールド層3の代わりに、下部シールド層53
が設けられている。この下部シールド層53は、MR素
子8およびその周辺に対向する領域から、コイル15,
17の中央部近傍に対向する領域にかけて形成されてい
る。また、本実施の形態では、第1の実施の形態におけ
る一対の導電層5,5の代わりに、一対の導電層55,
55が設けられている。下部シールド層53には、一対
の導電層55,55の一部が配置される一対の溝53
a,53aが形成されている。この溝53a,53a
は、MR素子8の両端部近傍の位置から、MR素子8の
両側方に延びた後、下部シールド層53の外延近傍に沿
って延び、下部シールド層53における磁極部分とは反
対側の端部に達するように形成されている。従って、本
実施の形態では、下部シールド層53の溝53aは、誘
導型磁気変換素子における2つの磁性層および薄膜コイ
ル15,17に対向する領域を通過するように配置され
ている。
【0098】導電層55のMR素子8側の一部は、下部
シールド層53の溝53a内に絶縁された状態で配置さ
れている。導電層55の他の部分は、下部シールド層5
3における磁極部分とは反対側の端部より、更に磁極部
分とは反対側に延びるように、下部シールド層53の外
側に配置され、その端部は、溝53aの幅よりも大きい
幅に形成されている。
【0099】本実施の形態におけるその他の構成、作用
および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0100】次に、図21および図22を参照して、本
発明の第6の実施の形態について説明する。図21は、
本実施の形態における下部シールド層および導電層を示
す平面図、図22は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッ
ドの主要部を示す平面図である。
【0101】本実施の形態では、第1の実施の形態にお
ける下部シールド層3の代わりに、下部シールド層63
を設けている。この下部シールド層63は、MR素子8
に対向する部分63Aと、MR素子に対向しない部分6
3B,63Cとに分割されている。MR素子8に対向す
る部分63Aと、MR素子に対向しない部分63B,6
3Cとの間には、所定の間隔のギャップが形成されてい
る。下部シールド層63には、第1の実施の形態におけ
る下部シールド層3の溝3aと同様に、導電層5の一部
が配置される溝63aが形成されている。MR素子に対
向しない部分63B,63Cは、溝63aによって、そ
れぞれ、2つの部分に分割されている。従って、下部シ
ールド層63は、実際には5つの部分に分割されてい
る。このような下部シールド層63は、例えば、下部シ
ールド層63に対応する部分のみがエッチングによって
選択的に残されたシード層の上に、フォトレジスト膜を
マスクとして、めっき法にて、選択的に形成される。
【0102】また、本実施の形態では、第2の実施の形
態と同様に、下部シールド層63の溝63a内に配置さ
れた導電層5のうちの溝63aより露出する部分に対向
する電極シールド層21が設けられている。
【0103】本実施の形態によれば、下部シールド層6
3が5つの部分に分割されているので、1つの部分の面
積が小さくなり、高周波域でのシールド特性が向上す
る。
【0104】本実施の形態におけるその他の構成、作用
および効果は、第2の実施の形態と同様である。
【0105】なお、本発明は、上記各実施の形態に限定
さない。例えば、上記各実施の形態では、基体側に読み
取り用のMR素子を形成し、その上に、書き込み用の誘
導型磁気変換素子を積層した構造の薄膜磁気ヘッドにつ
いて説明したが、この積層順序を逆にしてもよい。
【0106】つまり、基体側に書き込み用の誘導型磁気
変換素子を形成し、その上に、読み取り用のMR素子を
形成してもよい。このような構造は、例えば、上記実施
の形態に示した上部磁極の機能を有する磁性膜を下部磁
極として基体側に形成し、記録ギャップ膜を介して、そ
れに対向するように上記実施の形態に示した下部磁極の
機能を有する磁性膜を上部磁極として形成することによ
り実現できる。この場合、誘導型磁気変換素子の上部磁
極とMR素子の下部シールド層を兼用させることが好ま
しい。
【0107】従って、このような構造の薄膜磁気ヘッド
では、MR素子の上部シールド層が、本発明における一
方のシールド層に対応する。つまり、上部シールド層
に、導電層が配置される溝が形成される。
【0108】なお、このような構造の薄膜磁気ヘッドで
は、凹部を形成した基体を用いることが好ましい。そし
て、基体の凹部に、コイル部を形成することによって、
薄膜磁気ヘッド自体の大きさをさらに縮小化することが
できる。
【0109】更に、異なる形態としては、誘導型磁気変
換素子のコイル部を構成する各薄膜コイル間に形成され
る絶縁層を、全て無機絶縁層としてもよい。
【0110】
【発明の効果】以上説明したように請求項1ないし7の
いずれかに記載の薄膜磁気ヘッドまたは請求項8ないし
17のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によ
れば、磁気抵抗素子を挟んで対向するように配置された
2つのシールド層のうちの一方のシールド層が、磁気抵
抗素子に接続される電極の少なくとも一部が配置される
溝を有し、電極の少なくとも一部が、溝内に、一方のシ
ールド層に対して絶縁された状態で配置されるようにし
たので、電極と各シールド層との間の絶縁性能を高くす
ることができると共に、電極が絶縁層を介して両シール
ド層間に介挿された構造ではないので、磁気抵抗素子と
シールド層との間の絶縁層を厚くすることなく、磁気抵
抗素子に接続される電極とシールド層との間の絶縁性能
を向上させることができるという効果を奏する。更に、
電極を十分厚く形成することができるので、電極の配線
抵抗をより低くすることができるという効果を奏する。
更に、電極のうちの溝内に配置された部分が、一方のシ
ールド層によって挟み込まれてシールドされるので、電
極に対するノイズの影響を低減する ことができるという
効果を奏する。
【0111】また、請求項記載の薄膜磁気ヘッドまた
は請求項12もしくは13記載の薄膜磁気ヘッドの製造
方法によれば、電極の少なくとも一部をシールドするた
めの電極シールド層を設けたので、更に、電極に対する
ノイズの影響をより低減することができるという効果を
奏する。
【0112】また、請求項記載の薄膜磁気ヘッドまた
は請求項14記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれ
ば、一方のシールド層を形成する際に使用され、このシ
ールド層が形成される領域よりも広い領域に形成され、
このシールド層に電気的に接続される電極膜を設けたの
で、更に、磁気抵抗素子に対するシールド領域が広が
り、外部からのノイズの影響をより低減することができ
るという効果を奏する。
【0113】また、請求項記載の薄膜磁気ヘッドまた
は請求項15記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれ
ば、一方のシールド層を、磁気抵抗素子に対向する部分
と、磁気抵抗素子に対向しない部分とに分割したので、
更に、高周波域でのシールド特性を向上させることがで
きるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッ
ドの製造方法における一工程を説明するための断面図で
ある。
【図2】図1に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図3】図2に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図4】図3に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図5】図4に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図6】図5に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図7】図6に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図8】図7に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図9】図8に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図10】図9に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図11】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドにおける下部シールド層を示す平面図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの平面図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドにおける下部シールド層の他の形状の例を示す平面
図である。
【図14】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドにおける下部シールド層の更に他の形状の例を示す
平面図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの平面図である。
【図16】本発明の第3の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドのエアベアリング面に垂直な断面を示す断面図であ
る。
【図17】本発明の第4の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドのエアベアリング面に垂直な断面を示す断面図であ
る。
【図18】本発明の第5の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの平面図である。
【図19】本発明の第5の実施の形態における下部シー
ルド層を示す平面図である。
【図20】本発明の第5の実施の形態における導電層を
示す平面図である。
【図21】本発明の第6の実施の形態における下部シー
ルド層および導電層を示す平面図である。
【図22】本発明の第6の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの主要部を示す平面図である。
【図23】従来の薄膜磁気ヘッドの製造方法における一
工程を説明するための断面図である。
【図24】図23に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図25】図24に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図26】図25に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図27】図26に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図28】図27に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図29】図28に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図30】図29に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図31】従来の薄膜磁気ヘッドの平面図である。
【図32】従来の薄膜磁気ヘッドの製造途中の状態を示
す平面図である。
【符号の説明】
1…基板、2…絶縁層、3…下部シールド層、4…絶縁
膜、5…導電層、6…絶縁層、7a…下部シールドギャ
ップ膜、7b…上部シールドギャップ膜、8…MR素
子、9…電極層、10…上部シールド層兼下部磁極、1
1…絶縁層、12…記録ギャップ層、13…ポールチッ
プ、14…磁性層、15,17…薄膜コイル、16,1
8…絶縁層、19…上部ヨーク、20…オーバーコート
層。

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体に対向する媒体対向面と、 前記媒体対向面の近傍に配置された 磁気抵抗素子と、 この磁気抵抗素子を挟んで対向するように配置され、前
    記磁気抵抗素子をシールドする2つのシールド層と、 前記磁気抵抗素子と各シールド層との間に設けられた絶
    縁層と、 前記磁気抵抗素子に接続される電極と 磁気的に連結され、且つ前記媒体対向面側の一部がギャ
    ップ層を介して互いに対向する磁極部分を含む2つの磁
    性層、およびこの2つの磁性層の間に配設された薄膜コ
    イルを有する書き込み用の誘導型磁気変換素子と を備
    え、 一方のシールド層は、前記電極の少なくとも一部が配置
    される溝を有し、 前記電極の少なくとも一部は、前記溝内に、前記一方の
    シールド層に対して絶縁された状態で配置され 前記溝およびこの溝内に配置された前記電極の少なくと
    も一部の媒体対向面から遠い各端部は、前記薄膜コイル
    の媒体対向面から遠い端部よりも、媒体対向面から遠い
    位置に配置され ていることを特徴とする薄膜磁気ヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】 前記溝と前記電極は、これらの間に設け
    られた絶縁膜によって絶縁されていることを特徴とする
    請求項1記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記溝の少なくとも一部は、前記誘導型
    磁気変換素子における2つの磁性層および薄膜コイルに
    対向する領域の周囲に配置されていることを特徴とする
    請求項1または2記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記溝の少なくとも一部は、前記誘導型
    磁気変換素子における2つの磁性層および薄膜コイルに
    対向する領域を通過するように配置されていることを特
    徴とする請求項1または2記載の薄膜磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 更に、前記電極の少なくとも一部のう
    ち、他方のシールド層に対向しない部分を覆うように設
    けられ、この部分をシールドする電極シールド層を備え
    たことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載
    の薄膜磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】 更に、前記一方のシールド層をめっき法
    によって形成する際に使用され、このシールド層が形成
    される領域よりも広い領域に形成され、このシールド層
    に電気的に接続され、このシールド層と共にシールドと
    して機能する電極膜を備えたことを特徴とする請求項1
    ないしのいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記一方のシールド層は、前記磁気抵抗
    素子に対向する部分と、前記磁気抵抗素子に対向しない
    部分とに分割されていることを特徴とする請求項1ない
    のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  8. 【請求項8】 記録媒体に対向する媒体対向面と、前記
    媒体対向面の近傍に配置された磁気抵抗素子と、この磁
    気抵抗素子を挟んで対向するように配置され、前記磁気
    抵抗素子をシールドする第1および第2のシールド層
    と、前記磁気抵抗素子と前記第1および第2のシールド
    層との間に設けられた第1および第2の絶縁層と、前記
    磁気抵抗素子に接続される電極と、磁気的に連結され、
    且つ前記媒体対向面側の一部がギャップ層を介して互い
    に対向する磁極部分を含む2つの磁性層、およびこの2
    つの磁性層の間に配設された薄膜コイルを有する書き込
    み用の誘導型磁気変換素子とを備えた薄膜磁気ヘッドの
    製造方法であって、 第1のシールド層を形成する工程と、 前記第1のシールド層の上に、第1の絶縁層を形成する
    工程と、 前記第1の絶縁層の上に、磁気抵抗素子を形成する工程
    と、 前記磁気抵抗素子および第1の絶縁層の上に、第2の絶
    縁層を形成する工程と、 前記第2の絶縁層の上に、第2のシールド層を形成する
    工程と 前記誘導型磁気変換素子を形成する工程と を含み、一方のシールド層を形成する工程は 、前記電極の少なく
    とも一部が配置される溝を有するように、一方のシール
    ド層を形成し、 更に、電極の少なくとも一部が、前記溝内に、前記一方
    のシールド層に対して絶縁された状態で配置されるよう
    に、電極を形成する工程を含み、 前記溝およびこの溝内に配置された前記電極の少なくと
    も一部の媒体対向面から遠い各端部は、前記薄膜コイル
    の媒体対向面から遠い端部よりも、媒体対向面から遠い
    位置に配置される ことを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製
    造方法。
  9. 【請求項9】 前記溝と前記電極は、これらの間に設け
    られた絶縁膜によって絶縁されることを特徴とする請求
    記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記溝の少なくとも一部は、前記誘導
    型磁気変換素子における2つの磁性層および薄膜コイル
    に対向する領域の周囲に配置されることを特徴とする請
    求項8または9記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記溝の少なくとも一部は、前記誘導
    型磁気変換素子における2つの磁性層および薄膜コイル
    に対向する領域を通過するように配置されることを特徴
    とする請求項8または9記載の薄膜磁気ヘッドの製造方
    法。
  12. 【請求項12】 更に、前記電極の少なくとも一部のう
    ち、他方のシールド層に対向しない部分を覆うように設
    けられ、この部分をシールドする電極シールド層を形成
    する工程を含むことを特徴とする請求項ないし10
    いずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記電極シールド層は、前記誘導型磁
    気変換素子における一方の磁性層を形成する際に同時に
    形成されることを特徴とする請求項12記載の薄膜磁気
    ヘッドの製造方法。
  14. 【請求項14】 更に、前記一方のシールド層をめっき
    法によって形成する際に使用され、このシールド層に電
    気的に接続され、このシールド層と共にシールドとして
    機能する電極膜を、このシールド層が形成される領域よ
    りも広い領域に形成する工程を含むことを特徴とする請
    求項ないし10のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの
    製造方法。
  15. 【請求項15】 前記一方のシールド層は、前記磁気抵
    抗素子に対向する部分と、前記磁気抵抗素子に対向しな
    い部分とに分割されて形成されることを特徴とする請求
    ないし10のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製
    造方法。
  16. 【請求項16】 前記一方のシールド層は、めっき法に
    より形成されることを特徴とする請求項ないし15
    いずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記電極は、めっき法により形成され
    ることを特徴とする請求項ないし16のいずれかに記
    載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
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