JP2000034642A - 嵩高織物及びその製法とこれを用いた織物製品 - Google Patents

嵩高織物及びその製法とこれを用いた織物製品

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JP2000034642A
JP2000034642A JP10198733A JP19873398A JP2000034642A JP 2000034642 A JP2000034642 A JP 2000034642A JP 10198733 A JP10198733 A JP 10198733A JP 19873398 A JP19873398 A JP 19873398A JP 2000034642 A JP2000034642 A JP 2000034642A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極めて嵩高、高密度であって、独特の格子状
凹凸構造を有し、多様な用途に供し得る特異な嵩高織物
を提供する。 【解決手段】 収縮した蜂巣織り組織を有し、織物表面
の格子状模様を構成する各桝目1の凹陥した中央部1b
の深さdが各枡目1の辺長wの0.5〜3倍の範囲にあ
る嵩高織物B。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、極めて嵩高で独
特の格子状凹凸構造を有し、例えば束子や垢擦り等の摺
洗具、クッション材、マット等の敷物を始めとして多様
な用途に供し得る特異な嵩高織物及びその製法とこれを
用いた織物製品に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】従来、凹凸のある嵩高な織物を
得る手段としては、太い糸を用いて特殊な織り組織や多
重組織としたり、高収縮糸と低収縮糸との収縮差による
凹凸を利用して嵩高化する方法(特開昭52−1073
62号、特公昭64−8098号、特開平5−8657
1号、特開平5−311574号の各公報等)が知られ
る。しかるに、これら従来の手段によって得られる織物
は、その嵩高性と凹凸の度合が小さいために用途的な展
開性に乏しく、せいぜいタオル、敷布、毛布等として厚
地に凹凸模様を付与した程度のものでしかなかった。
【0003】この発明は、極めて嵩高且つ高密度であっ
て、従来の嵩高織物とは外観的にも形態的にも全く趣が
異なる独特の格子状凹凸構造を有し、多様な用途に供し
得る特異な嵩高織物及びその製法とこれを用いた織物製
品を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の請求項1に係る嵩高織物は、収縮した蜂
巣織り組織を有し、織物表面の格子状模様を構成する各
桝目の凹陥した中央部の深さが各枡目の辺長の0.7〜
3倍の範囲にあることを特徴としている。
【0005】すなわち、この嵩高織物は、蜂巣織り組織
の格子状模様を構成する各枡目が大きさを縮小して中央
の凹陥度合を増すように収縮した構造であるため、厚み
方向の嵩高度合が極めて大きく且つ高密度である上、両
面が立体的で安定した格子状凹凸をなし、この立体組織
の保形性が高く苛酷な使用条件でも形崩れしにくく、ク
ッション性、吸水性、保水性、保温性等にも優れると共
に、格子状凹凸による特有の触感と通気性を有し、また
独特の美しい外観より高い意匠性を備えることから、広
範な用途に利用できる。なお、各桝目の凹陥した中央部
の深さが各枡目の辺長の0.5倍未満のものでは嵩高性
が不足すると共に保形性も不充分になり、逆に3倍を越
えるものでは組織が硬過ぎて有用性を喪失することにな
る。
【0006】請求項2の発明に係る摺洗具は、上記請求
項1の嵩高織物を用いているから、食器や野菜等の洗浄
用、入浴時の身体洗い用、自動車の洗車用等として、摺
洗力及び耐久性に優れると共に、良好な吸水性及び保水
性によって使い勝手がよく、且つ外観体裁の良好なもの
となる。また、請求項3の発明に係るクッション材は、
同じく上記請求項1の嵩高織物を用いているから、良好
なクッション性を備えて、且つ衝撃に強い上、重量によ
るへたりを生じにくいものとなる。更に請求項4の発明
に係る敷物は、同じく上記請求項1の嵩高織物用いてい
るから、保水性、保温性及び触感に優れ、しかも美的興
趣性の高いものとなる。
【0007】請求項5の発明に係る嵩高織物の製法は、
蜂巣織り組織の織物を織成し、この織物を熱処理して織
物面積が70%以下となるように収縮させることによ
り、厚み方向に嵩高化することを特徴としている。すな
わち、この方法によれば、熱処理に伴い、熱収縮性糸が
収縮して長さを短縮すると同時に太さを増すが、この収
縮作用が蜂巣織り特有の組織において発現する結果、織
物の格子状模様を構成する各枡目が小さくなって織物表
面の面積が縮小すると共に、該凹凸構造の谷と山が上下
に押し拡げられるように変化し、もって織物の厚み方向
の嵩が著しく増すと共に高密度化し、形態的にしっかり
した極めて立体的な格子状凹凸構造の組織に転化し、前
記請求項1のような嵩高織物が容易に且つ確実に得られ
ることになる。
【0008】請求項6の発明では、上記請求項5の嵩高
織物の製法において、織成した蜂巣織り組織の織物を所
要の大きさに裁断し、この裁断した織物の周縁部におけ
る辺方向に沿う糸を除去すると共に、この除去部分と蜂
巣織り組織との境界部を縫った上で、この織物を熱処理
する。この場合、上記の糸除去部分に残った辺方向に直
交する糸が熱処理を経て房状形態となるから、得られる
嵩高織物は、熱処理にて嵩高化した格子状凹凸構造の織
物の周辺が房にて美しく縁取られ、非常に装飾性の高い
形態となり、且つ上記の境界部の縫い付けによって蜂巣
織り組織のほぐれを生じない。
【0009】請求項7の発明では、上記請求項5又は6
の嵩高織物の製法において、熱収縮性糸が、沸水収縮率
10%以上のものである構成としているから、この糸の
熱処理に伴う収縮によって立体感に富む格子状凹凸構造
の嵩高織物が確実に得られる。
【0010】請求項8の発明では、上記請求項5〜7の
いずれかの嵩高織物の製法において、熱処理を水熱によ
り90℃以上の温度で行うようにしているから、熱水中
への浸漬、水含浸状態での加熱、スチーム加熱等によ
り、全体的に均質な格子状凹凸構造を有する高品位の嵩
高織物が短時間で容易に得られ、また染色を行う場合に
は染色工程を熱処理に兼用できることになる。
【0011】
【発明の実施の形態】この発明の嵩高織物の織り組織に
採用される蜂巣織りは、枡織りとも称される変化組織で
あり、周知のように浮き糸を四角形に使って規則正しく
並んだ枡型の凹凸を織り出したもので、従来においては
主として敷布やカバー類に利用されている。
【0012】図1に示すように、この蜂巣織りの織物A
は、格子状模様を構成する各枡目(1)の四辺(1a)
…が稜線状に高くなって中央部(1b)が窪んだ形の凹
凸状表面を有し、その窪んだ中央部(1b)が裏面側で
の稜線交叉部となる形で表裏の凹凸関係は逆になってい
る。例えば図2(ロ)の組織の場合、製織段階では平坦
であるが、同図(イ)の横方向のセクションで示すよう
に、緯糸aと経糸b共に長く浮いている糸が高く盛り上
がると共に、順次浮きの少ない糸ほど沈み込み、もって
自然に表裏が格子状の凹凸形状となる。
【0013】この発明の嵩高織物は、熱収縮性糸を用い
て上記の蜂巣織り組織の織物を織成し、この織物を熱処
理によって収縮させることにより、厚み方向に嵩高化し
たものである。
【0014】すなわち、例えば図3(イ)(ロ)に示す
ように、元の蜂巣織り組織の織物Aは、格子状で浅い凹
凸を有していても組織の糸相互が緩んだ状態で保形性に
乏しいが、これを熱処理すれば、熱収縮性糸(2)…が
収縮によって長さを短縮すると同時に太さを増すことか
ら、織物の格子状模様を構成する各枡目(1)が小さく
なって織物表面の面積が縮小すると共に、該凹凸構造の
谷vと山mが上下に押し拡げられる。その結果、図4
(イ)(ロ)に示すように、熱処理後の織物Bは、各枡
目(1)の凹凸度合が深まって厚み方向に著しく嵩高化
すると共に、組織全体が引き締まって高密度化し、極め
て立体的で形崩れを生じにくい格子状凹凸構造を有する
ものとなる。
【0015】蜂巣織り組織の織物Aの上記熱処理による
収縮度合は、その面積が熱処理前に比較して70%以
下、特に好ましくは50〜20%となるように設定すべ
きであり、この収縮度合が小さ過ぎると組織の保形性が
悪くなると共に、極端に大き過ぎては織物組織の過度な
高密度化によって硬くなる。また、この収縮を経た織物
の格子状凹凸構造は、図4(イ)(ロ)に示す各枡目
(1)の凹陥した中央部の深さdが各枡目(1)の辺長
wの0.5〜3倍の範囲にあることが望ましく、この値
が0.5倍未満では嵩高化が不充分であると共に組織の
保形性も不足し、逆に3倍を越える場合は収縮度合を極
めて大きくする必要があるために組織が硬くなり過ぎて
支障を生じる。好ましくは、1.0〜2.5倍程度であ
る。
【0016】熱収縮性糸は、所謂バルキー綿(一般にア
クリル)の混紡によって熱収縮性を付与したポリエステ
ル系、ポリアミド系、ポリアクリルニトリル系、ポリオ
レフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリ塩化ビニリデン系
等の合成繊維糸あるいは綿、レーヨン等の天然繊維糸で
あり、熱収縮糸として市販されるものを支障なく使用で
きるが、その沸水収縮率が10%以上であるものが好ま
しく、この沸水収縮率が低過ぎるものでは充分な嵩高化
を行えない。なお、この沸水収縮率の上限には制約はな
いが、現状で入手可能な熱収縮性糸の沸水収縮率は最大
40%である。また使用可能な原糸番手は、1/0.1
〜1/100の範囲である。
【0017】この発明で用いる蜂巣織り組織の織物は、
上記の熱収縮糸を用いて織成するが、必ずしも熱収縮糸
のみで織成したものに限らず、緯糸と経糸の一方を熱収
縮糸として他方を非熱収縮糸としたものや、緯糸及び経
糸に熱収縮糸と非熱収縮糸を併用したものも包含する
が、熱収縮による嵩高化を顕著に発現させる上で特に全
部の糸が熱収縮糸であるものが推奨される。しかして、
使用する熱収縮糸の糸番手、収縮率、撚り本数、撚りの
強弱、蜂巣織り組織の構成等を適宜設定することによ
り、熱処理を経て得られる嵩高織物の厚さ、硬さ、組織
密度等を嵩高織物の用途に応じた適正範囲に調整でき
る。また、嵩高織物の用途に対応して、これに用いる熱
収縮糸としても、その混紡繊維の種類等によって吸水、
抗菌、消臭その他の応じた特性を具備するものを使用で
きる。
【0018】例えば、クッション材用としては、沸水収
縮率20〜40%の太番手(1/2 〜1/10の単糸〜5
本撚り程度)の熱収縮糸がよく、熱処理を経て得られる
嵩高織物は非常に嵩高で腰が強く良好なクッション性を
備え、且つ衝撃に強い上に重量によるへたりを生じにく
いものとなる。また敷物用や水周りマット用としては、
沸水収縮率15〜35%の中番手(1/5〜1/20の単
糸〜5本撚り程度)の熱収縮糸がよく、密度及び嵩高性
が適度で保水性や保温性に優れ、且つ触感及び美的興趣
性の良い嵩高織物が得られる。更に食器や野菜等の洗
浄、入浴時の身体洗い、自動車の洗車等に用いる摺洗具
には、沸水収縮率10〜30%の中・細番手(1/10〜
1/50の単糸〜5本撚り程度)の熱収縮糸がよく、摺
洗力及び耐久性に優れると共に、良好な吸水性及び保水
性によって使い勝手がよく、且つ外観体裁の良好な嵩高
織物が得られる。
【0019】熱処理は湿熱と乾熱のいずれでもよいが、
織物全体を均一に収縮させる上で湿熱の方が好適であ
る。この湿熱での熱処理は、温度90℃以上の温度、一
般的には90〜100℃にて行うのがよく、熱水中への
浸漬、スプレーや水中浸漬にて水を含浸した状態での加
熱、スチーム加熱等を採用できるが、特に熱水浸漬によ
れば数秒〜数分程度の短時間で均質な格子状凹凸構造を
有する高品位の嵩高織物を容易に製出できる。また、パ
ドル染色等を行う場合は、この染色処理を収縮のための
熱処理と兼用することが可能である。なお、乾熱による
処理温度は90〜140℃程度である。
【0020】一方、織成した蜂巣織り組織の織物を所要
の大きさに裁断し、この裁断した織物の周縁部における
辺方向に沿う糸を除去すると共に、この除去部分と蜂巣
織り組織との境界部を縫った上で、前記の熱処理を行え
ば、上記の糸除去部分に残った辺方向に直交する糸が熱
処理を経て房状形態となる。従って、図5に示すよう
に、得られる嵩高織物Bは、熱処理にて嵩高化した格子
状凹凸構造の領域(3)の周辺が房(4)にて美しく縁
取られた、非常に装飾性の高い形態となり、且つ上記の
境界部(5)の縫い付けによって蜂巣織り組織のほぐれ
を生じない。
【0021】この発明に係る嵩高織物は、前記のよう
に、厚み方向の嵩高度合が大きい上、両面が立体的で安
定した格子状凹凸をなし、この立体組織の保形性が高く
苛酷な使用条件でも形崩れしにくく、クッション性、吸
水性、保水性、保温性等にも優れると共に、格子状凹凸
による特有の触感と通気性を有し、また独特の美しい外
観より高い意匠性を備えることから、これらの特性を活
かして広範な用途展開が可能である。
【0022】その具体例としては、食器や野菜等の洗浄
に用いる台所用摺洗具(布たわし)、入浴時の身体洗い
用摺洗具、自動車の洗車用摺洗具、モップ等の清掃用布
材、クッション材、床敷、ベッドパッド、ペッドや椅子
の上張り、椅子カバー、シートカバー、敷布(特に床ず
れ防止用)、座布団カバー、枕用布地、枕カバー、台所
や浴室出入り口等に敷く水周りマット、玄関マット、袋
物の布地、バッグの外張り及び内張り材、置物の下敷
き、スリッパ材料、靴中敷、靴拭き等の多種多様のもの
が挙げられるが、とりわけ摺洗具、クッション材、床敷
や各種マットを含む敷物として極めて有用である。無
論、この発明の嵩高織物は、これら用途に応じて袋状を
始めとする様々な形態に縫製したり、他の布材と縫い合
わせて用いることができる。
【0023】
【実施例】実施例1 アクリル14番手3本撚りの熱収縮糸(沸水収縮率23
%)を使用し、緯糸を22本/インチ間、経糸を22本
/インチ間として、8枚綜絖枠を用いて蜂巣の枡目を1
枡約16mm角に設定し、目付け390〜400g/m
2 の蜂巣織り組織の織物生地を織成した。この織物生地
を矩形に裁断して周縁周縁部における辺方向に沿う糸を
除去し、この除去部分と蜂巣織り組織との境界部を縫っ
たもの(蜂巣織り組織部分の大きさ24cm×15c
m)について、黄色染料を用いて熱処理を兼ねて100
℃にて20分間のパドル染色を行ったのち、30分かけ
て徐冷し、次いで3分間脱水した上で30分間の乾燥
(最高温度60℃)を行い、黄色の嵩高織物を得た。
【0024】この実施例1の嵩高織物は、蜂巣織り組織
部分の大きさが14.5cm×9cmであり、処理前の
織物に比較して縦横長さが各々約40%収縮し、面積と
して約36%まで縮小し、全周に図5に示すような房を
有するものであった。そして、両面の蜂巣織り組織部分
は、各枡目の辺長約9mm、各枡目の凹陥した中央部の
深さ約12mmの格子状凹凸構造をなしており、全体が
柔軟で外観体裁もよく、保温性や吸水性が高く、とりわ
け敷物としての適性に優れるものであった。
【0025】実施例2 熱収縮糸としてアクリル14番手3本強撚りの熱収縮糸
(沸水収縮率30%)を使用した以外は、実施例1と同
様にして全周に房を有する嵩高織物を得た。この嵩高織
物は、蜂巣織り組織部分の大きさが12cm×7.5c
mであり、処理前の織物に比較して縦横長さが各々約5
0%収縮し、面積として約25%まで縮小していた。そ
して、両面の蜂巣織り組織部分は、各枡目の辺長約7m
m、各枡目の凹陥した中央部の深さ約11mmの格子状
凹凸構造をなすが、腰が強く全体的に強靱で硬い感触を
有しており、引っ張りや押圧による変形が少なく、摺洗
力及び保水力が大きく、とりわけ摺洗具としての適性に
優れるものであった。
【0026】実施例3 アクリル10番手4本撚りの熱収縮糸(沸水収縮率23
%)を使用し、緯糸を18本/インチ間、経糸を16本
/インチ間として、8枚綜絖枠を用いて蜂巣の枡目を1
枡約20mm角に設定し、目付け610〜620g/m
2 の蜂巣織り組織の織物生地を織成した。この織物生地
を矩形に裁断して周縁周縁部における辺方向に沿う糸を
除去し、この除去部分と蜂巣織り組織との境界部を縫っ
たもの(蜂巣織り組織部分の大きさ24cm×15c
m)について、100℃の熱湯中に5分間浸漬し、引き
上げて5分間放冷し、次いで3分間脱水した上で30分
間の乾燥(最高温度60℃)を行い、嵩高織物を得た。
【0027】この実施例3の嵩高織物は、蜂巣織り組織
部分の大きさが14.5cm×9cmであり、処理前の
織物に比較して縦横長さが各々約40%収縮し、面積と
して約36%まで縮小し、全周に図5に示すような房を
有するものであった。そして、両面の蜂巣織り組織部分
は、各枡目の辺長約11mm、各枡目の凹陥した中央部
の深さ約9mmの格子状凹凸構造をなし、特に格子状の
配置が幾何学的に整然として美しい外観を示すと共に、
クッション性に富み、特に全体が柔軟であるが弾力的で
クッション性に富み、とりわけクッション材として優れ
た適性を有するものであった。
【0028】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、極めて嵩高且
つ高密度であって、従来の嵩高織物とは外観的にも形態
的にも全く趣が異なる立体的で安定した独特の格子状凹
凸組織を有し、この立体組織の保形性が高く苛酷な使用
条件でも形崩れしにくく、クッション性、吸水性、保水
性、保温性等にも優れると共に、格子状凹凸による特有
の触感と通気性を有し、また独特の美しい外観より高い
意匠性を備えることから、広範な用途展開が可能な嵩高
織物が提供される。
【0029】請求項2の発明によれば、食器や野菜等の
洗浄用、入浴時の身体洗い用、自動車の洗車用等に使用
する摺洗具として、摺洗力及び耐久性に優れると共に、
良好な吸水性及び保水性によって使い勝手がよく、且つ
外観体裁の良好なものが提供される。
【0030】請求項3の発明によれば、クッション材と
して、独特の格子状凹凸組織に基づく良好なクッション
性を備えて、且つ衝撃に強い上、重量によるへたりを生
じにくいものが提供される。
【0031】請求項4の発明によれば、床敷や各種マッ
ト等の敷物として、独特の格子状凹凸組織を有し、保温
性、保水性、触感に優れ、しかも美的興趣性の高いもの
が提供される。
【0032】請求項5の発明に係る嵩高織物の製法によ
れば、蜂巣織り組織を有する織物を単に熱処理するだけ
で、前記の立体的で安定した独特の格子状凹凸組織を有
する嵩高織物が容易に且つ確実に得られる。
【0033】請求項6の発明に係る嵩高織物の製法によ
れば、前記の立体的で安定した独特の格子状凹凸組織を
有する嵩高織物として、周辺が房にて美しく縁取られて
非常に装飾性の高い形態のものが得られると共に、熱処
理時に蜂巣織り組織の周辺のほぐれを防止できる。
【0034】請求項7の発明に係る嵩高織物の製法によ
れば、立体感に富む格子状凹凸構造の嵩高織物を確実に
得ることができる。
【0035】請求項8の発明に係る嵩高織物の製法によ
れば、全体的に均質な格子状凹凸構造を有する高品位の
嵩高織物を短時間で容易に得ることができると共に、染
色を行う場合の染色工程を熱処理に兼用できるという利
点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に用いる蜂巣織り組織を有する織物
を例示する斜視図である。
【図2】 蜂巣織りの組織を示し、(イ)図は横方向の
セクションの組織図、(ロ)図は全体の組織図である。
【図3】 この発明に用いる蜂巣織り組織を有する織物
の一例を示し、(イ)図は平面図、(ロ)図は(イ)図
におけるローロ線の断面矢視図である。
【図4】 この発明に係る嵩高織物の一例を示し、
(イ)図は平面図、(ロ)図は(イ)図におけるローロ
線の断面矢視図である。
【図5】 この発明に係る嵩高織物の他の例を示す斜視
図である。
【符号の説明】
1・・・・・枡目 1a・・・・辺 1b・・・・中央部 2・・・・・熱収縮糸 3・・・・・格子状凹凸構造の領域 4・・・・・房 A・・・・・蜂巣織り組織を有する織物 B・・・・・嵩高織物 d・・・・・凹陥した中央部の深さ w・・・・・各枡目の辺長
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D03D 25/00 101 D03D 25/00 101 Fターム(参考) 3B074 AA07 AB00 AC00 AC02 AC03 3B096 AA00 AB02 AB08 AD00 4L048 AA16 AA50 AB01 AC11 BA01 BB06 BC05 CA07 CA10 CA13 CA15 DA00 DA15 EB05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 収縮した蜂巣織り組織を有し、織物表面
    の格子状模様を構成する各枡目の凹陥した中央部の深さ
    が各枡目の辺長の0.5〜3倍の範囲にあることを特徴
    とする嵩高織物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の嵩高織物を用いた摺洗
    具。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の嵩高織物を用いたクッ
    ション材。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の嵩高織物を用いた敷
    物。
  5. 【請求項5】 熱収縮性糸を用いて蜂巣織り組織の織物
    を織成し、この織物を熱処理して織物面積が70%以下
    となるように収縮させることにより、厚み方向に嵩高化
    することを特徴とする嵩高織物の製法。
  6. 【請求項6】 織成した蜂巣織り組織の織物を所要の大
    きさに裁断し、この裁断した織物の周縁部における辺方
    向に沿う糸を除去すると共に、この除去部分と蜂巣織り
    組織との境界部を縫った上で、この織物を熱処理する請
    求項5記載の嵩高織物の製法。
  7. 【請求項7】 熱収縮性糸が、沸水収縮率10%以上の
    ものである請求項5又は6に記載の嵩高織物の製法。
  8. 【請求項8】 熱処理を湿熱90℃以上の温度で行う請
    求項5〜7のいずれかに記載の嵩高織物の製法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104404692A (zh) * 2014-11-20 2015-03-11 江苏金辰针纺织有限公司 一种具有高效吸湿排汗的面料
WO2024111577A1 (ja) * 2022-11-24 2024-05-30 クラレクラフレックス株式会社 繊維構造体および立体フィルターならびにろ過フィルター

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