JPH0144148Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は入浴等に用いる編地の垢擦に関する。

〔従来の技術〕

垢擦としては、既に吸水性に乏しく乾きが早
い、石けんの泡立ちも良好であり、かつ可成りの
摩擦感をも具有しているところから、ナイロン
糸、クリンプナイロン糸、硬質ポリエステル糸に
よる長繊維等の合成繊維によつて、織成または編
成されたものが使用されている。

ところが、上記従来の垢擦によるときは、摩擦
感は得られるものの、その肌ざわりに金属的な硬
さによる痛みを感ずる欠陥があり、充分に強く摩
擦した場合特にこの難点が助長されてしまうだけ
でなく、地糸が軟質であると、使用時にスリツプ
状態となつて、適切な摩擦感が得られなくなると
いう難点がある。

そこで、このような問題を解消するためには、
綿糸や麻糸などの植物繊維による地糸を織り込ん
だり、編入したりすることが考えられるが、前記
の金属的な硬さによる痛みを解消しようとする
と、可成りの量の植物繊維を使用しないことに
は、その効果がなく、効果をあげるまでにする
と、コツトン等の特性に支配されて泡立ちが不良
となつたり、乾きが悪く雑菌が繁殖して悪臭を発
し易くなつてしまう。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案は、上記従来品の難点に鑑み、綿糸を加
えるのではなく、外周側のみがコツトンなどの植
物繊維糸により被装され、内芯はナイロン等の合
成繊維糸による複重層糸を適切に加えて編成し、
これによつて植物繊維糸のソフトな肌あいを生か
して、合成繊維糸の金属的硬さからくる痛感を軟
化させると同時に、芯材としての合成繊維糸によ
り、植物繊維糸の泡立ち不良、乾き不良の問題を
可及的に解消できるようにするのが、その目的で
ある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上記の目的を達成するために、ナイロ
ン糸、クリンプナイロン糸、硬質ポリエステル糸
などの合成繊維による地糸により編成した編地
に、ポリエステル、アクリル、ナイロン製短繊維
などによる合成繊維糸を芯材とし、その外周を
綿、麻等の植物繊維糸により被装してなる複重層
糸を、挿入糸として編入してなる垢擦を提供しよ
うとするものである。

〔作用〕

編地に複重層糸が挿入糸として編み込まれてお
り、従つて当該垢擦の表面には、同糸の外皮であ
るコツトン等の植物繊維糸が露呈し、これが直接
入浴時の使用に際して肌を擦ることとなるので、
ナイロン等による痛みを伴う摩擦感が、やわらぎ
全体としての使用感が向上すると共に、コツトン
等の内側は芯材としてのナイロン等による合成繊
維糸によるから、上記の心地より肌ざわりを保
ち、しかも内心素材によつて、可成りの泡立ちの
よさと、乾き易さを保有させ得ることとなる。

〔実施列〕

本考案を図示の実施列によつて詳記すれば、第
１図に説示されている如く、垢擦を構成する編地
１が、経糸２，２…と緯糸３，３…および横向き
に編入された挿入糸４とにより形成されている。

そして経糸２，２…と緯糸３，３…には、何れ
もナイロン糸、クリンプナイロン糸、硬質ポリエ
ステル糸などの合成繊維による地糸を用いてお
り、例えば経糸には50デニール程度のものを、そ
して緯糸３，３…には225デニール程度のクリン
プ加工糸を用いるのがよい。

ここで本考案では前記の挿入糸４として、第２
図の如く外周側である表出箇所に、コツトン等の
植物繊維糸４ａを配し、内芯にアクリル、ポリエ
ステル、ナイロンの短繊維等による合成繊維糸４
ｂを配した複重層糸が用いられているのである。

ここで当該複重層糸には１４〜２０番程度のも
のを２本用いるようにするのがよく、また当該挿
入糸４の挿入程度は全体の40重量％位とするのが
望ましく、複重層糸としては、植物繊維糸４ａが
70重量％、合成繊維糸４ｂが30重量％程度とした
ものを採択するものがよい。

ここで図示の挿入糸４は、第１図に明示の如く
横向きに、しかも波形状となるよう挿入されてお
り、さらに詳しくは、所要多数の屈曲波群５ａ，
５b.５ｃ…が横方向に隣装編入されており、これ
らの屈曲波群５ａ，５ｂ，５ｃ…は、何れも右側
折返端部６ａをもつ右波部６ｂと、左側折返端部
６ｃをもつ左波部６ｄとを、中央の縦走部６ｅに
より連続させてなる基本小波部６が、連結縦部６
ｆを介して縦方向へ繰返し連続されたものとなつ
ている。

そして当該屈曲波群５ａ，５ｂ，５ｃ…は、互
いの各折返端部６ａ，６ｃが縦方向に所定長だけ
離間していると共に、横方向には僅かだけ重なり
合うオーバーラツプの関係位置となるよう隣装配
設されている。

そして同図に例示のものは、上記の屈曲波群の
左右各波部６ｂ，６ｄに夫々９本の経糸２，２…
が、そして当該各波部６ｂ，６ｄの隣装上下間に
夫々４本の緯糸３，３…が編み込まれている。

〔考案の効果〕

本考案は上記の通り構成されているものである
から、編地１の外表に挿入糸４の植物繊維糸４ａ
が露呈し、これが直接肌に当ることとなるので、
合成繊維による編地１の痛みを伴う感触が、やわ
らぎ垢擦りとしての適度に心地よい摩擦感を味う
ことが可能となると共に、植物繊維糸４ａに芯材
として合成繊維糸４ｂが内在しているから、乾き
も比較的よく、石けんの泡立ちについても大きな
低下を来すことなく、従来品の欠陥を解消するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る垢擦の平面部分説明図、
第２図は同垢擦に編入される挿入糸の部分斜視説
明図である。 １……編地、２……経糸、３……緯糸、４……
挿入糸、４ａ……植物繊維糸、４ｂ……合成繊維
糸、５ａ，５ｂ，５ｃ……屈曲波群、６……基本
小波部、６ａ……右側折返部、６ｂ……右側波
部、６ｃ……左側折返部、６ｄ……左側波部、６
ｅ……縦走部、６ｆ……連結縦部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ナイロン糸、クリンプナイロン糸、硬質ポリ
   エステル糸などの合成繊維による地糸により編
   成した編地に、ポリエステル、アクリル、ナイ
   ロン製短繊維などによる合成繊維糸４ｂを芯材
   とし、その外周を綿、麻等の植物繊維糸４ａに
   より被装してなる複重層糸を、挿入糸４として
   なる垢擦。 (2) 複重層糸は、右側折返端部をもつ右波部６ｂ
   と、左側折返端部をもつ左波部６ｄとが、中央
   の縦走部により連続させてなる基本小波部を、
   連結縦部によつて縦方向へ繰返し連続して形成
   した屈曲波郡につき、これを所要多数群だけ互
   いの折返端部が縦方向に離間し、横方向に僅か
   だけ重なり合う関係位置となるよう隣装編入さ
   れている実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   垢擦。