JP2000034589A - 電解セル中の有機基質の電気化学的反応法 - Google Patents

電解セル中の有機基質の電気化学的反応法

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JP2000034589A
JP2000034589A JP11174637A JP17463799A JP2000034589A JP 2000034589 A JP2000034589 A JP 2000034589A JP 11174637 A JP11174637 A JP 11174637A JP 17463799 A JP17463799 A JP 17463799A JP 2000034589 A JP2000034589 A JP 2000034589A
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Hermann Dr Puetter
ピュッター ヘルマン
Eberhard Steckhan
シュテックハン エバーハルト
Lars Kroener
クレーナー ラルス
Jakob Dr Joerissen
イェリセン ヤーコプ
Dirk Hoormann
ホールマン ディルク
Claudia Dr Merk
メルク クラウディア
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25BELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES FOR THE PRODUCTION OF COMPOUNDS OR NON-METALS; APPARATUS THEREFOR
    • C25B3/00Electrolytic production of organic compounds
    • C25B3/20Processes
    • C25B3/23Oxidation

Abstract

(57)【要約】 【課題】 セル電圧の増大をもたらすことなく、電流密
度が相対的に長期間に亘り一定に維持されることができ
る、固体高分子電解質技術により操作する電解法。 【解決手段】 反応を、実質的に導電性の塩を含まない
有機溶液であってよい電解液を使用し、 ・上下に重なり合っているイオン交換膜の1つまたはそ
れ以上の層からなる固体電解質、および ・固体電解質と直接に接触したカソードおよびアノード からなる電解セル中で実施し、その際、電解セルは、電
解液の沸点で、またはその沸点を5℃まで下回る温度で
操作する、有機基質を電気化学的に酸化または還元する
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機基質を電気化
学的に酸化または還元する方法に関するものであり、そ
の際、反応を、実質的に導電性の塩を含まない有機溶液
であってよい電解液を使用し、 ・上下に重なり合っているイオン交換膜の1つまたはそ
れ以上の層からなる固体電解質、および ・固体電解質と直接に接触したカソードおよびアノード からなる電解セル中で実施し、その際、電解セルは、電
解液の沸点で、またはその沸点を5℃まで下回る温度で
操作される。
【0002】
【従来の技術】固体高分子電解質(SPE)技術("Ion
enaustauscher-Membranen in der Elektrolyse und ele
ktroorganischen Synthese", Dr.-Ing. Jakob Joerisse
n, Progress Reports VDI Series 3 No. 442; Duesseld
olf: VDI Verlag 1996, Chaper4)が、様々な有機化合
物の電解有機合成に使用されうることは、一般的に公知
である。この技術において、イオン交換膜は固体電解質
として作用するので、電解セルは、導電性の液体なしで
さえも操作できる。この原理は、支持電解質を添加せず
に、基質透過性の電極での電解有機合成を可能にする。
特に、例えば、フランのメタノールでのメトキシル化が
記載されている(上記引用文献中、Section 4.3.3)。
しかしながら、メタノールおよびフランの実質的に無水
の溶液が電解液として使用された場合には、高いセル電
圧が必要とされることが見出されている。
【0003】この方法は、常用の電解法と比べて有利で
ある、というのも、殊に高い収率を可能にし、かつ支持
電解質の存在が不必要なので、高価な後処理を不要にす
るからである。
【0004】しかしながら、この技術の使用は、依然と
して、このような電解セルが長期に亘って連続的に操作
できないという事実により実質的に制限されている。電
流密度を維持するため、ひいては空時収量を一定に維持
するために、セル電圧を常に増加させなければならな
い。相対的に低いセル電圧は、これが低いエネルギーコ
ストを意味するだけではなく、更にセル電圧が、固体電
解質を不可逆的に損傷させる危険なしに一定の制限まで
のみ増大させることができるので、望ましい。この制限
に達した際に、従って反応は、終了させなければなら
ず、かつ固体電解質は、セルから除去されなければなら
ず、かつ後処理されるか、または新鮮な固体電解質によ
り置き換えられなければならない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、前記
方法をより費用的に最も効率よくすることにより固体高
分子電解質技術により操作する電解法を改善することで
ある。特に、このことがセル電圧の増大をもたらすこと
なく、電流密度が、相対的に長期間に亘り一定に維持さ
れることができる方法を提供することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】この課題は、冒頭で定義
された方法により達成されることが見出された。
【0007】新規方法は、原則として、SPE技術が適
している全ての化合物の電気化学的酸化または還元に適
しており、その際、アノード酸化が好ましい。
【0008】このような反応は、例えば、 ・トルエン誘導体のアノードメトキシル化、 ・N−アルキル化されていてよいC3〜C10−カルボキ
サミドのアノードメトキシル化、 ・エーテルのアノードメトキシル化、 ・置換ベンゼン、置換トルエンおよび置換または非置換
のナフタレンのアノード二量化、 ・アルデヒド、ケトンまたはカルボン酸への脂肪族アル
コールまたは脂環式アルコールの酸化、 ・アルデヒド、ケトンまたはカルボン酸への脂肪族エー
テルまたは脂環式エーテルの酸化である。
【0009】特に適しているのは、式(I)
【0010】
【化3】
【0011】[式中、R1は、互いに独立して、それぞ
れ水素、C2〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシま
たはハロゲンであり、Aは、互いに独立して、それぞれ
メチレン、カルボニルまたは−CH(OCH3)−であ
り、Bは、互いに独立して、それぞれHまたはO−CH
3であり、mは、0〜3であり、かつnは、1〜3であ
り、その際、式(I)の化合物は、1〜9、有利に1〜
5の酸化数を有し、式Iの化合物の酸化数は、基Aおよ
びBの酸化数の合計であり、これは式(I)中の基Aお
よびBの数に従って計算され、但し、メチレンとしての
Aは、酸化数0を有し、−CH(OCH3)−としての
Aは、酸化数1を有し、カルボニルとしてのAは、酸化
数2を有し、HとしてのBは、酸化数0を有し、かつ−
OCH3としてのBは、酸化数1を有する]で示される
メトキシル化ベンジル化合物、メトキシル化ベンザル化
合物およびメトキシル化ベンゾイル化合物の製造法の場
合に、式II
【0012】
【化4】
【0013】[式中、R1、mおよびnは、式I中のも
のと同じ意味を有し、Xは、式I中のAと同じ意味を有
し、Yは、式I中のBと同じ意味を有し、但し、Xおよ
びYは、式(I)中のAおよびBとは異なり、式(I
I)の化合物の酸化数が、式(I)の化合物の酸化数よ
りも少なくとも1つ小さくなるように選択され、その
際、式(II)の化合物ならびに基AおよびBの酸化数
は、式(I)の化合物ならびに基XおよびYの酸化数と
同様にして計算される]で示される化合物の電気化学的
酸化により、式(I)の化合物を製造する方法である。
【0014】新規方法は、1〜9の酸化数、有利に1〜
5の酸化数を有する式(I)の化合物の製造に特に適し
ている。式(I)の化合物の酸化数の計算において、化
合物が含有するそれぞれの基Aおよびそれぞれの基Bの
酸化数は合計される。基AおよびBが表す化学構造に依
存して、異なる数値がこれらの基に割り当てられる。
【0015】メチレンとしてのAは、酸化数0を有し、
−CH(OCH3)−としてのAは、酸化数1を有し、
カルボニルとしてのAは、酸化数2を有し、Hとしての
Bは、酸化数0を有し、かつ−OCH3としてのBは、
酸化数1を有する。
【0016】従って、この計算方法によれば、例えばベ
ンズアルデヒドジメチルアセタールは酸化数2を有す
る、というのも、これは酸化数1が割り当てられる基A
(−CH(OCH3)−)および酸化数1が同様に割り
当てられる基B(−OCH3)を含むからである。従っ
て、このメチルアセタールの形で2個のホルミル基を有
する芳香核は、酸化数4を有する。
【0017】R1が水素またはメトキシであり、基−A
−Bが一緒になってホルミル基のジメチルアセタールで
ある式(I)のこれらの化合物は、特に簡単に製造され
ることができる。nが1であり、基−A−Bがメトキシ
基に対してパラ位にあるこれらの化合物は、特に好まし
い。nが2であるこれらの化合物において、これらの2
つの基は、有利にパラ位にあり、かつR1は水素であ
る。nが3であるこれらの化合物において、基−A−B
は芳香核上の1、3および5位にあり、かつR1は水素
である。
【0018】一般に、基−X−Yがメチルである、即ち
酸化数が0である化合物は、出発物質として使用され
る。
【0019】しかしながら、酸化数が0を上回る式
(I)のこれらの化合物、特に、メチルベンジルエーテ
ルおよび相応する誘導体から出発することも可能であ
る。このようにして、新規方法は、相対的に高い酸化数
を有する化合物を製造するのに特に経済的に使用される
ことができる。
【0020】一般的に、異なる酸化数を有する混合物
は、新規方法において形成される。このような場合に相
対的に低い酸化数を有する式(I)の生成物が望ましく
ない場合には、常法により、より高い酸化数を有するも
のから分離することが可能であり、前者を新規方法にお
いて所望の生成物を製造するのに再び使用することが可
能である。例えば、p−メトキシトルエン(酸化数0)
から、主として所望のアニスアルデヒドジメチルアセタ
ール(酸化数2)に加えて、p−メトキシベンジルメチ
ルエーテル(酸化数1)も含有する混合物を製造するこ
とが可能である。2つの生成物の分離後に、p−メトキ
シベンジルメチルエーテルは、出発化合物として電解セ
ルに再循環されることができる。
【0021】更に、本方法は、出発エーテルのメチン、
メチレンまたはメチル基のH原子少なくとも1つがメト
キシ基で置換されている化合物の形成下で、エーテル酸
素原子(出発エーテル)に対してα位にあり、有利に炭
素原子3〜6個を有する、脂肪族または環式脂肪族のモ
ノエーテルまたはジエーテルのメチン、メチレンまたは
メチル基の電気化学的なメトキシル化に特に適してい
る。
【0022】特に適している出発エーテルは、1,2−
ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン(THF)、テ
トラヒドロピランおよび1,4−ジオキサンである。
【0023】固体高分子電解質(SPE)で操作する電
解セルは、一般的に公知である("Ionenaustauscher-Me
mbranen in der Elektrolyse und elektroorganischen
Synthese", Dr.-Ing. Jakob Joerissen, Progress Repo
rts VDI Series 3 No. 442;Duesseldolf: VDI Verlag 1
996, Chaper 4)。
【0024】特に適しているイオン交換膜は、加工され
てフィルムを得ることのできるポリマー、例えば、負に
帯電した基、例えばカルボキシレートおよびスルホネー
ト基(カチオン交換膜)または正に帯電した基、例えば
プロトン化基または四級化アミノ基(アニオン交換膜)
を有する、ポリエチレン、ポリアクリレート、ポリスル
ホンおよび過フッ素化ポリマーである。
【0025】適しているカチオン交換ポリマーは、例え
ば、過フッ素化アニオン性ポリマー、有利に式(II
I)
【0026】
【化5】
【0027】[式中、uは5〜13.5であり、wは、
500〜1500であり、かつvは、1、2または3で
ある]のものである。
【0028】このようなフィルムは、例えばナフィオン
(Nafion)(R)(E.I.Du Pont de Nemours and Company製)
およびゴア・セレクト(Gore Select)(R)(W.L. Gore & A
ssociates, Inc.製)の商品名で、商業的に入手可能であ
り、かつ得ることができる。
【0029】幾つかの場合に、N−アルキル化されてい
てよいC1〜C15−カルボキサミドで膨潤したゲルの形
で固体電解質を使用することは有利であることが証明さ
れており、その際、前記ゲルは、生じたゲルが使用され
るカチオン交換膜の重量の1.2〜10倍である重量を
有するまで、カチオン交換膜をカルボキサミド中で膨潤
させることにより得ることができる。重量増加は、膨潤
前の膜を重量測定することにより測定されることがで
き、その際、膜を湿らせる液体を、膨潤媒体を除去した
直後に、吸収性フリースで軽くたたくことにより除去
し、その後に直接示差の秤量を実施する。
【0030】膨潤は、特に有利に、N,N−ジメチルホ
ルムアミドを用いて実施される。膨潤は、有利に、50
〜120℃で実施される。
【0031】固体電解質は、単一のカチオン交換膜また
は複数の膜の層、有利に、互いに上下に重なり合ってい
る膜2〜10枚であってよい。固体電解質は、有利に
0.025〜0.2mmの層厚を有する。
【0032】固体電解質の全表面が有利に接触している
適したアノードまたはカソード材料は、多孔質の導電性
材料、特にグラファイトフェルトシート、カーボンフェ
ルトシート、または固体電解質と接触した表面上に炭素
が被覆してある織物材料である。
【0033】電極と接触している電解液は、一般に、基
質の溶液、あるいは基質および溶剤の反応生成物であ
る。基質が電解セルの定義された操作温度で液体である
場合には、溶剤の存在は不必要である。
【0034】適している溶剤は、不活性有機溶剤および
水である。処理条件下で事実上反応を受けないこのよう
な有機溶剤は、例えば、N−アルキル化されていてよい
炭素原子1〜15個を有するカルボキサミド、例えばホ
ルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルピロリド
ン、ピロリドンおよびベンズアミド、炭素原子3〜15
個を有するN−アルキル化尿素、例えばN,N,N’,
N’−テトラメチル尿素、エーテル、アセトニトリル、
ベンズニトリル、スルホランおよびエステル、例えば酢
酸メチルである。一般に、電解液中の水の量は、10重
量%以下、有利に2重量%、特に有利に0.5重量%以
下である。
【0035】電解液は、実質的に、常用のセルで使用さ
れる限り、支持電解質、例えば酸、アルカリまたは支持
電解質を含まず、すなわち、電解液は、一般に、これら
の支持電解質10重量%未満、特に有利に1重量%未
満、極めて特に有利に0.1重量%未満を含有する。
【0036】式(I)の化合物の製造において特に好適
な電解液は、 ・メタノール10〜90重量%、 ・式Iおよび式IIの化合物からなる群から選択される
化合物1〜50重量%、その際、電解液中の式IIの化
合物の量は、この群の化合物の量に対して少なくとも1
モル%である、 ・N−アルキル化されていてよい炭素原子数1〜15個
を有するカルボキサミドまたは炭素原子数3〜15個を
有するN−アルキル化尿素1〜50重量%、 ・他の不活性溶剤0〜30重量% を含有する有機溶液である。
【0037】THFのメトキシル化は、有利に溶剤の不
在下で実施され、すなわち電解溶液が実質的にTHFお
よびメタノールのみを含有する。
【0038】電解液は、沸点または沸点を5℃まで、有
利に2℃まで下回る温度である。
【0039】特に有利な効果は、電解液がセル中で均質
に沸騰する場合に達成される。この目的のためには、セ
ル中の温度を、有利に、反応混合物が最初に反応中に生
じる熱のために膜表面で沸騰するように沸点近くに上昇
させる。一定レベルの気泡の発生が全体的に望ましいけ
れども、気泡の強い発生を有する力強い沸騰は回避され
なければならない。液体は、特に、5%を上回る電解セ
ルが気泡で置換されるような程度で沸騰すべきではな
い、それというのも、さもないと、膜への物質移動はも
はや確実ではなく、膜は破壊されるからである。この作
用は、電圧の突然の増大を伴う。このようにして膜の破
壊は、電圧が高すぎる場合にセルを通る電流が自動電圧
監視器により遮断される場合に、確実に回避されうる。
【0040】有利に、新規方法は、電解液が、アノード
を経て固体電解質/アノード界面と並行に、有利に連続
的に流動するようにして実施される。アノードに対して
1〜10cm/sの電解液の流速は適している。
【0041】電流密度は、一般に、0.1〜40、有利
に1〜10A/dm2である。これらの電流密度を達成
するのに必要な電圧は、一般に2〜20、有利に3〜1
0ボルトである。電圧が高くなればなるほど、固体電解
質への不可逆の損傷の危険が存在する。
【0042】有機基質の新規の電気化学的酸化における
大抵の場合に、通常、プロトンは、反対の電極(カソー
ド)で水素に還元される。
【0043】本方法が実施されることのできるセルは、
公知であり、例えば前記引用文献参照, Section 4.2お
よびドイツ連邦共和国特許出願公開第19533773
号明細書に記載されている。
【0044】直列に接続され、ドイツ連邦共和国特許出
願公開第19533773号明細書に記載されているプ
レートスタックセルは、特に、工業的規模で本方法を実
施するのに適している。
【0045】これらのプレートスタックセルは、相互に
接触し、かつ相互に並行に配置された層から構成されて
おり、多孔質の導電性材料からなり、交互になった固体
電解質からなる。プレートスタックセルの基本的な構造
は、例えばUndivided Cell,Franz Wenisch他, ALChE Sy
mposium Series No. 185, Vol. 75, 14〜18頁での経験
から公知である。
【0046】
【実施例】実験部門 第1表は、実施例および比較例を実施した条件を示して
いる。
【0047】実験A 実験は、先行技術を表す第1部(650hまでの操作時
間)および本発明により実施された引続く第2部(65
0hまでの操作時間)に分けられる。第1部において、
50℃での電気化学セルを操作しながら、ゆっくりと、
しかし一定したセル電圧の増大は、検出可能であり、そ
の際、650時間(27日間)の操作時間で、16ボル
トを上回るセル電圧をまねく。比較可能な先行実験にお
いて、膜の破壊が、そのような条件下で上記の操作時間
後に起こった。
【0048】本発明によれば、温度は、650時間の操
作時間で、セル中の液体の沸点まで上昇した(本例にお
いては68℃、図1参照)。結果として、セル電圧は、
約5ボルトまで直ちに低下した。工業用途のための決定
的な利点は、特に、セル電圧がもはや任意に増大する傾
向を有していなかったという事実である。
【0049】実験2 図2は、本発明の使用、すなわち、濃度および電流密度
に関連する操作条件を変化させた8つの例(実験第B1
〜B8部)の、セル内容物を沸騰させながらのSPEセ
ルの操作を示している(第1表参照)。操作時間(1お
よび2)の開始時に平均の条件下で、電圧の増大は、完
全に回避された。500A/m2の電流密度(3および
6)で、相対的に高い電解有機合成反応には、有利によ
り高い値のセル電圧が得られるが、しかし明瞭に低下す
る傾向がある。180時間の操作時間後、セル電圧の高
い水準で安定な操作を達成することが可能であったけれ
ども、セル成分は現在の高い電流密度(3および6)の
ために除外されることができない。例8の条件は、基準
に合って高くかつ特に安定なセル電圧および生成物の有
利な電流効率で、特に有利な結果を与える:主として望
ましいジメトキシル化生成物の電流効率は、高く、かつ
中程度の量で形成されたモノメトキシル化生成物は、所
望ではない場合には、主生成物から分離され、再利用さ
れ、かつ更に再反応させることができる。
【0050】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】650時間まで一定した50℃で、および65
0時間で沸点に上昇した後の、共溶剤としてN,N−ジ
メチルホルムアミドの存在下でp−メトキシトルエンの
メトキシル化(操作条件;第1表参照)におけるセル電
圧のプロットを示す図。
【図2】沸点での共溶剤としてN,N−ジメチルホルム
アミドの存在下でのp−メトキシトルエンのメトキシル
化(様々な条件;第1表参照)におけるセル電圧のプロ
ットを示す図。
フロントページの続き (72)発明者 エバーハルト シュテックハン ドイツ連邦共和国 メッケンハイム ユン グホルツヴェーク 26 (72)発明者 ラルス クレーナー ドイツ連邦共和国 ボン ミレコートシュ トラーセ 22 (72)発明者 ヤーコプ イェリセン ドイツ連邦共和国 ドルトムント テルケ シュトラーセ 18 (72)発明者 ディルク ホールマン ドイツ連邦共和国 ドルトムント トゥホ ルスキーシュトラーセ 26 (72)発明者 クラウディア メルク ドイツ連邦共和国 リムブルガーホーフ ヒェノヴァー シュトラーセ 11

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に導電性の塩を含まない有機溶液
    であってよい電解液を使用し、 ・上下に重なり合っているイオン交換膜の1つまたはそ
    れ以上の層からなる固体電解質、および ・固体電解質と直接に接触しているカソードおよびアノ
    ード から構成されている電解セル中の有機基質の電気化学的
    反応法において、電解セルを、電解液の沸点で、または
    その沸点を5℃まで下回る温度で操作することを特徴と
    する、有機基質の電気化学的反応法。
  2. 【請求項2】 反応は、 ・トルエン誘導体のアノードメトキシル化、 ・N−アルキル化されていてよいC3〜C10−カルボキ
    サミドのアノードメトキシル化、 ・エーテルのアノードメトキシル化、 ・置換ベンゼン、置換トルエンおよび置換または非置換
    のナフタレンのアノード二量化、 ・アルデヒド、ケトンまたはカルボン酸への脂肪族アル
    コールまたは脂環式アルコールの酸化、 ・アルデヒド、ケトンまたはカルボン酸への脂肪族エー
    テルまたは脂環式エーテルの酸化である、請求項1記載
    の方法。
  3. 【請求項3】 式(I) 【化1】 [式中、R1は、互いに独立して、それぞれ水素、C2
    4−アルキル、C1〜C4−アルコキシまたはハロゲン
    であり、Aは、互いに独立して、それぞれメチレン、カ
    ルボニルまたは−CH(OCH3)−であり、Bは、互
    いに独立して、それぞれHまたはO−CH3であり、m
    は、0〜3であり、かつnは、1〜3であり、その際、
    式(I)の化合物は、1〜5の酸化数を有し、式Iの化
    合物の酸化数は、基AおよびBの酸化数の合計であり、
    これは式(I)中の基AおよびBの数に従って計算さ
    れ、但し、メチレンとしてのAは、酸化数0を有し、−
    CH(OCH3)−としてのAは、酸化数1を有し、カ
    ルボニルとしてのAは、酸化数2を有し、HとしてのB
    は、酸化数0を有し、かつ−OCH3としてのBは、酸
    化数1を有する]で示される化合物を、式II 【化2】 [式中、R1、mおよびnは、式I中のものと同じ意味
    を有し、Xは、式I中のAと同じ意味を有し、Yは、式
    I中のBと同じ意味を有し、但し、XおよびYは、式
    (I)中のAおよびBとは異なり、式(II)の化合物
    の酸化数は、式(I)の化合物の酸化数よりも少なくと
    も1つ小さくなるように選択されており、その際、式
    (II)の化合物ならびに基XおよびYの酸化数は、式
    (I)の化合物ならびに基AおよびBの酸化数と同様に
    して計算される]の化合物の電気化学的酸化により製造
    し、その際、使用する電解液は、実質的に支持電解液を
    含まず、かつ ・メタノール10〜90重量%、 ・式Iおよび式IIの化合物からなる群から選択される
    化合物1〜50重量%、その際、電解液中の式IIの化
    合物の量は、この群の化合物の量に対して少なくとも1
    モル%である、 ・N−アルキル化されていてよい炭素原子数1〜15個
    のカルボキサミドまたは炭素原子数3〜15個のN−ア
    ルキル化尿素1〜50重量%、 ・他の不活性溶剤0〜30重量% を含有する有機溶液である、請求項1または2記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 エーテル酸素原子に対してα位にある脂
    肪族または脂環式のモノエーテルまたはジエーテルのメ
    チン、メチレンまたはメチル基を、出発エーテルのメチ
    ン、メチレンまたはメチル基の少なくとも1つのH原子
    がメトキシ基で置換される化合物を形成させながら電気
    化学的にメトキシル化する、請求項1または2記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 イオン交換膜は、ゲルの形である、請求
    項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. 【請求項6】 使用するイオン交換膜は、過フッ素化ア
    ニオン性ポリマーである、請求項1から5までのいずれ
    か1項記載の方法。
  7. 【請求項7】 使用する電極は、グラファイトフェルト
    シート、カーボンフェルトシートまたは固体電解質と接
    触する表面上に炭素が被覆してある織物材料である、請
    求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
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