JP2000033334A - 塗膜構造 - Google Patents
塗膜構造Info
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Abstract
に、安価で新規な意匠を発現させる。 【解決手段】光輝顔料を含むメタリック塗装層の上にホ
ログラム顔料を含むホログラム塗装層を形成した。ホロ
グラム塗装層とパールマイカ塗装層では、発色を強く視
認できる受光角度が異なるため、顔料濃度を低濃度とし
ても互いの発色が打ち消しあうことがなく、強い発色を
安価に得ることができる。
Description
する塗膜構造に関する。
ためにメタリック塗装が広く用いられている。このメタ
リック塗装は、基板上に下塗り塗膜及び中塗り塗膜を形
成し、その表面に光輝顔料を含むメタリック塗装層とク
リア塗装層とを積層した構造のものであり、クリア塗装
層を通して光輝顔料の物体色と反射光が視認されるた
め、きらきらと輝く光輝感のある意匠をもっている。
マイカ顔料などが広く用いられている。またマイカ表面
に酸化チタンの薄膜を形成したパールマイカ顔料、ある
いはマイカ表面に酸化鉄などの薄膜を形成した着色マイ
カ顔料(MIO)なども知られている。パールマイカ顔
料などは光干渉により発色し、酸化チタン層の厚さに応
じて種々の発色が得られるとともに、その発色と光輝感
とが融合された独特の意匠をもっている。
として、例えば特開昭62−194037号のマイクロフィルム
には、合成樹脂成形品の表面に、アルミニウム箔顔料を
含有した塗装層と、パール顔料を含有した塗装層と、透
明着色塗装層と、ハードコート塗装層とをこの順で積層
した塗膜構造が開示されている。この塗膜構造によれ
ば、アルミニウム箔顔料の乱反射光がパールマイカ顔料
により一部遮られるので、ソフトな金属光沢が得られる
という効果がある。
れている。このホログラム顔料は、アルミニウム箔など
の表面にエンボス加工を施し、それを透明な樹脂層で被
覆したものであり、反射する光が回折現象により分光さ
れるという特徴をもっている。そして特開平10-71665号
公報には、基材上にホログラム箔層を形成し、その表面
にパールマイカ顔料を含む塗装層を形成した塗膜構造が
開示されている。この塗膜構造によれば、任意の干渉色
パターンが発現できるとともに、深みのある虹色が発色
される。
顔料の発色には、方向性が存在することがわかってい
る。図1に示すように、例えば入射角度45度で、つまり
塗膜に対して法線から45度傾斜させて光を照射した場合
には、その塗膜の法線に対する受光角度すなわち視認す
る角度によって発色が異なる。そのため例えばアルミニ
ウム箔顔料を含む塗膜では、受光角度が0〜90度の範囲
ではアルミニウム箔顔料の光輝感が視認されるものの、
受光角度が−80〜0度のシェード域では光輝感を視認す
ることは困難である。またパールマイカ顔料において
も、アルミニウム箔顔料と同様に、受光角度が−80〜0
度のシェード域では干渉色を視認することが困難であ
る。
カ顔料とでは、その発色を視認できる受光角度が同じ範
囲にあるために、特開昭62−194037号に開示された塗膜
構造では、シェード域の角度で視認すると両顔料による
発色の効果が得られないという不具合がある。また特開
昭62−194037号に開示された塗膜構造では、アルミニウ
ム箔顔料の金属光輝色とパールマイカ顔料の干渉色との
両方が発色するが、パールマイカ顔料の濃度を高くしな
いと干渉色の発色を視認できず、またパールマイカ顔料
の濃度を高くするとアルミニウム箔顔料の発色を視認す
ることが困難となる。これは、アルミニウム箔顔料とパ
ールマイカ顔料では発色を強く視認できる受光角度が同
一であるため、互いの発色が打ち消しあうためと考えら
れる。
は、パールマイカ顔料の干渉色の発色に比べてさらに小
さい。そのため特開平10-71665号公報に開示の塗膜構造
では、ホログラム箔の発色がパールマイカ顔料によって
遮られるという不具合がある。さらにホログラム箔は高
価であるので、塗膜構造も高価なものとなるという問題
もある。
ものであり、干渉色を視認できる角度範囲を拡大すると
ともに、安価で新規な意匠を発現させることを目的とす
る。
明の塗膜構造の特徴は、基材と、基材表面に形成され光
輝顔料を含むメタリック塗装層と、メタリック塗装層上
に形成されホログラム顔料を含むホログラム塗装層と、
を含むことにある。
光学的特性を鋭意調査した結果、他の光輝顔料では効果
が得られない受光角度でも干渉色を視認でき、シェード
域でも効果が得られることを見出した。しかしホログラ
ム顔料の干渉色の発色強度は、パールマイカ顔料などに
比べて弱いという欠点がある。
塗装層上にホログラム顔料を含むホログラム塗装層を積
層した構成としている。すなわちホログラム顔料を含む
ホログラム塗装層を最表面に配置することにより、ホロ
グラム顔料の干渉色が強く視認される。また受光角度が
−80〜0度のシェード域でもホログラム顔料の干渉色を
視認することができ、シェード域以外の受光角度ではホ
ログラム顔料とメタリック塗装層に含まれる光輝顔料と
の発色が視認される。したがって受光角度全域で干渉色
を視認することができる。
装層では、発色を強く視認できる受光角度が異なるた
め、顔料濃度を低濃度としても互いの発色が打ち消しあ
うことがない。したがって強い発色を安価に得ることが
できる。またメタリック塗装層の表面あるいは光輝顔料
表面で反射した光、及びメタリック塗装層を透過して基
材表面で反射した光がホログラム塗装層に再び入射す
る。これによりホログラム塗装層における光干渉が生じ
やすく、光輝顔料の物体色の光のホログラム塗装層内で
の干渉も生じるため、特有の深みのある干渉色が発色す
る。したがってきわめて意匠性の高い塗色を構築するこ
とができる。
装層をいう。この光輝顔料としては、アルミニウム箔顔
料、パールマイカ顔料、MIOなど従来のメタリック塗
料に用いられている光輝顔料を用いることができる。メ
タリック塗装層における光輝顔料の濃度は、1〜15重量
%の範囲とすることが好ましい。光輝顔料の濃度が1重
量%より少ないと発色の深みが消失し、15重量%より多
くなると表面平滑性が損なわれるようになる。
料を含む塗装層をいう。ホログラム顔料はアルミニウム
箔などの表面にエンボス加工を施し、それを透明な樹脂
層で被覆したものであり、反射する光が回折現象により
分光されるという特徴をもち、エンボスの工程差及び密
度によって各色の鮮やかな干渉色を示す。ホログラム塗
装層におけるホログラム顔料の濃度は、 0.5〜10重量%
の範囲とすることが好ましい。ホログラム顔料の濃度が
0.5重量%より少ないとシェード域の発色が視認されず
意匠性が低下し、10重量%より多くなるとメタリック塗
装層の発色の視認が困難となって意匠性が低下するとと
もに、高コストとなる。
層を形成するための塗料としては、アクリル−メラミン
樹脂塗料、ポリエステル−メラミン樹脂塗料、ウレタン
樹脂塗料、酸化重合型塗料、紫外線硬化型樹脂塗料など
の架橋系のもの、あるいはアクリル樹脂塗料、セルロー
スラッカー塗料などの非架橋系のものなど、目的に応じ
て種々選択することができる。
とは、同種の樹脂塗料を用いてもよいし、異なる樹脂塗
料を用いることもできるが、同種の樹脂塗料を用いるこ
とが好ましい。このようにすれば、各種塗装欠陥が回避
されるとともに、ウェット−オン−ウェット塗装が可能
となるので塗装工数を低減することができる。またホロ
グラム塗装層を最表面としてもよいが、ホログラム塗装
層の上にさらにクリア塗装層を積層することが好まし
い。これによりホログラム顔料によるホログラム塗装層
表面の凹凸が隠蔽され、光沢が向上するとともに耐久性
も向上する。また場合によっては、メタリック塗装層と
ホログラム塗装層の間にクリア塗装層あるいは他の意匠
塗装層などを設けることも可能である。
明を具体的に説明する。 (試験例)アルミニウム箔顔料(「7640NS」東洋アルミ
(株)製)が15重量%含まれたシルバーメタリック色の
塗料を調製し、黒色の下地上に膜厚15μmに塗装した。
この塗板の光学的特性(L* ,a* ,b* )を表1に示
す条件で測定し、結果を図2に示す。
製)が15重量%含まれた塗料を調製し、黒色の下地上に
膜厚15μmに塗装した。この塗板の光学的特性(L* ,
a* ,b* )を表1に示す条件で測定し、結果を図3に
示す。
山の距離:約1μm、山の高さ:0.15μm、比重:約
1.5、平均粒径:約22μm)が5重量%含まれた塗料を
調製し、黒色の下地上に膜厚 μmに塗装した。この
塗板の光学的特性(L* ,a*,b* )を表1に示す条
件で測定し、結果を図4に示す。図2〜図4より、アル
ミニウム箔顔料とパールマイカ顔料とは同じような光学
特性を示し、受光角度が同じ範囲で光学特性のピークを
示している。また受光角度が−80〜0度のシェード域で
は、a* 及びb* ともにゼロに近く発色が得られていな
いことがわかる。
い範囲でa* 及びb* に値があり、シェード域でも発色
していることがわかる。 (実施例1)図5に本実施例の塗膜構造の模式的断面図
を示す。この塗膜構造は、下塗り塗料及び中塗り塗料が
塗装され水研ぎされた基材1と、基材1表面に形成され
たメタリック塗装層2と、メタリック塗装層2表面に形
成されたホログラム塗装層3と、ホログラム塗装層3表
面に形成されたクリア塗装層4とから構成されている。
料20(「7640NS」東洋アルミ(株)製)が15PHR含ま
れ、カーボンブラックで調色されたシルバーメタリック
の意匠を呈し、その膜厚は15μmであり明度(L* )は
70である。このメタリック塗装層2 ホログラム塗装層
3は、ホログラム顔料30(エンボス加工山と山の距離:
約1μm、山の高さ:0.15μm、比重:約 1.5、平均粒
径:約22μm)が1PHR含まれ、その膜厚は15μmで
ある。なおクリア塗装層4の膜厚は35μmであって、塗
膜全体の明度(L* )は68である。
ム箔顔料の金属光輝色とホログラム顔料による干渉色の
発色の程度を、晴天時屋外にて目視により官能評価し
た。結果を表2に示す。なお表2において、○は発色が
顕著に認められることを示し、△は発色が僅かに認めら
れることを示し、×は発色がほとんど認められないこと
を示している。
グラム塗装層3のホログラム顔料の濃度を3,5,7,
10PHRと変化させたこと以外は実施例1と同様にし
て、実施例2〜5の塗膜構造を作成した。これらの実施
例についても実施例1と同様に官能評価し、結果を表2
に示す。
ボンブラックの濃度を代えてメタリック塗装層の明度
(L* )を50とし、ホログラム塗装層3のホログラム顔
料の濃度を1,3,5,7,10PHRと変化させたこと
以外は実施例1と同様にして、実施例6〜10の塗膜構造
を作成した。これらの実施例についても実施例1と同様
に官能評価し、結果を表2に示す。
ールマイカ顔料(「イリオジン235WII」メルク(株)
製)を1PHR用いた膜厚15μmのパールマイカ塗装層
を形成したこと以外は実施例1の塗膜構造と同様にし
て、比較例1の塗膜構造を作成した。なお塗膜全体の明
度(L* )は70である。この比較例1の塗膜構造につい
ても実施例1と同様に官能評価し、結果を表2に示す。
ルマイカ塗装層のパールマイカ顔料の濃度を3,5,
7,10PHRと変化させたこと以外は比較例1と同様に
して、比較例2〜5の塗膜構造を作成した。これらの比
較例についても実施例1と同様に官能評価し、結果を表
2に示す。
ボンブラックの濃度を代えてメタリック塗装層の明度
(L* )を50とし、パールマイカ塗装層のパールマイカ
顔料の濃度を1,3,5,7,10PHRと変化させたこ
と以外は比較例1と同様にして、比較例6〜10の塗膜構
造を作成した。これらの比較例についても実施例1と同
様に官能評価し、結果を表2に示す。
ラム顔料が1PHRと少なくても良好な干渉色を発色し
ていることがわかる。しかし比較例の塗膜構造では、メ
タリック塗装層の明度が高い場合には、パールマイカ顔
料を10PHR含んでも良好な干渉色の発色が困難であ
る。またメタリック塗装層の明度が低い場合でも、パー
ルマイカ塗装層の顔料濃度が低い場合に干渉色の発色に
劣っている。したがって実施例の塗膜構造の方が干渉効
果に優れ、これはメタリック塗装層の上にホログラム塗
装層を形成した効果であることが明らかである。
ェード域でも干渉色を視認することができるとともに、
低い顔料濃度でも発色を視認でき安価で新規な意匠を発
現させることができる。
学特性を示すグラフである。
特性を示すグラフである。
性を示すグラフである。
ある。
ホログラム塗装層 4:クリア塗装層 20:アルミニウム箔顔料 30:
ホログラム顔料
Claims (1)
- 【請求項1】 基材と、基材表面に形成され光輝顔料を
含むメタリック塗装層と、該メタリック塗装層上に形成
されホログラム顔料を含むホログラム塗装層と、を含む
ことを特徴とする塗膜構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20204898A JP3575667B2 (ja) | 1998-07-16 | 1998-07-16 | 塗膜構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20204898A JP3575667B2 (ja) | 1998-07-16 | 1998-07-16 | 塗膜構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000033334A true JP2000033334A (ja) | 2000-02-02 |
JP3575667B2 JP3575667B2 (ja) | 2004-10-13 |
Family
ID=16451079
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20204898A Expired - Fee Related JP3575667B2 (ja) | 1998-07-16 | 1998-07-16 | 塗膜構造 |
Country Status (1)
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---|---|
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-
1998
- 1998-07-16 JP JP20204898A patent/JP3575667B2/ja not_active Expired - Fee Related
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