JP2000032911A - ホエー飲料とその製造法 - Google Patents

ホエー飲料とその製造法

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JP2000032911A JP10214743A JP21474398A JP2000032911A JP 2000032911 A JP2000032911 A JP 2000032911A JP 10214743 A JP10214743 A JP 10214743A JP 21474398 A JP21474398 A JP 21474398A JP 2000032911 A JP2000032911 A JP 2000032911A
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敞敏 伊藤
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NOUCHIKUSANGIYOU SHINKO JIGYODAN
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乳酸菌、とりわけヒト腸管由来の乳酸菌を、
脱脂乳や無処理ホエー中において良好に生育させること
ができると共に、これによって降圧作用、オリゴ糖及び
整腸作用のトリプル機能を期待できるホエー飲料の製造
方法を提供すること。 【解決手段】 請求項1記載の本発明は、ホエーにプロ
テアーゼ及びβ−ガラクトシダーゼを作用させ、次いで
乳酸菌を接種し、乳酸発酵させることを特徴とするホエ
ー飲料の製造法を提供するものであり、請求項4記載の
本発明は、上記請求項1記載の製造法により得られるホ
エー飲料を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、降圧作用、オリゴ
糖及び整腸作用のトリプル機能を備えたホエー飲料の製
造法と、これにより得られるホエー飲料とに関する。
【0002】
【従来の技術】牛乳からチーズを製造する場合、その約
90%がホエーとして排出される。世界で排出されるホ
エーの量は膨大であり、その処理と利用は常に大きな問
題となっている。ホエーは乾燥してパウダーとしたり、
主な成分である乳糖やホエータンパク質が単離され、食
品添加物として利用されている。しかしながら、これら
の用途は限られていることから余剰に悩まされており、
より需要の高い用途が求められている。我が国ではガッ
ト・ウルグアイラウンド農業合意により、平成7年度か
らホエー製品を輸入することとなった。しかしながら、
上記の如く用途が限られているために、その利用の拡大
は困難を極めている状況にある。
【0003】先に本発明者らは、ホエーを原料としたホ
エー飲料とその製造法について出願している(特開平1
0−38115号)。このホエー飲料は、ホエーに含ま
れるタンパク質成分にタンパク質分解酵素(プロテアー
ゼ)を作用させた後に、乳酸菌添加して得られるもので
あるが、プロテアーゼにより分解されたペプチドがアン
ジオテンシン変換酵素(ACE)阻害活性を有すること
から、優れた降圧作用を有する飲料である。
【0004】しかしながら、該出願のホエー飲料におい
て試験に用いたプロテアーゼは、現在のところ、食品添
加物として認可を受けていないものであった。また、降
圧作用を裏付けるために行ったアンジオテンシン変換酵
素(ACE)阻害活性試験も、生体外での試験であり、
生体内においての作用まで明らかにするものではなかっ
た。そこで、本発明者らは、プロテアーゼとして食品添
加物として認可されているものを用いることが望ましい
こと、さらに、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻
害活性試験に加えて、より信頼性の高い高血圧自然発症
ラット(SHR)を用いた試験も導入することが望まし
い、と考えるに至った。
【0005】さらに、本発明者らは、上記2点のほか
に、製造工程に工夫を加えれば、他の優れた機能をも付
加できることに気がついた。まず、β−ガラクトシダー
ゼ(ラクターゼ;乳糖分解酵素)処理を新たに導入する
ことにより、整腸作用を有するガラクトオリゴ糖の付加
が実現可能である。また、ヨーグルトの発酵工程で通常
用いる乳酸菌スターターの代わりに、ヒト腸管由来のプ
ロバイオティック乳酸菌を導入することにより、優れた
生理活性を付加できることにも気がついた。一般に乳酸
菌は、脱脂乳や無処理ホエー中においては比較的生育の
悪いものがあること、とりわけヒト腸管由来の乳酸菌は
脱脂乳や無処理ホエー中においては生育の悪いものが多
い。
【0006】しかしながら、本発明者らは、驚くべきこ
とに乳酸菌、とりわけヒト腸管由来の乳酸菌は、ホエー
に予めプロテアーゼ及びβ−ガラクトシダーゼを作用さ
せ、ホエー中のタンパク質とラクトースを分解しておく
ことにより、脱脂乳や無処理ホエー中において良好に生
育させることができ、これによって降圧作用、オリゴ糖
及び整腸作用のトリプル機能を備えたホエー飲料が製造
できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成
するに到った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、降圧
作用、オリゴ糖及び整腸作用のトリプル機能を備えたホ
エー飲料を製造する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1記載
の本発明は、ホエーにプロテアーゼ及びβ−ガラクトシ
ダーゼを作用させ、次いで乳酸菌を接種し、乳酸発酵さ
せることを特徴とするホエー飲料の製造法を提供するも
のである。
【0009】次に、請求項2記載の本発明は、乳酸菌
が、ヒト腸内生育性乳酸菌である請求項1記載のホエー
飲料の製造法を提供するものである。
【0010】また、請求項3記載の本発明は、ヒト腸内
生育性乳酸菌が、ラクトバチルス・アシドフィラス LA6
7 (Lactbacillus acidophilus LA67)、ラクトバチ
ルス・ガセリ LA2(Lactbacillus gasseri LA2)、ラ
クトバチルス・ガセリ LA35(Lactbacillus gasseri
LA35 )、ラクトバチルス・ガセリ LA39 (Lactbacillu
s gasseri LA39 )、ラクトバチルス・ガセリ LA158
Lactbacillus gasseri LA158)、ラクトバチルス
・ガセリ LA182(Lactbacillus gasseri LA182)及び
ラクトバチルス・ガセリ LA187(Lactbacillus gasser
i LA187)よりなる群から選ばれた1種以上の微生物で
ある請求項2記載のホエー飲料の製造法を提供するもの
である。
【0011】さらに請求項4記載の本発明は、上記請求
項1乃至3記載のいずれかの製造法により得られるホエ
ー飲料を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。請求項1記載の本発明は、ホエー飲料の製造法に
関し、ホエーにプロテアーゼ及びβ−ガラクトシダーゼ
を作用させ、次いで乳酸菌を接種し、乳酸発酵させるこ
とを特徴とするものである。
【0013】本発明における原料であるホエー( whey
)とは、チーズやカゼイン等の製造時に得られる副産
物である。例えば、ゴーダチーズやチェダーチーズ等熟
成型チーズの製造により生じる甘性ホエー( sweet che
ese whey )(中性ホエー)、および、カッテージチーズ
等の非熟成型フレッシュチーズやカゼイン等の製造によ
り生じる酸性ホエー( acid whey ) 等がある。本発明に
おいては、これらのいずれも使用できる。
【0014】さらに、これらのホエーを粉末化したホエ
ーパウダー(WP)、ホエータンパク質の濃縮物(WP
C)および、ホエータンパク質の分画物(WPI)など
も用いることができ、これらを水で還元してホエータン
パク質を含む溶液にして用いても良い。これらのうち、
安易かつ容易に入手可能な点で、市販のホエーパウダー
(WP)が好ましく、これを水等で適当な濃度の溶液と
してから用いると良い。
【0015】請求項1記載の本発明においては、このよ
うなホエー(ホエー溶液)に、乳酸菌を接種する前に、
プロテアーゼ及びβ−ガラクトシダーゼを作用させ、次
いで乳酸菌を接種し、乳酸発酵させることを特徴とする
ものである。
【0016】ここで、請求項1記載の本発明において乳
酸菌を接種する前に、プロテアーゼ及びβ−ガラクトシ
ダーゼを作用させることとしたのは、特開平10−38
115号に係るホエー飲料に関する次のような知見から
である。
【0017】すなわち、前記したように、特開平10−
38115号に係るホエー飲料は、ホエーに含まれるタ
ンパク質成分にプロテアーゼを作用させた後に、乳酸菌
添加して得られるものであるが、プロテアーゼにより分
解されたペプチドがアンジオテンシン変換酵素(AC
E)阻害活性を有することから、優れた降圧作用を有す
る飲料となっている。
【0018】しかしながら、近年の学会における報告に
おいても、降圧作用の確認の際には、ACE阻害活性試
験に加えて高血圧自然発症ラット(SHR)を用いた降
圧試験を行い、最終的に本当に動物に対して効果がある
か否かを検討するのが通常である。そこで、本発明者ら
も最終的にこのSHRラットによる試験を導入すること
にした。
【0019】また、乳酸発酵の段階で優れた保健生理効
果を有するヒト腸管由来のプロバイオティック乳酸菌を
用いることにした。ところが、一般に乳酸菌は、脱脂乳
や無処理ホエー中においては比較的生育の悪いものがあ
り、とりわけヒト腸管由来の乳酸菌は脱脂乳や無処理ホ
エー中においては生育の悪いものが多い。
【0020】このことは、次の(1)〜(5)に示す実
験結果から明らかである。なお、以下の実験で使用した
チーズホエーパウダーの組成は、次の通りである。
【0021】 ・全固形分 95.0%以上 ・脂肪 1.5%以下 ・タンパク質 10.9%以上 ・ラクトース(乳糖) 84.0%以上 ・灰分 6.6〜7.2%
【0022】また、使用した乳酸菌(ヒト消化管由来菌
株およびヨーグルト製造に使用される代表的な菌株)
は、次の各種である。
【0023】ヒト消化管由来菌株: ・ラクトバチルス・アシドフィルス LA67 (Lactbacill
us acidophilusLA67)(以下、単にLA67株と略称
する。) ・ラクトバチルス・ガセリ(Lactbacillus gasseri
LA2, LA35, LA39,LA158, LA182, LA187 (以下、順に
単にLA2株,LA35株,LA39株,LA158
株,LA182株,LA187株と略称する。)
【0024】これらの乳酸菌は、ヒト乳児糞便より、以
下の手法に基づいて入手可能なものである。まず、採取
した糞便2〜5gを滅菌したファルコンチューブに移
し、氷冷しながら輸送し、採取後24時間以内に分離を
行った。分離後の糞便は光岡の希釈液を用いて段階希釈
(10-1−10-7)した。ここで、光岡の希釈液の組成
は下記のとおりである。
【0025】 ・KH2 PO4 4.5g ・Na2 HPO4 6g ・L−Cystein-HCl H2O 0.5g ・Tween 80 0.5g ・Agar 1g ・Distilled water 1L
【0026】希釈液0.1mlを変法LBS寒天培地に
滴下塗抹し、嫌気ジャー( BBL GasPack System )内で
37℃、2日培養した。変法LBS寒天培地の組成は、
以下のとおりである。
【0027】 ・LBS agar ( BBL製) 84g ・Lab-Lemco Powder ( Oxioid ) 8g ・Sodium acetate 3H2O 15g ・Acetic acid 3.7ml ・Distilled water 1L
【0028】このLBS寒天培地での培養を2回繰り返
し、良く孤立したコロニーを選択し、MRS培地に釣菌
し、37℃で2日培養した。MRS培地( Lactobacilli
MRS broth )の組成およびpHは、以下のとおりであ
る。
【0029】 ・Bacto proteose peptone No. 3 10g ・Bacto beef extract 10g ・Bacto yeast extract 5g ・Bacto dextrose 20g ・Tween 80 1g ・Ammonium citrate 2g ・Sodium acetate 5g ・Magnesium sulfate 0.1g ・Manganese sulfate 0.05g ・Dipotassium phosphate 2g ・Distilled water 1L pH 6.5±0.2
【0030】次に、本菌を細菌の分類同定法(バージェ
イズ・マニュアル・オブ・システマティック・バクテリ
オロジー( Bergey's Manual of Systematic Bacteriol
ogy)、1984年出版)に従って基礎的な分類を行っ
た。すなわち、分離菌の同定はグラム染色性( Hucker
の変法) 、形態、運動性の有無、好気性での発育、カタ
ラーゼ活性、グルコースからのガス産生、15℃での発
育性、リボースの発酵性、グルコン酸からのガス産生、
糖の分解性、D−およびL−乳酸脱水素酵素(LDH)
の電気泳動 (Uemura, J., T. Toba, T. Fujisawa, and
T. Itoh, Identification of Species among the Lact
obacillusacidophilus Group by Electrophoresis of L
actate Dehydrogenases. Anim. Sci. Technol. (Jpn),
65 (2): 112-119. 1994.)、DNA−DNAハイブリダ
イゼーションにより行った。なお、糖分解性試験は、ミ
ニテック細菌同定システム(BBL社製)を用いた。
【0031】その結果、本菌は、ラクトバチルス属に属
するものと認められる。また、主として糖質発酵性試験
の結果により、菌種はアシドフィルス菌と考えられ、さ
らに、LDHの電気泳動の結果、本菌は Lactobacillus
acidophilus グループ乳酸菌の中で、サブグループB
1の L. gasseri と同定された(但し、LA67は除
く)。本菌は、ヒト腸管の特に下部消化管での最優勢菌
である L. acidophilus グループ乳酸菌の中で、特に高
頻度に検出されることが、最近明らかにされており、ヒ
ト腸管常在性のプロバイオティクス乳酸菌として位置付
けられている。
【0032】なお、本菌は下記の特徴を示す。 1.集落形状: ・正円 ・表面・周縁ともに粗 ・EG寒天平板上では扁平、灰白色の集落を形成 ・BL寒天平板上では灰褐色、中心凸状の集落を形成
【0033】2.菌形態 ・グラム陽性 ・太さが比較的均一な桿菌 ・単在または短連鎖状に配列 ・菌株によっては束状に塊を形成する場合や、かなり長
くなる場合もある。 ・胞子形成:なし
【0034】3.生理学的性質 ・生育至適温度:37℃ ・グルコースからのガス生産:なし ・15℃での生育性:なし ・牛乳凝固:+ ・生成乳酸旋光性(DL乳酸産生) ・変性嫌気性:−
【0035】4.糖発酵性試験 ・アラビノース − ・キシロース − ・ラムノース − ・リボース − ・グルコース + ・マンノース + ・フルクトース + ・ガラクトース + ・スクロース + ・マルトース + ・セロビオース + ・ラクトース + ・ラフィノース + or − ・マンニット −
【0036】ヨーグルト製造に使用される代表的な菌株 ・ラクトバチルス・デルブレッキー・サブスピーシーズ
・ブルガリクスB6株(Lactbacillus delbrueckii s
ubsp. bulgaricus NIAI B6)(以下、単にB6株と略称
する。) ・ストレプトコッカス・サリバリウス・サブスピーシー
ズ・サーモフィラス510株( Streptococcus saliva
rius subsp. thermophilus NIAI 510 )(以下、単に
510株と略称する。) これら菌株は、いずれも農林水産省畜産試験場(つくば
市)に保管されており、分譲申請により入手することが
可能である。
【0037】1)各種処理ホエーを用いた乳酸菌の生育
試験 ヒト腸管より分離した乳酸菌及び通常ヨーグルト製造に
用いられる乳酸菌を用いて、各種処理をしたホエーにお
ける生育の状況を試験した。
【0038】 脱脂粉乳中での乳酸菌の生育試験 脱脂粉乳(明治乳業(株)製)を10%濃度になるよう
に水に溶解したものを、オートクレーブで滅菌した。こ
れに、MRS培地で3回継代培養を行っておいた各乳酸
菌をスターターとして2%(v/v)加えて、37℃で
培養した。試料5gを採り、水10mlを加えて0.1
N NaOH溶液で滴定し、中和に要した量から酸度を
計算した。また、同じ試料についてpHを測定した。各
菌株の培地における酸度及びpHの経時的変化を、それ
ぞれ図1、図2に示す。
【0039】図1及び図2より以下のことが判る。図1
によれば、B6株(図中、△で示される)とLA67株
(図中、○で示される)の培地では、いずれも酸度が極
めて速く上昇し、培養終了時には1.5%前後となって
いる。また、図2によれば、両菌株の培地のpHは、培
養開始20時間後で既に4を下回っている。
【0040】しかしながら、他の菌株、即ち、LA67
株を除くラクトバチルス・ガセリの各菌株の培地では、
特にLA182株とLA39株で酸度上昇が0.5%ま
でに止まり、pHも5前後までしか低下しない。さら
に、その他の菌株では、培養開始15時間で酸度0.2
%強まで上昇後、酸度に変化は見られなかった。また、
pHについても15時間後に5.5程度となった後は、
横ばい状態となった。このことから、脱脂粉乳中で良好
な生育状況を示す乳酸菌、特にヒト腸管由来菌は限られ
ていることが判明した。
【0041】 チーズホエー溶液中での乳酸菌の生育
試験 チーズホエーパウダーを水に溶解して7%(w/w)溶
液を作成し、オートクレーブ滅菌した。これを用いて、
上記と同様の条件下、乳酸菌の生育試験を行った。酸
度及びpHの経時的変化を、それぞれ図3、図4に示
す。
【0042】図3及び図4から以下のことが判る。いず
れの菌株の培地においても、上記の脱脂乳中での乳酸
菌の生育試験の結果のように、途中で菌の生育が止まる
ことはなかった。しかしながら、12時間後のpHは、
図4に示されるように、多くの乳酸菌で5.0を下回ら
ず、菌によっては5.5程度のものもあった。このこと
から、無処理のチーズホエー溶液は、乳酸菌の有効な生
育培地とはいえないことが判った。
【0043】 プロテアーゼ処理を行ったホエー溶液
中での乳酸菌の生育試験 チーズホエーパウダーを水に溶解して20%(w/w)
溶液を作成した。これにプロテアーゼとして、プロティ
ナーゼK(ベーリンガーマンハイム社製、Tritirachium
album 由来)又はアクチナーゼE(科研製薬製、Stre
ptomyces griseus 由来)を、固形分当たり500:1
の割合で加え、37℃に4時間保ち反応させた。その
後、100℃で15分間加熱して反応を停止した。これ
を3倍希釈したものを用いて、上記と同様の条件下、
乳酸菌の生育試験を行った。各プロテアーゼ処理後の各
乳酸菌の培地の酸度及びpHの経時的変化を図5〜図8
に示す。
【0044】図5〜図8から以下のことが判る。各乳酸
菌は、いずれの酵素処理によっても酸度上昇、pH低下
を示した。各酵素処理の結果を比較すると、培養開始1
2時間後には、アクチナーゼE処理の場合には、pHが
4.5〜5.5の間であるのに対し、プロティナーゼK
処理区の方は、全ての菌でpHが5を下回った。即ち、
アクチナーゼEよりもプロティナーゼKの方が乳酸菌の
生育が速い。一般に、プロティナーゼ処理により低分子
窒素化合物が増加することが知られている。これを考慮
すると、本試験においてプロティナーゼK処理により若
干優れた効果が得られたのは、該酵素の働きにより乳酸
菌の生育にとって好ましい条件が生まれたからであると
考えられる。
【0045】 ラクトース(乳糖)をβ−ガラクトシ
ダーゼ(ラクターゼ)で分解処理を行ったホエー中での
乳酸菌の生育試験 チーズホエーパウダーを水に溶解して40%(w/w)
の溶液を作成した。これにコウジカビ由来のβ−ガラク
トシダーゼであるガランターゼ(東京田辺製薬製、商品
名:Galantase DL 14 、Aspergillus oryzae由来、至適
pH6.8)を固形分当たり400:1の割合で加え
て、37℃、6時間反応させた後、5倍希釈した。これ
に上記と同様の条件下、乳酸菌を接種して生育試験を
行った。各乳酸菌の培地の酸度及びpHの経時的変化を
図9および図10に示す。
【0046】図9及び図10によれば、いずれの菌株の
培地においても、酸度上昇、pH低下がみられた。しか
も、LA158株を除く乳酸菌の培地のpHは12時間
後には4〜5となった。このことから、β−ガラクトシ
ダーゼ添加により生育が促進される傾向にあることが判
った。
【0047】 タンパク質とラクトース両方の分解処
理を行ったホエー中での乳酸菌の生育試験 のプロティナーゼK処理ホエー及びのガランターゼ
処理ホエーを3:7となるように混合した。この混合液
を、固形分7%となるように、6倍希釈した液(プロテ
ィナーゼKとガランターゼの両酵素処理を施したホエ
ー)に、上記と同様の条件下、乳酸菌を接種して生育
試験を行った。各乳酸菌の培地のpH及び酸度の経時的
変化を図11および図12に示す。
【0048】図11及び図12によれば、いずれの乳酸
菌も同様に良好な生育を示していることが判る。さら
に、全ての菌株で、12時間後のpHが4.5に近づい
ていた(図12)。これらのことから、プロテアーゼで
タンパク質を分解し、さらにβ−ガラクトシダーゼでラ
クトースを分解することにより、乳酸菌の生育が促進さ
れることが明らかとなった。
【0049】 一般に乳酸菌は、脱脂乳や無処理ホエ
ー中においては比較的生育の悪いものがあり、とりわけ
ヒト腸管由来の乳酸菌は脱脂乳や無処理ホエー中におい
ては生育の悪いものが多い。しかし、以上の実験結果よ
り、培地中のpHが4.5となる点を目安にすれば、ホ
エー中のタンパク質とラクトースを酵素により分解すれ
ば、乳酸菌の生育が充分良好なものとなることが明らか
となった。即ち、血圧降下作用を示すペプチドを生成す
るためのプロテアーゼ処理と、ラクトースを減少させる
と共にオリゴ糖を生成させるためのβ−ガラクトシダー
ゼ(ラクターゼ)処理とを行うことにより、通常ヨーグ
ルトスターターとして使用される乳酸菌のみならず、腸
管内生育性のある乳酸菌を用いた発酵も促進されるとい
った、一挙両得の結果を示した。このような酵素処理を
行ったホエー中での発酵時間は、pH4.5まで低下す
れば充分とすれば、10時間程度で充分と思われる。
【0050】(2)プロテアーゼ及びβ−ガラクトシダ
ーゼ処理後のホエーを用いて乳酸菌による発酵を行った
後のオリゴ糖の残存量 β−ガラクトシダーゼは、ラクトースをグルコースとガ
ラクトースとに加水分解するとともに、生成したガラク
トースを再びラクトースに転移してガラクトオリゴ糖を
生成する糖転移活性も有する酵素である。生成するオリ
ゴ糖は、母乳中にも存在する安全なオリゴ糖である。ま
た、各種ビフィズス菌のいずれもがこのオリゴ糖を利用
するのに対し、他の腸内有害菌にはほとんど利用されな
い。このことから、ガラクトオリゴ糖は、優れたビフィ
ズス因子として、特に整腸作用の効果が注目されてい
る。ホエーにはラクトースが含まれているので、β−ガ
ラクトシダーゼを添加すれば上記オリゴ糖が生成するこ
とになるが、これらの生成量がプロテアーゼ処理および
乳酸菌発酵の影響を受けるか否かについて検討した。
【0051】上記(1)の及びのそれぞれに従っ
て、プロティナーゼK(ベーリンガーマンハイム社製)
で処理したホエー及びガランターゼ(東京田辺製薬製)
処理したホエーを用意した。これらを1:4の割合に混
合し、固形分7%になるように希釈した液(プロティナ
ーゼとβ−ガラクトシダーゼの両酵素処理を施したホエ
ー)に、上記(1)で用いた乳酸菌を接種して、8時
間、37℃で培養した。発酵後の各培地に、β−ガラク
トシダーゼ処理により生成したオリゴ糖が発酵後にどの
程度残存しているかを調べた。測定結果より算出した全
糖質中に占めるオリゴ糖の相対存在比(%)を第1表に
示す。
【0052】
【表1】
【0053】第1表より、発酵前後におけるオリゴ糖の
量には大きな変動は認めらない。特に、LA67、LA
2、LA35、LA158、B6については、発酵前よ
りも発酵後のオリゴ糖の量が増加している。このことか
ら、ホエー由来のラクトースからβ−ガラクトシダーゼ
の生産したオリゴ糖が、プロテアーゼや乳酸菌による発
酵の影響を受ける心配はないと考えられた。なお、第1
表には示さなかったが、発酵後のラクトース量は、発酵
前の30%前後は減少していたことから、酵素処理およ
び発酵処理後の製品は、乳糖不耐症の場合にも問題なく
摂取できることが明らかとなった。
【0054】(3)高血圧自然発症ラット(SHR)を
用いたプロテアーゼ処理ホエーの血圧低下作用の確認と
成分の分離 ホエーをプロテアーゼ処理して得られるペプチドの降圧
効果については、本発明者がアンジオテンシン変換酵素
(ACE)に対する阻害活性の測定によって既に証明し
ている。しかしながら、まだin vivoのレベルでは確認
されていないことから、実際に高血圧自然発症ラット
(SHR)を用いて確認した。
【0055】 SHRラットを用いた降圧効果の確認 チーズホエータンパク質を、ペプシン,プロティナーゼ
K,トリプシン,キモトリプシン,サーモライシン,パ
パイン及びアクチナーゼEの合計7種のプロテアーゼで
消化した。即ち、上記7種の酵素をそれぞれの最適条件
下(最適緩衝液、最適pH、最適温度)で24時間反応
させ、次いで100℃で10分間加熱して酵素反応を停
止させ、試料とした。各試料2mg/ml(蒸留水)
を、高血圧自然発症ラット(SHR,12週齢、雄、3
匹、Charles River Japan Inc.(京都)により購入)の
胃内に、ゾンデを用いて直接投与した。6時間後に小動
物用自動血圧計(ウエダ製作所)を用いて尾部血圧を測
定した。なお、血圧測定時間を6時間後としたのは、事
前に2、4、6、12、18、24時間後の血圧を測定
した結果、6時間後に最も血圧が低下し、24時間後に
もとの血圧に戻ることを確認したことに基づくものであ
る。結果を第2表に示す。
【0056】
【表2】
【0057】第2表より以下のことが判る。SHRの出
発時の血圧の平均値(n=3)は183mmHgであっ
たが、各種プロテアーゼで処理したホエータンパク質を
投与すると、−40〜−55mmHgの血圧低下率を示
した。この数値を未処理のホエータンパク質を投与した
ものが−38mmHgであるのと比較すると、高い降圧
効果を示すことがわかる。中でも、プロティナーゼK及
びアクチナーゼEは、−55mmHgと高い血圧低下率
が得られた。
【0058】なお、ホエータンパク質のみでも血圧降下
が起こる。これは、ホエータンパク質に約14%含まれ
るプロテオースペプトン(β−カゼイン断片)のラット
消化管酵素(ペプシン、トリプシン等)による消化過程
で生じた分解ペプチドによることが、本発明者の研究に
より既に明らかにされている。しかしながら、ホエータ
ンパク質に他のプロテアーゼを付加したものの方が高い
降圧降下を示すという結果を得たことから、該プロテア
ーゼの働きによりさらに強い降圧ペプチドが誘導される
ことが推測される。
【0059】本試験で用いたプロテアーゼのうち、プロ
ティナーゼKは、先述のACE阻害活性試験により高い
降圧効果を得ることが既に判明しているが、ラットを用
いた本試験でも良い結果を得た。このことから、プロテ
ィナーゼKで処理したホエータンパク質を摂取すること
により、生体内においても優れた降圧効果を示すことが
確認された。
【0060】 降圧作用を示すペプチド成分の分画と
構造の確認 プロティナーゼKで分解したホエータンパク質の中で、
具体的に降圧効果を示すのはどのような成分かを知るた
めに、成分の分画、生成、構造の解析を行った。
【0061】プロティナーゼKで分解したホエータンパ
ク質を、疎水クロマトグラフィー用樹脂 LiChroprep RP
-18 (Merck 社製、ドイツ) に吸着させた後、濃度の異
なるメチルアルコール溶液を用いて、吸着しているペプ
チドを順次遊離させ、回収した。回収した各画分につい
てSHRラットを用いて降圧効果を調べた。各分画物の
SHRラットに対する降圧効果を図13に示す。図13
のAは、分画前の試料(チーズホエーのプロティナーゼ
K消化物全体)の血圧低下率を示し、B,C,D,E,
F,G,H,I,Jは、それぞれ順に濃度10,20,
30,40,50,60,70,80,90%(v/
v)のメチルアルコール溶出画分の血圧低下率を示すも
のである。
【0062】図13より、メタノールによる溶出画分
は、いずれもラットの血圧低下をもたらしたが、中でも
10%,30%,40%,50%濃度の画分では、血圧
低下率が45mmHgを超え、特に降圧効果の高いペプ
チド成分の含まれていることが認められた。そこで、こ
れらの高い効果を示すもののうちから、メタノール40
%(v/v)で溶出された画分Eをさらに精製し、高速
液体クロマトグラフィー(HPLC)による分画を進め
た。高速液体クロマトグラフィーの分析条件は、以下の
通りである。
【0063】・カラム:Seperiorex-ODS(4.6×10
0mm、資生堂(株)製) ・溶出液:A:0.05%(v/v)トリフルオロ酢酸
(TFA)を含む10%(v/v)アセトニトリル溶液 B:0.05%(v/v)TFAを含む60%(v/
v)アセトニトリル溶液 ・溶出:A0%からB100%まで30分間で直線的に
上昇 ・流速:0.5ml/min ・温度:40℃ ・検出:214nm(ペプチド結合)
【0064】その結果得られた分画パターンを図14に
示す。これらa〜fを分取し、アミノ酸シークエンサー
による配列分析を進めた結果、最終的に第3表に示すよ
うな6種のペプチドの化学構造を明らかにした。これら
を化学的に合成し、高血圧ラットに対する降圧効果を確
認した結果も併せて第3表に示した。
【0065】
【表3】
【0066】第3表に示すように、各ペプチドはそれぞ
れ降圧効果を有するが、その効果は分画前のプロテアー
ゼ処理ホエーそのもののそれには及ばない。このこと
は、これらの成分がチーズホエーのプロテアーゼ処理に
より生成する降圧ペプチドの一部分に過ぎないものであ
り、さらに多成分のペプチドも含めて全体として相加的
効果を発揮していることを示すものと考えられる。
【0067】(4)食品添加物として認可されているプ
ロテアーゼを使用してホエータンパク質を処理した場合
のSHRラットに対する降圧効果試験 プロティナーゼKは、SHRラットを使用した動物試験
で降圧効果の高いことが示されたが、現在、食品添加物
としては未認可である。そこで食品添加物として認可さ
れているプロテアーゼ類を用いてホエータンパク質の分
解を行った場合の高血圧ラットに対する降圧効果を調べ
た。使用した市販プロテアーゼは、プロテアーゼA(天
野製薬(株)製、Aspergillus oryzae由来)、デナチ
ームAP(ナガセ生化学工業(株)製、Aspergillus
oryzae由来)、コクラーゼ(三共(株)製、Aspergillu
s oryzae由来)およびアクチナーゼAS(科研製薬
(株)製、Streptomyces griceus 由来)の4種であ
る。
【0068】 40%(w/w)濃度のホエー溶液を
作り、これに上記各プロテアーゼを固形分比200:1
の割合で加え、37℃で8時間反応させた後、100
℃、15分加熱して反応を止めた。これらについて、S
HRラットを用いて降圧効果を調べた。 一方、40%(w/w)濃度のホエー溶液に対し
て、ガランターゼ(東京田辺製薬製、(1)で用いたも
のと同じ)を固形分400:1の割合で加えて37℃で
8時間作用させてラクトースを分解した液を用いて、乳
酸菌としてLA67株.B6株、510株の3種を各1
%ずつ混合して接種し、8時間培養した発酵乳を作成し
た。これについて、SHRラットによる降圧効果を調べ
た。結果を第4表に示す。
【0069】
【表4】
【0070】〔第4表の脚注〕 1):ガランターゼ処理液と各種プロテアーゼ処理液と
を7:3の割合(容量比)で加え、乳酸発酵させたもの
【0071】第4表より、以下のことが判る。まず、プ
ロテアーゼ処理のみの場合をみると、いずれも降圧作用
を有していることが判る。このことは、食品添加物とし
て使用されているプロテアーゼで処理した場合にも、先
に調べたプロテアーゼと同様に、血圧低下効果を示すこ
とを明らかに示唆するものである。次に、プロテアーゼ
処理に加えてガランターゼ処理及び乳酸菌による発酵処
理を行った場合をみると、プロテアーゼ処理のみの場合
と比較して、血圧低下率の変動がみられる。しかし、デ
ナチームAP、コクラーゼP及びアクチナーゼASで
は、充分な降圧効果を示した。3つの処理を行った場合
のプロテアーゼの添加量は、単独処理の場合と比較して
3/10である。このような添加量の減少にもかかわら
ず、充分な降圧効果をもたらす酵素があったということ
は、β−ガラクトシダーゼ処理及び乳酸菌による発酵と
組み合わせることによって、予想外に降圧効果が上がる
ことを示すものである。
【0072】(5)食品添加物として使用許可されてい
るプロテアーゼを使用した場合のガラクトオリゴ糖の消
長 上記(4)の試験で使用したプロテアーゼの中では、ア
クチナーゼASが比較的良好なものと考えられた。そこ
で、アクチナーゼAS処理が、β−ガラクトシダーゼの
生産したガラクトオリゴ糖の生産量に対して与える影響
について検討し、既に影響がないことが判明〔上記
(2)参照〕しているプロティナーゼKとの比較を行っ
た。
【0073】すなわち、40%(w/w)ホエー溶液に
ガランターゼ〔東京田辺製薬製、上記(1)で用いたも
のと同じもの〕を固形分400:1の割合で加えて、4
時間反応させた液(前者)に対して、上記(4)の方法
に従ってプロティナーゼK又はアクチナーゼASによっ
て処理をしたホエー溶液(後者)を、前者7対後者3の
割合で加え、7%固形分に希釈した後、LA67株、B
6株、及び510株の3種の乳酸菌スターターを1%
(v/v)ずつ加えて37℃で8時間発酵させた。発酵
前後のオリゴ糖量を高速液体クロマトグラフィーによっ
て定量した。定量された各糖の存在割合を第5表に示
す。
【0074】
【表5】
【0075】第5表より、いずれの酵素を用いた場合
も、オリゴ糖量は発酵後に僅かに減少する傾向にあった
が、大きな減少を示さないことが判る。また、アクチナ
ーゼASを使用した場合には、プロティナーゼKを使用
した場合よりも発酵後のオリゴ糖量が若干減るものの、
それほどの差はないといえる。このことから、アクチナ
ーゼASを用いた場合にもオリゴ糖の大きな減少が示さ
れないことが判明した。
【0076】以上の(1)〜(5)に示す実験結果か
ら、請求項1記載の本発明においては、乳酸菌を接種す
る前に、プロテアーゼ及びβ−ガラクトシダーゼを作用
させることとした。
【0077】ここで接種する乳酸菌は、一般に発酵乳に
使用されているものであれば、いずれも用いることがで
きる。それらの一例としては、ラクトバチルス( Lacto
bacillus)属乳酸菌、ラクトコッカス( Lactococcus
属乳酸菌、ロイコノストック(Leuconostoc )属乳酸菌
およびストレプトコッカス( Streptococcus)属乳酸菌
がある。本発明において、これらの乳酸菌は、1種を単
独で用いても良いし、或いは2種類以上を組み合わせて
用いることもできる。
【0078】例えば、ヨーグルト製造においては、一般
的にラクトバチルス・デルブレッキー・サブスピーシー
ズ・ブルガリクス( Lactobacillus delbrueckii subs
p.bulgaricus)(ブルガリア菌)と、ストレプトコッカ
ス・サリバリウス・サブスピーシーズ・サーモフィラス
Streptococcus salivarius subsp. thermophilus
(サーモフィラス菌)が使用されている。
【0079】より具体的には、前記したようなラクトバ
チルス・デルブレッキー・サブスピーシーズ・ブルガリ
クスB6株、同B5b株、ストレプトコッカス・サリバ
リウス・サブスピーシーズ・サーモフィラス510株な
どが挙げられる。
【0080】但し、本発明においては、請求項2に記載
したように、ヒト消化管由来のヒト腸内生育性乳酸菌を
加えることが好ましい。そのようなヒト腸内生育性乳酸
菌としては、請求項3に記載したように、ラクトバチル
ス・アシドフィルス LA67 (Lactbacillus acidophil
us LA67)、ラクトバチルス・ガセリ LA2(Lactbacill
us gasseri LA2)、ラクトバチルス・ガセリ LA35
Lactbacillus gasseri LA35 )、ラクトバチルス・
ガセリ LA39 (Lactbacillus gasseri LA39 )、ラク
トバチルス・ガセリ LA158 (Lactbacillus gasseri
LA158)、ラクトバチルス・ガセリ LA182(Lactbacill
usgasseri LA182)及びラクトバチルス・ガセリ LA187
Lactbacillus gasseriLA187)よりなる群から選ばれ
た1種以上の微生物が特に好ましい。
【0081】本発明では、このような乳酸菌の代わり
に、ビフィズス菌や、ケフィールグレインのような混合
した天然の発酵種をスターターとして用いることもでき
る。ビフィズス菌としては、例えば、ビフィドバクテリ
ウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム(Bifido
bacterium longum subsp. longum)、ビフィドバクテ
リウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum )等
が挙げられる。
【0082】また、請求項1記載の本発明のホエー飲料
に用いるプロテアーゼとしては、特に血圧降下作用のあ
るペプチド類を最も良く生成する点から、細菌由来のサ
ーモライシン、消化液由来のペプシン、トリプシン及び
キモトリプシン、カビ(Tritirachium album ) 由来の
プロティナーゼ(プロティナーゼK)、放線菌 (Strept
omyces griseus ) 由来のアクチナーゼE、植物由来の
パパインなどが挙げられる。これらのうち、高い血圧降
下効果を示すものとして、プロティナーゼK、アクチナ
ーゼASが挙げられる。但し、現在、食品添加物として
認可されているものとしてはプロテアーゼA、デナチー
ムAP、コクラーゼP、アクチナーゼASがあり、上記
した実験結果からは、アクチナーゼASが最も好ましい
ことが判った。
【0083】上記の如きホエーにプロテアーゼを作用さ
せる条件、すなわち酵素反応の際の温度、時間、pH等
は、用いる酵素に好適な範囲とすれば良い。プロテアー
ゼの添加量は、ホエー溶液全体に含まれるタンパク質量
を計算し、その1/100〜1/500とする。反応時
間はなるべく短縮するのが望ましい。プロテアーゼの添
加量と反応時間は、酵素の純度などによっても異なるの
で、実際の製品の製造に当たっては、降圧効果との関連
において、最適条件を定める必要がある。
【0084】より具体的には、例えば、市販のホエーパ
ウダー(WP)を用い、無脂乳固形分が3%(w/w)
以上のWP水溶液を作成する。このWP水溶液には、糖
源として十分量のラクトースが存在するので、新たに他
の糖質を補う必要はない。しかし、本発明においては、
糖源として、例えばグルコース及び/又はスクロースを
添加しても構わない。
【0085】得られた溶液について、ホエーに含まれる
タンパク質よりACE阻害ペプチド類を得るために、プ
ロテアーゼによる反応を行う。この際の反応条件は、用
いる酵素に応じて異なり、一義的に規定することはでき
ないが、高いACE阻害活性を得ることができる範囲の
温度、時間、pHであることが望ましい。例えば、アク
チナーゼASを用いるときは、37℃前後の温度の場
合、1〜24時間、好ましくは2〜4時間程度行えば良
い。ここで酵素処理時間が、その酵素にとっての最適時
間に比べて短か過ぎると、WPに含まれるACE阻害ペ
プチド類の誘導が不充分となり、好ましくない。一方、
酵素処理時間が長いと、乳酸菌の生育は高まるものの、
苦みペプチドの生成の可能性が増したり、製品の風味が
落ちたり、さらには、せっかく生成した生理活性ペプチ
ド類が乳酸菌により資化され減少する可能性があるた
め、好ましくない。
【0086】請求項1記載の本発明においては、ホエー
に上記した如きプロテアーゼと共に、β−ガラクトシダ
ーゼを作用させ、次いで乳酸菌を接種し、乳酸発酵させ
ることを特徴とする。即ち、上記のようにホエーにプロ
テアーゼを作用させ、新規生理活性ペプチド類を遊離さ
せたホエー加水分解物を得た後にβ−ガラクトシダーゼ
を作用させるか、先にホエーにβ−ガラクトシダーゼを
作用させた後にプロテアーゼを作用させるか、又は両者
を別々に行った後に、乳酸菌を接種し、乳酸発酵させ
る。但し、必要に応じて、ホエーにプロテアーゼとβ−
ガラクトシダーゼとを作用させながら、乳酸発酵させる
こともできる。
【0087】通常は、前記ホエー溶液について、まずプ
ロテアーゼを作用させる。反応終了後、例えば100℃
で15分間程度加熱し、酵素反応を止める。このプロテ
アーゼ処理により、血圧降下ペプチド、具体的には、A
CE阻害活性を有するペプチドが生成する。
【0088】一方、上記プロテアーゼ処理したホエー溶
液とは別に、β−ガラクトシダーゼで処理したホエー溶
液を用意する。勿論、これに限られず、プロテアーゼ処
理とβ−ガラクトシダーゼ処理を行ったりしても良いこ
とは、前記した通りである。ここでβ−ガラクトシダー
ゼとしては、Aspergillus oryzae由来のものを挙げるこ
とができる。このβ−ガラクトシダーゼをホエー溶液に
加え、例えば37℃前後の温度で反応させる。この間に
ホエー中のラクトースは、等モルのグルコースとガラク
トースとに加水分解されるが、後者は該酵素の転移活性
により再びラクトースに転移され、数種のガラクトオリ
ゴ糖(6’−ガラクトシルラクトースが主成分)が生成
する。これらのオリゴ糖は、母乳中にも存在することか
ら安全性が高く、さらに、ビフィズス因子として優れた
整腸作用が確認されている。
【0089】なお、ガラクトオリゴ糖の生成量を多くす
るために、ホエー濃度を30〜40%と高くするのが望
ましい。β−ガラクトシダーゼの添加量は、ホエー溶液
中のラクトース量を計算し、その1/100〜1/50
0(重量比)程度とするが、実際の製造に当たっては、
反応時間を短縮するために、酵素量、反応時間、オリゴ
糖生成量を測定して、最適条件を定める必要がある。な
お、β−ガラクトシダーゼの固定化酵素を使用して経済
性を高める方法もある。
【0090】次いで、100℃で15分間程度加熱して
反応を止めた後に、腸内生育性乳酸菌によるホエーの発
酵を行う。具体的には、上記のようにして作成した2種
の酵素処理ホエー溶液を混合する。混合比は任意でよい
が、例えばプロテアーゼ処理ホエー溶液に対し、β−ガ
ラクトシダーゼ処理ホエー溶液を、前者対後者が3対7
(容量比)の割合で混合する。その後、水を6倍量程度
加えて希釈する(この場合、7倍希釈となる。)。この
時点でホエー溶液の固形分含量は7%となる。固形分含
量を高くしたい場合には希釈率を低くする。
【0091】なお、この際、甘味剤としてショ糖を適当
量加えることもできる。さらに、必要に応じて香料など
を加えることもできる。
【0092】また、必要に応じて、スターター菌とし
て、別に培養しておいたアシドフィルスグループ乳酸
菌、例えばラクトバチルス・アシドフィルス LA67 (L.
acidophilus LA67 )および各種L. gasseri (LA2,
LA35, LA39, LA158, LA182, LA187)のうち1菌種以上を
2%(v/v)程度加え、37〜42℃程度の温度でp
Hが4.5付近になるまで培養する。通常、6〜8時間
を要する。なお、発酵促進、フレーバーの改善等を考え
るならば、アシドフィルスグループ乳酸菌の他に、ヨー
グルト製造用のブルガリア菌(L. bulgaricus)、サー
モフィルス菌(S.thermophilus) をスターターとして同
時に加えて培養することもできる。
【0093】乳酸菌による発酵時間は、適当な酸味に達
するまでとする。本製造工程においては、経済性を考慮
して、プロテアーゼ処理ホエー溶液とβ−ガラクトシダ
ーゼ処理ホエー溶液とを別々に製造し、これらを混合し
合う例を示した。なお、同一ホエー溶液について、プロ
テアーゼ処理、ラクターゼ処理、乳酸菌による培養を連
続的に行って製造することもできる。以上のようにし
て、請求項1記載の発明の目的とする降圧作用、オリゴ
糖及び整腸作用のトリプル機能を備えたホエー飲料が得
られる。このようにして得られるホエー飲料は、発酵乳
の場合、通常、乳酸菌の菌数としては、2.5 ×107 cel
ls /ml程度含有し、その重量としては、約1g/L程度
含有するものである。また、乳酸量としては、約15〜
20mg/ml程度含有するものである。
【0094】なお、請求項1記載の本発明のホエー飲料
には、必要に応じて、ラクトース,スクロース等の糖
類、トリポリリン酸塩,メタリン酸ナトリウム等のリン
酸塩類、安定剤を添加することができる。この他、請求
項1記載の本発明のホエー飲料には、各種香料、果汁、
果肉、調味料等を添加することもできる。
【0095】なお、請求項1記載の本発明のホエー飲料
は、乳酸菌数と乳成分濃度を制御することで、法令の定
める発酵乳または乳酸菌飲料とすることができる。すな
わち、飲料1mlあたりの乳酸菌の生菌数が107
(一千万個)以上であって、かつ、無脂乳固形分が8.
0%以上のものであれば、発酵乳として表示することが
できる。また、無脂乳固形分が3.0%以上8.0%未
満であれば、乳酸菌飲料として表示することができる。
【0096】このようにして得られた、降圧作用、オリ
ゴ糖及び整腸作用のトリプル機能を備えたホエー飲料を
提供するのが、請求項4記載の本発明である。
【0097】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、本発明はこれにより制限されるものではな
い。
【0098】実施例1 (1)プロテアーゼ処理による血圧降下ペプチドを含む
ホエーの準備 チーズホエーパウダー40重量部に対し、水60重量部
を加えて溶解し、40%(w/w)濃度のホエー溶液を
作成した。これを37℃に加温し、アクチナーゼAS
(科研製薬製)をチーズホエー溶液1kgについて2g
となるようにホエー溶液に加えた。そのまま37℃で8
時間攪拌しつつ反応させた。反応後(8時間経過後)、
100℃で15分間加熱して酵素反応を停止させ、冷却
した。得られた液を「A液」とした。
【0099】(2)β−ガラクトシダーゼによりラクト
ースを加水分解すると共にオリゴ糖を生成させたホエー
の準備 チーズホエーパウダー40重量部に対し、水60重量部
の割合で加えて溶解し、40%(w/w)濃度のホエー
溶液を作成した。これを37℃に加温し、β−ガラクト
シダーゼ(商品名:ガランターゼ、東京田辺製薬製ラク
ターゼ)を前記チーズホエー溶液1kgに対して1gと
なるように加えて、37℃で4時間攪拌しつつ反応させ
た。その後、100℃で15分間加熱して反応を停止さ
せ、冷却した。得られた液を「B液」とした。
【0100】(3)乳酸菌によるホエーの発酵 前記A液3に対し、B液7の割合(容量比)で両液を混
合し、さらに水を加えて5倍希釈(1:4希釈)した。
得られた液を「C液」とする。C液の一部(100m
l)についてオートクレーブ滅菌し(115℃、20
分)、これにラクトバチルス・デルブレッキー・サブ
スピーシーズ・ブルガリクスB6株(Lactbacillus del
brueckii subsp. bulgaricus NIAI B6 )、ストレプ
トコッカス・サリバリウス・サブスピーシーズ・サーモ
フィラス510株(Streptococcus salivarius subs
p. thermophilus NIAI 510 )、ラクトバチルス・ア
シドフィルス LA67 (L. acidophilus LA67)、ラ
クトバチルス・ガセリ(Lactbacillus gasseri ) LA2
を、それぞれ別々に接種して培養(37℃で12時
間)した。得られた液を、それぞれ順に乳酸菌スタータ
ー液,,,とした。
【0101】残りのC液に、必要量の砂糖及び香料を加
えた後、殺菌し(80℃、20分程度)、これを「D
液」とした。このD液に、先の乳酸菌スターター液を、
又はが必ず入るように組み合わせて添加した。添加
量は、又は単独使用の場合には、2%加えた。+
+又は++の混合使用の場合には、それぞれ
を1%ずつ加えた。これらを37℃で約10時間培養
し、(冷却した。)。得られたホエー飲料を製品を容器
に充填し、完成品とした。このホエー飲料は、降圧作
用、オリゴ糖及び整腸作用のトリプル機能を備えたもの
であった。
【0102】
【発明の効果】請求項1記載の本発明によれば、降圧作
用、オリゴ糖及び整腸作用のトリプル機能を備えたホエ
ー飲料が得られる。
【0103】即ち、請求項1記載の本発明により得られ
るホエー飲料は、プロテアーゼ処理により、高いACE
阻害活性を有するのみならず、高血圧自然発症ラット
(SHR)による試験により生体内における降圧効果も
確認されたことから、摂取後は顕著な降圧作用(血圧の
降下作用)を期待することができる。また、請求項1記
載の本発明により得られるホエー飲料は、同時にβ−ガ
ラクトシダーゼ処理により、ビフィズス因子であるガラ
クトオリゴ糖を生成するため、整腸作用が期待できる。
さらに、請求項1記載の本発明により得られるホエー飲
料は、乳酸発酵により乳酸菌やその代謝発酵物(発酵代
謝物)を含有しているので、風味と味も良好であるばか
りか、高い免疫賦活能などの保健生理作用が期待でき、
特に腸管内生育性のある乳酸菌を使用した場合には整腸
作用が期待できる。
【0104】しかも、請求項1記載の本発明により得ら
れるホエー飲料は、その有効かつ高度利用が求められて
いるホエーを原料にしており、また製造コストも安価な
ため、より付加価値が高くなっており、さらにホエー廃
棄に伴う環境汚染(水質汚染)の防止にも寄与するもの
である。従って、本発明は、これまで厄介者としか位置
づけられなかった、チーズを製造する産業における副産
物(ホエー)の消費拡大と、高度利用に道を開くものと
期待される。なお、本発明は、農畜産業振興事業団の平
成9年度需要開発調査研究事業によりなされたものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】乳酸菌で発酵させた脱脂乳の酸度の経時的変化
を示す。
【図2】乳酸菌で発酵させた脱脂乳のpHの経時的変化
を示す。
【図3】乳酸菌で発酵させたチーズホエーの酸度の経時
的変化を示す。
【図4】乳酸菌で発酵させたチーズホエーのpHの経時
的変化を示す。
【図5】プロテアーゼとしてプロティナーゼKで処理
後、乳酸菌で発酵させたチーズホエーの酸度の経時的変
化を示す。
【図6】プロテアーゼとしてプロティナーゼKで処理
後、乳酸菌で発酵させたチーズホエーのpHの経時的変
化を示す。
【図7】プロテアーゼとしてアクチナーゼEで処理後、
乳酸菌で発酵させたチーズホエーの酸度の経時的変化を
示す。
【図8】プロテアーゼとしてアクチナーゼEで処理後、
乳酸菌で発酵させたチーズホエーのpHの経時的変化を
示す。
【図9】β−ガラクトシダーゼとしてガランターゼで処
理後、乳酸菌で発酵させたチーズホエーの酸度の経時的
変化を示す。
【図10】β−ガラクトシダーゼとしてガランターゼで
処理後、乳酸菌で発酵させたチーズホエーのpHの経時
的変化を示す。
【図11】プロテアーゼ(プロティナーゼK)とβ−ガ
ラクトシダーゼ(ガランターゼ)で処理後、乳酸菌で発
酵させたチーズホエーの酸度の経時的変化を示す。
【図12】プロテアーゼ(プロティナーゼK)とβ−ガ
ラクトシダーゼ(ガランターゼ)で処理後、乳酸菌で発
酵させたチーズホエーのpHの経時的変化を示す。
【図13】チーズホエーのプロティナーゼK消化物の疎
水クロマトグラフィーによる各分画物の高血圧ラットに
対する降圧効果を示す。
【図14】チーズホエーのプロティナーゼK消化物の疎
水クロマトグラフィーによって分画した、最も降圧活性
の高い画分の高速液体クロマトグラフィー分画パターン
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B001 AC05 AC25 AC26 AC31 BC14 BC99 EC05 4B017 LC03 LK15 LK18 LK21 LK23 LP05 LP06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホエーにプロテアーゼ及びβ−ガラクト
    シダーゼを作用させ、次いで乳酸菌を接種し、乳酸発酵
    させることを特徴とするホエー飲料の製造法。
  2. 【請求項2】 乳酸菌が、ヒト腸内生育性乳酸菌である
    請求項1記載のホエー飲料の製造法。
  3. 【請求項3】 ヒト腸内生育性乳酸菌が、ラクトバチル
    ス・アシドフィラスLA67 (Lactbacillus acidophilu
    s LA67)、ラクトバチルス・ガセリ LA2(Lactbacillu
    s gasseri LA2)、ラクトバチルス・ガセリ LA35 (L
    actbacillusgasseri LA35 )、ラクトバチルス・ガセ
    リ LA39 (Lactbacillus gasseriLA39 )、ラクトバチ
    ルス・ガセリ LA158 (Lactbacillus gasseri LA15
    8)、ラクトバチルス・ガセリ LA182(Lactbacillus g
    asseri LA182)及びラクトバチルス・ガセリ LA187(L
    actbacillus gasseri LA187)よりなる群から選ばれ
    た1種以上の微生物である請求項2記載のホエー飲料の
    製造法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3記載のいずれかの製造法
    により得られるホエー飲料。
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