JP2009044983A - ガセリシンaの生産方法及び食品保存剤 - Google Patents

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Koichi Tsurumi
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Abstract

【課題】本発明は、ガセリシンAを食品保存料として、現実的な使用を可能にするため、食品に添加可能な培地による高収量のガセリシンAの生産方法を確立し、ガセリシンAと他の抗菌剤とを併用した新しい食品保存剤を提供することを目的とする。
【解決手段】上記課題を解決するために、本発明は、ホエーを含む培地で、Lactobacillus
gasseri(ラクトバチルス・ガセリ)LA39株を培養してガセリシンAを生産することを特徴とするガセリシンAの生産方法、ガセリシンAと、グリシンを含む食品保存剤の構成とした。
【選択図】なし

Description

本発明は、天然食品保存料であるバクテリオシン、詳しくはLactobacillus
gasseri(ラクトバチルス・ガセリ)LA39が生成する抗菌性ペプチド:ガセリシンAの生産方法、ガセリシンAを含む食品保存剤及びガセリシンAを用いた食品の保存方法に関する。
人々の食品に対する嗜好が多様化した現代では、食品は素材本来の風味を活かしたまま加工・販売されることが望まれている。食品を最も変性させる要因である微生物汚染を制御するためには、微生物を殺菌もしくは静菌する必要がある。
しかし、食品および中間食材中の有害微生物を制御する最も一般的な方法である加熱処理は、食品およびその原料の品質を大きく損ねてしまう。また、加熱とともに用いられている保存料および日持ち向上剤の添加は、消費者の「自然」あるいは「天然」嗜好を反映して、近年強く敬遠される傾向にある。
そこで、非天然食品添加物からの脱却・少量化を目指して、バイオプリザバティブ(biopreservative,天然食品保存料)としての乳酸菌由来の抗菌性ペプチド(バクテリオシン,bacteriocin)の利用が大きな注目を浴びている。
「バクテリオシン」とは、細菌のリボソーム(粗面小胞体)上で生合成される抗菌性のペプチドおよびタンパク質のことで、そのアミノ酸配列が染色体DNAまたはプラスミドDNA上にコードされているという点で従来のペプチド性抗生物質とは一線を画している。
また、「バクテリオシン」は主として類縁菌に限定して殺菌作用を有しているという点でも、幅広い抗菌スペクトルを有する抗生物質とは異なっている。しかし、近年、種をまたいでグラム陽性菌を殺菌する抗菌スペクトルの広いバクテリオシンも見出されており、それらをバイオプリザパティブの有力候補として積極的に利用する動きが世界各国で見受けられる。
また、バクテリオシンをバイオプリザバティブとして利用しようとする動きが活発である背景には、他の天然抗菌物質に対する抗菌活性の優位性だけでなく、ペプチドであるがゆえに、体内の消化酵素によって分解されるという安全面での優位性があることも見逃せない。
乳酸菌バクテリオシンによる食品保存では、Lactococcus
lactis subsp.lactisの生産するナイシンA(nisinA)が欧米を中心に世界50ヶ国以上で広く実用化され、その用途は発酵食品のみに留まらず、乳製品、マヨネーズ、缶詰食品、食肉製品およびアルコール飲料にまで及んでいる。
ナイシンAに次いで実用化に成功しているバクテリオシンは、Pediococcus
acidilacticiが生産するペディオシンPA−1(Pediocin PA−1)である。ペディオシンPA−1は、多くの国では法的規制によりその精製物を食品に加えることができないため、発酵食品のスターターもしくは発酵培養物という形態で食品に添加されている。
ペディオシンPA−1は、Listeria
monocytogenesに対する特に優れた抗菌性から、食肉製品を中心に研究実績も多く、その利用が拡大している。この両バクテリオシンの他にも様々な乳酸菌バクテリオシンの食品への応用実績が現在までに報告され、本国でも、これら乳酸菌バクテリオシンを利用した発明がいくつか公開されている。
バクテリオシンをバイオプリザバティブとして食品に応用する際、現実問題として、他の抗菌因子と併用することが望ましいとされる。この考えはLothar
Leistnerの唱えた「ハードル理論」の概念に基づいており、食品汚染微生物にとっての障壁(ハードル)を多くして、汚染微生物が最終的にどれかのハードルを越えないように制御するという意図が込められている。
ここでの「ハードル」とは、温度、pH、水分活性および抗菌剤添加などを指す。定義上、バクテリオシンは類縁菌にしか抗菌効果を示さないことから、乳酸菌のようなグラム陽性菌の単独利用では、抗菌スペクトルの範囲に含まれない汚染微生物、特にグラム陰性菌や真菌類はハードルを越えて容易に増殖してしまう。
また、使用し続けたバクテリオシンに対する耐性菌が生じることも考慮すると、特定のバクテリオシンの単独利用はあまり好ましくないとされる。併用される抗菌因子としては、加熱殺菌、加圧殺菌、放射線殺菌および他の抗菌物質の添加などがあり、これらとバクテリオシンの併用により、相乗または相加的に抗菌効果のあることが現在までに報告されている。
現在までに発明者等は、ヒト(4ヶ月齢♂)糞便より単離したLactobacillus
gasseri LA39が生産するバクテリオシンである「ガセリシンA」(gassericin
A/以下、単に「ガセリシンA」という。)の基礎研究を進めてきた。Lactobacillus
gasseri LA39は、2001年に理化学研究所(東京、和光市)に預託されており、本菌株の登録番号はJCM11657株である。
「ガセリシンA」は、食品の腐敗原因菌である乳酸菌群やBacillus
cereus、および食中毒を引き起こすList.
monocytogenesやStaphylococcus
aureusに対して強い殺菌効果を有していることが見いだされた。しかし、食品として安全な脱脂乳培地を用いてガセリシンAを生産することが検討されたが、Lactobacillus
gasseri LA39を含むヒト腸管由来の有用桿菌は、脱脂乳培地では極めて生育性に乏しく、脱脂乳培地を用いて効率よくガセリシンAを生産することは非常に困難であった。
Itoh, T.,et al. Inhibition of food-borne pathogenic bacteria by bacteriocins fromLactobacillus gasseri, Lett. Appl. Microbiol, 21: 137-141, 1995
ガセリシンAの全アミノ酸一次構造は、図1に示すように、2残基のD−アラニンを含む疎水性に富んだ58残基のアミノ酸(分子量:5,652Da)からなる。また、ペプチド構造におけるN−末端とC−末端が結合した世界で2報告例目の環状バクテリオシンである。
ガセリシンAの二次構造はαへリックス構造に富むことが推定されており、そのヘリックス部分を利用した標的細胞の細胞膜への「孔(こう)形成」により感受性菌を死に至らしめていると考えられている。
kawai,Y., et al. Structural andfunctional differences in two cyclic bacteriocins with the same sequencesproduced by lactobacilli, Appl Environ. Microbiol. 70: 2906-2911, 2004
ガセリシンAの生合成機構の詳細は明らかではないが、プラスミドDNA上の構造遺伝子としてのgaaAが存在し、その周辺約3.5kbに存在する関連遺伝子群によって生産されることが推定されている。
kawai,Y., et al. 1998.Sequence analysis by cloning of the structural gene of gassericin A ,ahydrophobic bacteriocin produced by Lactobacillus gasseri LA39. Biosci.Biotech. Biochem. 62: 887-892.
ガセリシンAは、加熱(121℃、10分)や広いpH領域(2−12)、およびプロテアーゼ分解に対して極めて高い安定性を示すことから、バイオプリザバティブとして期待され、発明者等により、「ガセリシンAの生産方法、抗菌剤及び炎症の治療剤」の発明がなされ、特許文献1として公開されている。
特許文献1に記載のガセリシンAの生産方法は、プロテオース・ペプトン(PP)を含む脱脂乳培地で、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus
gasseri)LA39株を培養してガセリシンAを生産することを特徴とし、食品に添加することができる培地による培養方法を提供するものである。
特開2005−80936号公報
しかし、特許文献1に記載のラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus
gasseri)LA39株を培養してガセリシンAをさらに大量に生産する方法、ガセリシンAを有効成分とする抗菌剤は、及び他の抗菌剤との併用方法について等は検討されていなかった。
そこで、本発明は、ガセリシンAを食品保存料として、現実的な使用を可能にするため、食品に添加可能な培地による高収量のガセリシンAの生産方法を確立し、ガセリシンAと他の抗菌剤とを併用した新しい食品保存剤を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するために、ホエーを含む培地で、Lactobacillus
gasseri(ラクトバチルス・ガセリ)LA39株を培養して抗菌性ペプチド:ガセリシンAを生産することを特徴とするガセリシンAの生産方法の構成とし、前記ホエーが、1.0〜10.0重量%の範囲で、培地に添加されていることを特徴とする前記ガセリシンAの生産方法の構成とし、前記培地に、プロテオースペプトン(PP)を添加したことを特徴とする前記何れかに記載のガセリシンAの生産方法の構成とし、前記培地に、界面活性剤を添加したことを特徴とする前記何れかに記載のガセリシンAの生産方法の構成とし、さらに前記界面活性剤が卵黄レシチンであることを特徴とする前記何れかに記載のガセリシンAの生産方法の構成とし、ガセリシンAと、グリシンを含む食品保存剤の構成とした。
本発明は、以上の構成であるから以下の効果が得られる。ホエーをLactobacillus
gasseri LA39株を培養する培地に添加することで、食品添加物として使用可能なガセリシンAをLactobacillus
gasseri LA39株から生産することができる。MRS培地で生産されたガセリシンAを食品に添加することは食品衛生法で認められていない。
前記ホエーは、乳培地中に、1.0〜10.0重量%の範囲で添加されていれば、十分活性型ガセリシンAを生産することができる。
さらに、プロテオースペプトン(PP)を共存させることでガセリシンAの生産性がさらに向上し、その生産性は界面活性剤、特に卵黄レシチンの添加で、MRS培地と遜色ない活性型ガセリシンAを高収量で生産することが可能になる。
Lactobacillus
gasseri LA39株が生産するガセリシンAを食品保存料として、現実的な使用を可能にするため、食品に添加可能な培地による高収量のガセリシンAの生産法を確立し、ガセリシンAと他の抗菌剤とを併用した食品保存剤を提供する目的を、ホエーを1.0〜10.0重量%の範囲、0.1重量%以上含まれるプロテオースペプトン(PP)、及び卵黄レシチン0.1〜1.0重量%、が添加された培地で、Lactobacillus
gasseri LA39株を培養してガセリシンAを生産することを特徴とするガセリシンAの生産方法、及び前記ガセリシンAの生産方法によって得られたガセリシンA(培養上清を添加する場合は、食品への添加濃度は10〜25重量%が好ましい)と、グリシン(食品への添加濃度は0.5〜1.5重量%が好ましい)を必須とする食品保存剤の構成とすることで実現した。なお、ガセリシンAは、PPおよび卵黄レシチン添加のホエー培養上清中に、約500μg/L程度生産される。
ガセリシンAを培養物から抽出するには、ゲルろ過、イオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー等を必要に応じて組み合わせて抽出することがでる。例えば、DEAE(弱塩基性)イオン交換樹脂を用いたイオン交換法、pH調整法を用いてもよい。ガセリシンAを保存剤の製剤とするには、乾燥して混合すればよい。
ここで、「ホエー」とは、牛乳又は脱脂乳に、レンネットや酸を加えて生じるカードを除去した後に排出される黄緑色の液体であり、チーズ製造やカゼイン製造中、それに類似した製品の製造過程の副産物として得られるものである。
ホエーの主成分は約5%の乳糖であり、この他に約0.8%のアルブミンやグロブリンのようなタンパク質、約0.7%の無機質、0.4%の脂肪などが含まれる。更に、ホエーは膜分離などによってホエータンパク濃縮物(WPC)として製菓原料などに利用される。ホエータンパク濃縮物(WPC)の主成分であるアルブミンやグロブリンは、栄養的に極めて優れたタンパク質であり、耐酸性がある。本発明に用いられる「ホエー」は、ホエー中の可溶性個性成分部分とし、乾燥粉、ホエータンパク濃縮物、酵素処理品なども含むものとする。
プロテオース・ペプトン、すなわち、「PP」とは、親水性が強く加熱による凝固性を失ったタンパク質を指し、通常、単一の成分ではなく複数のペプチドの混合物である。入手可能なPPとして、例えば、Difco社製の製品番号No.211693及びOxoid社製の製品番号LP0085が挙げられるが、好ましくはDifco社製のPP(製品番号No.211693)である。
脱脂乳培地は、ウシ乳汁であれば特に限定されるものではなく、市販の脱脂粉乳又は牛乳を用いることができる。脱脂乳培地を用いてガセリシンAを生産する場合には、精製されたガセリシンAに含まれる不純物はウシ乳汁由来の成分となる。そのため、食品添加物としてこのガセリシンAを用いた場合に、ヒトに対しても安全性が確保される。
また、「食品」とは、ジャム、餡、カスタード、フラワーペースト、油脂加工品、デリカなどのパン・菓子用フィリング、漬け物など、従来から、グリシン、酢酸ナトリウム、ソルビン酸などの保存料、日持ち向上剤の添加が認められている食品を全て包含するものである。
以下、添付図面に基づき、本発明であるガセリシンAの生産方法、食品保存剤、並びに食品の保存方法について詳細に説明する。
先ず、ガセリシンの高収量を実現するため、第1に、ホエーに着目し、さらにPPと界面活性剤の添加を検討した。また、ガセリシンAの食品に対しての抗菌性を確認するため、食品として試作カスタードクリームを選択し、発明者等によって過去にカスタードクリームから単離された腐敗細菌を用いて、ガセリシンAの抗菌活性を測定し、保存料としての有用性を検証することとした。
さらに、食品の保存料、特にBacillus
sp.制菌剤として従来から一般に用いられているグリシン、酢酸ナトリウムと併用することの相乗効果を確認し、従来の保存料の低減の可能性、ガセリシンAの食品への現実的な利用について検討した。
[材料および方法]
本実施例において、特に断りのない限り、和光純薬工業株式会社製の特級試薬または一級試薬を用いた。また本実験において使用する器具、培地および試薬類の滅菌処理は、特に断りのない限り、オートクレーブ処理(121℃で15分間)で行った。
全乳(明治乳業株式会社/以下、「WM」という。)、8%[w/v]脱脂粉乳培地(森永乳業株式会/以下、「RSM」という。)、8%[w/v]チーズホエー粉末培地(よつ葉乳業株式会社/以下、「RCW」という。)を用いた乳培地の滅菌は、115℃,15分間で行った。
(1)使用菌株および培地
バクテリオシン生産株として、発明者等にてヒト乳児(4ヶ月齢♂)糞便より単離したLactobacillus
gasseri LA39(JCM11657)、ガセリシンA生産株)を用いた。
また、Lb.
gasseri JCM1131T(ATCC33323T)をバクテリオシン非生産株として、Lb. delbrueckii
subsp. bulgaricus JCMl002Tをバクテリオシン指標菌株として、理化学研究所のバイオリソースセンター(JCM,茨城)より購入して用いた。
Lactobacillus
sp.は、MRS液体培地(Difco,
MI, USA)にて37℃、18時間の継代培養(2%[v/v]接種)を3回行った後に各試験に供した。WM,RSMおよびRCWを用いた乳培地における前培養も同様に行った。
「MRS」には、乳酸桿菌の細胞壁の構築に不可欠なオレイン酸を成分として含む界面活性剤(Tween80)が含まれている。この界面活性剤は食品分野でも医学薬学分野でも安全性の点から使用できないものである。ガセリシンAの精製度をいくら高めたとしても、この界面活性剤や培地成分が食品及び医薬品等に含まれてしまうことになり、従来はガセリシンAを食品分野及び医薬分野において使用することができなかった。
バクテリオシン含有画分であるMRS培地培養上清は、37℃で24時間培養した培養液を遠心分離(5,000×g,10分間,4℃)後、ディスクフィルター(アドバンテック東洋株式会社,品番39122140,孔径0.45μm)を用いた膜濾過滅菌することにより得た。乳培地培養上清も同様の遠心処理を施し、ディスクフィルター(アドバンテック東洋株式会社,品番39122140,孔径0.45μm)にて膜濾過することにより得た。
試験に用いたカスタードクリーム腐敗細菌は、発明者等が過去に単離同定した12菌種12株とした。
グラム陽性菌は、Bacillus
amyloliquefaciens AK1106、Bacillus
cereus AK1124、Bacillus
subtilis subsp. subtilis AK1107、Staphylococcus saprophyticus subsp. saprophyticus AK1121、S. warnei AK1014、Enterococcus faecalis AK1048、E.faecium AK1157、Lb. paracasei subsp. AK1165、Lc. lactis subsp. lactis AK1155、およびLeuconostoc mesenteroides subsp. mesenteroides AK1163の10菌種10株であった。
グラム陰性菌は、Achromobacter
denitrificans AK1113、およびPseudomonas
fluorescens AK1195
の2菌種2株であった。
Bacillus
sp.およびグラム陰性菌の5菌株は、nutrient
broth(Oxoid,UK,品番CM0001/以下、「NB」という。)にて培養した。Enterococcus sp.、Lactococcus sp.およびStaphylococcus
sp.の5菌株はtripticase
soy broth(Difco,品番211825/以下、「TSB」という。)にて培養した。Lactobacillus sp.およびLeuconostoc sp.の2菌株はMRS培地にて培養した。
カスタードクリーム腐敗細菌の培養は、37℃、24時間で行い、2%[v/v]継代で3回繰り返した。
(2)プロテオースペプトン添加乳培地におけるLactobacillus
gasseri LA39生育性の確認
WM、RSMおよびRCWの乳培地に0.5%[w/v]プロテオースペプトン(Difco,品番211693/以下、「PP」という。)を添加した培地(PP−WM、PP−RSMおよびPP−RCW)におけるLactobacillus
gasseri LA39の生育性を比較検討した。
生育性の確認は、経時的な生菌数測定と培養液のpH測定により行い、培養開始から0、3、6、12、18、24および48時間後に測定した。
(3)寒天拡散法によるバクテリオシン活性測定
バクテリオシンの抗菌活性を寒天拡散法にて測定した。指標菌Lb.
delbrueckii subsp. bulgaricus JCMl002Tの24時間培養液を10倍希釈し、うち250μLを55℃に加温保持したMRS軟寒天培地(0.75%[w/v]寒天)10mLに加え、MRS平板培地(1.5%[w/v]寒天)に重層した。
次に、培地の全体が固化したのを確認し、コルクボーラー(直径6mm)で試料注入ウェルを作製した。希釈液で1/2段階に希釈した各試験溶液(65μL)をウェルに注入し、37℃で18時間培養した。希釈液は、特に断りのない限り、滅菌済み0.85%[w/v]塩化ナトリウム水溶液を用いた。
バクテリオシン活性値は、生育阻止円の認められた最も低い希釈度の逆数と定義し、その単位をAU(Arbitary
Unit)で表した。
(4)界面活性剤の添加によるLactobacillus
gasseri LA39培養乳培地の改良
乳培地から得た培養上清に含まれる活性型ガセリシンA量を高めるために、食品に利用可能な界面活性剤を添加した乳培地においてLactobacillus
gasseri LA39を培養した。
得られた培養上溝の抗菌活性は、(3)に示した寒天拡散法にて測定した。界面活性剤として、MRS培地成分であるTween80(MP
Biomedicals,品番194725/以下、「T」ということがある。)と、Tween80と同様にオレイン酸系界面活性剤を含むモノオレイン酸グリセル(太陽化学株式会社,品番8070V/以下、「GO」ということがある。)、モノオレイン酸ソルビタン(理研ビタミン株式会社,品番0-80V/以下、「SO」ということがある。)、大豆レシチン(ツル−レシチン工業株式会社,品番SLP-ペーストST/以下、「SL」ということがある。)、および卵黄レシチン(キューピー株式会社,品番58122/以下、「YL」ということがある。)の計5種を検討した。
各々の界面活性剤の培地中の濃度は0.1%[w/v]又は1.0%[w/v]とした。なお、Tween80は、現在のところ日本では食品への添加が認められていないが、認可に向けて2003年に食品安全委員会の審議入りを果たしている。
(5)マイクロプレート法による抗菌活性測定
カスタードクリーム腐敗細菌12菌種12株に対するグリシン、酢酸ナトリウムおよびバクテリオシンの抗菌活性をマイクロプレート法にて測定した。96穴マイクロプレートウェル中で対象菌懸濁液10μL、培養培地140μLおよび抗菌成分50μLを混合した。菌懸濁液は事前に生菌数を測定し、ウェル中の初期生菌数が約10colony forming unit(cfu)/mLになるように希釈した。
培養培地は対象菌に応じたものを選択した。抗菌成分としては、1.0%[w/v]グリシン溶液、0.15%[w/v]酢酸ナトリウム溶液、およびLactobacillus
gasseri LA39のMRS培地培養上清(ガセリシンA含有画分)を単独もしくは組み合わせて使用した。0.5μg/mLナイシンA溶液(sigma-aldrich,MO,USA)をガセリシンAの対照区として用いた。
抗菌活性測定は、12、18、24および48時間後の菌混合液の濁度を目視にて確認し、抗菌成分の入っていないコントロールより明らかに濁度の低い試験区を抗菌効果有りと判断した。抗菌活性は効果の持続性と強度(コントロールとの濁度差)から、A>B>C>D>E、および効果無し(−)の6段階で評価した。
評価の基準は、
A:48時間を通して持続的な強い抗菌効果を有する。
B:持続的な抗菌効果を有する。
C:持続的な弱い抗菌効果を有する。
D:一時的な抗菌効果を有する。
E:一時的な弱い抗菌効果を有する。
とした。
(6)試作カスタードクリームの作製
試作カスタードクリームは、保存料無添加、0.5%[w/w]グリシン添加、10%[w/w]Lactobacillus
gasseri LA39のYL−PP−RCW培養上清添加、0.5%[w/w]グリシンおよび10%[w/w]Lactobacillus
gasseri LA39のYL−PP−RCW培養上清添加、25%[w/w]Lactobacillus
gasseri LA39のYL−PP−RCW培養上清添加、0.5%[w/w]グリシンおよび25%[w/w]Lactobacillus
gasseri LA39のYL−PP−RCW培養上清添加、1.0%[w/w]グリシンおよび0.15%[w/w]酢酸ナトリウムの7品を作成した。
カスタードクリームとは、糖類、鶏卵、牛乳、小麦粉、コーンスターチなどのデンプンを加熱、糊化し、冷却し、シュー生地などに注入、サンドする生食用の洋菓子のフィリングである。生クリームと混合することもある。ここでのカスタードクリームの配合は、牛
乳60重量%、砂糖18重量%、卵黄12重量%、小麦粉6重量%、およびマーガリン4
重量%であった。なお、その製品における水分活性値0.950であった。
なお、業界ではパン生地に注入され焼成される耐熱性、長期保存可能なフラワーペーストとも呼ばれるパン・菓子用フィリングもある。これらもチョコレート味、各種フルーツを添加したものなどバラエティーに富むが、カスタードに含まれるものとする。
Lactobacillus
gasseri LA39培養上清は、炭酸ナトリウムにてpH7.0に中和した後にカスタードクリームへ添加した。殺菌は、全ての原料を減圧攪拌窯に投入後、115℃,30秒間の保持により行った。YLは、ここでは0.1[w/w]%卵黄レシチンの添加を意味する。
(7)カスタードクリームにおける腐敗細菌の増殖抑制試験
(6)で作製した7品のカスタードクリームに腐敗細菌を接種し、30℃で30日間恒温保存した。経時的な生菌数を平板培地を用いて測定することにより、ガセリシンA入りカスタードクリームにおける腐敗細菌の増殖抑制効果を検証した。
腐敗細菌には、添加した抗菌成分のスペクトルを考慮して、B. cereus
AK1124、Lc. lactis subsp.
lactis AK1125、A.
denitrificans AK1113、およびP.
fluorescens AK1195の4菌株を選択した。植菌は、培養開始直後のカスタードクリーム中の生菌数が10〜10cfc/gとなるようにそれぞれ接種した。生菌数測定は、NAもしくはTS寒天平板培地を用い、培養開始0、1、2、3、5、7、15および30日後に行った。
[結果および考察]
(1)プロテオースペプトン(PP)添加乳培地におけるLactobacillus
gasseri LA39の成育性(図2)
図2は、異なる培地におけるLactobacillus
gasseri LA39の培養結果を示す図である。図2Aは生菌数、図2BはpHの経時的変化のグラフである。Lactobacillus
gasseri LA39の培養培地は、MRS(×),WM(□),PP−WM(■)、RSM(△)、PP−RSM(▲)、RCW(○)およびPP−RCW(●)である。
図2で明らかなように、PPを添加しなかった乳培地では、わずかに菌数は増加するものの、良好な生育は生菌数(A)およびpH(B)変化の両面からも確認されなかった。
PPを添加した乳培地では、いずれにおいても良好な生育が生菌数の増加(A)およびpH値の低下(B)の両面から確認された。特に、PP−RSMおよびPP−RCWではMRS培地と同等の生育性を示し、培養開始12から18時間後では、最も高い生菌数が確認できた。さらに、PP−RCWは、ほぼ全観察点において、PP−RSMよりより高い増殖性が確認できた。
本結果(図2)より、PPを添加することで、乳中では生育が緩慢であったLactobacillus
gasseri LA39を乳中で良好に生育(PP−RCWが最も高く)させることに成功し、食品規格の培地で増殖可能であることを示した(MRS培地は食品に添加できない)。
(2)界面活性剤の添加によるLactobacillus
gasseri LA39培養乳培地の改良(図3)
図3は、界面活性剤を添加した乳培地におけるLactobacillus
gasseri LA39培養上清の抗菌活性を寒天拡散法で調べた結果である。結果は示さないが、培地のみによる抗菌効果は確認されなかった。なお、PP−WMに関しては、活性が検出されなかったので、界面活性剤添加試験を行わなかった。
PP−RSM培養上清は、MRS培地培養上清の21%の活性しか有していなかったが、MRS培地と同程度(0.1%[w/v])のTween80をPP−RSMに添加したところ、無添加の場合と比較して3倍以上(MRS培地培養上清の73%)にまで活性が増加した。
他のオレイン酸系界面活性剤をPP−RSM培養上清に添加したところ、0.1%[w/v]卵黄レシチンがTween80に次ぐ効果を発揮し、PP−RSM培養上清の2倍以上(MRS培地培養上清の約48%)の活性を示した。添加する界面活性剤の濃度による影響は、界面活性剤によってさまざまであったが、GOを除き1.0%[w/v]より0.1%[w/v]添加区の方が高活性であった。
PP−RCW培養上清もこPP−RSM培養上清と同様に、MRS培地培養上清の20%の活性しか有していなかったが、0.1%[w/v]卵黄レシチンを培地に加えることで、MRS培地培養上清と同等以上(約103%)の高活性を得ることに成功した。
本結果より、食品に添加できる2種の乳培地(PP−RSMとPP−RCW)中でもガセリシンA由来の抗菌活性があることを確認し、ガセリシンAを食品保存に利用できることを示した。さらに、YLを添加したPP−RCW(YL−PP−RCW)からMRS培地培養時と同程度以上の高い抗菌活性を回収することに成功し、その利用性を極限まで高めることができた。
RCWに、卵黄レシチンを添加した試験区が、最もガセリシン活性が強く、MRS培地からのガセリシン活性と同程度の活性を示し、ヒトに安全でより高い収量のガセリシンAの培地および生産方法を初めて見い出したと言える。
(3)マイロプレート法によるカスタードクリーム腐敗細菌に対する抗菌活性測定(図4)
図4は、カスタードクリーム腐敗細菌に対するLactobacillus
gasseri LA39培養上清の抗菌活性をマイクロプレート法で調べた結果を示す表である。
10%[w/v]グリシン溶液は、Lb. delbrueckii subsp. bulgaricus JCMl002Tを指標菌とした寒天拡散法では活性を確認できなかったが、マイクロプレート法では多くの腐敗細菌に対して抗菌活性を示した。ただし、乳酸菌に対して活性が弱く、効果のない菌種も存在した。
0.15%[w/v]酢酸ナトリウム溶液も、1.0%[w/v]グリシン溶液と同様に寒天拡散法で活性を確認できなかったが、マイクロプレート法では腐敗細菌に対して活性を示した。しかし、1.0%[w/v]グリシン溶液ほどの効果は認められず、グラム陰性菌以外に対しては弱い抗菌効果しか示さなかった。
従来から一般に用いられているカスタードクリーム保存成分である両成分の組み合わせでは、幅広い腐敗細菌に対して高い抗菌効果が見られ、特にグラム陰性菌に対しては両者の併用で相乗的に活性が上昇していた。
しかし、各々の単独利用と同様に、乳酸菌に対しては活性が弱かった。Lactobacillus
gasseri LA39のMRS培地培養上清は、同活性値(対Lb. delbrueckii
subsp. bulgaricus JCMl002T)のナイシンA溶液よりも幅広いグラム陽性菌に対して、特に乳酸菌に対して高い抗菌効果を有していた。
しかし、グラム陰性菌に対しては全く効果を有していなかった。Lactobacillus
gasseri LA39培養上清と1.0%[w/v]グリシン溶液との併用によりBacillus
sp.に対する抗菌活性が上昇した。
以上の結果から、Lactobacillus
gasseri LA39培養上清(ガセリシンA)とグリシンを併用することにより、単離した全てのカスタードクリーム腐敗細菌を網羅的に増殖抑制できることが初めて明らかになった。
グリシンは、酸性領域で活動する細菌に効果が弱く、グラム陰性菌には強かった。一方で、ガセリシンAは、GNB(図4下段)に効果はないが、LAB(図4中段)に対しては強い抗菌作用を示した。
両成分の併用効果は、互いに不得意な部分を補い合った結果であった。本試験では、慣例的に食品添加物として用いられているグリシンの食品汚染細菌への抗菌効果を改めて具体的に示し、グリシンとガセリシンAの相加的な併用効果を世界で初めて示すことに成功した。
(4)試作カスタードクリームにおける腐敗細菌の増殖抑制試験(図5〜図8)
各種抗菌成分を添加した試作カスタードクリームにおける腐敗細菌の増殖試験の結果を図4〜図8に示した。カスタードクリーム製造に供したLactobacillus
gasseri LA39YL−PP−RCW培養上清の活性値は492AU/mLであった。供試した腐敗細菌4菌株は、グリシンとガセリシンAの抗菌スペクトルを考慮し、互いの得手不得手の菌株を選択した。
抗菌成分を加えていない無添加カスタードクリーム(◆)では、2日間でB. cereus(図5)の生菌数が10cfu/gに、6日間でLc. lactis subsp. lactis(図6)の生菌数が10cfu/gに達した。現行添加物と同様の0.5%[w/w]グリシン、0.15%[w/w]酢酸ナトリウム併用区(+)では、両グラム陽性菌ともに有意に増殖が制限された。
A.
denitrificans(図7)およびP.
fluorescens(図8)は、抗菌成分を加えていなくても、一時的に菌数は上昇するものの、5日以内に検出限界以下まで生菌数が減少した。
B.cereusAK1124(図5)は、10%[w/w]Lactobacillus
gasseri LA39培養上清(▲)の添加では増殖抑制されなかったが、0.5%[w/w]グリシンと10%[w/w]培養上清の併用区(×)および25%[w/w]培養上清添加区(*)では増殖抑制された。
Lc.
lactis subsp. lactis AK1155(図6)は、0.5%[w/w]グリシン添加区(■)および10%[w/w]培養上清添加区(▲)では増殖したが、両者の併用区(×)および25%[w/w]培養上清添加区(*)では増殖抑制され、検出限界以下まで殺菌された。10%[w/w]培養上清添加区(▲)で両菌の増殖抑制が見られたのは、製造の殺菌工程でガセリシンAが部分的に失活してしまい十分な殺菌能力を維持できなかったからと推察された。
グラム陰性菌の2菌(図7、図8)は、試作カスタードクリーム中では良好に生育せず、培養7日後には検出限界以下まで減少した。これは、カスタードクリームの低い水分活性により、生育に一定の水分活性が必要なグラム陰性菌が死滅したものと考えられた。
グラム陰性菌の単離源の市販カスタードクリームでは、バニラエッセンスや乳などの添加で水分活性が上昇しているために、これらが増殖できたと推察された。
以上の結果は、マイクロプレート法による活性測定結果(3)と整合性が得られており、0.5%[w/w]グリシンと10%[w/w]Lactobacillus
gasseri LA39培養上清の併用(×)もしくは25%[w/w]Lactobacillus
gasseri LA39培養上清(*)の添加によって、カスタードクリーム腐敗グラム陽性菌を網羅的に抑制できることを示した。グラム陰性菌の増殖を考慮すると、グリシンの添加は必須であるため、グリシンとLactobacillus
gasseri LA39培養上清の併用が実用的であると結論づけられた。
付け加えると、グリシンとガセリシンAの併用効果は、網羅的に腐敗細菌の増殖を抑制できるということだけではない。
B. cereusおよびLc. lactis subsp. lactisの生菌数に着目すると、全ての試験区でほぼ同程度の菌数(10〜10cfc/g)を接種したにもかかわらずLactobacillus
gasseri LA39培養上清を添加したカスタードクリームにおける生菌数は、他と比較して培養直後ですでに低く、10cfc/gのオーダーまで減少していた。
これは、バクテリオシンの即効性によるものと考えられ、遅効性のグリシンの効果が少量で発揮されやすくなっていることを表している。つまり、両者の併用によって、時間軸から見た相乗効果が生まれていると言える。また、「ハードル理論」の観点からも、両者を併用した方が望ましいことは明らかであった。
本発明では、ヒト由来の安全な乳酸菌Lactobacillus
gasseri LA39の生産するガセリシンAを食品保存に有効利用することを目的とし、カスタードクリームにおける有用性を試験した。
保存性試験に先立って、Lactobacillus
gasseri LA39を食品規格のチーズホエー改良培地(プロテオースペプトン添加)で良好に生育させることに成功した。さらに、卵黄レシチンを界面活性剤として添加することにより、ガセリシンA高活性画分の回収を可能にした。保存性試験では、まず研究室レベルで、グリシンと併用することにより、全ての腐敗細菌を抑制することに成功した。
そして、実際にガセリシンAとグリシンを添加した試作カスタードクリームにおいて、腐敗細菌の有意な増殖抑制を確認した。
以上より、天然物由来の抗菌物質(バイオプリザバティブ)であるガセリシンAのカスタードクリーム保存への有効利用を実現し、人工食品添加物の減量に成功した。
Lactobacillus gasseri LA39が生産するバクテリオシンであるガセリシンAの全アミノ酸一次構造である。 異なる培地におけるLactobacillusgasseri LA39の培養結果を示す図である。 界面活性剤を添加した乳培地におけるLactobacillusgasseri LA39培養上清の抗菌活性を寒天拡散法で調べた結果である。 カスタードクリーム腐敗細菌に対するLactobacillusgasseri LA39培養上清の抗菌活性をマイクロプレート法で調べた結果を示す表である。 試作カスタードクリーム中でのBacillus cereusAK1124の生菌数の経日変化を調べたグラフである。 試作カスタードクリーム中でのLc.lactis subsp. lactis AK1155の生菌数の経日変化を調べたグラフである。 試作カスタードクリーム中でのAchromobacterdenitrificans AK1113の生菌数の経日変化を調べたグラフである。 試作カスタードクリーム中でのPseudomonasfluorescens AK1195の生菌数の経日変化を調べたグラフである。

Claims (6)

  1. ホエーを含む培地で、Lactobacillus
    gasseri(ラクトバチルス・ガセリ)LA39株を培養して抗菌性ペプチド:ガセリシンAを生産することを特徴とするガセリシンAの生産方法。
  2. 前記ホエーが、1.0〜10.0重量%の範囲で、培地に添加されていることを特徴とする請求項1に記載のガセリシンAの生産方法。
  3. 前記培地に、プロテオースペプトン(PP)を添加したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガセリシンAの生産方法。
  4. 前記培地に、界面活性剤を添加したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のガセリシンAの生産方法。
  5. 前記界面活性剤が、卵黄レシチンであることを特徴とする請求項4に記載のガセリシンAの生産方法。
  6. ガセリシンAと、グリシンを含む食品保存剤。
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