JP2000030218A - 薄膜磁気ヘッド - Google Patents

薄膜磁気ヘッド

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JP2000030218A
JP2000030218A JP10195682A JP19568298A JP2000030218A JP 2000030218 A JP2000030218 A JP 2000030218A JP 10195682 A JP10195682 A JP 10195682A JP 19568298 A JP19568298 A JP 19568298A JP 2000030218 A JP2000030218 A JP 2000030218A
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清治 藤田
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岳夫 佐々木
Shinji Furuichi
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    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/127Structure or manufacture of heads, e.g. inductive
    • G11B5/31Structure or manufacture of heads, e.g. inductive using thin films
    • G11B5/3109Details
    • G11B5/313Disposition of layers

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コイル層間に空隙が形成されず、上部磁極と
コイル層のショートを抑制して歩留まり良く製造するこ
とができる薄膜磁気ヘッドのコイル構造を提供する。 【解決手段】 後部で磁気的に接続された膜状の下部磁
極および上部磁極の先端に記録ギャップ層が設けられ、
後部の周囲に1層以上のコイル層が巻回されている薄膜
磁気ヘッドであって、上面が凸曲面であり、且つ側面の
傾斜角θが80°〜90°の範囲内にあるコイル層を備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録装置にお
ける記録に用いる薄膜磁気ヘッドに関し、特にコイル層
をメッキで形成する薄膜磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】薄膜磁気ヘッドは、ハードディスク装置
等の磁気記録装置において、記録媒体に磁気的情報を記
録する際に用いられている。従来の薄膜磁気ヘッドの構
造は、非磁性の基板上に積層された下部磁極と上部磁極
とコイル層と、これらの層間を絶縁する絶縁層を備え
る。下部磁極と上部磁極は、先端で非磁性膜を介して対
向して磁気ギャップを形成し、先端と反対の側である後
部にて磁気的に結合されて磁極を構成する。この後部の
周囲には絶縁層を介してコイル層が巻回されている。コ
イル層に電流を流すと磁極が励磁され、記録媒体に対向
させた磁気ギャップから記録磁界が漏洩される。即ち、
電気的な信号が磁気的な信号に変換される。この記録磁
界を記録媒体に印加することによって情報が記録され
る。
【0003】図3および図4を用いて従来の薄膜磁気ヘ
ッドを説明する。図3は薄膜磁気ヘッドの立体図であ
り、図4は図3の薄膜磁気ヘッドをA−A’でみた断面
図である。非磁性基板101上には絶縁層111と、下部シー
ルド102と、磁気抵抗効果膜(MR膜)を含む再生素子1
03と、この再生素子に電流を供給する電極膜104を有
し、再生素子と電極膜を包むアルミナの絶縁層112の上
にパーマロイ等の軟磁性材料で下部磁極105が形成さ
れ、この下部磁極105の上には絶縁樹脂層116、117に包
まれたコイル層106が形成され、これらの絶縁層上には
上部磁極107が積層されている。上部磁極は保護層119に
被覆されている。下部磁極と上部磁極の間には磁気ギャ
ップ115が挟まれている。コイル層106は、スパッタで形
成した下地導電体膜とメッキで形成したCu層からな
る。螺旋状に巻回されたコイル層は、隣り合うコイル同
士がその側面において絶縁されている。
【0004】次に製造方法を説明する。薄膜磁気ヘッド
のコイル層は銅メッキによって作製される。下部磁極の
上に積層して作られたアルミナなどからなる非磁性薄膜
と絶縁層の上に、銅などの導電性材料をスパッタリング
して、下地導電体膜を形成する。次に下地導電体膜の表
面にレジスト膜を塗布し、所定の温度でベークを行う。
そのレジスト膜の上にフォトマスクを位置決めして露光
し、続いて現像及び水洗処理を施す。これにより、コイ
ル層の形に合ったレジストパターンが形成される。次に
硫酸銅などのメッキ溶液を用いてコイル層をメッキにて
形成する。そして、レジスト膜を剥離した後、コイル層
の間の下地導電体膜をイオンミリングで除去し、螺旋状
のコイル(以下、コイル層という)を完成する。このコ
イル層の上にレジストを充填して、コイルを包みこむよ
うにした上で、このレジストを270℃前後の温度で加
熱、硬化すると絶縁樹脂層が形成される。コイル層を多
層に形成するときには、この工程を繰り返す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】磁気記録の分野では、
高記録密度化に伴って薄膜磁気ヘッドの小型化が進んで
いる。小型化する部位としては、上部磁極とコイル層の
間隔、あるいは巻回されて隣り合うコイル層の間隔(コ
イルピッチと称す)などが考えられる。しかし、これら
の間隔を狭くすると次のような問題が生じる。コイルピ
ッチを小さくすると、コイル層間に絶縁樹脂層を埋め込
むことが難しくなる。特に、コイル層の高さがコイル層
の幅より大きい場合、あるいはコイル層の断面形状が逆
台形である場合には、コイルの間を絶縁樹脂層で埋めき
ることができず、空隙を生ずることがある。空隙を生じ
た状態で熱処理の工程を経ると、空隙の近傍で絶縁樹脂
層の収縮が起こり、コイル層や磁極に歪みを生じる等の
問題がある。図3の断面図は、このような薄膜磁気ヘッ
ドであって、空隙120がコイル層の側面に発生し易い。
また、コイル上面の形状が凸曲面であっても、コイル層
の側面の傾斜角θが90°より大きくなると、イオンミリ
ングで下地導電体膜を除去する際に、コイル側面近傍の
下地導電体膜が残留してしまう。これは、コイル上面の
部分が傘の如く機能して、コイル側面近傍にイオン粒子
が衝突しにくくなる為である。下地導電体層が部分的に
でも残留すると、隣り合うコイル層同士の電気的なショ
ートが発生し易くなる。これらの領域で電流が漏洩する
とコイル自体の抵抗値やインダクタンス値が変化して、
磁極に発生させる記録磁界の大きさが変わってしまうと
いう問題がある。
【0006】一方、コイル層と上部磁極の間隔を小さく
するためには、コイル層上に積層する絶縁樹脂層の厚さ
を薄くしていく。するとコイル層の上面端部において、
絶縁樹脂層が薄く形成されてしまい、上部磁極とコイル
層のショートを招き易くなる。ここで上面端部とは、コ
イルの上面の角の部分、あるいは上面と側面の境界の近
傍の部分をいう。特に、コイル層の間を十分に埋めるた
めに粘性の低いレジストを用いると、コイル層の上面端
部でレジストが薄くなる傾向がある。逆に、コイル上面
を被覆する部分の絶縁樹脂層を薄くしないように粘性の
高いレジストを用いると、コイル間の底までレジストが
充填されず、空隙を生じてしまう。これらの問題が生じ
ると薄膜磁気ヘッドを製造する際の歩留まりが低下す
る。そこで、本発明は小型化を図っても層間絶縁を確保
できるコイル層を備える薄膜磁気ヘッドを提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜磁気ヘッド
は、後部で磁気的に接続された膜状の下部磁極および上
部磁極の先端に記録ギャップ層が設けられ、後部の周囲
に1層以上のコイル層が巻回されている薄膜磁気ヘッド
であって、前記コイル層のうち、少なくとも最下層のコ
イル層は、その巻回された領域の50〜100%において、
上面が凸曲面で側面の傾斜角θが80°〜90°の範囲内に
ある断面形状を備えることを特徴とする薄膜磁気ヘッド
では、巻回されたコイル層の一部が上層のコイル層との
接合箇所であったり、引き出し電極層を兼ねていたりし
て、上面や側面の形状がコイル層の主要部と異なる場合
もある。本発明ではこれらの場合も考慮して、巻回され
た領域の50〜100%を上記断面形状に規定する。望まし
くは、各コイル層の全ての巻回領域において、断面形状
を上記の形状にすることが好ましい。また、本発明では
コイル側面の傾斜角を80°〜90°の範囲内とすることに
よって、コイル層間を絶縁樹脂層で十分に埋めることが
できる。傾斜角の下限を80°とするのは、コイル層の断
面積を確保して抵抗の増大を防ぐためである。また、本
発明では上面と側面を上述の構造にすることで絶縁樹脂
層が部分的に薄くなることを抑制できる。さらに、凸曲
面である上面と側面が連続的な面として形成されると、
粘性の低いレジストを用いても、絶縁樹脂層が部分的に
薄くなることを抑制できる。ここで連続的な面とは、上
面と側面の境界が滑らかに接続されること、あるいは角
や稜線を形成しないことである。さらに望ましくは前記
傾斜角θを85°〜90°の範囲にすることで、コイルピッ
チをより狭くしてヘッドの小型化を図ることができる。
【0008】前記コイル層は、凸曲面の高さaとコイル
の厚さbに対して、1/20≦(a/b)≦1/3とすること
が望ましい。すなわち、(a/b)<1/20にするとコイ
ルの上面と側面の境界は角状になる。ここで角状とは、
実質的に角や稜線と同様に作用して、近傍の絶縁樹脂膜
が薄くなる構造をいう。すなわち、上部磁極とコイル層
間の間隔が小さい構造では角状のところで絶縁樹脂層が
薄くなってしまう。一方、1/3<(a/b)にするとコ
イル上面の中央が突出し過ぎて、その部分で絶縁樹脂層
が薄くなる。局部的に薄くなった絶縁樹脂層は、保護樹
脂層が突き破れるという不具合や電流の漏れを生じると
いう問題がある。このような理由から(a/b)を上記
の範囲にすることが好ましい。以上のようにコイル層の
構造を改善することによって、前記コイル層と前記上部
磁極の間に均一かつ十分な厚さで絶縁樹脂層を配置する
ことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態について説明する。図1および図2は本発明の薄
膜磁気ヘッドの主要部の断面図である。なお、両図の薄
膜磁気ヘッドの全体の構成は図1に示す本発明の薄膜磁
気ヘッドと同様であり、少なくとも上部磁極とコイル層
と下部磁極を含む記録構造と、MR膜を含む再生素子構
造と、基板を備える。
【0010】まず、図1の薄膜磁気ヘッドを説明する。
下部磁極2の上にギャップ材15と絶縁樹脂層16を介して
コイル層6(下地導電膜6bを含む)が形成されている。
このコイル層6を包むように絶縁樹脂層17が被覆されて
いる。さらに樹脂絶縁層17の上には上部磁極7が形成さ
れている。ここで、コイル層6の断面構造は、上に凸の
曲面である上面と、傾斜角θの側面を有する。上面の凸
曲面の高さaとコイル層全体の厚さbの比は、(a/
b)=0.25であり、側面の傾斜角θ=85°とした。さら
に、コイル層の上面と上部磁極の間隔C=2.0μmであ
り、コイルピッチ=2.2μm、コイル厚さb=3.5μm、
コイル幅(下地導電体膜の近傍の幅)=2.5μmとし
た。本発明の構造を採用することにより、コイル間に十
分なレジストが充填されて空隙が生じなくなり、かつ絶
縁樹脂層17が局部的に薄くなることが防止された。この
ために従来例に比べて次のような点で小型化に適してい
る。すなわち、コイルピッチを小さくすることができ
る。
【0011】次に図1のコイル層6の製造方法を説明す
る。下部磁極層2上に積層した絶縁樹脂層16の上に銅の
下地導電体層6bを形成した。下地導電体層6bの表面にレ
ジスト膜を塗布し、所定の温度でベークを行った。その
レジスト膜の上にフォトマスクを位置決めして露光し
た。この際、レジストパターンの断面形状が逆台形とな
るように露光の焦点を調整した。続いて現像及び水洗処
理を施した。これにより、断面形状が逆台形状のレジス
トパターンが形成された。続けて、このレジストパター
ンについてコイル層をメッキ形成した。このメッキ水溶
液として、 硫酸銅五水和物(CuSO4・5H2O):40〜80g
/l、 硫酸:30〜150ml/l、 塩酸:40〜80ppm、 光沢剤:1ml/l、 を調整したものを用い、メッキ溶液温度20〜30℃
で、電流密度15〜30mA/cm2として、5〜10
分間メッキを行い、コイル層を得た。
【0012】ここで、平滑剤はコイル層の上面を凸曲面
に形成する効果を与えるものを使用した。そして、レジ
スト膜を剥離した後、コイル層の間の下地導電体膜をイ
オンミリングで除去し、螺旋状のコイル(以下、コイル
層という)を完成した。なお、下地導電体膜の除去は他
のドライプロセス、例えばRIE(リアクティブ イオ
ン エッチング)等はもちろん、ウェットプロセスでも
可能である。このコイル層の上にレジストを充填して、
コイルを包みこむようにした上で、このレジストを27
0℃前後の温度で加熱、硬化させて絶縁樹脂層を形成し
た。続けて絶縁樹脂層上に上部磁極7、保護膜を積層し
て薄膜磁気ヘッドを形成した。
【0013】一方、この製造方法とは逆にレジストフレ
ームの断面形状が台形になるように露光すると、コイル
層の側面の傾斜角θは90°より大きくなる。すると、イ
オンミリングで下地導電体膜を除去する際に、コイル側
面近傍の下地導電体膜が残留してしまう。これは、コイ
ル上面の凸曲面の部分が傘の如く機能して、コイル側面
近傍にイオン粒子が衝突しにくくなる為である。下地導
電体層が部分的にでも残留すると、隣り合うコイル層6
同士の電気的なショートが発生し易くなる。これらの領
域で電流が漏洩するとコイル自体の抵抗値やインダクタ
ンス値が変化して、磁極に発生させる記録磁界の大きさ
が変わってしまうという問題がある。
【0014】そこで、上記実施例の製造工程で得た薄膜
磁気ヘッドと、コイル層の断面が縦長の方形である従来
の薄膜磁気ヘッドの歩留まりを比較した。具体的には、
コイル層−上部磁極間の距離Cおよび隣り合うコイル層
同士の距離Pの平均値が、1.0、2.1、2.8、3.9μmであ
るサンプルを各々20セットづつ用意して、コイル間また
はコイル−上部磁極間に電圧を印加し、その耐電圧の平
均値を比較した。本発明の断面形状を有する薄膜磁気ヘ
ッドは、膜厚のばらつきが小さく、CおよびPの平均値
を1.0μmのサンプルについても20セットで十分な耐電
圧を得られた。一方、従来の薄膜磁気ヘッドは、Cまた
はPのばらつきが大きくなった。特に平均値が2.8μm
以下のサンプルでは、局部的に膜厚が薄くなりすぎて、
8セットで耐電圧が大きく低下した。なお、これらのサ
ンプルではコイル間の底面に空隙が発生した。このよう
に従来の薄膜磁気ヘッドで小型化を図ると、空隙を生じ
たサンプルを排除する検査の手間がかかる為、歩留まり
が低下することが判る。また、本発明の薄膜磁気ヘッド
では、CおよびPが1.0〜3.0μmの範囲内であっても歩
留まりが低下しない。
【0015】本発明の他の実施例を説明する。図2はコ
イル層を2層にした本発明の薄膜磁気ヘッドである。最
下層である1層目のコイル層を形成するまでは図1の実
施例と同様である。本実施例では、1層目のコイル層上
に絶縁樹脂層17を形成した後、下地導電体層ををスパ
ッタリングで形成した。次に、下地導電体層6bの表面に
レジスト膜を塗布し、所定の温度でベークを行った。そ
のレジスト膜の上にフォトマスクを位置決めして露光し
た。フォトマスクは2層目のコイルが1層目のコイルの
間に配置するようにパターニングされている。この際、
レジストの断面形状が逆台形状になるように露光の焦点
を調整した。続いて現像及び水洗処理を施した。これに
より、断面形状が逆台形状のレジストパターンが形成さ
れた。続けて、このレジストパターンについてコイル層
をメッキ形成した。続けて2層目のコイル層の上に絶縁
樹脂層17bを形成し、さらに上部磁極7を積層した。ここ
で、2層目のコイル層の側面の傾斜角θ2は図示したよ
うに下部磁性層の平坦な面に対してコイル層の側面が傾
いている角度で定義した。また、1層目のコイル層と2
層目のコイル層は配線によって電気的に直接に接続させ
た。
【0016】図2の構造の各部位の寸法は次の通りであ
る。1層目のコイル層では、傾斜角θ=80°、(a/
b)=0.25、コイル厚さ=2.0μm、コイル幅=2.5μm
である。1層目のコイル層と2層目のコイル層間の距離
C2=2.2μmであり、2層目のコイル層と上部磁極間の
距離C=1.8μmである。2層目のコイル層では、θ2=
88°、(a/b)=0.2、コイル厚さ=2.6μm、コイル
幅=3.0μmである。この実施例ではコイル層を2層化
すると共に、コイルの配列方向(図面の横方向)におい
てコイル層の巻回数を少なくして、磁極の磁路長を短縮
した。従って、コイル層を1層だけ設けた場合に比べ
て、コイル層のインダクタンスが低減され、記録効率が
向上されている。また、本実施例では傾斜角θの下限を
80°とすることにより、コイル層の抵抗増大を抑制し
た。これは、コイル層底面の幅を変えないで傾斜角θを
70°や60°に減少させると、コイル層の断面積が減少し
てコイル層の抵抗が高くなるという問題を生じる為であ
る。
【0017】以上説明した実施例の薄膜磁気ヘッドは、
磁極の小型化に対応しているため、トラック幅が2μm
程度以下である狭トラック対応の再生素子と組み合わせ
ると、トラック幅の狭い記録媒体を有するハードディス
ク装置に搭載した場合に、再生信号のクロストークを低
減させた薄膜磁気ヘッドを得ることが出来る。ここでク
ロストークとは、薄膜磁気ヘッドを用いて記録媒体に記
録/再生動作を行う際に、隣り合う記録トラックに跨っ
て記録磁界を印加すること、あるいは隣り合う記録トラ
ックの信号を再生することを指す。
【0018】狭トラック対応の再生素子としては、反強
磁性層と軟磁性層(固定層)とCuスペーサー層と軟磁
性層(自由層)を備えるスピンバルブ素子、または絶縁
層のスペーサー層を2層の軟磁性層の間に設けた構造を
備えるTMR素子等が挙げられる。これらを本発明のコ
イル構造と併用して薄膜磁気ヘッドを構成することが好
適である。
【0019】
【発明の効果】本発明を用いることにより、コイル層間
に空隙がない薄膜磁気ヘッドを得ることができる。ま
た、上部磁極とコイル層のショートを抑制して歩留まり
良く薄膜磁気ヘッドを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜磁気ヘッドの断面図。
【図2】本発明の薄膜磁気ヘッドの断面図。
【図3】従来の薄膜磁気ヘッドの立体図。
【図4】従来の薄膜磁気ヘッドの断面図。
【符号の説明】
2 下部磁極、6 コイル層、6b 下地導電体層、7 上
部磁極、15 ギャップ材、16 絶縁樹脂層、17 絶縁樹
脂層、101 非磁性基板、102 下部シールド、103 再
生素子、104 電極膜、105 下部磁極、106 コイル
層、112 絶縁層、115 磁気ギャップ、116 117 絶縁
樹脂層、119 保護層、120 空隙
【手続補正書】
【提出日】平成11年9月14日(1999.9.1
4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜磁気ヘッド
は、後部で磁気的に接続された膜状の下部磁極および上
部磁極の先端に記録ギャップ層が設けられ、後部の周囲
に1層以上のコイル層が巻回されている薄膜磁気ヘッド
であって、前記コイル層のうち、少なくとも最下層のコ
イル層は、その巻回された領域の50〜100%におい
て、上面が凸曲面で側面の傾斜角θが80°〜90°の
範囲内にある断面形状を備えることを特徴とする。薄膜
磁気ヘッドでは、巻回されたコイル層の一部が上層のコ
イル層との接合箇所であったり、引き出し電極層を兼ね
ていたりして、上面や側面の形状がコイル層の主要部と
異なる場合もある。本発明ではこれらの場合も考慮し
て、巻回された領域の50〜100%を上記断面形状に
規定する。望ましくは、各コイル層の全ての巻回領域に
おいて、断面形状を上記の形状にすることが好ましい。
また、本発明ではコイル側面の傾斜角を80°〜90°
の範囲内とすることによって、コイル層間を絶縁樹脂層
で十分に埋めることができる。傾斜角の下限を80°と
するのは、コイル層の断面積を確保して抵抗の増大を防
ぐためである。また、本発明では上面と側面を上述の構
造にすることで絶縁樹脂層が部分的に薄くなることを抑
制できる。さらに、凸曲面である上面と側面が連続的な
面として形成されると、粘性の低いレジストを用いて
も、絶縁樹脂層が部分的に薄くなることを抑制できる。
ここで連続的な面とは、上面と側面の境界が滑らかに接
続されること、あるいは角や稜線を形成しないことであ
る。さらに望ましくは前記傾斜角θを80°〜90°の
範囲にすることで、コイルピッチをより狭くして薄膜磁
気ヘッドの小型化を図ることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 後部で磁気的に接続された膜状の下部磁
    極および上部磁極の先端に記録ギャップ層が設けられ、
    後部の周囲に1層以上のコイル層が巻回されている薄膜
    磁気ヘッドであって、前記コイル層のうち、少なくとも
    最下層のコイル層は、その巻回された領域の50〜100%
    において、上面が凸曲面で側面の傾斜角θが80°〜90°
    の範囲内にある断面形状を備えることを特徴とする薄膜
    磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記コイル層において、前記上面と前記
    側面が連続的な面を構成することを特徴とする請求項1
    に記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記コイル層は、凸曲面の高さaとコイ
    ルの厚さbに対して、1/20≦(a/b)≦1/3であるこ
    とを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の薄
    膜磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記コイル層と前記上部磁極の間に絶縁
    樹脂層を配置し、前記絶縁樹脂層の厚さを1〜3μmに
    することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記
    載の薄膜磁気ヘッド。
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