JP2012123864A - サスペンション用フレキシャー基板、サスペンション、ヘッド付サスペンションおよびハードディスクドライブ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 積層型の配線構成において、配線の長手方向に垂直な方向の断面における一対の配線間の対向する表面の形状を、弓状に形成することにより、上記課題を解決する。
【選択図】 図3
Description
また、一対の配線間の距離(例えば、W1とW2の間の距離)を小さく形成するには、図6のような配線構成よりも、図7のような積層型の配線構成の方が形成容易である。図6のような配線構成の場合には、アスペクト比の高い配線加工が要求されるが、図7のような積層型の配線構成の場合には、一対の配線間に介在する第2絶縁層の厚さを薄く形成するだけで良いからである。
したがって、図7のような積層型配線の構成を用いれば、図6のような配線の構成よりも、低インピーダンスとなるサスペンション用フレキシャー基板を、より容易に得ることができる。
しかしながら、一対の配線間の対向する面積をより大きく形成するために、配線の幅を大きく形成する方法を用いた場合には、配線の高密度化を妨げるとともに、設計の自由度を制限してしまうことになる。
また、上述のような配線の幅を大きく形成する方法を用いた場合には、書込配線と読取配線との間の距離が狭まる事によって、クロストークによる弊害も懸念される。
前記読取配線および前記書込配線の少なくともどちらか1対の配線の、長手方向に垂直な方向の断面における前記第2の配線に対向する前記第1の配線の表面は、前記第2の配線に対して凸型の弓状の形状になっており、かつ、前記第1の配線に対向する前記第2の配線の表面は、前記第1の配線に対して凹型の弓状の形状になっていることを特徴とするサスペンション用フレキシャー基板である。
0.02≦H1/L1≦0.1
であることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション用フレキシャー基板である。
0.02≦H2/L2≦0.1
であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のサスペンション用フレキシャー基板である。
したがって、配線の高密度化を妨げることなく、また、配線設計の自由度を制限することなく、さらに、書込配線と読取配線との間のクロストークの弊害も抑制したまま、さらなる低インピーダンス化を達成したサスペンション用フレキシャー基板を得ることができる。
まず、本発明に係るサスペンション用フレキシャー基板について説明する。
図1は、本発明のサスペンション用フレキシャー基板の一例を示す概略平面図である。
図1に示されるサスペンション用フレキシャー基板1は、先端部分に磁気ヘッドスライダを実装するためのジンバル部2と、末端部分に読取回路または書込回路と接続するための接続端子部3とを有し、ジンバル部2と接続端子部3との間に、前記磁気ヘッドと読取回路とを電気的に接続する読取配線4と、前記磁気ヘッドと書込回路とを電気的に接続するための書込配線5を有するものである。
それゆえ、サスペンション用フレキシャー基板における配線の高密度化を妨げることなく、また、配線設計の自由度を制限することなく、さらに、書込配線と読取配線との間のクロストークの弊害も抑制したまま、さらなる低インピーダンス化を達成したサスペンション用フレキシャー基板を得ることができる。
0.02≦H1/L1≦0.1
であることが好ましい。
0.02≦H2/L2≦0.1
であることが好ましい。
このような構成にすることで、差動配線間のインピーダンス差を調整することや、高周波特性を向上させることができるからである。また、金属基板11の曲げ剛性を調整するという効果も得られる。
金属基板11の材料としては、所望の導電性およびばね性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばステンレススティール等を挙げることができる。金属基板11の厚さは、例えば10μm〜30μmの範囲内、中でも15μm〜25μmの範囲内であることが好ましい。
第1絶縁層12は、金属基板11の表面上に形成される絶縁層である。第1絶縁層12の材料としては、所望の絶縁性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばポリイミド(PI)等を挙げることができる。また、第1絶縁層12の材料は、感光性材料であっても良く、非感光性材料であっても良い。第1絶縁層12の厚さは、例えば5μm〜30μmの範囲内、中でも10μm〜20μmの範囲内であることが好ましい。
第1書込配線W1および第1読取配線R1は、第1絶縁層12上に形成される配線である。
第1書込配線W1および第1読取配線R1の材料としては、所望の導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば銅(Cu)等を挙げることができる。
第1書込配線W1および第1読取配線R1の厚さとしては、例えば、4μm〜18μmの範囲内であることが好ましい。第1書込配線W1および第1読取配線R1の厚さが小さすぎると、所望の導電性を得ることができない可能性があり、第1書込配線W1および第1読取配線R1の厚さが大きすぎると、配線回路基板の剛性が高くなる可能性があるからである。
また、第1書込配線W1および第1読取配線R1は、その表面にニッケル(Ni)、金(Au)による配線めっき層が形成されていても良い。
第2絶縁層15は、第1書込配線W1および第1読取配線R1上に形成される絶縁層である。通常は、第1書込配線W1および第1読取配線R1を覆うように第2絶縁層15が形成される。
第2絶縁層15の材料については、上述した第1絶縁層12と同様である。また、第1書込配線W1および第1読取配線R1の上に形成された第2絶縁層15の厚さ(第1書込配線W1および第1読取配線R1の頂部から第2絶縁層15の頂部までの距離)は、例えば5μm〜18μmの範囲内であることが好ましい。上記厚さが小さすぎると、伝送特性の悪化およびピンホールによるショートの可能性があり、上記厚さが大きすぎると、サスペンション用フレキシャー基板全体の厚さが大きくなる可能性があるからである。
第2書込配線W2および第2読取配線R2は、第2絶縁層15上に形成される配線である。第2書込配線W2および第2読取配線R2の材料は、上述した第1書込配線W1および第1読取配線R1と同様である。また、第2書込配線W2および第2読取配線R2は、その表面にニッケル(Ni)、金(Au)による配線めっき層が形成されていても良い。
第2書込配線W2および第2読取配線R2の寸法(厚さおよび線幅)は、上述した第1書込配線W1および第1読取配線R1と同様である。
カバー層18の材料としては、例えば、ポリイミド(PI)等を挙げることができる。また、カバー層18の材料は、感光性材料であっても良く、非感光性材料であっても良い。なお、カバー層18の材料は、上述した第1絶縁層12および第2絶縁層15と同じであっても良く、異なっていても良い。カバー層18の厚さは、例えば3μm〜30μmの範囲内であることが好ましい。
本発明においては、第1書込配線W1および第1読取配線R1と、第1絶縁層12との間に、第1シード層14が形成されていることが好ましい。電解めっき法により、容易に第1書込配線W1および第1読取配線R1を形成することができるからである。
また、同様に、第2書込配線W2および第2読取配線R2と、第2絶縁層15との間には、第2シード層17が形成されていることが好ましい。
第1シード層14および第2シード層17は、通常、金属薄膜層であり、例えばCu(銅)を含む金属薄膜層であることが好ましい。
第1シード層14および第2シード層17の厚さは、例えば0.05μm〜2.0μmの範囲内であり、0.1μm〜1.0μmの範囲内であることが好ましい。
第1シード層14および第2シード層17の形成方法は、特に限定されるものではないが、例えばスパッタリング法等を挙げることができる。
また、本発明においては、第1シード層14と第1絶縁層12との間に、第1拡散防止層13が形成されていることが好ましい。第1書込配線W1および第1読取配線R1の材料が第1絶縁層12に拡散することを抑制することができるからである。
また、同様に、第2シード層17と第2絶縁層15との間には、第2拡散防止層16が形成されていることが好ましい。
第1拡散防止層13および第2拡散防止層16は、通常、金属薄膜層であり、例えばCr(クロム)を含む金属薄膜層であることが好ましい。
第1拡散防止層13および第2拡散防止層16の厚さは、例えば0.05nm〜2.0μmの範囲内である。
第1拡散防止層13および第2拡散防止層16の形成方法は、特に限定されるものではないが、例えばスパッタリング法等を挙げることができる。
次に、本発明に係るサスペンション用フレキシャー基板の製造方法について説明する。なお、本発明のサスペンション用フレキシャー基板の製造方法は、上述した構成を有するサスペンション用フレキシャー基板を得ることができる方法であれば特に限定されるものではない。以下、図3に示す金属基板11に開口が形成されている形態の本発明に係るサスペンション用フレキシャー基板の製造方法について説明する。
次に、本発明のサスペンションについて説明する。本発明のサスペンションは、上述したサスペンション用基板を含むことを特徴とするものである。
次に、本発明のヘッド付サスペンションについて説明する。本発明のヘッド付サスペンションは、上述したサスペンションと、該サスペンションに実装された磁気ヘッドスライダとを有するものである。
サスペンションについては、上述した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。また、磁気ヘッドスライダは、一般的なヘッド付サスペンションに用いられる磁気ヘッドスライダと同様のものを用いることができる。
次に、本発明のハードディスクドライブについて説明する。本発明のハードディスクドライブは、上述したヘッド付サスペンションを含むことを特徴とするものである。
(実施例1)
上述で説明した製造方法に従って、図3に示すような金属基板に開口部を有する構成の本発明に係るサスペンション用フレキシャー基板を得た。
第1拡散防止層13には厚さ0.06μmのCr(クロム)を用い、第1シード層14には厚さ0.3μmのCu(銅)を用いた。
H1=12.5−9=3.5(μm)
L1=35(μm)
であることから、
H1/L1=0.1
である。
この位置における金属基板11の開口部19は、第1書込配線W1と第1読取配線R1との配置が、図3(a)に示すような配置において、第1書込配線(W1)の左端から左側の金属基板11までの距離が10μmであり、同様に、第1読取配線(R1)の右端から右側の金属基板11までの距離が10μmとした。
第2拡散防止層16には、上述の第1拡散防止層13と同様に、厚さ0.06μmのCr(クロム)を用い、第2シード層17には、上述の第1シード層14と同様に、厚さ0.3μmのCu(銅)を用いた。
各配線(W1、R1、W2、R2)の、長手方向に垂直な方向の断面における第1書込配線W1および第1読取配線R1の表面(FF1)が、平坦な形状(H1が0μmに相当)であり、同様に、各配線(W1、R1、W2、R2)の、長手方向に垂直な方向の断面における第1の配線(W1、R1)に対向する第2の配線(W2、R2)の表面(FF2)が、平坦な形状(H2が0μmに相当)であり、各配線(W1、R1、W2、R2)の、長手方向に垂直な方向の断面における第2の配線(W2、R2)の、第1の配線(W1、R1)に対向する表面とは反対側の表面(BF2)が、平坦な形状であること以外は、実施例1と同様な構成を有する比較例1のサスペンション用フレキシャー基板の特性インピーダンスは、41.5Ωであった。
2・・・ジンバル部
3・・・接続端子部
4・・・読取配線
5・・・書込配線
11・・・金属基板
12・・・第1絶縁層
13・・・第1拡散防止層
14・・・第1シード層
15・・・第2絶縁層
16・・・第2拡散防止層
17・・・第2シード層
18・・・カバー層
19・・・開口部
100、110・・・サスペンション用フレキシャー基板
101、111・・・金属基板
102・・・絶縁層
112・・・第1絶縁層
113・・・第2絶縁層
114・・・カバー層
W1・・・第1書込配線
W2・・・第2書込配線
R1・・・第1読取配線
R2・・・第2読取配線
E1L、E1R・・・第1配線端部
E2L、E2R・・・第2配線端部
M1、M2・・・中点
P1、P2・・・頂点
FF1・・・第1配線の表面
FF2・・・第1配線に対向する第2配線の表面
BF2・・・第2配線の反対側の表面
Claims (8)
- 金属基板の上に、第1の絶縁層を介して、磁気ヘッドと読取回路とを電気的に接続する読取配線と、前記磁気ヘッドと書込回路とを電気的に接続する書込配線が、形成されているサスペンション用フレキシャー基板において、
前記読取配線および前記書込配線は、各々2本で1対となる差動配線であって、各々第1の配線の上には、第2の絶縁層を介して、対となる第2の配線が形成されており、
前記読取配線および前記書込配線の少なくともどちらか1対の配線の、長手方向に垂直な方向の断面における前記第2の配線に対向する前記第1の配線の表面は、前記第2の配線に対して凸型の弓状の形状になっており、かつ、前記第1の配線に対向する前記第2の配線の表面は、前記第1の配線に対して凹型の弓状の形状になっていることを特徴とするサスペンション用フレキシャー基板。 - 前記第2の配線に対向する前記第1の配線の表面の凸型の弓状の形状が、前記第1の配線の表面の両端を直線で結んだ中点から前記第2の配線に向かって垂直に伸ばした線上に位置する点を頂点にして、前記第1の配線の表面の両端に滑らかに降下する曲線形状であって、
前記第1の配線の表面の両端を直線で結んだ長さをL1とし、前記第1の配線の表面の両端を直線で結んだ中点と前記頂点を直線で結んだ長さをH1とした場合の前記L1と前記H1の関係が、
0.02≦H1/L1≦0.1
であることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション用フレキシャー基板。 - 前記第1の配線に対向する前記第2の配線の表面の凹型の弓状の形状が、前記第2の配線の表面の両端を直線で結んだ中点から前記第2の配線に向かって垂直に伸ばした線上に位置する点を頂点にして、前記第2の配線の表面の両端に滑らかに降下する曲線形状であって、
前記第2の配線の表面の両端を直線で結んだ長さをL2とし、前記第2の配線の表面の両端を直線で結んだ中点と前記頂点を直線で結んだ長さをH2とした場合の前記L2と前記H2の関係が、
0.02≦H2/L2≦0.1
であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のサスペンション用フレキシャー基板。 - 前記第2の配線の上にはカバー層が形成されており、前記第2の配線の長手方向に垂直な方向の断面における前記第2の配線の、前記第1の配線に対向する表面とは反対側の表面は、前記カバー層に対して凸型の弓状の形状になっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のサスペンション用フレキシャー基板。
- 前記金属基板には、前記読取配線および/または前記書込配線の長手方向に沿って、少なくとも部分的に開口が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のサスペンション用フレキシャー基板。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のサスペンション用フレキシャー基板を含むことを特徴とするサスペンション。
- 請求項6に記載のサスペンションと、前記サスペンションに実装された磁気ヘッドスライダとを有することを特徴とするヘッド付サスペンション。
- 請求項7に記載のヘッド付サスペンションを含むことを特徴とするハードディスクドライブ。
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