JP2000028580A - 金属試料中の元素分析装置 - Google Patents

金属試料中の元素分析装置

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JP2000028580A
JP2000028580A JP10196241A JP19624198A JP2000028580A JP 2000028580 A JP2000028580 A JP 2000028580A JP 10196241 A JP10196241 A JP 10196241A JP 19624198 A JP19624198 A JP 19624198A JP 2000028580 A JP2000028580 A JP 2000028580A
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JP10196241A
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Takeshi Uemura
健 植村
Akihiro Hirano
彰弘 平野
Juichiro Ukon
寿一郎 右近
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Horiba Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄鋼などの金属試料に微量に含まれるC、
S、N、Hなどの元素を高感度に定量分析することがで
きる金属試料中の元素分析装置を提供すること。 【解決手段】 酸素ガスまたは不活性ガスが択一的に導
入される照射セル1内に配置された金属試料3にレーザ
光11を照射し、そのとき発生するガスGを質量分析計
29に導入して、金属試料3中に含まれる炭素、硫黄、
窒素および水素の少なくともいずれか一つを定量分析す
るようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば鉄鋼など
の金属材料中に微量に含まれるC(炭素)、S(硫
黄)、N(窒素)、H(水素)などの元素を分析する装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、鉄鋼中に微量に含まれるC、S
の定量分析法としては、酸素気流中燃焼法と赤外線吸収
法とを組み合わせたものが一般に用いられ、また、鉄鋼
中に微量に含まれるN、Hの定量分析法としては、不活
性ガス中融解抽出法と赤外線吸収法または熱伝導度法と
を組み合わせたものが一般に用いられている。
【0003】すなわち、前記酸素気流中燃焼法と赤外線
吸収法とを組み合わせた手法は、加熱炉内に酸素ガスを
供給しながら試料を燃焼させ、そのとき発生するCO/
CO 2 およびSO2 を含む燃焼ガスを非分散型赤外線分
析計(NDIR)において分析するものであり、不活性
ガス中融解抽出法と赤外線吸収法または熱伝導度法は、
加熱炉内に試料を入れた黒鉛るつぼを配置し、不活性ガ
スを供給しながら試料を加熱融解し、そのとき発生する
2 やH2 については熱伝導度法で分析するものであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記い
ずれの手法においても、元素の検出下限は、約1wtp
pmである(Hについては、0.1wtppmまで可
能)。ところで、金属試料は、近年、ますます高純度化
する傾向にあり、不純物としての上記元素はますます低
濃度になってきており、上記した従来の分析計では感度
不足であり、精密な定量を行うことができなくなってき
ている。また、黒鉛るつぼの汚染によるブランク値の問
題があり、微量域における測定が困難になっている。
【0005】これに対して、質量分析計を用いて、鉄鋼
などを分析する手法としての分析方法として、ICP−
MS法などがあるが、材料の主成分(例えばFe)が大
量に質量分析計に入ることにより、感度のよい測定が難
しく、質量分析計の優れた分解能やppbオーダーの優
れた感度を生かすことができない。
【0006】この発明は、上述の事柄に留意してなされ
たもので、その目的は、鉄鋼などの金属試料に微量に含
まれるC、S、N、Hなどの元素を高感度に定量分析す
ることができる金属試料中の元素分析装置(以下、単に
元素分析装置という)を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1の発明の元素分析装置は、酸素ガスまたは不活
性ガスが択一的に導入される照射セル内に配置された金
属試料にレーザ光を照射し、そのとき発生するガスを質
量分析計に導入して、金属試料中に含まれる炭素、硫
黄、窒素および水素の少なくともいずれか一つを定量分
析するようにしている(請求項1)。
【0008】そして、第2の発明の元素分析装置は、酸
素ガスが導入される照射セル内に配置された金属試料に
レーザ光を照射し、そのとき発生するガスを質量分析計
に導入して、金属試料中に含まれる炭素または硫黄の少
なくともいずれか一方を定量分析するようにしている
(請求項2)。
【0009】また、第3の発明の元素分析装置は、不活
性ガスが導入される照射セル内に配置された金属試料に
レーザ光を照射し、そのとき発生するガスを質量分析計
に導入して、金属試料中に含まれる窒素または水素の少
なくともいずれか一方を定量分析するようにしている
(請求項3)。
【0010】さらに、第4の発明の元素分析装置は、水
素ガスと不活性ガスとが所定の割合で導入される照射セ
ル内に配置された金属試料にレーザ光を照射し、そのと
き発生するガスを質量分析計に導入して、金属試料中に
含まれる炭素、硫黄および窒素の少なくともいずれか一
つを定量分析するようにしている(請求項4)。
【0011】上記いずれの元素分析装置においても、所
望の元素を高感度で定量分析することができる。そし
て、後述するダストフィルタ22による酸化ダストの除
去や、除湿器24による水蒸気(水分)の除去により、
質量分析計29の優れた分解能を測定成分に絞ってさら
に感度よく測定することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を、図面を参照
しながら説明する。図1〜図3は、第1の実施の形態を
示すものである。この実施の形態における元素分析装置
は、C、S、NおよびHの少なくともいずれか一つを定
量分析することができる。
【0013】図1において、1はブロック状の照射セル
で、内部に適宜の空間2が形成されている。この照射セ
ル1の上面側には、例えば鉄鋼などの金属試料3を載置
するための試料載置部4が形成されている。5は例えば
耐酸性の合成ゴムよりなるシール部材としての円環状の
パッキンで、金属試料3を試料載置部4に安定に保持す
る機能を有する。6は照射セル1の下面側に設けられる
シール部材としての円環状のパッキンで、前記パッキン
5と同じ素材よりなる。7は照射セル1の下部開口を閉
止するように設けられるレーザ光透過窓である。つま
り、照射セル1の空間2は、上部が金属試料3に、下部
が透過窓7によってそれぞれ閉止されることにより外部
と遮断された空間となる。なお、照射セル1は、三次元
ステージ8によって、位置調整できるように構成されて
いる。すなわち、この三次元ステージ8は、例えば紙面
の左右方向X、紙面に垂直な方向YおよびX方向、Y方
向と直交するZ方向の三次元において移動できるように
構成されている。
【0014】そして、9は金属試料3を押圧する試料押
さえ部材で、上下方向に適宜移動できるようにしてあ
る。また、10はレーザ発振器で、その出力であるレー
ザ光11がミラー12、集光レンズ13および透過窓7
を介して金属試料3の下面3aの所定の位置に照射され
るように構成されている。
【0015】14は照射セル1の一端側に設けられるガ
ス吹き付けノズルで、セル空間2の上部を閉止するよう
に設けられる金属試料3におけるレーザ光11の照射部
分(分析対象部)に対して酸素ガスまたは不活性ガス
(例えばヘリウムやアルゴンガス)を吹き付けるもの
で、その上流側は、ガス供給路15を介して酸素ガスボ
ンベ16および不活性ガスボンベ17と接続されてい
る。18,19は各ボンベ16,17に対応して設けら
れるバルブである。すなわち、照射セル1の内部空間2
に対して、酸素ガスまたは不活性ガスのいずれかを択一
的に供給できるように構成されている。
【0016】20はセル空間2において生じたガスGの
出口、21はこのガス出口20に連なるガス流路であ
る。そして、このガス流路21には、発生ガスG中に含
まれる酸化鉄などの酸化ダストを除去するダストフィル
タ22、三方電磁弁23、発生ガス中に含まれる水蒸気
(水分)を除去する除湿器24、三方電磁弁25、サン
プリング部26が設けられている。そして、27は除湿
器24をバイパスするように三方電磁弁23,25間を
接続するように設けられるガス流路である。また、サン
プリング部26の下流側の一方は、流路28を介して質
量分析計(例えばQ−MS)29に接続され、他方は排
気部(図示していない)に接続されている。
【0017】図2は、前記質量分析計29の一例を概略
的に示すもので、この図において、30はイオン化部
で、高真空に保持された容器31内には、流路28に連
なるガス導入口32側に、フィラメント33と、このフ
ィラメント33を加熱したときに生ずる電子34を集め
る集電子極35とを対向配置するとともに、イオン押し
出し電極36、引き出し電極37などを設けてなり、イ
オン38を発生する。なお、39は容器31内を高真空
に引くための排気ポンプ、40は圧力計である。
【0018】そして、41は前記イオン化部30に連な
る分析部で、磁場を発生するマグネット42が設けられ
ている。43は分析部41を経てきたイオン38を集め
るイオンコレクタである。このイオンコレクタ43で得
られるイオン電流は、図示してないが、プリアンプ、メ
インアンプやAD変換器を経てコントロールユニット
(例えばコンピュータ)44(図1参照)に入力され、
適宜処理される。
【0019】次に、上記構成の元素分析装置の動作につ
いて説明する。今、金属試料3として鉄鋼を用いるもの
とする。分析対象の鉄鋼を切断機で切断して適宜大きさ
のブロック状とし、その切断面をサンドペーパで十分に
研磨して金属試料3とする。このような金属試料3を、
その研磨された平面3aが下方になるように照射セル1
の試料載置部4にセットする。
【0020】まず、鉄鋼試料3中に含まれるCおよびS
の量(含有率)を測定する場合について説明する。元素
の定量分析を行う前に、空気等のパージやレーザ光の予
備照射を行う。すなわち、バルブ18を開いて酸素ガス
を照射セル1のセル空間2に供給し、照射セル1から質
量分析計25までの流路をパージし、流路に残留してい
る空気等を排出する。次いで、酸素ガスをセル空間2に
供給している状態において、レーザ発振器10を動作さ
せてレーザ光11を鉄鋼試料3の下面3aに照射し、こ
の下面3aにおける切断や研磨あるいはハンドリング時
の汚れを除去する。このクリーニングのための予備照射
においては、三次元ステージ8を動作させて、照射セル
1を鉄鋼試料3とともに適宜平面的に移動させたり、あ
るいは、ミラー12の角度を変えるなどして、鉄鋼試料
3の下面3aを、分析時より広い範囲にわたってレーザ
光11で照射するのが好ましい。
【0021】前記予備照射が終わると、クリーニングさ
れた鉄鋼試料3を試料載置部4から取り外してその重量
を測り、その後、試料載置部4にセットする。そして、
再度、酸素ガスによってパージを行い流路内の空気等を
排出する。
【0022】そして、元素の定量分析を行うには、次の
ようにする。すなわち、セル空間2内に酸素ガスを供給
しながら、より具体的には、ガス吹き付けノズル14の
先端から鉄鋼試料3の下面3aに対して酸素ガスを吹き
付けながら、レーザ光11を前記下面3aの所定の部位
(分析対象部)に照射する。この場合、レーザ光11が
鉄鋼試料3の下面3aから数μm内部において焦点を結
ぶように、また、下面3aをX−Y方向にスキャンする
ように、三次元ステージ8を動作させるのが好ましい。
【0023】前記酸素気流中でレーザ光11の照射を受
けた鉄鋼試料3の分析対象部は、高温となり、鉄鋼試料
3に含まれるCおよびSは酸素によって燃焼し、COガ
ス、CO2 ガスおよびSO2 ガスが発生する。これらの
ガスを含むガスGは、キャリアガスとしての酸素ガスに
より、ガス出口20を経て発生ガス流路21を流れる。
このとき、発生ガス流路21における三方電磁弁23,
25はいずれもオンで、バイパス流路27側が閉状態と
なっている。したがって、前記COガス、CO 2 ガスお
よびSO2 ガスは、ダストフィルタ22、三方電磁弁2
3、除湿器24、三方電磁弁25と流れてサンプリング
部26に至る。このとき、ダストフィルタ22において
前記COガス、CO2 ガスおよびSO2 ガスに含まれる
酸化鉄などの酸化ダストが除去され、除湿器24におい
て水蒸気が除去される。したがって、したがって、サン
プリング部26の前段におけるガスG中には、成分とし
てCO、CO2 およびSO2 が含まれている。
【0024】前記CO、CO2 およびSO2 を含むガス
Gは、サンプリング部26によって一定のインターバル
で一定量ずつサンプリングされ、質量分析計29のイオ
ン化部30に供給される。そして、イオン化部30にお
いて、COはCO+ (m/z=28)に、CO2 はCO
2 + (m/z=44)に、SO2 はSO2 + (m/z=
64)にそれぞれイオン化され、分析部41において質
量分析され、これに基づいてCおよびSの量が得られ
る。
【0025】そして、必要な時間だけレーザ照射を行っ
て質量分析を行った後、鉄鋼試料3の重量を測定し、こ
の重量と前記予備照射後の鉄鋼試料3の重量との差を試
料の重量とし、この重量および前記測定されたCおよび
Sの量に基づいて、CおよびSの試料含有率を求めるこ
とができる。
【0026】次に、鉄鋼試料3中に含まれるNおよびH
の量(含有率)を測定するには、酸素ガスに代えて、不
活性ガス(例えばアルゴンガス)を用いる。そして、こ
のNおよびHの量の測定に際しても、上記CおよびSの
場合と同様に、分析前に、照射セル1から質量分析計2
9までの流路をアルゴンガスでパージしたり、鉄鋼試料
3に対して同様の予備照射を行って鉄鋼試料3のクリー
ニングを行う。
【0027】そして、前記鉄鋼試料3の重量を測定した
後、これを試料載置部4にセットし、再度、アルゴンガ
スによってパージを行い流路内の空気等を排出する。そ
して、セル空間2内にアルゴンガスを供給しながら、レ
ーザ光11を鉄鋼試料3の下面3aの所定の位置(分析
対象部)に照射する。このように、アルゴンガス気流中
でレーザ光11の照射を受けた鉄鋼試料3の分析対象部
は、高温となり、鉄鋼試料3に含まれるNおよびHは、
それぞれ、N2 ガス、H2 ガスとなる。これらのガスN
2 およびH2 を含むガスGは、キャリアガスとしてのア
ルゴンガスにより、ガス出口20を経て発生ガス流路2
1を流れる。このとき、発生ガス流路21における三方
電磁弁23,25はいずれもオフで、バイパス流路27
側が開状態となっている。したがって、前記N2 ガス、
2 ガスH2 を含むガスGは、ダストフィルタ22、三
方電磁弁23、バイパス流路27、三方電磁弁25と流
れてサンプリング部26に至る。このとき、ダストフィ
ルタ22において前記H2ガスなどに含まれるダストが
除去される。したがって、サンプリング部26の前段に
おけるガスG中には、成分としてN2 、H2 が含まれて
いる。
【0028】そして、前記ガスGをサンプリング部26
によって一定のインターバルで一定量ずつサンプリング
して、質量分析計29に供給することにより、Nおよび
Hの量を測定することができる。この場合も、鉄鋼試料
3の分析対象部にアルゴンガスを吹き付けつけながらレ
ーザ照射する前後の鉄鋼試料3の重量を求めることによ
り、鉄鋼試料3におけるNおよびHを含有率をも求める
ことができることはいうまでもない。
【0029】上述したように、この実施の形態における
元素分析装置においては、従来の元素分析装置のよう
に、秤量した金属試料を黒鉛るつぼに入れたりするので
はなく、酸素ガスまたは不活性ガス気流中において、金
属試料3にレーザ光11を照射して、ガスを発生させ、
このガスを前記酸素ガスまたは不活性ガスとともに、質
量分析計29に導くようにしたものであるので、黒鉛る
つぼなどを用いたときにおける汚染によるブランク値の
問題がなくなり、金属試料3中にC、S、N、Hが微量
(ppm以下)にしか含まれないような場合であって
も、これらを高精度に確実に定量分析することができ
る。
【0030】そして、上述の説明から理解されるよう
に、定量分析前に、照射セル1と質量分析計29との間
の流路をパージしたり、金属試料3をその分析対象面を
含む広い範囲にわたってクリーニングしているので、試
料の調整やハンドリングに際して、汚染に対する配慮が
不要でありながらも、精度の高い測定結果を得ることが
できる。
【0031】また、上述の実施の形態においては、ガス
成分を検出する検出部が、質量分析計29一つでよく、
従来のように、測定原理の異なる分析部を複数設ける必
要がない。さらに、照射セル1に対して供給するガスを
切換えるだけで、C、S/N、Hを一つの分析部で分析
できるといった大きな利点がある。
【0032】上述の実施の形態においては、照射セル1
の内部空間2に対して、酸素ガスまたは不活性ガスのい
ずれかを択一的に供給できるように構成されたものであ
ったが、これに代えて、図3に示すように、ガス供給路
15の上流に、バルブ45を介して酸素ボンベまたは不
活性ガスボンベのいずれか一方46のみを接続するよう
にしてもよい。例えば、ガス供給路15の上流に酸素ボ
ンベ46を接続した場合、照射セル1の内部空間2に対
して酸素ガスが供給されるので、金属試料3中のCおよ
びSの少なくとも一方を定量分析することができる。ま
た、ガス供給路15の上流に不活性ガスボンベ46を接
続した場合は、金属試料3中のNおよびHの少なくとも
一方を定量分析することができる。
【0033】ところで、上述の実施の形態においては、
検出部として質量分析計29を用いていたが、これに代
えて、他の検出機構を採用してもよい。すなわち、照射
セル1に酸素ガスを供給する場合は、NDIRを用い、
また、照射セル1に不活性ガスを流すときは、熱伝導度
計を用いるのである。
【0034】図4は、第2の実施の形態を示すものであ
る。この実施の形態における元素分析装置は、C、Sお
よびNの少なくともいずれか一つを定量分析することが
できる。図4に示す元素分析装置においては、照射セル
1に対して、不活性ガスをベースとしてこれに水素ガス
を一定の割合(例えば、水素ガス:不活性ガス=2:
8)で混合したガスを供給するようにしている。すなわ
ち、図4において、47,48は水素ガスボンベ、不活
性ガスボンベで、流量調整バルブ49,50および流量
計51,52を介してガス供給路15に接続されてい
る。また、53は発生ガス流路21に設けられるダスト
フィルタ除去機能を有する脱水装置である。なお、他の
構成部材は、図1に示したものと変わらないので、同一
符号を付している。
【0035】次に、上記構成の元素分析装置の動作につ
いて説明する。今、金属試料3として鉄鋼を用いるもの
とする。分析対象の鉄鋼を切断機で切断して適宜大きさ
のブロック状とし、その切断面をサンドペーパで十分に
研磨して金属試料3とする。このような金属試料3を、
その研磨された平面3aが下方になるように照射セル1
の試料載置部4にセットする。
【0036】この実施の形態においても、元素の定量分
析を行う前に、空気等のパージやレーザ光の予備照射を
行う。すなわち、バルブ49,50を開いて水素ガスと
不活性ガス(例えばアルゴンガス)とを2:8の割合と
なるように混合したガス(以下、単に混合ガスという)
を照射セル1のセル空間2に供給し、照射セル1から質
量分析計29までの流路をパージし、流路に残留してい
る空気等を排出する。次いで、セル空間2に混合ガスを
供給している状態において、レーザ発振器10を動作さ
せてレーザ光11を鉄鋼試料3の下面3aに照射し、こ
の下面3aにおける切断や研磨あるいはハンドリング時
の汚れを除去する。このクリーニングのための予備照射
においては、三次元ステージ8を動作させて、照射セル
1を鉄鋼試料3とともに適宜平面的に移動させたり、あ
るいは、ミラー12の角度を変えるなどして、鉄鋼試料
3の下面3aを、分析時より広い範囲にわたってレーザ
光11で照射するのが好ましい。
【0037】前記予備照射が終わると、クリーニングさ
れた鉄鋼試料3を試料載置部4から取り外してその重量
を測り、その後、試料載置部4にセットする。そして、
再度、混合ガスによってパージを行い流路内の空気等を
排出する。
【0038】そして、元素の定量分析を行うには、次の
ようにする。すなわち、セル空間2内に混合ガスを供給
しながら、より具体的には、ガス吹き付けノズル14の
先端から鉄鋼試料3の下面3aに対して混合ガスを吹き
付けながら、レーザ光11を前記下面3aの所定の部位
(分析対象部)に照射する。この場合、レーザ光11が
鉄鋼試料3の下面3aから数μm内部において焦点を結
ぶように、また、下面3aをX−Y方向にスキャンする
ように、三次元ステージ8を動作させるのが好ましい。
【0039】前記混合ガス気流中でレーザ光11の照射
を受けた鉄鋼試料3の分析対象部は、高温となり気化が
起こる。これにより、鉄鋼試料3に含まれるC、Sおよ
びNは、混合ガス中の水素ガスと反応し、これによっ
て、CH4 、H2 SおよびNH 3 が発生する。これらの
ガスを含むガスGは、キャリアガスとしての混合ガスに
より、ガス出口20を経て発生ガス流路21を流れる
が、その途中、ダストフィルタ除去機能を有する脱水装
置53において、ダストや水分が除去される。したがっ
て、サンプリング部26の前段におけるガスG中には、
成分としてCH4 、H2 SおよびNH3 が含まれてい
る。
【0040】前記CH4 、H2 SおよびNH3 を含むガ
スGは、サンプリング部26によって一定のインターバ
ルで一定量ずつサンプリングされ、質量分析計29のイ
オン化部30に供給される。そして、イオン化部30に
おいて、CH4 はCH4 + (m/z=16)に、H2
はH2 + (m/z=34)に、NH3 はNH3 + (m
/z=17)にそれぞれイオン化され、分析部41にお
いて質量分析され、これに基づいてC、SおよびNの量
が得られる。
【0041】そして、必要な時間だけレーザ照射を行っ
て質量分析を行った後、鉄鋼試料3の重量を測定し、こ
の重量と前記予備照射後の鉄鋼試料3の重量との差を試
料の重量とし、この重量および前記測定されたC、Sお
よびNの量に基づいて、C、SおよびNの試料含有率を
求めることができる。
【0042】この実施の形態における元素分析装置によ
れば、次のような効果がある。すなわち、従来の元素分
析装置のように、秤量した金属試料を黒鉛るつぼに入れ
たりするのではなく、混合ガス(不活性ガスをベースと
した水素ガス)の気流中において、金属試料3にレーザ
光11を照射して、CH4 、H2 SおよびNH3 などを
発生させ、これらのガスを前記混合ガスとともに、質量
分析計25に導くようにしたものであるので、黒鉛るつ
ぼなどを用いたときにおける汚染によるブランク値の問
題がなくなり、金属試料3中にC、SおよびNが微量
(ppm以下)にしか含まれないような場合であって
も、これらを高精度に確実に定量分析することができ
る。
【0043】そして、上述の説明から理解されるよう
に、定量分析前に、照射セル1と質量分析計29との間
の流路をパージしたり、金属試料3をその分析対象面を
含む広い範囲にわたってクリーニングしているので、試
料の調整やハンドリングに際して、汚染に対する配慮が
不要でありながらも、精度の高い測定結果を得ることが
できる。
【0044】また、上述の実施の形態においては、ガス
成分を検出する検出部が、質量分析計29一つでよく、
従来のように、測定原理の異なる分析部を複数設ける必
要がない。
【0045】なお、上記各実施の形態において、質量分
析計29として、上記所謂Q−MSタイプのものに代え
て、飛行時間型質量分析計(TOF−MS)を用いても
よい。その場合、発生ガスGを瞬間的にサンプリングす
る必要があるところから、例えば電場でイオン化すると
き、パルス状の電場を付与し、イオン化されたものだけ
がTOF−MSに入るようにするのが好ましい。
【0046】なお、上述の各実施の形態において、照射
セル1において発生したガスGをそのまま(フィルタ2
2,53を通過させないで)、質量分析計29に導入す
るようにしてもよく、その場合、質量分析計29におい
て、Fe(鉄)を検出することができる。
【0047】
【発明の効果】この発明の元素分析装置によれば、鉄鋼
を始めとする各種の金属に微量に含まれるC、S、N、
Hなどの元素を、wtppm以下、0.1〜0.01p
pmといった高感度で確実に定量分析することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における元素分析装置の構成
を概略的に示す図である。
【図2】前記元素分析装置に用いられる質量分析計の一
例を示す図である。
【図3】前記元素分析装置の変形例を示す図である。
【図4】第2の実施の形態における元素分析装置の構成
を概略的に示す図である。
【符号の説明】
1…照射セル、3…金属試料、11…レーザ光、29…
質量分析計、G…発生ガス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 右近 寿一郎 京都府京都市南区吉祥院宮の東町2番地 株式会社堀場製作所内 Fターム(参考) 2G055 AA03 BA01 CA22 CA23 CA24 CA27 EA02 EA10 FA07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素ガスまたは不活性ガスが択一的に導
    入される照射セル内に配置された金属試料にレーザ光を
    照射し、そのとき発生するガスを質量分析計に導入し
    て、金属試料中に含まれる炭素、硫黄、窒素および水素
    の少なくともいずれか一つを定量分析するようにしたこ
    とを特徴とする金属試料中の元素分析装置。
  2. 【請求項2】 酸素ガスが導入される照射セル内に配置
    された金属試料にレーザ光を照射し、そのとき発生する
    ガスを質量分析計に導入して、金属試料中に含まれる炭
    素または硫黄の少なくともいずれか一方を定量分析する
    ようにしたことを特徴とする金属試料中の元素分析装
    置。
  3. 【請求項3】 不活性ガスが導入される照射セル内に配
    置された金属試料にレーザ光を照射し、そのとき発生す
    るガスを質量分析計に導入して、金属試料中に含まれる
    窒素または水素の少なくともいずれか一方を定量分析す
    るようにしたことを特徴とする金属試料中の元素分析装
    置。
  4. 【請求項4】 水素ガスと不活性ガスとが所定の割合で
    導入される照射セル内に配置された金属試料にレーザ光
    を照射し、そのとき発生するガスを質量分析計に導入し
    て、金属試料中に含まれる炭素、硫黄および窒素の少な
    くともいずれか一つを定量分析するようにしたことを特
    徴とする金属試料中の元素分析装置。
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