JP3439974B2 - 分析試料中の酸化物の種類別酸素又は酸化物の分析方法及び分析装置 - Google Patents

分析試料中の酸化物の種類別酸素又は酸化物の分析方法及び分析装置

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JP3439974B2
JP3439974B2 JP00778598A JP778598A JP3439974B2 JP 3439974 B2 JP3439974 B2 JP 3439974B2 JP 00778598 A JP00778598 A JP 00778598A JP 778598 A JP778598 A JP 778598A JP 3439974 B2 JP3439974 B2 JP 3439974B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属、耐火物、ス
ラグなどの分析試料中の酸素量又は酸化物量を分析する
方法及び装置に関するものである。さらに詳しくは、分
析試料中の酸素をCOガスとして抽出し、これを不活性
ガス搬送−赤外線吸収法により計測することによって分
析試料中の酸素量又は酸化物量を分析する方法及び装置
に関する。
【0002】とりわけ、本発明は、分析試料中の酸化物
の種類別の酸素量又は酸化物量を分析する方法及び装置
に関する。
【0003】
【従来の技術】近年、分析試料中の酸素量又は酸化物量
の正確かつ迅速な分析技術が求められている。
【0004】例えば、製鋼分野では、酸化物の形態を制
御した極低酸素鋼や高純度鉄の開発が進められており、
ppm(百万分率)レベルの微量の酸素濃度を精度よく
定量することが要求されている。なかでも過酷な条件下
で用いられる軸受鋼では、微量の介在物の中で特にAl
23 、MgO・Al23 、(Ca,Mg)O・Al
23 のような介在物は大きな粒を作りやすく、これら
が疲労破壊の原因となる。このようなことから製品中の
介在物量の低減と介在物の形態の制御は重要であり、正
確かつ迅速な低酸素鋼中の介在物の種類別分析技術が望
まれている。
【0005】鋼中の介在物の分析方法では、従来、分析
試料から試験片を採取し、被検面を顕微鏡観察し、A〜
C系に分別する方法(JIS G0555)や、試料表
面を鏡面研磨し、電子線マイクロアナリシス等の機器分
析による方法などが行われてきた。
【0006】しかし、これらの方法では試料のある断面
部における測定方法であるため、材料破壊の原因となる
真の介在物が検出できないこと、測定時間が膨大になる
こと、研磨等の試料調整が煩雑である等の問題がある。
【0007】これらの問題点を解決する一方策として、
最近、酸素分析装置を用いた、分析方法が提案されてい
る(特開平6−148167号)。この方法は分析試料
を黒鉛坩堝に投入した後、一定昇温速度で連続的に加熱
することにより比較的低温側で分解反応が起こる易還元
酸化物(FeO、MnOなど)からの酸素と、比較的高
温側で分解反応が起こる難還元酸化物(CaO、Al2
3 など)からの酸素とを分析時のCOガス抽出曲線を
利用して分離する方法である。
【0008】ところが、前記特開平6−148167号
の方法は製鋼スラグ中の10%以上の高酸素量を対象と
したものであり、数ppmオーダーの微量酸素量となる
金属試料に適用したところ、COガス抽出曲線のピーク
が小さく、かつ、各々のCOガス抽出曲線の波形が重な
ってしまうために、各波形の分離も困難であり、数pp
mオーダーの微量酸素量からなる金属試料へ適用できな
いことが明らかになった。
【0009】また、易還元酸化物からの酸素と難還元酸
化物からの酸素とを分離する方法であり、微量の酸化物
系介在物の種類別の酸素の分析には適用できない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の問題
点を解決するためになされたもので、分析試料中の酸化
物の種類別の酸素量又は酸化物量を分析する方法及び装
置を提供することを目的とする。とりわけ、分析試料中
の酸素量又は酸化物量が微量であっても、正確かつ迅速
に分析できる方法及び装置を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するものであり、その要旨は特許請求の範囲に記載の通
りである。すなわち、本発明の要旨は、 (1) 分析試料を不活性雰囲気中で加熱して、昇温速
度を制御しながら炭素源と反応させ、前記分析試料中の
酸素が前記炭素源と反応して逐次発生するCOガスを不
活性ガス流中に抽出し、該抽出したCOガスを赤外線吸
収法によって逐次分析して反応酸素量を求め、こうして
逐次得られる反応酸素量データから反応酸素量のピーク
を検知し、検知された反応酸素量のピーク出現毎に前記
不活性ガス流の流量を減少せしめながら分析して反応酸
素量データを時系列的に蓄積し、該蓄積した反応酸素量
データから前記分析試料中の酸化物の種類別酸素量を求
めることを特徴とする分析試料中の酸化物の種類別酸素
分析方法。
【0012】(2) 分析試料を不活性雰囲気中で加熱
して、昇温速度を制御しながら炭素源と反応させ、前記
分析試料中の酸素が前記炭素源と反応して逐次発生する
COガスを不活性ガス流中に抽出し、該抽出したCOガ
ス量を赤外線吸収法により逐次計測し、こうして逐次得
られる発生CO量データから発生CO量のピークを検知
して、検知された発生CO量のピーク出現毎に前記不活
性ガス流の流量を減少せしめながら発生CO量データを
時系列的に蓄積し、該蓄積した発生CO量データから前
記分析試料中の酸化物の種類別酸素量を求めることを特
徴とする分析試料中の酸化物の種類別酸素分析方法。
【0013】(3) 分析試料を不活性雰囲気中で加熱
して、昇温速度を制御しながら炭素源と反応させ、前記
分析試料中の酸素が前記炭素源と反応して逐次発生する
COガスを不活性ガス流中に抽出し、該抽出したCOガ
スを赤外線吸収法によって逐次分析して反応酸素量を求
め、こうして逐次得られる反応酸素量データから反応酸
素量のピークを検知し、検知された反応酸素量のピーク
出現毎に前記不活性ガス流の流量を減少せしめながら分
析して反応酸素量データを時系列的に蓄積し、該蓄積し
た反応酸素量データから前記分析試料中の酸化物の種類
別の酸素量を求め、該酸化物種類別酸素量から種類別酸
化物量を求めることを特徴とする分析試料中の酸化物の
分析方法。
【0014】(4) 分析試料を不活性雰囲気中で加熱
して、昇温速度を制御しながら炭素源と反応させ、前記
分析試料中の酸素が前記炭素源と反応して逐次発生する
COガスを不活性ガス流中に抽出し、該抽出したCOガ
ス量を赤外線吸収法により逐次計測し、こうして逐次得
られる発生CO量データから発生CO量のピークを検知
して、検知された発生CO量のピーク出現毎に前記不活
性ガス流の流量を減少せしめながら発生CO量データを
時系列的に蓄積し、該蓄積した発生CO量データから前
記分析試料中の酸化物の種類別酸素量を求め、該酸化物
種類別酸素量から種類別酸化物量を求めることを特徴と
する分析試料中の酸化物の分析方法。
【0015】(5) 分析試料を不活性雰囲気中で昇温
速度を制御しながら加熱する分析試料加熱手段と、前記
分析試料中の酸素と反応させる炭素源を供給する炭素源
供給手段と、前記分析試料中の酸素と前記炭素源とが反
応して発生するCOガスを抽出・搬送する不活性ガス流
を発生させる不活性ガス流発生手段と、前記不活性ガス
流により搬出・搬送させたCOガスを赤外線吸収法によ
って分析して逐次反応酸素量を求める反応酸素量計測手
段と、該反応酸素量計測手段から逐次得られる反応酸素
量データから反応酸素量のピーク検知する反応酸素量ピ
ーク検知手段と、該反応酸素量ピーク検知手段により検
知された反応酸素量のピーク出現毎に前記不活性ガス流
の流量を減少させる不活性ガス流量制御手段とを有する
ことを特徴とする分析試料中の酸化物の種類別酸素分析
装置。
【0016】(6) 分析試料を不活性雰囲気中で昇温
速度を制御しながら加熱する分析試料加熱手段と、前記
分析試料中の酸素と反応させる炭素源を供給する炭素源
供給手段と、前記分析試料中の酸素と前記炭素源とが反
応して発生するCOガスを抽出・搬送する不活性ガス流
を発生させる不活性ガス流発生手段と、前記不活性ガス
流により抽出・搬送されたCOガス量を赤外線吸収法に
よって計測して逐次発生する発生CO量を求める発生C
O量計測手段と、該発生CO量計測手段により逐次得ら
れる発生CO量データから発生CO量のピークを検知す
る発生CO量ピーク検知手段と、該発生CO量ピーク検
知手段により検知された発生CO量のピーク出現毎に前
記不活性ガス流の流量を減少させる不活性ガス流量制御
手段と、前記発生CO量データから反応酸素量を求める
反応酸素量算出手段、とを有することを特徴とする分析
試料中の酸化物の種類別酸素分析装置。
【0017】(7) 分析試料を不活性雰囲気中で昇温
速度を制御しながら加熱する分析試料加熱手段と、前記
分析試料中の酸素と反応させる炭素源を供給する炭素源
供給手段と、前記分析試料中の酸素と前記炭素源とが反
応して発生するCOガスを抽出・搬送する不活性ガス流
を発生させる不活性ガス流発生手段と、前記不活性ガス
流により搬出・搬送させたCOガスを赤外線吸収法によ
って分析して逐次反応酸素量を求める反応酸素量計測手
段と、該反応酸素量計測手段から逐次得られる反応酸素
量データから反応酸素量のピーク検知する反応酸素量ピ
ーク検知手段と、該反応酸素量ピーク検知手段により検
知された反応酸素量のピーク出現毎に前記不活性ガス流
の流量を減少させる不活性ガス流量制御手段と、前記反
応酸素量計測手段から時系列的に得られる反応酸素量デ
ータから種類別酸化物量を求める演算手段とを有するこ
とを特徴とする分析試料中の酸化物分析装置。
【0018】(8) 分析試料を不活性雰囲気中で昇温
速度を制御しながら加熱する分析試料加熱手段と、前記
分析試料中の酸素と反応させる炭素源を供給する炭素源
供給手段と、前記分析試料中の酸素と前記炭素源とが反
応して発生するCOガスを抽出・搬送する不活性ガス流
を発生させる不活性ガス流発生手段と、前記不活性ガス
流により抽出・搬送されたCOガス量を赤外線吸収法に
よって計測して逐次発生する発生CO量を求める発生C
O量計測手段と、該発生CO量計測手段により逐次得ら
れる発生CO量データから発生CO量のピークを検知す
る発生CO量ピーク検知手段と、該発生CO量ピーク検
知手段により検知された発生CO量のピーク出現毎に前
記不活性ガス流の流量を減少させる不活性ガス流量制御
手段と、前記発生CO量計測手段から時系列的に得られ
る発生CO量データから種類別酸化物量を求める演算手
段とを有することを特徴とする分析試料中の酸化物の分
析装置。
【0019】にある。
【0020】まず本発明は、分析試料を不活性雰囲気中
で加熱して、炭素源と反応させ、前記分析試料中の酸素
が前記炭素源と反応して発生するCOガスを不活性ガス
流中に抽出し、該抽出したCOガスを赤外線吸収法によ
って計測・分析して反応酸素量を求める技術を基礎とし
ている。炭素源は特に限定されるものではないが、黒鉛
るつぼ、黒鉛粉末、黒鉛カプセルや分析試料中に含まれ
る炭素などが炭素源として使用できる。
【0021】中でも炭素源として黒鉛坩堝を用い、分析
試料を黒鉛坩堝中に投入して加熱溶融してCOガスを発
生させる手段が実用的である。炭素源として黒鉛粉末を
用い、分析試料と混合して加熱する方法でも良い。
【0022】本発明の特徴の一つは、上記技術を基礎と
し、分析試料の昇温速度を制御しながら炭素源と反応さ
せて、逐次発生するCOガスを不活性ガス流中に抽出
し、該COガスを逐次分析して反応酸素量または発生C
O量を求め、反応酸素量データまたは発生CO量データ
を時系列的に蓄積する点にある。こうして逐次得られる
反応酸素量データまたは発生CO量データから、酸化物
の種類別の酸素量または酸化物量を算出することができ
るのである。
【0023】すなわち、分析試料中の酸化物と炭素源
は、MO+C=M+CO(M:金属、O:酸素、C:炭
素)の反応を起こしていると考えられている。しかして
本発明者は、前記反応の反応温度が酸化物の種類毎に異
なることから、分析試料の昇温速度を精密に制御しなが
ら加熱して炭素源と反応させることによって、酸化物の
種類毎にタイミングを分離して反応させCOガスを抽出
できることを見い出したものである。この方法により、
タイミングを分離して抽出したCOガスを不活性ガス流
によって搬送し、逐次計測・分析することによって、あ
るタイミングに反応した種類の酸化物に由来の酸素量ま
たは該種類の酸化物量を算出することができる。
【0024】酸化物の種類別の酸素量または酸化物量を
算出又は演算する手段としては、大きく分けて、反応酸
素量データを時系列的に蓄積し、この時系列的に蓄積し
た反応酸素量データから求める方法と、発生CO量デー
タを時系列的に蓄積し、この時系列的に蓄積した発生C
O量データから求める方法とがある。
【0025】時系列的に蓄積した反応酸素量データから
求める方法としては、各種類の酸化物毎の反応タイミン
グ(下記の波形に表わす方法によれば、各波形の出現時
期)に対応する反応時間中のデータを積分し、酸化物の
種類毎の酸素量または酸化物量を求めれば良い。また、
逐次反応酸素データを蓄積し、全体の酸化物量あるいは
酸素量の算出を行う。
【0026】時系列的に蓄積した発生CO量データから
求める方法としては、各種類の酸化物毎の反応タイミン
グ(下記の波形に表わす方法によれば、各酸化物の出現
時期)に対応する反応時間中のデータを積分し、得られ
た酸化物ごとの還元反応で発生したCOガス量よりそれ
ぞれの酸素量あるいは酸化物量の算出を行えば良い。ま
た、逐次反応COデータを蓄積し、全体の酸化物量ある
いは酸素量の算出を行う。
【0027】本発明実施例の方法並びに装置で得られた
抽出酸素量(抽出COガス量と対応している)を時系列
的に表示したグラフの一例を図示すると図1のようにな
る。例えば、n種類の酸化物が分析試料中に含有されて
いるとすれば、還元されやすい酸化物の順に第一のピー
クを有する第一の波形、第二のピークを有する第二の波
形、という形でn個のピークを有する波形が得られる。
【0028】分析試料の昇温速度の制御は、具体的に
は、徐々に昇温しながら、抽出酸素量又は抽出COガス
量の第一のピークの出現から第一の波形の終了までを一
定温度とし、第一の波形の終了から第二のピーク出現ま
で徐々に昇温し、さらに、第二のピークの出現から第二
の波形の終了までを一定温度とし、第二の波形の終了か
ら第三のピーク出現まで徐々に昇温し、さらに、第三の
ピークの出現から第三の波形の終了までを一定温度と
し、第三の波形の終了から第四のピーク出現まで徐々に
昇温する、というように、昇温と一定温度保持の繰り返
しパターンが好ましい。
【0029】より具体的には、例えば、4種類の酸化物
系介在物の含まれる軸受鋼の分析の場合には、試料の加
熱開始点から第一の波形のピーク出現点までの昇温速度
を1℃/sec、第一の波形のピーク出現点から第一の
波形終了点までの昇温速度を0℃/secとし、次い
で、第一の波形の終了点から第二のピーク出現点までの
昇温速度を再び1℃/secとし、第二のピーク出現点
から第二の波形の終了点までの昇温速度を0℃/sec
とする。次いで、第二の波形の終了点から第三のピーク
出現点までの昇温速度を1℃/secとし、第三のピー
ク出現点から第三の波形の終了点までの昇温速度を0℃
/secとする。次いで、第三の波形の終了点から第四
のピーク出現点までの昇温速度を再び1℃/secと
し、第四のピーク出現点から第四の波形の終了点までの
昇温速度0℃/secとする。第四の波形の終了点から
分析終了まで再び1℃/secとする。この操作によ
り、包含される4種類の介在物のそれぞれに対応する4
つのピークを得る。というように制御すれば良い。
【0030】各ピークの波形の発生し始める温度は、昇
温速度が速すぎると第一の酸化物と第二の酸化物の反応
の温度範囲が近くなり、波形の分離が困難となる。ま
た、昇温速度は遅ければ遅いほど熱力学的平衡条件に近
づくと考えられる。一方、昇温速度が遅すぎると、分析
能率が悪くなり、実用鋼の分析には適さない。これらの
点から分析試料の昇温速度は0.01℃/s以上20℃
/s以下とすることが推奨される。
【0031】本発明の対象となる酸化物の種類は特に限
定されるものではないが、例えば、Al23 、SiO
2 、CaO、MgO、MnO、Cr23 、TiO2
およびこれらの複合酸化物系介在物などが挙げられる。
本発明の対象とする分析試料の代表例である鉄鋼材料を
見ると、鉄鋼材料中の酸化物系介在物としてのAl23
、SiO2 、CaO、MgO、MnOなどの種々の酸
化物が挙げられる。また、これらは単体で存在するだけ
でなく、MgO・Al23 のように複合形態をとるも
のなど多種多様に存在する。
【0032】次に、本発明の別の特徴の一つは、上述の
ように分析試料の昇温速度を制御しながら逐次抽出した
COガスを逐次分析して、反応酸素量又は発生CO量を
求め、こうして逐次得られる反応酸素量データ又は発生
CO量データから反応酸素量又は発生CO量のピークを
検知し、検知された反応酸素量又は発生CO量のピーク
出現毎にCOガスを抽出する不活性ガス流の流量を減少
せしめながら分析する点にある。
【0033】すなわち、上述のように酸化物の分解する
温度は酸化物の種類毎に異なるが、本発明者はさらに、
各酸化物の分解温度が各酸化物と炭素源の反応の際の雰
囲気のCO分圧により影響を受けることを見出した。さ
らに研究の結果、図2に示すように、熱力学平衡計算や
実測結果によりそれぞれ酸化物の反応温度とCO分圧と
の関係が推定または測定できた。
【0034】図2に示した酸化物の種類別の分解温度と
CO分圧(酸化物を構成する酸素量に相当する)の関係
を示す説明図から判るように、酸化物の分解温度はCO
分圧によって変化すると考えられる。したがって、それ
ぞれの酸化物が分解する時のCO分圧によっては酸化物
の種類が異なっても酸化物の分解温度が同温度を示す場
合があり、このような場合には図1に示したそれぞれの
波形が重なってしまうものと考えられる。この場合に
は、酸化物の種類を同定することが出来ない。
【0035】これを式に表せば、下記のようになる。
【0036】 ΔG=−RTlnPCO …(1) ここで、ΔGは酸化物の生成自由エネルギー、Rはガス
定数、Tは温度、PCOは酸化物が炭素により還元された
時のCOガスの分圧であり、これは各酸化物の酸素量に
相当する。
【0037】上述の抽出酸素量(抽出COガス量)曲線
の各波形は、互いに重なり合うことなく、互いに離れれ
ば離れるほど、それぞれの酸化物毎に精度よく取り出せ
ることになる。
【0038】しかして、このような知見から、本発明者
は、本発明の課題を解決するためにはCOガス抽出時の
雰囲気のCO分圧を制御する方策が必要であると考え
た。CO分圧は下記の式2のように表すことができる。
【0039】 {(COガス量)/(不活性ガス量+COガス量)}=CO分圧 …(2) ここで、式2の分子の値は分析試料中の酸素量によって
必然的に決まる値である。分母の値の中、不活性ガス量
を変化させれば、分析時のCO分圧が任意に制御できる
ことになる。
【0040】すなわち、不活性ガス量を変化させる方法
により、分析時の酸化物の種類毎の分解温度が任意に制
御でき、酸化物毎のCOガス抽出曲線の各波形の分離性
が著しく改善出来るのである。
【0041】こうして、逐次得られる反応酸素量データ
又は発生CO量データから反応酸素量又は発生CO量の
ピークを検知し、検知された反応酸素量又は発生CO量
のピーク出現毎にCOガスを抽出する不活性ガス流の流
量を減少せしめながら分析する本発明の分析方法が開発
されたのである。
【0042】反応酸素量データ又は発生CO量データか
ら反応酸素量又は発生CO量のピークを検知する手段と
しては、電量法、導電率法、ガスクロマトグラフ法、赤
外線吸収法、非水溶媒法といった手段を用いることがで
きる。
【0043】また、検知された反応酸素量又は発生CO
量のピーク出現毎にCOガスを抽出する不活性ガス流の
流量を減少せしめる不活性ガス流量制御手段としては、
例えば、流量計と不活性ガス流量制御弁を用い、任意の
流量調整が可能とするように構成すれば良い。
【0044】さらに、COガスを抽出する不活性ガス流
量は2000cc/min以下であることが好ましい。
これは、COガスを抽出する不活性ガス流量が2000
cc/minを越えると、ピークを検知する手段によっ
て異なるが、検知したガス量のばらつきが大きくなりや
すいからである。不活性ガス流量は、例えば図3に示し
た本発明実施例装置で言えば、図中の8,9のガス流量
制御器で流量調整すれば良い。
【0045】さらに本発明者は不活性ガス搬送−赤外線
吸収法による分析を行う場合に、分析試料の溶解量も重
要であるという新しい知見を得た。すなわち、例えば極
低酸素量の金属などの分析試料や、全酸素量が低く、酸
化物の種類が多い分析試料の場合には、それぞれの酸化
物から発生する酸素量が極少量であるため、酸素の抽出
波形が酸素量とは関係のない装置特有のノイズと重な
り、分析試料中の酸化物から発生した酸素量のみの分離
が困難となる傾向がある。これを防止するためには、試
料の溶解量を多くすれば良いが、分析能率と均一溶解の
点から、おおむね5グラム以下とすることが好ましい。
【0046】図4に示した赤外線CO吸収検出装置10
の参照セル21には赤外吸収のない窒素などが、検出器
22には高濃度の被測定成分ガスが満たされている。検
出器22は薄い隔板23で二つの部屋に仕切られてお
り、この隔板23につけた金属板がコンデンサー24の
一極となっている。試料中に被測定成分があると、それ
によって吸収された分だけ検出器22に入る光量が減少
し、検出器22の両室間に圧力差が生じて隔板23が変
位し、コンデンサー24の容量が変化する。この容量変
化を測定して被測定成分の濃度を知ることが出来る。
【0047】赤外線CO吸収検出装置10の感度は参照
セル21と測定セル25の光量差に依存する。この光量
差を大きくするには赤外線CO吸収検出装置の光路長L
が重要となる。光路長Lが50mmを越えると、赤外光
源26の強度との組み合わせにもよるが、抽出波形の信
号とノイズの判別が困難になったり、正常な波形が得ら
れなくなる。また、光路長Lが短すぎると、参照セル2
1と測定セル25の光量の差が現れにくくなる。このこ
とから、本発明の赤外線CO吸収検出装置の光路長Lは
≦50mmが好ましい。
【0048】なお、本発明において使用する赤外線CO
吸収検出装置としては、クロスフロー式など種々の形式
や構造があるが、これらの形式や構造、種類などは上述
の測定原理を満足するものであれば、特に限定するもの
ではない。
【0049】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と共に図3の
図面と表1を参照しながら説明する。
【0050】図3は本発明方法が適用される試料分析装
置の要部の構成を概略的に示したものである。この図に
おいて、1は直接通電方式の抽出炉で、その内部には試
料を収容する坩堝2を挟持してこれを通電加熱するため
の上部電極、下部電極3,4が設けられている。5は交
流電源で、その一端は電流計6を介して上部電極3に接
続してあり、他端は下部電極4に接続してある。7は両
電極3,4間の電圧を測定するための電圧計である。
【0051】16は本試料分析装置のガス流路であり、
このガス流路には抽出炉1への導入ガスの流量を調整す
る流量制御器8、赤外線CO吸収検出装置10へのガス
の流量を調整する流量制御器9が接続してあり、赤外線
CO吸収検出装置10で試料中の酸素を分析する。赤外
線CO吸収検出装置10の後には、ガス中のCOを選択
的に酸化してCO2 に変換する常温酸化器11、この常
温酸化器で生成されたCO2 のみを選択的に除去するC
2 除去器12、ガス中のH2 Oを選択的に除去するH
2 O除去器13を介して熱伝導型分析計14が接続して
あり、試料中の窒素を分析するように構成されている。
【0052】17は電気信号制御回路であり、抽出ガス
信号を15のマイクロコンピューターに送るとともに、
雰囲気ガスのHe量制御の信号を8,9のガス流量制御
弁に送る。
【0053】15はマイクロコンピューターなどの演算
制御部で試料から抽出ガス信号を演算処理して、酸化物
系介在物の種類毎の酸素量や窒素量を定量する。
【0054】この図3に示した分析装置を用いて、下記
の実施例並びに比較例の分析を行った。各例の概要をそ
の結果と共に表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】比較例1は人工的に作成した酸化物の粉末
を用いて分析した例である。粉末の溶解量は0.5gで
あり、この中のAl23 としての酸素量が0.141
mg、MgOとしての酸素量が0.040mg、CaO
としての酸素量が0.028mgになるように、Al2
3 粉末、MgO粉末、CaO粉末を微量天秤を用いて
正確に秤量した。こられの三つの粉末を混合して、あら
かじめ2773K、雰囲気ガスHe流量は2000ml
/minで脱気した黒鉛るつぼ2に挿入した。ガス抽出
時のガス流量制御器8,9を流れる雰囲気ガスのHe量
は400ml/minとした。抽出されたガスはガス流
路16を介して赤外線CO吸収検出装置(光路長50m
m)に導入され、前述した赤外線CO吸収機構により測
定され、マイクロコンピューター15で酸素ガス量が演
算される。試料の昇温速度10℃/sである。測定結果
は図1に示したような複数の波形、この場合は三つの波
形に分離せず、第一の波形のみ出現した。全酸素量は
0.201mgであり、挿入した酸素量の殆どが回収出
来た。
【0057】実施例1の分析対象は比較例1に示した粉
末の種類、混合量とも同じ同一対象である。また、不活
性ガス流量以外の分析条件も比較例1と同じにした。不
活性ガス流量の制御は以下の通りとした。第一の波形の
ピーク出現までは、ガス流量制御器8,9を流れる雰囲
気ガス量は600ml/minにした。その後、第一の
波形のピーク出現終了後、ガス流量制御器8,9を流れ
る雰囲気ガスを500ml/minに減少させた。そう
すると、第二の波形が第一の波形と分離して出現した。
【0058】第二の波形のピーク出現までをガス流量制
御器8,9を流れる雰囲気ガス量を500ml/min
のままにした。第二の波形のピーク出現後、更に昇温し
ガス流量制御器8,9を流れる雰囲気ガス量を400m
l/minに減少させた。そうすると、第三の波形が第
二の波形と分離して出現した。第三の波形のピーク出現
までをガス流量制御器8,9を流れる雰囲気ガス量を4
00ml/minのままにし、第三の波形のピーク出現
後は更に昇温しガス流量制御器8,9を流れる雰囲気ガ
ス量を300ml/minに減少させた。そのまま次の
波形は出現せず、ガス抽出を完了した。
【0059】第一の波形はAl23 酸化物に相当する
酸素量を示す波形であり、酸素量は0.141mgであ
った。第二の波形はMgO酸化物に相当する酸素量を示
す波形であり、酸素量は0.040mgであった。第三
の波形はCaO酸化物に相当する酸素量を示す波形であ
り、酸素量は0.028mgであった。このように、分
析時の不活性ガス流量を波形の出現順に減少させていく
と、ガス抽出時のCO分圧が上昇し、酸化物の分解温度
が高温側に変化して、それぞれの波形の分離性が良くな
ったものと考えられる。このように、分析時の不活性ガ
ス流量を制御することによって、粉末試料中の三つの種
類の酸化物の酸素の形態別分析が可能になった。
【0060】比較例2は軸受用鋼を用いて分析した例で
ある。この軸受用鋼中の介在物の組成は、Al23
MgO、CaOから構成されている。介在物の抽出分離
法によって、あらかじめ介在物の組成毎の酸素量を定量
化したところ、Al23 に相当する酸素量は2.5p
pm、MgOに相当する酸素量は1.5ppm、CaO
に相当する酸素量は1.0ppmであった。試料の昇温
速度、不活性ガス流量、赤外線CO吸収検出器の光路
長、などの分析条件は比較例1と同じである。抽出波形
は三つに分離せず一つの波形であって、酸素の抽出量は
全量で4.9ppmであった。
【0061】実施例2の分析対象は比較例2に示した軸
受鋼と同じである。また、不活性ガス流量以外の分析条
件は比較例2と同じにした。不活性ガス流量の制御は以
下の通りとした。第一の波形のピーク出現までは、ガス
流量制御器8,9を流れる雰囲気ガス量を600ml/
minにした。その後、第一の波形のピーク出現後、ガ
ス流量制御器8,9を流れる雰囲気ガス量を500ml
/minに減少させた。そうすると、第二の波形が第一
の波形と明瞭に分離して出現した。第二の波形のピーク
出現までをガス流量制御器8,9を流れる雰囲気ガス量
を500ml/minのままにした。第二の波形のピー
ク出現後、更に昇温しガス流量制御器8,9を流れる雰
囲気ガス量を400ml/minに減少させた。そうす
ると、第三の波形が第二の波形と明瞭に分離して出現し
た。第三の波形のピーク出現までをガス流量制御器8,
9を流れる雰囲気ガス量を400ml/minのままに
し、第三の波形のピーク出現後は更に昇温しガス流量制
御器8,9を流れる雰囲気ガス量を300ml/min
に減少させた。そのまま次の波形は出現せず、ガス抽出
を完了した。第一の波形はAl23 介在物に相当する
酸素の抽出曲線であり、2.49ppmを示した。第二
の波形はMgO介在物に相当する酸素の抽出曲線であ
り、1.48ppmを示した。第三の波形はCaO介在
物に相当する酸素の抽出曲線であり、0.96ppmを
示した。
【0062】このように、分析時の不活性ガス流量を波
形の出現順に減少させていくと、粉末試料での分析例と
同じように、ガス抽出時のるつぼ2内のCO分圧が上昇
し、酸化物の分解温度が雰囲気ガス流量が一定の場合に
比べ、より高温側に変化して、それぞれの波形の分離性
が良くなったものと考えられる。このように、分析時の
不活性ガス流量を制御することによって、軸受鋼試料の
三つの種類の酸化物の酸素の形態別分析が可能になっ
た。
【0063】実施例3は比較例2および実施例2と同じ
軸受鋼である。比較例2および実施例2の試料の溶解量
1gに対し、試料の溶解量を3gに増加させた。他の溶
解やガス流量条件は実施例2と全く同じである。実施例
2に比較して、それぞれの酸化物から発生する酸素の絶
対量が増加し、第一の波形、第二の波形、第三の波形の
分離性はさらに向上し、それぞれの酸化物の定量値は向
上した。
【0064】実施例4は表1に示していないが、軸受鋼
1gを用いて昇温速度とガス流量を同時に制御して分析
した例である。この軸受鋼中の介在物の組成は、SiO
2 、Al23 、MgO、CaOから構成されている。
介在物の抽出分離法によって、あらかじめ介在物の組成
毎の酸素量を定量化したところ、SiO2 に相当する酸
素量は0.8ppm、Al23 に相当する酸素量は
2.1ppm、MgOに相当する酸素量は1.4pp
m、CaOに相当する酸素量は1.0ppmであった。
試料の加熱開始から第一の波形のピーク出現点間の昇温
速度を1℃/s、第一の波形のピーク出現点から第一の
波形の終了点までの昇温速度を0℃/sとした。この時
の第一の波形のピーク出現までは、ガス流量制御器8,
9を流れる雰囲気ガス量は600ml/minにした。
その後、第一の波形のピーク出現後から第二の波形のピ
ーク出現までを、ガス流量制御器8,9を流れる雰囲気
ガス量を500ml/minに減少させた。そうする
と、第二の波形が第一の波形と明瞭に分離して出現し
た。第一の波形の終了点から第二のピーク出現点までの
昇温速度は1℃/sとした。
【0065】第二の波形のピーク出現点から第二の波形
の終了点までの昇温速度をふたたび0℃/sとした。第
二の波形のピークが出現すると、ガス流量制御器8,9
を流れる雰囲気ガス量を第三の波形のピークが出現する
まで400ml/minに減少させた。そうすると、第
三の波形が第二の波形と明瞭に分離して出現した。第二
の波形の終了点から第三の波形のピーク出現点までの昇
温速度は1℃/sとした。
【0066】第三の波形のピーク出現点から第三の波形
の終了点までの昇温速度をふたたび0℃/sとした。第
三の波形のピークが出現すると、ガス流量制御器8,9
を流れる雰囲気ガス量を第四の波形のピークが出現する
まで350ml/minに減少させた。そうすると、第
四の波形が第三の波形と明瞭に分離して出現した。第三
の波形の終了点から第四の波形のピーク出現点までの昇
温速度は1℃/sとした。
【0067】第四の波形のピーク出現点から第四の波形
の終了点までの昇温速度をふたたび0℃/sとした。第
四の波形のピークが出現すると、ガス流量制御器8,9
を流れる雰囲気ガス量を300ml/minに減少させ
るとともに、第四の波形終了点から再び昇温速度を1℃
/sとしたが、以降は分析終了までガス抽出が見られな
かった。第一の波形はSiO2 に相当する酸素の抽出曲
線であり、0.79ppmを示した。第二の波形はAl
23 に相当する酸素の抽出曲線であり、2.1pp
mを示した。第三の波形はMgOに相当する酸素の抽出
曲線であり、1.4ppmを示した。第四の波形は、C
aOに相当する酸素の抽出曲線であり、1.0ppmで
あった。このように昇温速度とガス流量を同時に制御し
て分析すると、あらかじめ介在物の組成毎の酸素量を定
量化した結果と極めて良い一致を得ることができる。ま
た波形のピーク位置が、ガス流量制御のみの結果に比べ
て明瞭に判別できた。
【0068】それぞれの波形の分離性は、ガス抽出時の
試料の昇温速度を遅くするほど実施例の効果は更に向上
する。
【0069】なお、流量制御器8と流量制御器9のガス
流量は同じでも良いが、抽出ガス量が多くて抽出波形の
表示がピークアウトする場合があり、この場合は流量制
御器9のガス流量を減少させると良い。
【0070】以上に示したように本発明の装置を、不活
性ガス融解搬送−赤外線吸収方式の酸素の形態別分析に
適用したことで、試料中の酸化物系介在物を種類別に精
度よく分離、分析できた。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の分析方法
あるいは装置によれば、分析試料中の酸化物系介在物な
どの酸化物の種類別の酸素量または酸化物量を手間をか
けることなく、微量であっても正確かつ迅速に計測・分
析することが可能となり、その効果は極めて大きいもの
である。また、このような本発明は、製鋼分野など、酸
化物の形態や量、酸素量などを精密に制御することが要
望されている業界のニーズに答えた極めて有用な発明で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸化物系介在物の種類別の抽出酸素量曲線を示
す説明図である。
【図2】熱力学的計算から求められる、酸化物の種類別
の分解温度とCO分圧(酸化物を構成する酸素量)の関
係を示す概念図である。
【図3】本発明実施例の試料分析装置を概略的に示す装
置構成図である。
【図4】赤外線CO吸収検出装置を概略的に示す説明図
である。
【符号の説明】
A〜F…酸化物の種類 1…直接通電方式の抽出炉 2…るつぼ 3…上部電極 4…下部電極 5…交流電源 6…電流計 7…電圧計 8,9…ガス流量制御弁 10…赤外線CO吸収検出装置 11…常温酸化器 12…CO2 除去器 13…H2 O除去器 14…熱伝導型分析計 15…マイクロコンピューター 16…ガス流路 17…電気信号制御回路 21…参照セル 22…検出器 23…隔板 24…コンデンサー 25…試料セル 26…光源 27…凹面鏡 28…試料ガス流入口 29…試料ガス排出口 30…干渉ガスセル 31…回転セクター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−148167(JP,A) 特開 平6−331577(JP,A) 特開 平11−83841(JP,A) 特開 平6−148170(JP,A) 特開 平11−30613(JP,A) 特開 昭62−133352(JP,A) 特開 平11−64324(JP,A) 特開 平9−159629(JP,A) 特開 平6−249845(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 31/00 G01N 33/20

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分析試料を不活性雰囲気中で加熱して、
    昇温速度を制御しながら炭素源と反応させ、前記分析試
    料中の酸素が前記炭素源と反応して逐次発生するCOガ
    スを不活性ガス流中に抽出し、該抽出したCOガスを赤
    外線吸収法によって逐次分析して反応酸素量を求め、こ
    うして逐次得られる反応酸素量データから反応酸素量の
    ピークを検知し、検知された反応酸素量のピーク出現毎
    に前記不活性ガス流の流量を減少せしめながら分析して
    反応酸素量データを時系列的に蓄積し、該蓄積した反応
    酸素量データから前記分析試料中の酸化物の種類別酸素
    量を求めることを特徴とする分析試料中の酸化物の種類
    別酸素分析方法。
  2. 【請求項2】 分析試料を不活性雰囲気中で加熱して、
    昇温速度を制御しながら炭素源と反応させ、前記分析試
    料中の酸素が前記炭素源と反応して逐次発生するCOガ
    スを不活性ガス流中に抽出し、該抽出したCOガス量を
    赤外線吸収法により逐次計測し、こうして逐次得られる
    発生CO量データから発生CO量のピークを検知して、
    検知された発生CO量のピーク出現毎に前記不活性ガス
    流の流量を減少せしめながら発生CO量データを時系列
    的に蓄積し、該蓄積した発生CO量データから前記分析
    試料中の酸化物の種類別酸素量を求めることを特徴とす
    る分析試料中の酸化物の種類別酸素分析方法。
  3. 【請求項3】 分析試料を不活性雰囲気中で加熱して、
    昇温速度を制御しながら炭素源と反応させ、前記分析試
    料中の酸素が前記炭素源と反応して逐次発生するCOガ
    スを不活性ガス流中に抽出し、該抽出したCOガスを赤
    外線吸収法によって逐次分析して反応酸素量を求め、こ
    うして逐次得られる反応酸素量データから反応酸素量の
    ピークを検知し、検知された反応酸素量のピーク出現毎
    に前記不活性ガス流の流量を減少せしめながら分析して
    反応酸素量データを時系列的に蓄積し、該蓄積した反応
    酸素量データから前記分析試料中の酸化物の種類別の酸
    素量を求め、該酸化物種類別酸素量から種類別酸化物量
    を求めることを特徴とする分析試料中の酸化物の分析方
    法。
  4. 【請求項4】 分析試料を不活性雰囲気中で加熱して、
    昇温速度を制御しながら炭素源と反応させ、前記分析試
    料中の酸素が前記炭素源と反応して逐次発生するCOガ
    スを不活性ガス流中に抽出し、該抽出したCOガス量を
    赤外線吸収法により逐次計測し、こうして逐次得られる
    発生CO量データから発生CO量のピークを検知して、
    検知された発生CO量のピーク出現毎に前記不活性ガス
    流の流量を減少せしめながら発生CO量データを時系列
    的に蓄積し、該蓄積した発生CO量データから前記分析
    試料中の酸化物の種類別酸素量を求め、該酸化物種類別
    酸素量から種類別酸化物量を求めることを特徴とする分
    析試料中の酸化物の分析方法。
  5. 【請求項5】 分析試料を不活性雰囲気中で昇温速度を
    制御しながら加熱する分析試料加熱手段と、前記分析試
    料中の酸素と反応させる炭素源を供給する炭素源供給手
    段と、前記分析試料中の酸素と前記炭素源とが反応して
    発生するCOガスを抽出・搬送する不活性ガス流を発生
    させる不活性ガス流発生手段と、前記不活性ガス流によ
    り搬出・搬送させたCOガスを赤外線吸収法によって分
    析して逐次反応酸素量を求める反応酸素量計測手段と、
    該反応酸素量計測手段から逐次得られる反応酸素量デー
    タから反応酸素量のピーク検知する反応酸素量ピーク検
    知手段と、該反応酸素量ピーク検知手段により検知され
    た反応酸素量のピーク出現毎に前記不活性ガス流の流量
    を減少させる不活性ガス流量制御手段とを有することを
    特徴とする分析試料中の酸化物の種類別酸素分析装置。
  6. 【請求項6】 分析試料を不活性雰囲気中で昇温速度を
    制御しながら加熱する分析試料加熱手段と、前記分析試
    料中の酸素と反応させる炭素源を供給する炭素源供給手
    段と、前記分析試料中の酸素と前記炭素源とが反応して
    発生するCOガスを抽出・搬送する不活性ガス流を発生
    させる不活性ガス流発生手段と、前記不活性ガス流によ
    り抽出・搬送されたCOガス量を赤外線吸収法によって
    計測して逐次発生する発生CO量を求める発生CO量計
    測手段と、該発生CO量計測手段により逐次得られる発
    生CO量データから発生CO量のピークを検知する発生
    CO量ピーク検知手段と、該発生CO量ピーク検知手段
    により検知された発生CO量のピーク出現毎に前記不活
    性ガス流の流量を減少させる不活性ガス流量制御手段
    と、前記発生CO量データから反応酸素量を求める反応
    酸素量算出手段、とを有することを特徴とする分析試料
    中の酸化物の種類別酸素分析装置。
  7. 【請求項7】 分析試料を不活性雰囲気中で昇温速度を
    制御しながら加熱する分析試料加熱手段と、前記分析試
    料中の酸素と反応させる炭素源を供給する炭素源供給手
    段と、前記分析試料中の酸素と前記炭素源とが反応して
    発生するCOガスを抽出・搬送する不活性ガス流を発生
    させる不活性ガス流発生手段と、前記不活性ガス流によ
    り搬出・搬送させたCOガスを赤外線吸収法によって分
    析して逐次反応酸素量を求める反応酸素量計測手段と、
    該反応酸素量計測手段から逐次得られる反応酸素量デー
    タから反応酸素量のピーク検知する反応酸素量ピーク検
    知手段と、該反応酸素量ピーク検知手段により検知され
    た反応酸素量のピーク出現毎に前記不活性ガス流の流量
    を減少させる不活性ガス流量制御手段と、前記反応酸素
    量計測手段から時系列的に得られる反応酸素量データか
    ら種類別酸化物量を求める演算手段とを有することを特
    徴とする分析試料中の酸化物分析装置。
  8. 【請求項8】 分析試料を不活性雰囲気中で昇温速度を
    制御しながら加熱する分析試料加熱手段と、前記分析試
    料中の酸素と反応させる炭素源を供給する炭素源供給手
    段と、前記分析試料中の酸素と前記炭素源とが反応して
    発生するCOガスを抽出・搬送する不活性ガス流を発生
    させる不活性ガス流発生手段と、前記不活性ガス流によ
    り抽出・搬送されたCOガス量を赤外線吸収法によって
    計測して逐次発生する発生CO量を求める発生CO量計
    測手段と、該発生CO量計測手段により逐次得られる発
    生CO量データから発生CO量のピークを検知する発生
    CO量ピーク検知手段と、該発生CO量ピーク検知手段
    により検知された発生CO量のピーク出現毎に前記不活
    性ガス流の流量を減少させる不活性ガス流量制御手段
    と、前記発生CO量計測手段から時系列的に得られる発
    生CO量データから種類別酸化物量を求める演算手段と
    を有することを特徴とする分析試料中の酸化物の分析装
    置。
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