JP2000027991A - 電動式変速装置における変速軸のニュートラル位置決定方法 - Google Patents
電動式変速装置における変速軸のニュートラル位置決定方法Info
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Abstract
転位置を正確に検知することが可能な電動式変速装置に
おける変速軸のニュートラル位置決定方法を提供する。 【解決手段】 駆動モータによって一方側または他方側
に揺動される変速軸と、前記変速軸の回転角度を検知す
る角度センサとを具備し、前記変速軸のニュートラル位
置からの揺動方向および揺動角度に基づいて所定の変速
制御を実行する電動式変速装置における変速軸のニュー
トラル位置決定方法において、一方側または他方側の回
動限界まで揺動された変速軸の各回転角度をそれぞれ検
知し、前記一方側および他方側の回動限界で検知された
回転角度の中間を変速軸のニュートラル位置として更新
登録する。
Description
クラッチの断続を電気的に行なう電動式変速装置におけ
る変速軸のニュートラル位置決定方法に係り、特に、駆
動モータによって揺動される変速軸の揺動方向および揺
動角度に基づいて、所定の変速制御を実行する電動式変
速装置における変速軸のニュートラル位置決定方法に関
する。
ー)およびシフトチェンジレバーの双方を操作してギア
シフトを行なう従来の変速装置に対して、ギアシフトを
モータの動力を利用して行なう電動式変速装置が、特開
平5−39865号公報に開示されている。これに対し
て、クラッチの断続もモータにより同時に行なうことが
考えられる。
回動し、変速軸と連動してクラッチの断続を制御すると
共に、変速軸と連動するシフトドラムおよびシフトフォ
ークを介してスリーブをメーンシャフト上で駆動し、前
記スリーブを予定のギアに係合させて変速段を確立す
る。
トドラム等の回動を変速軸と連動させる場合、その動作
タイミングは変速軸の回転角度に基づいて決定する必要
があるので、変速軸の回転角度を正確に検知する必要が
ある。
動中心位置すなわちニュートラル位置からの相対的な回
転角度で代表させようとすると、変速軸がニュートラル
位置にあるときの角度センサの出力電圧が所定値を示す
ように、角度センサの取付け、あるいは角度センサと変
速軸との連結等を正確に行わなければならない。
ことができたとしても、経年劣化によって角度センサの
感度が変化してしまうと、変速軸の回転位置を正確に検
知することができなくなってしまう。
を解決し、複雑な組立て作業を必要とせずに変速軸の回
転位置を正確に検知することが可能な電動式変速装置に
おける変速軸のニュートラル位置決定方法を提供するこ
とにある。
ために、本発明では、駆動モータによって一方側または
他方側に揺動される変速軸と、前記変速軸の回転角度を
検知する角度センサとを具備し、前記変速軸のニュート
ラル位置からの揺動方向および揺動角度に基づいて所定
の変速制御を実行する電動式変速装置における変速軸の
ニュートラル位置決定方法において、以下のような手段
を講じた点に特徴がある。(1) 一方側または他方側の回
動限界まで揺動された変速軸の各回転角度をそれぞれ検
知し、各回転角度の中間点を変速軸のニュートラル位置
として更新登録する。(2) 一方側または他方側の回動限
界まで揺動された変速軸の各回転角度をそれぞれ検知
し、前記検知された各回転角度が、それぞれ一方側また
は他方側許容範囲内にあるか否かを判定し、前記各回転
角度がそれぞれ各許容範囲内にあれば、各回転角度を、
それぞれ一方側または他方側最大角度として更新登録す
ると共に、前記一方側または他方側許容範囲を縮小し、
前記各回転角度がそれぞれ前記一方側または他方側許容
範囲内になければ、当該一方側または他方側許容範囲を
拡大し、前記一方側および他方側最大角度の中間を変速
軸のニュートラル位置として更新登録する。
側または他方側の回動限界まで揺動されれば、その際の
変速軸の各回転角度に基づいて変速軸のニュートラル位
置が求められるので、常に正確なニュートラル位置を求
められる。
ートラル位置検知が進ほど許容範囲が狭まるので、ノイ
ズ等の影響を受けて狂った回転角度が入力されても、こ
れを除去することができる。さらに、許容範囲を越える
回転角度が検知されるごとに前記許容範囲が徐々に広げ
られるので、許容範囲を越える回転角度が真の回転角度
である場合でも、これが除去され続けることはない。
細に説明する。図1は、本発明の電動式変速装置が搭載
される車両の操作部の平面図である。
イッチ51およびシフトダウンスイッチ52と、前照灯
の向きを切り換えるディマースイッチ53と、前照灯の
点灯/非点灯を切り換えるライティングスイッチ54
と、エンジンのスタートスイッチ55およびストップス
イッチ56とが設けられている。本実施形態では、前記
各シフトスイッチ51、52を押下してオン操作するご
とに、シフトポジションがそれぞれ1段づつ上下にシフ
トする。
変速装置の駆動系の主要部の構成を示した部分断面図で
ある。
は、減速ギア機構2を介してシフトスピンドル3を正逆
転方向へ回動させる。シフトスピンドル3(変速軸)の
回転位置(角度)は、その一端に設けられたアングルセ
ンサ28によって検知される。シフトスピンドル3から
垂直に伸びたクラッチアーム6の一端には、シフトスピ
ンドル3の回転運動を直進運動に変換する変換機構8が
設けられている。変換機構8は、駆動モータ1によって
シフトスピンドル3がニュートラル位置から回動される
と、その回動方向とは無関係に、変速クラッチ5の接続
を回動過程で解除し、再びニュートラル位置まで逆向き
に回動される過程で接続状態に戻す。クラッチアーム6
および変換機構8は、シフトスピンドル3が予定角度
(例えば、±6度)まで回動された時点で変速クラッチ
5の接続が解除されるように構成されている。
アーム7の一端は、シフトドラム軸8に設けられたクラ
ッチ機構9と係合し、駆動モータ1によってシフトスピ
ンドル3が回動されると、その回動方向に応じた方向へ
シフトドラム10を回動させる。マスターアーム7およ
びクラッチ機構9は、シフトスピンドル3がニュートラ
ル位置からいずれかの方向へ回動されたときはシフトス
ピンドル3と係合してシフトドラム10を回動し、ニュ
ートラル位置へ戻る方向へ回動されたときは、係合状態
を解除してシフトドラム10を当該位置にとどめるよう
なクラッチ機構を構成する。
して後述する各スリーブ30の外周溝31に係合し、シ
フトドラム10の回動に応じて各シフトフォーク11が
軸方向に平行移動されると、シフトドラム10の回転方
向および回転角度に応じて、いずれかのスリーブがメー
ンシャフト4上で平行移動する。
り、メーンシャフト(図示省略)に対して軸方向に摺動
可能な状態で挿貫されている。スリーブ30の外周側面
には、前記シフトフォーク11の先端が係合される溝3
1が円周方向に沿って形成されている。スリーブ30の
軸穴の外周部には、図5に関して後述するギア40の凹
側ダボ42と係合する複数の凸側ダボ32が、環状フラ
ンジ33と共に一体的に形成されている。
ーンシャフト(図示省略)上の所定位置に回転自在に軸
支されている。ギア40の軸穴の外周部には、前記スリ
ーブ30の凸側ダボ32と係合する複数の凹側ダボ42
が、環状フランジ43と一体的に形成されている。図3
は、前記スリーブ30およびギア40が各ダボ32、4
2によって相互に係合した状態を示した概念図である。
ーブ38およびギア48の斜視図であり、スリーブ38
では、複数の凸側ダボ39が、ギアの軸穴と同軸状にそ
れぞれ独立して設けられている。しかしながら、各凸側
ダボ39を独立的に構成しようとすると、十分な強度を
確保するためには各凸側ダボ39の底面積を比較的大き
くしなければならない。このため、従来技術では凸側ダ
ボ39およびギア40のダボ穴49の回転方向に関する
幅の占める割合が大きくなり、凸側ダボ39は、図示し
たように、4つ程度を設けていた。
39とギア48のダボ穴49との相対的な位置関係を模
式的に表現した図であり、ダボ穴49の回転方向の幅D
2は凸側ダボ39の幅D1の約2倍程度であった。この
ため、凸側ダボ39がダボ穴49内に係合(ダボイン)
できない期間Taが、ダボインできる期間Tbに比べて
長かった。
32が環状フランジ33によって一体的に形成されてい
るので、図13に示したように、十分な強度を保ったま
ま凸側ダボ32の回転方向の幅D3およびギア40の凹
側ダボ42の幅D4を十分に短くすることができる。こ
のため、凸側ダボ32をダボ穴46にダボインできない
期間Taを、ダボインできる期間Tbに比べて短くする
ことができ、ダボインできる確率を向上させることが可
能になる。
方向の幅D5と凸側ダボ32の幅D3との差を狭くする
ことができるので、両者の係合後における遊びを小さく
することができ、変速ショックや変速ノイズの低減が可
能になる。
うに、凸側ダボ32のテーパを凸状に湾曲させる一方
で、図7に示したように、凹側ダボ42のテーパを直線
状にしたので、図8に示したように、各ダボ32、42
を軸方向に線接触させることができる。このため、応力
の集中を防止することができ、ダボ強度を実質的に向上
させると共に、耐久性や耐摩耗性の向上が可能になる。
0がシフトフォーク11によって予定位置まで平行移動
され、スリーブ30の凸側ダボ32がギア40のダボ穴
46にダボインすると、良く知られるように、メーンシ
ャフト4に対して空転状態で支持されていたギアがスリ
ーブによって当該メーンシャフト4に係合されて同期回
転する。この結果、クラッチシャフトからカウンタシャ
フト(共に図示せず)に伝達された回転力が、当該ギア
を介してメーンシャフト4に伝達される。
変速装置が搭載される車両のエンジンは4サイクルであ
り、クランクシャフトからメインシャフトへの動力伝達
系には、クランク軸上の遠心クラッチおよびメインシャ
フト上のクラッチを介してエンジンの動力が伝達され
る。したがって、エンジン回転数が所定値以下の場合
は、遠心クラッチがメインシャフト上のクラッチへの動
力伝達をカットしており、車両停止中であればギアを何
速へもシフトすることが可能になる。
式変速装置の制御系の主要部の構成を示したブロック図
であり、図15は、図14に示したECU100の構成
例を示したブロック図である。
R(+)端子およびMOTOR(−)端子には前記駆動
モータ1が接続され、センサ信号端子S1,S2,S3
には、それぞれ車速を検知する車速センサ26、エンジ
ン回転数を検知するNe センサ27および前記シフトス
ピンドル3の回転角度を検知する前記アングルセンサ2
8が接続されている。変速指令端子G1,G2には、前
記シフトアップスイッチ51およびシフトダウンスイッ
チ52が接続されている。
インスイッチ23およびヒューズボックス24を介して
ECU100のMAIN端子に接続されると共に、フェ
ールセーフ(F/S)リレー25およびヒューズボック
ス24を介してVB端子にも接続されている。フェール
セーフ(F/S)リレー25の励磁コイル25aはRE
LAY端子に接続されている。
に、前記MAIN端子およびRELAY端子が電源回路
106に接続され、電源回路106はCPU101に接
続されている。前記センサ信号端子S1,S2,S3
は、インターフェース回路102を介してCPU101
の入力端子に接続されている。前記変速指令端子G1,
G2は、インターフェース回路103を介してCPU1
01の入力端子に接続されている。
接続されたFET,FETおよびFET,FET
を相互に並列接続して構成され、並列接続の一端は前
記VB端子に接続され、他端はGND端子に接続されて
いる。FET,FETの接続点はMOTOR(−)
端子に接続され、FET,FETの接続点はMOT
OR(+)端子に接続されている。各FET〜FET
は、CPU101によってプリドライバ104を介し
て選択的にPWM制御される。CPU101は、メモリ
107に記憶された制御アルゴリズムに基づいて各FE
T〜FETを制御する。
制御方法を、図16〜22のフローチャートおよび図2
3の動作タイミングチャートを参照して説明する。
イッチがオン操作されたか否かが判定され、オン操作さ
れたと判定されると、ステップS11では、オン操作さ
れたシフトスイッチが、シフトアップスイッチ51およ
びシフトダウンスイッチ52のいずれであるかが判定さ
れる。ここで、シフトアップスイッチ51がオン操作さ
れたと判定されるとステップS13へ進み、シフトダウ
ンスイッチ52がオン操作されたと判定されると、ステ
ップS12において、エンジン回転数Ne を変数Ne1と
して記憶した後にステップS13へ進む。
トスイッチに応じて、ECU100内の前記スイッチン
グ回路105を構成する各FETが、図23の時刻t1
から選択的にPWM制御される。すなわち、シフトアッ
プスイッチ51がオン操作されていれば、FET、
を遮断したまま、FETが導通され、FETが10
0%のデューティー比でPWM制御される。この結果、
駆動モータ1はシフトアップ方向への回動を開始し、こ
れに連動してシフトスピンドル3も、ニュートラル位置
からシフトアップ方向への回動を開始する。
作されていれば、FET、を遮断したまま、FET
が導通され、FETが100%のデューティー比で
PWM制御される。この結果、駆動モータ1は、前記シ
フトアップ方向とは逆向きのシフトダウン方向へ回動を
開始し、これに連動してシフトスピンドル3も、ニュー
トラル位置からシフトダウン方向への回動を開始する。
を100%に設定すると、シフトスピードを速くするこ
とができ、クラッチを素早く切り離すことができる。な
お、本実施形態では、シフトスピンドル3がニュートラ
ル位置から±5〜6度だけ回動するとクラッチが切れる
ように設計されている。
ず)が計時を開始し、ステップS15では、前記シフト
スピンドル3の回動角度θ0 が前記アングルセンサ28
によって検知される。ステップS16では、検知された
回動角度θ0 が第1基準角度θREF (本実施形態では、
ニュートラル位置から±14度)を超えた(+14度以
上または−14度以下;以後、単に±××度以上と表現
する)か否かが判定される。
定されると、シフトフォーク11によって平行移動され
たスリーブが正規の挿嵌(ダボイン)位置まで達してい
る可能性が高いのでステップS17へ進むが、±14度
以上に達していないと、スリーブが正規の挿嵌位置まで
達していないと判断できるので、後述するステップS3
0へ進む。
れことが、時刻t2 において、前記回動角度θ0 に基づ
いて検知されると、ステップS17では前記第1タイマ
がリセットされる。ステップS18では、回動中の駆動
モータ1に制動をかけるために、前記スイッチング回路
105の各FETが制御される。すなわち、FET、
を遮断したまま、FET、が導通される。
負荷となるので、シフトスピンドル3のシフトアップ方
向またはシフトダウン方向への駆動トルクに制動作用が
働き、シフトスピンドル3がストッパに当接する際の衝
撃を弱めることができ、強度的にもノイズ的にも有利に
なる。なお、ストッパに当接する際のシフトスピンドル
3の回転角度は、ニュートラル位置から±18度であ
る。
規定するための第2タイマが計時を開始し、ステップS
20では、第2タイマの計時時間が15msを超えたか
否かが判定される。第2タイマの計時時間が15ms超
えるまではステップS21へ進み、後に詳述するエンジ
ン回転数(Ne )制御が実行される。その後、時刻t3
において、計時時間が15msを超えると、ステップS
22へ進んで第2タイマがリセットされる。
トスイッチに応じて前記スイッチング回路105の各F
ETが選択的にPWM制御される。すなわち、シフトア
ップ中であれば、FET、を遮断したまま、FET
が導通され、FETが70%のデューティー比でP
WM制御される。一方、シフトダウン中であれば、FE
T、を遮断したまま、FETが導通され、FET
が70%のデューティー比でPWM制御される。この
結果、スリーブ30がギア40側へ比較的弱いトルクで
押し付けられるので、ダボインまでに各ダボに加わる負
荷が軽減されるうえ、ダボイン状態を確実に保持できる
ようになる。
始し、ステップS25では、第3タイマの計時時間が7
0msを超えたか否かが判定される。計時時間が70m
sを超えていなければ、ステップS26へ進んでNe 制
御が実行される。また、計時時間が70msを超えてい
ると、ステップS27では前記第3タイマがリセットさ
れ、ステップS28では、シフトスピンドル3のニュー
トラル位置(角度)θN を求めるためのニュートラル位
置補正制御が実行される。ステップS29では、時刻t
4 において、後述するクラッチON制御が開始される。
のタイムアップ時間は、前記図13に関して説明した、
ダボインできない期間Taに基づいて決定されている。
すなわち、上記タイムアップ時間(70ms)は、少な
くとも期間Taが経過する時間は押し付け制御が実行さ
れるように設定されている。この間、スリーブ30の凸
側ダボ32とギア40の凹側ダボ42とが当接されるこ
とになるが、デューティー比が70%まで減ぜられてい
るので、各ダボに加わる負荷は小さく、強度的に有利に
なる。
定値に限らず、例えばギアが1〜3速の範囲であれば7
0msでタイムアップし、4〜5速の範囲であれば90
msでタイムアップするといったように、ギアの関数と
して可変的に設定されるようにしても良い。
時のデューティー比が固定であり、スリーブ30がギア
40側へ一定トルクで押し付けられるものとして説明し
たが、PWM制御時のデューティー比を可変制御しても
良い。
行されるPWM制御のデューティー比の可変制御方法を
示した図であり、本実施形態では、時刻t3 において押
し付け制御が開始されると、初めの20mSは70%の
デューティー比でPWM制御され、その後は10mSご
とに50%のデューティー比および70%のデューティ
ー比によるPWM制御が繰り返される。
一定トルクで押し付けるのではなく、押し付けトルクを
強めたり弱めたりして変動させれば、例えば70%のデ
ューティー比に応じたトルクでスリーブ30がギア40
側へ押し付けられた際に凸側ダボ32と凹側ダボ42と
が当接してダボインできなかった場合でも、直ぐに押し
付けトルクが50%のデューティー比に応じたトルクま
で低減される。このため、各ダボに加わる負荷が小さく
なって両者の相対的な回転が容易になり、良好なダボイ
ンが可能になる。
て、回転角度θ0 が第1基準値未満であると判定される
と、当該処理は図18のステップS30へ進む。ステッ
プS30では、前記第1タイマによる計時時間が200
msを超えたか否かが判定され、初めは超えていないと
判定されるので、ステップS31でNe 制御を実行した
後に図16のステップS16へ戻る。
sを超え、今回のシフトチェンジが失敗に終ったと判断
されると、ステップS32において第1タイマがリセッ
トされる。ステップS33では、後述する再突入カウン
タのカウント値が参照され、リセット状態(=0)であ
れば、再突入制御が未実行であると判断されてステップ
S34へ進み、後述する再突入制御が初めて実行され
る。これは、シフトチェンジに時間がかかると運転者に
違和感を抱かせる場合があるからである。
1)であれば、再突入制御を実行したにもかかわらずシ
フトチェンジが成功しなかったものと判定され、シフト
チェンジを行なうことなくクラッチを接続するためにス
テップS35へ進む。ステップS35では再突入カウン
タがリセットされ、ステップS36では、後述するクラ
ッチON制御が実行される。
て前記再突入制御の制御方法を説明する。再突入制御と
は、シフトフォークによって軸方向へ平行移動されるス
リーブ30が正規の嵌合位置まで移動できなかった場合
に、移動トルクを一時的に減じた後で再び所定トルクを
加えて再移動(突入)を試みる処理である。
FET、すなわちシフトアップ中であればFETのデ
ューティー比が20%に減ぜられ、シフトダウン中であ
ればFETのデューティー比が20%に減ぜられる。
この結果、シフトフォーク11によってスリーブ30に
加えられる駆動トルクが弱まる。
始し、ステップS42では、第4タイマの計時時間が2
0msを超えたか否かが判定される。計時時間が20m
sを超えていなければ、ステップS43へ進んでNe 制
御が実行される。また、計時時間が20msを超える
と、ステップS44では第4タイマがリセットされ、ス
テップS45では、前記再突入カウンタがセットされ
る。その後、当該処理は図16の前記ステップS13へ
戻り、駆動モータ1が再び100%のデューティー比で
PWM制御されるので、スリーブには当初の大きなトル
クが加えられることになる。
ェンジが正常に行われないと、スリーブの押しつけトル
クを一時的に弱めた後、再び強いトルクで押し付けるよ
うにしたので、スリーブの再突入が容易に行えるように
なる。
ニュートラル位置補正制御の動作を、図20のフローチ
ャートを参照して説明する。
ル3の現在の回転角度θ0 が前記アングルセンサ28に
よって検知される。ステップS61では、シフトアップ
中およびシフトダウン中のいずれであるかが判定され、
シフトアップ中であればステップS62へ進む。
角度θ0 が、ノイズ成分を含まない正規の値であるか否
かを判定するために、予め登録されている許容角度下限
値θUMI と許容角度上限値θUMS との間の許容角度範囲
内にあるか否かが判定される。前記許容角度範囲の下限
値θUMI および上限値θUMS の初期値は比較的広く設定
されているので、初めは許容角度範囲内と判定されてス
テップS63へ進む。
角度θ0 が、予め登録されているシフトアップ時の最大
回転角度(アップ時最大角度)θUMと比較される。アッ
プ時最大角度θUMの初期値は、予め前記許容角度下限値
θUMI と同値に設定されているので、ここでは回転角度
θ0 がアップ時最大角度θUMよりも大きいと判断されて
ステップS64へ進む。
度θUMが前記回転角度θ0 に更新登録される。ステップ
S65では、前記下限値θUMI および上限値θUMS で定
まる許容角度範囲を狭めるための補正値Wが、次式(1)
に基づいて演算される。 W= max([θ0 −下限値θUMI ],[θ0 −上限値θUMS ])/n…(1) ここで、[a]は数値aの絶対値を求める関数を意味
し、max(a,b)は数値a,数値bのうち大きい側
を選択する関数を意味する。また、変数nの初期値は
“2”に予め設定されている。
だけインクリメントされる。ステップS67では、次式
(2) 、(3) に基づいて前記下限値θUMI および上限値θ
UMSが更新登録される。 下限値θUMI =max(下限値θUMI ,θ0 −W) …(2) 上限値θUMS =min(上限値θUMS ,θ0 +W) …(3) ここで、mim(a,b)は数値a,数値bのうち小さ
い側を選択する関数を意味する。上記した(1) 〜(3) 式
によれば、前記検知された回転角度θ0 が、前記下限値
θUMI および上限値θUMS で定まる許容角度範囲内に収
まっている限り、前記許容角度範囲が徐々に狭まる。し
たがって、前記ステップS62において、ノイズ成分を
含む回転角度θ0 を確実に除去できるようになる。
れるような回転角度θ0 が検知されると、当該処理はス
テップS62からステップS69へ進み、前記変数nが
“1”だけデクリメントされる。この結果、ステップS
65で求められる補正値Wが大きくなって前記許容角度
範囲が若干広がる。したがって、許容角度範囲を越える
回転角度θ0 が連続的に検知されるようになると、やが
て当該回転角度θ0 が許容角度範囲内となり、ステップ
S64においてアップ時最大角度θUMとして更新登録さ
れる。
で求めたアップ時最大角度θUMと、前記ステップS61
においてシフトダウン中と判定された際に上記と同様に
して求められるシフトダウン時の最大回転角度(ダウン
時最大角度)θDMとが次式(4) に代入されてニュートラ
ル角度θN が求められる。 θN =(アップ時最大角度θUM+ダウン時最大角度θDM)/2 …(4) 以上のようにしてニュートラル角度θN が求められて更
新登録されると、これ以後のシフトスピンドル3の回転
角度制御は、前記ニュートラル角度θN を基準にして実
行される。
ピンドル3の実際の回動範囲に基づいてニュートラル角
度θN が検知されるので、組み付け誤差や経時劣化に左
右されずに、常に正確なニュートラル位置を得られるよ
うになる。
位置の補正が進むと、外乱によって回転角度θ0 の検出
値が突発的に狂っても、当該検出値は無視されるので、
外乱の有無にかかわらず正確なニュートラル位置を得ら
れるようになる。
されるごとに許容角度範囲が徐々に広げられるので、例
えば角度センサの劣化等が原因で回転角度として従来よ
りも大きな値が検知されるようになっても、これが狂っ
た回転角度として除去され続けてしまうことがない。
制御の動作を詳細に説明する前に、各制御の趣旨および
概略動作を、図25、26を参照して説明する。
時刻t1 でシフトスピンドル3の回動を開始すると、時
刻t11でクラッチの接続が解除され、時刻t3 でシフト
スピンドルの回動が完了する。その後、時刻t4 まで押
しつけ制御を実行した後、クラッチの接続制御へ移行す
る。
はクラッチを低速で接続する、換言すればシフトスピン
ドル3の回転速度を遅くする必要がある。一方、変速速
度はシフトスピンドル3の回転速度に依存するため、素
早い変速を実現するためには、シフトスピンドル3の回
転速度を早くする必要がある。
同時に満足すべく、図23に示したように、時刻t4 か
らt5 までの、クラッチ接続される角度範囲の近傍まで
はシフトスピンドル3を高速回転させ、時刻t5 以降
の、クラッチが接続状態へ至る角度範囲ではシフトスピ
ンドル3を低速回転させることにした。このような2段
リターン制御により、本実施形態では変速ショックの低
減と変速時間の短縮とを両立している。
セル操作に応じて、クラッチの接続タイミングを最適な
タイミングに制御している。図25、26は、それぞれ
シフトアップおよびシフトダウン時に実行されるクラッ
チON制御およびNe 制御によってシフトスピンドル位
置θ0 およびエンジン回転数Ne が変化する様子を示し
た図である。
は、アクセルを戻してシフトアップスイッチ51をオン
操作し、その後、変速動作が実行されてクラッチが再接
続された後でアクセルを開けることが一般的であり、そ
の際のエンジン回転数Ne は実線aで示した通りに変化
する。このとき、シフトスピンドルは実線A,Bで示し
た通りに制御される。
セルを戻すことなくシフトアップスイッチ51を操作し
たり、クラッチが再接続される前にアクセルを開ける場
合も考えられる。このような場合は、ドライバが速やか
なシフトチェンジを望んでいるのでクラッチを素早く接
続することが望ましい。
Ne が実線bのように変化した場合には、ドライバがア
クセルを戻すことなくシフトアップスイッチ51を操作
したと判定し、また、エンジン回転数Ne が実線cのよ
うに変化した場合には、クラッチが接続されるタイミン
グよりも早くアクセルが開かれたと判定し、それぞれ、
実線C,Dで示したように、クラッチを直ちに接続する
クイックリターン制御を実行するようにした。
ン時もアクセルを戻してシフトダウンスイッチ52をオ
ン操作し、その後、変速動作が実行されてクラッチが再
接続された後でアクセルを開けることが一般的であり、
その際のエンジン回転数Neは実線aで示した通りに変
化する。このとき、シフトスピンドルは実線A,Bで示
した通りに2段制御される。
が空吹かしされる場合もあり、このような場合には、ク
ラッチを素早く接続してもシフトショックが少ないの
で、素早くクラッチ接続することが望ましい。
Ne が実線b,cのように変化した場合には、ドライバ
がエンジンが空吹かししたと判定し、それぞれ、実線
C,Dで示したようなクイックリターン制御を実行する
ようにした。
クイックリターン制御を実現するNe 制御およびクラッ
チON制御の動作を詳細に説明する。図21は、前記ス
テップS21、S26、S31、S43で実行されるN
e 制御の制御方法を示したフローチャートである。
数Ne が計測される。ステップS51では、これまでに
計測されたエンジン回転数Ne のピークホールド値Nep
およびボトムホールド値Nebが、前記今回のエンジン回
転数Ne に基づいて更新される。ステップS52では、
シフトアップ中およびシフトダウン中のいずれであるか
が判定され、シフトアップ中であればステップS56へ
進み、シフトダウン中であればステップS53へ進む。
で検知された今回のエンジン回転数Ne と前記ステップ
S51で更新されるボトムホールド値Nebとの差分(N
e −Neb)が50rpm 以上であるか否かが判定される。
閉じられているか否かの判定であり、前記差分が50rp
m 以上であれば、ドライバがアクセルを戻すことなくシ
フトアップスイッチ51を操作したか、あるいはクラッ
チが接続されるタイミングよりも早くアクセルが開かれ
たものと判定される。この場合は、クラッチを直ちに接
続すべくステップS55へ進み、クイックリターンフラ
グFをセットした後に当該処理を終了する。また、差分
が50rpm 未満であれば、通常の制御を継続すべく、ク
イックリターンフラグFをセットすることなく、当該エ
ンジン回転数制御を終了する。
ダウン中と判定されると、ステップS53では、前記今
回のエンジン回転数Ne と前記ステップS12で記憶さ
れたエンジン回転数Ne1との差(Ne −Ne1)が300
rpm 以上であるか否かが判定され、前記差分が300rp
m 以上であれば、さらにステップS54において、前記
ステップS51で更新されるピークホールド値Nepと今
回のエンジン回転数Ne との差(Nep−Ne )が50rp
m 以上であるか否かが判定される。
エンジンを空吹かししたか否かの判定であり、前記ステ
ップS53、54の判定がいずれの肯定であると、シフ
トアップ時にドライバが空吹かしをしたと判定されてス
テップS55へ進み、前記クイックリターンクフラグF
をセットした後に当該処理を終了する。
実行されるクラッチON制御の制御方法を示したフロー
チャートである。
否かが判定される。本実施形態では、車速が3km/h以下
であれば略0と判定してステップS72へ進み、シフト
スピンドル3の目標角度θT にニュートラル位置をセッ
トした後にステップS73へ進む。これは、車両が略停
止した状態でのシフトであり、このような場合にはシフ
トショックが生じず、素早いシフトチェンジが望ましい
ためである。
が3km/h以上と判定されると、ステップS71におい
て、シフトスピンドル3の回動がストッパによって制限
される角度(本実施形態では、±18度)から6度だけ
戻った第2基準角度(すなわち、±12度)を目標角度
θT にセットした後にステップS73へ進む。ステップ
S73では、アングルセンサ28によって現在のシフト
スピンドル3の回転角度θ0 が検知され、ステップS7
4では、前記Ne 制御が実行される。
D)制御用のPID加算値が求められる。すなわち、前
記ステップS73で検知された現在の回転角度θ0 およ
び目標角度θT の差分(θ0 −θT )として表される比
例(P)項、P項の積分値である積分(I)項およびP
項の微分値である微分(D)項が、それぞれ求められて
加算される。ステップS76では、前記求められたPI
D加算値に基づいて、PWM制御のデューティー比が決
定され、ステップS77において、PWM制御が実行さ
れる。
ー比との関係を示した図であり、PID加算値の極性が
正であれば、その値に応じて正のデューティー比が選択
され、PID加算値の極性が負であれば、その値に応じ
て負のデューティー比が選択される。ここで、デューテ
ィー比の極性は、PWM制御されるFETの組み合わせ
を示し、例えば50%のデューティー比とは、FET
を導通させてFETを50%のデューティー比でPW
M制御することを意味し、−50%とデューティー比と
は、FETを導通させてFETを50%のデューテ
ィー比でPWM制御することを意味する。
間が100msを超えたか否かが判定され、最初は第6
タイマが計時を開始していないのでステップS79へ進
む。ステップS79では、第5タイマの計時が開始され
る。ステップS80では、第5タイマの計時時間が10
msを超えたか否かが判定され、初めは超えていないの
でステップS73へ戻り、前記ステップS73〜S80
の各処理が繰り返される。
タイマの計時時間が10msを超えると、ステップS8
1では第5タイマがリセットされ、ステップS82で
は、クイックリターンクフラグFがセット状態にあるか
否かが判定される。ここで、クイックリターンクフラグ
Fがセット状態にあると、ステップS83では、クイッ
クリターン制御を実行すべく、現在の目標角度から2な
いし4度だけ減じた角度が新たな目標角度として登録さ
れ、クイックリターンクフラグFがセット状態ではない
と、ステップS84において、現在の目標角度から0.
2度だけ減じた角度が新たな目標角度として登録され
る。
ラル角度に近いか否かが判定され、目標角度がニュート
ラル角度に十分に近付くまで前記ステップS73〜S8
5の処理が繰り返される。その後、目標角度がニュート
ラル角度に十分に近付くと、ステップS86では、目標
角度としてニュートラル角度が登録され、ステップS8
7では、第6タイマが計時を開始する。
タイマの計時時間が100msを超えたと判定される
と、ステップS90では、第6タイマがリセットされ
る。ステップS91では、クイックリターンクフラグF
がリセットされ、ステップS92では、スイッチング回
路105のPWM制御が終了される。
にギアがニュートラル状態からシフトされると、比較的
大きなエンジンブレーキが作用してエンジンに過大な負
荷が加わる。そこで、本実施形態では車速が10km/
h以上またはエンジン回転数が3000rpm以上であ
ると、シフトアップスイッチ51がオン操作されても前
記図16の制御を阻止する変速禁止システムが設けられ
ている。
ロック図である。ニュートラル検知部81は、ギアがニ
ュートラル位置にあると“H”レベルの信号を出力す
る。車速判定部82は、車速が10km/h以上である
と“H”レベルの信号を出力する。エンジン回転数判定
部83は、エンジン回転数が3000rpm以上である
と“H”レベルの信号を出力する。
ンジン回転数判定部83の出力が“H”レベルであると
“H”レベルの信号を出力し、AND回路85は、OR
回路84の出力およびニュートラル検知部81の出力が
“H”レベルであると“H”レベルの信号を出力する。
変速禁止部86は、AND回路85の出力が“H”レベ
ルであると、シフトアップスイッチ51がオン操作され
ても前記図16の制御を阻止する。
m/h以上あるいはエンジン回転数が3000rpm以
上で誤ってニュートラルへシフトしてしまった場合は再
加速に時間がかかってしまうので、上記した変速禁止シ
ステムを付加するのであれば、車速走行中(例えば、車
速が3km/h以上)の場合にはニュートラルへのシフ
トを禁止するシステムを更に付加しても良い。
成される。
界まで揺動されれば、その際の変速軸の各回転角度に基
づいて変速軸の中点(ニュートラル位置)が求められる
ので、常に正確なニュートラル位置を求められる。
ほど、検知された回転角度の正当性を判別するための許
容範囲が狭まるので、ノイズ等の影響を受けて狂った回
転角度が入力されても、これを除去することができるの
みならず、その除去能力も徐々に向上する。
されるごとに前記許容範囲が徐々に広げられるので、例
えば角度センサの劣化等が原因で回転角度として従来よ
りも大きな値が検知されるようになっても、これが狂っ
た回転角度として除去され続けてしまうことがない。
作部の平面図である。
動系の主要部の構成を示した部分断面図である。
る。
した図である。
模式的に示した図である。
を模式的に示した図である。
制御系の主要部の構成を示したブロック図である。
たブロック図である。
1)である。
2)である。
3)である。
4)である。
5)である。
6)である。
7)である。
ングチャートである。
制御方法を示した図である。
ン回転数の動作タイミングチャート(シフトアップ時)
である。
ン回転数の動作タイミングチャート(シフトダウン時)
である。
した図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 駆動モータによって一方側または他方側
に揺動される変速軸と、前記変速軸の回転角度を検知す
る角度センサとを具備し、前記変速軸のニュートラル位
置からの揺動方向および揺動角度に基づいて所定の変速
制御を実行する電動式変速装置における変速軸のニュー
トラル位置決定方法において、 一方側または他方側の回動限界まで揺動された変速軸の
各回転角度をそれぞれ検知し、 前記一方側および他方側の回動限界で検知された回転角
度の中間点を変速軸のニュートラル位置として更新登録
することを特徴とする電動式変速装置における変速軸の
ニュートラル位置決定方法。 - 【請求項2】 駆動モータによって一方側または他方側
に揺動される変速軸と、前記変速軸の回転角度を検知す
る角度センサとを具備し、前記変速軸のニュートラル位
置からの揺動方向および揺動角度に基づいて所定の変速
制御を実行する電動式変速装置における変速軸のニュー
トラル位置決定方法において、 一方側または他方側の回動限界まで揺動された変速軸の
各回転角度をそれぞれ検知し、 前記検知された各回転角度が、それぞれ一方側または他
方側許容範囲内にあるか否かを判定し、 前記各回転角度がそれぞれ前記各許容範囲内にあれば、
各回転角度を、それぞれ一方側または他方側最大角度と
して更新登録すると共に、前記一方側または他方側許容
範囲を縮小し、 前記各回転角度がそれぞれ前記一方側または他方側許容
範囲内になければ、当該一方側または他方側許容範囲を
拡大し、 前記一方側および他方側最大角度の中間を変速軸のニュ
ートラル位置として更新登録することを特徴とする電動
式変速装置における変速軸のニュートラル位置決定方
法。
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