JP2000027432A - コンクリート表面用型押しシート及びこれを用いたコンクリート表面の化粧方法 - Google Patents

コンクリート表面用型押しシート及びこれを用いたコンクリート表面の化粧方法

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JP2000027432A
JP2000027432A JP10195718A JP19571898A JP2000027432A JP 2000027432 A JP2000027432 A JP 2000027432A JP 10195718 A JP10195718 A JP 10195718A JP 19571898 A JP19571898 A JP 19571898A JP 2000027432 A JP2000027432 A JP 2000027432A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面が硬化するまでに脱落してしまうことが
なく、かつコンクリート表面が硬化した後の引き剥がし
性が良好なコンクリート表面用型押しシート1及びこれ
を用いたコンクリート表面の化粧方法を提供すること。 【解決手段】 接着剤層7を介して基布層3と合成樹脂
層5とを積層し、この合成樹脂層5の表面に表面処理層
9を設けて、コンクリート表面用型押しシート1を構成
する。合成樹脂層5の表面には所望の凹凸状模様の反転
タイプの凸凹状模様が形成されている。表面処理層9を
構成する主要ポリマーとしてアクリル−フッ素系樹脂と
アクリル系樹脂との混合物を用いる。これらの重量混合
比を1/9以上4/6以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新築又は補修され
るビルディングのコンクリート壁面等の化粧に用いられ
るコンクリート表面用型押しシート及びこれを用いたコ
ンクリート表面の化粧方法に関するものであり、特に
は、その表面の凸凹状の模様を反転させてコンクリート
表面に凹凸状の模様を形成するためのコンクリート表面
用型押しシート及びこれを用いたコンクリート表面の化
粧方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】新築又は補修されるビルディング等のコ
ンクリート構造物の表面化粧方法として、タイル貼り、
樹脂塗装等の表面被覆以外に、コンクリートを露出させ
たままその表面に凹凸模様を形成する方法が採用される
ことがある。例えば未硬化のコンクリート表面に木板を
押し当てて木目による凸凹状の模様を反転させ、コンク
リート硬化後に木板を引き剥がし、コンクリート表面に
凹凸状の木目模様を形成する方法が知られている。この
方法では、自然の木板を使用するため美しい木目模様が
形成される。
【0003】しかし、この方法では木目を浮き上がらせ
るために木板を焼いたり表面を研磨したりしなければな
らず、また、概して高価である木目のきれいな木板を使
用しなければならないので、木板の準備に費用が嵩むと
いう不都合がある。また、コンクリート表面に形成され
る模様は木目に限られることになり、所望の模様を任意
に形成することができないという不都合もある。
【0004】木板に代えてゴム板を用いる化粧方法が、
特公平6−33663号公報に開示されている。ゴム板
は木板よりも安価であり、成形型に工夫を施す等の手段
により、表面に任意の凸凹状の模様を容易に形成するこ
とができる。
【0005】しかし、ゴム板は重くて扱いにくいので、
少人数(例えば一人)での化粧作業が困難である。ま
た、ゴム板は剛直であるため、コンクリート表面が曲面
である場合はこの曲面に沿わせにくく、コンクリート表
面に化粧を施しにくい。さらに、剛直なゴム板は折り畳
みや巻き取りが困難であるため、保管時や運搬時に広い
スペースが必要であるという不都合もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これらの不都合を解消
したコンクリート表面の化粧方法として、本発明者は、
基布層と合成樹脂層とを備えた型押しシートを用いた化
粧方法を発明し、先に特許出願をなした(特願平10−
143162号)。この型押しシートは軽量であるため
化粧作業が容易であり、柔軟性に優れるため曲面にも化
粧を施すことができ、しかも折り畳みや巻き取りが容易
であるため保管時、運搬時等に広いスペースを必要とし
ない、という長所を備えたものである。
【0007】しかし、この型押しシートでは合成樹脂層
がコンクリート表面に直接当接するため、コンクリート
硬化後に型押しシートを引き剥がす際、硬化状態によっ
てはコンクリートと合成樹脂層とが接着してしまい、離
型性が低下してしまうことがある。離型性が低下する
と、型押しシートを引き剥がした際にコンクリートの一
部が型押しシートに付着してしまい、鮮明な凹凸模様が
形成されなくなってしまう。また、コンクリートの一部
が型押しシートに付着すると、この型押しシートを繰り
返し使用する場合に付着したコンクリートを洗い落とす
必要が生じ、手間がかかってしまう。
【0008】合成樹脂層の表面に例えばフッ素系樹脂等
を被覆して、離型性を向上させる手段も考えられる。し
かしながら、あまりに離型性が向上するとコンクリート
表面が硬化するまでに型押しシートが脱落してしまい、
凹凸模様の形成が困難となってしまう。
【0009】本発明はこれらの問題に鑑みてなされたも
のであり、コンクリート表面が硬化するまでに脱落して
しまうことがなく、かつコンクリート表面が硬化した後
の引き剥がし性が良好なコンクリート表面用型押しシー
ト及びこれを用いたコンクリート表面の化粧方法を提供
することをその目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記した問題を解決する
ためになされた発明は、凸凹状の模様が形成された合成
樹脂層と、繊維を主材料としており合成樹脂層の裏側に
設けられた基布層と、合成樹脂層の表側に設けられた表
面処理層とを備えており、未硬化のコンクリート表面に
押し当てられることによりこのコンクリート表面にこの
凸凹状の模様が反転された凹凸状の模様が形成されるコ
ンクリート表面用型押しシートであって、表面処理層を
構成する主要ポリマーとしてアクリル−フッ素系樹脂と
アクリル系樹脂との混合物が用いられており、これらの
重量混合比が1/9以上4/6以下であることを特徴と
するコンクリート表面用型押しシート、である(請求項
1)。
【0011】このコンクリート表面用型押しシート(以
下、単に「型押しシート」ともいう。)は表面処理層を
備えており、この表面処理層を構成する主要ポリマーと
して、重量混合比が1/9以上4/6以下であるアクリ
ル−フッ素系樹脂とアクリル系樹脂との混合物を用いて
いるので、表面処理層が適度な離型性を発現する。従っ
て、この型押しシートを用いてコンクリート表面に化粧
を施せば(請求項3)、コンクリート表面が硬化するま
でに型押しシートが脱落してしまうことがなく、しかも
コンクリート表面が硬化した後の型押しシートの引き剥
がし性が良好となる。
【0012】この型押しシートにおいて、表面処理層に
おけるアクリル−フッ素系樹脂とアクリル系樹脂との混
合物の塗工量を1g/m2以上6g/m2以下とすれば、
表面処理層の適度な離型性と強度とを両立させることが
できる(請求項2)。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、適宜図面を参照しつつ本発
明を詳説する。
【0014】図1は本発明の一実施形態にかかる型押し
シート1の一部が示された断面図である。この型押しシ
ート1は、基布層3と合成樹脂層5とが接着剤層7を介
して積層・接着されており、合成樹脂層5の表面には表
面処理層9が設けられている。
【0015】基布層3には織布又は不織布を用いること
ができ、特に織布が好適に用いられる。基布層3を設け
ることで、例えばエンボスロールを押しつける等の手段
で合成樹脂層5に凸凹形状を形成する際に、この基布層
3が支持体としての役割を果たして型押しシート1の寸
法安定性が高められるとともに、高温・高圧下での凸凹
形成が可能となる。また、基布層3を設けることで、コ
ンクリート表面に凹凸状の模様を形成する際、ローラー
等での押圧を容易とすることができる。
【0016】基布層3を構成する繊維としては、麻、木
綿、毛等の天然繊維やポリエステル系繊維、レーヨン繊
維、ナイロン繊維、ビニロン繊維、テトロン繊維等の合
成繊維が挙げられる。なかでも、吸湿しにくいので型押
しシート1の重量が重くなるのを抑えることができ、水
に濡れても収縮(変形)しにくいので寸法安定性がよ
く、再使用が可能であるポリエステル系繊維を主材料と
して基布層3を構成するのが好ましい。なお、ポリエス
テル系繊維を主材料として用いる場合、例えばポリエス
テル系繊維とレーヨンとの混紡のように、他の繊維を併
用することもできる。
【0017】基布層3の厚みは、0.1mm以上0.7
mm以下が好ましく、0.2mm以上0.5mm以下が
特に好ましい。厚みが上記範囲未満であると、ローラー
等で押圧してコンクリート表面に凹凸状の模様を形成す
る際のなじみが悪く、凹凸模様の転写が不十分となって
しまうことがある。逆に、厚みが上記範囲を越えると、
コンクリート表面への凹凸状の模様の形成が困難となる
ばかりか、型押しシート1の製造コストが上昇して不経
済となってしまうことがある。
【0018】接着剤層7は、基布層3と合成樹脂層5と
を接着するために設けられる。接着剤層7に用いられる
接着剤としては、例えばポリ塩化ビニル系ペースト、ウ
レタン系接着剤等が挙げられる。なお、基布層3と合成
樹脂層5とが直接接着可能な場合は、接着剤層7が省略
されてもよい。
【0019】合成樹脂層5は合成樹脂から成形されてお
り、表面(図1における上側面)には凸凹状の模様が形
成されている。合成樹脂を用いることにより、任意の凸
凹模様を容易に形成することができる。
【0020】合成樹脂層5を構成する好適なポリマーと
しては、柔軟性に優れるポリ塩化ビニル系樹脂又はポリ
オレフィン系樹脂が挙げられる。用いられるポリ塩化ビ
ニル系樹脂としては、ポリ塩化ビニル、エチレン−塩化
ビニル共重合体、ウレタン−塩化ビニル共重合体、酢酸
ビニル−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−
塩化ビニル共重合体等が挙げられ、また、塩化ビニル系
熱可塑性エラストマーもこれに含まれる。用いられるポ
リオレフィン系樹脂としては、例えばポリエチレン、ポ
リプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げ
られ、また、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーも
これに含まれる。これらのポリマーのなかでも、焼却処
分時にダイオキシン等の有害物質が生成しないポリオレ
フィン系樹脂を用いるのが好ましい。
【0021】ポリ塩化ビニル系樹脂又はポリオレフィン
系樹脂を主要ポリマーとして用いる場合、型押しシート
1の柔軟性が損なわれない範囲で、他の合成樹脂又はゴ
ムを併用してもよい。併用する場合、ポリ塩化ビニル系
樹脂又はポリオレフィン系樹脂の量は、全ポリマー10
0重量部に対して50重量部以上が好ましく、70重量
部以上が特に好ましい。
【0022】2種のポリマーの併用の好ましい一例とし
ては、低密度ポリエチレン(例えば住友化学株式会社の
商品名「スミカセンHiα CW2004」)とエチレ
ンプロピレンゴム(例えば住友化学株式会社の商品名
「エクセレンSPO V0113」)との併用が挙げら
れる。
【0023】合成樹脂層5を構成する樹脂組成物には、
上記の合成樹脂の他、例えば充填剤、補強材、可塑剤、
安定剤、架橋剤、着色剤、劣化防止剤、加工助剤等が、
必要に応じ適量配合される。
【0024】合成樹脂層5に凸凹模様を形成するには、
例えば合成樹脂層5と基布層3とを積層した後にこれを
加熱して合成樹脂層5を軟化させ、表面に凹凸状の模様
が形成されたエンボスロールとバックアップロールとの
間に供給すればよい。こうすれば、軟化した合成樹脂の
表面に、エンボスロール表面の凹凸状の模様が反転され
る。
【0025】このように、合成樹脂層5の表面には凸凹
状の模様が形成されているので、型押しシート1が未硬
化のコンクリート表面に押し当てられると、このコンク
リート表面にこの凸凹状の模様が反転された凹凸状の模
様が形成される。合成樹脂層5の凸凹状の模様を変更す
ることにより、任意の凹凸状の模様をコンクリート表面
に形成することができる。例えば凹凸状の木目模様をコ
ンクリート表面に形成したい場合は、この木目模様が反
転された凸凹状の模様を合成樹脂層5の表面に形成すれ
ばよい。
【0026】合成樹脂層5の厚み(凸凹状の模様が形成
されていない部分の厚み。図1中両矢印Tで示される)
は、0.1mm以上0.7mm以下が好ましく、0.2
mm以上0.5mm以下が特に好ましい。厚みが上記範
囲未満であると、繰り返し使用時に割れが発生し、基布
層3が露出してしまうことがある。逆に、厚みが上記範
囲を越えると、型押しシート1の重量が大きくなるとと
もに柔軟性が低下して扱いづらくなるばかりか、製造コ
ストが上昇して不経済となってしまうことがある。
【0027】表面処理層9は、型押しシート1のコンク
リートからの離型性を調製するために設けられている。
表面処理層9は、合成樹脂層5の表面の凸凹状の模様の
形状をほぼそのまま反映した形状となっている。従っ
て、コンクリート表面に合成樹脂層5の凸凹状の模様が
反転された凹凸状の模様が形成されることを阻害しな
い。
【0028】表面処理層9には、アクリル−フッ素系樹
脂とアクリル系樹脂との混合物が主要ポリマーとして用
いられている。一般に、アクリル−フッ素系樹脂は離型
性を高める方向に作用し、アクリル系樹脂は離型性を低
下させる方向に作用する。両者の混合物を用いることに
より、表面処理層9に適度な離型性を発現させることが
できる。従って、コンクリート表面が硬化するまでに型
押しシート1が脱落してしまうのを防ぐことができ、コ
ンクリート表面が硬化した後の型押しシート1の引き剥
がし性を良好とすことができる。
【0029】ここで、アクリル−フッ素系樹脂とは、ア
クリル系樹脂の末端がフッ素原子で置換された分子構造
を有する合成樹脂のことである。このフッ素原子の存在
により、アクリル−フッ素系樹脂の離型作用が発現され
る。また、本明細書で用いる「アクリル系樹脂」という
用語は、アクリル樹脂の他、例えばアクリル−塩化ビニ
ル樹脂のような共重合成分を有する合成樹脂を含む意味
である。
【0030】アクリル−フッ素系樹脂とアクリル系樹脂
との重量混合比は、1/9以上4/6以下とされてい
る。重量混合比が上記範囲未満であると型押しシート1
の離型性が低下しすぎ、コンクリート表面が硬化した後
の型押しシート1の引き剥がし性が不良となってしま
う。逆に、重量混合比が上記範囲を超えると型押しシー
ト1の離型性が上昇しすぎ、コンクリート表面が硬化す
るまでに型押しシート1が脱落してしまう。これらの観
点より、重量混合比は特に2/8以上3/7以下が好ま
しい。
【0031】表面処理層9は、一般的にはアクリル−フ
ッ素系樹脂とアクリル系樹脂との混合物を溶剤に溶解さ
せ、これを合成樹脂層5の表面に塗工することにより形
成される。混合物の塗工量は、固形分換算で1g/m2
以上6g/m2以下が好ましく、2g/m2以上4g/m
2以下が特に好ましい。塗工量が上記範囲未満である
と、型押しシート1の表面がべたついて、コンクリート
表面が硬化した後の型押しシート1の引き剥がしが困難
となってしまうことがある。逆に、塗工量が上記範囲を
越えると、表面処理層9の割れ又は剥離が発生しやすく
なってしまうことがある。
【0032】次に、図2を参照しつつ、この型押しシー
ト1を用いてコンクリート表面に化粧を施す方法の一例
を説明する。まず、コンクリートの壁面(図示されず)
にモルタルセメントを例えば2mmから3mm程度の厚
みになるよう塗工し、モルタル層11を形成する。次
に、このモルタル層11が乾燥・硬化しないうちに、型
押しシート1(例えば幅100mmから200mm、長
さ2mから20m、厚み0.8mmから2.0mm程度
のもの)を表面処理層9(図1参照)がモルタル層11
に当接するように押し当てる。そして、この型押しシー
ト1を基布層3の上からローラ又は鏝で押圧する。する
と、型押しシート1がモルタル層11に密着し、固定さ
れる。この状態で2、3日放置し、モルタル層11が硬
化した段階で型押しシート1を引き剥がす。こうするこ
とにより、モルタル層11表面に型押しシート1の凸凹
状の模様が反転された凹凸状の模様が形成される。図2
では、型押しシート1が引き剥がされて凹凸状の木目模
様が形成された様子が示されている。引き剥がされた後
の型押しシート1は、水洗浄等された後、再利用され得
る。
【0033】図2に示された化粧方法では、コンクリー
ト表面にモルタル層11を設けてそのモルタル層11の
表面に凹凸状の模様を形成しているが、モルタル層11
を設けず、コンクリートに直接凹凸状の模様を形成して
もよい。本明細書では、両方の場合を総称して「コンク
リート表面」という用語を用いている。
【0034】図2に示された化粧方法では凹凸状の木目
模様を形成しているが、型押しシート1の凸凹状の模様
を変更することにより、木目模様以外の種々の模様をコ
ンクリート表面に形成することができる。
【0035】この型押しシート1は、合成樹脂と基布と
から構成されていて切断が容易なので、施行現場におい
て鋏やカッター等で容易に所望サイズに裁断して用いる
ことができる。
【0036】
【実施例】以下実施例に基づいて本発明を詳説するが、
この実施例の記載によって本発明が限定的に解釈される
べきでないのはもちろんである。
【0037】[実施例1]ポリ塩化ビニル樹脂100重
量部、可塑剤50重量部、安定化剤3重量部及び顔料1
5重量部をニーダーで混練し、カレンダロールで厚み約
0.4mmにシーティングして合成樹脂層を形成した。
次に、この合成樹脂層を接着剤を介して厚み約0.4m
mのポリエステル製の基布(基布層)と積層した。そし
て、これを遠赤外線ヒーターで加熱して合成樹脂層を軟
化させ、表面に凹凸模様が形成されたエンボスロールと
バックアップロールとのニップ間に供給し、合成樹脂層
にエンボスロールの凹凸模様が反転した凸凹模様(木目
状)を形成した。
【0038】次に、アクリル−フッ素系樹脂(セイコー
化成株式会社の商品名「ラックスキンFA−575
2」)10重量部、アクリル系(アクリル−塩化ビニ
ル)樹脂(セイコー化成株式会社の商品名「ラックスキ
ン877−2」)90重量部及びメチルエチルケトン4
00重量部からなる表面処理剤を、合成樹脂層の表面に
ロールコーターで塗工した。塗工量は、固形分換算で約
3g/m2とした。これを乾燥させて表面処理層を形成
し、幅100mm、長さ2mに裁断して実施例1の型押
しシートを得た。
【0039】[実施例2から4及び比較例2]表面処理
層に用いるアクリル−フッ素系樹脂とアクリル系樹脂と
の混合比を下記の表1に示された通りとした他は実施例
1と同様にして、実施例2から4及び比較例2の型押し
シートを得た。
【0040】[比較例1]表面処理層にアクリル−フッ
素系樹脂を用いず、アクリル系樹脂を100重量部用い
た他は実施例1と同様にして、比較例1の型押しシート
を得た。
【0041】[比較例3]表面処理層にアクリル系樹脂
を用いず、アクリル−フッ素系樹脂を100重量部用い
た他は実施例1と同様にして、比較例3の型押しシート
を得た。
【0042】[各型押しシートの脱落の評価]コンクリ
ートの壁面にモルタルセメントを約3mmの厚みになる
よう塗工し、モルタル層を形成した。そして、直ちに、
このモルタル層に各型押しシートを表面処理層がモルタ
ル層に当接するように押し当てた。そして、押し当て直
後、押し当てから24時間後及び押し当てから48時間
後の型押しシートの脱落の有無を確認した。脱落のなか
ったものを「○」、脱落していたものを「×」とした。
評価の結果が、下記の表1に示されている。
【0043】[各型押しシートの引き剥がし易さの評
価]上記脱落の評価試験において48時間経過しても脱
落していなかった型押しシートを手で引き剥がし、その
引き剥がし性を評価した。引き剥がし後の型押しシート
にモルタルが全く付着しなかったものを「◎極めて良
好」、若干付着したものを「○良好」、相当程度付着し
たを「△やや不良」、引き剥がしが困難なものを「×不
良」とした。評価の結果が、下記の表1に示されてい
る。
【0044】
【表1】
【0045】表1において、アクリル−フッ素系樹脂と
アクリル系樹脂との重量混合比が1/9以上3/7以下
である実施例1から3の型押しシートは、48時間経過
時もモルタル層から脱落していない。また、この重量混
合比が4/6である実施例4の型押しシートは48時間
経過時までに脱落しているが、モルタル層がほぼ初期硬
化を終える24時間経過時までは脱落しておらず、実用
可能である。これに対し、重量混合比が8/2である比
較例2及びアクリル−フッ素系樹脂のみを用いた比較例
3の型押しシートは、モルタル層が初期硬化を終える2
4時間経過時までに脱落してしまっており、鮮明な凹凸
模様を形成する上で問題がある。
【0046】表1において、アクリル−フッ素系樹脂と
アクリル系樹脂との重量混合比が2/8以上3/7以下
である実施例2及び3の型押しシートは、48時間経過
時の引き剥がし性が極めて良好である。また、この重量
混合比が1/9である実施例1の型押しシートも、48
時間経過時の引き剥がし性が良好である。これに対し、
アクリル系樹脂のみを用いた比較例1の型押しシート
は、48時間経過時の引き剥がし性がやや不良となって
いる。
【0047】以上の評価結果より、アクリル−フッ素系
樹脂とアクリル系樹脂との重量混合比を1/9以上4/
6以下とする必要があることが解る。また、この重量混
合比の好ましい範囲が2/8以上3/7以下であること
が解る。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のコンクリ
ート表面用型押しシートはコンクリート表面が硬化する
までに脱落してしまうことがなく、またコンクリート表
面が硬化した後の引き剥がし性が良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態にかかるコンクリ
ート表面用型押しシートの一部が示された断面図であ
る。
【図2】図2は、図1に示されたコンクリート表面用型
押しシートを用いてコンクリート表面に木目模様を形成
する様子が示された斜視図である。
【符号の説明】
1・・・コンクリート表面用型押しシート(型押しシー
ト) 3・・・基布層 5・・・合成樹脂層 7・・・接着剤層 9・・・表面処理層 11・・・モルタル層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凸凹状の模様が形成された合成樹脂層
    と、繊維を主材料としており合成樹脂層の裏側に設けら
    れた基布層と、合成樹脂層の表側に設けられた表面処理
    層とを備えており、未硬化のコンクリート表面に押し当
    てられることによりこのコンクリート表面にこの凸凹状
    の模様が反転された凹凸状の模様が形成されるコンクリ
    ート表面用型押しシートであって、 表面処理層を構成する主要ポリマーとしてアクリル−フ
    ッ素系樹脂とアクリル系樹脂との混合物が用いられてお
    り、これらの重量混合比が1/9以上4/6以下である
    ことを特徴とするコンクリート表面用型押しシート。
  2. 【請求項2】 上記表面処理層におけるアクリル−フッ
    素系樹脂とアクリル系樹脂との混合物の塗工量が1g/
    2以上6g/m2以下である請求項1に記載のコンクリ
    ート表面用型押しシート。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のコンクリート表
    面用型押しシートを未硬化のコンクリート表面に押し当
    てて、このコンクリート表面に、このコンクリート表面
    用型押しシートの凸凹状の模様が反転された凹凸状の模
    様を形成するコンクリート表面の化粧方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008126593A (ja) * 2006-11-22 2008-06-05 Koike:Kk 透明素材への模様形成方法及び模様が形成された透明素材

Cited By (1)

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JP2008126593A (ja) * 2006-11-22 2008-06-05 Koike:Kk 透明素材への模様形成方法及び模様が形成された透明素材

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