JP2000027075A - 液吸収性肌接触加工物における弱酸性保持方法 - Google Patents

液吸収性肌接触加工物における弱酸性保持方法

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JP2000027075A
JP2000027075A JP18930398A JP18930398A JP2000027075A JP 2000027075 A JP2000027075 A JP 2000027075A JP 18930398 A JP18930398 A JP 18930398A JP 18930398 A JP18930398 A JP 18930398A JP 2000027075 A JP2000027075 A JP 2000027075A
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solution
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processed product
skin
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JP18930398A
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Misao Fujiwara
操 藤原
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Daishin Frame Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、弱酸性植物抽出液に含まれる弱酸
性物質を除放して人の皮膚の表皮がアルカリ性にかたよ
るのを抑制し、表皮のPHを表皮本来の水準の弱酸性に
近づけていくことが出来る極めて優れた液吸収性肌接触
加工物における弱酸性保持方法を提供するものである。 【解決手段】 本発明は、加水分解したシルク溶液を除
放性担体として弱酸性植物抽出液を保持し、その後該弱
酸性植物抽出液を保持したシルク溶液を液吸収性肌接触
加工物に含浸させた後脱水し、その後タンニン酸、クエ
ン酸若しくは酢酸又はそれらの混合液に浸漬することで
シルク溶液を不溶化して固着させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液吸収性肌接触加
工物における弱酸性保持方法に関し、更に詳しくは、例
えば、肌に直接接触する各種肌着、下着、靴下等の衣料
用織物、編物、不織布のみならず化粧用パフ、ガーゼ等
の液吸収性肌接触加工物のPHを弱酸性に保持すること
が出来る液吸収性肌接触加工物における弱酸性保持方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、加水分解したシルク溶液
(シルクペプタイド)を合成繊維を用いた肌着、下着、
ストッキング等の繊維表層に塗布することで、該合成繊
維を用いた商品に天然絹の特性(生理活性機能)である
水分吸放湿性や適当な保水・保温性をもたせるようにし
た製品が存在する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、上記の如
く合成繊維を用いた商品に天然絹の特性である水分吸放
湿性や適当な保水・保温性をもたせるように繊維表層に
シルク溶液を塗布した製品を使用するにあたっては、下
記の様な問題があった。
【0004】即ち、繊維表層にシルク溶液を塗布する場
合において、一般的にはシルク溶液に含まれるシルクペ
プタイド成分を所定の固結剤を用いて合成繊維に固着さ
せる手法が採られるが、近年、製品の耐洗濯性をより向
上させたことを製品上のセールスポイントとすべくより
強力な固結剤や大量の固結剤を用いる場合がある。
【0005】よって、上記の如くシルクペプタイド成分
の合成繊維への固着化を重視して強力な固結剤や大量の
固結剤を用いた場合には、シルクペプタイド成分が固結
剤の被膜下に閉じ込められてしまうことになる。
【0006】尚、一般的に人体の肌(皮膚)の表皮表面
の皮脂膜は弱酸性であり、PHは大体4,5〜6,5の
範囲であり、皮脂分泌の多い人程このPHは低い値を示
す。
【0007】又、表皮の角質層は蛋白質で、通常15〜
25%の水分と7%程度の脂質を含み弱酸性に保たれて
いるときに最も丈夫であるが、角質層の下の細胞層は弱
アルカリ性でこのPHの差が皮膚に一種の電位を発生さ
せて異物の浸透や細菌の繁殖を抑制してなるものであ
る。
【0008】従って、上記の如く強力な固結剤や大量の
固結剤を用いて製品の耐洗濯堅牢性をより向上させた製
品が、例えば、直に肌に接触する肌着、下着、靴下等で
あった場合には、必然的に洗濯頻度も高くなるだけでな
く、各種洗剤のアルカリ分が残存した状態となる。
【0009】尚、本来、シルクペプタイド成分は生体を
構成する全てのアミノ酸を含んでいると共にPHは弱酸
性を示し、よって、かかる成分が固着された製品が直に
肌に接触する肌着、下着、靴下等であった場合には、表
皮の角質層を弱酸性に保つような方向に作用することも
あり得るが、上記の如く強力な固結剤や大量の固結剤を
用いて製品の耐洗濯堅牢性をより向上させた製品はシル
クペプタイド成分が固結剤の被膜下に閉じ込められてな
るばかりか、各種洗剤のアルカリ分も残存した状態とな
る。
【0010】よって、かかる製品を直に肌身に着けてな
る場合のみならずスポーツ等を介して発汗が生じた場合
には、皮膚の表皮は汗及び製品に残存してなるアルカリ
分の影響を直接受けて弱酸性からアルカリ性へと急変す
ることとなり、しいては皮膚における細菌や雑菌の繁殖
を促すことになるばかりか、特に各種皮膚炎を患ってい
る場合には炎症を更に助長するといった害をもたらすこ
とにもなるという問題が生じていた。
【0011】然して、本発明は、上記の問題を解決する
ものであり、シルク溶液、コラーゲン溶液又はゼラチン
溶液を除放性担体として弱酸性植物抽出液を保持し、そ
の後タンニン酸、クエン酸若しくは酢酸又はそれらの混
合液でシルク溶液、コラーゲン溶液又はゼラチン溶液の
タンパク質分子を不溶化して液吸収性肌接触加工物に固
着させることで、保持した弱酸性植物抽出液に含まれる
弱酸性物質を除放して人の皮膚の表皮がアルカリ性に向
かうのを抑制し、表皮のPHを表皮本来の水準の弱酸性
に近づけていくことが出来る極めて優れた液吸収性肌接
触加工物における弱酸性保持方法を提供することを課題
とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために以下の手段を講じたものである。即ち、本
発明の液吸収性肌接触加工物における弱酸性保持方法
は、加水分解したシルク溶液を担体として弱酸性植物抽
出液を保持し、その後該弱酸性植物抽出液を保持したシ
ルク溶液を液吸収性肌接触加工物に含浸させた後脱水
し、その後タンニン酸、クエン酸若しくは酢酸又はそれ
らの混合液に浸漬することでシルク溶液を不溶化して固
着させることにより液吸収性肌接触加工物を弱酸性に保
持するものである。
【0013】よって、弱酸性植物抽出液をシルク溶液中
のシルクペプタイドを除放性担体として保持した後、酸
でシルク溶液のフィブロイン分子を不溶化して液吸収性
肌接触加工物に固着させることで、保持した弱酸性植物
抽出液に含まれる弱酸性物質を除放することが可能とな
る。
【0014】従って、該液吸収性肌接触加工物から弱酸
性物質が除放されることにより、人の皮膚の表皮がアル
カリ性にかたよるのを抑制して表皮のPHを表皮本来の
水準の弱酸性に近づけていくことが出来る利点を有す
る。
【0015】更に、本発明は、上記の如く加水分解した
シルク溶液の他にコラーゲン溶液又はゼラチン溶液を除
放性担体として弱酸性植物抽出液を保持し、その後該弱
酸性植物抽出液を保持したコラーゲン溶液又はゼラチン
溶液を液吸収性肌接触加工物に含浸させた後脱水し、そ
の後タンニン酸、クエン酸若しくは酢酸又はそれらの混
合液に浸漬することでタンパク質分子を不溶化して固着
させることにより液吸収性肌接触加工物を弱酸性に保持
するものである。
【0016】更に、前記弱酸性保持方法において、弱酸
性植物抽出液を保持した溶液を不溶化させる際に、親水
性を有したポリビニールアルコールとアクリル樹脂の混
合エマルジョンをタンニン酸、クエン酸若しくは酢酸又
はそれらの混合液に添加することにより、弱酸性植物抽
出液を保持した溶液の不溶化をより確実に、且つ強固に
することが出来る利点がある。
【0017】更に、除放性担体としてシルク溶液中のフ
ィブロイン蛋白を溶質として用いる場合には、酸でシル
ク溶液のフィブロイン分子を不溶化して液吸収性肌接触
加工物に固着させて天然絹の特性である水分吸放湿性や
適当な保水・保温性及び良好な肌触りを具備させること
が出来る利点がある。
【0018】又、弱酸性植物抽出液がPH3.7〜4.
8の範囲である場合には、人体の皮膚の表皮表面の皮脂
膜のPHに合わせた弱酸性物質を除放して人の皮膚の表
皮がアルカリ性にかたよるのを抑制し、表皮のPHを表
皮本来の水準の弱酸性に近づけることで、皮膚の抗菌力
を本来あるべき値まで向上させたり、又近づけることが
出来る利点がある。
【0019】更に、弱酸性植物抽出液に竹搾液を用いた
場合には、人体の皮膚に対してマイルドに作用するばか
りか、竹搾液のもつ消臭及び抗菌効果を利用して表皮の
PHが表皮本来の水準に近づいた皮膚の抗菌力等の機能
を増加させることが出来る利点がある。
【0020】更に、液吸収性肌接触加工物が繊維類から
なり、しかも前記溶液が、繊維類のパッディング時、捺
染法又は浸染法による染色時に含浸される場合には、例
えば、パッディング時においては、溶液に浸漬した繊維
類をローラーによって絞り、その後再度溶液に浸漬する
工程を1サイクルとして繰り返し行うことで容易に、し
かもムラなく溶液を含浸させることが出来るだけでな
く、繊維業界において通常の捺染法による染色時に用い
られるジッガーや枠染め機、更に捺染法で用いられる単
色捺染機や多色捺染機等に各種の改造や専用の装置等を
別途準備することなく染色時に用いてなる既存の機材を
余分なコストをかけることなく有効利用することが出来
る利点がある。
【0021】又、液吸収性肌接触加工物に樹脂材が用い
られてなる場合には、例えば、液吸収性肌接触加工物を
化粧用パフ等の肌接触化粧品関連グッズ等に簡単に成形
加工することが可能となり、よって化粧用パフ等の肌接
触化粧品関連グッズ等を用いるだけで皮膚のPHを弱酸
性に保持することが出来る利点がある。
【0022】更に、タンニン酸、クエン酸若しくは酢酸
又はそれらの混合液がPH3〜3.7の範囲である場合
には、弱酸性植物抽出液を保持した溶液の不溶化時にお
ける液吸収性肌接触加工物に対する接着力を最大限に引
き出すことが出来る利点がある。
【0023】
【発明の実施の形態】<第一実施形態>以下、本発明の
一実施形態を図面に従って説明する。図1(イ)におい
て、1は攪拌装置を示し、後述する加水分解したシルク
ペプタイド溶液20重量%、及び後述する弱酸性植物抽
出液としての竹搾液2.5重量%、及び水道水77.5
重量%でPH4〜4.5に予め調合された配合液5を十
分に攪拌させるためのものであり、モーター1aを介して
回転自在な攪拌用プロペラ1aを備え、しかも上方には配
合液5を注ぎ込むための開口部1dが開閉ハッチ1cを有し
て具備されてなるものである。
【0024】尚、上記弱酸性植物抽出液として用いられ
る竹搾液は、孟宗竹等を乾溜して得られた竹エキスを濾
過精製したもので、原液でのPHは略2.6前後を示
し、かかる竹搾液は、その本来の特性として消臭・抗菌
効果を有してなるものである。
【0025】更に、上記竹搾液を保持するための除放性
担体として用いられるシルクペプタイド溶液は、屑絹を
塩化カルシウム法で分解した分子量1〜6万程度の溶液
(これは、実験結果から最も良好な保持力が得られた
為)が好ましい。
【0026】更に、竹搾液を保持するための除放性担体
としてシルクペプタイド溶液を用いる理由としては、絹
には、生体を構成する全てのアミノ酸が含まれており、
よって人体に対して最も生体適合性が良いからである。
【0027】次に、同図(ロ)において、2は貯留槽を
示し、上記攪拌装置1を介して十分に攪拌された配合液
5を貯留可能で、しかも内蔵されたヒーター2aを温調装
置2bを介して制御することにより、配合液5を所定の温
度に維持することが出来るものである。
【0028】よって、上記貯留槽2内に配合液5が貯留
された後、液吸収性肌接触加工物として、例えば、乾燥
重量21.5グラムのナイロン製パンティストッキング
6を浸漬し、その後、ヒーター2aを介しての配合液5の
温度を温調装置2bを用いて50〜60℃で略30分間加
温し、パンティストッキング6に配合液5を十分含浸さ
せる。
【0029】次に、同図(ハ)に示すように、上記貯留
槽2を介して配合液5を含浸したパンティストッキング
6を脱水機3の脱水槽3a内に収容し、その後モーター3b
を介して脱水槽3aを回転させてパンティストッキング6
を脱水する。
【0030】その後、脱水機4を介して脱水したパンテ
ィストッキング6を、同図(ニ)に示すように、上方位
置に一対の絞りローラー4aを回転自在に有した絞り機4b
を備えたパッディング装置4内に貯留されたPH3〜
3.7のタンニン酸液7に常温で略2分間浸漬させた
後、同図(ホ)の如く絞り機4bのローラー4aを介してム
ラが生じないようにパンティストッキング6を絞り、そ
の後再びパンティストッキング6をタンニン酸液7に浸
漬するという工程を繰り返すことで、弱酸性植物抽出液
を保持した溶液の不溶化時におけるパンティストッキン
グ6に対する接着力を最大限に引き出すことが出来る利
点がある。
【0031】尚、上記の如くタンニン酸を用いた理由と
しては、特にシルクペプタイドの接着効果を強める性質
をタンニン酸が有してなるからであるが、必ずしもタン
ニン酸のみに限定されるものではなく、タンニン酸、ク
エン酸若しくは酢酸又はそれらの混合液をPH3〜3.
7の範囲で用いた場合であっても、弱酸性植物抽出液を
保持した溶液の不溶化時におけるパンティストッキング
6に対する接着力を最大限に引き出すことが出来る利点
がある。
【0032】よって、上記一連の処理工程により、竹搾
液やタンニン酸等は、酸性機能を失うことなく、不溶化
した絹被膜中に抱き込まれて除放性化することとなり、
その後パンティストッキング6を脱水、洗浄後自然乾燥
(図示せず)することで、弱酸性植物抽出液(竹搾液)
をシルク溶液中のシルクペプタイドを除放性担体として
保持し、その後酸でシルク溶液のフィブロイン分子を不
溶化してパンティストッキング(液吸収性肌接触加工
物)6に固着させることで、保持した弱酸性植物抽出液
に含まれる弱酸性植物質を除放することが可能となる。
【0033】従って、上記処理工程によって得られたパ
ンティストッキング6を身に着けた際に発汗が生じた場
合であっても、パンティストッキング6に不溶化して強
固に固着したシルクペプタイドが除放性担体として、保
持した弱酸性植物抽出液に含まれる弱酸性物質を除放
(分子構造上親水性を失っていないために水や水分と馴
染みやすく、よって汗の水分と出会うと内包した酸性物
質を除々に放出)して人の皮膚の表皮がアルカリ性にか
たよるのを抑制し、表皮のPHを表皮本来の水準の弱酸
性に近づけることが出来るだけでなく、パンティストッ
キング6を繰り返し洗濯した場合であってもその状態を
長時間又は長期間維持することが出来るという利点があ
る。
【0034】よって、表皮のPHが表皮本来の水準の弱
酸性に近づくことにより、皮膚における細菌や雑菌の繁
殖を抑制することが出来るという健康衛生上の利点を有
することになるのである。
【0035】尚、上記実施形態において、パンティスト
ッキング6をタンニン酸液7に浸漬するという工程を繰
り返すことで、弱酸性植物抽出液を保持した溶液の不溶
化時におけるパンティストッキング6に対する接着力を
最大限に引き出すことが出来る利点があるが、例えば、
弱酸性植物抽出液を保持した溶液を不溶化させる際に、
親水性を有したポリビニールアルコールとアクリル樹脂
の混合エマルジョンを略1対1の混合比として3〜5重
量%でタンニン酸、クエン酸若しくは酢酸又はそれらの
混合液に添加して高温熱処理してもよく(この場合に
は、浸漬後のパンティストッキング6を略80℃で30
分位乾燥させるのが好適である)、この場合には、弱酸
性植物抽出液を保持した溶液の不溶化をより確実に、且
つ更に強固にすることが可能となって耐洗濯堅牢性を最
大限にする利点がある。
【0036】更に、上記の如くポリビニールアルコール
とアクリル樹脂の混合エマルジョンをタンニン酸、クエ
ン酸若しくは酢酸又はそれらの混合液に添加して高温熱
処理した場合において、コーティングされたシルク成分
が固結した合成樹脂被膜に内包されてしまうことで人体
の皮膚表面と接触しにくくなって絹の持つ生理活性機能
が作用しがたくなったり、又風合いが多少固くなるとい
う問題が生じる恐れもあるが、このような問題の発生を
防止するには柔軟剤を用いればよい。
【0037】更に、上記実施形態において、除放性担体
としてシルクペプタイド溶液(シルク溶液)中のフィブ
ロイン蛋白のみを溶質として用いる場合には、酸でシル
ク溶液のフィブロイン分子を不溶化して液吸収性肌接触
加工物に固着させて天然絹の特性である水分吸放湿性や
適当な保水・保温性及び良好な肌触りを具備させること
が出来る利点がある。
【0038】更に、上記実施形態において、弱酸性植物
抽出液には竹搾液が用いられ、しかも該竹搾液は、PH
4〜4.5に予め調合された配合液5として使用されて
なるが、必ずしもPH4〜4.5に限定されるものでは
なく、要は弱酸性植物抽出液がPH3.7〜4.8の範
囲が最も好ましく、この場合には、人体の皮膚の表皮表
面の皮脂膜のPHに合わせた弱酸性物質を除放して人の
皮膚の表皮がアルカリ性にかたよるのを抑制し、表皮の
PHを表皮本来の水準のPH4.5〜6.5の弱酸性に
近づけることが可能となり、よって皮膚の抗菌力を本来
あるべき値まで向上させたり、又近づけることが出来る
利点がある。
【0039】更に、弱酸性植物抽出液に竹搾液を用いた
場合には、人体の皮膚に対してマイルドに作用するばか
りか、竹搾液のもつ消臭及び抗菌効果を利用して表皮の
PHが表皮本来の水準に近づいた皮膚の抗菌力等の機能
を向上させることが出来る利点があるが、必ずしも弱酸
性植物抽出液が竹搾液だけに限定されないのは言うまで
もない。
【0040】更に、上記実施形態において、液吸収性肌
接触加工物には繊維類であるパンティストッキング6が
用いられ、しかも該パンティストッキング6は、パッデ
ィング時にタンニン酸液7に浸漬されたパンティストッ
キング6を一対の絞りローラー4aによって絞り、再びタ
ンニン酸液7に浸漬する工程を1サイクルとして繰り返
し行うことで弱酸性植物抽出液を保持した溶液の不溶化
時におけるパンティストッキング6に対する接着力を最
大限に引き出すべく容易に、しかもムラなく含浸させる
ことが出来るものであるが、必ずしも液吸収性肌接触加
工物がパンティストッキング6に限定されるものではな
く、例えば、液吸収性肌接触加工物が肌着、下着、靴下
等の衣料用織物、編物等の各種の繊維類であった場合
に、上記の如くパッディングのみに限定されるものでは
なく、例えば、捺染法又は浸染法による染色時に弱酸性
植物抽出液を保持した溶液を含浸させてもよく、この場
合には、繊維業界において通常の捺染法による染色時に
用いられるジッガーや枠染め機(図示せず)、更に捺染
法で用いられる単色捺染機や多色捺染機(図示せず)等
に各種の改造や専用の装置等を別途準備することなく染
色時に用いてなる既存の機材を余分なコストをかけるこ
となく有効利用することが出来る利点がある。
【0041】更に、上記実施形態において、繊維類を液
吸収性肌接触加工物として用いたが、例えば、液吸収性
肌接触加工物が化粧用パフ等の肌接触化粧品関連グッズ
等に簡単に成形加工することが可能な樹脂材(この場合
であっても加工物が液吸収性肌接触商品として用いられ
るのを考慮すればスポンジ状が最良である)であっても
よく、この場合には、化粧用パフ等の肌接触化粧品関連
グッズ等を使用するだけで皮膚のPHを弱酸性に保持す
ることが出来るという利点がある。
【0042】更に、上記実施形態において、除放性担体
として加水分解したシルク溶液を用いたが、必ずしもこ
れに限るものではなく、例えば、シルク溶液の他にコラ
ーゲン溶液又はゼラチン溶液を除放性担体として弱酸性
植物抽出液を保持し、その後該弱酸性植物抽出液を保持
したコラーゲン溶液又はゼラチン溶液を液吸収性肌接触
加工物に含浸させた後脱水し、その後タンニン酸、クエ
ン酸若しくは酢酸又はそれらの混合液に浸漬してもよ
く、この場合でもタンパク質分子を不溶化して固着させ
ることにより液吸収性肌接触加工物を弱酸性に保持する
ことが出来るという利点がある。
【0043】<第二実施形態>更に、上記実施形態にお
いて、パッディング装置4内に貯留されたタンニン酸液
7に常温で略10分間浸漬された後、絞り機4bを介して
ムラが生じないように絞られ、その後再びタンニン酸液
7に浸漬するという工程を繰り返したパンティストッキ
ング(液吸収性肌接触加工物)6は脱水、洗浄後自然乾
燥されて保持した弱酸性植物抽出液に含まれる弱酸性物
質を除放することが可能となるが、例えば、パッディン
グ装置4を経たパンティストッキング6を、図2(イ)
のように温風機9の温度コントローラ9aを介して50〜
60℃程度で温風乾燥する。
【0044】その後、温風機9を介して充分乾燥したパ
ンティストッキング6を、同図(ロ)に示すように、貯
留槽2内に貯留され、且つ0.5重量%の中性洗剤が溶
解された50〜60℃の温水に略30分間浸漬させた
後、充分湯洗(図示せず)しハンガー8に掛けて乾かし
てもよく、よって、この場合には極めて滑らかで柔らか
い良好なはき心地を有したパンティストッキング6を消
費者に与えることが出来るという商品特有の利点があ
る。
【0045】
【発明の効果】叙上の様に、本発明の液吸収性肌接触加
工物における弱酸性保持方法によれば、シルク溶液、コ
ラーゲン溶液又はゼラチン溶液を除放性担体として弱酸
性植物抽出液を保持し、その後タンニン酸、クエン酸若
しくは酢酸又はそれらの混合液でシルク溶液、コラーゲ
ン溶液又はゼラチン溶液のタンパク質分子を不溶化して
液吸収性肌接触加工物に固着させることで、保持した弱
酸性植物抽出液に含まれる弱酸性物質を除放して人の皮
膚の表皮がアルカリ性に向かうのを抑制し、表皮のPH
を表皮本来の水準の弱酸性に近づけることが可能とな
る。
【0046】従って、液吸収性肌接触加工物を繰り返し
洗濯した場合であっても上記状態を長時間又は長期間維
持することが出来るという利点を有するだけでなく、皮
膚における細菌や雑菌の繁殖を抑制することが可能にな
るという全く新しい機能を備えた液吸収性肌接触加工物
を提供することが出来るという格別な効果を有するに至
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液吸収性肌接触加工物における弱酸性
保持方法の一実施形態の全体作業工程を示し、(イ)は
攪拌装置の一部断面正面図、(ロ)はパンティストッキ
ングを浸漬させた状態の貯留槽の正面図、(ハ)は脱水
機の一部断面正面図、(ニ)はパッティング装置の一部
断面正面図、(ホ)はパンティストッキングのパッティ
ング時の状態を示すパッティング装置の一部断面正面
図。
【図2】本発明の液吸収性肌接触加工物における弱酸性
保持方法の他の実施形態を示し、(イ)は温風機による
パンティストッキングの乾燥時の斜視図、(ロ)は貯留
槽の正面図、(ハ)はハンガーによるパンティストッキ
ングの乾燥時の斜視図。
【符号の説明】
1…攪拌装置 2…貯留槽 3…脱水機 4…パッディング装置 5…配合液 6…液吸収性肌接触加工物(パンティストッキング) 7…タンニン酸液 8…ハンガー 9…温風機

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加水分解したシルク溶液を担体として弱
    酸性植物抽出液を保持し、その後該弱酸性植物抽出液を
    保持したシルク溶液を液吸収性肌接触加工物に含浸させ
    た後脱水し、その後タンニン酸、クエン酸若しくは酢酸
    又はそれらの混合液に浸漬することでシルク溶液を不溶
    化して固着させることにより液吸収性肌接触加工物を弱
    酸性に保持することを特徴とする液吸収性肌接触加工物
    における弱酸性保持方法。
  2. 【請求項2】 加水分解したコラーゲン溶液を担体とし
    て弱酸性植物抽出液を保持し、その後該弱酸性植物抽出
    液を保持したコラーゲン溶液を液吸収性肌接触加工物に
    含浸させた後脱水し、その後タンニン酸、クエン酸若し
    くは酢酸又はそれらの混合液に浸漬することでコラーゲ
    ン溶液を不溶化して固着させることにより液吸収性肌接
    触加工物を弱酸性に保持することを特徴とする液吸収性
    肌接触加工物における弱酸性保持方法。
  3. 【請求項3】 加水分解したゼラチン溶液を担体として
    弱酸性植物抽出液を保持し、その後該弱酸性植物抽出液
    を保持したゼラチン溶液を液吸収性肌接触加工物に含浸
    させた後脱水し、その後タンニン酸、クエン酸若しくは
    酢酸又はそれらの混合液に浸漬することでゼラチン溶液
    を不溶化して固着させることにより液吸収性肌接触加工
    物を弱酸性に保持することを特徴とする液吸収性肌接触
    加工物における弱酸性保持方法。
  4. 【請求項4】 前記請求項1〜3記載の液吸収性肌接触
    加工物における弱酸性保持方法において、弱酸性植物抽
    出液を保持した溶液を不溶化させる際に、親水性を有し
    たポリビニールアルコールとアクリル樹脂の混合エマル
    ジョンをタンニン酸、クエン酸若しくは酢酸又はそれら
    の混合液に添加することを特徴とする請求項1乃至3の
    何れかに記載の液吸収性肌接触加工物における弱酸性保
    持方法。
  5. 【請求項5】 前記シルク溶液が、フィブロイン蛋白を
    溶質としてなることを特徴とする請求項1記載の液吸収
    性肌接触加工物における弱酸性保持方法。
  6. 【請求項6】 前記弱酸性植物抽出液がPH3.7〜
    4.8の範囲である請求項1乃至5の何れかに記載の液
    吸収性肌接触加工物における弱酸性保持方法。
  7. 【請求項7】 前記弱酸性植物抽出液に竹搾液が用いら
    れてなることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記
    載の液吸収性肌接触加工物における弱酸性保持方法。
  8. 【請求項8】 前記液吸収性肌接触加工物が繊維類から
    なり、しかも前記溶液が、繊維類のパッディング時、捺
    染法又は浸染法による染色時に含浸されることを特徴と
    する請求項1乃至7の何れかに記載の液吸収性肌接触加
    工物における弱酸性保持方法。
  9. 【請求項9】 前記液吸収性肌接触加工物に樹脂材が用
    いられてなることを特徴とする請求項1乃至7の何れか
    に記載の液吸収性肌接触加工物における弱酸性保持方
    法。
  10. 【請求項10】 前記タンニン酸、クエン酸若しくは酢
    酸又はそれらの混合液がPH3〜3.7の範囲である請
    求項1乃至9の何れかに記載の液吸収性肌接触加工物に
    おける弱酸性保持方法。
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