JP2000027074A - 形態安定加工用セルロース系繊維含有繊維構造物及び形態安定性セルロース系繊維含有繊維構造物の製造方法 - Google Patents

形態安定加工用セルロース系繊維含有繊維構造物及び形態安定性セルロース系繊維含有繊維構造物の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗張力、引き裂き強力等の生地強力低下が小
さく、防しわ性に優れ、且つ繰り返し洗濯後も高いW&
W性、パッカリング性、保型性を保持するセルロース系
繊維含有繊維構造物を提供する。 【解決手段】 樹脂加工剤、触媒及びアルカノールアミ
ン系化合物を付与した形態安定加工用セルロース系繊維
含有繊維構造物及び該繊維構造物を縫製して繊維製品の
形にした後、熱処理する形態安定性セルロース系繊維含
有繊維構造物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシャツ、スラック
ス、ブラウス等の衣料用品、シーツ、枕カバー等の寝装
用品、ハンカチ、テーブルクロス等の繊維雑貨用品とし
て、好適なセルロース系繊維含有繊維構造物に関するも
のであり、さらに詳しくは、製品の強力低下をおさえ、
しかも防縮性、W&W(ウォッシュアンドウェア)性、
プリーツ性及びパッカリング性、保型性を向上させたセ
ルロース系繊維含有繊維構造物及びその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】セルロース系繊維構造物の洗濯するとし
わになり易い、収縮し易い等の欠点の改善は永久的課題
であり、また縫製品に於いては、洗濯後に発生するしわ
や生地と縫い糸又は生地部位間の伸縮性の差により生ず
るパッカリング現象(ひきつれ現象)や製品形状での保
型性の改善が強く望まれている。この問題点を改善しよ
うとして、グリオキザール系樹脂加工剤をはじめとする
樹脂加工剤を用いてセルロース系繊維布帛を樹脂加工す
ることが行われている。さらに近年では、製品状態での
パッカリングや保型性を改善するために、樹脂加工剤と
触媒を布帛に付与乾燥した後に熱処理しないで縫製し、
製品状態で熱処理するいわゆるポストキュアー加工がさ
かんに行われている。しかし、これらの方法は樹脂加工
による生地強力の低下を伴うため、強力低下が少ない樹
脂加工方法の開発が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来の樹脂加
工やポストキュアー加工に工程の変更がなく使用でき、
風合い、防しわ性、繰り返し洗濯後のパッカリング性、
W&W性、防縮性、保型性などを損なわずに、樹脂加工
後の布帛強力低下を極力おさえたセルロース系繊維含有
繊維構造物及びその為の工業的生産性に優れた製造方法
を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
の解決のために鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達し
た。即ち、セルロース系繊維含有繊維構造物を少なくと
も樹脂加工剤、触媒及びアルカノールアミン系化合物を
付与した形態安定加工用セルロース系繊維含有繊維構造
物及び該繊維構造物を縫製し、繊維製品の形にした後、
熱処理するセルロース系繊維含有繊維構造物の製造方法
である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明でいうセルロース系繊維含
有繊維構造物とは、木綿、麻、亜麻、パルプ、バクテリ
アセルロース繊維等の天然セルロース繊維、ビスコース
法レーヨン(ポリノジックを含む)、銅アンモニア法レ
ーヨン、溶剤紡糸法レーヨン等の再生セルロース繊維な
どのセルロース系繊維単独品、及びこれらセルロース系
繊維とポリエステル、ポリアミド、アクリル、ポリエチ
レン、ポリプロピレン等の合成繊維との混繊、混紡、交
織、交撚等で混用して得られるワタ、糸、織物、編物、
不織布等及びそれらからなる繊維製品のことである。他
の繊維と混用する場合、本発明の効果をよく発揮するた
めに、セルロース系繊維の含有率は20重量%以上が好
ましく、30重量%以上がより好ましく、さらに好まし
くは50重量%以上である。
【0006】セルロース系繊維布帛の樹脂加工では、先
に述べた様に加工により布帛の強力が低下するが、これ
には樹脂加工剤がセルロース分子を架橋するために起こ
る強力低下と、触媒として使用される酸性又は潜在性酸
性触媒から発生する酸がセルロース分子鎖を切断するた
めに起こる強力低下の2通りの要因がある。本発明で使
用されるアルカノールアミン系化合物は、この触媒より
発生する酸がセルロース分子鎖を切断するために起こる
強力低下の軽減に効果がある。このことにより、樹脂加
工の欠点である強力低下を少なくすることができる。す
なわち同じ生地強力あれば使用する樹脂の量を増やして
加工することができるため、製品の洗濯後の防しわ性、
パッカリング性、保型性などといった形態安定性能を向
上させることができる。
【0007】先に述べた様にセルロース系繊維布帛の樹
脂加工では反応触媒として酸性又は潜在性酸性触媒が用
いられる。そのため、触媒から発生する酸によるセルロ
ース繊維の強力低下を防ぐためには、布帛にアルカリ性
化合物を付与しておくと触媒から発生した酸が中和され
セルロース分子鎖の切断を防ぐことができるのである
が、これは同時に樹脂加工剤の反応触媒を失活させてし
まうこととなり、樹脂加工剤の架橋反応が起こりにくく
なり目的とする形態安定性能が得られない。しかし本発
明者らはアルカリ性化合物であっても、特定のアルカノ
ールアミン構造を持つ化合物には、これらの触媒活性を
ほとんど阻害せずに、触媒によるセルロース繊維の強力
低下を防止する効果があることを見いだし本発明に至っ
た。
【0008】本発明で使用できるアルカノールアミン系
化合物には、酸性又は潜在性酸性触媒の触媒活性を阻害
せず、これらの触媒より発生する酸によるセルロース繊
維の強力低下を防ぐといった相反する特性が必要とされ
ることから、全てのアルカノールアミン系化合物が有効
であるわけではない。触媒活性を阻害しないためには、
アンモニアやアミンのNH基の全てがアルカノール基で
置換されているアルカノールアミン構造が必要である。
それらのアルカノール基はなるべく炭素数の大きい物の
方が好ましく、少なくとも炭素数2以上、好ましくは炭
素数3以上のアルカノール基が適している。即ち、メタ
ノール基では触媒活性を阻害しない効果がなく、少なく
ともエタノール基、好ましくはプロパノール基やブタノ
ール基などの炭素数3以上のアルカノール基や、エチレ
ンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドな
どの炭素数2以上のアルキレンオキシド重合物をNH基
に付加したアルカノールアミン系化合物が適している。
【0009】具体的に本発明で使用できるアルカノール
アミン系化合物としては、トリエタノールアミン、トリ
プロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ト
リブタノールアミン、トリイソブタノールアミン、及び
これらの炭素数2以上のアルキレンオキシド付加物。モ
ノエチルアミン、ジエチルアミン等で代表されるモノア
ルキルアミン又はジアルキルアミンの炭素数2以上のア
ルカノール基付加物、及びこれらの炭素数2以上のアル
キレンオキシド付加物、エチレンジアミン、プロピレン
ジアミン、ブチレンジアミン、ジエチレントリアミン、
トリエチレンテトラミン、脂環族アミン、芳香族アミン
等の各種アミンの炭素数2以上のアルカノール基付加
物、及びこれらの炭素数2以上のアルキレンオキシド付
加物、などが挙げられる。
【0010】これらの化合物のなかでも、使い勝手の点
から水溶性のものが好ましい。又これら化合物の繊維構
造物への好ましい付与量は化合物により変化するが、繊
維構造物の重量に対して0.01〜3%、好ましくは
0.02〜2%である。あまり多すぎる付与量は、いか
に触媒活性を阻害しにくい化合物とはいえ、樹脂加工剤
とセルロースとの架橋反応率を低下させるので好ましく
ない。
【0011】また、本発明でセルロース繊維と樹脂加工
剤を架橋反応させるために、使用する酸性又は潜在性酸
性触媒は下記の様なものが使用できる。
【0012】本発明で使用できる酸性触媒としては、塩
化水素ガス、S02 ガス等のガス及び塩酸、硝酸、硫
酸、りん酸など無機酸、グリコール酸、マレイン酸、乳
酸、クエン酸、酒石酸及び蓚酸等の有機酸が利用でき
る。
【0013】本発明で使用できる潜在性酸性触媒として
はAlCl3 、Al2 (SO4 3、MgCl2 、Mg
(H2 PO4 2 、Zn(BF4 2 、Zn(NO3
2 、ZnCl2 、Mg(BF4 2 、Mg(ClO4
2 、Al2 (OH)4 Cl2などの各種金属塩(結晶水
含有物も含む)類、2−アミノ−2−メチル−1−プロ
パノールの塩酸塩など各種アルカノールアミンの酸性
塩、硝酸、塩酸、硫酸、りん酸などの強酸のアンモニウ
ム塩類及びこれらの混合物等が利用できる。
【0014】また、本発明で使用できる樹脂加工剤とし
ては、ジメチロールジヒドロキシエチレン尿素などのグ
リオキザール系樹脂が最も好ましいが、ジメチルジヒド
ロキシエチレン尿素、ジメチロールエチレン尿素、ジメ
チロールプロピレン尿素、ジメチロールアルキルトリア
ゾン、トリメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラ
ミンなどのメラミン系樹脂、尿素ホルマリン樹脂、ホル
ムアルデヒド水溶液なども利用できる。
【0015】これらのアルカノールアミン系化合物、酸
性又は潜在性酸性触媒及び樹脂加工剤を繊維構造物に付
与させる方法としては、水溶液などの溶液として繊維構
造物に浸漬処理により付与する方法、該溶液をスプレー
方式等で繊維構造物に吹き付ける方法等が利用できる。
【0016】本発明ではこれら以外にも、樹脂加工剤の
反応を安定させる目的や、繊維構造物を製品として好ま
しい風合いにする目的及び可縫性を向上させる目的で、
ポリオール化合物や柔軟剤なども利用できる。
【0017】本発明で利用できるポリオール化合物とし
ては、エチレングリコール系、プロピレングリコール系
化合物や、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共
重合体。グリセリン、ネオペンチルグリコール、トリメ
チロールプロパン、エリスリトール、ペンタエリスリト
ール、ソルビトール、及びこれらのエチレンオキシド及
び/又はプロピレンオキシドの付加物が利用できる。
【0018】本発明で利用できる柔軟剤とは、繊維構造
物の風合いを好ましいものにするためや、繊維構造物の
可縫性を向上させる目的で使用するものであり、ジメチ
ルポリシロキサン、エポキシ変性シリコーン、アミノ変
性シリコーン、水溶性シリコーン等のシリコーン系柔軟
剤、ワックス系柔軟剤、ポリエチレン系柔軟剤、脂肪酸
アミド系柔軟剤、ポリウレタン系柔軟剤、ポリエステル
系柔軟剤、アクリルエステル系柔軟剤、ノニオン、アニ
オン、カチオン、両性の界面活性剤等が利用できる。
【0019】さらに本発明では、撥水剤、抗菌剤、防臭
剤、静電気防止剤等の機能性加工剤を同時に使用するこ
とも可能である。
【0020】本発明のセルロース系繊維含有繊維構造物
は精錬漂白工程後に、水酸化ナトリウムによる通常のシ
ルケット加工処理や液体アンモニア加工処理、更にはシ
ルケット加工と液体アンモニア加工を組み合わせて処理
したものや、先染め、浸染、捺染等の染色したものも使
用できる。ポリエステルで代表される合成繊維との混用
では必要があれば予めヒートセットしてもかまわない。
【0021】これらのアルカノールアミン系化合物、触
媒、樹脂加工剤及び柔軟剤等を繊維構造物に付与した後
樹脂加工剤とセルロース繊維を反応させる方法として
は、これらの加工剤水溶液を繊維構造物に付与し乾燥さ
せた後130℃以上の温度でキュアーするパッド−ドラ
イ−キュアー法、加工剤水溶液を繊維構造物に付与し熱
乾燥した後縫製を行い製品の形態で130℃以上の温度
でキュアーするポストキュアー法、さらには加工剤水溶
液を繊維構造物に付与した後ある程度の水分を残した状
態で乾燥し巻き上げ比較的低温(室温〜60℃)で数時
間から数十時間かけて反応させるモイストキュアー法な
どが利用できる。
【0022】通常は樹脂加工剤と酸性又は潜在性酸性触
媒を含む加工剤水溶液は触媒が酸性であるために、これ
らの加工剤を付与した繊維構造物は生地pHが酸性とな
るのが普通である。このため、生地に加工剤を付与して
からキュアーするまでに縫製などの工程を経るため長期
間保管する必要があるポストキュアー法では、長期間の
保管中に触媒の酸性による生地強力の劣化や樹脂加工剤
の反応が起こり目的とする性能が得られないという問題
があった。しかし本発明によると、使用するアルカノー
ルアミン系化合物はアルカリ性であるため、加工剤を付
与した繊維構造物の生地pHを酸性から中性や弱アルカ
リ性にすることができる。従って長期間の保管中にも、
触媒の酸性による生地強力の劣化や樹脂加工剤の経時的
な反応を抑制することができるので、ポストオキュアー
法の生地保管安定性を大幅に改善できることができる。
【0023】上記のアルカノールアミン系化合物を用い
た樹脂加工法により、防しわ性に優れ、かつ繰り返し洗
濯後のパッカリング性、W&W性、防縮性、保型性に優
れ、同時に加工による抗張力、引き裂き強力等の生地強
力が高いセルロース系繊維含有繊維構造物が製造可能と
なる。
【0024】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではな
い。実施例で用いた評価法を以下に示す。 生地pH:JIS L 1096 6.40. 引裂強力;JIS L 1096 6.15.5 D法
(ヨコ方向) 抗張力 ;JIS L 1096 6.12.1 A法
(5cm幅ヨコ方向) W&W性;JIS L 0217 103法による洗濯
を5回繰り返した後、JIS L 1042 6.9.
2 I−2法によるタンブル乾燥を行い、サンプルを2
0℃、65%RHの室内に一晩放置した後、AATCC
124−1984 5段階レプリカ法にもとづいて判
定を行った。 5級(良好)〜1級(不良)
【0025】パッカリング性;JIS L 0217
103法による洗濯を5回繰り返した後、JIS L
1042 6.9.2 I−2法によるタンブル乾燥を
行い、サンプルを20℃、65%RHの室内に一晩放置
した後、AATCC 88−B−1984法の縫い目5
段階レプリカにより評価した。 5級(良好)〜1級(不良)
【0026】保型性;JIS L 0217 103法
による洗濯を5回繰り返した後、JIS L 1042
6.9.2 I−2法によるタンブル乾燥を行い、サ
ンプルを20℃、65%RHの室内に一晩放置した
後、、視覚で5段階に判定した。 5(級):非常に良好 4 〃 :良好 3 〃 :普通 2 〃 :やや不良 1 〃 :非常に不良
【0027】又、本発明において樹脂加工剤の架橋反応
の程度は、グリオキザール系樹脂などの繊維素反応型樹
脂加工剤の場合はセルロース系繊維に直接架橋反応した
樹脂加工剤を硫酸で分解して得られるホルムアルデヒド
量である、結合ホルムアルデヒド量で示すことができ
る。この結合ホルムアルデヒド量を測定することにより
バラツキが生じやすいW&W性だけに頼らず正確な改質
の程度を知ることができる。
【0028】結合ホルムアルデヒド量:加工布約2gを
沸水中で15分間処理し、水洗、絶乾精秤後、水蒸気蒸
留法により20%硫酸中で分解し、亜硫酸水素ナトリウ
ム水溶液中に生成ホルムアルデヒドを回収し、よう素滴
定法で過剰亜硫酸水素ナトリウムを酸化した後、アルカ
リで付加物を分解し、ホルムアルデヒドと付加した亜硫
酸水素ナトリウムの量を求め、加工布重量当りのホルム
アルデヒドを重量%で示した。
【0029】実施例1 木綿織物(40/1×40/1/120×72)を常法
による毛焼き、精錬漂白、シルケット加工後、さらに液
体アンモニア加工し、下記組成の加工液(A)に浸漬し
絞り率70%になるように絞り、120℃で1分間乾燥
した後、次いでサンフォライズ加工した。得られた木綿
織物の生地pHは7.4であった。この木綿織物を使用
して通常の方法によりシャツを縫製した。このシャツを
密閉容器内に設置し、熱風により加熱昇温し145℃で
5分間キュアーし、本発明の実施例1のシャツを得た。
得られたシャツの評価結果を表1に示した。
【0030】 加工液(A): テトライソプロパノールエチレンジアミン 0.4重量部 Sumitex Resin NS−19 18.0重量部 (住友化学工業社製、グリオキザール樹脂) Sumitex Accelerator X−80 5.4重量部 (住友化学工業社製、潜在性酸性触媒) ポリエチレングリコール(平均分子量200) 6.0重量部 パラシリコンAYR20 4.0重量部 (大原パラジウム社製、シリコン系ソフナー) PEN 3.0重量部 (大日本インキ化学工業社製、ポリエチレン系ソフナー) 水 63.2重量部
【0031】実施例2 実施例1で使用した木綿織物を下記組成の加工液(B)
に浸漬し、絞り率70%になるように絞り、120℃で
1分間乾燥し、次いでサンフォライズ加工した。得られ
た木綿織物の生地pHは8.0であった。この木綿織物
を使用して通常の方法によりシャツを縫製した。このシ
ャツに実施例1と同様の熱風による加熱キュアーを施
し、本発明の実施例2のシャツを得た。得られたシャツ
の評価結果を表1に示した。 加工液(B): テトライソプロパノールエチレンジアミン 0.8重量部 Sumitex Resin NS−19 18.0重量部 (住友化学工業社製、グリオキザール樹脂) Sumitex Accelerator X−80 5.4重量部 (住友化学工業社製、潜在性酸性触媒) ポリエチレングリコール(平均分子量200) 6.0重量部 パラシリコンAYR20 4.0重量部 (大原パラジウム社製、シリコン系ソフナー) PEN 3.0重量部 (大日本インキ化学工業社製、ポリエチレン系ソフナー) 水 62.8重量部
【0032】比較例1 実施例1で使用した木綿織物を下記組成の加工液(C)
に浸漬し、絞り率70%になるように絞り、120℃で
1分間乾燥し、次いでサンフォライズ加工した。得られ
た木綿織物の生地pHは5.6であった。この木綿織物
を使用して通常の方法によりシャツを縫製した。このシ
ャツに実施例1と同様の熱風による加熱キュアーを施
し、本発明の実施例2のシャツを得た。得られたシャツ
の評価結果を表1に示した。 加工液(C): Sumitex Resin NS−19 18.0重量部 (住友化学工業社製、グリオキザール樹脂) Sumitex Accelerator X−80 5.4重量部 (住友化学工業社製、潜在性酸性触媒) ポリエチレングリコール(平均分子量200) 6.0重量部 パラシリコンAYR20 4.0重量部 (大原パラジウム社製、シリコン系ソフナー) PEN 3.0重量部 (大日本インキ化学工業社製、ポリエチレン系ソフナー) 水 63.6重量部
【0033】比較例2 実施例1で使用した木綿織物を下記組成の加工液(D)
に浸漬し、絞り率70%になるように絞り、120℃で
1分間乾燥し、次いでサンフォライズ加工した。得られ
た木綿織物の生地pHは5.8であった。この木綿織物
を使用して通常の方法によりシャツを縫製した。このシ
ャツに実施例1と同様の熱風による加熱キュアーを施
し、本発明の実施例2のシャツを得た。得られたシャツ
の評価結果を表1に示した。 加工液(D): Sumitex Resin NS−19 13.0重量部 (住友化学工業社製、グリオキザール樹脂) Sumitex Accelerator X−80 3.9重量部 (住友化学工業社製、潜在性酸性触媒) ポリエチレングリコール(平均分子量200) 6.0重量部 パラシリコンAYR20 4.0重量部 (大原パラジウム社製、シリコン系ソフナー) PEN 3.0重量部 (大日本インキ化学工業社製、ポリエチレン系ソフナー) 水 70.1重量部
【0034】表1の結果で明らかなように、実施例1、
2、と比較例1はアルカノールアミン系化合物を使用し
ているかいないかの違いだけであるが、アルカノールア
ミン系化合物を使用した実施例1、2の本発明のシャツ
は、W&W性、結合ホルマリン量がほぼ同じであるの
に、抗張力や引裂き強力が比較例1より優れている。さ
らに使用しているアルカノールアミン量が多い実施例2
は実施例1よりさらに生地強力が向上している。又、比
較例2は比較例1で使用している樹脂加工剤と潜在性酸
性触媒量を減少させて実施例2とほぼ同じ生地強力とな
るようにしたのもであるが、実施例2より結合ホルムア
ルデヒド量が減少しW&W性、保型性、パッカリングな
どの形態安定性能が低下していることが分かる。以上に
より本発明のアルカノールアミン系化合物を使用した木
綿織物の樹脂加工法による改質バランスの向上効果は明
白である。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】セルロース系繊維を含む繊維構造物を少
なくとも樹脂加工剤、触媒及びアルカノールアミン系化
合物を含む加工液を用いて樹脂加工して得られる繊維構
造物は、風合いが良好で、セルロース系繊維の抗張力、
引き裂き強力等の強力の低下が少なく、繰り返し洗濯後
も優れたW&W性、パッカリング性、防縮性、保型性を
示し、形態安定性に優れる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂加工剤、触媒及びアルカノールアミ
    ン系化合物が付与されたセルロース系繊維含有繊維構造
    物。
  2. 【請求項2】 セルロース系繊維含有繊維構造物に少な
    くとも樹脂加工剤、触媒及びアルカノールアミン系化合
    物を含む水溶液を付与した後乾燥させ、縫製し繊維製品
    の形にした後熱処理することを特徴とする形態安定性セ
    ルロース系繊維含有繊維構造物の製造方法。
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