JP2000027066A - ヘアラインデータの作成方法及び装置 - Google Patents

ヘアラインデータの作成方法及び装置

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JP2000027066A
JP2000027066A JP10187718A JP18771898A JP2000027066A JP 2000027066 A JP2000027066 A JP 2000027066A JP 10187718 A JP10187718 A JP 10187718A JP 18771898 A JP18771898 A JP 18771898A JP 2000027066 A JP2000027066 A JP 2000027066A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ヘアラインパターンを作成するためのデータを
ベクタ形式とする。 【解決手段】まず、ヘアラインパターンを作成するため
の繊維潜り角の2次元スカラ場を入力する。そして、そ
の2次元スカラ場に基づいて疑似ヘアラインを生成し
て、各ヘアラインを作成するための制御点の座標値を求
め、その制御点の座標値をそのまま、あるいは間引いて
ヘアラインデータとして登録する。このようにヘアライ
ンデータを、各ヘアラインを描画するための制御点の座
標値というベクタ形式とするので、データ量も少なく、
ヘアラインの修正を容易に行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、木目柄を有する化粧シ
ートに対して「照り」と呼ばれる光沢模様を表現するた
めにエンボス加工を施すためのヘアラインのデータを、
木目の繊維の潜り角から作成する方法及び装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】壁紙や床材等の建材の表面装飾や、家具
の表面装飾のために用いる化粧シートにおいては、照り
と称される光沢模様を表現するために、多数のヘアライ
ンのパターンを直接化粧シートにエンボス加工したり、
あるいは透明なシートにヘアラインパターンをエンボス
加工してエンボスシートを作成し、そのエンボスシート
を木目柄等の模様を印刷した化粧シートに貼り付けて積
層構造とすることが広く行われている。
【0003】このように、ヘアラインパターンをエンボ
ス加工することによって照りが表現できる原理は概略次
のようである。図5は、ヘアラインパターンをエンボス
加工して万線条溝Gが形成されたシートEの斜視図であ
り、この例では、幅W1の万線条溝GがW2の間隔で多
数形成されている。シートEの全体の厚みD1に対し
て、万線条溝Gは深さD2の溝を形成しており、多数の
万線条溝Gがほぼ平行に配置されている。このような万
線条溝Gからなるパターンは、幅W1をもった凹部と幅
W2をもった凸部との二段階の段差構造を有している。
【0004】このような万線条溝Gが形成されたシート
Eは、その表面から得られる反射光の強度が位置によっ
て異なることが知られている。つまり、異方性反射を行
うのである。そして、このようなシートEを見る視線を
連続的に変化させると、強く反射する箇所、即ち輝度が
高く、明るく光る箇所が変化していく。これが照りの移
動と称されるものである。
【0005】さて、上述したような照り、及び照りの移
動を表現するヘアラインパターンとしては、エンボス加
工を行った場合に、天然の木材が発現するような自然な
照り、及び照りの移動を表現できるものが望ましいこと
は当然である。そこで、天然の木材が照り、及び照りの
移動を発現する原理を考えると、それは、木材表面にお
ける繊維潜り角に起因していることが知られている。概
略説明すると次のようである。
【0006】図6は、材木板表面の繊維質の配向性と鏡
面反射率との関係を説明する図である。いま、材木板1
00の表面(切断面J)に、図に繊維方向ベクトルF→
(電子出願の制約から、本来符号の上部に付記するベク
トル記号“→”を符号右側に付記することにする)とし
て示すような配向性をもって繊維Fが配置されているも
のとする。このとき、切断面Jと繊維Fとのなす角ξは
繊維潜り角と呼ばれている。
【0007】そして、材木板100の上方に仮想光源2
00(面光源)を仮定し、この仮想光源200から材木
板100の表面(切断面J)に対して垂直な光線が照射
され、この表面からの拡散反射光および鏡面反射光を観
察することを考える。この場合、観察される拡散反射光
の強度は、材木板100の表面の木目模様の色成分によ
って左右され、この拡散反射光による画像は、いわゆる
着色された模様として認識されることになる。一方、観
察される鏡面反射光の強度W(光沢度)は、繊維潜り角
ξによって左右され、通常、図7のグラフに示すような
関係となる。より正確には、各部における鏡面反射光強
度は、光の照射方向と繊維潜り角ξとの双方によって決
定される。即ち、図6に示すように、切断面J上の点P
において、光線方向ベクトルL→と繊維方向ベクトルF
→とを図のように定義すれば、両ベクトルの交錯角φに
よって点Pにおける鏡面反射光強度が決定されることに
なる。上述の例のように、光線方向ベクトルL→が切断
面Jに対して垂直であるモデルの場合、ベクトル交錯角
φ=90°−ξとなり、図7のグラフに示すように、φ=
90°のときに鏡面反射光強度が最高になり、φ= 0°の
ときに最低となる。
【0008】実際の天然木から切り出した材木板の表面
に照り模様が見られるのは、切断面上の各部分ごとに異
なる繊維潜り角ξが得られるからであり、この部分毎に
異なる繊維潜り角ξに基づいて照り模様が現れることに
なるのである。また、以上のことから、例えば図6にお
いて観察位置を変えずに仮想光源200を移動させた場
合、あるいは仮想光源200の位置を固定して観察位置
を変えた場合には、材木板100の照りが発現する位置
が変化することになることは明らかであろう。これが照
りの移動である。
【0009】そこで、近年では、繊維潜り角の2次元分
布、即ち2次元スカラ場を求め、その求めた繊維潜り角
の2次元スカラ場に基づいてヘアラインパターンを作成
し、そのヘアラインパターンを用いてエンボス加工する
ことが行われている。
【0010】ここで、繊維潜り角の2次元スカラ場を求
める方法としては、例えば、適宜な木理を有する繊維束
モデル、即ち適宜な配向性を有する繊維束のモデルを想
定し、そのモデルを所望の方向に切断したときの切断面
に現れる繊維の潜り角を演算する方法を用いてもよく、
また、本出願人が、先に、特願平10−104831号
において提案した方法を用いてもよい。この特願平10
−104831号において提案した方法について説明す
ると次のようである。
【0011】この方法では、図8に示すように、天然木
材101、光源102、カメラ103、処理装置104
を用いる。木材101は繊維潜り角を測定する対象物と
なるものであり、天然の木材であればどのようなもので
あってもよい。この木材101は固定して配置される。
木材101に正対してカメラ103が配置されている。
このカメラ103も固定して配置される。カメラ103
は、製版カメラ、TVカメラ、デジタルスチルカメラ等
の画像を撮影することができるものであればよい。ここ
では理解を容易にするためにデジタルスチルカメラを用
いるものとする。そして、図に示すようなxyzの直交
座標系を定める。
【0012】光源102は、できるだけ平行光線を放射
するものが望ましい。光線の色は白色光でよい。そし
て、この光源102は、図示しない適宜な手段によっ
て、図のy−z平面内において、当該座標系の原点から
の距離を等しく保ったまま移動可能となされており、ど
のような位置においても当該座標系の原点に向けて光線
を放射するようになされている。つまり、光源102は
木材101を照明する角度が可変となされているのであ
る。
【0013】このような構成において、まず、光源10
2をある角度θ1 の位置に置いて、カメラ103により
木材101を撮影する。このカメラ103で撮影された
画像のデジタルデータは処理装置104に取り込まれ
る。なお、カメラ103として製版フィルムを用いる場
合には、撮影したフィルムを現像し、スキャナ入力して
デジタル化して処理装置104に渡すようにすればよ
く、またTVカメラを用いる場合には、TVカメラから
の画像信号をデジタル化して処理装置104に渡せばよ
い。
【0014】また、後述するところから明らかなよう
に、処理装置104において繊維潜り角測定のために用
いられるのは輝度のデータのみであるから、例えばカメ
ラ103がR,G,Bの3色の画像データを出力するも
のである場合には、処理装置104はGの画像データの
みを取り込むようにしてもよく、あるいはR,G,Bか
ら輝度を表すデータを生成して、その輝度のデータのみ
を用いるようにしてもよい。
【0015】そして、処理装置104は、当該画像デー
タを角度θ1 における画像データであることを登録す
る。これによって、光源102が角度θ1 の位置に置か
れた場合の画像データが処理装置104に取り込まれる
ことになるが、次に、光源102の角度を△θだけ移動
して、カメラ103により木材101を撮影し、そのと
きの画像データを処理装置104に渡す。以下、同様に
して、光源102の角度を△θだけ移動させて木材10
1を撮影して、そのときの画像データを処理装置104
に渡す動作を所定回数繰り返す。
【0016】ここで、光源102を図8のz軸を中心と
してどのような角度範囲で移動させるか、また△θを何
度にするかは任意に定めることができるが、一般に、天
然木材の繊維潜り角ξは±10°程度であるのが一般的
であるので、光源102を移動させる角度範囲は、図8
のz軸を中心として±30°程度とすればよい。また、
△θについては、△θの値を小さくすれば精度よい測定
ができるが、測定時間が長くなるので、測定精度、測定
時間等を勘案して定めればよい。
【0017】さて、いま光源102をθ1 の角度位置か
らθN (N は自然数)の角度位置までN段階移動させて
木材101をN回撮影したとすると、処理装置104は
N枚の画像の輝度データを取り込み、それぞれの画像が
撮影されたときの光源102の角度と対応させて登録す
ることになる。
【0018】そして、処理装置104は、ある位置の画
素に注目し、これらN枚の画像の当該画素位置における
輝度値を調べ、輝度値が最大となる画像のときの光源1
02の角度位置を求め、その光源102の角度の半分の
角度を当該画素位置における繊維潜り角ξとし、当該繊
維潜り角ξを当該画素位置に登録する。
【0019】例えば、ある画素位置に注目したとき、光
源102の角度がθi (i=1,…,N)のときに撮影した画
像の輝度値が最大であるときには、処理装置104は、
当該画素位置における繊維潜り角ξはθi/2 と定めて
登録するのである。
【0020】繊維潜り角ξをこのように定めることの妥
当性は明らかである。即ち、例えば、図9のAで示す位
置の輝度が最大となるのは、繊維イの繊維潜り角ξと、
光源102からの照明の角度と、カメラ103で撮影さ
れる方向が図9で示す関係になるときであり、このとき
Aの位置にある繊維イの繊維潜り角ξは、角度の符号も
含めてθとなることは明らかである。なお、図9におい
て、ロはAの位置における繊維イに対する垂線である。
【0021】そして、処理装置104は、以上の処理を
全ての画素位置について行う。これによって、カメラ1
03で撮影された画像の全ての画素位置について繊維潜
り角ξを求めることができ、各画素位置に対して繊維潜
り角が登録された2次元のスカラ場を生成することがで
きる。そして、このような繊維潜り角測定方法によれ
ば、天然の木材から直接に、当該天然木材の各位置にお
ける繊維潜り角を測定することが可能となる。
【0022】以上のように、繊維潜り角の2次元スカラ
場を求める方法は種々あるのであるが、従来において
は、どのような方法であれ、繊維潜り角の2次元スカラ
場を求めた後は、その求めた繊維潜り角の2次元スカラ
場に基づいてエンボス加工を行うためのヘアラインのパ
ターンを直接作成していた。
【0023】繊維潜り角の2次元スカラ場に基づいて、
ヘアラインパターンを作成する方法としては種々ある
が、その一例について図10のフローチャートを参照し
て概略説明する。
【0024】まず、ステップS21において、ヘアライ
ンパターンを描画する作成画像のサイズを設定し、この
作成画像の全ての画素の画素値を 0に設定しておく。こ
こでは幅をw(以下、x方向とする)、高さをh(以
下、y方向とする)とする。このサイズは繊維潜り角の
2次元スカラ場と同じサイズとすればよいが、異なるサ
イズであってもよい。ただし、繊維潜り角の2次元スカ
ラ場の位置と、作成画像の位置とは一対一に対応させる
必要があるので、両者のサイズが異なっている場合には
両者のサイズを正規化する等して両者の位置の一対一対
応をとるようにすればよい。なお、以下においては、繊
維潜り角の2次元スカラ場の位置と、作成画像の位置と
は一対一対応がとれているものとする。
【0025】上述したように繊維潜り角の2次元スカラ
場の各点にはそれぞれの位置における繊維の潜り角が定
義されているので、作成画像の任意の位置の画素P
(i,j)に対して、繊維潜り角の2次元スカラ場の
(i,j)の位置に定義されている繊維潜り角を対応付
けることができる。
【0026】次のステップS22では、この作成画像の
画素配列の第1行目に、ヘアラインパターンを作成する
ための代表画素の位置を定義すると共に、これらの各代
表画素の近傍に、連続配置された画素群からなる画素帯
をそれぞれ定義する処理が行われる。そしてこのとき、
代表画素及び画素帯の画素に画素値 1を書き込む。第1
行目に代表画素を何画素、どのような配置で定義するか
は任意であるが、互いに所定の間隔をおいて複数の代表
画素を定義すればよい。
【0027】図11にその例を示す。図11は、作成画
像の第1行目に配置された多数の画素の中から、代表画
素R11,R12を定義した状態を示している。この図
の例では、第7列目の画素P(1,7)を最初の代表画
素R11と定義し、以下、10画素ピッチで現れる画素
P(1,17),画素P(1,27),画素P(1,3
7),…を代表画素R12,R13,R14,…と定義
するようにしている。そして、これら各代表画素の近傍
に、画素帯を定義する。例えば、図12は、各代表画素
の左右に隣接する各2画素を含めた全5画素からなる画
素帯H11,H12,…を定義した状態を示している。
この例では、画素帯は常に代表画素を中心とした全5画
素からなる画素群によって構成されるような設定を行っ
ている。ここでは、画素帯を構成する画素については、
内部にハッチングを施して示すことにし、特に、代表画
素については、中心に黒丸を付して示すことにする。
【0028】次のステップS23では、作成画像の画素
配列の行数を示すパラメータyが初期値 1に設定され、
以下、ステップS24,S25の処理が繰り返し実行さ
れる。即ち、ステップS26において、パラメータy=
n−1(ただし、nは全行数)と判断されるまで、ステ
ップS27においてパラメータyが1ずつ更新され、ス
テップS24,S25の処理が繰り返されることにな
る。
【0029】ステップS24では、第y行目の各代表画
素について、これら各代表画素内の点に定義された繊維
潜り角の示す方向に位置する第(y+1)行目の画素を
求め、求めたこれらの画素を第(y+1)行目の代表画
素と定義し、これら第(y+1)行目の代表画素の近傍
に、連続配置された画素群からなる画素帯をそれぞれ定
義する処理が実行される。例えば、y=1の場合、図1
3に示すように、第1行目の代表画素R11,R12,
…に基づいて、第2行目の代表画素R21,R22,…
が決定され、図14に示すように、この第2行目の代表
画素R21,R22に基づいて、第2行目の画素帯H2
1,H22,…が定義されることになる。第2行目の代
表画素R21,R22は、図13に示すように、第1行
目の代表画素R11,R12について定義されている繊
維潜り角ξ11,ξ12に基づいて決定される。具体的に
は、第2行目の画素のうち、繊維潜り角ξ11に基づいて
定められる方向ベクトルに最も近い中心点を有する画素
が代表画素R21として選択され、同様に、繊維潜り角
ξ12に基づいて定められる方向ベクトルに最も近い中心
点を有する画素が代表画素R22として選択される。ま
た、第2行目の画素帯H21,H22は、この例では、
各代表画素R21,R22の左右に隣接する各2画素を
含めた全5画素からなる画素帯として定義されている。
このとき、定義された代表画素及び画素帯の画素に対し
て画素値 1が書き込まれる。
【0030】このように、ステップS24において、第
2行目の代表画素および画素帯の定義が行われると、続
くステップS25で調整処理が行われる。この調整処理
については後述する。続いて、ステップS26,S27
を経て、y=2に更新され、再びステップS24の処理
が実行されることになる。今度は、第2行目の代表画素
R21,R22,…に定義されている繊維潜り角に基づ
いて、第3行目の代表画素R31,R32,…が決定さ
れ、これら代表画素R31,R32に基づいて、第3行
目の画素帯H31,H32,…が定義されることにな
る。以上の処理をy=n−1になるまで繰り返していけ
ば、最終的に得られた画素帯の集合によって、例えば、
図15に示すようなヘアラインM1,M2,…が作成さ
れることになる。結局、上述の繰り返し処理は、個々の
ヘアラインを図の下方へと伸ばしていく処理ということ
になる。こうして得られたヘアラインの特徴は、個々の
画素に定義されている繊維潜り角に沿った流れをもって
いる、という点にある。なお、第i行目の代表画素に基
づいて、第(i+1)行目の代表画素が決定できない場
合は、第(i+1)行目には代表画素も画素帯も定義せ
ず、第i行目の画素帯をもって当該ヘアラインの終端と
するようにする。
【0031】次に、図10のステップS25として示し
た調整処理について説明する。この調整処理の第1の目
的は、新たなヘアラインを発生させることにある。例え
ば、図16に示す例のように、2本のヘアラインM1,
M2を図の下方へと徐々に伸ばしていったときに、両ヘ
アラインM1,M2の間隔が徐々に広がってきたとしよ
う。このような場合、そのまま放置しておくと、両ヘア
ラインM1,M2の間に、大きな空隙領域が発生するこ
とになり好ましくない。そこで、図示のように、両ヘア
ラインM1,M2間に、新たなヘアラインM3を発生さ
せる調整処理を行うのが好ましい。また、ステップS2
5の調整処理の第2の目的は、互いに接近する一対のヘ
アラインに挟まれたヘアラインを終端させることにあ
る。例えば、図17に示す例のように、3本のヘアライ
ンM1,M2,M3を図の下方へと徐々に伸ばしていっ
たときに、両ヘアラインM1,M3の間隔が徐々に狭く
なってきたとしよう。このような場合、そのまま放置し
ておくと、3本のヘアラインM1,M2,M3が互いに
接触するようになり好ましくない。そこで、図示のよう
に、中央のヘアラインM2を終端させる調整処理を行う
のである。
【0032】具体的には、ステップS25では、ステッ
プS24で発生させた第(i+1)行目の画素帯につい
て、次のようなチェックを行い、必要に応じて調整処理
を行えばよい。まず、相互の間隔が所定の基準以上離れ
た一対の画素帯が存在するか否かをチェックする。そし
て、そのような画素帯が存在する場合には、この一対の
画素帯の間に新たな代表画素を定義し、この新たな代表
画素に基づいて新たな画素帯を発生させる調整処理を行
う。図16に示す例では、所定の基準をd1として、d
1=11画素なる設定を行っており、一対の画素帯M
1,M2の間隔がd1以上となった第12行目におい
て、新たな代表画素RRおよびこれを含む新たな画素帯
を発生させ、新たなヘアラインM3を発生させるように
している。また、自己の左側に隣接する画素帯と自己の
右側に隣接する画素帯との間隔が所定の基準以下に接近
している画素帯が存在するか否かのチェックも行う。そ
して、そのような画素帯が存在する場合には、当該画素
帯およびその代表画素を消滅させる調整処理を行う。図
17に示す例では、所定の基準をd2として、d2=1
0画素なる設定を行っており、画素帯M2の左側に隣接
する画素帯M1と、画素帯M2の右側に隣接する画素帯
M3との間隔が、d2以下となった第11行目におい
て、当該画素帯およびその代表画素RRを消滅させてい
る。
【0033】次に、1次元スカラ場を生成する(ステッ
プS28)。この1次元スカラ場は、次のステップS2
9においてステップS27までの処理で作成した各ヘア
ラインの形状を変形するためのものであるが、各ヘアラ
インの形状を変形するのは次のような理由による。
【0034】ステップS27までの処理で作成された2
値のヘアラインパターンに基づいて、例えば一般的なダ
イレクトエッチング法によりエンボス版用のシリンダに
凹凸を形成することができることは当然であるが、この
ようにして形成したエンボス版によって透明なシートに
エンボス加工を施してエンボスシートを作成したり、あ
るいは木目柄を印刷した化粧シートに直接エンボス加工
を施した場合、木目の照りを従来に比較して、よりリア
ルに表現できるのであるが、照りが鋭すぎてギラギラし
たものとなり、天然の木目の穏やかな木質感を得ること
は難しいものであった。
【0035】この原因は、上述した処理によって作成さ
れたヘアラインの方向ベクトルが綺麗に揃い過ぎている
ことにあり、従って一つ一つのヘアラインパターンを多
少変形することによってヘアラインパターンの方向ベク
トルに揺らぎを持たせれば、照りの鋭さを緩和でき、以
て天然の木目の持つ穏やかな木質感を表現できるヘアラ
インパターンが得られることになる。つまり、ヘアライ
ンパターンを変形することによって艶消しを行うのであ
る。
【0036】そのために用いるのが1次元スカラ場であ
り、この1次元スカラ場を一つ一つのヘアラインパター
ンに作用させて変形させるのである。この1次元スカラ
場としてはどのようなものを用いてもよいが、ヘアライ
ンパターンを変形するためのものであり、その変形とし
ては自然な揺らぎを持ったものとするのが望ましいの
で、1次元フラクタル場を用いるのがよい。1次元フラ
クタル場を生成するためには、例えば中点変位法を用い
ればよい。
【0037】この1次元スカラ場のサイズは任意に設定
することができる。また、その値域はどのようなもので
もよいが、ここでは理解を容易にするために、[-1,1]
の範囲に正規化されているものとする。
【0038】このようにして1次元スカラ場を用意した
ら、次にこの一次元スカラ場を各ヘアラインパターンに
作用させて変形する(ステップS29)。まず、作成し
たヘアラインパターンの中の一つのヘアラインパターン
i を抽出し、図18に示すように、このヘアラインパ
ターンのy方向の位置と1次元スカラ場の位置とを一対
一に対応させる。このためには、両者の長さを正規化す
ればよい。そして、いまこのヘアラインMi のpで示す
位置が1次元スカラ場のqで示す位置に対応しており、
この位置でのスカラ値がH(q)であるとすると、例え
ば、当該ヘアラインパターンのpの位置の代表画素及び
画素帯の位置を[k・H(q)]だけ移動させるように
する。ここで、[k・H(q)]はk・H(q)を越えな
い最大の整数値をとるものとする。また移動方向につい
ては、k・H(q)が正の値であれば図の右方向、即ち
x座標値が大きくなる方向に移動させ、負の値であれば
図の左方向、即ちx座標値が小さくなる方向に移動させ
るようにすればよい。また、kは係数であり、適宜な値
を用いることができるが、この場合のように1次元スカ
ラ場の値域が[-1,1]の範囲に正規化されている場合に
は、kは代表画素及び画素帯の移動量の最大幅、即ち変
形の大きさを定めるものとなるから、比較的小さな値と
するのが望ましい。kの値を大きくするとヘアラインパ
ターンが大きく変形されることになり、このようなヘア
ラインパターンでは天然の木目の持つ穏やかな木質感を
表現することができなくなる可能性があるからである。
上述したようにヘアラインパターンの変形は方向ベクト
ルに多少の揺らぎを持たせるだけで足りるので、kの値
は比較的小さな値でよいのである。
【0039】図19はヘアラインパターンの変形の例を
示す図であり、当該ヘアラインパターンMi のpの位置
の代表画素及び画素帯が図19(a)の斜線で示すよう
であり、[k・H(q)]=3であり、且つk・H(q)
が正の値であるとすると、この代表画素及び画素帯は図
19(b)に示すように図の右方向に3画素だけ移動さ
れることになる。
【0040】以上の処理を当該ヘアラインパターンMi
の全ての位置について行い、当該ヘアラインパターンM
i の変形処理が終了したら、他のヘアラインパターンに
ついても同様にして変形を行う。このようにしてステッ
プS27までの処理で作成した全てのヘアラインパター
ンについて変形の処理を行えば、艶消し効果を有するヘ
アラインパターンを得ることができ、天然の木目の持つ
穏やかな木質感を表現できるヘアラインパターンが得ら
れる。そして、この艶消しの度合いは、ステップS28
で生成する一次元スカラ場、あるいは係数kによって容
易に制御することができる。
【0041】なお、上述したヘアラインパターンの変形
のための演算はあくまでも一例に過ぎないものであっ
て、代表画素及び画素帯の移動量を決定するための演算
は、生成する1次元スカラ場等に応じて適宜に定めるこ
とが可能であることは当然である。また、上記の説明で
は全てのヘアラインパターンの変形に際して同じ係数k
を用いるものとしたが、各ヘアラインパターンの変形に
際して互いに異なる係数を用いるようにすることも可能
である。そのためには、例えばステップS29において
ヘアラインパターンの数だけの係数を定めておけばよ
い。あるいは、ステップS29においてヘアラインパタ
ーンの数だけの1次元スカラ場を生成し、ヘアラインパ
ターンと1次元スカラ場を対応させ、あるヘアラインパ
ターンを変形するに際しては対応付けされた1次元スカ
ラ場を作用させるようにしてもよい。
【0042】このようにして全てのヘアラインパターン
を変形したら、次に再度調整処理を行う(ステップS3
0)。この調整処理はステップS25の調整処理と同様
である。ここで再び調整処理を行うのは、ヘアラインパ
ターンを変形した結果、隣接するヘアラインの間に大き
な空隙領域が発生したり、あるいは隣接するヘアライン
が互いに接触するようになる可能性があるからである。
そして、この調整処理が終了するとヘアラインパターン
作成処理は終了となり、艶消し効果を有するヘアライン
パターンが得られる。
【0043】このようにして、2値画像であるヘアライ
ンパターンが作成されるが、この後、作成したヘアライ
ンパターンに基づいてエンボス版を作成し、そのエンボ
ス版を用いて、化粧シートに直接エンボス加工を施した
り、あるいは透明なシートにエンボス加工を施して化粧
シートに貼り付けることによって、照り、及び照りの移
動を表現できる化粧シートを得ることができる。
【0044】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来に
おいては上述したように、繊維潜り角の2次元スカラ場
から直接2値のビットマップのヘアラインパターンを作
成していたので、ヘアラインを修正する場合にはその処
理が非常に面倒であった。
【0045】即ち、例えば、ヘアラインパターンにおい
てはヘアラインの密度は場所によらず一様であることが
望ましいが、繊維潜り角の2次元スカラ場から作成した
ヘアラインパターンでは必ずしもヘアラインの密度は一
様ではなく、密度が高い箇所、低い箇所があるのが実際
であり、このようなヘアラインパターンに対してはヘア
ラインを削除する等の修正が必要となる。
【0046】また、例えば、作成したヘアラインパター
ンに基づいてエンボス版を作成し、そのエンボス版を用
いて化粧シートにエンボス加工を施したときに、当該化
粧シートで発現される照り、あるいは照りの移動がデザ
イナが意図したものと異なっている場合がある。このよ
うな場合には、ヘアラインの揺らぎ、あるいは形状、ま
たは太さ、角度等を修正する必要が生じる。
【0047】更に、例えば作成したヘアラインパターン
は、それ単独で用いられる場合もあるが、図20に示す
ように、ヘアラインパターンH1 とヘアラインパターン
2とをヘアラインの長さ方向(図のy方向)に隙間な
く繋ぎ合わせて使用する場合がある。なお、図20にお
いて、二つのヘアラインパターンH1 ,H2 は同じヘア
ラインパターンでもよく、異なるヘアラインパターンで
もよい。このような場合、図の矢印で示す繋ぎ合わせ位
置ではヘアラインは連続していなければならない。なぜ
なら、繋ぎ合わせ位置でヘアラインが連続していない場
合には、繋ぎ合わせ位置の部分が目立ってしまうからで
ある。従って、この場合にも繋ぎ合わせ位置においてヘ
アラインの修正が必要となる場合がある。
【0048】このように、作成したヘアラインパターン
においてはヘアラインの修正が必要となる場合があるの
であるが、従来においては繊維潜り角の2次元スカラ場
から直接2値のビットマップのヘアラインパターンを作
成していたので、ヘアラインの修正はビットマップデー
タ上で各画素毎に行わなければならず、非常に煩わし
く、時間がかかるものであった。
【0049】そこで、本発明は、ヘアラインの修正を容
易に行うことができるヘアラインデータの作成方法及び
装置を提供することを目的とするものである。
【0050】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のヘアラインデータの作成方法は、ヘアラ
インパターンを作成するための2次元スカラ場を入力
し、その2次元スカラ場に基づいて疑似ヘアラインを生
成して各ヘアラインを作成するための制御点の座標値を
求め、その制御点の座標値をそのまま、あるいは間引い
てヘアラインデータとして登録することを特徴とする。
【0051】また、本発明に係るヘアラインデータの作
成装置は、ヘアラインパターンを作成するための2次元
スカラ場を入力する2次元スカラ場入力手段と、2次元
スカラ場入力手段で入力した2次元スカラ場に基づいて
疑似ヘアラインを生成して各ヘアラインを作成するため
の制御点の座標値を求める疑似ヘアライン生成手段と、
疑似ヘアライン生成手段によって求めた各疑似ヘアライ
ンの制御点の座標値をそのまま、あるいは間引いてヘア
ラインデータとして登録する手段とを備えることを特徴
とする。
【0052】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ実施の形
態について説明する。まず、本発明に係るヘアラインデ
ータの作成方法について説明する。図1はヘアラインデ
ータ作成方法における処理の工程の一実施形態を示すフ
ローチャートである。
【0053】まず、2次元スカラ場を入力する(ステッ
プS1)。ここでは繊維潜り角の2次元スカラ場を入力
するものとするが、最終的にヘアラインパターンを作成
することのできる2次元スカラ場であればどのようなも
のでもよい。なお、繊維潜り角の2次元スカラ場は、上
述した特願平10−104831号で提案した方法によ
って作成したものであってもよく、その他の方法で作成
したものであってもよい。
【0054】次に、疑似ヘアラインを生成する(ステッ
プS2)。このためには、まず所望の大きさの2次元平
面を設定し、その2次元平面内に疑似ヘアラインの開始
点を所望の個数設定する。なお、当該2次元平面の横軸
をx軸、縦軸をy軸とし、疑似ヘアラインはy軸方向に
生成するものとする。
【0055】ここで、疑似ヘアラインの開始点の位置
は、乱数を発生させてランダムに設定してもよく、ある
いは縦横にそれぞれ所望の間隔で格子状に設定してもよ
い。なお、ここで「疑似ヘアラインの生成」と称してい
るのは、従来のようにここで生成したヘアラインをその
まま2値のビットマップのパターンとして用いるのでは
なく、ここで行うのは、後に実際に2値のビットマップ
のヘアラインパターンを作成する場合に、各ヘアライン
を作成するために用いる制御点の座標値を求める処理で
あるからである。
【0056】さて、疑似ヘアラインの生成の処理の例を
図2に示す。図2に示すフローチャートは、一つの疑似
ヘアラインを生成するための処理であり、従って、図2
に示す処理を全ての疑似ヘアラインの開始点に対して実
行することによって、全ての疑似ヘアラインが生成され
ることになる。
【0057】まず、ステップS11のパラメータ設定に
おいて、先に設定した疑似ヘアラインの開始点の中から
一つの開始点を抽出する。ここでは当該疑似ヘアライン
の開始点は(sx ,sy )であるとする。また、繊維潜
り角の2次元スカラ場のある位置における繊維潜り角ξ
から、その位置における方向ベクトルを算出するための
関数F(ξ)を定義する。この関数F(ξ)は適宜な関
数でよい。更に、当該疑似ヘアラインのy軸方向のヘア
ライン長Lと、疑似ヘアラインを生成する場合の描画ス
テップ△dを設定する。
【0058】次に、ステップS12において初期値を定
める。まず当該疑似ヘアラインの第1制御点P0(x0
0) を定めるが、第1制御点は当該疑似ヘアラインの
開始点に他ならないから、x0=sx,y0=syである。
次に制御点数nと、当該疑似ヘアラインの描画長dを定
めるが、この第1制御点においてはn=1であり、d=
0である。
【0059】次に、ステップS13の処理を、d>Lを
満足するまで繰り返す。ステップS13の処理は、第n
制御点の座標値を求めるための処理であり、第(n−
1)制御点の位置(xn-1,yn-1)に対応する繊維潜り
角の2次元スカラ場の位置における繊維潜り角をξとし
たとき、例えば xn =xn-1+△d×F(ξ) yn =yn-1+△d で演算すればよい。そして、制御点数nをインクリメン
トして(n+1)とし、同様に当該疑似ヘアラインの描
画長dを(d+△d)にインクリメントする。そして、
このステップS13の処理を、ステップS14のd>L
を満足するまで繰り返す。なお、ステップS13の処理
によれば、△dの値によっては生成される疑似ヘアライ
ンのヘアライン長dは、ステップS11で設定されたL
の値より小さくなる場合があるが、その差は小さなもの
であるので問題はないものである。
【0060】そして、ステップS14の判断処理によっ
てyesと判断された場合には、ステップS12で定め
た第1制御点の座標値、及びステップS13で求められ
た第2制御点〜第n制御点の座標値を出力する(ステッ
プS15)。なお、ステップS11で設定する疑似ヘア
ラインのヘアライン長L、及び描画ステップ△dの値
は、全ての疑似ヘアラインについて同じでもよく、疑似
ヘアライン毎に適宜な値を設定してもよいものである。
【0061】以上が、図1のステップS2の疑似ヘアラ
イン生成の処理であり、これによって、2次元平面上に
設定された全ての開始点から疑似ヘアラインが生成さ
れ、それらの疑似ヘアラインについての制御点の座標値
が出力されることになる。
【0062】ステップS2の次に、ステップS3の処理
において、データ削減を行う。ただし、このステップS
3の処理は必要不可欠の処理ではなく、ステップS2で
出力された各疑似ヘアラインの制御点の座標値をそのま
ま登録してもよいものであるが、ここでは、よりデータ
量を削減するものとしている。
【0063】このデータ削減の処理は、ステップS2で
出力された各疑似ヘアラインについて制御点数を適宜な
間隔で間引くことで行う。実際には、一つの疑似ヘアラ
インについて、最終的に10点程度の制御点を残せばよ
い。
【0064】データ削減を行った後に、各疑似ヘアライ
ンについて、残された制御点の座標値を登録する(ステ
ップS4)。これで全ての処理が終了となる。
【0065】このように、このヘアラインデータの作成
方法によれば、繊維潜り角の2次元スカラ場から直接、
2値のビットマップのヘアラインパターンを作成するの
ではなく、一旦所望の個数の疑似ヘアラインを生成し、
それらの各疑似ヘアラインの制御点の座標値をヘアライ
ンデータとして持つのである。つまり、ヘアラインデー
タをベクタ形式で持つことになるので、従来のような2
値のビットマップのヘアラインパターンの場合に比較し
て、その扱いは容易となる。
【0066】以上、ヘアラインデータの作成方法の実施
形態について説明したが、以下、上述の処理によって作
成したヘアラインデータからどのようにして2値のビッ
トマップのヘアラインパターンを作成するかについて図
3を参照して説明する。
【0067】図3に示す処理においては、各ヘアライン
に対して、回転角度、揺らぎ、線幅のパラメータを所望
のように設定する(ステップS16)と共に、上述した
処理によって得られたヘアラインデータ、即ち一つ一つ
のヘアラインのデータがベクタ形式となされたヘアライ
ンデータを一つ読み出す(ステップS17)。なお、揺
らぎとしては図10のステップS28について説明した
ように、1次元フラクタル場を生成すればよい。
【0068】そして、ステップS18のヘアラインパタ
ーン作成の処理においては、ステップS17で読み出さ
れたベクタ形式のヘアラインデータと、当該ヘアライン
に対してステップS16で設定された回転角度、揺ら
ぎ、線幅のパラメータを取り込み、取り込んだヘアライ
ンデータの制御点の座標値に基づいてスプライン曲線を
発生させてヘアラインを描画し、その描画した曲線に対
して、設定された回転角度のパラメータに基づいて回転
処理を施し、揺らぎのパラメータに基づいて揺らぎを持
たせ、更に当該曲線に設定された線幅を付す。なお、曲
線に揺らぎを持たせるためには、例えば図10のステッ
プS29の処理と同様の処理を行えばよい。また、ヘア
ラインデータの制御点の座標値からヘアラインの曲線を
描画するためには、スプライン曲線の他にも適宜な関数
を用いることが可能であることは当業者に明らかであ
る。
【0069】以上の処理を全てのヘアラインのデータに
ついて行うことによって、2値のビットマップのヘアラ
インパターンが得られるので、この後は、従来と同様
に、当該ヘアラインパターンに基づいてエンボス版を作
成し、そのエンボス版によって所望のシートにエンボス
加工を施せばよい。なお、図3のステップS16の初期
設定において設定するパラメータとしては、回転角度、
揺らぎ、線幅の他にも適宜なパラメータを設定すること
が可能である。
【0070】以上の説明から明らかなように、このヘア
ラインデータの作成方法によれば、ヘアラインデータ
は、スプライン曲線等によってヘアラインを描画可能な
制御点の座標値というベクタ形式となされているので、
ヘアラインデータのデータ量を従来のようにビットマッ
プ形式とする場合に比較して、そのデータ量を減少させ
ることができ、また、ヘアラインデータに基づいて2値
のビットマップのヘアラインパターンを作成した後に何
等かの修正を施したい場合には、ヘアラインを描画する
場合に用いる、回転角度、揺らぎ、線幅などのパラメー
タを変更するだけでよく、従来のようにヘアラインパタ
ーンの修正をビットマップデータ上で各画素毎に行う場
合に比較して、大幅に容易になり、オペレータの作業負
担を大幅に軽減することができる。
【0071】以上、本発明に係るヘアラインデータの作
成方法の実施形態、及びそのヘアラインデータの作成方
法で作成したヘアラインデータの使用形態について説明
したが、次に、本発明に係るヘアラインデータの作成装
置の実施形態について説明する。
【0072】この装置は、図4に示すように、2次元ス
カラ場入力手段1、疑似ヘアライン生成手段2、データ
削減手段3、登録手段4を備えている。2次元スカラ場
入力手段1は、図1のステップS1の処理を行うもので
あり、例えば適宜な方法によって作成された繊維潜り角
の2次元スカラ場を入力するためのものである。疑似ヘ
アライン生成手段2は図1のステップS2の処理を行う
ものであり、データ削減手段3は図1のステップS3の
処理を行うものであり、登録手段4は図1のステップS
4の処理を行うものである。なお、上述したところから
明らかなように、データ削減手段3は省略可能である。
【0073】これらの2次元スカラ場入力手段1、疑似
ヘアライン生成手段2、データ削減手段3、登録手段4
の各構成要素は、いずれもコンピュータを利用して構築
される構成要素であり、最終的に、このコンピュータに
よって、ヘアラインデータが登録されることになる。
【0074】以上、本発明の一実施形態について説明し
たが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく
種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るヘアラインデータの作成方法の
一実施形態の処理を示すフローチャートである。
【図2】 図1のステップS2の詳細な処理を示すフロ
ーチャートである。
【図3】 図1に示す処理により作成したヘアラインデ
ータの使用形態の例を説明するためのフローチャートで
ある。
【図4】 本発明に係るヘアラインデータの作成装置の
一実施形態を示す図である。
【図5】 木質感エンボスシートの表面に形成された万
線条溝Gの構造を示す斜視図である。
【図6】 一般的な材木板における繊維方向ベクトルF
→と光線方向ベクトルL→との関係を示す側断面図であ
る。
【図7】 一般的な材木板におけるベクトル交錯角φ
(繊維潜り角ξ)と鏡面反射光強度Wとの関係を示すグ
ラフである。
【図8】 本出願人が特願平10−104831号で提
案した、天然木材から繊維潜り角の2次元スカラ場を生
成する方法を説明するための図である。
【図9】 本出願人が特願平10−104831号で提
案した、天然木材から繊維潜り角の2次元スカラ場を生
成する方法を説明するための図である。
【図10】 ヘアラインパターン形成の詳細な処理手順
を示すフローチャートである。
【図11】 図10のステップS22で、第1行目に定
義された代表画素を示す図である。
【図12】 図10のステップS22で、第1行目に定
義された画素帯を示す図である。
【図13】 図10のステップS24で、第1行目の代
表画素に基づいて、第2行目に定義された代表画素を示
す図である。
【図14】 図10の流れ図におけるステップS24
で、第1行目の代表画素に基づいて、第2行目に定義さ
れた画素帯を示す図である。
【図15】 図10の流れ図に示す手順により生成され
たヘアラインを示す図である。
【図16】 図10のステップS25の調整処理によ
り、新たなヘアラインM3が発生した状態を示す図であ
る。
【図17】 図10のステップS25の調整処理によ
り、ヘアラインM2が終端した状態を示す図である。
【図18】 図10のステップS29のヘアラインパタ
ーンの変形の処理を説明するための図である。
【図19】 図10のステップS29のヘアラインパタ
ーンの変形の処理によって代表画素及び画素帯が移動さ
れて変形された場合の例を示す図である。
【図20】 発明が解決しようとする課題を説明するた
めの図である。
【符号の説明】
1…2次元スカラ場入力手段 2…疑似ヘアライン生成手段 3…データ削減手段 4…登録手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヘアラインパターンを作成するための2次
    元スカラ場を入力し、その2次元スカラ場に基づいて疑
    似ヘアラインを生成して各ヘアラインを作成するための
    制御点の座標値を求め、その制御点の座標値をそのま
    ま、あるいは間引いてヘアラインデータとして登録する
    ことを特徴とするヘアラインデータの作成方法。
  2. 【請求項2】ヘアラインパターンを作成するための2次
    元スカラ場を入力する2次元スカラ場入力手段と、 2次元スカラ場入力手段で入力した2次元スカラ場に基
    づいて疑似ヘアラインを生成して各ヘアラインを作成す
    るための制御点の座標値を求める疑似ヘアライン生成手
    段と、 疑似ヘアライン生成手段によって求めた各疑似ヘアライ
    ンの制御点の座標値をそのまま、あるいは間引いてヘア
    ラインデータとして登録する手段とを備えることを特徴
    とするヘアラインデータの作成装置。
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