JP2000026823A - 接着剤組成物及びそれを用いた紙管 - Google Patents

接着剤組成物及びそれを用いた紙管

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JP2000026823A
JP2000026823A JP19313298A JP19313298A JP2000026823A JP 2000026823 A JP2000026823 A JP 2000026823A JP 19313298 A JP19313298 A JP 19313298A JP 19313298 A JP19313298 A JP 19313298A JP 2000026823 A JP2000026823 A JP 2000026823A
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JP19313298A
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Tatsuo Hayazaki
達夫 早崎
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた初期接着性、接着強度、耐圧強度、耐
湿強度、耐(温)水性、耐熱性等の諸性能を兼備し、且
つ、良好な貯蔵安定性を有する接着剤組成物、及び、こ
の接着剤組成物を用いて製せられる紙管を提供すること
を課題とする。 【解決手段】 エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマ
ルジョンの樹脂分100重量部に対し、無機充填剤80
〜170重量部、ポリビニルアルコール、澱粉及びデキ
ストリンからなる群より選択される少なくとも1種の水
溶性高分子35〜70重量部及び硼酸1〜5重量部が含
有されてなることを特徴とする接着剤組成物、及び、こ
の接着剤組成物を用いて製せられていることを特徴とす
る紙管。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として紙管用と
して好適に使用される接着剤組成物、及び、その接着剤
組成物を用いて製造される紙管に関する。
【0002】
【従来の技術】紙、箔、織物等のシート状物品等を巻く
ための心棒として使用される紙管は、通常、厚紙を金属
心棒に螺旋状に巻回して、その厚紙の隣接する側縁部同
士を接着剤組成物によって接着することによって製造さ
れる。このような紙管の製造に使用される接着剤組成物
としては、従来、澱粉、ポリビニルアルコール、ポリ酢
酸ビニル樹脂等を主成分としたものが用いられている。
【0003】一般に紙管用接着剤には、初期接着性が良
好であり、紙管とした後の耐圧強度、耐湿強度、耐水
性、耐熱性等の諸性能が優れていることが要求される。
特に紙管の耐圧強度は重要な性能であり、これを向上さ
せるためには、接着剤組成物の乾燥皮膜を高弾性率で硬
い皮膜として紙管に優れた強度を付与することが必要と
なる。
【0004】接着剤組成物の乾燥皮膜を高弾性率で硬い
皮膜として紙管に優れた強度を付与するために種々の試
みがなされており、例えば、特公昭51−20213号
公報では、乳化重合時にイソブチレンと無水マレイン酸
との共重合体を塩基性物質で水溶化したものを保護コロ
イドとして使用する酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着
剤組成物が紙管用として提案されている。
【0005】しかし、上記提案にあるような酢酸ビニル
樹脂系エマルジョン接着剤組成物は、乾燥皮膜の耐湿強
度や耐水性等が不十分であり、特に高温高湿下に放置さ
れると紙管の強度が著しく低下するという問題点があ
る。
【0006】即ち、良好な初期接着性を有し、紙管とし
た後は優れた耐圧強度、耐湿強度、耐水性、耐熱性等の
諸性能を発揮する紙管用の接着剤組成物は実用化されて
いないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決するため、優れた初期接着性、接着強度、
耐圧強度、耐湿強度、耐(温)水性、耐熱性等の諸性能
を兼備し、且つ、良好な貯蔵安定性を有する接着剤組成
物、及び、この接着剤組成物を用いて製せられる紙管を
提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
(以下、「第1発明」と記す)による接着剤組成物は、
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョンの樹脂
分100重量部に対し、無機充填剤80〜170重量
部、ポリビニルアルコール、澱粉及びデキストリンから
なる群より選択される少なくとも1種の水溶性高分子3
5〜70重量部及び硼酸1〜5重量部が含有されてなる
ことを特徴とする。
【0009】又、請求項2に記載の発明(以下、「第2
発明」と記す)による紙管は、帯状紙片が管状に巻回さ
れ、この管状に巻回された帯状紙片の重合部が上記第1
発明による接着剤組成物により接着されていることを特
徴とする。
【0010】第1発明による接着剤組成物の主成分とし
て用いられるエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマル
ジョン(以下、「EVA系エマルジョン」と記す)は、
特に限定されるものではないが、例えば、鹸化度75〜
97モル%程度、平均重合度300〜2700程度のポ
リビニルアルコール等を保護コロイドとし、界面活性剤
やヒドロキシエチルセルロースのようなセルロース系誘
導体等を乳化分散剤として併用し、エチレンと酢酸ビニ
ルモノマーとを通常の乳化重合により共重合して得られ
る。
【0011】上記EVA系エマルジョンは、カルボキシ
ル基、グリシジル基、スルフォン酸基、水酸基、メチロ
ール基、アルコキシル基等を有する官能基含有ビニルモ
ノマーをさらに共重合したものであっても良い。
【0012】上記EVA系エマルジョン中のEVAのエ
チレン含有量は、特に限定されるものではないが、10
〜30重量%であることが好ましく、15〜25重量%
であることがより好ましい。EVAのエチレン含有量が
10重量%未満であると、得られる接着剤組成物の耐湿
強度、耐(温)水性、耐寒性等が低下することがあり、
逆に30重量%を超えると、得られる接着剤組成物の耐
熱性が低下することがある。
【0013】又、上記EVA系エマルジョン中のEVA
のガラス転移温度は、特に限定されるものではないが、
−5℃〜+10℃であることが好ましく、0〜+5℃で
あることがより好ましい。EVAのガラス転移温度が−
5℃未満であると、得られる接着剤組成物の耐熱性が低
下することがあり、逆に+10℃を超えると、得られる
接着剤組成物の耐寒性が低下することがある。
【0014】さらに、上記EVA系エマルジョンの樹脂
分は、特に限定されるものではないが、60重量%以上
であることが好ましく、65重量%以上であることがよ
り好ましい。EVA系エマルジョンの樹脂分が60重量
%未満であると、得られる接着剤組成物の初期接着力の
発現が遅くなることがある。
【0015】第1発明による接着剤組成物においては、
上記EVA系エマルジョンの樹脂分100重量部に対
し、無機充填剤80〜170重量部が含有されているこ
とが必要であり、好ましくは115〜140重量部であ
る。
【0016】上記無機充填剤としては、特に限定される
ものではないが、例えば、クレー、水酸化アルミニウ
ム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク等が挙げられ、
好適に用いられるが、なかでもEVA系エマルジョン中
への分散性が良好であり、且つ、得られる接着剤組成物
の乾燥皮膜の強度を効果的に向上させ得るクレーがより
好適に用いられる。
【0017】上記無機充填剤は、単独で用いられても良
いし、2種類以上が併用されても良い。
【0018】EVA系エマルジョンの樹脂分100重量
部に対する上記無機充填剤の含有量が80重量部未満で
あると、得られる接着剤組成物の皮膜強度が十分に向上
しないため、最終的に得られる紙管の耐圧強度や耐熱性
等が不十分となり、逆に170重量部を超えると、得ら
れる接着剤組成物の初期接着性が低下する。
【0019】又、第1発明による接着剤組成物において
は、前記EVA系エマルジョンの樹脂分100重量部に
対し、ポリビニルアルコール(以下、「PVA」と記
す)、澱粉及びデキストリンからなる群より選択される
少なくとも1種の水溶性高分子(以下、単に「水溶性高
分子」と記す)35〜70重量部が含有されていること
が必要であり、好ましくは45〜60重量部である。
【0020】ここで言うPVAとは、単に通常のPVA
のみならず、例えば、通常のPVAに(メタ)アクリル
酸、イタコン酸、(無水)マレイン酸等のカルボン酸を
反応させてPVAの末端にカルボキシル基を導入したカ
ルボキシル基変性PVAのような変性PVAも包含す
る。
【0021】上記PVAの鹸化度は、特に限定されるも
のではないが、88モル%以上であるものが好ましく、
96モル%以上であるものがより好ましい。又、上記P
VAの平均重合度は、特に限定されるものではないが、
1000〜2500であるものが好ましく、1500〜
2000であるものがより好ましい。
【0022】上記PVAは、単独で用いられても良い
し、2種類以上が併用されても良い。
【0023】又、上記澱粉としては、特に限定されるも
のではないが、例えば、とうもろこし、小麦、馬鈴薯、
米、タピオカ、甘薯等から得られる生澱粉;α澱粉等の
物理的に変性された澱粉;酸化澱粉、エステル化澱粉、
エーテル化澱粉等の化学的に変性された澱粉等が挙げら
れ、好適に用いられる。
【0024】上記澱粉は、単独で用いられても良いし、
2種類以上が併用されても良い。
【0025】さらに、上記デキストリンとしては、特に
限定されるものではないが、例えば、澱粉に熱、熱と酸
もしくはアルカリ、酵素等を作用させて得られる白色デ
キストリン、黄色デキストリン、ブリティッシュガム等
が挙げられ、好適に用いられる。
【0026】上記デキストリンは、単独で用いられても
良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0027】上述した水溶性高分子(PVA、澱粉、デ
キストリン)は、単独で用いられても良いし、2種類以
上が併用されても良い。
【0028】EVA系エマルジョンの樹脂分100重量
部に対する上記水溶性高分子の含有量が35重量部未満
であると、得られる接着剤組成物の皮膜強度が十分に向
上しないため、最終的に得られる紙管の耐圧強度や耐熱
性等が不十分となり、逆に70重量部を超えると、得ら
れる接着剤組成物の耐湿強度や耐(温)水性等が低下す
る。
【0029】さらに、第1発明による接着剤組成物にお
いては、前記EVA系エマルジョンの樹脂分100重量
部に対し、硼酸1〜5重量部が含有されていることが必
要であり、好ましくは2〜3.5重量部である。
【0030】上記硼酸とは、三酸化二硼素を水化して得
られるものであり、オルト硼酸(H 3 BO3 )、メタ硼
酸(HBO2 )、ピロ硼酸(H2 4 7 )、無水硼酸
(B 2 3 )等を包含する。
【0031】上記硼酸は、単独で用いられても良いし、
2種類以上が併用されても良い。
【0032】EVA系エマルジョンの樹脂分100重量
部に対する上記硼酸の含有量が1重量部未満であると、
得られる接着剤組成物の耐湿強度や耐(温)水性等が十
分に向上せず、逆に5重量部を超えると、得られる接着
剤組成物の粘度の経時変化が大きくなり、貯蔵安定性が
低下する。
【0033】第1発明による接着剤組成物には、必須成
分である上述のEVA系エマルジョン、無機充填剤、水
溶性高分子及び硼酸以外に、本発明の課題達成を阻害し
ない範囲で必要に応じて、粘着付与樹脂、界面活性剤、
可塑剤、軟化剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
顔料、染料、消泡剤、防腐剤、防黴剤、有機溶剤等の各
種添加剤の1種もしくは2種以上が含有されていても良
い。
【0034】又、第1発明による接着剤組成物の粘度
は、特に限定されるものではないが、使用時の塗工作業
性等を考慮すると、30℃において1000mPa・s
以下程度であることが好ましい。
【0035】さらに、第1発明による接着剤組成物は、
紙管用としてのみならず、紙包装用、木工用、一般用等
としても好適に用いられる。
【0036】次に、第2発明による紙管は、帯状紙片が
管状に巻回され、この管状に巻回された帯状紙片の重合
部が上述した第1発明による接着剤組成物により接着さ
れていることが必要である。
【0037】
【作用】第1発明による接着剤組成物は、主成分である
EVA系エマルジョンに対し、無機充填剤の特定量と、
PVA、澱粉及びデキストリンからなる群より選択され
る少なくとも1種の水溶性高分子の特定量とが含有され
ているので、無機充填剤と水溶性高分子との相乗効果に
より、乾燥皮膜の強度(弾性率)が向上し、従って、優
れた接着強度、耐圧強度、耐熱性等を発揮する。又、同
時に硼酸の特定量が含有されているので、優れた初期接
着性や耐湿強度、耐(温)水性等を発揮する。
【0038】又、第2発明による紙管は、上記第1発明
による接着剤組成物を用いて製せられるので、優れた接
着強度、耐圧強度、耐湿強度、耐(温)水性、耐熱性等
の諸性能を兼備する。
【0039】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明するた
め以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例のみ
に限定されるものではない。尚、実施例中の「部」は
「重量部」を意味し、「%」は、特に記載の無い限り、
「重量%」を意味する。又、無機充填剤、水溶性高分子
及び硼酸の「添加量」は、「固形分の添加量」である。
【0040】(実施例1)
【0041】(1)接着剤組成物の製造 EVA系エマルジョン(商品名「OM−4000」、ク
ラレ社製)の樹脂分100部に対し、無機充填剤として
クレー(40%水スラリー)125部、水溶性高分子と
してPVA(15%水溶液)50部、硼酸(5%水溶
液)2.5部及び水を添加し、均一に攪拌混合して、固
形分30%、粘度(30℃)500mPa・sの接着剤
組成物を得た。
【0042】(2)評価 上記で得られた接着剤組成物の各種性能〔リングクラ
ッシュ強度、初期接着力(引張剪断強度)、耐温水
性(落下時間)、耐熱性(材破率)、経時粘度安定
性〕を以下の方法で評価した。その結果は表1に示すと
おりであった。尚、評価は、特に記載の無い限り、20
℃−65%RHの雰囲気下で行った。
【0043】リングクラッシュ強度 JIS P−8126「板紙の圧縮強さ試験方法(リン
グクラッシュ法)」に準拠し、紙管原紙の縦方向のリン
グクラッシュ強度を次のようにして測定した。縦方向の
B級紙管原紙(福山製紙社製)2枚を用意し、一方の原
紙に(1)で得られた接着剤組成物を塗布量30g/m
2 で塗布した後、他方の原紙を貼り合わせ、この貼り合
わせ部分を70g/cm2 の圧力で60秒間圧着して接
着試験片を作成した。得られた接着試験片を20℃−6
5%RHの雰囲気下で24時間養生した後、幅12.7
mm、長さ152.4mmに裁断して測定用試験片を得
た。次いで、常態強度測定用として、上記で得られた測
定用試験片を20℃−65%RHの雰囲気下で72時間
養生した後、圧縮試験機にセットし、10mm/分の圧
縮速度で圧縮して、常態リングクラッシュ強度(kg
f)を測定した。又、耐熱湿強度測定用として、上記で
得られた測定用試験片を50℃−95%RHの雰囲気下
に放置し、含水率が12〜13%となるように調湿した
後、常態強度測定の場合と同様にして、耐熱湿リングク
ラッシュ強度(kgf)を測定した。
【0044】初期接着力(引張剪断強度) 40mm×100mmと50mm×100mmに裁断し
た2枚のB級紙管原紙(福山製紙社製)を用意し、
(1)で得られた接着剤組成物によって接着して接着試
験片を作成した。次いで、初期接着力測定装置(JTト
ーシ社製)を用いて、得られた接着試験片の引張剪断強
度(kg/cm2 )を以下の接着条件及び測定条件で測
定した。 〔接着条件〕塗布量(wet):30g/m2 、塗布ス
ピード:0.6m/秒、オープンタイム:0.5秒、圧
締圧:3kg/cm2 、圧締時間:6秒、8秒、10秒
の3条件 〔測定条件〕解圧後放置時間:0.5秒、引張り速度:
100mm/分
【0045】耐温水性(落下時間) 25mm×50mmに裁断した2枚のB級紙管原紙(福
山製紙社製)を用意し、一方の原紙に(1)で得られた
接着剤組成物を塗布面積が25mm×25mm、塗布量
(wet)が0.05g/(25mm)2 となるように
塗布し、この塗布面に他方の原紙を貼り合わせ、この貼
り合わせ部分を1kg/(25mm)2の圧力で60秒
間圧締した後、20℃−65%RHの雰囲気下で24時
間養生して接着試験片を作成した。次いで、この接着試
験片の一方の原紙の下端に100gの分銅を吊り下げた
状態で40℃の温水中に垂直に浸漬し、分銅を吊り下げ
た原紙が接着面で剥離して落下する迄の時間(分、時
間)を測定した。
【0046】耐熱性(材破率) 上記耐温水性の場合と同様にして作成した接着試験片
を表面温度200℃のアイロンで30秒間熱圧した後、
直ちにピンセットで剥離して、原紙の材破率(面積%)
を測定した。
【0047】経時粘度安定性 (1)で得られた接着剤組成物を40℃の雰囲気下に1
ケ月放置した後、粘度を測定し、初期粘度(放置前粘
度)と比較して、粘度上昇度(倍)を求めた。
【0048】(実施例2、3)及び(比較例1〜8) 接着剤組成物を表1に示す配合組成としたこと以外は実
施例1と同様にして、10種類の接着剤組成物を得た。
【0049】実施例2、3、及び、比較例1〜8で得ら
れた10種類の接着剤組成物の性能を実施例1の場合と
同様にして評価した。その結果は表1に示すとおりであ
った。
【0050】
【表1】
【0051】表1から明らかなように、本発明による実
施例1〜3の接着剤組成物は、リングクラッシュ強度
(常態及び耐熱湿)、初期接着力、耐温水性、耐熱性等
のいずれについても優れていた。又、経時粘度安定性
(貯蔵安定性)も良好であった。
【0052】これに対し、クレー(無機充填剤)を含有
させなかった比較例1の接着剤組成物は、リングクラッ
シュ強度(常態及び耐熱湿)がやや低く、耐熱性が極端
に悪かった。
【0053】又、EVA系エマルジョンの樹脂分100
重量部に対するクレー(無機充填剤)の添加量が80重
量部未満であった比較例3の接着剤組成物は、リングク
ラッシュ強度(常態及び耐熱湿)がやや低く、耐熱性が
かなり悪かった。逆にEVA系エマルジョンの樹脂分1
00重量部に対するクレー(無機充填剤)の添加量が1
70重量部を超えていた比較例2の接着剤組成物は、初
期接着力が劣っていた。
【0054】さらに、EVA系エマルジョンの樹脂分1
00重量部に対するPVA(水溶性高分子)の添加量が
35重量部未満であった比較例4の接着剤組成物は、リ
ングクラッシュ強度(常態及び耐熱湿)がやや低く、逆
にEVA系エマルジョンの樹脂分100重量部に対する
PVA(水溶性高分子)の添加量が70重量部を超えて
いた比較例5の接着剤組成物は、耐温水性が悪かった。
【0055】さらに又、EVA系エマルジョンの樹脂分
100重量部に対する硼酸の添加量が1重量部未満であ
った比較例6の接着剤組成物は、耐温水性が極端に悪
く、逆にEVA系エマルジョンの樹脂分100重量部に
対する硼酸の添加量が5重量部を超えていた比較例7の
接着剤組成物は、経時粘度安定性(貯蔵安定性)が悪か
った。
【0056】最後に、クレー(無機充填剤)、PVA
(水溶性高分子)及び硼酸のいずれも含有させなかった
比較例8の接着剤組成物は、リングクラッシュ強度(常
態及び耐熱湿)、耐温水性及び耐熱性の全てが極端に悪
かった。
【0057】(実施例4)EVA系エマルジョン「OM
−4000」の樹脂分100部に対し、無機充填剤とし
てクレー(40%水スラリー)125部、水溶性高分子
として澱粉(15%水溶液)50部、硼酸(5%水溶
液)2.5部及び水を添加し、均一に攪拌混合して、固
形分30%、粘度(30℃)500mPa・sの接着剤
組成物を得た。
【0058】(実施例5、6)及び(比較例9〜15) 接着剤組成物を表2に示す配合組成としたこと以外は実
施例4と同様にして、9種類の接着剤組成物を得た。
【0059】実施例4〜6、及び、比較例9〜15で得
られた10種類の接着剤組成物の性能を実施例1の場合
と同様にして評価した。その結果は表2に示すとおりで
あった。
【0060】
【表2】
【0061】表2から明らかなように、本発明による実
施例4〜6の接着剤組成物は、リングクラッシュ強度
(常態及び耐熱湿)、初期接着力、耐温水性、耐熱性等
のいずれについても優れていた。又、経時粘度安定性
(貯蔵安定性)も良好であった。
【0062】これに対し、クレー(無機充填剤)を含有
させなかった比較例9の接着剤組成物は、リングクラッ
シュ強度(常態及び耐熱湿)がやや低く、耐熱性が極端
に悪かった。
【0063】又、EVA系エマルジョンの樹脂分100
重量部に対するクレー(無機充填剤)の添加量が80重
量部未満であった比較例11の接着剤組成物は、リング
クラッシュ強度(常態及び耐熱湿)がやや低く、耐熱性
がかなり悪かった。逆にEVA系エマルジョンの樹脂分
100重量部に対するクレー(無機充填剤)の添加量が
170重量部を超えていた比較例10の接着剤組成物
は、初期接着力が劣っていた。
【0064】さらに、EVA系エマルジョンの樹脂分1
00重量部に対する澱粉(水溶性高分子)の添加量が3
5重量部未満であった比較例12の接着剤組成物は、リ
ングクラッシュ強度(常態及び耐熱湿)がやや低く、逆
にEVA系エマルジョンの樹脂分100重量部に対する
澱粉(水溶性高分子)の添加量が70重量部を超えてい
た比較例13の接着剤組成物は、耐温水性が悪かった。
【0065】さらに又、EVA系エマルジョンの樹脂分
100重量部に対する硼酸の添加量が1重量部未満であ
った比較例14の接着剤組成物は、耐温水性が極端に悪
く、逆にEVA系エマルジョンの樹脂分100重量部に
対する硼酸の添加量が5重量部を超えていた比較例15
の接着剤組成物は、経時粘度安定性(貯蔵安定性)が悪
かった。
【0066】(実施例7)EVA系エマルジョン「OM
−4000」の樹脂分100部に対し、無機充填剤とし
てクレー(40%水スラリー)125部、水溶性高分子
としてデキストリン(15%水溶液)50部、硼酸(5
%水溶液)2.5部及び水を添加し、均一に攪拌混合し
て、固形分38%、粘度(30℃)500mPa・sの
接着剤組成物を得た。
【0067】(実施例8、9)及び(比較例16〜2
2) 接着剤組成物を表3に示す配合組成としたこと以外は実
施例7と同様にして、9種類の接着剤組成物を得た。
【0068】実施例7〜9、及び、比較例16〜22で
得られた10種類の接着剤組成物の性能を実施例1の場
合と同様にして評価した。その結果は表3に示すとおり
であった。
【0069】
【表3】
【0070】表3から明らかなように、本発明による実
施例7〜9の接着剤組成物は、リングクラッシュ強度
(常態及び耐熱湿)、初期接着力、耐温水性、耐熱性等
のいずれについても優れていた。又、経時粘度安定性
(貯蔵安定性)も良好であった。
【0071】これに対し、クレー(無機充填剤)を含有
させなかった比較例16の接着剤組成物は、リングクラ
ッシュ強度(常態及び耐熱湿)がやや低く、耐熱性が極
端に悪かった。
【0072】又、EVA系エマルジョンの樹脂分100
重量部に対するクレー(無機充填剤)の添加量が80重
量部未満であった比較例18の接着剤組成物は、リング
クラッシュ強度(常態及び耐熱湿)がやや低く、耐熱性
がかなり悪かった。逆にEVA系エマルジョンの樹脂分
100重量部に対するクレー(無機充填剤)の添加量が
170重量部を超えていた比較例17の接着剤組成物
は、初期接着力が劣っていた。
【0073】さらに、EVA系エマルジョンの樹脂分1
00重量部に対するデキストリン(水溶性高分子)の添
加量が35重量部未満であった比較例19の接着剤組成
物は、リングクラッシュ強度(常態及び耐熱湿)がやや
低く、逆にEVA系エマルジョンの樹脂分100重量部
に対するデキストリン(水溶性高分子)の添加量が70
重量部を超えていた比較例20の接着剤組成物は、耐温
水性が悪かった。
【0074】さらに又、EVA系エマルジョンの樹脂分
100重量部に対する硼酸の添加量が1重量部未満であ
った比較例21の接着剤組成物は、耐温水性が極端に悪
く、逆にEVA系エマルジョンの樹脂分100重量部に
対する硼酸の添加量が5重量部を超えていた比較例22
の接着剤組成物は、経時粘度安定性(貯蔵安定性)が悪
かった。
【0075】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による接着剤
組成物は、優れた初期接着性、接着強度、耐圧強度、耐
湿強度、耐(温)水性、耐熱性等の諸性能を兼備し、且
つ、貯蔵安定性も良好であるので、紙管用を始め各種工
業用接着剤として好適に用いられる。
【0076】又、本発明による紙管は、上記接着剤組成
物を用いて製せられるので、優れた接着強度、耐圧強
度、耐湿強度、耐(温)水性、耐熱性等の諸性能を兼備
する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 103:02)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマ
    ルジョンの樹脂分100重量部に対し、無機充填剤80
    〜170重量部、ポリビニルアルコール、澱粉及びデキ
    ストリンからなる群より選択される少なくとも1種の水
    溶性高分子35〜70重量部及び硼酸1〜5重量部が含
    有されてなることを特徴とする接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 帯状紙片が管状に巻回され、この管状に
    巻回された帯状紙片の重合部が請求項1に記載の接着剤
    組成物により接着されていることを特徴とする紙管。
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