JP2001131515A - 酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤及びそれを用いた紙管 - Google Patents
酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤及びそれを用いた紙管Info
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- JP2001131515A JP2001131515A JP31124799A JP31124799A JP2001131515A JP 2001131515 A JP2001131515 A JP 2001131515A JP 31124799 A JP31124799 A JP 31124799A JP 31124799 A JP31124799 A JP 31124799A JP 2001131515 A JP2001131515 A JP 2001131515A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 十分に低い最低造膜温度(MFT)を有する
ので冬季においても初期接着力や作業性に優れ、且つ、
乾燥後は優れた圧縮強度や接着強度を発現し得る、特に
紙管用として好適な酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着
剤、及び、その酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤を
使用して製造される紙管を提供する。 【解決手段】 エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジ
ョン中のエチレン含有量が30〜35重量%であるエチ
レン−酢酸ビニル共重合体をシードとし、ポリビニルア
ルコールを保護コロイドとして、酢酸ビニルモノマーが
シード重合されてなる酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接
着剤であって、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体エマ
ルジョンの添加量が酢酸ビニルモノマー100重量部に
対して樹脂分換算で15〜25重量部であり、且つ、上
記ポリビニルアルコールの添加量が酢酸ビニルモノマー
100重量部に対して20〜35重量部であることを特
徴とする酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤、及び、
上記酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤によって、心
棒に巻き付けられた厚紙の隣接する側縁部同士が接着さ
れて製造されていることを特徴とする紙管。
ので冬季においても初期接着力や作業性に優れ、且つ、
乾燥後は優れた圧縮強度や接着強度を発現し得る、特に
紙管用として好適な酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着
剤、及び、その酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤を
使用して製造される紙管を提供する。 【解決手段】 エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジ
ョン中のエチレン含有量が30〜35重量%であるエチ
レン−酢酸ビニル共重合体をシードとし、ポリビニルア
ルコールを保護コロイドとして、酢酸ビニルモノマーが
シード重合されてなる酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接
着剤であって、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体エマ
ルジョンの添加量が酢酸ビニルモノマー100重量部に
対して樹脂分換算で15〜25重量部であり、且つ、上
記ポリビニルアルコールの添加量が酢酸ビニルモノマー
100重量部に対して20〜35重量部であることを特
徴とする酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤、及び、
上記酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤によって、心
棒に巻き付けられた厚紙の隣接する側縁部同士が接着さ
れて製造されていることを特徴とする紙管。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に紙管用として
好適な酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤及びその接
着剤を使用して製造される紙管に関する。
好適な酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤及びその接
着剤を使用して製造される紙管に関する。
【0002】
【従来の技術】紙、箔、織物等のシート状物品を巻くた
めの心棒として使用される紙管は、通常、厚紙を金属心
棒に螺旋状に巻き回して、その厚紙に隣接する側縁部同
士を接着剤により接着することによって製造されてい
る。このような紙管の製造に使用される接着剤として
は、例えば、澱粉、ポリビニルアルコール等の水溶性高
分子の水溶液や、例えばポリビニルアルコールを保護コ
ロイドとして重合された酢酸ビニル樹脂系エマルジョン
等を主成分とする接着剤組成物が知られている。
めの心棒として使用される紙管は、通常、厚紙を金属心
棒に螺旋状に巻き回して、その厚紙に隣接する側縁部同
士を接着剤により接着することによって製造されてい
る。このような紙管の製造に使用される接着剤として
は、例えば、澱粉、ポリビニルアルコール等の水溶性高
分子の水溶液や、例えばポリビニルアルコールを保護コ
ロイドとして重合された酢酸ビニル樹脂系エマルジョン
等を主成分とする接着剤組成物が知られている。
【0003】上記酢酸ビニル樹脂系エマルジョンは、接
着剤、塗料、コーティング剤等として広い用途で使用さ
れている。しかし、一般的に、酢酸ビニル樹脂系エマル
ジョンは、乾燥後の皮膜強度は強靱であるものの、低温
時における造膜性が悪いため、例えば冬季における10
℃以下の雰囲気下では容易に造膜せず、作業に支障を来
すという問題点がある。
着剤、塗料、コーティング剤等として広い用途で使用さ
れている。しかし、一般的に、酢酸ビニル樹脂系エマル
ジョンは、乾燥後の皮膜強度は強靱であるものの、低温
時における造膜性が悪いため、例えば冬季における10
℃以下の雰囲気下では容易に造膜せず、作業に支障を来
すという問題点がある。
【0004】このような問題点に対応するため、例え
ば、酢酸ビニル樹脂系エマルジョンにジブチルフタレー
ト(DBP)のようなフタル酸エステル系可塑剤を添加
して、酢酸ビニル樹脂系エマルジョンの最低造膜温度
(MFT)を低下させる方法が一般的に採られる。
ば、酢酸ビニル樹脂系エマルジョンにジブチルフタレー
ト(DBP)のようなフタル酸エステル系可塑剤を添加
して、酢酸ビニル樹脂系エマルジョンの最低造膜温度
(MFT)を低下させる方法が一般的に採られる。
【0005】しかし、可塑剤を添加すると、酢酸ビニル
樹脂系エマルジョンのMFTは確かに低下するものの、
乾燥皮膜が柔軟化するため、例えば紙管用として用いた
場合、紙管の最終的な圧縮強度が不十分になるという問
題点がある。特に冬季においては可塑剤の添加量が相対
的に多くなるため、この問題点はより顕著となる。
樹脂系エマルジョンのMFTは確かに低下するものの、
乾燥皮膜が柔軟化するため、例えば紙管用として用いた
場合、紙管の最終的な圧縮強度が不十分になるという問
題点がある。特に冬季においては可塑剤の添加量が相対
的に多くなるため、この問題点はより顕著となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来の問題点に鑑み、十分に低い最低造膜温度(MF
T)を有するので冬季においても初期接着力や作業性に
優れ、且つ、乾燥後は優れた圧縮強度や接着強度を発現
し得る、特に紙管用として好適な酢酸ビニル樹脂系エマ
ルジョン接着剤、及び、その酢酸ビニル樹脂系エマルジ
ョン接着剤を使用して製造される紙管を提供することに
ある。
従来の問題点に鑑み、十分に低い最低造膜温度(MF
T)を有するので冬季においても初期接着力や作業性に
優れ、且つ、乾燥後は優れた圧縮強度や接着強度を発現
し得る、特に紙管用として好適な酢酸ビニル樹脂系エマ
ルジョン接着剤、及び、その酢酸ビニル樹脂系エマルジ
ョン接着剤を使用して製造される紙管を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の酢酸ビ
ニル樹脂系エマルジョン接着剤は、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体エマルジョン中のエチレン含有量が30〜3
5重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体をシード
とし、ポリビニルアルコールを保護コロイドとして、酢
酸ビニルモノマーがシード重合されてなる酢酸ビニル樹
脂系エマルジョン接着剤であって、上記エチレン−酢酸
ビニル共重合体エマルジョンの添加量が酢酸ビニルモノ
マー100重量部に対して樹脂分換算で15〜25重量
部であり、且つ、上記ポリビニルアルコールの添加量が
酢酸ビニルモノマー100重量部に対して20〜35重
量部であることを特徴とする。
ニル樹脂系エマルジョン接着剤は、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体エマルジョン中のエチレン含有量が30〜3
5重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体をシード
とし、ポリビニルアルコールを保護コロイドとして、酢
酸ビニルモノマーがシード重合されてなる酢酸ビニル樹
脂系エマルジョン接着剤であって、上記エチレン−酢酸
ビニル共重合体エマルジョンの添加量が酢酸ビニルモノ
マー100重量部に対して樹脂分換算で15〜25重量
部であり、且つ、上記ポリビニルアルコールの添加量が
酢酸ビニルモノマー100重量部に対して20〜35重
量部であることを特徴とする。
【0008】また、請求項2に記載の紙管は、上記請求
項1に記載の酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤によ
って、心棒に巻き付けられた厚紙の隣接する側縁部同士
が接着されて製造されていることを特徴とする。
項1に記載の酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤によ
って、心棒に巻き付けられた厚紙の隣接する側縁部同士
が接着されて製造されていることを特徴とする。
【0009】本発明において、酢酸ビニルモノマーをシ
ード重合させるためのシードとして用いられるエチレン
−酢酸ビニル共重合体(以下、「EVA」と略記する)
からなるエチレン−酢酸ビニル共重合体系エマルジョン
(以下、「EVAエマルジョン」と略記する)は、例え
ば、ポリビニルアルコール等を保護コロイドとし、ヒド
ロキシエチルセルロースのようなセルロース系誘導体や
界面活性剤等を乳化分散剤として併用し、エチレンと酢
酸ビニルモノマーとを通常の乳化重合法により共重合し
て得られる。
ード重合させるためのシードとして用いられるエチレン
−酢酸ビニル共重合体(以下、「EVA」と略記する)
からなるエチレン−酢酸ビニル共重合体系エマルジョン
(以下、「EVAエマルジョン」と略記する)は、例え
ば、ポリビニルアルコール等を保護コロイドとし、ヒド
ロキシエチルセルロースのようなセルロース系誘導体や
界面活性剤等を乳化分散剤として併用し、エチレンと酢
酸ビニルモノマーとを通常の乳化重合法により共重合し
て得られる。
【0010】上記EVAエマルジョンは、例えばカルボ
キシル基、エポキシ基、スルフォン酸基、水酸基、メチ
ロール基、アルコキシル基等の官能基を有するビニルモ
ノマーがさらに共重合されたものであっても良い。
キシル基、エポキシ基、スルフォン酸基、水酸基、メチ
ロール基、アルコキシル基等の官能基を有するビニルモ
ノマーがさらに共重合されたものであっても良い。
【0011】本発明においては、上記EVAエマルジョ
ン中のEVAのエチレン含有量が30〜35重量%であ
ることが必要である。
ン中のEVAのエチレン含有量が30〜35重量%であ
ることが必要である。
【0012】EVAのエチレン含有量が30重量%未満
であると、得られる酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着
剤の最低造膜温度(MFT)が十分に低下しないことが
あり、また、EVAのエチレン含有量が35重量%を超
えるEVAエマルジョンは現時点では市販されていな
い。
であると、得られる酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着
剤の最低造膜温度(MFT)が十分に低下しないことが
あり、また、EVAのエチレン含有量が35重量%を超
えるEVAエマルジョンは現時点では市販されていな
い。
【0013】また、酢酸ビニルモノマーのシード重合時
における上記EVAエマルジョンの添加量は、酢酸ビニ
ルモノマー100重量部に対して樹脂分換算で15〜2
5重量部であることが必要である。
における上記EVAエマルジョンの添加量は、酢酸ビニ
ルモノマー100重量部に対して樹脂分換算で15〜2
5重量部であることが必要である。
【0014】酢酸ビニルモノマー100重量部に対する
EVAエマルジョンの添加量が樹脂分換算で15重量部
未満であると、得られる酢酸ビニル樹脂系エマルジョン
接着剤のMFTが十分に低下しないことがあり、逆に酢
酸ビニルモノマー100重量部に対するEVAエマルジ
ョンの添加量が樹脂分換算で25重量部を超えると、得
られる酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤の乾燥皮膜
の圧縮強度や接着強度が不十分となることがある。
EVAエマルジョンの添加量が樹脂分換算で15重量部
未満であると、得られる酢酸ビニル樹脂系エマルジョン
接着剤のMFTが十分に低下しないことがあり、逆に酢
酸ビニルモノマー100重量部に対するEVAエマルジ
ョンの添加量が樹脂分換算で25重量部を超えると、得
られる酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤の乾燥皮膜
の圧縮強度や接着強度が不十分となることがある。
【0015】本発明においては、上記EVAエマルジョ
ン中のEVAをシードとして酢酸ビニルモノマーをシー
ド重合させる際に、酢酸ビニルモノマー100重量部に
対して保護コロイドとしてポリビニルアルコール(以
下、「PVA」と略記する)20〜35重量部が添加さ
れていることが必要であり、好ましくは25〜30重量
部である。
ン中のEVAをシードとして酢酸ビニルモノマーをシー
ド重合させる際に、酢酸ビニルモノマー100重量部に
対して保護コロイドとしてポリビニルアルコール(以
下、「PVA」と略記する)20〜35重量部が添加さ
れていることが必要であり、好ましくは25〜30重量
部である。
【0016】酢酸ビニルモノマー100重量部に対する
PVAの添加量が20重量部未満であると、得られる酢
酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤のMFTが十分に低
下しないため冬季における作業性が悪くなったり、乾燥
皮膜の圧縮強度や接着強度が効果的に向上しないことが
あり、逆に酢酸ビニルモノマー100重量部に対するP
VAの添加量が35重量部を超えると、得られる酢酸ビ
ニル樹脂系エマルジョン接着剤の初期接着力が低下する
ことがある。
PVAの添加量が20重量部未満であると、得られる酢
酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤のMFTが十分に低
下しないため冬季における作業性が悪くなったり、乾燥
皮膜の圧縮強度や接着強度が効果的に向上しないことが
あり、逆に酢酸ビニルモノマー100重量部に対するP
VAの添加量が35重量部を超えると、得られる酢酸ビ
ニル樹脂系エマルジョン接着剤の初期接着力が低下する
ことがある。
【0017】また、上記PVAは、特に限定されるもの
ではないが、平均重合度が1400〜2000のものが
好ましく、鹸化度が94モル%以上のものが好ましい。
ではないが、平均重合度が1400〜2000のものが
好ましく、鹸化度が94モル%以上のものが好ましい。
【0018】本発明の酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接
着剤は、例えば過酸化物や過硫酸塩等の重合触媒及び水
の共存下で、前記EVAエマルジョン中のEVAをシー
ドとし、上記PVAを保護コロイドとして、酢酸ビニル
モノマーを常法によりシード重合することにより得られ
る。
着剤は、例えば過酸化物や過硫酸塩等の重合触媒及び水
の共存下で、前記EVAエマルジョン中のEVAをシー
ドとし、上記PVAを保護コロイドとして、酢酸ビニル
モノマーを常法によりシード重合することにより得られ
る。
【0019】上記酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤
を構成する酢酸ビニル樹脂は、酢酸ビニルモノマーの単
独重合体であっても勿論良いし、酢酸ビニルモノマーと
該酢酸ビニルモノマーと共重合可能なモノマーとの共重
合体であっても良い。
を構成する酢酸ビニル樹脂は、酢酸ビニルモノマーの単
独重合体であっても勿論良いし、酢酸ビニルモノマーと
該酢酸ビニルモノマーと共重合可能なモノマーとの共重
合体であっても良い。
【0020】上記酢酸ビニルモノマーと共重合可能なモ
ノマーとしては、例えば、n−ブチル(メタ)アクリレ
ートや2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のア
ルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレ
ート、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。これらの酢
酸ビニルモノマーと共重合可能なモノマーは、単独で用
いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
尚、ここで言う(メタ)アクリルとはアクリルまたはメ
タクリルを意味する。
ノマーとしては、例えば、n−ブチル(メタ)アクリレ
ートや2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のア
ルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレ
ート、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。これらの酢
酸ビニルモノマーと共重合可能なモノマーは、単独で用
いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
尚、ここで言う(メタ)アクリルとはアクリルまたはメ
タクリルを意味する。
【0021】重合触媒として用いられる過酸化物として
は、例えば、過酸化水素水等が挙げられる。また、重合
触媒として用いられる過硫酸塩としては、例えば、過硫
酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アルミニウム等
が挙げられる。これらの過酸化物や過硫酸塩は、単独で
用いられても良いし、2種類以上が併用されても良く、
酒石酸、蟻酸、蓚酸等の還元剤が併用されても良い。
は、例えば、過酸化水素水等が挙げられる。また、重合
触媒として用いられる過硫酸塩としては、例えば、過硫
酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アルミニウム等
が挙げられる。これらの過酸化物や過硫酸塩は、単独で
用いられても良いし、2種類以上が併用されても良く、
酒石酸、蟻酸、蓚酸等の還元剤が併用されても良い。
【0022】本発明の酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接
着剤には、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に
応じて、粘着性付与樹脂、カップリング剤、無機もしく
は有機充填剤、増粘剤、揺変性付与剤、着色剤、酸化防
止剤(老化防止剤)、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収
剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤、有機溶剤等の各種添加剤
の1種もしくは2種以上が添加されていても良い。
着剤には、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に
応じて、粘着性付与樹脂、カップリング剤、無機もしく
は有機充填剤、増粘剤、揺変性付与剤、着色剤、酸化防
止剤(老化防止剤)、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収
剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤、有機溶剤等の各種添加剤
の1種もしくは2種以上が添加されていても良い。
【0023】また、本発明の酢酸ビニル樹脂系エマルジ
ョン接着剤には、可塑剤や軟化剤等の柔軟化剤は添加さ
れていないことが好ましい。可塑剤や軟化剤等の柔軟化
剤が添加されると、得られる酢酸ビニル樹脂系エマルジ
ョン接着剤のMFTは低下するものの、乾燥後の圧縮強
度や接着強度が著しく低下することがある。
ョン接着剤には、可塑剤や軟化剤等の柔軟化剤は添加さ
れていないことが好ましい。可塑剤や軟化剤等の柔軟化
剤が添加されると、得られる酢酸ビニル樹脂系エマルジ
ョン接着剤のMFTは低下するものの、乾燥後の圧縮強
度や接着強度が著しく低下することがある。
【0024】次に、請求項2に記載の紙管は、上述した
本発明の酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤によっ
て、心棒に巻き付けられた厚紙の隣接する側縁部同士が
接着されて製造されていることが必要である。
本発明の酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤によっ
て、心棒に巻き付けられた厚紙の隣接する側縁部同士が
接着されて製造されていることが必要である。
【0025】尚、本発明の酢酸ビニル樹脂系エマルジョ
ン接着剤は、上記紙管用に限らず、紙包装用、木工用、
一般用等として用いられても良い。
ン接着剤は、上記紙管用に限らず、紙包装用、木工用、
一般用等として用いられても良い。
【0026】
【作用】本発明の酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤
は、酢酸ビニルモノマー100重量部に対して樹脂分換
算で15〜25重量部添加されているEVAエマルジョ
ン中のエチレン含有量が30〜35重量%であるEVA
をシードとし、且つ、酢酸ビニルモノマー100重量部
に対して20〜35重量部添加されているPVAを保護
コロイドとして、酢酸ビニルモノマーがシード重合され
てなるので、可塑剤や軟化剤等の柔軟化剤を添加しなく
ても、最低造膜温度(MFT)が十分に低くなり、冬季
においても優れた初期接着力や作業性を有するものとな
る。また、乾燥後は酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着
剤の有する本来の性能である優れた圧縮強度や接着強度
を発現するものとなる。
は、酢酸ビニルモノマー100重量部に対して樹脂分換
算で15〜25重量部添加されているEVAエマルジョ
ン中のエチレン含有量が30〜35重量%であるEVA
をシードとし、且つ、酢酸ビニルモノマー100重量部
に対して20〜35重量部添加されているPVAを保護
コロイドとして、酢酸ビニルモノマーがシード重合され
てなるので、可塑剤や軟化剤等の柔軟化剤を添加しなく
ても、最低造膜温度(MFT)が十分に低くなり、冬季
においても優れた初期接着力や作業性を有するものとな
る。また、乾燥後は酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着
剤の有する本来の性能である優れた圧縮強度や接着強度
を発現するものとなる。
【0027】また、本発明の紙管は、上記本発明の酢酸
ビニル樹脂系エマルジョン接着剤によって、心棒に巻き
付けられた厚紙の隣接する側縁部同士が接着されて製造
されているので、優れた圧縮強度や接着強度を有する高
性能のものとなる。
ビニル樹脂系エマルジョン接着剤によって、心棒に巻き
付けられた厚紙の隣接する側縁部同士が接着されて製造
されているので、優れた圧縮強度や接着強度を有する高
性能のものとなる。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明するた
め以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例のみ
に限定されるものではない。尚、実施例中の「部」は
「重量部」を意味し、「%」は特に記載の無いかぎり
「重量%」を意味する。
め以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例のみ
に限定されるものではない。尚、実施例中の「部」は
「重量部」を意味し、「%」は特に記載の無いかぎり
「重量%」を意味する。
【0029】(実施例1)攪拌機、還流冷却管、温度計
及び滴下漏斗を備えた反応器に、水115部、PVA
(商品名「クラレPVA−CST」、平均重合度170
0、鹸化度96モル%、クラレ社製)25部及び乳化剤
(商品名「YX−400」、第一工業製薬社製)1部を
仕込み、分散させ、90℃で1時間溶解してPVAの水
溶液を得た。次に、このPVA水溶液を50℃まで冷却
し、これにエチレン含有量が35%であるEVAエマル
ジョン(商品名「OM−2000」、クラレ社製)を、
酢酸ビニルモノマー100部に対し、樹脂分換算で23
部となるように仕込み、攪拌後80℃まで昇温した。次
いで、酢酸ビニルモノマー100部を3時間かけて滴下
し、同時に重合触媒(過酸化水素水及び酒石酸)の所定
量を3.5時間かけて滴下してシード重合を行った。酢
酸ビニルモノマーの滴下終了後、90℃で1時間熟成を
行い、冷却、水による粘度調整の工程を経て、粘度(3
0℃)1700Pa・s、固形分38%の酢酸ビニル樹
脂系エマルジョン接着剤を得た。
及び滴下漏斗を備えた反応器に、水115部、PVA
(商品名「クラレPVA−CST」、平均重合度170
0、鹸化度96モル%、クラレ社製)25部及び乳化剤
(商品名「YX−400」、第一工業製薬社製)1部を
仕込み、分散させ、90℃で1時間溶解してPVAの水
溶液を得た。次に、このPVA水溶液を50℃まで冷却
し、これにエチレン含有量が35%であるEVAエマル
ジョン(商品名「OM−2000」、クラレ社製)を、
酢酸ビニルモノマー100部に対し、樹脂分換算で23
部となるように仕込み、攪拌後80℃まで昇温した。次
いで、酢酸ビニルモノマー100部を3時間かけて滴下
し、同時に重合触媒(過酸化水素水及び酒石酸)の所定
量を3.5時間かけて滴下してシード重合を行った。酢
酸ビニルモノマーの滴下終了後、90℃で1時間熟成を
行い、冷却、水による粘度調整の工程を経て、粘度(3
0℃)1700Pa・s、固形分38%の酢酸ビニル樹
脂系エマルジョン接着剤を得た。
【0030】(実施例2)酢酸ビニルモノマー100部
に対するPVA「クラレPVA−CST」の添加量を2
0部としたこと以外は実施例1の場合と同様にして、粘
度(30℃)1800Pa・s、固形分38%の酢酸ビ
ニル樹脂系エマルジョン接着剤を得た。
に対するPVA「クラレPVA−CST」の添加量を2
0部としたこと以外は実施例1の場合と同様にして、粘
度(30℃)1800Pa・s、固形分38%の酢酸ビ
ニル樹脂系エマルジョン接着剤を得た。
【0031】(実施例3)酢酸ビニルモノマー100部
に対するPVA「クラレPVA−CST」の添加量を3
5部としたこと以外は実施例1の場合と同様にして、粘
度(30℃)1900Pa・s、固形分38%の酢酸ビ
ニル樹脂系エマルジョン接着剤を得た。
に対するPVA「クラレPVA−CST」の添加量を3
5部としたこと以外は実施例1の場合と同様にして、粘
度(30℃)1900Pa・s、固形分38%の酢酸ビ
ニル樹脂系エマルジョン接着剤を得た。
【0032】(実施例4)酢酸ビニルモノマー100部
に対するEVAエマルジョン「OM−2000」の添加
量を樹脂分換算で15部となるようにしたこと以外は実
施例1の場合と同様にして、粘度(30℃)1700P
a・s、固形分38%の酢酸ビニル樹脂系エマルジョン
接着剤を得た。
に対するEVAエマルジョン「OM−2000」の添加
量を樹脂分換算で15部となるようにしたこと以外は実
施例1の場合と同様にして、粘度(30℃)1700P
a・s、固形分38%の酢酸ビニル樹脂系エマルジョン
接着剤を得た。
【0033】(比較例1)酢酸ビニルモノマー100部
に対するPVA「クラレPVA−CST」の添加量を1
0部としたこと以外は実施例1の場合と同様にして、粘
度(30℃)1800Pa・s、固形分37%の酢酸ビ
ニル樹脂系エマルジョン接着剤を得た。
に対するPVA「クラレPVA−CST」の添加量を1
0部としたこと以外は実施例1の場合と同様にして、粘
度(30℃)1800Pa・s、固形分37%の酢酸ビ
ニル樹脂系エマルジョン接着剤を得た。
【0034】(比較例2)酢酸ビニルモノマー100部
に対するPVA「クラレPVA−CST」の添加量を4
0部としたこと以外は実施例1の場合と同様にして、粘
度(30℃)1900Pa・s、固形分38%の酢酸ビ
ニル樹脂系エマルジョン接着剤を得た。
に対するPVA「クラレPVA−CST」の添加量を4
0部としたこと以外は実施例1の場合と同様にして、粘
度(30℃)1900Pa・s、固形分38%の酢酸ビ
ニル樹脂系エマルジョン接着剤を得た。
【0035】(比較例3)酢酸ビニルモノマー100部
に対するEVAエマルジョン「OM−2000」の添加
量を樹脂分換算で10部となるようにしたこと以外は実
施例1の場合と同様にして、粘度(30℃)1800P
a・s、固形分37%の酢酸ビニル樹脂系エマルジョン
接着剤を得た。
に対するEVAエマルジョン「OM−2000」の添加
量を樹脂分換算で10部となるようにしたこと以外は実
施例1の場合と同様にして、粘度(30℃)1800P
a・s、固形分37%の酢酸ビニル樹脂系エマルジョン
接着剤を得た。
【0036】(比較例4)酢酸ビニルモノマー100部
に対するEVAエマルジョン「OM−2000」の添加
量を樹脂分換算で30部となるようにしたこと以外は実
施例1の場合と同様にして、粘度(30℃)1800P
a・s、固形分39%の酢酸ビニル樹脂系エマルジョン
接着剤を得た。
に対するEVAエマルジョン「OM−2000」の添加
量を樹脂分換算で30部となるようにしたこと以外は実
施例1の場合と同様にして、粘度(30℃)1800P
a・s、固形分39%の酢酸ビニル樹脂系エマルジョン
接着剤を得た。
【0037】(比較例5)エチレン含有量が20%であ
るEVAエマルジョンを用いたこと以外は実施例1の場
合と同様にして、粘度(30℃)1800Pa・s、固
形分39%の酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤を得
た。
るEVAエマルジョンを用いたこと以外は実施例1の場
合と同様にして、粘度(30℃)1800Pa・s、固
形分39%の酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤を得
た。
【0038】(比較例6)EVAエマルジョン「OM−
2000」を添加しなかったこと以外は実施例1の場合
と同様にして、酢酸ビニル樹脂系エマルジョンを得た。
次いで、得られた酢酸ビニル樹脂系エマルジョン100
部に対し、可塑剤としてジブチルフタレート(DBP)
10部を添加し、均一に攪拌混合して、粘度(30℃)
1700Pa・s、固形分38%の酢酸ビニル樹脂系エ
マルジョン接着剤を得た。
2000」を添加しなかったこと以外は実施例1の場合
と同様にして、酢酸ビニル樹脂系エマルジョンを得た。
次いで、得られた酢酸ビニル樹脂系エマルジョン100
部に対し、可塑剤としてジブチルフタレート(DBP)
10部を添加し、均一に攪拌混合して、粘度(30℃)
1700Pa・s、固形分38%の酢酸ビニル樹脂系エ
マルジョン接着剤を得た。
【0039】実施例1〜4、及び、比較例1〜6で得ら
れた10種類の酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤の
性能(最低造膜温度、初期剪断接着力、リングク
ラッシュ強度)を以下の方法で評価した。その結果は表
1に示すとおりであった。
れた10種類の酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤の
性能(最低造膜温度、初期剪断接着力、リングク
ラッシュ強度)を以下の方法で評価した。その結果は表
1に示すとおりであった。
【0040】最低造膜温度(MFT):JIS K−
6828「酢酸ビニル樹脂エマルジョン試験方法」に準
拠して、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤の0℃に
おける造膜状態を目視で観察し、下記判定基準で造膜性
を評価した。 〔判定基準〕 ○‥‥乾燥皮膜が透明で一様な連続皮膜であった ×‥‥乾燥皮膜が白濁しているか、または、連続皮膜を
形成していなかった
6828「酢酸ビニル樹脂エマルジョン試験方法」に準
拠して、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤の0℃に
おける造膜状態を目視で観察し、下記判定基準で造膜性
を評価した。 〔判定基準〕 ○‥‥乾燥皮膜が透明で一様な連続皮膜であった ×‥‥乾燥皮膜が白濁しているか、または、連続皮膜を
形成していなかった
【0041】初期剪断接着力:40mm×100mm
と50mm×100mmとに裁断した2枚のB級紙管原
紙(福山製紙社製)を試験片とし、酢酸ビニル樹脂系エ
マルジョン接着剤によって接着して、接着試験片を作製
した。次いで、初期接着力測定装置(JTトーシ社製)
を用いて、上記接着試験片の初期剪断接着力{引張剪断
強度(kg/cm2 )}を測定した。この時の接着条件
及び測定条件は以下のとおりであった。 〔接着条件〕塗布量(ウエット):50g/m2 、塗布
スピード:0.6m/秒、オープンタイム:1秒、圧締
圧:3kg/cm2 、圧締時間:6秒、8秒、10秒の
3種類 〔測定条件〕解圧後放置時間:1秒、引張速度:100
m/分、測定温湿度:20℃−65%RH
と50mm×100mmとに裁断した2枚のB級紙管原
紙(福山製紙社製)を試験片とし、酢酸ビニル樹脂系エ
マルジョン接着剤によって接着して、接着試験片を作製
した。次いで、初期接着力測定装置(JTトーシ社製)
を用いて、上記接着試験片の初期剪断接着力{引張剪断
強度(kg/cm2 )}を測定した。この時の接着条件
及び測定条件は以下のとおりであった。 〔接着条件〕塗布量(ウエット):50g/m2 、塗布
スピード:0.6m/秒、オープンタイム:1秒、圧締
圧:3kg/cm2 、圧締時間:6秒、8秒、10秒の
3種類 〔測定条件〕解圧後放置時間:1秒、引張速度:100
m/分、測定温湿度:20℃−65%RH
【0042】リングクラッシュ強度:JIS P−8
126「板紙の圧縮強さ試験方法(リングクラッシュ
法)」に準拠して、紙管原紙の縦方向のリングクラッシ
ュ強度を次のようにして測定した。縦方向のB級紙管原
紙(福山製紙社製)2枚を用意し、一方の原紙に酢酸ビ
ニル樹脂系エマルジョン接着剤を塗布量(ウエット)7
6g/m2 で塗布した後、他方の原紙を貼り合わせ、こ
の貼り合わせ部分を100g/cm2 の圧締圧で24時
間圧締して接着試験片を作製した。次に、得られた接着
試験片を幅12.7mm、長さ152.4mmに裁断し
て測定用試験片を得た。次いで、得られた測定用試験片
を20℃−65%RHの雰囲気下で24時間養生した
後、測定機器(商品名「インストロン1195」、イン
ストロン社製)にセットし、10mm/分の圧縮速度で
圧縮して、リングクラッシュ強度(kgf)を測定し
た。
126「板紙の圧縮強さ試験方法(リングクラッシュ
法)」に準拠して、紙管原紙の縦方向のリングクラッシ
ュ強度を次のようにして測定した。縦方向のB級紙管原
紙(福山製紙社製)2枚を用意し、一方の原紙に酢酸ビ
ニル樹脂系エマルジョン接着剤を塗布量(ウエット)7
6g/m2 で塗布した後、他方の原紙を貼り合わせ、こ
の貼り合わせ部分を100g/cm2 の圧締圧で24時
間圧締して接着試験片を作製した。次に、得られた接着
試験片を幅12.7mm、長さ152.4mmに裁断し
て測定用試験片を得た。次いで、得られた測定用試験片
を20℃−65%RHの雰囲気下で24時間養生した
後、測定機器(商品名「インストロン1195」、イン
ストロン社製)にセットし、10mm/分の圧縮速度で
圧縮して、リングクラッシュ強度(kgf)を測定し
た。
【0043】
【表1】
【0044】表1から明らかなように、本発明による実
施例1〜4の酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤は、
0℃における造膜性、初期剪断接着力及びリングクラッ
シュ強度のいずれについても優れており、優れたバラン
スの性能を発現した。
施例1〜4の酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤は、
0℃における造膜性、初期剪断接着力及びリングクラッ
シュ強度のいずれについても優れており、優れたバラン
スの性能を発現した。
【0045】これに対し、酢酸ビニルモノマー100重
量部に対するPVAの添加量が20重量部未満(10重
量部)であった比較例1の酢酸ビニル樹脂系エマルジョ
ン接着剤は、0℃における造膜性が悪く、初期剪断接着
力及びリングクラッシュ強度も劣っていた。また、酢酸
ビニルモノマー100重量部に対するPVAの添加量が
35重量部を超えていた(40重量部)比較例2の酢酸
ビニル樹脂系エマルジョン接着剤は、初期剪断接着力が
劣っていた。また、酢酸ビニルモノマー100重量部に
対するEVAエマルジョンの添加量が樹脂分換算で15
重量部未満(10重量部)であった比較例3の酢酸ビニ
ル樹脂系エマルジョン接着剤は、0℃における造膜性が
悪く、初期剪断接着力も劣っていた。また、エチレン含
有量が30重量%未満(20重量%)のEVAからなる
EVAエマルジョンを用いた比較例5の酢酸ビニル樹脂
系エマルジョン接着剤は、0℃における造膜性が悪かっ
た。さらに、酢酸ビニルモノマー100重量部に対する
EVAエマルジョンの添加量が樹脂分換算で25重量部
を超えていた(30重量部)比較例4の酢酸ビニル樹脂
系エマルジョン接着剤及び酢酸ビニル樹脂系エマルジョ
ンの重合時にEVAエマルジョンを添加せず、且つ、得
られた酢酸ビニル樹脂系エマルジョンに可塑剤(DB
P)を後添した比較例6の酢酸ビニル樹脂系エマルジョ
ン接着剤は、0℃における造膜性は優れていたものの、
リングクラッシュ強度が劣っていた。
量部に対するPVAの添加量が20重量部未満(10重
量部)であった比較例1の酢酸ビニル樹脂系エマルジョ
ン接着剤は、0℃における造膜性が悪く、初期剪断接着
力及びリングクラッシュ強度も劣っていた。また、酢酸
ビニルモノマー100重量部に対するPVAの添加量が
35重量部を超えていた(40重量部)比較例2の酢酸
ビニル樹脂系エマルジョン接着剤は、初期剪断接着力が
劣っていた。また、酢酸ビニルモノマー100重量部に
対するEVAエマルジョンの添加量が樹脂分換算で15
重量部未満(10重量部)であった比較例3の酢酸ビニ
ル樹脂系エマルジョン接着剤は、0℃における造膜性が
悪く、初期剪断接着力も劣っていた。また、エチレン含
有量が30重量%未満(20重量%)のEVAからなる
EVAエマルジョンを用いた比較例5の酢酸ビニル樹脂
系エマルジョン接着剤は、0℃における造膜性が悪かっ
た。さらに、酢酸ビニルモノマー100重量部に対する
EVAエマルジョンの添加量が樹脂分換算で25重量部
を超えていた(30重量部)比較例4の酢酸ビニル樹脂
系エマルジョン接着剤及び酢酸ビニル樹脂系エマルジョ
ンの重合時にEVAエマルジョンを添加せず、且つ、得
られた酢酸ビニル樹脂系エマルジョンに可塑剤(DB
P)を後添した比較例6の酢酸ビニル樹脂系エマルジョ
ン接着剤は、0℃における造膜性は優れていたものの、
リングクラッシュ強度が劣っていた。
【0046】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の酢酸ビニル
樹脂系エマルジョン接着剤は、可塑剤や軟化剤等の柔軟
化剤の添加を要することなく、最低造膜温度(MFT)
が十分に低いので、冬季のような低温雰囲気下において
も優れた初期接着力や作業性を発現する。また、上記柔
軟化剤を含有しないので、乾燥後は優れた圧縮強度や接
着強度を発現し得るものであり、特に紙管用接着剤とし
て好適に用いられる。
樹脂系エマルジョン接着剤は、可塑剤や軟化剤等の柔軟
化剤の添加を要することなく、最低造膜温度(MFT)
が十分に低いので、冬季のような低温雰囲気下において
も優れた初期接着力や作業性を発現する。また、上記柔
軟化剤を含有しないので、乾燥後は優れた圧縮強度や接
着強度を発現し得るものであり、特に紙管用接着剤とし
て好適に用いられる。
【0047】また、本発明の紙管は、上記本発明の酢酸
ビニル樹脂系エマルジョン接着剤を使用して製造される
ので、優れた圧縮強度や接着強度を有する高性能のもの
であり、各種シート状物品を巻くための紙管として好適
に用いられる。
ビニル樹脂系エマルジョン接着剤を使用して製造される
ので、優れた圧縮強度や接着強度を有する高性能のもの
であり、各種シート状物品を巻くための紙管として好適
に用いられる。
Claims (2)
- 【請求項1】 エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジ
ョン中のエチレン含有量が30〜35重量%であるエチ
レン−酢酸ビニル共重合体をシードとし、ポリビニルア
ルコールを保護コロイドとして、酢酸ビニルモノマーが
シード重合されてなる酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接
着剤であって、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体エマ
ルジョンの添加量が酢酸ビニルモノマー100重量部に
対して樹脂分換算で15〜25重量部であり、且つ、上
記ポリビニルアルコールの添加量が酢酸ビニルモノマー
100重量部に対して20〜35重量部であることを特
徴とする酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤。 - 【請求項2】 請求項1に記載の酢酸ビニル樹脂系エマ
ルジョン接着剤によって、心棒に巻き付けられた厚紙の
隣接する側縁部同士が接着されて製造されていることを
特徴とする紙管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31124799A JP2001131515A (ja) | 1999-11-01 | 1999-11-01 | 酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤及びそれを用いた紙管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31124799A JP2001131515A (ja) | 1999-11-01 | 1999-11-01 | 酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤及びそれを用いた紙管 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001131515A true JP2001131515A (ja) | 2001-05-15 |
Family
ID=18014868
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31124799A Withdrawn JP2001131515A (ja) | 1999-11-01 | 1999-11-01 | 酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤及びそれを用いた紙管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001131515A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007246729A (ja) * | 2006-03-16 | 2007-09-27 | Aica Kogyo Co Ltd | 接着剤組成物 |
CN103952097A (zh) * | 2014-05-04 | 2014-07-30 | 上海政太纳米科技股份有限公司 | 上光漆水性胶粘剂及制备方法 |
-
1999
- 1999-11-01 JP JP31124799A patent/JP2001131515A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007246729A (ja) * | 2006-03-16 | 2007-09-27 | Aica Kogyo Co Ltd | 接着剤組成物 |
CN103952097A (zh) * | 2014-05-04 | 2014-07-30 | 上海政太纳米科技股份有限公司 | 上光漆水性胶粘剂及制备方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060202 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060614 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20060711 |