JP2000026818A - 粘着層、粘着シート及び使捨てカイロ - Google Patents

粘着層、粘着シート及び使捨てカイロ

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JP2000026818A
JP2000026818A JP10216496A JP21649698A JP2000026818A JP 2000026818 A JP2000026818 A JP 2000026818A JP 10216496 A JP10216496 A JP 10216496A JP 21649698 A JP21649698 A JP 21649698A JP 2000026818 A JP2000026818 A JP 2000026818A
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pressure
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sheet
adhesive
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Takeshi Sudo
剛 須藤
Hirotaka Sato
博隆 佐藤
Makoto Honda
本田  誠
Eiji Yamanaka
英治 山中
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温熱効果が作用する使捨てカイロ等に適用し
てポリエステル系生地の衣類に接着しても、それを糊残
りなく剥がすことができる粘着層やその粘着シートの開
発。 【解決手段】 スチレン系ブロック共重合体をベースポ
リマーとし、S−S曲線における伸びが3000%以下
で、かつ最大強度と破断強度との間における伸びが50
0%以下である粘着層(1)、その粘着層をシート基材
上に有する粘着シート、及びシート基材(2)と通気性
基材(3)からなる袋体の内部に発熱体(4)を収容し
てなり、その袋体の外側に前記の粘着層(1)を有する
使捨てカイロ。 【効果】 衣類等を介した接着保持の安定性や持続性と
糊残りのない剥離性とが両立した高品質の使捨てカイロ
等が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、衣類等に対しても糊残り
なく剥離できて接着力にも優れ、下着等に接着する使捨
てカイロの形成などに好適な粘着層及び粘着シートに関
する。
【0002】
【従来の技術】図1に例示の如く、シート基材2と通気
性基材3の周縁をヒートシール等により接着した袋体の
内部に発熱体4を収容し、袋体の外側に粘着層1を設け
てそれを介し衣類等に接着して保持できる使捨てカイロ
が提案されており、その粘着層として従来、アクリル系
やゴム系の粘着剤からなるものが知られていた。
【0003】しかしながら、使捨てカイロを衣類に接着
して剥がした場合に、温熱効果による接着力の上昇等の
ために粘着層の一部が衣類側に残存し、糊残りとして衣
類を汚染する問題点があり、特にポリエステル系の生地
に対して糊残りが生じやすい問題点があった。衣類にお
ける糊残りは、繊維間への侵入等により容易に除去でき
ず、その除去時に生地を損傷しやすい難点がある。
【0004】
【発明の技術的課題】本発明は、温熱効果が作用する使
捨てカイロ等に適用してポリエステル系生地の衣類に接
着しても、それを糊残りなく剥がすことができる粘着層
やその粘着シートの開発を課題とする。
【0005】
【課題の解決手段】本発明は、スチレン系ブロック共重
合体をベースポリマーとし、S−S曲線における伸びが
3000%以下で、かつ最大強度と破断強度との間にお
ける伸びが500%以下であることを特徴とする粘着
層、その粘着層をシート基材上に有することを特徴とす
る粘着シート、及びシート基材と通気性基材からなる袋
体の内部に発熱体を収容してなり、その袋体の外側に前
記の粘着層を有することを特徴とする使捨てカイロを提
供するものである。
【0006】
【発明の効果】本発明によれば、スチレン系ブロック共
重合体からなる特異な物性を有する粘着層としたことに
より、使捨てカイロ等の温度上昇が伴う用途にてポリエ
ステル系生地を含む各種材質の衣類に接着しても、それ
を衣類に固定保持する接着力を示すと共に、剥離の際に
はその支持基材と共に糊残りなく剥離できる粘着シート
を得ることができ、衣類等を介した接着保持の安定性や
持続性と糊残りのない剥離性とが両立した高品質の使捨
てカイロ等を得ることができる。
【0007】
【発明の実施形態】本発明による粘着層は、スチレン系
ブロック共重合体をベースポリマーとし、S−S曲線に
おける伸びが3000%以下で、かつ最大強度と破断強
度との間における伸びが500%以下のものである。こ
れにより、剥離の際に粘着層がシート基材等に追随し、
使捨てカイロ等として衣類に接着し温熱作用を受けても
糊残りなく剥離することができる。
【0008】なお前記した糊残りのない剥離は、温熱作
用中やその作用後(カイロの使用中や使用後)に、粘着
層の糸引きや投錨破壊、凝集破壊等の破壊現象による残
存のない剥離を意味し、これは生地の材質に関係なく達
成することができる。従ってポリエステル系の衣類に対
しても糊残りのない剥離を達成することができる。
【0009】前記において、粘着層の伸びが3000%
を超え、最大強度と破断強度との間における伸びが50
0%を超えると剥離の際に粘着層がシート基材等に追随
せずに糊残りを生じる。粘着層の糸引き防止の点より
は、最大強度と破断強度との間における伸びが300%
以下、就中100%以下のものが好ましく、特に当該伸
びが0%、すなわち最大強度と破断強度が同じで最大強
度を示したときに破断するものが好ましい。
【0010】粘着層のベースポリマーとして用いるスチ
レン系ブロック共重合体としては、スチレンを成分とす
る適宜なものを用いうる。一般的なスチレン系ブロック
共重合体は、スチレンの如きビニル芳香族化合物を主体
とする末端ブロックAを2個又は3個以上有し、イソプ
レンの如き共役ジエン化合物を主体とする中間ブロック
Bを少なくとも1個有するトリブロックや放射状ブロッ
ク(A−B−A型ブロックポリマー)と、ビニル芳香族
化合物よりなる1個のブロックAと、共役ジエン化合物
よりなる1個のブロックBが共重合したジブロック(A
−B型ブロックポリマー)と、共役ジエン化合物又はビ
ニル芳香族化合物のホモ重合体などの混合物からなる。
【0011】ちなみに前記スチレン系ブロック共重合体
の具体例としては、スチレン−イソプレン−スチレン
(SIS)やスチレン−ブタジエン−スチレン(SB
S)、スチレン−エチレン・ブチレン共重合体−スチレ
ン(SEBS)やスチレン−エチレン・プロピレン共重
合体−スチレン(SEPS)、スチレン−イソプレン・
プロピレン共重合体−スチレン(SIPS)の如きA−
B−A型ブロックポリマーやその水添処理物、スチレン
−エチレン・ブチレン共重合体やスチレン−エチレン・
プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエンやスチレン
−イソプレンの如きA−B型ブロックポリマーやその水
添処理物などがあげられる。スチレン系ブロック共重合
体は、1種又は2種以上を用いうる。
【0012】好ましく用いうるスチレン系ブロック共重
合体は、カップリング率(全ブロックに占めるトリブロ
ック又は放射状ブロックの割合)が70〜90%のもの
である。これにより、ビニル芳香族化合物系ブロックA
のドメイン領域に基づく擬似架橋構造の形成による凝集
力と、ジブロックに基づく濡れ性を良好にバランスさせ
て上記した粘着層の伸び特性等を容易に達成することが
できる。
【0013】前記の結果、使捨てカイロ等を衣類に接着
して固定保持できる適度な濡れ性による接着力と、適度
な凝集力による糊残りのない剥離性とが両立した粘着層
を容易に形成することができる。前記したカップリング
率が70%未満では、ジブロックの含有割合が多くて凝
集力が低下し、温熱上昇により粘度が低下して柔らかく
なり過度の濡れ性が発現して、特にジブロックが繊維間
に侵入しやすくなって糊残りを生じやすくなる場合があ
る。また90%を超えても強い凝集力が発現して硬くな
りすぎ、濡れ性が低下して接着力に乏しくなり、使捨て
カイロ等の接着固定力に不足する場合がある。
【0014】粘着層には必要に応じて、粘着特性の制御
等を目的に例えばα−ピネンやβ−ピネン重合体、ジテ
ルペン重合体やα−ピネン・フェノール共重合体等のテ
ルペン系樹脂、脂肪族系や芳香族系、脂肪族・芳香族共
重合体系等の炭化水素系樹脂、その他、ロジン系樹脂や
クマロンインデン系樹脂、(アルキル)フェノール系樹
脂やキシレン系樹脂などの適宜な粘着付与剤を配合する
ことができる。さらに例えば、液状ポリマーやパラフィ
ン系オイルの如き軟化剤や充填剤、顔料や老化防止剤、
安定剤などの適宜な添加剤も必要に応じて配合すること
ができる。
【0015】本発明において接着力の発現性等の点より
好ましい粘着層は、動的粘弾性測定による貯蔵弾性率が
0℃において45×105〜450×105dyn/cm2、2
0℃において11.5×105〜400×105dyn/c
m2、40℃において8.5×105〜350×105dyn
/cm2、60℃において6.5×105〜300×105d
yn/cm2、80℃において4.5×105〜250×10
5dyn/cm2のものである。
【0016】前記温度での貯蔵弾性率が前記範囲より小
さいと、過度の濡れ性が発現して粘着層が繊維間に侵入
し剥離の際に糊残りを生じる原因となる場合があり、一
方その貯蔵弾性率が前記範囲より大きいと濡れ性に不足
して使捨てカイロ等を衣類を介して固定保持する接着力
が充分に発現しない場合がある。
【0017】また前記の接着特性の維持下に糊残りのな
い剥離性を両立させる点、特に温熱効果が作用する場合
の両立性などの点より好ましい粘着層は、前記範囲の貯
蔵弾性率においてその変化が0〜80℃、就中20〜8
0℃の範囲において可及的に小さく、特に0〜20℃で
は90%以下、20〜40℃では35%以下、40〜8
0℃では25%以下のものである。
【0018】特に使捨てカイロ等では、40〜80℃に
おける温度上昇に伴う貯蔵弾性率の低下率が重要であ
り、その低下率(変化)が25%以下の粘着層とするこ
とで温度上昇による粘度の低下を抑制して、粘着層の繊
維間への侵入を防止して糊残りを防止しうるが、その変
化が25%を超えると温熱上昇により濡れ性が過度に向
上して糊残りが生じやすくなる場合がある。
【0019】さらに接着力と糊残りのない剥離性の両立
性などの点よりより好ましい粘着層は、50%モジュラ
スが0.4〜1kg/cm2、1000%引張強度が1.
2〜10kg/cm2、2000%引張強度が3.5〜3
0kg/cm2、破断強度が15〜40kg/cm2のもので
ある。
【0020】特に上記した擬似架橋構造による凝集力に
基づく温熱作用下での粘度低下の抑制などの点より、破
断強度が前記範囲にあるものが好ましい。その破断強度
が15kg/cm2未満で最大強度よりも低いと、凝集力
に乏しくて温度上昇により粘度が低下して柔らかくな
り、粘着層が繊維間に侵入しやすくなって糊残りを生じ
やすくなる場合がある。また破断強度が40kg/cm2
を超えても、凝集力が強すぎて濡れ性に乏しくなり必要
な接着力が発現しない場合がある。
【0021】本発明による粘着層は、粘着シート等の従
来に準じた各種の用途に用いることができ、特に温度上
昇が伴う場合にも上記した如く安定した接着特性、就
中、糊残りのない剥離性を示すことより使捨てカイロの
如く温熱効果が作用しても各種の生地より糊残りなく剥
離できることが望まれる用途等に好ましく用いうる。
【0022】前記した粘着シートは、シート基材の片面
又は両面に粘着層を設けることにより形成することがで
きる。粘着層の厚さは、目的とする接着力等の使用目的
などに応じて適宜に決定してよい。一般には、1〜30
0μm、就中5〜200μm、特に10〜100μmとさ
れる。
【0023】シート基材としては、例えばプラスチック
フィルムや紙、発泡シートや金属箔、プラスチックフィ
ルムと紙又は不織布や織布等とのラミネート体などの、
従来の粘着シート等に準じた適宜なものを用いうる。従
って、粘着層の転写移着などを目的としたセパレータな
どもシート基材に用いうる。
【0024】またシート基材は、通気性を有するもので
あってもよいし、有しないものであってもよい。シート
基材の厚さは、使用目的などにより適宜に決定しうるが
一般には、1μm〜5mm、就中5μm〜1mm、特に10〜
500μmとされる。なお前記したセパレータは、適宜
なシート基材に、必要に応じシリコーン系や長鎖アルキ
ルアクリレート系やフッ素系などの適宜な剥離剤からな
る剥離コートを設ける方式などにより得ることができ
る。
【0025】使捨てカイロ等の形成に好ましく用いうる
シート基材は、例えば発熱体収容用の袋体を形成するた
めの通気性基材との接着面がヒートシール性の良好なフ
ィルムからなり、裏面が粘着層と良接着性のフィルム等
からなるものである。その例を図1に示した。この例で
は、ヒートシール性の良好なプラスチックからなるヒー
トシール層21をプラスチックフィルムや不織布等の適
宜な基材からなるベース層22とラミネートしたものよ
りなっている。
【0026】従ってシート基材は、1層又は2層以上の
適宜な層形態を有するものであってよい。積層方式やラ
ミネート方式等によるシート基材の複層シート化は、上
記した表裏面でのヒートシール性や粘着層との接着性の
達成に加えて、シート全体としての耐熱性や機械的強度
の付与等の望ましい性能の付与にも有利である。
【0027】なお前記したヒートシール性の良好なプラ
スチックとしては、例えばエチレン・酢酸ビニル共重合
体、就中、酢酸ビニル含量が10〜30重量%の共重合
体、融点が100℃以下、就中70〜80℃のエチレン
・エチルアクリレート共重合体やエチレン・メタアクリ
レート共重合体、低密度ないし超低密度のポリエチレ
ン、就中メタロセンポリエチレン、特に密度が0.88
〜0.91g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレンの1種
又は2種以上の混合物などがあげられるが、これに限定
されない。
【0028】一方、上記ベース層形成用のプラスチック
としては、例えば直鎖状若しくはその他の低密度ポリエ
チレンや中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンや超
高分子量ポリエチレン、ポリプロピレンの如きポリオレ
フィン、又はエチレン・プロピレン共重合体やエチレン
・プロピレン・ジエン共重合体の如きオレフィン系共重
合体、オレフィン・エチルアクリレート共重合体の如き
オレフィン・(メタ)アクリレート共重合体やオレフィ
ン・メタクリル酸共重合体の如きオレフィン・(メタ)
アクリル酸共重合体、オレフィン・酢酸ビニル共重合体
等のエチレンやプロピレンの如きオレフィンと他の適宜
なビニル系モノマーの1種又は2種以上とからなるオレ
フィン・ビニル系共重合体、あるいはそれらの2種以上
を併用した混合物や、ポリオレフィンないしオレフィン
・ビニル系共重合体以外のポリエステルやスチレン系エ
ラストマーの如き適宜なポリマーを併用した混合物など
があげられるが、これに限定されない。
【0029】また上記のヒートシール層21とベース層
22との間には補強や耐熱性の向上等の適宜な目的にて
必要に応じ1層又は2層以上の付加層を設けることもで
きる。その形成材としては、上記したベース層で例示し
たものなどがあげられる。
【0030】シート基材を形成するヒートシール層やベ
ース層や付加層は、例えばキャスティング方式や溶融成
形方式、カレンダー圧延方式や重ね塗り方式、Tダイや
インフレーションダイ等を介した押出成形方式などの適
宜な密着重畳方式にて形成することができる。またそれ
らの層は、必要に応じて電子線や紫外線等の放射線を照
射する方式、形成材に架橋剤を配合して加熱又は/及び
放射線照射により架橋処理する方式などの適宜な方式に
より架橋処理することもできる。架橋処理は、粘着シー
トの強度や耐熱性等の向上に有効である。なおシート基
材には、例えば無機充填剤ないし顔料や酸化防止剤、帯
電防止剤や難燃剤、滑剤や軟化剤などの適宜な添加剤を
必要に応じて配合することができる。
【0031】粘着層付設のシート基材面には、密着力の
向上等を目的とした例えばコロナ処理やプラズマ処理、
下塗り処理などの適宜な表面処理を必要に応じて施すこ
ともできる。また粘着層との密着力の向上には、シート
基材にスチレン系ブロック共重合体等のスチレン系ポリ
マーを添加する方式や、シート基材の表面をその基材成
分とスチレンを含有する共重合体などでコート処理方式
なども有効である。
【0032】シート基材への粘着層の付設は、例えば粘
着層形成成分の押出し方式等によるホットメルト塗工方
式や粘着層形成成分を溶媒を介して溶液等としたものの
塗工方式、あるいはセパレータ上に設けた粘着層の移着
方式などの適宜な方式にて行うことができる。粘着層
は、シート基材の全面や一部等の適宜なパターンにて設
けることができる。図例の如く、シート基材2に設けた
粘着層1に対しては、実用に供するまでの間、粘着面が
汚染されて接着力が低下することなどの防止を目的に必
要に応じてセパレータ11が仮着被覆される。
【0033】本発明による使捨てカイロは、図例の如く
シート基材2と通気性基材3からなる袋体の内部に発熱
体4を収容したものであり、その袋体の外側に粘着層1
を有するものである。その形成に際しては、予めシート
基材に粘着層を設けた上記の粘着シートとしたものを用
いることもできる。その場合には、シート基材の片面に
設けた粘着層が袋体の外側に位置するように用いられ
る。
【0034】粘着層の接着力は、使用目的等に応じて適
宜に決定してよい。使捨てカイロの場合には剥離時の衣
類破損の防止等の点より、通例ステンレス板に対する接
着力(180度ピール)に基づいて10〜2000gf
/20mm、就中50〜1500gf/20mm、特に100〜
1200gf/20mmとされる。
【0035】使捨てカイロの形成は、例えば図例の如く
シート基材2と通気性基材3の端部をヒートシールする
方式などの適宜な方式にて接着して、シート基材と通気
性基材との間の空隙に発熱体を充填しうる筒状又は袋状
に成形し、発熱体を充填したのち密封処理する方式など
により行うことができる。
【0036】本発明による使捨てカイロは、上記した粘
着層を袋体の外側に有する形態とする点を除いて従来に
準じて形成することができる。従って上記した通気性基
材としては、例えば多孔質フィルムや不織布、それらの
ラミネート体などからなる従来に準じた適宜なものを用
いることができ、特に限定はない。
【0037】また発熱体としても、例えば鉄等の金属粉
や水、塩類や活性炭等の保水剤や酸化促進剤などからな
る、空気中の酸素と接触して発熱する組成物などの従来
に準じた適宜なものを用いることができ、特に限定はな
い。使捨てカイロは、それを実用に供するまで外気と遮
断して発熱反応が進行しないように措置するため必要に
応じて外袋内に密封処理される。
【0038】
【実施例】実施例1 カップリング率70%のSIS(日本ゼオン社製)80
部(重量部、以下同じ)、カップリング率80%のSB
S(シェル化学社製)20部、水添C5・C9系樹脂(丸
善石油社製)65部、水添テルペン系樹脂(ヤスハラケ
ミカル社製)50部、テルペン系液状樹脂(ヤスハラケ
ミカル社製)40部、及び老化防止剤(チバガイギー社
製、イルガノックスB−612)2部をトルエンにて溶
解し、その50重量%溶液をセパレータ又は厚さ25μ
mのポリエチレンフィルム上に塗工し乾燥させて、厚さ
35μmの粘着層を形成して粘着シートを得た。
【0039】実施例2 SISとしてカップリング率90%のものを用いたほか
は実施例1に準じて粘着シートを得た。
【0040】実施例3 SISとしてカップリング率90%のものを、SBSと
してカップリング率85%のものを用いたほかは実施例
1に準じて粘着シートを得た。
【0041】実施例4 SBSに代えてカップリング率70%のSEBSを用い
たほかは実施例1に準じて粘着シートを得た。
【0042】実施例5 SISの使用量を100部とし、SBSを無使用とした
ほかは実施例1に準じて粘着シートを得た。
【0043】比較例1 SISとしてカップリング率が58%のものと20%の
ものを50部ずつ用いて、SBSを無使用としたほかは
実施例1に準じて粘着シートを得た。
【0044】比較例2 SISとしてカップリング率20%のものを100部用
いて、SBSを無使用としたほかは実施例1に準じて粘
着シートを得た。
【0045】評価試験 実施例、比較例で得た粘着シートの粘着層について下記
の特性を調べた。 引張試験特性 セパレータ上の粘着層を断面積が2.45cm2となるよ
うに塗工方向に沿って長さ50mmにわたり円筒形に丸め
て試料を形成し、それを23℃の雰囲気下、インストロ
ン型試験機にて50mm/分の速度(n=3)で引張試験
した。そのS−S曲線を図2に示した。また破断時の伸
び、並びに各伸度及び破断時での引張強度(モジュラ
ス)について表1に示した。図2より実施例では、破断
時の強度が最大強度であることがわかる。
【0046】糊残り ポリエチレンフィルムを用いた粘着シートをその粘着層
を介し綾織ポリエステル布に接着し、40℃の雰囲気
下、粘着シート上に500gの荷重を負荷して3時間放
置後、20℃又は40℃にて粘着シートを引き剥がし、
ポリエステル布上の糊残りの有無を調べた。その結果を
表1に示した。
【0047】貯蔵弾性率 セパレータ上の粘着層を積層させて厚さ約1.5mmの粘
着層とし、40℃のオートクレーブ内にて30分間加圧
して気泡を除去して直径10mmの円盤状の試料を作製
し、それをパラレルプレート間に挾んで100gfの荷
重を負荷し、粘弾性スペクトルメータにて−70〜15
0℃の温度範囲にて昇温速度5℃/分、周波数1Hz、
歪0.1%の条件で動的粘弾性測定を行った。その結果
を表2に示した。なお表には、0〜20℃、20〜40
℃及び40〜80℃における貯蔵弾性率の低下率も示し
た。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】 なお表2中、貯蔵弾性率(×105dyn/cm2)は、実施例1
の0℃での117.5の場合を例に、117.5×105dyn/cm2=1
1750000dyn/cm2を意味する。
【図面の簡単な説明】
【図1】使捨てカイロの説明断面図
【図2】引張試験特性を示したグラフ
【符号の説明】 1:粘着層 2:シート基材 21:ヒートシール層 22:ベース層 3:通気性基材 4:発熱体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本田 誠 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 山中 英治 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 4C099 AA01 CA07 CA09 CA11 EA08 GA03 HA02 JA03 JA04 NA20 4J004 AA07 AB01 CA01 CA02 CA08 CB02 CC02 CC03 DB03 FA10 4J040 DM011 JA09 JB09 KA16 LA06 MA10 MB02 NA11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系ブロック共重合体をベースポ
    リマーとし、S−S曲線における伸びが3000%以下
    で、かつ最大強度と破断強度との間における伸びが50
    0%以下であることを特徴とする粘着層。
  2. 【請求項2】 請求項1において、カップリング率が7
    0〜90%のスチレン系ブロック共重合体を用いてな
    り、貯蔵弾性率が20℃において11.5×105〜4
    00×105dyn/cm2、40℃において8.5×105
    350×105dyn/cm2、80℃において4.5×105
    〜250×105dyn/cm2であり、その貯蔵弾性率の4
    0〜80℃での変化が25%以下である粘着層。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、20〜40℃
    での貯蔵弾性率の変化が35%以下であり、50%モジ
    ュラスが0.4〜1kg/cm2で、破断強度が15〜4
    0kg/cm2である粘着層。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3に記載の粘着層をシート基
    材上に有することを特徴とする粘着シート。
  5. 【請求項5】 シート基材と通気性基材からなる袋体の
    内部に発熱体を収容してなり、その袋体の外側に請求項
    1〜3に記載の粘着層を有することを特徴とする使捨て
    カイロ。
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