JP2000026620A - カレンダー成形による硬質非塩化ビニルシート - Google Patents
カレンダー成形による硬質非塩化ビニルシートInfo
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- JP2000026620A JP2000026620A JP19288798A JP19288798A JP2000026620A JP 2000026620 A JP2000026620 A JP 2000026620A JP 19288798 A JP19288798 A JP 19288798A JP 19288798 A JP19288798 A JP 19288798A JP 2000026620 A JP2000026620 A JP 2000026620A
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 環境に優しい硬質非塩化ビニル樹脂組成物を
ベースポリマーとして使用し、これをカレンダー成形に
より成形することにより硬質塩化ビニル樹脂の質感を有
し、美麗印刷に適した表面を有する硬質非塩化ビニルシ
ートを提供すること。 【解決手段】 アクリロニトリル10〜20重量%、ブ
タジエン70〜40重量%、スチレン20〜40重量%
(ただし、アクリロニトリル+ブタジエン+スチレン=
100重量%)で構成されるABS樹脂、ならびに、ア
クリロニトリル10〜50重量%、スチレン90〜50
重量%(ただし、アクリロニトリル+スチレン=100
重量%)で構成されるAS樹脂を重量比にして80:2
0〜20:80に混合してなる硬質非塩化ビニル樹脂組
成物をベースポリマーとして使用し、これを170〜2
10℃でカレンダー成形により成形する。
ベースポリマーとして使用し、これをカレンダー成形に
より成形することにより硬質塩化ビニル樹脂の質感を有
し、美麗印刷に適した表面を有する硬質非塩化ビニルシ
ートを提供すること。 【解決手段】 アクリロニトリル10〜20重量%、ブ
タジエン70〜40重量%、スチレン20〜40重量%
(ただし、アクリロニトリル+ブタジエン+スチレン=
100重量%)で構成されるABS樹脂、ならびに、ア
クリロニトリル10〜50重量%、スチレン90〜50
重量%(ただし、アクリロニトリル+スチレン=100
重量%)で構成されるAS樹脂を重量比にして80:2
0〜20:80に混合してなる硬質非塩化ビニル樹脂組
成物をベースポリマーとして使用し、これを170〜2
10℃でカレンダー成形により成形する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬質非塩化ビニル
樹脂組成物をカレンダー成形により成形して得られる、
硬質塩化ビニル樹脂の質感を有する硬質非塩化ビニルシ
ートに関し、さらに詳しくは、美麗印刷に適した表面を
有する硬質非塩化ビニルシートに関する。
樹脂組成物をカレンダー成形により成形して得られる、
硬質塩化ビニル樹脂の質感を有する硬質非塩化ビニルシ
ートに関し、さらに詳しくは、美麗印刷に適した表面を
有する硬質非塩化ビニルシートに関する。
【0002】
【従来の技術】硬質塩化ビニルシートは、これまで、樹
脂本来の持つ強靱さや成形加工のし易さが世の中に受け
入れられ、包装材、雑貨向けをはじめとし、長期間種々
の分野で数多く使われている。しかしながら、最近で
は、塩素系ポリマーであるという理由で環境汚染にかか
わる素材であるとして、代替製品を要望する声が日増し
に増えつつある。
脂本来の持つ強靱さや成形加工のし易さが世の中に受け
入れられ、包装材、雑貨向けをはじめとし、長期間種々
の分野で数多く使われている。しかしながら、最近で
は、塩素系ポリマーであるという理由で環境汚染にかか
わる素材であるとして、代替製品を要望する声が日増し
に増えつつある。
【0003】しかしながら、非塩化ビニル樹脂をベース
ポリマーとして使用し、従来の塩化ビニル樹脂の質感を
保持しつつ、カレンダー成形により非塩化ビニル樹脂か
らなるシートを作ることは至難の業と言われており、ポ
リオレフィンをベースにするものなど色々開発が試みら
れているが、ごく特殊な分野においてのみ成功している
に過ぎず、質感を再現するまでには至っていない。
ポリマーとして使用し、従来の塩化ビニル樹脂の質感を
保持しつつ、カレンダー成形により非塩化ビニル樹脂か
らなるシートを作ることは至難の業と言われており、ポ
リオレフィンをベースにするものなど色々開発が試みら
れているが、ごく特殊な分野においてのみ成功している
に過ぎず、質感を再現するまでには至っていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決し、硬質非塩化ビニル樹脂組成物をベースポリマ
ーとして使用し、これをカレンダー成形により成形する
ことにより、硬質塩化ビニル樹脂の質感を有し、美麗印
刷に適した表面を有する硬質非塩化ビニルシートを提供
することにある。
を解決し、硬質非塩化ビニル樹脂組成物をベースポリマ
ーとして使用し、これをカレンダー成形により成形する
ことにより、硬質塩化ビニル樹脂の質感を有し、美麗印
刷に適した表面を有する硬質非塩化ビニルシートを提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、長年にわ
たる硬質塩化ビニル樹脂成型の経験に基づき、種々のポ
リマーの組み合わせや成型加工条件について鋭意研究の
結果、目的とする硬質非塩化ビニル樹脂組成物として、
ABS系樹脂組成物、とりわけABS脂とAS樹脂から
なる樹脂組成物が好適に使用でき、これよりカレンダー
成形により通常の硬質塩化ビニルシートと見間違えられ
るほどの質感を持ち、かつ、印刷に適した硬質非塩化ビ
ニルシートを製造し得ることを見いだし、本発明に到達
した。
たる硬質塩化ビニル樹脂成型の経験に基づき、種々のポ
リマーの組み合わせや成型加工条件について鋭意研究の
結果、目的とする硬質非塩化ビニル樹脂組成物として、
ABS系樹脂組成物、とりわけABS脂とAS樹脂から
なる樹脂組成物が好適に使用でき、これよりカレンダー
成形により通常の硬質塩化ビニルシートと見間違えられ
るほどの質感を持ち、かつ、印刷に適した硬質非塩化ビ
ニルシートを製造し得ることを見いだし、本発明に到達
した。
【0006】本発明者らの研究によれば、上記硬質非塩
化ビニル樹脂組成物として使用するABS脂とAS樹脂
の混合割合、ならびに、ABS樹脂およびAS樹脂をそ
れぞれ構成するモノマーの組成比率が、得られるシート
の質感と印刷性を付与する因子として極めて重要である
のみならず、特定組成比率のABS樹脂とAS樹脂を適
量に混合することにより、優れたカレンダー成形性を付
与できる。
化ビニル樹脂組成物として使用するABS脂とAS樹脂
の混合割合、ならびに、ABS樹脂およびAS樹脂をそ
れぞれ構成するモノマーの組成比率が、得られるシート
の質感と印刷性を付与する因子として極めて重要である
のみならず、特定組成比率のABS樹脂とAS樹脂を適
量に混合することにより、優れたカレンダー成形性を付
与できる。
【0007】すなわち、本発明は、アクリロニトリル1
0〜20重量%、ブタジエン70〜40重量%およびス
チレン20〜40重量%(ただし、アクリロニトリル+
ブタジエン+スチレン=100重量%)で構成されるA
BS樹脂、ならびに、アクリロニトリル10〜50重量
%およびスチレン90〜50重量%(ただし、アクリロ
ニトリル+スチレン=100重量%)で構成されるAS
樹脂を重量比にして80:20〜20:80に混合して
なる硬質非塩化ビニル樹脂組成物を、170〜210℃
でカレンダー成形により成形してなる硬質非塩化ビニル
シートである。
0〜20重量%、ブタジエン70〜40重量%およびス
チレン20〜40重量%(ただし、アクリロニトリル+
ブタジエン+スチレン=100重量%)で構成されるA
BS樹脂、ならびに、アクリロニトリル10〜50重量
%およびスチレン90〜50重量%(ただし、アクリロ
ニトリル+スチレン=100重量%)で構成されるAS
樹脂を重量比にして80:20〜20:80に混合して
なる硬質非塩化ビニル樹脂組成物を、170〜210℃
でカレンダー成形により成形してなる硬質非塩化ビニル
シートである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるABS樹脂を
構成するモノマー組成は、アクリロニトリル10〜20
重量%、好ましくは15〜20重量%、ブタジエン70
〜40重量%、好ましくは60〜40重量%、スチレン
20〜40重量%、好ましくは30〜40重量%(ただ
し、アクリロニトリル+ブタジエン+スチレン=100
重量%)である。このうち、ポリブタジエンゴム相(島
成分)を形成するブタジエン含量の40〜70重量%が
得られる硬質非塩化ビニルシートの性能に大きな影響を
及ぼす。すなわち、ブタジエン含量が40重量%未満で
は剛直になりすぎ、一方、70重量%を超えると柔らか
くなりすぎるので、シートとして必要な反撥力を発現す
ることが困難となる。また、アクリロニトリル含量が1
0重量%未満では、耐熱性ならびに剛性が不足し、一
方、20重量%を超えると、カレンダー成形加工性が乏
しく、純AS樹脂との相溶性も悪化する。さらに、スチ
レン含量が20重量%未満では、カレンダー成形加工性
が乏しくなり、一方、40重量%を超えると、耐熱性が
乏しくなり、目的とする成形シートの感触を得るには不
向きである。
構成するモノマー組成は、アクリロニトリル10〜20
重量%、好ましくは15〜20重量%、ブタジエン70
〜40重量%、好ましくは60〜40重量%、スチレン
20〜40重量%、好ましくは30〜40重量%(ただ
し、アクリロニトリル+ブタジエン+スチレン=100
重量%)である。このうち、ポリブタジエンゴム相(島
成分)を形成するブタジエン含量の40〜70重量%が
得られる硬質非塩化ビニルシートの性能に大きな影響を
及ぼす。すなわち、ブタジエン含量が40重量%未満で
は剛直になりすぎ、一方、70重量%を超えると柔らか
くなりすぎるので、シートとして必要な反撥力を発現す
ることが困難となる。また、アクリロニトリル含量が1
0重量%未満では、耐熱性ならびに剛性が不足し、一
方、20重量%を超えると、カレンダー成形加工性が乏
しく、純AS樹脂との相溶性も悪化する。さらに、スチ
レン含量が20重量%未満では、カレンダー成形加工性
が乏しくなり、一方、40重量%を超えると、耐熱性が
乏しくなり、目的とする成形シートの感触を得るには不
向きである。
【0009】上記ABS樹脂の製造方法としては、アク
リロニトリル、ブタジエンおよびスチレンの上記組成割
合を満たすことができるものであれば如何なる方法も適
用でき、例えば、ブタジエンをまず乳化重合し、ポリブ
タジエンゴムラテックスとし、このラテックスの存在下
にスチレンとアクリロニトリルの樹脂成分のモノマーを
乳化させてグラフト重合させる方法、ポリブタジエン固
形ゴムを使用し、これをモノマー(アクリロニトリル、
スチレン)に溶解した状態で重合させ、ゴム相が転相し
てゴム粒子が形成した後に水中に分散させてグラフト重
合を完結する塊状/懸濁重合法などを挙げることができ
る。
リロニトリル、ブタジエンおよびスチレンの上記組成割
合を満たすことができるものであれば如何なる方法も適
用でき、例えば、ブタジエンをまず乳化重合し、ポリブ
タジエンゴムラテックスとし、このラテックスの存在下
にスチレンとアクリロニトリルの樹脂成分のモノマーを
乳化させてグラフト重合させる方法、ポリブタジエン固
形ゴムを使用し、これをモノマー(アクリロニトリル、
スチレン)に溶解した状態で重合させ、ゴム相が転相し
てゴム粒子が形成した後に水中に分散させてグラフト重
合を完結する塊状/懸濁重合法などを挙げることができ
る。
【0010】次に、本発明に用いられるAS樹脂を構成
するモノマー組成は、アクリロニトリル10〜50重量
%、好ましくは20〜30重量%、スチレン90〜50
重量%、好ましくは80〜70重量%(ただし、アクリ
ロニトリル+スチレン=100重量%)である。なお、
アクリロニトリルとスチレンの仕込み比が25/75重
量%のとき、同一組成のポリマーが得られる(アゼオト
ロープ組成)。このAS樹脂は、得られるシートの機械
的強さ、耐熱性、耐候性、耐油性、耐薬品性などの付与
に必要なベースポリマーである。したがって、アクリロ
ニトリルの含有率が10重量%未満の場合、耐熱性、耐
油性、耐薬品性などが低下し、一方、50重量%を超え
ると流動特性が低下して成形性が劣るので好ましくな
い。
するモノマー組成は、アクリロニトリル10〜50重量
%、好ましくは20〜30重量%、スチレン90〜50
重量%、好ましくは80〜70重量%(ただし、アクリ
ロニトリル+スチレン=100重量%)である。なお、
アクリロニトリルとスチレンの仕込み比が25/75重
量%のとき、同一組成のポリマーが得られる(アゼオト
ロープ組成)。このAS樹脂は、得られるシートの機械
的強さ、耐熱性、耐候性、耐油性、耐薬品性などの付与
に必要なベースポリマーである。したがって、アクリロ
ニトリルの含有率が10重量%未満の場合、耐熱性、耐
油性、耐薬品性などが低下し、一方、50重量%を超え
ると流動特性が低下して成形性が劣るので好ましくな
い。
【0011】上記AS樹脂の製造方法としては、アクリ
ロニトリルおよびスチレンの上記組成割合を満たすこと
ができるものであれば如何なる方法も適用でき、例え
ば、アクリロニトリルとスチレンの乳化重合、懸濁重合
あるいは連続塊状重合法などを挙げることができる。
ロニトリルおよびスチレンの上記組成割合を満たすこと
ができるものであれば如何なる方法も適用でき、例え
ば、アクリロニトリルとスチレンの乳化重合、懸濁重合
あるいは連続塊状重合法などを挙げることができる。
【0012】上記組成のAS樹脂の市販品としては、例
えば、アクリロニトリル25重量%、スチレン75重量
%で構成されるAS樹脂として、宇部サイコン株式会社
製の商品名「SR15B」などが挙げられる。
えば、アクリロニトリル25重量%、スチレン75重量
%で構成されるAS樹脂として、宇部サイコン株式会社
製の商品名「SR15B」などが挙げられる。
【0013】本発明において用いられる上記ABS樹脂
とAS樹脂の混合比率は、重量比にして20:80〜8
0:20で、好ましくは、40:60〜60:40であ
る。混合比率が20:80未満の場合、すなわち、AS
樹脂の比率が高いと、耐衝撃強度が低下して硬質塩化ビ
ニルシートと同様な使用に耐えられなくなり、一方、8
0:20を超えると、すなわち、ABS樹脂の比率が高
すぎると、得られるシートの腰(反発力)が低下して硬
質塩化ビニルシートと同様な質感が得られなくなる。
とAS樹脂の混合比率は、重量比にして20:80〜8
0:20で、好ましくは、40:60〜60:40であ
る。混合比率が20:80未満の場合、すなわち、AS
樹脂の比率が高いと、耐衝撃強度が低下して硬質塩化ビ
ニルシートと同様な使用に耐えられなくなり、一方、8
0:20を超えると、すなわち、ABS樹脂の比率が高
すぎると、得られるシートの腰(反発力)が低下して硬
質塩化ビニルシートと同様な質感が得られなくなる。
【0014】さらに、本発明において用いられるABS
樹脂とAS樹脂をそれぞれ構成するモノマー組成が上記
の範囲にあり、かつ、これらABS樹脂とAS樹脂を上
記の範囲内に混合してなる硬質非塩化ビニル樹脂組成物
は、成形加工用のベースポリマーとして使用することが
でき、所望の配合剤との混練加工およびカレンダー成形
工程において、相互にうまく混練分散し、均一なシート
に成形加工される。
樹脂とAS樹脂をそれぞれ構成するモノマー組成が上記
の範囲にあり、かつ、これらABS樹脂とAS樹脂を上
記の範囲内に混合してなる硬質非塩化ビニル樹脂組成物
は、成形加工用のベースポリマーとして使用することが
でき、所望の配合剤との混練加工およびカレンダー成形
工程において、相互にうまく混練分散し、均一なシート
に成形加工される。
【0015】上記樹脂組成物をカレンダー加工するに際
して、ベースポリマーとして使用する樹脂以外の配合成
分としては、現在硬質塩化ビニル樹脂のカレンダー加工
と同様に、顔料、滑剤、その他の無機充填剤などを挙げ
ることができる。
して、ベースポリマーとして使用する樹脂以外の配合成
分としては、現在硬質塩化ビニル樹脂のカレンダー加工
と同様に、顔料、滑剤、その他の無機充填剤などを挙げ
ることができる。
【0016】本発明に用いられる顔料は、美麗印刷シー
トとしての用途に供するため、白色または乳白色用とし
ての酸化チタン系顔料を0.5〜40重量%添加するこ
とができる。ここに、白色顔料の酸化チタンとして、例
えば、石原産業株式会社製の商品名「サンカチタンA
W」を挙げることができる。さらに、用途により目的と
する色調を発現する顔料もしくは染料を適宜使用するこ
とができる。
トとしての用途に供するため、白色または乳白色用とし
ての酸化チタン系顔料を0.5〜40重量%添加するこ
とができる。ここに、白色顔料の酸化チタンとして、例
えば、石原産業株式会社製の商品名「サンカチタンA
W」を挙げることができる。さらに、用途により目的と
する色調を発現する顔料もしくは染料を適宜使用するこ
とができる。
【0017】本発明に用いられる滑剤は、カレンダーロ
ールに対して適度な剥離滑性を付与するため、ポリエチ
レンワックス、脂肪酸系滑剤などを、上記組成物に0.
5〜2.0重量%程度添加することができる。ポリエチ
レンワックスとして、例えば、三井化学株式会社製の商
品名「ハイワックス」を挙げることができる。また、脂
肪酸系滑剤として、例えば、BASF株式会社製の商品
名「LUWAX OP」」を挙げることができる。ま
た、その他の無機充填剤として、炭酸カルシウムやタル
クなどの無機フィラーを適宜添加することができる。
ールに対して適度な剥離滑性を付与するため、ポリエチ
レンワックス、脂肪酸系滑剤などを、上記組成物に0.
5〜2.0重量%程度添加することができる。ポリエチ
レンワックスとして、例えば、三井化学株式会社製の商
品名「ハイワックス」を挙げることができる。また、脂
肪酸系滑剤として、例えば、BASF株式会社製の商品
名「LUWAX OP」」を挙げることができる。ま
た、その他の無機充填剤として、炭酸カルシウムやタル
クなどの無機フィラーを適宜添加することができる。
【0018】本発明は、上記樹脂組成物をカレンダー成
形によりシート状に加工することにより達成される。本
発明の硬質非塩化ビニル樹脂組成物を成形するに際して
使用するカレンダー成形機としては、硬質塩化ビニル樹
脂の成形加工が可能なものであればいずれでもよく、通
常、24インチないし26インチのL型または逆L型の
4本カレンダーロールまたは6本カレンダーロールが生
産に使われる。
形によりシート状に加工することにより達成される。本
発明の硬質非塩化ビニル樹脂組成物を成形するに際して
使用するカレンダー成形機としては、硬質塩化ビニル樹
脂の成形加工が可能なものであればいずれでもよく、通
常、24インチないし26インチのL型または逆L型の
4本カレンダーロールまたは6本カレンダーロールが生
産に使われる。
【0019】本発明の樹脂組成物をカレンダー成形によ
り成形するには、上記樹脂組成物と所要の各添加成分を
あらかじめヘンシェルミキサーなどで充分に混合したも
のを、押出機またはニーダーなどで混練混合を行ったの
ち、カレンダーロールに供給し、シート化を行い、冷却
後巻き取られる。そして、カレンダー成形温度条件とし
て170〜210℃、好ましくは190〜210℃の範
囲で溶融圧延加工を施す。成形温度が170℃未満の場
合は、樹脂の溶融が不充分で圧延加工が困難であり、一
方、210℃を超えると、樹脂の分解が起こり着色する
おそれがある。
り成形するには、上記樹脂組成物と所要の各添加成分を
あらかじめヘンシェルミキサーなどで充分に混合したも
のを、押出機またはニーダーなどで混練混合を行ったの
ち、カレンダーロールに供給し、シート化を行い、冷却
後巻き取られる。そして、カレンダー成形温度条件とし
て170〜210℃、好ましくは190〜210℃の範
囲で溶融圧延加工を施す。成形温度が170℃未満の場
合は、樹脂の溶融が不充分で圧延加工が困難であり、一
方、210℃を超えると、樹脂の分解が起こり着色する
おそれがある。
【0020】さらに、必要に応じてカレンダー成形中ま
たは直後に所要のエンボスロールを使用し、シートの表
裏を梨地状または艶状に表面加工することができる。こ
のようにして得られる本発明の硬質非塩化ビニルシート
の厚さは、0.1〜1.0mm、好ましくは、0.2〜
0.5mmの範囲である。
たは直後に所要のエンボスロールを使用し、シートの表
裏を梨地状または艶状に表面加工することができる。こ
のようにして得られる本発明の硬質非塩化ビニルシート
の厚さは、0.1〜1.0mm、好ましくは、0.2〜
0.5mmの範囲である。
【0021】本発明により得られる硬質非塩化ビニルシ
ートの用途については、従来から硬質塩化ビニルシート
が使われている分野に広く適用することができるが、特
に印刷用・真空圧空成形用(パック包装など)に適して
いる。
ートの用途については、従来から硬質塩化ビニルシート
が使われている分野に広く適用することができるが、特
に印刷用・真空圧空成形用(パック包装など)に適して
いる。
【0022】
【実施例】以下に、本発明を実施例および比較例により
具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限さ
れるものではない。なお、実施例および比較例中の組成
は、特に断らない限り重量基準である。
具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限さ
れるものではない。なお、実施例および比較例中の組成
は、特に断らない限り重量基準である。
【0023】実施例1〜2 表1に示す原料処方のベースポリマーおよび配合剤を用
い、これらをヘンシェルミキサー・コ・ニーダーで混練
混合後、石川播磨重工業株式会社製のカレンダー成形機
によりカレンダーロールにて、所定の温度で溶融圧延加
工を行いシートを作成した。これらのシートについて、
東洋精器株式会社製のストログラフ「V10−C」によ
って、引張強さと曲げ強さを測定した。測定結果を表1
に示す。
い、これらをヘンシェルミキサー・コ・ニーダーで混練
混合後、石川播磨重工業株式会社製のカレンダー成形機
によりカレンダーロールにて、所定の温度で溶融圧延加
工を行いシートを作成した。これらのシートについて、
東洋精器株式会社製のストログラフ「V10−C」によ
って、引張強さと曲げ強さを測定した。測定結果を表1
に示す。
【0024】ここに、ベースポリマーとなるABS樹脂
として、アクリロニトリル15%、ブタジエン50%、
スチレン35%で構成される、宇部サイコン株式会社製
のABS樹脂を使用し、また、AS樹脂として、アクリ
ロニトリル25%、スチレン75%で構成される(アゼ
オトロープ組成)、宇部サイコン株式会社製の商品名
「SR15B」を使用した。また、白色顔料の酸化チタ
ンとして、石原産業株式会社製の商品名「サンカチタン
AW」を使用し、また、白色加工顔料として、大日本イ
ンキ化学工業株式会社製を使用した。また、滑剤のモン
タン酸ワックスとして、BASF株式会社製の商品名
「LUWAX OP」を使用し、無機充填剤の炭酸カル
シウムとして、白石カルシウム株式会社製の商品名「V
IGOT−10」を使用した。
として、アクリロニトリル15%、ブタジエン50%、
スチレン35%で構成される、宇部サイコン株式会社製
のABS樹脂を使用し、また、AS樹脂として、アクリ
ロニトリル25%、スチレン75%で構成される(アゼ
オトロープ組成)、宇部サイコン株式会社製の商品名
「SR15B」を使用した。また、白色顔料の酸化チタ
ンとして、石原産業株式会社製の商品名「サンカチタン
AW」を使用し、また、白色加工顔料として、大日本イ
ンキ化学工業株式会社製を使用した。また、滑剤のモン
タン酸ワックスとして、BASF株式会社製の商品名
「LUWAX OP」を使用し、無機充填剤の炭酸カル
シウムとして、白石カルシウム株式会社製の商品名「V
IGOT−10」を使用した。
【0025】比較例1〜2 比較例1の市販硬質塩化ビニルシートは、炭酸カルシ
ウムを含まない通常品であり、比較例2の市販硬質塩化
ビニルシートは、炭酸カルシウムを20phr含むも
のである。これら市販シートについて、実施例1〜2と
同一の測定を行った結果を表1に示す。
ウムを含まない通常品であり、比較例2の市販硬質塩化
ビニルシートは、炭酸カルシウムを20phr含むも
のである。これら市販シートについて、実施例1〜2と
同一の測定を行った結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】これらの実施例から、本発明の硬質非塩化
ビニル樹脂組成物が、カレンダー成形に供するベースポ
リマーとして好適に使用することができるものであり、
この樹脂組成物からカレンダー成形によって得られたシ
ートが、硬質塩化ビニルシートに匹敵する物性を有する
ことが分かる。
ビニル樹脂組成物が、カレンダー成形に供するベースポ
リマーとして好適に使用することができるものであり、
この樹脂組成物からカレンダー成形によって得られたシ
ートが、硬質塩化ビニルシートに匹敵する物性を有する
ことが分かる。
【0028】
【発明の効果】本発明に用いられる硬質非塩化ビニル樹
脂組成物は、いわゆる環境にやさしい非塩素系ポリマー
で構成されており、これからカレンダー成形により成形
された硬質非塩化ビニルシートは、従来の硬質塩化ビニ
ルシートとほぼ同様の質感をもち、硬質塩化ビニルシー
トの代替製品として、極めて有用である。
脂組成物は、いわゆる環境にやさしい非塩素系ポリマー
で構成されており、これからカレンダー成形により成形
された硬質非塩化ビニルシートは、従来の硬質塩化ビニ
ルシートとほぼ同様の質感をもち、硬質塩化ビニルシー
トの代替製品として、極めて有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 55:02 B29L 7:00 Fターム(参考) 4F071 AA12 AA12X AA22 AA22X AA34 AA34X AB18 AE09 AE11 AF53 AH04 BA01 BB04 BC01 4F204 AA13E AA13K AA20E AA46E AB07 AB12 AG01 FA09 FB02 FF21 4J002 BC06X BN15W FD090 FD170 GG02
Claims (1)
- 【請求項1】 アクリロニトリル10〜20重量%、ブ
タジエン70〜40重量%およびスチレン20〜40重
量%(ただし、アクリロニトリル+ブタジエン+スチレ
ン=100重量%)で構成されるABS樹脂、ならび
に、アクリロニトリル10〜50重量%およびスチレン
90〜50重量%(ただし、アクリロニトリル+スチレ
ン=100重量%)で構成されるAS樹脂を重量比にし
て80:20〜20:80に混合してなる硬質非塩化ビ
ニル樹脂組成物を、170〜210℃でカレンダー成形
により成形してなる硬質非塩化ビニルシート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19288798A JP2000026620A (ja) | 1998-07-08 | 1998-07-08 | カレンダー成形による硬質非塩化ビニルシート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19288798A JP2000026620A (ja) | 1998-07-08 | 1998-07-08 | カレンダー成形による硬質非塩化ビニルシート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000026620A true JP2000026620A (ja) | 2000-01-25 |
Family
ID=16298638
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19288798A Pending JP2000026620A (ja) | 1998-07-08 | 1998-07-08 | カレンダー成形による硬質非塩化ビニルシート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000026620A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002194108A (ja) * | 2000-12-26 | 2002-07-10 | Tsutsunaka Plast Ind Co Ltd | 加圧下で加熱積層されるabs系樹脂シートおよびその積層シートと製造方法。 |
US9359773B2 (en) | 2010-04-30 | 2016-06-07 | Columbia Insurance Company | Non-vinyl resilient flooring product and methods of making same |
US10259204B2 (en) | 2010-04-30 | 2019-04-16 | Columbia Insurance Company | Resilient flooring product and methods of making same |
-
1998
- 1998-07-08 JP JP19288798A patent/JP2000026620A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002194108A (ja) * | 2000-12-26 | 2002-07-10 | Tsutsunaka Plast Ind Co Ltd | 加圧下で加熱積層されるabs系樹脂シートおよびその積層シートと製造方法。 |
US9359773B2 (en) | 2010-04-30 | 2016-06-07 | Columbia Insurance Company | Non-vinyl resilient flooring product and methods of making same |
US10259204B2 (en) | 2010-04-30 | 2019-04-16 | Columbia Insurance Company | Resilient flooring product and methods of making same |
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A977 | Report on retrieval |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051213 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060411 |