JP3352409B2 - カレンダー成形用ポリスチレン系樹脂組成物 - Google Patents

カレンダー成形用ポリスチレン系樹脂組成物

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JP3352409B2
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安基 児玉
祐介 塚越
信光 須田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカレンダー成形用ポ
リスチレン系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にポリスチレン樹脂は成形性、剛
性、寸法安定性などに優れ、かつ単価も安く比重が低い
ことから経済性にも優れており、各種の用途に利用され
ている。特にポリスチレンのシート状物は従来より押出
成形法及び射出成形法により製造されているが、生産性
の優れたカレンダー法による製造に関しては高温金属ロ
ールからの剥離性が悪いために困難であった。しかしな
がら、シート状物の成形にはカレンダー成形によるもの
が最も生産性が高く、この分野においてポリスチレン樹
脂の特性を損なうことなくカレンダー成形可能なポリス
チレン系樹脂組成物が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
要望に応えるために種々検討の結果、達成されたもの
で、カレンダー成形での複数高温金属ロールによる圧延
およびロール剥離工程において、ポリスチレン系樹脂の
特性を損なわずに、表面の平滑性に優れ、フローマーク
などの発生が無く、容易にシート成形できる、カレンダ
ー成形用ポリスチレン系樹脂組成物を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のカレンダー成形
用ポリスチレン系樹脂組成物は、ポリスチレン系樹脂1
00重量部に対し有機リン酸エステル類0.2〜5重量
部とMBS樹脂3〜50重量部を添加してなることを特
徴とし、カレンダー成形によって、厚み精度がよく、表
面の平滑性に優れ、フローマークなどの発生のない厚さ
50μmから1.2mmのシート状物を、極めて経済的
に生産することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明のカレンダー成形用
ポリスチレン系樹脂組成物の実施の形態について、さら
に詳細に説明する。
【0006】このポリスチレン系樹脂組成物において主
成分として用いられるポリスチレン系樹脂は、例えば、
スチレンモノマーを塊状重合法、溶液重合法、乳化重合
法、懸濁重合法などで生成した一般用ポリスチレン(G
Pポリスチレン)、重合の際に合成ゴムまたはゴムラテ
ックスを添加して生成された耐衝撃性ポリスチレン(H
Iポリスチレン)、ポリスチレンとポリスチレン・ブタ
ジエンブロック共重合体との混合物、放射状スチレン・
ブタジエンブロック共重合体とスチレン・メタクリル酸
エステル共重合体とを混合してなる透明高耐衝撃性ポリ
スチレン、これらを主成分とするブレンドポリマーなど
が挙げられる。
【0007】上記ポリスチレン系樹脂組成物を構成する
有機リン酸エステル類としては、例えば、ノニルフェニ
ルポリオキシエチレン(5〜55)リン酸、トリデシルポ
リオキシエチレン(4〜10)リン酸などが挙げられる。
上記ポリスチレン系樹脂組成物における有機リン酸エス
テル類の添加量は、ポリスチレン系樹脂 100重量部に対
し 0.2〜5重量部、特には1〜2重量部が好ましい。こ
れが 0.2重量部未満では添加による効果がなくロールか
らの十分な剥離が得られない。また5重量部を超えると
ロールにプレートアウト物が付着し生産性が悪くなる。
【0008】更に、カレンダー成形性を改善するため
に、上記ポリスチレン系樹脂組成物に、ポリスチレン系
樹脂100重量部に対してMBS樹脂3〜50重量部添
加する。これが3重量部未満では添加した効果が無く、
厚さ0.8mmを超えるシート状物ではバンクで十分に
気泡が抜けず、エアーマークが外観性を阻害する。また
50重量部を超えると剛性が低下し、本来のポリスチレ
ン系樹脂の特性が損なわれる。
【0009】本発明のスチレン系樹脂組成物には、上記
各成分に加えて必要に応じて、安定化剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、帯電防止剤、防曇剤、ブロッキング防止
剤、着色剤、充填剤などを添加することができる。
【0010】本発明のカレンダー成形用ポリスチレン系
樹脂組成物は、上記各成分をミキサーなどで混合した
後、押出機などで混練し、カレンダー成形機を用いてシ
ート状物とすればよい。その結果、ポリスチレン系樹脂
組成物のロール剥離性は極めて良好で、本来の特性を損
なわず、表面性が優れており、フローマークや肌荒れ、
エアーマークを生じず、平滑で厚み精度の優れた外観の
良いシート状物を高い生産性で成形することができる。
得られたポリスチレン系樹脂シートは各方面に使用でき
る利点がある。
【0011】
【実施例】以下、本発明の具体的態様を実施例および比
較例を挙げて説明する。 (実施例1〜2、比較例1〜4)ポリスチレン系樹脂:
クリアパクトTI−300(大日本インキ化学工業社
製、商品名) 100重量部に、有機リン酸エステル類:N
o.1737(昭島化学工業社製、商品名、トリデシル
ポリオキシエチレン(4〜10)リン酸)とMBS樹脂:
C−201A(三菱レイヨン社製、商品名)を、それぞ
れ表1に示す添加量で配合し、ヘンシェルミキサーで均
一に混合して、得られた組成物を逆L形4本ロールのカ
レンダー加工機を用い、ロール温度 190℃で、厚さ 0.3
mmと 1.0mm、幅 1,000mmのシートに加工した。この時の
ロール剥離性、プレートアウト性を下記の基準で評価
し、その結果を表1に併記した。
【0012】・(カレンダー)ロール剥離性: ロールから円滑に剥離する・・・・・・・・○ ロールからの剥離が悪く安定操業を損なう・×
【0013】・プレートアウト性: ロールにプレートアウト物が付着しない・・・・・・・
○ ロールにプレートアウト物が付着し生産性を阻害する・
×
【0014】・エアーマーク エアーマークが無くシート表面性が優れる・・・・・・
○ バンクでの気泡抜けが悪くシート表面にエアーマークが
発生し表面性が悪い・・・×
【0015】・剛性 ポリスチレン系樹脂の剛性を損なわない・・・・○ ポリスチレン系樹脂の剛性が低下してしまう・・×
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、カレンダー法による成
形に際し、ロール離れがよく、ポリスチレン系樹脂の特
性を損なわず、厚み精度がよく、表面性に優れ、高品位
なシート状物が経済的に高い生産性で得られる。さらに
ポリスチレン系樹脂としての特性を損なわれていないこ
とから、2次成形性、溶着性、印刷性などに優れ、広範
囲の用途に適用可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 51:04) B29K 25:00 B29K 25:00 B29L 7:00 B29L 7:00 (56)参考文献 特開 平10−101896(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリスチレン系樹脂100重量部に対し
    有機リン酸エステル類0.2〜5重量部とMBS樹脂3
    〜50重量部を添加してなることを特徴とするカレンダ
    ー成形用ポリスチレン系樹脂組成物。
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