JP3602149B2 - オレフィン系樹脂フィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、カレンダー加工法により成形されるオレフィン系樹脂フィルムに関し、詳しくは、カレンダーロールへの粘着を生じることなく、生産性の高いカレンダー加工によるフィルム成形を可能にした特定の組成を有するオレフィン系樹脂フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、バインダー、手帳や高級ノートの表紙、フロッピーディスクのケース、その他各種のケース類や袋物、あるいは食品や医薬品等の包装材等のように、事務用品や包装資材等として、オレフィン系樹脂製のシートやフィルム(以下、“フィルム”と言う)の用途が拡大しつつある。
【0003】
これらオレフィン系樹脂フィルムは、従来、用途に応じて、オレフィン系樹脂に、予め、所定量の酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤等が加えられて調製されたペレットを、溶融し、押出加工により成形するのが一般的である。
【0004】
ところが、上記の押出加工による成形法では、フィルムの成形速度が遅く、生産性が必ずしも良好とは言えず、また厚み精度もあまり良好ない。
【0005】
一方、塩化ビニル系樹脂フィルムにおいては、従来から、押出加工による成形以外に、カレンダー加工による成形も行われている。
カレンダー加工による成形の場合、フィルムの成形速度が早く、また厚み精度にも優れる等の利点がある。
【0006】
しかし、オレフィン系樹脂の場合、カレンダー加工によりフィルムを成形しようとすると、オレフィン系樹脂の特性上、カレンダーロールに強く粘着してしまい、事実上、フィルムを成形することができない。
カレンダーロールの温度を低温にすると、製品フィルムの表面肌荒れがひどくなり、やはり事実上、フィルムの成形は不可能となる。
【0007】
本発明は、以上の実情下において、カレンダーロールへの粘着を生じることなく、生産性の高いカレンダー加工によるフィルム成形を可能にした特定の組成を有するオレフィン系樹脂フィルムを提案することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の目的を達成するために検討を重ねた結果、先ず、オレフィン系樹脂とカレンダーロールとが接触した際に何らかの滑性があれば、オレフィン系樹脂の該ロールへの粘着が防止できるとの知見を得た。
【0009】
この知見に基づいて、更に検討を重ねたところ、
(1)カレンダーロール自体に滑性を付与することは難しいこと、
(2)従って、成形されるフィルムに滑性を付与する必要があること、
(3)フィルム自体に滑性を付与するには、オレフィン系樹脂に予め滑性付与剤を混入しておけばよいこと、
の結論を得た。
【0010】
そこで、オレフィン系樹脂に混入する滑性付与剤について、鋭意検討を行った結果、金属石鹸が、請求項に挙げたオレフィン系樹脂との馴染み性がよく、該樹脂との混練操作が容易であり、該樹脂のフィルム成形性を損なわず、また製品フィルムの性状(外観、感触、フィルム同士の滑り性等)を良好に保ち、しかも、カレンダー加工性に優れた効果を有することを見出すと共に、この金属石鹸と合わせて特定の滑剤を合わせて混入すれば、金属石鹸の上記特性を何ら阻害することなく、より一層優れたロール滑性あるいはスリップ性を付与し、カレンダー加工性の更なる向上が得られることを見出した。
【0011】
本発明は、以上の知見に基づくもので、カレンダー加工により成形されるエチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、プロピレン−メチルアクリレート共重合体、プロピレン−メチルメタクリレート共重合体、プロピレン−エチルアクリレート共重合体のうちの少なくとも1種からなるオレフィン系樹脂フィルムであって、オレフィン系樹脂100重量部に対し、金属石鹸を0.5〜3.0重量部、及び脂肪酸アミド系滑剤を0.01〜3重量部んでなることを特徴とするオレフィン系樹脂フィルムを要旨とする。
【0012】
上記のオレフィン系樹脂に配合される金属石鹸としては、ステアリン酸バリウム、ラウリル酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ラウリル酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ラウリル酸カルシウム、ステアリン酸カドミウム、ラウリル酸カドミウム、ステアリン酸鉛、フタル酸鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム等が挙げられる。
これらは、単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。
【0013】
以上の金属石鹸の配合割合は、少な過ぎると配合効果がなく、カレンダーロールへのオレフィン系樹脂の粘着を解消することができず、逆に多過ぎると金属石鹸のフィルム表面へのふき出し(ブルーム)が多くなり、商品として好ましくなくなる。
従って、本発明では、前述のオレフィン系樹脂100重量部に対し、金属石鹸を0.5〜3.0重量部とする。
【0014】
更に、本発明においては、金属石鹸の外に、従来のオレフィン系樹脂フィルムに配合されている各種の添加剤、例えば、滑剤、顔料、帯電防止剤、光安定剤、酸化防止剤等を配合してもよい。
【0015】
このうち、滑剤としては、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリル酸アミド等の脂肪酸アミド系滑剤を使用することが、上記の金属石鹸の特性を阻害せずに、優れたロール滑性、フィルムのスリップ性を得る上で、必須である。
この脂肪酸アミド系滑剤の添加量は、0.01〜3重量部とする
0.01重量部未満では、添加効果が期待できず、3重量部より多いと、ブルーム、プレートアウト(滑剤が析出してロール表面に付着すること)等の問題が発生する。
ましい添加量は、0.05〜1重量部である。
【0016】
また、顔料としては、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、イソインドリノン系イエロー、キナクリドン系レッド、ペリレン系レッド等の有機顔料、群青、コバルトブルー、クロムオキサイドグリーン、チタンホワント、カーボンブラック、ベンガラ、カドミウムイエロー、カドミウムレッド等の無機顔料が使用できる。
【0017】
更に、帯電防止剤としては、カチオン系、アニオン系、非イオン系のものが、光安定剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系、サリチル酸エステル系等のものが、酸化防止剤としては、フェノール系、含硫フェノール系、アミン系、亜リン酸エステル系等のものが使用できる。
【0018】
本発明のオレフィン系樹脂フィルムは、前述のオレフィン系樹脂と金属石鹸 脂肪酸アミド系滑剤、及び必要に応じて上記のような各種の添加剤を、それぞれ所要量配合し、混練して原料を調製した後、通常のカレンダー加工法によりフィルム化して製造される。
あるいは、オレフィン系樹脂に、金属石鹸と脂肪酸アミド系滑剤を高濃度で、必要に応じて上記のような各種の添加剤をやはり高濃度で、配合した言わゆるマスターバッチを調製しておき、このマスターバッチの所定量をオレフィン系樹脂に混合して所要配合割合とし、混練した後、上記と同様のカレンダー加工法によりフィルム化して製造される。
【0019】
【作用】
本発明では、金属石鹸が、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、プロピレン−メチルアクリレート共重合体、プロピレン−メチルメタクリレート共重合体、プロピレン−エチルアクリレート共重合体のうちの少なくとも1種のオレフィン系樹脂に、カレンダーロールとの非粘着性を付与する作用をなす。
このため、本発明においては、上記オレフィン系樹脂がカレンダー加工によるフィルム形成能を発現する。
【0020】
【実施例】
比較例1〜6
表1に示す割合で配合したものを原料とし、通常のカレンダー加工法により、140℃にて、厚さ0.3mmの比較フィルムを製造した。
カレンダー加工作業時におけるロール滑性状況、及び得られた比較フィルムの40℃,比較湿度95%での1日放置後の該フィルム表面のブルーム状況を、それぞれ観察し、これらの結果を表1に合わせて示す。
【0021】
【表1】
Figure 0003602149
Figure 0003602149
【0022】
比較例7〜8
表2に示す割合で配合したものを原料とする以外は、比較例1〜6と同様にして比較フィルムを製造し、比較例1〜6と同様のカレンダー加工作業時におけるロール滑性状況、及び比較フィルム表面のブルーム状況を、それぞれ観察し、これらの結果を表2に合わせて示す。
【0023】
【表2】
Figure 0003602149
【0024】
実施例
表3に示す割合で配合したものを原料とする以外は、比較例1〜6と同様にして本発明フィルムを製造し、比較例1〜6と同様のカレンダー加工作業時におけるロール滑性状況、及び本発明フィルム表面のブルーム状況をそれぞれ観察すると共に、フィルム表面のスリップ性(フィルムを2枚合わせた時の剥がれ状況)を観察し、これらの結果を表3に合わせて示す。
なお、比較例2で得られた比較フィルムについても、フィルム表面のスリップ性を観察し、この結果を表3に合わせて示す。
【0025】
【表3】
Figure 0003602149
【0026】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、従来不可能であった請求項記載のオレフィン系樹脂フィルムのカレンダー加工による製造が可能となり、従来の押出加工によるフィルム製造速度に比して、大幅なフィルム製造速度の向上を図ることができる。
この結果、上記オレフィン系樹脂フィルムの製造コストも大幅に低下し、製品コストの大幅な低下をもたらすこともできる。

Claims (1)

  1. カレンダー加工により成形されるエチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、プロピレン−メチルアクリレート共重合体、プロピレン−メチルメタクリレート共重合体、プロピレン−エチルアクリレート共重合体のうちの少なくとも1種からなるオレフィン系樹脂フィルムであって、オレフィン系樹脂100重量部に対し、金属石鹸を0.5〜3.0重量部、及び脂肪酸アミド系滑剤を0.01〜3重量部含み、無機充填剤は含まないことを特徴とするオレフィン系樹脂フィルム。
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