JP2000026451A - 分子化合物及びそれらを用いた発光材料並びに発光素子 - Google Patents

分子化合物及びそれらを用いた発光材料並びに発光素子

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JP2000026451A JP11127685A JP12768599A JP2000026451A JP 2000026451 A JP2000026451 A JP 2000026451A JP 11127685 A JP11127685 A JP 11127685A JP 12768599 A JP12768599 A JP 12768599A JP 2000026451 A JP2000026451 A JP 2000026451A
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KAGAKU GIJUTSU SENRYAKU SUISHIN KIKO
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KAGAKU GIJUTSU SENRYAKU SUISHI
KAGAKU GIJUTSU SENRYAKU SUISHIN KIKO
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    • H10K85/00Organic materials used in the body or electrodes of devices covered by this subclass
    • H10K85/10Organic polymers or oligomers
    • H10K85/111Organic polymers or oligomers comprising aromatic, heteroaromatic, or aryl chains, e.g. polyaniline, polyphenylene or polyphenylene vinylene
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    • HELECTRICITY
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    • H10K85/649Aromatic compounds comprising a hetero atom
    • H10K85/655Aromatic compounds comprising a hetero atom comprising only sulfur as heteroatom

Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的容易に発光色を制御することができ、
また高効率・高輝度の発光を実現することのできる分子
化合物及びそれらを用いた発光材料を提供すること。 【解決手段】 チオフェン環とベンゼン環(またはナフ
タレン環)とが直接に結合された分子構造を有し、発光
性能に優れた新規な分子化合物を提供する。この分子化
合物は、結合されるチオフェン環とベンゼン環(または
ナフタレン環)との個数と結合順序を変えることによっ
て発光する色調を種々変化させ制御することができる。
よってこの分子化合物を発光材料として用いれば、発光
色の制御を行なうことと効率がよく、輝度の高い発光を
実現することを容易に両立させることが可能であり、こ
れらの分子化合物を用いた発光材料を用いて、紫から赤
までの幅広い発光を高い効率で実現することが可能にな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化学工業及び電子
工業の分野で利用し得る新規の機能性分子化合物および
その発光材料としての応用技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、機能性有機材料を用いた有機電界
発光(EL)デバイスが提案され、それ以来、有機電界発
光デバイスにおける発光効率の向上、発光色の制御など
を目的に様々な材料が開発されて今日に至っている。こ
れらに関する記載は、例えばC.W. Tang, S. A. VanSlyk
e, and C. H. Chen, J. Appl. Phys. 65, 3610 (1989)
などの文献にみられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
でに開発された材料を用いた有機ELデバイスの性能は、
実用に供するには未だ不十分である。この主要な理由と
して、機能性有機材料を構成する分子化合物(低分子、
オリゴマー分子および高分子の全般にわたる)によって
発光色の制御を行ない、しかも当該分子化合物を用いて
効率がよく、輝度の高い発光を行なうという作用を両立
させることが困難であったことが挙げられる。即ち、従
来材料においては、例えば広く用いられているアルミノ
キノリン系の低分子化合物等に関しては、高効率・高輝
度の発光は比較的容易であるが、発光色の制御は困難で
あり、オリゴチオフェンなどの、電子系の共役長を変化
させて発光色を制御することが比較的容易な化合物につ
いては、高効率・高輝度の発光を実現することは困難で
あった。
【0004】これらの課題解決のために、オリゴチオフ
ェンセグメントとトリフェニルアミンセグメントとを組
み合わせた新規の分子化合物も提案されているが(野田
哲也、小川浩充、野間直樹、城田靖彦、日本化学会第74
春季年会、講演予稿集I、第129ページ、1998年)、目的
が十分に達成されているとはいえない。
【0005】これらの事情については上述のTangらの文
献の他に、例えばS. Hotta, in Handbook of Organic C
onductive Molecules and Polymers (Ed. H. S. Nalw
a), John Wiley & Sons, Chichester, 1997, Vol. 2, C
hapter 8や小倉克之、矢内宏幸、赤染元浩、田中哲、福
田辰男、日本化学会第74春季年会、講演予稿集I、第129
ページ、1998年などに、関連の記載がみられる。
【0006】本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされ
たもので、その目的は、比較的容易に発光色を制御する
ことができ、また高効率・高輝度の発光を実現すること
のできる分子化合物及びそれらを用いた発光材料並びに
発光素子を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では、これらの課
題を解決して発光色の制御を行なうことと効率がよく、
輝度の高い発光を実現することを容易に両立させること
のできる一連の分子化合物及びそれらを用いた発光材料
を提供する。これらの分子化合物の中には、全く新規な
化合物と、既知ではあるが、上述したような発光色制御
と高効率・高輝度発光とを両立させた効果が未だ認識さ
れていない化合物とが存在する。
【0008】また、本発明に係る分子化合物は、いずれ
もチオフェン環とベンゼン環とが直接に結合することを
特徴とし、これらの環の個数と結合順序を変えることに
よって容易に発光色を制御し得る。この結果、これらの
分子化合物を用いた発光材料を用いて、紫から赤までの
幅広い発光を高効率、高輝度で実現することが可能にな
る。これらの作用は、分子化合物中の電子系の共役長を
随意に変化させ得ることに基づく。
【0009】本発明に係わるもう一種類の分子化合物
は、チオフェン環とナフタレン環とが直接に結合するこ
とを特徴とし、やはりこれらの環の個数と結合順序を変
えることによって容易に発光色を制御し得る。結果とし
て、これらの分子化合物による発光材料を用いて幅広い
発光色を高効率、高輝度で実現できることは、チオフェ
ン環とベンゼン環からなる分子化合物を用いた場合と同
様であり、分子化合物中の電子系の共役長を随意に変化
させ得ることに基づく。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、分子化合物の分子構造を、
【化15】 (ここで、R1、R2は水素、アルキル基、アルケニル
基、ハロゲン基のうちのいずれか1つであり、m1、m
2、nは1またはそれより大である。ただし、n=1ま
たは2のときは、m1およびm2のうち少なくとも1つ
が2またはそれより大であり、3≦nのときは、m1、
m2は1またはそれより大である。)としたものであ
り、m1、m2およびnの数に応じて種々に色調が変化
し、且つ輝度がきわめて高い光を発する発光材料を実現
するという作用を有する。
【0011】本発明の請求項2に記載の発明は、分子化
合物の分子構造を、
【化16】 (ここで、R1、R2は水素、アルキル基、アルケニル
基、ハロゲン基のうちのいずれか1つであり、m1、m
2、nは1またはそれより大である。ただし、n=1ま
たは2のときは、m1およびm2のうち少なくとも1つ
が2またはそれより大であり、3≦nのときは、m1、
m2は1またはそれより大である。)としたものであ
り、m1、m2およびnの数に応じて種々に色調が変化
し、且つ輝度がきわめて高い光を発する発光材料を実現
するという作用を有する。
【0012】本発明の請求項3に記載の発明は、分子化
合物の分子構造を、
【化17】 (ただし、R1、R2は水素、アルキル基、アルケニル
基、ハロゲン基のうちのいずれか1つであり、且つ、
n、mは1またはそれより大である。)としたものであ
り、mおよびnの数に応じて種々に色調が変化し、且つ
チオフェン環とベンゼン環が交互に配列されることによ
り抜きん出て高い輝度の光を発する発光材料を実現する
という作用を有する。
【0013】本発明の請求項4に記載の発明は、分子化
合物の分子構造を、
【化18】 (ただし、R1、R2は水素、アルキル基、アルケニル
基、ハロゲン基のうちのいずれか1つであり、且つ、
n、mは1またはそれより大である。)としたものであ
り、mおよびnの数に応じて種々に色調が変化し、且つ
チオフェン環とベンゼン環が交互に配列されることによ
り抜きん出て高い輝度の光を発する発光材料を実現する
という作用を有する。
【0014】本発明の請求項5に記載の発明は、分子化
合物の分子構造を、
【化19】 (ただし、R1、R2は水素、アルキル基、アルケニル
基、ハロゲン基のうちのいずれか1つであり、且つ、n
は2またはそれより大である。)としたものであり、n
の数に応じて種々に色調が変化し、且つチオフェン環と
ベンゼン環が交互に配列されることにより抜きん出て高
い輝度の光を発する発光材料を実現するという作用を有
する。
【0015】本発明の請求項6に記載の発明は、分子化
合物の分子構造を、
【化20】 (ただし、R1、R2は水素、アルキル基、アルケニル
基、ハロゲン基のうちのいずれか1つであり、且つ、n
およびmのうち少なくとも1つが2またはそれより大で
ある。)としたものであり、mおよびnの数に応じて種
々に色調が変化し、且つ輝度がきわめて高い光を発する
発光材料を実現するという作用を有する。
【0016】本発明の請求項7に記載の発明は、発光材
料を、チオフェン環とベンゼン環とを直接結合させた分
子構造を有する分子化合物から実現させたもので、輝度
の強い発光色が得られるという作用を有する。
【0017】本発明の請求項8に記載の発明は、請求項
7記載の発光材料発光材料において、チオフェン環とベ
ンゼン環の個数と結合順序を変えたものであり、発光色
を制御して様々な色調の光を高輝度で発生させるという
作用を有する。
【0018】本発明の請求項9に記載の発明は、請求項
7または8記載の発光材料において、チオフェン環とベ
ンゼン環の結合順序が、双方の環が交互に配列されるよ
うに設定されたものであり、他のチオフェン環及びベン
ゼン環の結合順序を採った分子化合物を用いた発光材料
よりも抜きん出て強い輝度が得られるという作用を有す
る。
【0019】本発明の請求項10に記載の発明は、発光
材料として用いる分子化合物の分子構造を、
【化21】 (ただし、R1、R2は水素、アルキル基、アルケニル
基、ハロゲン基のうちのいずれか1つであり、且つ、
n、m1、m2はいずれも1またはそれより大であ
る。)としたものであり、m1、m2およびnの数に応
じて種々に色調が変化し、且つ輝度がきわめて高い光を
発することができるという作用を有する。
【0020】本発明の請求項11に記載の発明は、発光
材料として用いる分子化合物の分子構造を、
【化22】 (ただし、R1、R2は水素、アルキル基、アルケニル
基、ハロゲン基のうちのいずれか1つであり、且つ、
n、m1、m2はいずれも1またはそれより大であ
る。)としたものであり、m1、m2およびnの数に応
じて種々に色調が変化し、且つ輝度がきわめて高い光を
発することができるという作用を有する。
【0021】本発明の請求項12に記載の発明は、発光
材料として用いる分子化合物の分子構造を、
【化23】 (ただし、R1、R2は水素、アルキル基、アルケニル
基、ハロゲン基のうちのいずれか1つであり、且つ、
n、mはいずれも1またはそれより大である。)とした
ものであり、mおよびnの数に応じて種々に色調が変化
し、且つチオフェン環とベンゼン環が交互に配列される
ことにより抜きん出て高い輝度の光を発することができ
るという作用を有する。
【0022】本発明の請求項13に記載の発明は、発光
材料として用いる分子化合物の分子構造を、
【化24】 (ただし、R1、R2は水素、アルキル基、アルケニル
基、ハロゲン基のうちのいずれか1つであり、且つ、
n、mはいずれも1またはそれより大である。)とした
ものであり、mおよびnの数に応じて種々に色調が変化
し、且つチオフェン環とベンゼン環が交互に配列される
ことにより抜きん出て高い輝度の光を発することができ
るという作用を有する。
【0023】本発明の請求項14に記載の発明は、発光
材料として用いる分子化合物の分子構造を、
【化25】 (ただし、R1、R2は水素、アルキル基、アルケニル
基、ハロゲン基のうちのいずれか1つであり、且つ、n
は1またはそれより大である。)としたものであり、n
の数に応じて種々に色調が変化し、且つチオフェン環と
ベンゼン環が交互に配列されることにより抜きん出て高
い輝度の光を発することができるという作用を有する。
【0024】本発明の請求項15に記載の発明は、発光
材料として用いる分子化合物の分子構造を、
【化26】 (ただし、R1、R2は水素、アルキル基、アルケニル
基、ハロゲン基のうちのいずれか1つであり、且つ、k
およびlのうち少なくとも1つが2またはそれより大で
ある。)としたものであり、kおよびlの数に応じて種
々に色調が変化し、且つ輝度がきわめて高い光を発する
ことができるという作用を有する。
【0025】本発明の請求項16に記載の発明は、分子
化合物の分子構造を、
【化27】 (ただし、nは1またはそれより大)としたものであ
り、nの数に応じて種々に色調が変化し、且つ輝度がき
わめて高い光を発する発光材料を実現するという作用を
有する。
【0026】本発明の請求項17に記載の発明は、発光
材料を、チオフェン環とナフタレン環とを直接結合させ
た分子構造を有する分子化合物から実現させたもので、
輝度の強い発光色が得られるという作用を有する。
【0027】本発明の請求項18に記載の発明は、請求
項17記載の発光材料において、チオフェン環とナフタ
レン環の個数と結合順序を変えたものであり、発光色を
制御して様々な色調の光を高輝度で発生させるという作
用を有する。
【0028】本発明の請求項19に記載の発明は、発光
材料として用いる分子化合物の分子構造を、
【化28】 (ただし、nは1またはそれより大)としたものであ
り、nの数に応じて種々に色調が変化し、且つ輝度がき
わめて高い光を発することができるという作用を有す
る。
【0029】本発明の請求項20に記載の発明は、発光
材料として請求項7乃至請求項15および請求項17乃
至請求項19に記載された発光材料を2種以上任意に組
み合わせたものであり、様々な色調の光を高輝度で発生
させるという作用を有する。
【0030】本発明の請求項21に記載の発明は、一対
の電極に挟まれた発光層を少なくとも有する有機電界発
光素子において、発光層が請求項1ないし6もしくは請
求項16に記載された1つまたはそれ以上の分子化合物
を含有することを特徴とする有機電界発光素子であり、
色調の変化が容易でかつ蛍光収率の高い材料を発光層に
用いることにより、多色化が容易になり、素子の発光効
率が向上するという作用を有する。
【0031】本発明の請求項22に記載の発明は、一対
の電極に挟まれた発光層を少なくとも有する有機電界発
光素子において、発光層に請求項1ないし6もしくは請
求項16に記載された一つまたはそれ以上の分子化合物
および、これら以外の分子化合物からなる複合体である
ことを特徴とする電界発光素子であり、さらに多様な発
光色を実現し、同時に、より高効率で長期的に安定な動
作特性を保つ素子を実現するという作用を有する。ここ
でいう複合体には、2種あるいはそれ以上の分子化合物
を混合したもの、ホストとなる分子化合物に他の種類の
分子化合物を分散(ドープ)させたもの、さらには、こ
れらの分子化合物からなる層を適宜積層したものなどが
含まれる。
【0032】続いて、本発明による電界発光素子につい
て、図面を参照しながら説明する。図1は本発明による
有機電界発光素子の概略構成を示す断面図である。図1
に示された有機電界発光素子は、ガラス基板1上に陽極
(透明電極)2を形成し、その上に正孔輸送層3、発光
層4、電子輸送層5、上部電極6をこの順に積み重ねた
状態で形成したものである。発光層4は正孔輸送層3ま
たは電子輸送層5と兼ねることもできる。あるいは必要
に応じて、新たな層を挿入することもできる。具体的な
例としては、透明電極2と正孔輸送層3の間に挿入され
る正孔注入層、発光層4と電子輸送層5の間に挿入され
る正孔ブロッキング層、電子輸送層5と陰極(上部電
極)6の間に挿入される電子注入層などがあげられる。
さらには、発光層4に積層構成を持たせて複数の発光層
を同時に発光させることも可能である。
【0033】発光層4は、通常抵抗加熱による真空蒸着
法によって形成するが、ポリカーボネートなどのポリマ
ー中に分散したものをスピンコート法などにより成膜す
ることも可能である。発光層の厚さは、通常は10nm(ナ
ノメートル)以上であるが、さらに望ましい範囲として
は、通常20nmないし300nmの範囲で選択される。
【0034】本発明による請求項1ないし6および請求
項16に記載された分子化合物は、発光層を構成する材
料として用いることができる。単独あるいは複数の分子
化合物を組み合わせて用いることができるが、請求項1
ないし6および請求項16に記載されていない、他の公
知の分子化合物と組み合わせて使用することも容易であ
り、白色などより多様な発光色を得ることが可能とな
る。
【0035】例えば、適当なホスト材料に本発明による
分子化合物を分散させて、ドーパントとして使用するこ
とができる。この場合におけるホスト材料としては、キ
ノリノール金属錯体、オキサゾール誘導体、チアゾール
誘導体、イミダゾール誘導体、スチリル誘導体、ジスチ
リルアリーレン誘導体、クマリン誘導体、ブタジエン誘
導体、トリフェニルアミン誘導体などがあげられる。ま
た、ドーピングの濃度としては0.1〜10mol%が望まし
い。
【0036】さらに、本発明による分子化合物をホスト
材料として、他の発光材料を分散させることによって発
光層とすることもできる。この場合におけるドーパント
の例としては、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、
スチリル誘導体、縮合多環芳香族化合物、キノリノール
誘導体などがあげられる。ドーピングの濃度は使用する
ドーパントにもよるが、0.05〜5mol%が望ましい。
【0037】次いで、本発明の各実施例に係わる新規の
分子化合物についての合成方法とこれらの分子化合物の
発光材料としての評価に関して図面を参照しながら説明
する。
【0038】(実施例1)本発明の第1の実施例とし
て、分子両末端にフェニル基を有する分子化合物(以下
「化A」という)の合成方法について説明する。この分
子化合物は下記の分子構造を持つ新規化合物である。
【化29】
【0039】この分子化合物を製造するには、まず、50
0mL (ミリリットル)の三口フラスコにマグネシウム4.
62g (0.19モル)を加え入れ、三口フラスコを真空に吸
引し、ヒートガンで強熱して乾燥させた。これに無水の
ジエチルエーテル(和光純薬社製)100mL を加えてよく
撹拌し、この液の中にさらにブロモベンゼン(東京化成
製)29.8g (0.19モル) を溶解させた無水のジエチルエ
ーテル溶液50mLを滴下ロートを通して滴下した。
【0040】さらに撹拌を続け、ブロモベンゼンへのマ
グネシウムの挿入反応による発熱で反応溶液がリフラッ
クスし始めた後、マグネシウムの挿入反応の速度が適正
に保たれるように溶液を氷浴した。
【0041】全てのマグネシウムが反応してグリニヤー
ル試薬の合成が完結したことを確認してから、542mg(1m
モル) の1,3-ビス(ジフェニルフォスフィノ)プロパン
ニッケル(II)クロライド(ストレム社製)を反応溶液
に投入し、次いで2-ブロモチオフェン26.1g (0.16モ
ル)を溶解させたジエチルエーテル溶液50mLを滴下ロー
トを通して滴下した。さらに1昼夜撹拌を続け、その後
6 時間の間反応溶液をオイルバス上で加熱し、リフラッ
クスさせた。この後、溶液を氷浴して冷却し、滴下ロー
トを通して2 規定の塩酸100mL を滴下して未反応のグリ
ニヤール試薬をクェンチして合成反応を完了した。さら
にこの溶液を水、飽和の炭酸水素ナトリウム水溶液及び
水を用いて順次洗浄し、無水の塩化カルシウムで乾燥し
た。これを濾過して後、ロータリーエバポレータでジエ
チルエーテルを留去し、26.9g の2-フェニルチオフェン
固体を得た。
【0042】次に、このようにして合成した2-フェニル
チオフェン3.21g (20m モル)を20mLのメタノールに溶
解させ、一方N-ブロモこはく酸イミド(和光純薬社製)
3.92g (22m モル)を40mLのメタノールに溶解させた溶
液を前者の溶液中に加えたところ、直ちに白色の沈殿
(2-フェニル-5- ブロモチオフェン)を生じた。この反
応溶液を冷蔵庫に入れ、さらに沈殿の生成を確実にし
た。この沈殿を濾過して後、大量の水・メタノール等量
混合液で十分に洗浄して1昼夜乾燥させ、2-フェニル-5
- ブロモチオフェンの白色結晶(2.4g)を得た。
【0043】次の段階として、上記の2-フェニル-5- ブ
ロモチオフェン結晶から239.1mg (1mモル)を分取し、
これを24.3mgのマグネシウムと共に30mLの1口なす型フ
ラスコに投入して、真空に吸引し、ヒートガンで穏やか
に加熱して乾燥させた。これに無水のジエチルエーテル
10mLを加えて2-フェニル-5- ブロモチオフェンを溶解さ
せ、撹拌しながらグリニヤール試薬を調整した。
【0044】全てのマグネシウムが反応したことを確認
した後、10mgの1,3-ビス(ジフェニルフォスフィノ)プ
ロパンニッケル(II)クロライドを反応溶液に投入し、
さらにあらかじめ乾燥したアルドリッチ社製の2,5-ジヨ
ードチオフェン134.4mg (0.4mモル)を5mL の無水ジエ
チルエーテルに溶解させた溶液を混合した。
【0045】混合と共に黄色の沈殿(5,5"- ジフェニル
-2,2':5',2"-ターチオフェン;化A)が直ちに生成し
た。これを1昼夜撹拌して後さらに6時間リフラックス
させ、次いでこれを水浴上で冷却して2 規定の塩酸1mL
を加え、未反応のグリニヤール試薬をクェンチした。こ
れを濾過し、沈殿をアセトンでよく洗浄して140mg の黄
色結晶(5,5"- ジフェニル-2,2':5',2"-ターチオフェ
ン;化A)を得た。
【0046】図2に化Aの赤外スペクトルを示す。図2
において、1439.6cm-1および790.7cm-1のピークは、そ
れぞれ2,5-ジ置換チオフェン環の環伸縮振動及びCH面外
変角振動に帰属される。また、1483.8 cm -1のピークは
モノ置換ベンゼン環の環伸縮振動に帰属され、750.2 cm
-1及び683.8 cm-1のピークは、同じくモノ置換ベンゼン
環のCH面外変角振動に帰属される。
【0047】なお、本実施例及び以下の実施例におい
て、スペクトルは、上記結晶を適当な溶媒から再結晶し
て得た試料から数片の固体片を分取し、これを臭化カリ
ウム中に粉砕・分散させた後、加圧成型した錠剤につい
て赤外分光光度計(パーキンエルマー・システム2000FT
-IR )を用いて測定した。
【0048】(実施例2)本発明の第2の実施例とし
て、分子両末端にフェニル基を有する別の分子化合物
(以下「化B」という)の合成方法について説明する。
この分子化合物は下記の分子構造を持つ新規化合物であ
る。
【化30】
【0049】この分子化合物を製造するには、実施例1
において合成した2-フェニル-5- ブロモチオフェン結晶
から239.1mg (1mモル)を分取し、これを実施例1と同
様に24.3mgのマグネシウムと共に30mLの1口なす型フラ
スコに投入して、真空に吸引し、ヒートガンで穏やかに
加熱して乾燥させた。これに無水のジエチルエーテル10
mLを加えて2-フェニル-5- ブロモチオフェンを溶解さ
せ、撹拌しながらグリニヤール試薬を調整した。
【0050】全てのマグネシウムが反応したことを確認
した後、窒素ガスを吹き込んでジエチルエーテルを蒸発
させた。次いで、これに無水のアニソール(アルドリッ
チ社製)10mLを加え、次いで10mgの1,3-ビス(ジフェニ
ルフォスフィノ)プロパンニッケル(II)クロライドを
投入し、さらにあらかじめ調整し、真空乾燥した5,5'-
ジヨード-2,2'-ビチオフェン167mg (0.4mモル)を固形
のまま投入した。
【0051】これを1昼夜撹拌して後さらに6時間、10
0 ℃に加熱し、次いでこれを水浴上で冷却して2 規定の
塩酸1mL を加え、未反応のグリニヤール試薬をクェンチ
した。これを濾過し、沈殿をアセトンでよく洗浄して20
mgの橙色結晶(5,5'"-ジフェニル-2,2':5',2":5",2'"-
クォータチオフェン;化B)を得た。
【0052】なお、5,5'- ジヨード-2,2'-ビチオフェン
の調整方法は、以下の通りである。ビチオフェン(アル
ドリッチ社製)1.663g(10m モル)を100mL のメタノー
ルに溶解させ、この溶液中にN-ヨードこはく酸イミド
(アルドリッチ社製)4.95g (22m モル)を溶解させた
50mLのメタノール溶液を注いだ。溶液を撹拌しながら、
これに1.87mLの濃塩酸(22m モル)を徐々に滴下する
と、白色の沈殿が生じると共に反応液が粘稠になったの
で、50mLのメタノールを加えた。さらに、2時間撹拌を
続けた後、3.06mLのアンモニア水(22m モル)を滴下
し、反応を完結させた。これを濾過し、得られた沈殿を
大量の水で洗浄して1昼夜真空乾燥し、2.0gの無色結晶
(5,5'- ジヨード-2,2'-ビチオフェン)を得た。
【0053】図3に化Bの赤外スペクトルを示す。図3
において、1439.6cm-1及び790.7cm-1のピークは、それ
ぞれ2,5-ジ置換チオフェン環の環伸縮振動及びCH面外変
角振動に帰属される。また、1487.5 cm -1のピークはモ
ノ置換ベンゼン環の環伸縮振動に帰属され、746.5 cm-1
及び683.8 cm-1のピークは、同じくモノ置換ベンゼン環
のCH面外変角振動に帰属される。
【0054】(実施例3)本発明の第3の実施例とし
て、分子両末端にフェニル基を有する別の分子化合物
(以下「化C」という)の合成方法について説明する。
この分子化合物は下記の分子構造を持つ新規化合物であ
る。
【化31】
【0055】この分子化合物を製造するには、実施例1
において合成した2-フェニルチオフェン結晶から1.60g
(10m モル)を分取し、これをN-ヨードこはく酸イミド
(アルドリッチ社製)4.50g (20m モル)と共に三角フ
ラスコに入れ、これにメタノール10mLを加えて溶解させ
た。これにさらに酢酸1.14mL(20m モル)を加えて撹拌
すると、しばらくして白色の沈殿を生じた。これを冷蔵
庫に入れ、さらに沈殿の生成を確実にした。この沈殿を
濾過して後、大量の水・メタノール等量混合液で十分に
洗浄して1昼夜乾燥させ、2-フェニル-5- ヨードチオフ
ェンの白色結晶(2.5g)を得た。
【0056】次の段階として、上記の2-フェニル-5- ヨ
ードチオフェン結晶から286.1mg (1mモル)を分取し、
これを24.3mg(1mモル)のマグネシウムと共に30mLの1
口なす型フラスコに投入して、真空に吸引し、ヒートガ
ンで穏やかに加熱して乾燥させた。これに無水のジエチ
ルエーテル10mLを加えて2-フェニル-5- ヨードチオフェ
ンを溶解させ、撹拌しながらグリニヤール試薬を調整し
た。
【0057】全てのマグネシウムが反応したことを確認
した後、窒素ガスを吹き込んでジエチルエーテルを蒸発
させた。次いで、これに無水のアニソール10mLを加え、
次いで10mgの1,3-ビス(ジフェニルフォスフィノ)プロ
パンニッケル(II)クロライドを投入し、さらにあらか
じめ調整し、真空乾燥した5,5"- ジヨード-2,2':5',2"-
ターチオフェン200mg (0.4mモル)を固形のまま投入し
た。
【0058】これを1昼夜撹拌して後さらに6時間、10
0 ℃に加熱し、次いでこれを水浴上で冷却して2 規定の
塩酸1mL を加え、未反応のグリニヤール試薬をクェンチ
した。これを濾過し、沈殿をアセトンでよく洗浄して10
mgの赤橙色結晶(5,5""-ジフェニル-2,2':5',2":5",
2'":5'",2""- クィンケチオフェン;化C)を得た。
【0059】なお、5,5"- ジヨード-2,2':5',2"-ターチ
オフェンの調整方法は、以下の通りである。ターチオフ
ェン(アルドリッチ社製)248.4mg (1mモル)とN-ヨー
ドこはく酸イミド(アルドリッチ社製)495mg (2.2mモ
ル)を20mLのメタノールに溶解させ、この溶液に酢酸4
滴(約120 μL )を滴下した。しばらくすると黄緑色の
沈殿を生じたので、これを冷蔵庫に入れ、さらに沈殿の
生成を確実にした。
【0060】この沈殿を濾過して後、大量のメタノール
で十分に洗浄して1昼夜乾燥させ、5,5"- ジヨード-2,
2':5',2"-ターチオフェンの黄緑色結晶(440mg )を得
た。
【0061】図4に化Cの赤外スペクトルを示す。図4
において、1439.6cm-1の及び790.7cm-1のピークは、そ
れぞれ2,5-ジ置換チオフェン環の環伸縮振動及びCH面外
変角振動に帰属される。また、1487.5 cm -1のピークは
モノ置換ベンゼン環の環伸縮振動に帰属され、750.2 cm
-1及び683.8 cm-1のピークは、同じくモノ置換ベンゼン
環のCH面外変角振動に帰属される。
【0062】本実施例で合成した化Cは、これを溶解さ
せる適当な溶剤がなかったため、再結晶を経ずにスペク
トル測定を行った。図中、3000 cm -1、1500 cm -1及び
500cm-1付近の丸みを帯びた強いピークは、合成の過程
で試料中に取り込まれたイオン性の物質により化Cがド
ープされて生じたものと思われる。
【0063】(実施例4)本発明の第4の実施例とし
て、分子両末端にビフェニリル基を有する別の分子化合
物(以下「化D」という)の合成方法について説明す
る。この分子化合物は下記の分子構造を持つ新規化合物
である。
【化32】
【0064】この分子化合物を製造するには、まず、30
0mL の三口フラスコにマグネシウム1.10g (45.3m モ
ル)を入れ、三口フラスコを真空に吸引し、ヒートガン
で強熱して乾燥させた。これに無水のジエチルエーテル
50mLを加えてよく撹拌し、この液の中にさらに2-ヨード
チオフェン(アルドリッチ社製)9.51g (45.3m モル)
を溶解させた無水のジエチルエーテル溶液30mLを滴下ロ
ートを通して滴下した。
【0065】さらに撹拌を続け、2-ヨードチオフェンへ
のマグネシウムの挿入反応による発熱で反応溶液がリフ
ラックスし始めた後、マグネシウムの挿入反応の速度が
適正に保たれるように溶液を氷浴した。
【0066】全てのマグネシウムが反応してグリニヤー
ル試薬の合成が完結したことを確認してから、130mg(0.
24m モル) の1,3-ビス(ジフェニルフォスフィノ)プロ
パンニッケル(II)クロライドを反応溶液に投入し、次
いであらかじめ真空乾燥させた4-ブロモビフェニル(東
京化成社製)8.45g (36.2m モル)を固形のまま投入し
た。さらに1昼夜撹拌を続け、その後8 時間の間反応溶
液をオイルバス上で加熱し、リフラックスさせた。
【0067】この後、溶液を氷浴して冷却し、滴下ロー
トを通して2 規定の塩酸25mLを滴下して未反応のグリニ
ヤール試薬をクェンチして合成反応を完了した。生成し
た沈殿を濾過して後、大量の水・メタノール等量混合液
で十分に洗浄して1昼夜乾燥させ、中間体の分子化合物
として1.2gの2-(4- ビフェニリル) チオフェン(以下
「化E」という)を得た。この2-(4- ビフェニリル) チ
オフェンは下記の分子構造を有する分子化合物である。
【化33】
【0068】次いで、このようにして合成した上記の2-
(4- ビフェニリル) チオフェン結晶から472.7mg (2mモ
ル)を分取して、20mLのアセトンに溶解させ、一方N-ブ
ロモこはく酸イミド391.6mg (2.2mモル)を10mLのメタ
ノールに溶解させた溶液を前者の溶液中に加えたとこ
ろ、しばらくして後、白色の沈殿2-(4- ビフェニリル)-
5-ブロモチオフェンを生じた。この反応溶液を冷蔵庫に
入れ、さらに沈殿の生成を確実にした。この沈殿を濾過
して後、大量の水・メタノール等量混合液で十分に洗浄
して1昼夜乾燥させ、2-(4- ビフェニリル)-5-ブロモチ
オフェンの白色結晶(375mg )を得た。
【0069】さらに、ビス(トリフェニルフォスフィ
ン)ニッケル(II)ジクロリド(東京化成社製)130.8m
g (0.2mモル)、テトラブチルアンモニウムヨージド
(東京化成製)738.7mg (2mモル)及び亜鉛粉末(和光
純薬製)261.6mg (4mモル)を30mLの1口なす型フラス
コに投入して、真空に吸引し、ヒートガンで穏やかに加
熱して乾燥させた。これに無水のテトラヒドロフラン10
mL(同仁化学製、核酸合成用グレード)を加え、撹拌す
ると液が濃い赤褐色に変化した。
【0070】この液中に、上に得た2-(4- ビフェニリ
ル)-5-ブロモチオフェン結晶157.6mg(0.5mモル)を固
形のまま加えて100 ℃で約4時間加熱しながら撹拌し
た。この後、反応液を室温に冷却して2規定の塩酸4mL
を加えてよく撹拌し、反応を完結させた。これを大量の
塩化メチレンで洗浄し、27mgの黄色結晶、5,5'- ビス(4
-ビフェニリル)-2,2'- ビチオフェン(化D)を得た。
【0071】図5に化Dの赤外スペクトルを示す。図5
において、1443.3cm-1の及び794.4cm-1のピークは、そ
れぞれ2,5-ジ置換チオフェン環の環伸縮振動及びCH面外
変角振動に帰属される。また、1480.1 cm -1及び1406.4
cm -1のピークは、それぞれ4-ビフェニリル基中のモノ
置換ベンゼン環及び1,4-ジ置換ベンゼン環の環伸縮振動
に帰属され、757.6 cm-1及び687.5 cm-1のピークは、同
じく4-ビフェニリル基中のモノ置換ベンゼン環のCH面外
変角振動に帰属される。さらに、831.3 cm-1のピーク
は、4-ビフェニリル基中の1,4-ジ置換ベンゼン環のCH面
外変角振動に帰属される。
【0072】また、図6に化Eの赤外スペクトルを示
す。図6において、1424.8cm-1のピークは2-置換チオフ
ェン環の環伸縮振動に帰属される。また、1483.8 cm--1
及び1406.4 cm -1のピークはそれぞれ4-ビフェニリル基
中のモノ置換ベンゼン環及び1,4-ジ置換ベンゼン環の環
伸縮振動に帰属され、761.2 cm-1及び683.8 cm-1のピー
クは、同じく4-ビフェニリル基中のモノ置換ベンゼン環
のCH面外変角振動に帰属される。さらに、820.2 cm-1
ピークは、4-ビフェニリル基中の1,4-ジ置換ベンゼン環
のCH面外変角振動に帰属される。
【0073】(実施例5)本発明の分子化合物にはチオ
フェン環とベンゼン環が交互に配列される化合物があ
り、第5の実施例として、そのうちの一つの分子化合物
(以下「化F」という)の合成方法について説明する。
この分子化合物は下記の分子構造を持つ新規化合物であ
る。
【化34】
【0074】この分子化合物を製造するには、実施例3
において合成した2-フェニル-5- ヨードチオフェンから
286.1mg (1mモル)を分取し、これを24.3mg(1mモル)
のマグネシウムと共に30mLの1口なす型フラスコに投入
して、真空に吸引し、ヒートガンで穏やかに加熱して乾
燥させた。これに無水のジエチルエーテル10mLを加えて
2-フェニル-5- ヨードチオフェンを溶解させ、撹拌しな
がらグリニヤール試薬を調整した。
【0075】全てのマグネシウムが反応したことを確認
した後、5mg の1,3-ビス(ジフェニルフォスフィノ)プ
ロパンニッケル(II)クロライドを反応溶液に投入し、
次いであらかじめ真空乾燥した1,4-ジヨードベンゼン
(アルドリッチ社製)132mg (0.4mモル)を固形のまま
投入した。さらに1昼夜撹拌を続け、その後8 時間の間
反応溶液をオイルバス上で加熱し、リフラックスさせ
た。
【0076】この後、溶液を氷浴して冷却し、滴下ロー
トを通して2 規定の塩酸1mL を滴下して未反応のグリニ
ヤール試薬をクェンチして合成反応を完了した。これを
濾過して後、大量のアセトンで十分に洗浄して1昼夜乾
燥させ、36mgの黄色結晶、1,4-ビス(5-フェニルチオフ
ェン-2- イル)ベンゼン(化F)を得た。
【0077】図7に化Fの赤外スペクトルを示す。図7
において1443.3cm-1及び794.4 cm-1のピークは、それぞ
れ2,5-ジ置換チオフェン環の環伸縮振動及びCH面外変角
振動に帰属される。また、1483.8 cm -1のピークはモノ
置換ベンゼン環の環伸縮振動に帰属され、750.2 cm-1
び683.8 cm-1のピークは、同じくモノ置換ベンゼン環の
CH面外変角振動に帰属される。さらに、831.3 cm-1のピ
ークは、1,4-ジ置換ベンゼン環のCH面外変角振動に帰属
される。
【0078】(実施例6)本発明の分子化合物にはチオ
フェン環とベンゼン環が結合された非対称の化合物があ
り、第6の実施例として、そのうちの1つの分子化合物
(以下「化G」という)の合成方法について説明する。
この分子化合物は下記の分子構造を持つ新規化合物であ
る。
【化35】
【0079】この分子化合物を製造するには、実施例4
で合成した2-(4- ビフェニリル)-5-ブロモチオフェンか
ら31.5mg(0.1mモル)を分取し、2-チオフェンボロニッ
クアシッド(アルドリッチ社製)51.2mg(0.4m モル) と
共に三角フラスコに入れ、これにベンゼン10mLを加えて
加熱、溶解させ、さらに溶存酸素を除去する目的で30分
間窒素ガスをバブルした。
【0080】この後、テトラキス(トリフェニルフォス
フィン)パラジウム(0) (アルドリッチ社製)11.6mg
(10μモル)を加え、さらに炭酸ナトリウム(和光純薬
製)106mg (1mモル)の水溶液5mL を加えて反応器を窒
素置換の状態に保ったまま1昼夜リフラックスした。
【0081】この後、反応器を室温に冷却して反応溶液
を0.1mL の過酸化水素水でクェンチした。これを水洗
後、ロータリーエバポレーターでベンゼンを留去し、20
mgの5-(4- ビフェニリル)-2,2'- ビチオフェン(化G)
固体を得た。
【0082】また、図8に化Gの赤外スペクトルを示
す。図8において、1428.5 cm -1のピークは2-置換チオ
フェン環の環伸縮振動に帰属される。また、1483.8 cm
-1及び1406.4 cm -1のピークはそれぞれ4-ビフェニリル
基中のモノ置換ベンゼン環及び1,4-ジ置換ベンゼン環の
環伸縮振動に帰属され、757.6 cm-1及び687.5 cm-1のピ
ークは、同じく4-ビフェニリル基中のモノ置換ベンゼン
環のCH面外変角振動に帰属される。さらに、831.3 cm-1
のピークは、4-ビフェニリル基中の1,4-ジ置換ベンゼン
環のCH面外変角振動に帰属される。
【0083】(実施例7)本発明の第7の実施例とし
て、チオフェン環とベンゼン環が結合された非対称の分
子化合物の他の1つ(以下「化H」という)の合成方法
について説明する。この分子化合物は下記の分子構造を
持つ新規化合物である。
【化36】
【0084】この分子化合物を製造するには、実施例4
と同様の方法で、マグネシウム150.6mg (6.2mモル)と
2-ヨードチオフェン1.30g (6.2mモル) とからグリニヤ
ール試薬を調整した。
【0085】これに20mgの1,3-ビス(ジフェニルフォス
フィノ)プロパンニッケル(II)クロライドを反応溶液
に投入し、次いで実施例1で調整した2-フェニル-5- ブ
ロモチオフェン1.185g(4.96m モル)をあらかじめ真空
乾燥させ、これを上記のグリニヤール試薬の溶液に固形
のまま投入した。さらに1昼夜撹拌を続け、その後4時
間の間反応溶液をオイルバス上で加熱し、リフラックス
させた。
【0086】この後、溶液を氷浴して冷却し、滴下ロー
トを通して2 規定の塩酸4mL を滴下して未反応のグリニ
ヤール試薬をクェンチして合成反応を完了した。さらに
この溶液を水、飽和の炭酸水素ナトリウム水溶液及び水
を用いて順次洗浄し、無水の塩化カルシウムで乾燥し
た。これを濾過して後、ロータリーエバポレータでジエ
チルエーテルを留去し、1.0gの5-フェニル-2,2'-ビチオ
フェン(化H)固体を得た。
【0087】また、図9に化Hの赤外スペクトルを示
す。図9において、1421.1 cm -1のピークは2-置換チオ
フェン環の環伸縮振動に帰属される。また、1443.3 cm
-1及び798.1 cm-1のピークは、それぞれ2,5-ジ置換チオ
フェン環の環伸縮振動及びCH面外変角振動に帰属され
る。また、1491.2 cm -1のピークはモノ置換ベンゼン環
の環伸縮振動に帰属され、753.9 cm-1及び683.8 cm-1
ピークは、同じくモノ置換ベンゼン環のCH面外変角振動
に帰属される。
【0088】(実施例8)以上の実施例で説明した化合
物が発光材料として有用であることを示すために、本実
施例において、これについて説明する。
【0089】上記実施例からスパチェラで固形試料を数
片取り出し、試料管に入れて密栓した。これらの試料管
に紫外ランプ(波長365nm )を照射して試料から発せら
れる蛍光の色調及び輝度を目視で観察した。結果を以下
の表1にまとめる。
【0090】
【表1】
【0091】なお、既知の比較例として、例えばS. Hot
ta and K. Waragai, J. Mater. Chem. 1, 835 (1991)
などに記載のあるオリゴチオフェン化合物がある。これ
らについても固形試料を試料管に入れて密栓し、これら
の試料管に紫外ランプ(波長365nm )を照射して試料か
ら発せられる蛍光の色調及び輝度を目視で観察した。こ
のときのオリゴチオフェン化合物の観察結果を以下の表
2にまとめる。
【0092】なお、化A、化Bおよび化Cは、一般式
【化37】 (ただし、これは請求項2に挙げた分子化合物である)
において、m1=m2=1で、nがそれぞれ3、4およ
び5にしたものに対応し、nの数に応じて種々に色調が
変化することが分かる。
【0093】
【表2】
【0094】上記の2つの表を比較して、オリゴチオフ
ェンを用いた発光体は、ある程度の色調の変化がとれる
ものの、輝度はいずれも本発明の実施例と比べて劣るこ
とが分かった。
【0095】(実施例9)以下に、化合物としては公知
であるが、発光材料として有用であり、しかもこの有用
性が報告されていない(或いは知られていない)化合物
について、合成方法の概要について説明するとともに発
光材料としての特性について記述する。
【0096】i) 2,5-ジフェニルチオフェンこの分子化
合物は下記の分子構造を持つ既知の化合物である。
【化38】
【0097】この分子化合物を製造するには、実施例1
と同様の方法で、ブロモベンゼン298mg (1.90m モル)
とマグネシウム46.2mg(1.90m モル)とからグリニヤー
ル試薬を調整した。これに20mgの1,3-ビス(ジフェニル
フォスフィノ)プロパンニッケル(II)クロライドを反
応溶液に投入し、次いで実施例1で調整した2-フェニル
-5- ブロモチオフェン227mg (0.95m モル)をあらかじ
め真空乾燥させ、これを上記のグリニヤール試薬の溶液
に固形のまま投入した。さらに1昼夜撹拌を続け、その
後4時間の間反応溶液をオイルバス上で加熱し、リフラ
ックスさせた。この反応溶液を実施例1と同様に処理し
て60mgの標記化合物(無色結晶)を得た。
【0098】ii) 5,5'- ジフェニル-2,2'-ビチオフェ
ンこの分子化合物は下記の分子構造を持つ既知の化合物
である。
【化39】
【0099】この分子化合物を製造するには、マグネシ
ウム24.3mg(1mモル)を30mLの一口なす型フラスコに投
入し、強熱下で真空乾燥した。同時に、実施例1で調整
した2-フェニル-5- ブロモチオフェン239.1mg (1mモ
ル)を別の30mLの一口なす型フラスコ中で穏やかに加熱
しながら真空乾燥した。次いで、この2-フェニル-5- ブ
ロモチオフェンを15mLの無水ジエチルエーテルに溶解さ
せてこれをマグネシウムの入ったフラスコ中に注ぎ、撹
拌しながらグリニヤール試薬を調整した。
【0100】マグネシウムが完全に消滅したのを確認し
て、10mgの1,3-ビス(ジフェニルフォスフィノ)プロパ
ンニッケル(II)クロライドを反応溶液に投入し、次い
であらかじめ真空乾燥させた2-フェニル-5- ブロモチオ
フェン191.3mg (0.8mモル)を上記のグリニヤール試薬
の溶液に固形のまま投入した。さらに1昼夜撹拌を続
け、その後4時間の間反応溶液をオイルバス上で加熱
し、リフラックスさせた。そして、生成した淡黄色沈殿
を濾過し、大量のメタノールで洗浄して175mg の標記化
合物を得た。
【0101】iii) 1,4-ビス(2- チェニル) ベンゼン この分子化合物は下記の分子構造を持つ既知の化合物で
ある。
【化40】
【0102】この分子化合物を製造するには、実施例4
と同様の方法で、2-ヨードチオフェン761mg (3.62m モ
ル)とマグネシウム88mg(3.62m モル)とからグリニヤ
ール試薬を調整した。これに30mgの1,3-ビス(ジフェニ
ルフォスフィノ)プロパンニッケル(II)クロライドを
反応溶液に投入し、次いであらかじめ真空乾燥させた1,
4-ジヨードベンゼン(アルドリッチ社製)478mg (1.45
m モル)を上記のグリニヤール試薬の溶液に固形のまま
投入した。さらに1昼夜撹拌を続け、その後4時間の間
反応溶液をオイルバス上で加熱し、リフラックスさせ
た。そして、生成した沈殿を濾過し、大量の冷メタノー
ルで洗浄して60mgの標記化合物(無色結晶)を得た。
【0103】iv) 4,4'- ビス(2- チェニル) ビフェニ
ル この分子化合物は下記の分子構造を持つ既知の化合物で
ある。
【化41】
【0104】この分子化合物を製造するには、実施例4
と同様の方法で、2-ヨードチオフェン8.675g(41.3m モ
ル)とマグネシウム1.004g(41.3m モル)とからグリニ
ヤール試薬を調整した。これに320mg の1,3-ビス(ジフ
ェニルフォスフィノ)プロパンニッケル(II)クロライ
ドを反応溶液に投入し、次いであらかじめ真空乾燥させ
た4,4'- ジヨードビフェニル(東京化成社製)6.50g
(16.0m モル)を上記のグリニヤール試薬の溶液に固形
のまま投入した。さらに1昼夜撹拌を続け、その後8時
間の間反応溶液をオイルバス上で加熱し、リフラックス
させた。そして、生成した沈殿を濾過し、大量のメタノ
ールとアセトンで洗浄して4.3gの標記化合物(淡黄色結
晶)を得た。
【0105】次いで、これらの化合物について実施例8
と同様の方法で蛍光特性を評価した。結果を以下の表3
に示す。
【0106】
【表3】
【0107】なお、例えば上述のiii)及びiv) の化合物
に関してはT. Mitsuhara, K. Kaeriyama, and S. Tanak
a, J. Chem. Soc., Chem. Commun. 1987, 764 などに合
成方法等が開示されている。しかしながら、これらは導
電性材料としての応用に関するもので、本発明と用途や
目的は全く異なる。
【0108】また、本発明の実施例では、紫外ランプの
照射による蛍光特性に関してのみ記述し、電界発光特性
については言及しなかった。しかしながら、蛍光特性と
電界発光特性との間では、発光のスペクトルやメカニズ
ムについて共通するところが多く、これらについては、
例えば、D. Braun and A. J. Heeger, Appl. Phys. Let
t. 58, 1982 (1991) や筒井哲夫, 応用物理, 66, 109
(1997) 等に関連の記載が見られる。このため、光照射
による蛍光特性の評価は、電界発光特性を評価するため
の簡便かつ実用的な基準となる。それのみならず、本発
明の分子化合物および発光材料は、色素レーザの原料と
しても有効に利用できるものと考えられる。
【0109】さらに、上記各実施例においては、チオフ
ェン環やベンゼン環が置換されていないもののみを扱っ
たが、これらが適宜アルキル基やアルケニル基、もしく
はハロゲン基で置換された化合物も有効に用い得る。ま
た、上記の表1及び表3からも分かるように、本発明に
関する発光材料は、本発明に関する分子化合物(或いは
発光材料)においてチオフェン環及びベンゼン環の合計
の個数とその結合順序を変化させることによって様々な
色調の光を高輝度で発生させることが可能である。とり
わけ、上記実施例5において取り上げた分子化合物(化
F:これはまた請求項5に挙げた分子化合物に属する)
のように、チオフェン環とベンゼン環が交互に配列され
た分子化合物は全般的にみてその輝度がきわめて強い、
というよりも、他のチオフェン環及びベンゼン環の結合
順序を採った分子化合物よりも抜きん出て強い輝度が得
られる傾向が認められた。
【0110】なお、表1および表3に記載した色調につ
いて、例えば「黄」や「黄緑」と同じ語句で表したもの
にも、分子化合物の違いに応じて微妙な色調の変化や差
異が見られる。また、本発明に係る分子化合物の複数種
を組み合わせ、これに紫外ランプを照射して試料から発
せられる蛍光の色調及び輝度を観察するとそれぞれの分
子化合物の発光特性に応じて得られた色調が混合(調
合)され、さらに微妙な色調の変化を起こさせることも
判明した。これにより、本発明は所望の色調を自在に実
現する優れた発光材料を提供することができるといえ
る。
【0111】なお、本発明の分子化合物および発光材料
は、安定なチオフェン環およびベンゼン環から成る分子
骨格を有するので、耐環境性などに優れている。このこ
とも本発明の重要な作用、効果の一つである。
【0112】(実施例10)本発明の第10の実施例と
して、分子両末端にフェニル基を有する化合物(以下化
Iという)の合成方法について説明する。この分子化合
物は下記の分子構造を持つ新規化合物である。
【化42】
【0113】この分子化合物を製造するには、まず、ビ
チオフェン(アルドリッチ社製)4.29g(25mモル)を40
mLのメタノールに溶解させ、この溶液中にN-ヨードこは
く酸イミド(アルドリッチ社製)5.92g(25mモル)を溶
解させた40mLのメタノール溶液を注いだ。溶液を撹拌し
ながら、これに1.43mLの酢酸(25mモル)を徐々に滴下
すると、しばらくして白色の沈殿を生じた。これを冷蔵
庫に入れ4時間静置して沈殿の生成を完結させた後、濾
過して白色の沈殿を取り除き、濾液に80mLの水と120mL
のジエチルエーテルを加え、これを水、10%水酸化カリ
ウム水溶液および水を用いて順次洗浄し、無水の塩化カ
ルシウムで乾燥した。これを濾過して後、ロータリーエ
バポレータでジエチルエーテルを留去し、3.7gの5-ヨー
ド-2,2'-ビチオフェンを得た。
【0114】次に、実施例3に記述した方法で得た2-フ
ェニル-5-ヨードチオフェン結晶、583.9mg (2.04mモ
ル)と49.6mgのマグネシウムとを30mLの1口なす型フラ
スコに投入して、実施例3と同様に真空に吸引し、ヒー
トガンで穏やかに加熱して乾燥させた。これに無水のジ
エチルエーテル10mLを加えて2-フェニル-5-ヨードチオ
フェンを溶解させ、撹拌しながらグリニヤール試薬を調
整した。
【0115】全てのマグネシウムが反応したことを確認
した後、20mgの1,3-ビス(ジフェニルフォスフィノ)プ
ロパンニッケル(II)クロライドを投入し、さらにあら
かじめ上に調製し、5mLの無水のジエチルエーテルに溶
解させた5-ヨード-2,2'-ビチオフェン397.5mg(1.36mモ
ル)を投入した。
【0116】これを1昼夜撹拌して後さらに6時間、リ
フラックスさせ、次いでこれを水浴上で冷却して2規定
の塩酸1mLを加え、未反応のグリニヤール試薬をクェン
チした。生成した沈殿を濾過し、メタノールでよく洗浄
して420mgの黄色結晶(5-フェニル-2,2':5',2"-ターチ
オフェン;以下化Jという)を得た。この分子化合物は
下記の分子構造を持つ新規化合物である。
【化43】
【0117】5-フェニル-2,2':5',2"-ターチオフェン
(化J)を用いてさらに次の合成を実施した。即ち、上
に合成した5-フェニル-2,2':5',2"-ターチオフェン194.
7mg(0.6mモル)とN-ヨードこはく酸イミド(アルドリ
ッチ社製)177.6mg(0.75mモル)を20mLの塩化メチレン
に溶解させ、これに酢酸43μLを加えて氷浴上、2時間撹
拌した。これを濾過して、メタノールで十分に洗浄し、
146mg(0.32mモル)の5-フェニル-5"-ヨード-2,2':5',
2"-ターチオフェンの黄金色結晶を得た。
【0118】次いで、ビス(トリフェニルフォスフィ
ン)ニッケル(II)ジクロリド(東京化成社製)84.8mg
(0.128mモル)、テトラブチルアンモニウムヨージド
(東京化成製)478.9mg(1.28mモル)及び亜鉛粉末(和
光純薬製)169.6mg(2.56mモル)を30mLの1口なす型フ
ラスコに投入して、真空に吸引し、ヒートガンで穏やか
に加熱して乾燥させた。これに無水のテトラヒドロフラ
ン15mL(同仁化学製、核酸合成用グレード)を加え、撹
拌すると液が濃い赤褐色に変化した。
【0119】この液中に、上に得た5-フェニル-5"-ヨー
ド-2,2':5',2"-ターチオフェン結晶146mg(0.32mモル)
を固形のまま加えて100℃で約7時間加熱しながら撹拌し
た。この後、反応液を室温に冷却して2規定の塩酸3mL
を加えてよく撹拌し、反応を完結させた。これを大量の
塩化メチレンで洗浄し、20mgの赤色結晶、5,5""'-ジフ
ェニル-2,2':5',2":5",2'":5'",2"":5"",2""'-セクシチ
オフェン(化I)を得た。
【0120】図10に化Iの赤外スペクトルを示す。図
10において、1441.8cm-1のピーク及び792.5 cm-1のピ
ークは、それぞれ2,5-ジ置換チオフェン環の環伸縮振動
及びCH面外変角振動に帰属される。また、1488.0cm-1
ピークはモノ置換ベンゼン環の環伸縮振動に帰属され、
750.3 cm-1及び686.0 cm-1のピークは、同じくモノ置換
ベンゼン環のCH面外変角振動に帰属される。
【0121】また、図11に化Jの赤外スペクトルを示
す。図11において、1447.0および1424.7cm-1のピーク
はそれぞれ、2,5-ジ置換チオフェン環および2-置換チオ
フェン環の環伸縮振動に帰属される。また、1488.9cm-1
のピークはモノ置換ベンゼン環の環伸縮振動に帰属さ
れ、751.7 cm-1及び684.7 cm-1のピークは、同じくモノ
置換ベンゼン環のCH面外変角振動に帰属される。
【0122】(実施例11)本発明の第11の実施例と
して、分子両末端にビフェニリル基を有する化合物(以
下化Kという)の合成方法について説明する。この分子
化合物は下記の分子構造を持つ新規化合物である。
【化44】
【0123】この分子化合物を製造するには、2,5-ジヨ
ードチオフェン(アルドリッチ社製)335.9mg (1mモ
ル)、4-ビフェニルボロニックアシッド(ランカスター
社製)792.1mg(4mモル)およびテトラキス(トリフェニ
ルフォスフィン)パラジウム(0)(アルドリッチ社製)1
38.7mg(120μモル)を共に300mLの三角フラスコに入
れ、これにベンゼン80mLを加えて加熱、溶解させ、さら
に溶存酸素を除去する目的で30分間窒素ガスをバブルし
た。
【0124】この後、炭酸ナトリウム(和光純薬製)84
8mg(8mモル)の水溶液5mLを加えて反応器を窒素置換の
状態に保ったまま6時間リフラックスした。この後、反
応器を氷浴して反応溶液を1mLの過酸化水素水でクェン
チした。反応溶液を濾過して得られた淡黄色沈殿をメタ
ノールで十分に洗浄し、393mgの2,5-ビス(4-ビフェニリ
ル)チオフェン(化K)固体を得た。
【0125】図12に化Kの赤外スペクトルを示す。図
12において、1445.9cm-1のピーク及び800.7 cm-1のピ
ークは、それぞれ2,5-ジ置換チオフェン環の環伸縮振動
及びCH面外変角振動に帰属される。また、1484.9cm-1
び1409.0cm-1のピークは、それぞれ4-ビフェニリル基中
のモノ置換ベンゼン環及び1,4-ジ置換ベンゼン環の環伸
縮振動に帰属される。さらに、759.9cm-1及び687.1 cm
-1のピークは、同じく4-ビフェニリル基中のモノ置換ベ
ンゼン環のCH面外変角振動に帰属され、839.4 cm-1のピ
ークは、4-ビフェニリル基中の1,4-ジ置換ベンゼン環の
CH面外変角振動に帰属される。
【0126】(実施例12)本発明の第12の実施例と
して、分子両末端にビフェニリル基を有するもうひとつ
の化合物(以下化Lという)の合成方法について説明す
る。この分子化合物は下記の分子構造を持つ新規化合物
である。
【化45】
【0127】この分子化合物を製造するために、実施例
3の方法で合成した5,5"-ジヨード-2,2':5',2"-ターチオ
フェン125.0mg(0.25mモル)、4-ビフェニルボロニック
アシッド(ランカスター社製)198.0mg(1mモル)およ
びテトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム
(0)(アルドリッチ社製)34.7mg(30μモル)を共に50m
Lの三角フラスコに入れ、これに1,2,4-トリクロロベン
ゼン20mLを加えて加熱、溶解させ、さらに溶存酸素を除
去する目的で30分間窒素ガスをバブルした。
【0128】この後、炭酸ナトリウム(和光純薬製)21
2mg(2mモル)の水溶液5mLを加えて反応器を窒素置換の
状態に保ったまま80℃で1昼夜撹拌した。この後、反応
器を氷浴して反応溶液を0.5mLの過酸化水素水でクェン
チした。反応溶液を濾過して得られた黄金色沈殿をアセ
トンで十分に洗浄し、130mgの5,5"-ビス(4-ビフェニリ
ル) -2,2':5',2"-ターチオフェン(化L)固体を得た。
【0129】図13に化Lの赤外スペクトルを示す。図
13において、1442.1cm-1及び792.5 cm-1のピークは、
それぞれ2,5-ジ置換チオフェン環の環伸縮振動及びCH面
外変角振動に帰属される。また、1484.4cm-1及び1408.4
cm-1のピークは、それぞれ4-ビフェニリル基中のモノ置
換ベンゼン環及び1,4-ジ置換ベンゼン環の環伸縮振動に
帰属される。さらに、760.8cm-1及び688.7 cm-1のピー
クは、同じく4-ビフェニリル基中のモノ置換ベンゼン環
のCH面外変角振動に帰属され、835.1 cm-1のピークは、
4-ビフェニリル基中の1,4-ジ置換ベンゼン環のCH面外変
角振動に帰属される。
【0130】(実施例13)本発明の第13の実施例と
して、分子両末端にビフェニリル基を有するさらに別の
化合物(以下化Mという)の合成方法について説明す
る。この分子化合物は下記の分子構造を持つ新規化合物
である。
【化46】
【0131】この分子化合物を製造するには、実施例6
において得られた5-(4-ビフェニリル)-2,2'-ビチオフェ
ン(化G)を用いる。即ち、5-(4-ビフェニリル)-2,2'-
ビチオフェン318.5mg(1mモル)とN-ヨードこはく酸イ
ミド(アルドリッチ社製)296.0mg(1.25mモル)を50mL
の塩化メチレンに溶解させ、これに酢酸72μLを加えて
氷浴上、2時間撹拌した。生成した沈殿を濾過して、メ
タノールで十分に洗浄し、293mg(0.66mモル)の5-(4-
ビフェニリル)-5'-ヨード-2,2'-ビチオフェンの黄色結
晶を得た。
【0132】次いで、ビス(トリフェニルフォスフィ
ン)ニッケル(II)ジクロリド(東京化成社製)172.5m
g(0.264mモル)、テトラブチルアンモニウムヨージド
(東京化成製)974.2mg(2.64mモル)及び亜鉛粉末(和
光純薬製)344.9mg(5.28mモル)を30mLの1口なす型フ
ラスコに投入して、真空に吸引し、ヒートガンで穏やか
に加熱して乾燥させた。これに蒸留したテトラヒドロフ
ラン15mLを加え、撹拌すると液が濃い赤褐色に変化し
た。
【0133】この液中に、上に得た5-(4-ビフェニリル)
-5'-ヨード-2,2'-ビチオフェン結晶293mg(0.66mモル)
を固形のまま加えて80℃で約27時間加熱しながら撹拌し
た。この後、反応液を室温に冷却して2規定の塩酸6mL
を加えてよく撹拌し、反応を完結させた。これを大量の
塩化メチレンで洗浄し、120mgの橙色結晶、(5,5'"-ビ
ス(4-ビフェニリル)-2,2':5',2":5",2'"-クォータチオ
フェン;化M)を得た。
【0134】図14に化Mの赤外スペクトルを示す。図
14において、1441.4cm-1のピーク及び792.2 cm-1のピ
ークは、それぞれ2,5-ジ置換チオフェン環の環伸縮振動
及びCH面外変角振動に帰属される。また、1484.7cm-1
び1407.9cm-1のピークは、それぞれ4-ビフェニリル基中
のモノ置換ベンゼン環及び1,4-ジ置換ベンゼン環の環伸
縮振動に帰属される。さらに、759.7cm-1及び688.4 cm
-1のピークは、同じく4-ビフェニリル基中のモノ置換ベ
ンゼン環のCH面外変角振動に帰属され、833.8 cm-1のピ
ークは、4-ビフェニリル基中の1,4-ジ置換ベンゼン環の
CH面外変角振動に帰属される。
【0135】(実施例14)本発明の第14の実施例と
して、分子両末端にトリル基を有する化合物(以下化N
という)の合成方法について説明する。この分子化合物
は下記の分子構造を持つ新規化合物である。
【化47】
【0136】この分子化合物を製造するには、実施例2
の方法で合成した5,5'-ジヨード-2,2'-ビチオフェン41
8.1mg(1mモル)、4-メチルベンゼンボロニックアシッ
ド(ランカスター社製)543.8mg(4mモル) およびテトラ
キス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0)(ア
ルドリッチ社製)138.7mg(120μモル)を共に300mLの
三角フラスコに入れ、これにベンゼン80mLを加えて加
熱、溶解させ、さらに溶存酸素を除去する目的で30分間
窒素ガスをバブルした。
【0137】この後、炭酸ナトリウム(和光純薬製)84
8mg(8mモル)の水溶液5mLを加えて反応器を窒素置換の
状態に保ったまま2昼夜室温下で撹拌した。この後、反
応器を氷浴して反応溶液を1mLの過酸化水素水でクェン
チした。反応溶液を濾過して得られた黄色沈殿をメタノ
ールで十分に洗浄し、305mgの5,5'-ビス(4-トリル)-
2,2'-ビチオフェン(化N)固体を得た。
【0138】図15に化Nの赤外スペクトルを示す。図
15において、1447.9cm-1のピーク及び797.5 cm-1のピ
ークは、それぞれ2,5-ジ置換チオフェン環の環伸縮振動
及びCH面外変角振動に帰属される。また、1499.1cm-1
ピークおよび818.4 cm-1のピークは、それぞれ4-トリル
基の環伸縮振動およびCH面外変角振動に帰属される。
【0139】(実施例15)本発明の第15の実施例と
して、分子両末端にナフチル基を有する化合物(以下化
Oという)の合成方法について説明する。この分子化合
物は下記の分子構造を持つ新規化合物である。
【化48】
【0140】この分子化合物を製造するために、実施例
2の方法で合成した5,5'-ジヨード-2,2'-ビチオフェン20
9mg(0.5mモル)、2-ナフタレンボロニックアシッド
(ランカスター社製)344mg(2mモル)およびテトラ
キス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0)(ア
ルドリッチ社製)69.3mg(60μモル)を共に50mLの三角
フラスコに入れ、これにクロロベンゼン20mLを加えて加
熱、溶解させ、さらに溶存酸素を除去する目的で30分間
窒素ガスをバブルした。
【0141】この後、炭酸ナトリウム(和光純薬製)42
4mg(4mモル)の水溶液5mLを加えて反応器を窒素置換の
状態に保ったまま80°Cで6時間、撹拌した。この後、反
応器を氷浴して反応溶液を0.5mLの過酸化水素水でクェ
ンチした。反応溶液を濾過して得られた黄色沈殿をアセ
トンで十分に洗浄し、190mgの5,5'-ビス(2-ナフチル)-
2,2'-ビチオフェン(化O)固体を得た。
【0142】図16に化Oの赤外スペクトルを示す。図
16において、144.1 cm-1のピーク及び794.9 cm-1のピ
ークは、それぞれ2,5-ジ置換チオフェン環の環伸縮振動
及びCH面外変角振動に帰属される。また、1594.9cm-1
び1497.6cm-1のピークは2-ナフチル基の環伸縮振動に帰
属され、741.8 cm-1及び857.0 cm-1のピークは、同じく
2-ナフチル基のCH面外変角振動に帰属される。
【0143】(実施例16)本発明の第16の実施例と
して、分子両末端にナフチル基を有する、もう一つの化
合物(以下化Pという)の合成方法について説明する。
この分子化合物は下記の分子構造を持つ新規化合物であ
る。
【化49】
【0144】この分子化合物を製造するために、実施例
3の方法で合成した5,5"-ジヨード-2,2':5',2"-ターチオ
フェン125.0mg(0.25mモル)、2-ナフタレンボロニック
アシッド(ランカスター社製)172.0mg(1mモル)およ
びテトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム
(0)(アルドリッチ社製)34.7mg(30μモル)を共に50m
Lの三角フラスコに入れ、これに1,2,4-トリクロロベン
ゼン20mLを加えて加熱、溶解させ、さらに溶存酸素を除
去する目的で30分間窒素ガスをバブルした。
【0145】この後、炭酸ナトリウム(和光純薬製)21
2mg(2mモル)の水溶液5mLを加えて反応器を窒素置換の
状態に保ったまま80°Cで1昼夜撹拌した。この後、反
応器を氷浴して反応溶液を0.5mLの過酸化水素水でクェ
ンチした。反応溶液を濾過して得られた黄金色沈殿をア
セトンで十分に洗浄し、80mgの5,5"-ビス(2-ナフチル)
-2,2':5',2"-ターチオフェン(化P)固体を得た。
【0146】図17に化Pの赤外スペクトルを示す。図
17において、1438.5cm-1のピーク及び791.8 cm-1のピ
ークは、それぞれ2,5-ジ置換チオフェン環の環伸縮振動
及びCH面外変角振動に帰属される。また、1595.2cm-1
び1497.9cm-1のピークは2-ナフチル基の環伸縮振動に帰
属され、741.5 cm-1及び859.7 cm-1のピークは、同じく
2-ナフチル基のCH面外変角振動に帰属される。
【0147】(実施例17)以上の実施例で説明した化
合物に関して元素分析を行い、かつ融点を測定した。こ
れらの結果を表4にまとめる。
【0148】
【表4】
【0149】(実施例18)以上の実施例で説明した化
合物が発光材料として有用であることを示すために、本
実施例において、これについて説明する。
【0150】上記実施例において合成した化合物固体か
らスパチェラで固形試料を数片取り出し、試料管に入れ
て密栓した。これらの試料管に紫外ランプ(波長365n
m)を照射して試料から発せられる蛍光の色調及び輝度
を目視で観察した。結果を以下の表5にまとめる。
【0151】
【表5】
【0152】続いて、以下に本発明の分子化合物を有機
電界発光素子に応用した実施例について説明する。
【0153】(実施例19)透明なガラス基板上に透明
電極としてインジウム錫酸化物(ITO)をあらかじめ
形成したものを充分に洗浄した。真空蒸着装置内に洗浄
した基板および材料をセットし10-4Paまで排気した。そ
の後、正孔輸送層としてN,N'-ジフェニル-N,N'-ビス(3
-メチルフェニル)-1,1'-ビフェニ-4,4'-ジアミン(以
下TPDと略する)を抵抗加熱蒸着法により、50nmに製
膜した。続けて、発光層として化Bからなる厚さ50nmの
薄膜を製膜した。さらに、電極としてマグネシウム/銀
電極を蒸着して有機電界発光素子とした。
【0154】得られた素子に電圧を印加したところ、57
3nmにピークを有する黄色の均一な発光が得られた。100
cd/m2のときの効率は0.5 lm/Wであった。
【0155】(実施例20)発光層として化Cを用いた
以外は実施例19と同様にして有機電界発光素子を作製し
た。得られた素子に電圧を印加したところ、603nmにピ
ークを有する橙色の均一な発光が得られた。
【0156】(実施例21)透明なガラス基板上に透明
電極としてインジウム錫酸化物をあらかじめ形成したも
のを充分に洗浄した。真空蒸着装置内に洗浄した基板お
よび材料をセットし10-4Paまで排気した。その後、正孔
輸送層としてTPDを抵抗加熱蒸着法により50nmに製膜
した。続けて、発光層として化Bからなる厚さ25nmの薄
膜を製膜した後、電子輸送層としてトリス(8-ヒドロキ
シキノリン)アルミニウム(以下Alqと略する)を同
様に25nmに製膜した。さらに、電極としてマグネシウム
/銀電極を蒸着して有機電界発光素子とした。
【0157】得られた素子に電圧を印加したところ、57
0nmにピークを有する黄色の均一な発光が得られた。
【0158】(実施例22)発光層として化Cを用いた
以外は実施例21と同様にして有機電界発光素子を作製し
た。得られた素子に電圧を印加したところ、602nmにピ
ークを有する橙色の均一な発光が得られた。
【0159】(実施例23)透明なガラス基板上に透明
電極としてITOをあらかじめ形成したものを充分に洗
浄した。真空蒸着装置内に洗浄した基板および材料をセ
ットし10-4Paまで排気した。その後、正孔輸送層として
TPDを抵抗加熱蒸着法により50nmに製膜した。続けて
化BとAlqの混合膜を共蒸着法により25nm厚に作製
し、発光層とした。Alqに対する化Bの濃度は1mol%
とした。続いて、電子輸送層としてAlqを25nm厚に蒸
着した。さらに電極としてマグネシウム/銀電極を蒸着
して有機電界発光素子とした。
【0160】得られた素子に電圧を印加したところ、50
8nmと540nmにピークを有する緑色の均一な発光が得られ
た。100cd/m2のときの効率は2.5 lm/Wであった。この素
子を初期輝度1000cd/ m2で連続駆動したところ、輝度が
初期輝度の半分である500cd/m2になるまでの時間(以
後、輝度半減時間と呼ぶ)は100hであった。
【0161】(実施例24)発光層としてAlqと化C
の混合膜を用いた以外は実施例23と同様にして有機電界
発光素子を作製した。得られた素子に電圧を印加したと
ころ、538nmと568nmにピークを有する黄色の均一な発光
が得られた。100cd/m2のときの効率は4.0 lm/Wであっ
た。
【0162】この素子を初期輝度1000cd/ m2で連続駆動
したところ、輝度半減時間は120hであった。
【0163】(比較例)なお、比較例としてITOをあ
らかじめ形成したガラス基板上に正孔輸送層としてTP
Dを50nm、発光層兼電子輸送層としてAlqを抵抗加熱
法により50nm厚に製膜し、ついでマグネシウム/銀電極
を蒸着した有機電界発光素子を作製した。この素子に電
圧を印加したところ、530nmにピークを有する緑色の均
一な発光が得られた。100cd/m2のときの効率は1.5 lm/W
であった。この素子を初期輝度1000cd/ m2で連続駆動し
たところ、輝度半減時間は25hであった。
【0164】実施例19〜24からも分かるように、本発明
による有機電界発光素子を用いて多色化が容易に達成さ
れ、とくに他の分子化合物と複合化させることを通し
て、従来の素子に比べてより高効率で長期的に安定な動
作特性を保つ素子を容易に実現できることが明らかとな
った。
【0165】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
発光色の制御を行なうことと効率がよく、輝度の高い発
光を実現することを容易に両立させることのできる一連
の分子化合物及びそれらを用いた発光材料を提供する。
これらの分子化合物の中には、全く新規な化合物と、既
知ではあるが、上述したような発光色制御と高効率・高
輝度発光とを両立させた効果が未だ認識されていない化
合物とが存在する。
【0166】また、本発明に係る分子化合物は、いずれ
もチオフェン環とベンゼン環とが直接に結合することを
特徴とし、これらの環の個数と結合順序を変えることに
よって容易に発光色を制御し得る。この結果、これらの
分子化合物を用いた発光材料を用いて、紫から赤までの
幅広い発光を高い効率で実現することが可能になる。
【0167】したがって、化学工業及び電子工業の分野
で利用し得る新規の機能性分子化合物およびそれらを用
いた、効率がよく輝度の高い発光材料を提供することが
できるという効果が得られる。
【0168】なお、本発明では、チオフェン環およびベ
ンゼン環として、それぞれ2-置換、2,5-ジ置換および1,
4-ジ置換のもののみについて記載を進めたが、それ以外
の部位で置換したチオフェン環やベンゼン環も有効に用
い得ることは論を待たない。また、ナフタレン環とし
て、本発明で記載した2-置換以外に1-置換体も有効に用
い得る。
【0169】さらに一般的に、本発明は、異なる2種類
あるいはそれ以上の種類の芳香環(ベンゼン環、ナフタ
レン環、アントラセン環、アズレン環、フェナントレン
環、チオフェン環、ピロール環、フラン環もしくは類似
の芳香族炭化水素からなる環状化合物、複素環状化合物
など)が適宜直線状に連なった化合物およびそれらから
なる発光材料をも含むことが出来る。
【0170】また、本発明に関する分子化合物を発光材
料として用いる場合、その形態は固体では粉末や薄膜あ
るいは適当なマトリクス中に分散させた形態などが可能
である。液体においても、溶液、懸濁液などの種々の形
態が考えられる。これらいずれの場合においても、発光
材料として優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による有機発光素子の概略構成を示す断
面図である。
【図2】本発明の第1の実施例にかかる分子化合物(化
A)の赤外スペクトルを示す図である。
【図3】本発明の第2の実施例にかかる分子化合物(化
B)の赤外スペクトルを示す図である。
【図4】本発明の第3の実施例にかかる分子化合物(化
C)の赤外スペクトルを示す図である。
【図5】本発明の第4の実施例にかかる分子化合物(化
D)の赤外スペクトルを示す図である。
【図6】本発明の第4の実施例において中間体として得
られた分子化合物(化E)の赤外スペクトルを示す図で
ある。
【図7】本発明の第5の実施例にかかる分子化合物(化
F)の赤外スペクトルを示す図である。
【図8】本発明の第6の実施例にかかる分子化合物(化
G)の赤外スペクトルを示す図である。
【図9】本発明の第7の実施例にかかる分子化合物(化
H)の赤外スペクトルを示す図である。
【図10】本発明の第10の実施例にかかる分子化合物
(化I)の赤外スペクトルを示す図である。
【図11】本発明の第10の実施例において中間体とし
て得られた分子化合物(化J)の赤外スペクトルを示す
図である。
【図12】本発明の第11の実施例にかかる分子化合物
(化K)の赤外スペクトルを示す図である。
【図13】本発明の第12の実施例にかかる分子化合物
(化L)の赤外スペクトルを示す図である。
【図14】本発明の第13の実施例にかかる分子化合物
(化M)の赤外スペクトルを示す図である。
【図15】本発明の第14の実施例にかかる分子化合物
(化N)の赤外スペクトルを示す図である。
【図16】本発明の第15の実施例にかかる分子化合物
(化O)の赤外スペクトルを示す図である。
【図17】本発明の第16の実施例にかかる分子化合物
(化P)の赤外スペクトルを示す図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 陽極(透明電極) 3 正孔輸送層 4 発光層 5 電子輸送層 6 陰極(上部電極)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年5月10日(1999.5.1
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 (ここで、R1、R2は水素、アルキル基、アルケニル
基、ハロゲン基のうちのいずれか1つであり、m1、m
2、nは1またはそれより大である。ただし、n=1ま
たは2のときは、m1およびm2のうち少なくとも1つ
が2またはそれより大であり、3≦nのときは、m1、
m2は1またはそれより大である。)
【化2】 (ここで、R1、R2は水素、アルキル基、アルケニル
基、ハロゲン基のうちのいずれか1つであり、m1、m
2、nは1またはそれより大である。ただし、n=1ま
たは2のときは、m1およびm2のうち少なくとも1つ
が2またはそれより大であり、3≦nのときは、m1、
m2は1またはそれより大である。)
【化3】 (ただし、R1、R2は水素、アルキル基、アルケニル
基、ハロゲン基のうちのいずれか1つであり、且つ、
n、mは1またはそれより大である。)
【化4】 (ただし、R1、R2は水素、アルキル基、アルケニル
基、ハロゲン基のうちのいずれか1つであり、且つ、
n、mは1またはそれより大である。)
【化5】 (ただし、R1、R2は水素、アルキル基、アルケニル
基、ハロゲン基のうちのいずれか1つであり、且つ、n
は2またはそれより大である。)
【化6】 (ただし、R1、R2は水素、アルキル基、アルケニル
基、ハロゲン基のうちのいずれか1つであり、且つ、n
およびmのうち少なくとも1つが2またはそれより大で
ある。)
【化7】 (ただし、R1、R2は水素、アルキル基、アルケニル
基、ハロゲン基のうちのいずれか1つであり、且つ、
n、m1、m2はいずれも1またはそれより大であ
る。)
【化8】 (ただし、R1、R2は水素、アルキル基、アルケニル
基、ハロゲン基のうちのいずれか1つであり、且つ、
n、m1、m2はいずれも1またはそれより大であ
る。)
【化9】 (ただし、R1、R2は水素、アルキル基、アルケニル
基、ハロゲン基のうちのいずれか1つであり、且つ、
n、mはいずれも1またはそれより大である。)
【化10】 (ただし、R1、R2は水素、アルキル基、アルケニル
基、ハロゲン基のうちのいずれか1つであり、且つ、
n、mはいずれも1またはそれより大である。)
【化11】 (ただし、R1、R2は水素、アルキル基、アルケニル
基、ハロゲン基のうちのいずれか1つであり、且つ、n
は1またはそれより大である。)
【化12】 (ただし、R1、R2は水素、アルキル基、アルケニル
基、ハロゲン基のうちのいずれか1つであり、且つ、k
およびlのうち少なくとも1つが2またはそれより大で
ある。)
【化13】 (ただし、nは1またはそれより大)
【化14】 (ただし、nは1またはそれより大)
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】本発明の請求項16に記載の発明は、分子
化合物の分子構造を、
【化27】 (ただし、nは1またはそれより大)としたものであ
り、nの数に応じて種々に色調が変化し、且つ輝度がき
わめて高い光を発する発光材料を実現するという作用を
有する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】本発明の請求項19に記載の発明は、発光
材料として用いる分子化合物の分子構造を、
【化28】 (ただし、nは1またはそれより大)としたものであ
り、nの数に応じて種々に色調が変化し、且つ輝度がき
わめて高い光を発することができるという作用を有す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 玉置 敬 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術院 物質工学工業技術研究所内

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の分子構造を有する分子化合物。 【化1】 (ここで、R1、R2は水素、アルキル基、アルケニル
    基、ハロゲン基のうちのいずれか1つであり、m1、m
    2、nは1またはそれより大である。ただし、n=1ま
    たは2のときは、m1およびm2のうち少なくとも1つ
    が2またはそれより大であり、3≦nのときは、m1、
    m2は1またはそれより大である。)
  2. 【請求項2】 下記の分子構造を有する分子化合物。 【化2】 (ここで、R1、R2は水素、アルキル基、アルケニル
    基、ハロゲン基のうちのいずれか1つであり、m1、m
    2、nは1またはそれより大である。ただし、n=1ま
    たは2のときは、m1およびm2のうち少なくとも1つ
    が2またはそれより大であり、3≦nのときは、m1、
    m2は1またはそれより大である。)
  3. 【請求項3】 下記の分子構造を有する分子化合物。 【化3】 (ただし、R1、R2は水素、アルキル基、アルケニル
    基、ハロゲン基のうちのいずれか1つであり、且つ、
    n、mは1またはそれより大である。)
  4. 【請求項4】 下記の分子構造を有する分子化合物。 【化4】 (ただし、R1、R2は水素、アルキル基、アルケニル
    基、ハロゲン基のうちのいずれか1つであり、且つ、
    n、mは1またはそれより大である。)
  5. 【請求項5】 下記の分子構造を有する分子化合物。 【化5】 (ただし、R1、R2は水素、アルキル基、アルケニル
    基、ハロゲン基のうちのいずれか1つであり、且つ、n
    は2またはそれより大である。)
  6. 【請求項6】 下記の分子構造を有する分子化合物。 【化6】 (ただし、R1、R2は水素、アルキル基、アルケニル
    基、ハロゲン基のうちのいずれか1つであり、且つ、n
    およびmのうち少なくとも1つが2またはそれより大で
    ある。)
  7. 【請求項7】 チオフェン環とベンゼン環とを直接結合
    させた分子構造を有する分子化合物から成る発光材料。
  8. 【請求項8】 チオフェン環とベンゼン環の個数と結合
    順序を変えることによって発光色を制御せしめられた請
    求項7記載の発光材料。
  9. 【請求項9】 チオフェン環とベンゼン環の結合順序
    が、双方の環が交互に配列されるように設定されている
    ことを特徴とする請求項7または8記載の発光材料。
  10. 【請求項10】 下記の分子構造を有する分子化合物を
    用いた発光材料。 【化7】 (ただし、R1、R2は水素、アルキル基、アルケニル
    基、ハロゲン基のうちのいずれか1つであり、且つ、
    n、m1、m2はいずれも1またはそれより大であ
    る。)
  11. 【請求項11】 下記の分子構造を有する分子化合物を
    用いた発光材料。 【化8】 (ただし、R1、R2は水素、アルキル基、アルケニル
    基、ハロゲン基のうちのいずれか1つであり、且つ、
    n、m1、m2はいずれも1またはそれより大であ
    る。)
  12. 【請求項12】 下記の分子構造を有する分子化合物を
    用いた発光材料。 【化9】 (ただし、R1、R2は水素、アルキル基、アルケニル
    基、ハロゲン基のうちのいずれか1つであり、且つ、
    n、mはいずれも1またはそれより大である。)
  13. 【請求項13】 下記の分子構造を有する分子化合物を
    用いた発光材料。 【化10】 (ただし、R1、R2は水素、アルキル基、アルケニル
    基、ハロゲン基のうちのいずれか1つであり、且つ、
    n、mはいずれも1またはそれより大である。)
  14. 【請求項14】 下記の分子構造を有する分子化合物を
    用いた発光材料。 【化11】 (ただし、R1、R2は水素、アルキル基、アルケニル
    基、ハロゲン基のうちのいずれか1つであり、且つ、n
    は1またはそれより大である。)
  15. 【請求項15】 下記の分子構造を有する分子化合物を
    用いた発光材料。 【化12】 (ただし、R1、R2は水素、アルキル基、アルケニル
    基、ハロゲン基のうちのいずれか1つであり、且つ、k
    およびlのうち少なくとも1つが2またはそれより大で
    ある。)
  16. 【請求項16】 下記の分子構造を有する分子化合物。 【化13】 (ただし、nは1またはそれより大)
  17. 【請求項17】 チオフェン環とナフタレン環とを直接
    結合させた分子構造を有する分子化合物からなる発光材
    料。
  18. 【請求項18】 チオフェン環とナフタレン環の個数と
    結合順序を変えることによって発光色を制御せしめられ
    た請求項17記載の発光材料。
  19. 【請求項19】 下記の分子構造を有する分子化合物を
    用いた発光材料。 【化14】 (ただし、nは1またはそれより大)
  20. 【請求項20】 請求項7乃至請求項15および請求項
    17乃至請求項19に記載された発光材料を2種以上任
    意に組み合わせてなる発光材料。
  21. 【請求項21】 一対の電極に挟まれた発光層を少なく
    とも有する有機電界発光素子において、発光層が請求項
    1ないし6もしくは請求項16に記載された1つまたは
    それ以上の分子化合物を含有することを特徴とする有機
    電界発光素子。
  22. 【請求項22】 一対の電極に挟まれた発光層を少なく
    とも有する有機電界発光素子において、発光層が請求項
    1ないし6もしくは請求項16に記載された1つまたは
    それ以上の分子化合物および、これら以外の分子化合物
    からなる複合体であることを特徴とする有機電界発光素
    子。
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