JP2000025540A - 車両用前部構造 - Google Patents

車両用前部構造

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JP2000025540A JP10198513A JP19851398A JP2000025540A JP 2000025540 A JP2000025540 A JP 2000025540A JP 10198513 A JP10198513 A JP 10198513A JP 19851398 A JP19851398 A JP 19851398A JP 2000025540 A JP2000025540 A JP 2000025540A
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治久 是
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 対歩行者衝突時における歩行者保護性能と、
対車両等衝突時における衝突性能との両立を図り得るよ
うにした車両用前部構造を提案する。 【解決手段】 衝突対象を認識する衝突対象認識手段
と、衝突時における車両前部の剛性を可変とする剛性可
変手段と、車両前部の剛性を、衝突対象が歩行者である
時には該衝突対象が歩行者でない時よりも低くする制御
手段とを備える。かかる構成とすることで、衝突対象が
歩行者である場合には車両前部の剛性が低く設定され、
また、該衝突対象が歩行者でない場合には車両前部の剛
性が高く設定され、この結果、対歩行者衝突時における
歩行者保護性能と、対車両等衝突時における車両保護性
能との両立が実現される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、車両用前部構造
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両の前部は、車両の衝突時(正突時)
に車両への衝突力の入力部位となることから、衝突時に
おける車両あるいは車両装備品等の保護の観点から、該
車両前部にはバンパーが備えられている。
【0003】ところが、近年、車両においては、衝突時
における安全性に関する意識の高まりから、車両側が保
護対象であることを前提とする従来の考えを見直し、衝
突対象の保護に着目した車両衝突時の安全対策が提案さ
れている。
【0004】例えば、実開平4−16068号公報に
は、車両の衝突対象が歩行者である場合において、その
歩行者の安全性を確保するという観点から、車両前部に
配置され衝突力の入力部位となるバンパーを、従来より
も低剛性構造とし、車両と歩行者との衝突時に該歩行者
が受けるダメージを軽減する思想が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上掲公知例
の如く、予め衝突対象が歩行者であることを想定してバ
ンパーの剛性を低く設定したものにおいては、歩行者が
衝突対象となった場合には所期の目的を達成できるもの
の、衝突対象が歩行者ではなく、例えば他の車両とか構
造物であるような場合には、上記バンパーが低剛性であ
るが故に、該バンパーの本来的な機能、即ち、当該車両
における衝突性能が十分に発揮できないということにな
る。
【0006】そこで本願発明は、衝突対象が歩行者であ
る場合における歩行者の保護性能と衝突対象が歩行者以
外である場合における車両の衝突性能との両立を図り得
るようにした車両用前部構造を提案することを目的とし
てなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明ではかかる課題
を解決するための具体的手段として次のような構成を採
用している。
【0008】本願の第1の発明では、車両前部への衝突
対象が歩行者か否かを認識する衝突対象認識手段と、衝
突時における車両前部の剛性を可変とする剛性可変手段
と、車両前部の剛性を、衝突対象が歩行者である時には
該衝突対象が歩行者でない時よりも低くするように上記
剛性可変手段を衝突対象に対応して制御する制御手段と
を備えたことを特徴としている。
【0009】本願の第2の発明では、上記第1の発明に
かかる車両用前部構造において、上記車両前部がバンパ
ーであって、該バンパーをその前面側を形成するととも
に車両側に固定されたバンパーアウターと該バンパーア
ウターよりも車両後方側に配置されて該バンパーアウタ
ーに対して接離可能とされたバンパーインナとで構成す
るとともに、上記剛性可変手段を、上記バンパーインナ
を上記バンパーアウターから車両後方側に離間した第1
位置に設定することで衝突時における上記バンパーの剛
性を低くする一方、上記バンパーインナを上記バンパー
アウターに当接又は近接する第2位置に設定することで
上記バンパーの剛性を高くするように構成したことを特
徴としている。
【0010】本願の第3の発明では、上記第2の発明に
かかる車両用前部構造において、上記バンパーインナ
を、通常時には上記第2位置に設定保持することを特徴
としている。
【0011】本願の第4の発明では、上記第2の発明に
かかる車両用前部構造において、上記車両前部がバンパ
ーであって、上記剛性可変手段を、上記バンパーにかか
る衝突力を受けて縮小変位するとともにその変位速度が
可変とされた可変ダンパーで構成し、衝突対象が歩行者
である時には上記変位速度を大きくすることで上記バン
パーの剛性を低くし、衝突対象が歩行者でない時には上
記変位速度を小さくすることで上記バンパーの剛性を高
くすることを特徴としている。
【0012】本願の第5の発明では、上記第1の発明に
かかる車両用前部構造において、上記車両前部がバンパ
ーであって、上記剛性可変手段を、上記バンパーにかか
る衝突力を車両側部材に伝達せしめる第1設定位置と、
上記衝突力の車両側部材への伝達を回避させる第2設定
位置の間で変位可能とし、衝突対象が歩行者でない時に
は上記第1設定位置に、衝突対象が歩行者である時には
上記第2設定位置に、選択的に設定することを特徴とし
ている。
【0013】
【発明の効果】本願発明ではかかる構成とすることによ
り次のような効果が得られる。
【0014】 本願の第1の発明にかかる車両用前部
構造によれば、車両前部への衝突対象に対応して、該衝
突対象が歩行者である場合には車両前部の剛性(即ち、
衝突力の入力部位の剛性)が低く設定され、また、該衝
突対象が歩行者でない場合(例えば、他の車両等である
場合)には車両前部の剛性が高く設定される。このた
め、衝突対象が歩行者であって該歩行者を衝突の衝撃か
ら保護する必要がある場合には、車両前部の剛性が低く
設定されこれが潰れ変形し易い状態であることから、例
え歩行者が車両前部に衝突したとしても該歩行者が実際
に車両前部から受ける衝撃力は小さく、該歩行者の保護
が図られることになる。これに対して、衝突対象が歩行
者でない場合には、車両前部の剛性が高く設定され潰れ
変形しにくい状態であることから、例え車両前部が他の
車両等に衝突したとしても、当該車両側における衝突性
能が良好に維持され、当該車両等の保護が図られるもの
である。
【0015】従って、この発明にかかる車両用前部構造
によれば、衝突対象が歩行者であっても歩行者以外のも
のであっても、その衝突対象に応じて車両前部の剛性が
設定されることで、対歩行者衝突時における歩行者保護
性能と、対車両等衝突時における車両保護性能との両立
が実現され、例えばこれら両性能のいずれか一方に重点
をおいた従来の安全対策に比して、車両の安全性能が一
段と向上するものである。
【0016】 本願の第2の発明にかかる車両用前部
構造によれば、上記車両前部がバンパーであって、該バ
ンパーをその前面側を形成するとともに車両側に固定さ
れたバンパーアウターと該バンパーアウターよりも車両
後方側に配置されて該バンパーアウターに対して接離可
能とされたバンパーインナとで構成するとともに、上記
剛性可変手段を、上記バンパーインナを上記バンパーア
ウターから車両後方側に離間した第1位置に設定するこ
とで衝突時における上記バンパーの剛性を低くする一
方、上記バンパーインナを上記バンパーアウターに当接
又は近接する第2位置に設定することで上記バンパーの
剛性を高くするように構成している。このため、衝突対
象が歩行者である場合には上記バンパーインナが第1位
置に設定されて上記バンパーの剛性が低くなる一方、衝
突対象が歩行者以外の他の車両等である場合には、上記
バンパーインナが第2位置に設定されて上記バンパーの
剛性が高くなる。この結果、上記第1の発明にかかる車
両用前部構造の場合と同様に、対歩行者衝突時における
歩行者保護性能と、対車両等衝突時における車両保護性
能との両立が実現されるものである。
【0017】 本願の第3の発明にかかる車両用前部
構造によれば、上記に記載の効果が得られるのに加え
て、次のような特有の効果が奏せられる。即ち、この発
明にかかる車両用前部構造では、上記バンパーインナ
を、通常時には上記第2位置に設定保持するようにして
いるので、衝突対象が歩行者であって上記バンパーイン
ナが第2位置から第1位置へ変更される場合、上記バン
パーインナの変位方向は、衝突により上記バンパーにか
かる衝突力の作用方向と同方向となり、衝突初期に上記
バンパーインナの変位力が衝突力に加重されることが確
実に防止され、それだけ上記歩行者の保護性能が高めら
れるものである。
【0018】 本願の第4の発明にかかる車両用前部
構造によれば、上記第1の発明にかかる車両用前部構造
において、上記車両前部がバンパーであって、上記剛性
可変手段を、上記バンパーにかかる衝突力を受けて縮小
変位するとともにその変位速度が可変とされた可変ダン
パーで構成し、衝突対象が歩行者である時には上記変位
速度を大きくすることで上記バンパーの剛性を低くし、
衝突対象が歩行者でない時には上記変位速度を小さくす
ることで上記バンパーの剛性を高くするようにしてい
る。このため、衝突対象が歩行者である場合には上記バ
ンパーの剛性が低くされる一方、衝突対象が歩行者以外
の他の車両等である場合には上記バンパーの剛性が高く
され、この結果、上記第1の発明にかかる車両用前部構
造の場合と同様に、対歩行者衝突時における歩行者保護
性能と、対車両等衝突時における車両保護性能との両立
が実現されるものである。
【0019】 本願の第5の発明にかかる車両用前部
構造によれば、上記第1の発明にかかる車両用前部構造
において、上記車両前部がバンパーであって、上記剛性
可変手段を、上記バンパーにかかる衝突力を車両側部材
に伝達せしめる第1設定位置と、上記衝突力の車両側部
材への伝達を回避させる第2設定位置の間で変位可能と
し、衝突対象が歩行者でない時には上記第1設定位置
に、衝突対象が歩行者である時には上記第2設定位置
に、選択的に設定するようにしている。このため、衝突
対象が歩行者であって該歩行者を衝突の衝撃から保護す
る必要がある場合には、上記剛性可変手段が第2設定位
置に設定されて車両側部材による衝突力の支持剛性が低
下し、それだけ上記バンパーにおける衝撃吸収作用が高
められることで歩行者の良好な保護性能が確保される。
これに対して、衝突対象が歩行者以外である場合には、
上記剛性可変手段が第1設定位置に設定されて車両側部
材による衝突力の支持剛性が高められることで、上記バ
ンパーによる高い衝突性能が確保される。これらの相乗
作用として、対歩行者衝突時における歩行者保護性能
と、対車両等衝突時における車両保護性能との両立が実
現されるものである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本願発明を好適な実施形態
に基づいて具体的に説明する。
【0021】第1の実施形態 図1には、本願発明の第1の実施形態にかかる前部構造
を備えた車両1が示されている。上記車両1は、その前
部1aに後述のバンパー2を備えている。
【0022】上記バンパー2は、図2〜図5に示すよう
に、該バンパー2の前面側を形成するバンパーアウター
11と、該バンパーアウター11の内面側、即ち、車両
後方側に配置されたバンパーインナ12とからなる分割
構造とされている。
【0023】上記バンパーアウター11は、車両後方側
に開口する略「コ」字状の断面形状をもち、且つ車幅方
向の全長に跨がる長さをもつ構造体であって、その長さ
方向の両端寄り位置が、それぞれ支持材5,5を介して
上記車両1側のサイドフレーム3,3(特許請求の範囲
中の「車両側部材」に該当する)の前面側に延出状態で
支持されることで上記車両1側に固定されている。
【0024】上記バンパーインナ12は、上記バンパー
アウター11の内面側に密接状態で嵌合可能な略「コ」
字状の断面形状を有するとともに、上記バンパーアウタ
ー11を支持する上記左右一対の支持材5,5間に配置
可能な長さをもつ構造体で構成される。そして、このバ
ンパーインナ12は、その長さ方向の両端部にそれぞれ
設けられた次述する左右一対の駆動アクチュエータ6,
6により上記サイドフレーム3,3の前面側に、進退可
能に取り付けられている。
【0025】上記駆動アクチュエータ6は、特許請求の
範囲中の「剛性可変手段」に該当するものであって、上
記バンパーインナ12を上記バンパーアウター11に接
離する如く車両前後方向に進退駆動する、例えば油圧式
のシリンダ機構で構成される。そして、上記バンパーイ
ンナ12は、上記駆動アクチュエータ6の伸縮状態にお
いては、図2及び図4に示すように、上記バンパーアウ
ター11の内面から車両後方側へ所定距離だけ離間した
位置で位置保持される(以下、この時のバンパーインナ
12の位置を「第1位置」という)。一方、上記駆動ア
クチュエータ6の伸長状態では、図3及び図5に示すよ
うに、上記バンパーインナ12は、上記バンパーアウタ
ー11側に前進され、該バンパーアウター11の内面側
に略密接嵌合した位置で保持される(以下、この時のバ
ンパーインナ12の位置を「第2位置」という)。尚、
この駆動アクチュエータ6の作動は、後述するコントロ
ールユニット20からの制御信号に基づいて制御され
る。また、上記駆動アクチュエータ6の「第1位置」又
は「第2位置」での位置保持は、油圧系の方向制御弁
(図示省略)の弁位置の保持によって実現される。
【0026】一方、上記車両1には、該車両1の衝突の
可能性を判断し且つその可能性の有無に応じて上記駆動
アクチュエータ6,6の作動を制御するために、図1に
示すように、車両前方の障害物を画像情報として取り込
むためのカメラ21と、当該車両1とその前方の障害物
との距離を計測するための超音波センサ22とが備えら
れている。
【0027】上記コントロールユニット20は、図6に
示すように、衝突時に上記駆動アクチュエータ6と共
に、後述するようにブレーキアクチュエータ23と操舵
アクチュエータ24をも同時に制御するためのものであ
って、上記カメラ21からの画像信号と上記超音波セン
サ22からの距離信号とが入力される。そして、該コン
トロールユニット20では、かかる入力信号を受けて、
上記各アクチュエータ6,23,24の作動を制御す
る。以下、このコントロールユニット20による具体的
な制御を、図7に示すフローチャートと共に、図2〜図
5を参照して説明する。
【0028】図5のフローチャートにおいて、制御開始
後、先ずステップS1において上記カメラ21から上記
車両1の前方側の状態を画像信号として取り込むと共
に、ステップS2においてはその入力画像を分析して、
現時点において車両1の前方側に障害物が存在している
かどうか、また障害物が存在している場合にはこの障害
物が歩行者であるのか、歩行者以外の物、例えば他の車
両とか定置の構造物等であるのかを判定する。さらに、
ステップS3においては、上記超音波センサ22で上記
車両1とその前方の障害物との距離を測定する。
【0029】そして、ステップS4においては、車両1
の前方の障害物の有無と、該障害物までの距離とに基づ
いて、衝突可能性、即ち、現在の車速及び進行方向がそ
のまま継続されるとした場合において車両1の障害物へ
の衝突の可能性の度合いを演算にて求める。
【0030】次に、ステップS5において、衝突可能性
が予め設定した第1所定値よりも大きいかどうかを判定
する。尚、この実施形態においては、この衝突可能性の
判断基準となる所定値として、上記第1所定値の外に、
後述する第2所定値(第2所定値>第1所定値)を設定
している(ステップS7参照)。そして、上記第1所定
値は、これを下回る時は現在の車速でそのまま進行して
も衝突可能性はほとんど無いが、不意の衝突状況の発生
(例えば、不意に横道から歩行者が飛び出してくるよう
な状況)に備えるべき場合を示し、これを上回る時は現
在の状況下において衝突可能性はあるものの制動操作と
操舵操作によって衝突を回避できるような場合を示す。
また、上記第2所定値は、これを下回る時は、事前の制
動制御と操舵制御とにより直面する衝突の可能性は無く
なったものの、不意の衝突状況の発生(例えば、不意に
横道から歩行者が飛び出してくるような状況)に備える
べき場合を示し、これを上回る時は最早、事前の制動操
作と操舵操作によっては衝突を回避できない場合を示
す。
【0031】従って、ステップS5での判定の結果、衝
突可能性が第1所定値よりも低いと判断された場合に
は、現在の運転状態をそのまま継続しても障害物との衝
突の可能性はほとんど無い場合であるので、そのままス
テップS10に移行し、上記バンパー2のバンパーイン
ナ12を「第2位置」に設定し且つこれを保持する。こ
のように上記バンパーインナ12が「第2位置」に設定
されることで、該バンパーインナ12と上記バンパーア
ウター11とが一体化され、上記バンパー2全体として
の剛性が高められており、不意の衝突状況の発生に備え
ることができ、しかも衝突対象が歩行者以外の他の車両
等であってもこれに対処できる状態となっている。
【0032】一方、ステップS5において、衝突可能性
が第1所定値よりも高いと判断された場合には、さらに
ステップS6において、障害物との衝突を回避すべく、
上記ブレーキアクチュエータ23による自動ブレーキ制
御と操舵アクチュエータ24による操舵制御とが実行さ
れ、これにより直面する衝突が回避される。
【0033】次に、ステップS7においては、一応、事
前の自動ブレーキ制御と操舵制御との実行により先の衝
突は回避されたものの、その後の車両1の進行に伴い、
あるいは不意の歩行者の飛び出し等によって、上記第1
所定値よりもさらに緊急度の高い衝突可能性が生じたか
どうかが判断される。ここで、衝突可能性が第2所定値
よりも低いと判断された場合、即ち、依然として直面す
る衝突の可能性は無いと判断される場合には、そのまま
ステップS10に移行し、上記バンパー2のバンパーイ
ンナ12を「第2位置」に設定し且つこれを保持し、以
後の不意の衝突状況の発生に備える。
【0034】一方、衝突可能性が第2所定値よりも高い
と判断された場合には、次にステップS8において、衝
突対象の判定を行う。即ち、衝突対象が、衝突により大
きなダメージを受け易い者、例えば、歩行者とか二輪車
であるかどうかを判定する。ここで、衝突対象が歩行者
とか二輪車以外、例えば他の車両とか定置構造物等であ
ると判定された場合には、車両1の衝突性能を重視し、
バンパーインナ12を「第2位置」に設定する(ステッ
プS20)。従って、上記バンパー2の剛性が、上記バ
ンパーアウター11とバンパーインナ12との一体化に
よって高められているので、上記車両1の前部に他の車
両等が衝突してもこれに対して十分な衝突性能を発揮で
きる。
【0035】これに対して、衝突対象が歩行者あるいは
二輪車であると判定された場合には、これら交通弱者の
保護性能を確保すべく、ステップS9において、上記バ
ンパーインナ12を「第1位置」に設定する。このよう
に、上記バンパーインナ12を「第1位置」に設定する
ことで、該バンパーインナ12は上記バンパーアウター
11との一体化状態から後退し、該バンパーアウター1
1と別体化される。従って、上記バンパー2はその剛性
が低下し、例え該バンパー2に歩行者等が衝突したとし
ても、上記バンパーアウター11が比較的容易に潰れ変
形し衝突力が効果的に吸収されることで、歩行者等に与
えるダメージが軽減され、それだけ歩行者等の高い保護
性能が実現されるものである。
【0036】しかも、この場合、上記バンパー2におい
ては、上記バンパーインナ12が、上記バンパーアウタ
ー11と一体化された「第1位置」から後退して「第2
位置」に設定されることで、該バンパーインナ12の変
位方向と衝突力の入力方向が同方向とされる。この結
果、衝突初期に上記バンパーインナ12の変位力が衝突
力に加重されることが確実に防止され、それだけ上記歩
行者の保護性能がより一層確実となるものである。
【0037】以上のように、この実施形態の車両用前部
構造によれば、衝突対象が歩行者等であっても歩行者等
以外のものであっても、その衝突対象に応じて上記バン
パー2の剛性が変更設定されることで、対歩行者衝突時
における歩行者保護性能と、対車両等衝突時における車
両保護性能との両立が実現され、例えばこれら両性能の
いずれか一方に重点をおいた従来の安全対策に比して、
車両の安全性能が一段と向上するものである。
【0038】第2の実施形態 図8には、本願発明の第2の実施形態にかかる前部構造
を備えた車両の前部を示しており、同図において符号2
は略「コ」字状の断面形状をもつ一体型のバンパー、3
は車両側のサイドフレーム、4は上記バンパー2の内面
側にこれと一体的に配置されたレインフォースメントで
ある。そして、上記バンパー2は、上記レインフォース
メント4の両端部をそれぞれ支持材5,5を介して上記
各サイドフレーム3,3の先端に固定支持されている。
尚、上記支持材5は、上記バンパー2への衝突力の入力
によって容易に潰れ変形を生じるような比較的低剛性構
造とされている。
【0039】一方、上記バンパー2のレインフォースメ
ント4と上記一対のサイドフレーム3,3との間には、
次述の可変ダンパー7が配置されている(尚、この可変
ダンパー7の車両1への配置状態については図1を参
照)。この可変ダンパー7は、特許請求の範囲中の「剛
性可変手段」に該当するものであって、例えば、絞り用
のオリフィス(図示省略)を内蔵した液封シリンダで構
成されるものであって、該オリフィスの開度(絞り量)
に応じてその作動速度が変更可能とされる。そして、上
記オリフィスの開度が拡大する程、その可変ダンパー7
の作動速度が上昇し、該可変ダンパー7により支持され
た上記バンパー2にかかる衝突力に対する吸収性能が高
められるものである。即ち、上記オリフィスの開度が拡
大する程、上記バンパー2の剛性が低下するものであ
る。
【0040】尚、上記オリフィスの開度制御(即ち、上
記可変ダンパー7の作動速度制御)は、後述のように、
車両1の衝突の可能性の有無とか衝突対象に対応して行
われるものであって、具体的には、図9に示すように、
コントロールユニット20からの制御信号に基づいて実
行される。
【0041】上記コントロールユニット20は、図10
に示すように、衝突時に、上記可変ダンパー7の作動速
度制御と共に、ブレーキアクチュエータ23と操舵アク
チュエータ24をも同時に制御するためのものであっ
て、上記カメラ21からの画像信号と上記超音波センサ
22からの距離信号とが入力される。そして、該コント
ロールユニット20では、かかる入力信号を受けて、上
記可変ダンパー7と上記各アクチュエータ23,24の
作動を制御する。以下、このコントロールユニット20
による具体的な制御を、図10に示すフローチャートに
基づいて説明する。
【0042】図10のフローチャートにおいて、制御開
始後、先ずステップS21において上記カメラ21から
上記車両1の前方側の状態を画像信号として取り込むと
共に、ステップS22においてはその入力画像を分析し
て、現時点において車両1の前方側に障害物が存在して
いるかどうか、また障害物が存在している場合にはこの
障害物が歩行者であるのか、歩行者以外の物、例えば他
の車両とか定置の構造物等であるのかを判定する。さら
に、ステップS23においては、上記超音波センサ22
で上記車両1とその前方の障害物との距離を測定する。
【0043】そして、ステップS24においては、車両
1の前方の障害物の有無と、該障害物までの距離とに基
づいて、衝突可能性、即ち、現在の車速及び進行方向が
そのまま継続されるとした場合において車両1の障害物
への衝突の可能性の度合いを演算にて求める。
【0044】次に、ステップS25において、衝突可能
性が予め設定した第1所定値よりも大きいかどうかを判
定する。尚、この第1所定値及び次述の第2所定値の意
味は、上記第1の実施形態の場合と同様であるので、当
該説明を援用することで、ここでの説明は省略する。
【0045】このステップS25での判定の結果、衝突
可能性が第1所定値よりも低いと判断された場合には、
現在の運転状態をそのまま継続しても障害物との衝突の
可能性はほとんど無い場合であるので、そのままステッ
プS30に移行し、上記可変ダンパー7のオリフィスを
縮小させ、該可変ダンパー7の作動速度を低下させるこ
とで上記バンパー2の剛性を高める。この結果、上記バ
ンパー2は、不意の衝突状況の発生に備えることがで
き、しかも衝突対象が歩行者以外の他の車両等であって
もこれに対処できる状態となっている。
【0046】一方、ステップS25において、衝突可能
性が第1所定値よりも高いと判断された場合には、さら
にステップS26において、障害物との衝突を回避すべ
く、上記ブレーキアクチュエータ23による自動ブレー
キ制御と操舵アクチュエータ24による操舵制御とが実
行され、これにより直面する衝突が回避される。
【0047】次に、ステップS27においては、一応、
事前の自動ブレーキ制御と操舵制御との実行により先の
衝突は回避されたものの、その後の車両1の進行に伴
い、あるいは不意の歩行者の飛び出し等によって、上記
第1所定値よりもさらに緊急度の高い衝突可能性が生じ
たかどうかが判断される。ここで、衝突可能性が第2所
定値よりも低いと判断された場合、即ち、依然として直
面する衝突の可能性は無いと判断される場合には、その
ままステップS30に移行し、上記可変ダンパー7のオ
リフィスを縮小させて上記バンパー2の剛性を高め、以
後の不意の衝突状況の発生に備える。
【0048】一方、衝突可能性が第2所定値よりも高い
と判断された場合には、次にステップS28において、
衝突対象の判定を行う。即ち、衝突対象が、衝突により
大きなダメージを受け易い者、例えば、歩行者とか二輪
車であるかどうかを判定する。ここで、衝突対象が歩行
者とか二輪車以外、例えば他の車両とか定置構造物等で
あると判定された場合には、車両1の衝突性能を重視
し、上記可変ダンパー7のオリフィスを縮小させる(ス
テップS30)。従って、上記バンパー2は高剛性に設
定されるので、上記車両1の前部に他の車両等が衝突し
てもこれに対して十分な衝突性能を発揮できる。
【0049】これに対して、衝突対象が歩行者あるいは
二輪車であると判定された場合には、これら交通弱者の
保護性能を確保すべく、ステップS29において、上記
可変ダンパー7のオリフィスを拡大し、上記バンパー2
を低剛性に設定する。この結果、例え上記バンパー2に
歩行者等が衝突したとしても、該バンパー2は比較的容
易に車両後方側へ変位し、該バンパー2にかかる衝突力
を効果的に吸収することから、歩行者等に与えるダメー
ジが軽減され、それだけ歩行者等の高い保護性能が実現
されるものである。
【0050】以上のように、この実施形態の車両用前部
構造によれば、衝突対象が歩行者等であっても歩行者等
以外のものであっても、その衝突対象に応じて上記バン
パー2の剛性が上記可変ダンパー7のオリフィス制御を
介して変更設定されることで、対歩行者衝突時における
歩行者保護性能と、対車両等衝突時における車両保護性
能との両立が実現され、例えばこれら両性能のいずれか
一方に重点をおいた従来の安全対策に比して、車両の安
全性能が一段と向上するものである。
【0051】第3の実施形態 図11には、本願発明の第3の実施形態にかかる前部構
造を備えた車両の前部を示しており、同図において符号
2は略「コ」字状の断面形状をもつ一体型のバンパー、
3は車両側のサイドフレーム、4は上記バンパー2の内
面側にこれと一体的に配置されたレインフォースメント
である。そして、上記バンパー2は、上記レインフォー
スメント4の両端部をそれぞれ支持材5,5を介して上
記各サイドフレーム3,3の先端に固定支持されてい
る。尚、上記支持材5は、上記バンパー2への衝突力の
入力によって容易に潰れ変形を生じるような比較的低剛
性構造とされている。
【0052】一方、上記バンパー2のレインフォースメ
ント4と上記一対のサイドフレーム3,3との間には、
回動アクチュエータ9により回動駆動される次述のスト
ッパー8が配置されている(尚、このストッパー8の車
両1への配置状態については図1を参照)。このストッ
パー8は、上記回動アクチュエータ9と共に特許請求の
範囲中の「剛性可変手段」を構成するものであって、そ
の一端が支点軸10により上記レインフォースメント4
側に回動自在に支持されている。そして、このストッパ
ー8は、図11に実線図示するように、上記支点軸10
から上記サイドフレーム3側に延出してその他端が該サ
イドフレーム3の先端面に近接対向する「第1設定位
置」と、同図に鎖線図示(符号8′参照)するように上
記支点軸10から車幅方向内側に傾斜延出してその他端
が上記サイドフレーム3の先端面から外れた「第2設定
位置」との間で選択的に位置設定可能とされる。
【0053】そして、上記ストッパー8が「第1設定位
置」に設定された状態では、衝突により上記バンパー2
に衝突力が入力された場合、該衝突力の一部が上記スト
ッパー8によって支持され、それだけ上記支持材5に入
力される衝突力が減じることで該支持材5の潰れ変形が
比較的生じにくくなる。即ち、上記バンパー2は、衝突
時における剛性が高く設定される。
【0054】これに対して、上記ストッパー8が「第2
設定位置」に設定された状態では、衝突により上記バン
パー2に衝突力が入力された場合、上記ストッパー8は
この衝突力に対して何ら支持作用を発揮せず、該衝突力
の全てが上記支持材5側に入力され且つ支持される。従
って、該支持材5は、上記衝突力の入力によって比較的
容易に潰れ変形を生じることになる。即ち、上記バンパ
ー2は、衝突時における剛性が低く設定され、衝突力に
対して高い吸収作用を発揮することになる。
【0055】尚、上記ストッパー8の位置設定制御は、
後述のように、車両1の衝突の可能性の有無とか衝突対
象に対応して行われるものであって、具体的には、図1
2に示すように、コントロールユニット20からの制御
信号に基づいて実行される。
【0056】上記コントロールユニット20は、図12
に示すように、衝突時に、上記回動アクチュエータ9に
よる上記ストッパー8の位置設定制御と共に、ブレーキ
アクチュエータ23と操舵アクチュエータ24をも同時
に制御するためのものであって、上記カメラ21からの
画像信号と上記超音波センサ22からの距離信号とが入
力される。そして、該コントロールユニット20では、
かかる入力信号を受けて、上記回動アクチュエータ9と
上記各アクチュエータ23,24の作動を制御する。以
下、このコントロールユニット20による具体的な制御
を、図13に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0057】図13のフローチャートにおいて、制御開
始後、先ずステップS31において上記カメラ21から
上記車両1の前方側の状態を画像信号として取り込むと
共に、ステップS32においてはその入力画像を分析し
て、現時点において車両1の前方側に障害物が存在して
いるかどうか、また障害物が存在している場合にはこの
障害物が歩行者であるのか、歩行者以外の物、例えば他
の車両とか定置の構造物等であるのかを判定する。さら
に、ステップS33においては、上記超音波センサ22
で上記車両1とその前方の障害物との距離を測定する。
【0058】そして、ステップS34においては、車両
1の前方の障害物の有無と、該障害物までの距離とに基
づいて、衝突可能性、即ち、現在の車速及び進行方向が
そのまま継続されるとした場合において車両1の障害物
への衝突の可能性の度合いを演算にて求める。
【0059】次に、ステップS35において、衝突可能
性が予め設定した第1所定値よりも高いかどうかを判定
する。尚、この第1所定値及び次述の第2所定値の意味
は、上記第1の実施形態の場合と同様であるので、当該
説明を援用することで、ここでの説明は省略する。
【0060】このステップS35での判定の結果、衝突
可能性が第1所定値よりも低いと判断された場合には、
現在の運転状態をそのまま継続しても障害物との衝突の
可能性はほとんど無い場合であるので、そのままステッ
プS40に移行し、上記上記回動アクチュエータ9をし
て上記ストッパー8を「第1設定位置」に設定し、上記
バンパー2の剛性を高める。この結果、上記バンパー2
は、不意の衝突状況の発生に備えることができ、しかも
衝突対象が歩行者以外の他の車両等であってもこれに対
処できる状態となっている。
【0061】一方、ステップS35において、衝突可能
性が第1所定値よりも高いと判断された場合には、さら
にステップS36において、障害物との衝突を回避すべ
く、上記ブレーキアクチュエータ23による自動ブレー
キ制御と操舵アクチュエータ24による操舵制御とが実
行され、これにより直面する衝突が回避される。
【0062】次に、ステップS37においては、一応、
事前の自動ブレーキ制御と操舵制御との実行により先の
衝突は回避されたものの、その後の車両1の進行に伴
い、あるいは不意の歩行者の飛び出し等によって、上記
第1所定値よりもさらに緊急度の高い衝突可能性が生じ
たかどうかが判断される。ここで、衝突可能性が第2所
定値よりも低いと判断された場合、即ち、依然として直
面する衝突の可能性は無いと判断される場合には、その
ままステップS40に移行し、上記回動アクチュエータ
9をして上記ストッパー8を「第1設定位置」に設定
し、上記バンパー2の剛性を高めて以後の不意の衝突状
況の発生に備える。
【0063】一方、衝突可能性が第2所定値よりも高い
と判断された場合には、次にステップS38において、
衝突対象の判定を行う。即ち、衝突対象が、衝突により
大きなダメージを受け易い者、例えば、歩行者とか二輪
車であるかどうかを判定する。ここで、衝突対象が歩行
者とか二輪車以外、例えば他の車両とか定置構造物等で
あると判定された場合には、車両1の衝突性能を重視
し、上記回動アクチュエータ9をして上記ストッパー8
を「第1設定位置」に設定する(ステップS40)。こ
の結果、上記バンパー2は高剛性に設定されるので、上
記車両1の前部に他の車両等が衝突してもこれに対して
十分な衝突性能を発揮できる。
【0064】これに対して、衝突対象が歩行者あるいは
二輪車であると判定された場合には、これら交通弱者の
保護性能を確保すべく、ステップS39において、上記
回動アクチュエータ9をして上記ストッパー8を「第2
設定位置」に設定し、上記バンパー2を低剛性とする。
この結果、例え上記バンパー2に歩行者等が衝突したと
しても、該バンパー2は比較的容易に車両後方側へ変位
し、該バンパー2にかかる衝突力を効果的に吸収するこ
とから、歩行者等に与えるダメージが軽減され、それだ
け歩行者等の高い保護性能が実現されるものである。
【0065】以上のように、この実施形態の車両用前部
構造によれば、衝突対象が歩行者等であっても歩行者等
以外のものであっても、その衝突対象に応じて上記バン
パー2の剛性が上記ストッパー8の位置制御により変更
設定されることで、対歩行者衝突時における歩行者保護
性能と、対車両等衝突時における車両保護性能との両立
が実現され、例えばこれら両性能のいずれか一方に重点
をおいた従来の安全対策に比して、車両の安全性能が一
段と向上するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1の実施形態にかかる前部構造を
備えた車両の斜視図である。
【図2】図1に示したバンパー部分の横断面図である。
【図3】図2の状態変化図である。
【図4】図2のIV−IV断面図である。
【図5】図2のV−V断面図である。
【図6】制御ブロック図である。
【図7】制御フローチャート図である。
【図8】本願発明の第2の実施形態にかかる前部構造を
示す要部断面図である。
【図9】制御ブロック図である。
【図10】制御フローチャート図である。
【図11】本願発明の第3の実施形態にかかる前部構造
を示す要部断面図である。
【図12】制御ブロック図である。
【図13】制御フローチャート図である。
【符号の説明】
1は車両、2はバンパー、3はサイドフレーム、4はレ
インフォースメント、5は支持材、6は駆動アクチュエ
ータ、7は可変ダンパー、8はストッパー、9は回動ア
クチュエータ、10は支点軸、11はバンパーアウタ
ー,12はバンパーインナ、20はコントロールユニッ
ト、21はカメラ、22は超音波センサ、23はブレー
キアクチュエータ、24は操舵アクチュエータである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両前部への衝突対象が歩行者か否かを
    認識する衝突対象認識手段と、衝突時における車両前部
    の剛性を可変とする剛性可変手段と、車両前部の剛性
    を、衝突対象が歩行者である時には該衝突対象が歩行者
    でない時よりも低くするように上記剛性可変手段を衝突
    対象に対応して制御する制御手段とを備えたことを特徴
    とする車両用前部構造。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記車両前部がバンパーであって、該バンパーはその前
    面側を形成するとともに車両側に固定されたバンパーア
    ウターと該バンパーアウターよりも車両後方側に配置さ
    れて該バンパーアウターに対して接離可能とされたバン
    パーインナとを備える一方、 上記剛性可変手段は、上記バンパーインナを上記バンパ
    ーアウターから車両後方側に離間した第1位置に設定す
    ることで衝突時における上記バンパーの剛性を低くする
    一方、上記バンパーインナを上記バンパーアウターに当
    接又は近接する第2位置に設定することで上記バンパー
    の剛性を高くするように構成されていることを特徴とす
    る車両用前部構造。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 上記バンパーインナが、通常時には上記第2位置に設定
    保持されることを特徴とする車両用前部構造。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 上記車両前部がバンパーであって、 上記剛性可変手段は、上記バンパーにかかる衝突力を受
    けて縮小変位するとともにその変位速度が可変とされた
    可変ダンパーで構成され、 衝突対象が歩行者である時には上記変位速度を大きくす
    ることで上記バンパーの剛性を低くし、衝突対象が歩行
    者でない時には上記変位速度を小さくすることで上記バ
    ンパーの剛性を高くすることを特徴とする車両用前部構
    造。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 上記車両前部がバンパーであって、 上記剛性可変手段は、上記バンパーにかかる衝突力を車
    両側部材に伝達せしめる第1設定位置と、上記衝突力の
    車両側部材への伝達を回避させる第2設定位置の間で変
    位可能とされ、 衝突対象が歩行者でない時には上記第1設定位置に、衝
    突対象が歩行者である時には上記第2設定位置に、選択
    的に設定されることを特徴とする車両用前部構造。
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