JP2000023612A - 電池式殺虫剤蒸散装置および殺虫剤蒸散方法 - Google Patents

電池式殺虫剤蒸散装置および殺虫剤蒸散方法

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JP2000023612A
JP2000023612A JP10211774A JP21177498A JP2000023612A JP 2000023612 A JP2000023612 A JP 2000023612A JP 10211774 A JP10211774 A JP 10211774A JP 21177498 A JP21177498 A JP 21177498A JP 2000023612 A JP2000023612 A JP 2000023612A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】交流電源を必要とせずあらゆる場所で簡単に使
用でき、かつ十分な殺虫・防虫効力持続時間を有し、コ
スト的にも優れる電池式殺虫剤蒸散装置、殺虫剤蒸散方
法の提供。 【解決手段】殺虫剤を含有するマット1等と接するよう
に配設された放熱板3と、電池5を用いた発熱手段〔無
機PTC(正特性サーミスタ)の厚みを0.8〜1.2
mmとし、その上下に電極板を配設した発熱体ユニット
4と、全容量2〜7Vの電池5を繋いで構成され、初期
抵抗値は1〜10Ω〕を具備し、該放熱板の表面温度を
90〜130℃に加熱して殺虫剤〔蒸気圧(20℃)
1.0×10-4mmHg以上のシクロプロパンカルボン
酸エステル系ピレスロイド〕を蒸散させる電池式殺虫剤
蒸散装置。該装置を用いる殺虫剤蒸散方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池式殺虫剤蒸散
装置、およびこれを用いた殺虫剤蒸散方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、殺虫剤等の薬剤を含浸させたマッ
トを加熱して該マット中の薬剤を蒸散させる装置、例え
ば電気蚊取器が知られている。これらの装置は、アレス
リン、フラメトリン、プラレトリン等の殺虫剤を含浸さ
せたマットを150〜180℃に加熱し、約12時間に
わたり殺虫成分を蒸散させるもので、100〜200V
の交流電源を必要とするため、使用場所が屋内に制限さ
れるという欠点を有していた。一方、電源や電源用コー
ドを使用できない屋外用の防虫、殺虫剤として蚊取線香
があるが、火気を用いるという問題は避けられない。こ
のため、金属触媒を使用し、ベンジン、LPG、固形メ
タノール等の気化燃料を用いる、いわゆる白金カイロを
殺虫剤蒸散に応用する試みが研究されたことがあるが、
メタノールの毒性、気化燃料の火災に対する安全性、さ
らに温度コントロールの困難さ等から実用化には至らな
かった。
【0003】また、交流電源の替わりに、乾電池や蓄電
池を用いるという発想も以前からあったが、従来の10
0V用電気蚊取器で発熱手段として使用されている無機
PTC(無機PTC:主としてチタン酸バリウムと酸化
鉛等から構成される正特性サーミスタ)に乾電池を繋い
だ場合、所望の発熱性能を得ることはできなかった。一
方、唯一可能な自動車用鉛蓄電池については、走行中に
充電することができるため、目的を達することができる
が、その用途は自動車に限られ、しかも容量が大きすぎ
て汎用品には程遠いものであった。そこで、乾電池や蓄
電池を利用し、かつ満足のいく発熱持続時間を得るため
には、従来の放熱板温度(150〜180℃)を130
℃以下に下げ消費電力を抑えることが必要とされるが、
従来の無機PTCでは抵抗値をあるレベル以下に低くで
きないため、所望の温度を得ることは極めて困難と考え
られていた。本発明者は発熱手段として無機PTCの替
わりに、熱可塑性ポリオレフィン樹脂とカーボンの混合
物からなる有機PTCを用いた電池式殺虫剤蒸散装置を
開発し、その技術を特開平8−23851号公報におい
て開示したが、無機PTCと比べると経済性の点で不利
であり、改良の余地があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記現状に鑑み、本発
明は、乾電池や蓄電池を利用する殺虫剤蒸散装置におい
て、放熱板の温度を90〜130℃に下げ、満足のいく
発熱持続性を奏し得ると共に、より経済性に優れた電池
式殺虫剤蒸散装置、ならびにこれを用いた殺虫剤蒸散方
法を実現することを目的としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、請
求項1の発明は、殺虫剤と接するように配設された放熱
板と、電池を用いた発熱手段を具備し、該放熱板の表面
温度を90〜130℃に加熱して殺虫剤を蒸散させる電
池式殺虫剤蒸散装置において、前記発熱手段は、無機化
合物を主成分とする無機PTC(正特性サーミスタ)の
厚みを0.8〜1.2mmとし、その上下に電極板を配
設してなる発熱体ユニットと、全容量が2〜7Vの電池
を繋いで構成され、この発熱手段の初期抵抗値は1〜1
0Ωであり、さらに殺虫剤として20℃における蒸気圧
が1.0×10-4mmHg以上であるシクロプロパンカ
ルボン酸エステル系ピレスロイドを用いた電池式殺虫剤
蒸散装置に係るものである。すなわち、本発明は、従来
乾電池との組合せでは適用困難と考えられていた無機P
TCをあらゆる角度から見直し、電池式殺虫剤蒸散装置
への適用を可能としたものである。請求項2の発明は、
請求項1の発明において、前記無機PTCの直径を6〜
10mmにし、前記放熱板と上面に位置する電極板を兼
用させたものである。請求項3の発明は、請求項1また
は2の発明において、前記無機PTCを収納するヒータ
ーケースの材質を耐熱発泡樹脂にしたものである。請求
項4の発明は、殺虫剤に接するように配設された放熱板
と、電池を用いた発熱手段を具備する電池式殺虫剤蒸散
装置において、前記発熱手段は、無機化合物を主成分と
する無機PTCの厚みを0.8〜1.2mmとし、その
上下に電極板を配設してなる発熱体ユニットを、全容量
が2〜7Vの電池に繋いで該放熱板の表面温度を90〜
130℃に加熱し、20℃における蒸気圧が1.0×1
-4mmHg以上であるシクロプロパンカルボン酸エス
テル系ピレスロイドを蒸散させる殺虫剤蒸散方法に係る
ものである。
【0006】
【発明の実施の形態】請求項1の構成によると、発熱手
段として、無機化合物を主成分とする無機PTCの厚み
を0.8〜1.2mmとし、その上下に電極板を配設し
てなる発熱体ユニットを用い、全容量が2〜7Vの電池
に繋いで構成したので、初期抵抗値を1〜10Ωに下げ
ることができ、殺虫剤を蒸散させる放熱板温度を90〜
130℃に設定することが可能となった。なお、従来の
100V用電気蚊取器で使用される発熱体ユニットで
は、無機PTCの厚みは少なくとも2.5mmであり、
初期抵抗値を所望どおり下げることができない。すなわ
ち、本発明の無機PTCは初期抵抗値を十分下げ得る特
性を有し、特定の蒸気圧を有するピレスロイドを適用す
ることによって、性能の優れた電池式殺虫剤蒸散装置を
提供する。
【0007】無機PTCは、チタン酸バリウムや酸化鉛
等の無機化合物を主成分とする組成物を加熱焼成して製
造され、所望の初期抵抗値を得るためには、その厚みを
0.8〜1.2mmにする必要がある。形状、大きさは
特に限定されないが、直径6〜10mm程度の円形が好
ましい。この無機PTCの上下には電極板を配設して発
熱体ユニットを構成する。また、無機PTCを収納する
ヒーターケースの材質や形状等も目的に応じ適宜決定し
得る。例えば、ヒーターケースの材質として耐熱発泡樹
脂の使用は、断熱効果を高めるうえで有用である。ま
た、ヒーターケースの角に4本の細い柱を設けて無機P
TCを中空に浮かせる形状を採用すれば、空気断熱によ
りヒーターケースへに伝わる熱量が低減され、発熱体が
発生する熱量を効率的に利用できる。通常、この無機P
TCの上方に、熱源の伝導体で、かつ殺虫剤の受け皿と
しての放熱板が付設されるが、その形状も何ら限定され
ない。例えば、上面に位置する前記電極板を放熱板と兼
用させてもよく、かかる構成を採用すれば無機PTCの
熱量を放熱板に効率的に集中させることができる。
【0008】本発明で用いられる電池には、乾電池と充
電式の蓄電池があり、通常市販品を任意に使用できる。
乾電池としては、例えばアルカリ電池、マンガン電池、
リチウム電池、水銀電池、酸化銀電池等が挙げられ、一
方、充電式の蓄電池として、ニッケル・カドミウム電
池、ニッケル・亜鉛電池、ナトリウム・硫黄電池、鉛蓄
電池等を例示できるが、これらに限定されるものではな
いことはもちろんである。本発明では、殺虫剤蒸散装置
の電池総量として、2〜7V使用される。例えば、1.
5Vのアルカリ乾電池を2本直列に繋ぐことにより、9
0〜130℃の加熱温度を6〜8時間持続させることが
でき、また、この2本を1組としてそれらを並列に繋げ
ば14〜18時間有効で、性能的にも十分である。
【0009】また、本発明の殺虫剤蒸散装置では、放熱
板の温度が90〜130℃に設定されるため、これに適
用される殺虫剤としては、20℃における蒸気圧が1.
0×10-4mmHg以上であるシクロプロパンカルボン
酸エステル系ピレスロイドが好適である。その代表例を
示せば下記のとおりであるが、これらに限定されるもの
ではなく、また、酸部分、アルコール部分の不斉炭素に
基づく光学異性体、あるいは幾何異性体が存在する場合
は、それらの異性体の単独、もしくは任意の混合物も本
発明に包含される。 A)1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル クリ
サンテマート(以降、エムペントリンと称す) B)5−プロパルギル−2−フリルメチル クリサンテ
マート(以降、フラメトリンと称す) C)5−プロパルギル−2−フリルメチル 2,2,
3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート
(以降、化合物Cと称す) D)2−メチル−4−オキソ−3−プロパルギル−2−
シクロペンテニル 2,2,3,3−テトラメチルシク
ロプロパンカルボキシレート(以降、化合物Dと称す) E)5−プロパルギル−2−メチル−3−フリルメチル
2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボ
キシレート(以降、化合物Eと称す) F)2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 3−
(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロ
プロパンカルボキシレート(以降、化合物Fと称す) G)2,3,5,6−テトラフルオロベンジル クリサ
ンテマート(以降、化合物Gと称す) H)2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジル 3
−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシク
ロプロパンカルボキシレート(以降、化合物Hと称す)
【0010】これらの殺虫剤には、通常、BHT、DB
H、BHA、ヨシノックス425等の安定剤、揮散調整
剤、香料、着色料、石油等の溶剤が適宜配合される他、
必要に応じて殺菌剤、抗菌剤、殺ダニ剤、消臭剤等の他
の種類の薬剤を混合し、多目的組成物を得ることもでき
る。
【0011】請求項2の構成によれば、無機PTCの直
径を6〜10mmにし、前記放熱板と上面に位置する電
極板を兼用させたので、発熱体の熱量の効率性等、性能
上より有用な電池式殺虫剤蒸散装置を提供する。請求項
3の構成によれば、無機PTCを収納するヒーターケー
スの材質として耐熱発泡樹脂、例えば発泡ABS樹脂、
発泡PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、発泡
ナイロン樹脂等を採用したので、発熱体の熱量の効率利
点の点でより優れている。請求項4の構成によれば、請
求項1記載の電池式殺虫剤蒸散装置を用いた有用な殺虫
剤蒸散方法が提供される。通常、殺虫剤は放熱板に接す
るように適用されるが、その手段として種々の方法が可
能である。例えば、殺虫剤配合液を適当な分注手段を用
いて、パルプ、リンター等からなるマットに含浸させ、
これを放熱板に載置する、いわゆる蚊取マット方式の
他、放熱板をバット状となして、殺虫剤もしくは殺虫剤
配合液をこれに直接注加する、いわゆるバーベキュー方
式、さらには適当な吸液芯を用いて殺虫剤配合液を吸い
あげると共に、吸液芯の先端を放熱板に接触させる、い
わゆる吸上方式等を例示でき、特に制限されないが、こ
れらの方式の中では蚊取マット方式が最も適している。
【0012】而して、本発明の電池式殺虫剤蒸散装置の
上方に設けられた放熱板に殺虫剤を適用し、本発明が特
徴とする無機PTCを、装置内部に収納した乾電池、あ
るいは充電式の蓄電池に繋いで放熱板温度を90〜13
0℃に加熱すれば、殺虫成分が時間と共に蒸散し、高い
殺虫、防虫効果を広い区域、かつ長時間にわたって持続
することができる。すなわち、本発明は、電池を用いる
ため、屋外でも手軽で簡単に使用でき、しかもコスト的
にも極めて実用的な電池式殺虫剤蒸散装置および殺虫剤
蒸散方法を提供するものである。なお、本発明の電池式
殺虫剤蒸散装置の形状、大きさは全く任意であり、放熱
板、無機PTC、電池等の前記必須部材の他、従来の電
気蚊取器に準じて、スイッチ、通電ランプ、マット固定
部材等を適宜付設してもよいことはもちろんである。
【0013】
【実施例】次に、本発明の電池式殺虫剤蒸散装置および
殺虫剤蒸散方法が優れたものであることをより明らかに
するために、実施例および試験例を用いて詳述する。
【0014】実施例1 本発明の電池式殺虫剤蒸散装置の一実施例を図1に示
す。1は12×16mm、厚さ0.7mmのパルプ製マ
ットで、20℃における蒸気圧が1.0×10-4mmH
g以上であるシクロプロパンカルボン酸エステル系ピレ
スロイドが含浸されている。2は蒸散装置の本体ケース
で、マット1を載置する放熱板3(11×14mm)
と、放熱板3を加熱する発熱体ユニット4と、電池5を
有している。6は接続配線、7はスイッチであり、さら
に本体ケース2の底部には通気口8が設けられ、ここか
ら流入した空気が本体ケース内を通って上昇し、マット
1からの殺虫成分の揮散を高めるようになっている。放
熱板3は下に説明するように発熱体ユニット4の上面の
電極板の役目を兼ねることもできる。なお、発熱体ユニ
ット4は、例えば図3(分解斜視図)および図4(正面
断面図)のような構成を有している。ここで、9は無機
PTC(円板状,直径8mm,厚み1.0mm)、10
は電極板(図3および図4に示す例では、上面の電極板
が放熱板3を兼ねている)、11はヒーターケース(発
泡ABS樹脂等の耐熱発泡樹脂製)を示すが、もちろん
この構成に限定されず、種々の構成、形状が可能であ
る。上記の蒸散装置において、エムペントリン60mg
を含むマット1を、放熱板3上に載せ、1.5V用アル
カリ乾電池2本を直列に繋いだものを1組として2組並
列に接続して用いたところ(上記電池は合計4本)、約
100℃の温度を約17時間持続することができ、2日
間にわたり蚊の防除に有効であった。
【0015】実施例2 本発明の殺虫剤蒸散装置の別の実施例を図2に示す。図
中の符号2〜8は実施例1と同様である。12は殺虫剤
配合液を収容するボトルで、この中央部には吸液芯13
が装着されている。一方、放熱板3と発熱体ユニット4
を含む発熱体部は、屈曲、折曲自在なる係合片14を介
して本体ケース2に支持されており、使用開始時に、放
熱板3が吸液芯13の上端部と接するように移動され
る。上記の蒸散装置において、化合物Cを1.5%含有
する薬液を用い、総容量として3Vの乾電池5に接続し
て使用したところ、約110℃の発熱温度を8時間以上
保ち、化合物Cの揮散量も蚊の防除に十分な量であっ
た。なお、薬剤の蒸散面積を大きくするため吸液芯13
を図5のような形状にしてもよいし、天然または合成繊
維等からなる布、紙、薄目のフェルト等の薬剤吸液素材
15を放熱板3または発熱体ユニット4に直接貼りつけ
るような構成にしてもよい(図6,7参照)。
【0016】実施例3 実施例1と同様に構成した蒸散装置を用いた。20×2
2mm、厚さ0.6mmのパルプ製マットに化合物F5
0mgを含浸させたものをこの装置に装填し、1.5V
用アルカリ乾電池2本を直列に繋いで1組とし、これを
2組並列に接続した(上記電池合計4本)。蚊が多く発
生している公園のやぶに、前記蒸散装置2個を約2m離
して置き、その中央に人が立って4分間の間に蚊に刺咬
された数を数時間毎に調べた。その結果、本発明の蒸散
装置を用いた場合、約8時間にわたりほとんど蚊に刺さ
れることがなったのに対し、蚊防除具を用いないコント
ロール区では、常に4分間あたり3ヵ所以上の刺咬被害
を受けた。
【0017】試験例1 実施例1に示す電池式殺虫剤蒸散装置を用い、殺虫剤お
よび放熱板の表面温度を種々に変えて以下の揮散試験お
よび効力試験を実施した。 (1)揮散試験:マットから揮散する殺虫成分を経時的
にトラップし、1時間あたりの殺虫成分揮散量(mg/
H)として求めた。 (2)効力試験:2×2×2mのチャンバーの底面中央
に蒸散装置を置き、上方隅にセットした蚊(ケージ入)
に対する効力を以下の基準で評価した。dl,d−T8
0−アレスリン40mgを含有するマットを、従来の1
00V用電気蚊取器(放熱板温度;約160℃)で蒸散
させた場合と比較して、“同等以上”を〇、“やや劣る
〜同等”を△、“劣る”を×で示した。これらの試験結
果を表1にまとめて示す。
【0018】
【表1】 ─────────────────────────────────── 試験条件 試験結果 殺虫剤 放熱板の 揮散量(mg/H) 効力 (40mg) 表面温度 直後 8h後 16h後 直後 8h後 16h (℃) ─────────────────────────────────── 本発明の装置 1 エムペン 110 2.2 1.9 1.7 〇 〇 〇 トリン 2 d-T80-フラ 125 1.6 1.4 1.3 〇 〇 〇 メトリン 3 化合物C 120 2.0 1.8 1.6 〇 〇 〇 4 化合物D 115 1.7 1.5 1.4 〇 〇 〇 (アルコール;d体) 5 化合物E 130 1.9 1.6 1.5 〇 〇 〇 6 化合物F 105 1.7 1.5 1.3 〇 〇 〇 7 化合物G 95 1.6 1.4 1.3 〇 〇 〇 8 化合物H 90 1.5 1.3 1.2 〇 〇 〇比較例 1 エムペン 70 0.9 0.7 0.6 △ △ △ トリン 2 エムペン 140 3.5 0.5 <0.1 〇 △ × トリン 3 dl,d-T80- 115 0.3 0.2 0.2 × × × アレスリン 4 d,d-T80- 125 0.4 0.2 0.1 × × × プラレトリン ───────────────────────────────────
【0019】本発明で用いる殺虫剤は、本発明の蒸散装
置の放熱板の表面温度が90〜130℃の範囲で有効に
揮散し、16時間にわたって蚊に対する高い効力を保持
した。一方、上記殺虫剤を90℃より低い温度で用いた
場合は揮散性が乏しく(比較例1)、逆に140℃程度
まで高めると、成分は短時間で揮散し終わり不適であっ
た(比較例2)。また、アレスリンやプラレトリンは、
20℃における蒸気圧がそれぞれ4.2×10-5mmH
g、3.5×10-5mmHgと低く、90〜130℃の
温度範囲では殺虫効力を奏するに至らなかった(比較例
3,4)。従って、本発明は、電池の使用、特定の無機
PTCを活用することによる表面温度の低温化、この温
度範囲に適した殺虫剤の選択といった種々の要件を組み
合わせて、はじめてなし得たものであるといえる。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、発熱手段として、無機
化合物を主成分とする無機PTCの厚みを0.8〜1.
2mmとし、その上下に電極板を配設してなる発熱体ユ
ニットを用い、全容量が2〜7Vの電池に繋いで構成す
るとともに、殺虫剤として20℃における蒸気圧が1.
0×10-4mmHg以上であるシクロプロパンカルボン
酸エステル系ピレスロイドを用いることによって、90
〜130℃で殺虫成分を効率的に十分な時間にわたり揮
散させうる実用的な電池式殺虫剤蒸散装置およびこれを
用いた殺虫剤蒸散方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電池式殺虫剤蒸散装置の一実施例を示
す断面図。
【図2】本発明の電池式殺虫剤蒸散装置の別の実施例を
示す断面図。
【図3】本発明の電池式殺虫剤蒸散装置に用いられる発
熱体ユニットの一例を示す分解斜視図。
【図4】本発明の電池式殺虫剤蒸散装置に用いられる発
熱体ユニットの一例を示す断面図。
【図5】本発明の電池式殺虫剤蒸散装置に用いられる吸
液芯の一例を示す断面図。
【図6】本発明の電池式殺虫剤蒸散装置に用いられる吸
液芯と吸液素材の一例を示す断面図。
【図7】本発明の電池式殺虫剤蒸散装置に用いられる吸
液芯と吸液素材の一例を示す断面図。
【符号の説明】
1 マット 2 本体ケース 3 放熱板 4 発熱体ユニット 5 電池 6 接続配線 7 スイッチ 8 通気口 9 無機PTC 10 電極板 11 ヒーターケース 12 ボトル 13 吸液芯 14 係合片 15 薬剤吸液素材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 殺虫剤と接するように配設された放熱板
    と、電池を用いた発熱手段を具備し、該放熱板の表面温
    度を90〜130℃に加熱して殺虫剤を蒸散させる電池
    式殺虫剤蒸散装置において、 前記発熱手段は、無機化合物を主成分とする無機PTC
    (正特性サーミスタ)の厚みを0.8〜1.2mmと
    し、その上下に電極板を配設してなる発熱体ユニット
    と、全容量が2〜7Vの電池を繋いで構成され、この発
    熱手段の初期抵抗値は1〜10Ωであり、さらに殺虫剤
    として20℃における蒸気圧が1.0×10-4mmHg
    以上であるシクロプロパンカルボン酸エステル系ピレス
    ロイドを用いたことを特徴とする電池式殺虫剤蒸散装
    置。
  2. 【請求項2】 前記無機PTCの直径が6〜10mmで
    あり、前記放熱板と上面に位置する電極板を兼用させた
    ことを特徴とする請求項1記載の電池式殺虫剤蒸散装
    置。
  3. 【請求項3】 前記無機PTCを収納するヒーターケー
    スの材質が耐熱発泡樹脂であることを特徴とする請求項
    1または2記載の電池式殺虫剤蒸散装置。
  4. 【請求項4】 殺虫剤と接するように配設された放熱板
    と、電池を用いた発熱手段を具備する電池式殺虫剤蒸散
    装置において、 前記発熱手段として、無機化合物を主成分とする無機P
    TCの厚みを0.8〜1.2mmとし、その上下に電極
    板を配設してなる発熱体ユニットを、全容量が2〜7V
    の電池に繋いで該放熱板の表面温度を90〜130℃に
    加熱し、20℃における蒸気圧が1.0×10-4mmH
    g以上であるシクロプロパンカルボン酸エステル系ピレ
    スロイドを蒸散させることを特徴とする殺虫剤蒸散方
    法。
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