JP2000022335A - 多層プリント配線板およびその製造方法 - Google Patents
多層プリント配線板およびその製造方法Info
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Abstract
性に優れる多層プリント配線板を提案すること。 【解決手段】 コア基板上に、層間樹脂絶縁層を介して
導体回路が形成されてなり、該コア基板には、スルーホ
ールが設けられ、そのスルーホールには充填材が充填さ
れた構造を有する多層プリント配線板において、前記コ
ア基板上に設けられた層間樹脂絶縁層は平坦であり、か
つ前記コア基板に設けた導体回路には、側面を含む全表
面に、同一種類の粗化層が形成されていることを特徴と
する多層プリント配線板である。
Description
板およびその製造方法に関し、特に、耐ヒートサイクル
特性に優れる多層プリント配線板について提案する。
請から、いわゆるビルドアップ多層配線基板が注目され
ている。このビルドアップ多層配線基板は、例えば特公
平4−55555 号公報に開示されているような方法により
製造される。即ち、コア基板上に、感光性の無電解めっ
き用接着剤からなる絶縁材を塗布し、これを乾燥したの
ち露光現像することにより、バイアホール用開口を有す
る層間絶縁材層を形成し、次いで、この層間絶縁材層の
表面を酸化剤等による処理にて粗化したのち、その粗化
面にめっきレジストを設け、その後、レジスト非形成部
分に無電解めっきを施してバイアホール、導体回路を形
成し、このような工程を複数回繰り返すことにより、多
層化したビルドアップ配線基板が得られる。
基板にスルーホールを設けて上下の導体層を接続するこ
とにより、さらなる多層化を図ることができる。コア基
板にスルーホールを有するこの種の多層プリント配線板
では、まず、コア基板にスルーホールを含む導体回路を
形成し、次いで、スルーホールの壁面を含む導体表面に
酸化還元処理による粗化層を設けてから該スルーホール
内および導体回路間に樹脂充填材を充填し、研磨により
基板表面を平坦化した後、インタープレート(荏原ユー
ジライトのCu−Ni−Pからなる合金粗化めっき)などに
よる粗化めっきを施して、その上に層間樹脂絶縁層を形
成していた(図1参照)。
法で製造した多層プリント配線板では、導体回路表面の
粗化層がインタープレートによる合金めっき粗化層から
なり、導体回路側面の粗化層が黒化還元処理層からなる
場合、これらの粗化層を介して導体に接合された層間樹
脂絶縁層は、その粗化層の形態が異なるために、ヒート
サイクル試験などによってクラックが発生するという問
題があった。
なされたものであり、その主たる目的は、ヒートサイク
ルなどの条件下での耐クラック性に優れる多層プリント
配線板とその製造方法を提案することにある。
実現に向け鋭意研究した結果、以下に示す内容を要旨構
成とする本発明を完成するに至った。 (1) 本発明の多層プリント配線板は、基板上に、層間樹
脂絶縁層を介して導体回路が形成されてなり、該コア基
板にはスルーホールが設けられ、そのスルーホールには
充填材が充填された構造を有する多層プリント配線板に
おいて、前記コア基板上に設けられた層間樹脂絶縁層は
平坦であり、かつ前記コア基板に設けた導体回路には、
側面を含む全表面に、同一種類の粗化層が形成されてい
ることを特徴とする。
法は、コア基板上に、層間樹脂絶縁層を介して導体回路
が形成されてなり、該コア基板には、スルーホールが設
けられ、そのスルーホールには充填材が充填された構造
を有する多層プリント配線板を製造するにあたり、少な
くとも下記 (a)〜(g) の工程、すなわち、(a) 両面に金
属層が形成された基板にスルーホールを設ける工程、
(b) 前記金属層の表面および前記スルーホールの内壁面
を粗化処理する工程、(c) 該スルーホールに樹脂を充填
する工程、(d) 表面を研磨する工程、(e) 金属層をエッ
チングして導体回路を形成し、コア基板とする工程、
(f) 前記導体回路の側面を含む全表面に、同一種類の粗
化層を形成する工程、(g) 前記コア基板上に層間樹脂絶
縁剤の層を設け、加熱プレスして平坦化した層間樹脂絶
縁層とする工程、を含むことを特徴とする。
絶縁層の表面が平坦であり、かつコア基板に設けたスル
ホールランドを含む導体回路の側面を含む全表面に、同
一種類の粗化層が形成されている点に特徴がある。即
ち、平坦な層間樹脂絶縁層を有し、コア基板に設けた銅
導体と充填材や層間樹脂絶縁層との界面が全て同一種類
の粗化層で構成されている。これにより、層間樹脂絶縁
層の表面を平坦化することにより、露光現像によるバイ
アホール形成用開口の形成不良を招いたり、ICチップ
などの実装不良を招くこともない。また、銅導体と充填
材や層間樹脂絶縁層との界面において、導体の表面側と
側面側の粗化形態の違いが原因となるクラックが防止で
きる。
ル内壁の導体表面に粗化層を形成するが、この理由は、
充填材とスルーホールとがその粗化層を介して密着し隙
間が発生しないからである。もし、充填材とスルーホー
ルとの間に空隙が存在すると、その直上に電解めっきで
形成される導体層が、平坦なものとならなかったり、空
隙中の空気が熱膨張してクラックや剥離を引き起こした
りし、また一方で、空隙に水が溜まってマイグレーショ
ンやクラックの原因となったりする。この点、粗化層が
形成されているとこのような不良発生を防止することが
できる。
粗化層を形成する理由は、粗化層を介して層間樹脂絶縁
層やバイアホールとの密着性を改善することができるか
らである。
ッチング処理、研磨処理、酸化還元処理あるいはめっき
処理がある。例えば、酸化還元処理による粗化層は、酸
化浴として、NaOH(20g/l)、NaCl02(50g/l)、
Na3PO4(15.0g/l)の水溶液、還元浴として、NaOH
( 2.7g/l)、NaBH4 ( 1.0g/l)の水溶液を用い
て形成される。めっき処理による粗化層としては、硫酸
銅1〜40g/l、硫酸ニッケル 0.1〜6.0 g/l、クエ
ン酸10〜20g/l、次亜リン酸塩10〜100 g/l、ホウ
酸10〜40g/l、アセチレン含有ポリオキシエチレン系
の界面活性剤0.01〜10g/lの水溶液からなる液組成の
無電解めっき浴を用いて形成したCu−Ni−P合金層があ
る。
金めっき粗化層(例えば、荏原ユージライトのインター
プレート)を用いることが好ましい。この理由は、針状
合金層であるこの粗化層によれば、層間樹脂絶縁層やバ
イアホールとの密着性がより確実に改善することができ
るからである。
銅より大きくかつチタン以下である金属または貴金属の
層で被覆されていてもよい。これらの金属または貴金属
の層は、粗化層を被覆し、層間樹脂絶縁層を粗化する際
に起こる局部電極反応による導体回路の溶解を防止でき
るからである。その層の厚さは 0.1〜2μmがよい。こ
のような金属としては、チタン、アルミニウム、亜鉛、
鉄、インジウム、タリウム、コバルト、ニッケル、ス
ズ、鉛、ビスマスから選ばれるいずれか少なくとも1種
がある。貴金属としては、金、銀、白金、パラジウムが
ある。これらのうち、特にスズがよい。スズは、無電解
置換めっきにより薄い層を形成でき、粗化層に追従でき
るため有利である。このスズの場合、ホウフッ化スズ−
チオ尿素、塩化スズ−チオ尿素液を使用する。そして、
Cu−Snの置換反応により 0.1〜2μm程度のSn層が形成
される。貴金属の場合は、スパッタや蒸着などの方法が
採用できる。
脂絶縁層と同程度の熱膨張係数を有する樹脂組成物を用
いることが望ましい。この理由は、層間樹脂絶縁層と充
填材の熱膨張率の差に起因したクラックがその界面に発
生するのを防止するためである。
は、熱硬化性樹脂(熱硬化基の一部または全部を感光化
したものを含む)、熱可塑性樹脂、あるいは熱硬化性樹
脂(熱硬化基の一部または全部を感光化したものを含
む)と熱可塑性樹脂の複合体を用いることができる。熱
硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、
フェノール樹脂、熱硬化性ポリフェニレンエーテル(P
PE)などが使用できる。特に、エポキシ樹脂として
は、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂な
どを用いることができる。なお、この熱硬化性樹脂は、
熱硬化官能基の一部を感光基で置換して感光性を付与し
ておくことが好ましい。この理由は、感光性を付与した
熱硬化性樹脂を樹脂成分として含む樹脂絶縁剤を用いれ
ば、露光,現像処理により、その層間樹脂絶縁層にバイ
アホール用の開口部を容易に形成できるからである。熱
硬化基の一部または全部を感光化する場合は、熱硬化基
の一部または全部をメタクリル酸やアクリル酸などと反
応させてアクリル化させる。なかでもエポキシ樹脂のア
クリレートが最適である。熱可塑性樹脂としては、ポリ
テトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂、
ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスルフォ
ン(PSF)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、
熱可塑型ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリエー
テルスルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PE
I)、ポリフェニレンスルフォン(PPES)、4フッ
化エチレン6フッ化プロピレン共重合体(FEP)、4
フッ化エチレンパーフロロアルコキシ共重合体(PF
A)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエー
テルエーテルケトン(PEEK)、ポリオレフィン系樹
脂などが使用できる。熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の複
合体としては、エポキシ樹脂−PES、エポキシ樹脂−
PSF、エポキシ樹脂−PPS、エポキシ樹脂−PPE
Sなどが使用できる。
クロス含浸樹脂複合体を用いることができる。このガラ
スクロス含浸樹脂複合体としては、ガラスクロス含浸エ
ポキシ、ガラスクロス含浸ビスマレイミドトリアジン、
ガラスクロス含浸PTFE、ガラスクロス含浸PPE、
ガラスクロス含浸ポリイミドなどがある。
ては、無電解めっき用接着剤を用いることができる。こ
の無電解めっき用接着剤としては、硬化処理された酸あ
るいは酸化剤に可溶性の耐熱性樹脂粒子が、硬化処理に
よって酸あるいは酸化剤に難溶性となる未硬化の耐熱性
樹脂中に分散されてなるものが最適である。この理由
は、酸や酸化剤で処理することにより、耐熱性樹脂粒子
が溶解除去されて、表面に蛸つぼ状のアンカーからなる
粗化面を形成できるからである。
硬化処理された前記耐熱性樹脂粒子としては、平均粒
径が10μm以下の耐熱性樹脂粉末、平均粒径が2μm
以下の耐熱性樹脂粉末を凝集させた凝集粒子、平均粒
径が2〜10μmの耐熱性樹脂粉末と平均粒径が2μm以
下の耐熱性樹脂粉末との混合物、平均粒径が2〜10μ
mの耐熱性樹脂粉末の表面に平均粒径が2μm以下の耐
熱性樹脂粉末または無機粉末のいずれか少なくとも1種
を付着させてなる疑似粒子、平均粒径が 0.1〜0.8 μ
mの耐熱性樹脂粉末と平均粒径が 0.8μmを超え2μm
未満の耐熱性樹脂粉末との混合物、平均粒径が 0.1〜
1.0 μmの耐熱性樹脂粉末、から選ばれるいずれか少な
くとも1種を用いることが望ましい。これらは、より複
雑なアンカーを形成できるからである。この無電解めっ
き用接着剤で使用される耐熱性樹脂は、前述の熱硬化性
樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の複
合体を使用できる。
する方法について一例を挙げて具体的に説明する。な
お、以下に述べる方法は、セミアディティブ法による多
層プリント配線板の製造方法に関するものであるが、本
発明における多層プリント配線板の製造方法では、フル
アディティブ法やマルチラミネーション法、ピンラミネ
ーション法を採用することができる。
を用意する。この基板へのスルーホールは、基板にドリ
ルで貫通孔を明け、この貫通孔の壁面および基板表面
に、無電解めっきおよび電解めっきを施すことにより形
成される。ここで、上記基板としては、ガラスエポキシ
基板やポリイミド基板、ビスマレイミド−トリアジン樹
脂基板、フッ素樹脂基板などの樹脂基板、あるいはこれ
らの樹脂基板の銅張積層板、セラミック基板、金属基板
などを用いることができる。特に、誘電率を考慮する場
合は、両面銅張フッ素樹脂基板を用いることが好まし
い。この基板は、片面が粗化された銅箔をポリテトラフ
ルオロエチレン等のフッ素樹脂基板に熱圧着したもので
ある。無電解めっきとしては銅めっきがよい。フッ素樹
脂基板基板のようにめっきのつきまわりが悪い基板の場
合は、有機金属ナトリウムからなる前処理剤(潤工社
製、商品名:テトラエッチ)、プラズマ処理などの表面
改質を行う。電解めっきとしては銅めっきがよい。
壁を含む金属層表面に粗化層を形成する。この粗化層と
しては、酸化還元処理によるものやCu−Ni−Pからなる
合金めっき粗化層などがある。例えば、Cu−Ni−P合金
のめっき水溶液の液組成は、銅イオン濃度、ニッケルイ
オン濃度、次亜リン酸イオン濃度が、それぞれ 2.2×10
-2〜4.1 ×10-2 mol/l、 2.2×10-3〜 4.1×10-3 mol
/l、0.20〜0.25 mol/lであることが望ましい。こ
の範囲で析出する被膜の結晶構造は針状構造になるた
め、アンカー効果に優れるからである。なお、この無電
解めっき浴には上記化合物に加えて錯化剤や添加剤を加
えてもよい。
する。具体的には、充填材は、スルーホール部分に開口
を設けたマスクを載置した基板上に、印刷法にて塗布す
ることによりスルーホールに充填され、充填後、乾燥、
硬化される。この充填材には、添加剤として、アクリル
系消泡剤やシリコン系消泡剤などの消泡剤、シリカやア
ルミナ、タルクなどの無機充填材を添加してもよい。な
お、無機充填材の表面には、シランカップリング剤を付
着させてもよい。
充填材を研磨して基板表面を平坦化する。この工程にお
いて、金属層上の粗化面を除去する。 (5) このような処理がなされた基板の金属層を常法に従
い、パターン状にエッチングして、導体回路およびスル
ーホールランドを形成し、コア基板とする。 (6) このコア基板の導体回路およびスルーホールランド
の側面を含む全表面に同一種類の粗化層を形成する。粗
化層の形成方法は、前記(2) の方法に準ずる。
する際に、基板表面の平坦化を行っているため、基板表
面を平坦化するための研磨処理が省略でき、研磨による
ゴミや異物の混入を防止することができる。しかも、本
発明では、導体間の凹部に充填材を充填することなく、
スルーホールランドを含む導体回路の側面および上面を
同時に粗化処理するため、多層プリント配線板の製造工
程が短縮され、製造コストが低減できる。また、導体回
路の側面および上面に同一種類の粗化層を形成すること
により、粗化形態の違いにより発生するクラックを防止
できる。
した配線基板上に、層間樹脂絶縁剤を塗布する。層間樹
脂絶縁剤としては、前述した熱硬化性樹脂、熱可塑性樹
脂、あるいは熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の複合体、無
電解めっき用接着剤を用いることができる。層間樹脂絶
縁層は、これらの樹脂の未硬化液を塗布したり、フィル
ム状の樹脂を熱圧着してラミネートすることにより形成
される。
解めっき用接着剤)を乾燥する。この時点では、基板の
導体回路上に設けた層間樹脂絶縁剤の層表面に凹凸が発
生しているので、金属板や金属ロールを用いて加熱しな
がら押圧(加熱プレス)して、その表面を平坦化する。
ここで用いる金属板や金属ロールは、ステンレス製のも
のがよい。その理由は耐腐食性に優れるからである。加
熱プレスは、層間樹脂絶縁剤の層を設けた基板を金属板
または金属ロールにて挟持し、加熱雰囲気でプレスする
ことにより行う。この加熱プレスにより、層間絶縁剤の
樹脂が流動して層間樹脂絶縁剤の層の表面が平坦にな
る。この加熱プレスにおける加熱温度、圧力、時間は、
層間樹脂絶縁剤に用いる樹脂により異なる。例えば、エ
ポキシ樹脂を樹脂マトリックスとし、エポキシ樹脂粒子
を耐熱性樹脂粒子とした無電解めっき用接着剤を層間樹
脂絶縁剤に用いる場合は、加熱温度:40〜60℃、圧力:
3.5〜6.5kgf/cm2 、時間:30〜90秒とすることが望ま
しい。この理由は、加熱プレス条件を、40℃未満、圧力
3.5Kgf/cm2未満、プレス時間30秒未満にすると、充分
な平坦性が得られない。一方、プレス温度が60℃を超え
ると、露光,現像前に層間樹脂絶縁剤の硬化が進んでし
まうおそれがあり、プレス圧力が6.5Kgf/cm2を超える
と、層間絶縁樹脂が基板から流れ出してしまうおそれが
あり、プレス時間が90秒を超えると、従来の露光時間や
ポストベーク時間を考慮した場合、生産性が落ちると予
想されるからである。また、エポキシ樹脂のアクリレー
トとポリエーテルスルフォンの複合体を樹脂マトリック
スとし、エポキシ樹脂粒子を耐熱性樹脂粒子とした無電
解めっき用接着剤を層間樹脂絶縁剤に用いる場合は、加
熱温度を60〜70℃、圧力を15〜25 kgf/cm2 、時間を15
〜25分とすることが望ましい。
ながら加熱プレスすることができ、量産性の観点から有
利である。特に、ゴムのような弾性体のロールと金属ロ
ールを組み合わせて用いることが有利である。例えば、
最初にゴムロールにより加熱プレスし、次いで、金属ロ
ールにて加熱プレスする。この場合、層間樹脂絶縁剤の
層を設けた基板は最初のゴムロールにより予備加熱さ
れ、予備加熱されたその基板は金属ロールにより平坦化
される。
合は、必要に応じて加熱プレス前に透光性フィルムを層
間樹脂絶縁剤の層上に貼り付けることができる。この透
光性フィルムは、光重合反応の際に酸素が反応を阻害し
て、現像時の膜減りやピール強度の低下を招くのを防止
するために使用される。このため、浅いアンカー深さで
も、ピール強度の低下は見られない。この透光性フィル
ムは、熱可塑性樹脂フィルムが望ましく、例えば、ポリ
エチレンテレフタレート(PET)やポリエチレン(P
E)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエーテル
エーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルサルフォン
(PES)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル
(PVC)などのフィルムがよい。
粘着剤を塗布しておくことが望ましい。その理由は、層
間樹脂絶縁層との密着性を確保できるからである。この
粘着剤は、特に限定されないが、「伊保内 賢、小松
公栄、北崎 寧昭 編著、工業調査会発行 粘着剤活用
ノート」に記載されたものを使用できる。例えば、天然
ゴム系、スチレンーブタジエン系、ポリイソブチレン
系、イソプレン系、アクリル系、アクリルエマルジョン
系、シリコーン系、天然ゴム−ブタジエンラテックス系
の粘着剤が挙げられる。具体的には、次のような組成の
粘着剤を挙げることができる。 ・天然ゴム系 天然ゴム 100 重量部 粘着付与剤樹脂 150〜120 重量部 亜鉛華 25〜50 重量部 炭酸カルシウム 35〜60 重量部 カーボンブラック 〜15 重量部 老化防止剤 〜1.5 重量部 イオウ 0.5〜2.25 重量部 ・スチレン−ブタジエン系 ゴムラテックス 100 重量部 高融点粘着付与剤 89 重量部 石鹸生成樹脂酸 5.6 重量部 抵酸化剤 4.8 重量部 アンモニア水 0.7 重量部 水 151 重量部 ・ポリイソブチレン系 ポリイソブチレン 100 重量部 ポリブテン 10 重量部 ホワイトオイル 20 重量部 ・イソプレン系 クラレ製、商品名:クラプレンIR−10 ・アクリル系 アクリル酸2−エチルヘキシン 78 重量部 アクリル酸メチル 20 重量部 無水マレイン酸 2 重量部 ヘキサメチレンジアミン 0.5 重量部 ・アクリルエマルジョン系 2−エチルヘキシルアクリレート 70 重量部 酢酸ビニル 30 重量部 アクリル酸 2 重量部 ・シリコーン系 シリコーンゴム 100 重量部 シリコーンレジン 80〜120 重量部 縮合触媒 0.01〜0.5 重量部 溶剤 100〜150 重量部
にある層間樹脂絶縁剤の層に貼着し、これを加熱プレス
してもよく、凹凸状態にある層間樹脂絶縁剤の層を加熱
プレスして平坦化した後に透光性フィルムを貼着しても
よい。平坦化した後に透光性フィルムを貼着した方が、
樹脂が動きやすく層間樹脂絶縁剤の層を平坦化しやすい
ため、有利である。
て層間樹脂絶縁層とするとともに、後で形成する上層の
導体回路とスルーホールとの電気的接続を確保するため
に、その層間樹脂絶縁層にバイアホール形成用の開口を
設ける。このバイアホール形成用の開口は、層間樹脂絶
縁剤が感光性樹脂からなる場合は、露光、現像処理にて
行い、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂からなる場合は、レ
ーザ光にて行う。このとき、使用されるレーザ光として
は、炭酸ガスレーザ、紫外線レーザ、エキシマレーザな
どがある。レーザ光にて孔明けした場合は、デスミア処
理を行ってもよい。このデスミア処理は、クロム酸、過
マンガン酸塩などの水溶液からなる酸化剤を使用して行
うことができ、また酸素プラズマなどで処理してもよ
い。
た層間樹脂絶縁層の表面を、必要に応じて粗化する。上
述した無電解めっき用接着剤を層間樹脂絶縁層として使
用した場合は、表面を酸や酸化剤で処理して接着剤層の
表面に存在する耐熱性樹脂粒子のみを選択的に溶解また
は分解により除去して粗化する。また、熱硬化性樹脂や
熱可塑性樹脂を使用した場合でも、クロム酸、過マンガ
ン酸塩などの水溶液から選ばれる酸化剤による表面粗化
処理が有効である。なお、酸化剤では粗化されないフッ
素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン等)などの樹脂の
場合は、プラズマ処理やテトラエッチなどにより表面を
粗化することができる。このとき、粗化面の深さは、1
〜5μm程度がよい。ここで、上記酸としては、リン
酸、塩酸、硫酸、あるいは蟻酸や酢酸などの有機酸があ
るが、特に有機酸を用いることが望ましい。粗化処理し
た場合に、バイアホールから露出する金属導体層を腐食
させにくいからである。一方、上記酸化剤としては、ク
ロム酸、過マンガン酸塩(過マンガン酸カリウムなど)
の水溶液を用いることが望ましい。
層の導体回路を形成する。 .層間樹脂絶縁層の表面を粗化した配線基板に、無電
解めっき用の触媒核を付与する。一般に触媒核は、パラ
ジウム−スズコロイドであり、この溶液に基板を浸漬、
乾燥、加熱処理して樹脂表面に触媒核を固定する。ま
た、金属核をCVD、スパッタ、プラズマにより樹脂表
面に打ち込んで触媒核とすることができる。この場合、
樹脂表面に金属核が埋め込まれることになり、この金属
核を中心にめっきが析出して導体回路が形成されるた
め、粗化しにくい樹脂やフッ素樹脂(ポリテトラフルオ
ロエチレン等)のように樹脂と導体回路との密着が悪い
樹脂でも、密着性を確保できる。この金属核としては、
パラジウム、銀、金、白金、チタン、銅およびニッケル
から選ばれる少なくとも1種以上がよい。なお、金属核
の量は、20μg/cm2 以下がよい。この量を超えると金
属核を除去しなければならないからである。
めっきを施し、粗化面全面に、その粗面に沿って凹凸を
有する薄膜の無電解めっき膜を形成する。このとき、無
電解めっき膜の厚みは、 0.1〜5μm、より望ましくは
0.5〜3μmとする。
レジストを形成する。めっきレジスト組成物としては、
特にクレゾールノボラック型エポキシ樹脂やフェノール
ノボラック型エポキシ樹脂のアクリレートとイミダゾー
ル硬化剤からなる組成物を用いることが望ましいが、他
に市販品のドライフィルムを使用することもできる。
を、10〜35℃、望ましくは15〜30℃の水で水洗する。こ
の理由は、水洗温度が35℃を超えると水が揮発してしま
い、無電解めっき膜の表面が乾燥して、酸化してしま
い、電解めっき膜が析出しない。そのため、エッチング
処理により、無電解めっき膜が溶解してしまい、導体が
存在しない部分が生じてしまう。一方、10℃未満では水
に対する汚染物質の溶解度が低下し、洗浄力が低下して
しまうからである。特に、バイアホールのランドの径が
200μm以下になると、めっきレジストが水をはじくた
め、水が揮発しやすく、電解めっきの未析出という問題
が発生しやすい。なお、洗浄水の中には、各種の界面活
性剤、酸、アルカリを添加しておいてもよい。また、洗
浄後に硫酸などの酸で洗浄してもよい。
めっきを施し、導体回路、ならびにバイアホールとなる
導体部を設ける。ここで、上記電解めっきとしては、銅
めっきを用いることが望ましく、その厚みは、10〜20μ
mがよい。
後、硫酸と過酸化水素の混合液や過硫酸ナトリウム、過
硫酸アンモニウムなどの水溶液からなるエッチング液で
めっきレジスト下の無電解めっき膜を溶解除去し、無電
解めっき膜と電解めっき膜の2層からなる独立した導体
回路、ならびにバイアホールを得る。
粗化層を形成した後、前記 (7)〜(11)の工程を繰り返し
てさらに上層の導体回路を設けることにより、所定の多
層プリント配線板を製造する。
製、分子量2500)の25%アクリル化物を80wt%の濃度で
DMDGに溶解させた樹脂液を35重量部、感光性モノマ
ー(東亜合成製、アロニックスM315 )3.15重量部、消
泡剤(サンノプコ製、S−65) 0.5重量部、NMPを
3.6重量部を攪拌混合した。 .ポリエーテルスルフォン(PES)12重量部、エポ
キシ樹脂粒子(三洋化成製、ポリマーポール)の平均粒
径1.0 μmのものを7.2 重量部、平均粒径 0.5μmのも
のを3.09重量部を混合した後、さらにNMP30重量部を
添加し、ビーズミルで攪拌混合した。 .イミダゾール硬化剤(四国化成製、2E4MZ-CN)2重
量部、光開始剤(チバガイギー製、イルガキュア I−
907 )2重量部、光増感剤(日本化薬製、DETX-S) 0.2
重量部、NMP 1.5重量部を攪拌混合した。これらを混
合して2層構造の層間樹脂絶縁層を構成する上層側の接
着剤層として用いられる無電解めっき用接着剤を調製し
た。
製、分子量2500)の25%アクリル化物を80wt%の濃度で
DMDGに溶解させた樹脂液を35重量部、感光性モノマ
ー(東亜合成製、アロニックスM315 )4重量部、消泡
剤(サンノプコ製、S−65)0.5 重量部、NMPを 3.6
重量部を攪拌混合した。 .ポリエーテルスルフォン(PES)12重量部、エポ
キシ樹脂粒子(三洋化成製、ポリマーポール)の平均粒
径 0.5μmのものを14.49 重量部、を混合した後、さら
にNMP30重量部を添加し、ビーズミルで攪拌混合し
た。 .イミダゾール硬化剤(四国化成製、2E4MZ-CN)2重
量部、光開始剤(チバガイギー製、イルガキュア I−
907 )2重量部、光増感剤(日本化薬製、DETX-S)0.2
重量部、NMP1.5 重量部を攪拌混合した。これらを混
合して、2層構造の層間樹脂絶縁層を構成する下層側の
絶縁剤層として用いられる樹脂組成物を調製した。
製、分子量310,YL983U)100重量部、表面にシランカッ
プリング剤がコーティングされた平均粒径 1.6μmのSi
O2 球状粒子(アドマテック製、CRS 1101−CE、ここ
で、最大粒子の大きさは後述する内層銅パターンの厚み
(15μm)以下とする) 170重量部、レベリング剤(サ
ンノプコ製、ペレノールS4)1.5 重量部を3本ロール
にて混練して、その混合物の粘度を23±1℃で45,000〜
49,000cps に調整した。 .イミダゾール硬化剤(四国化成製、2E4MZ-CN)6.5
重量部。これらを混合して樹脂充填材を調製した。
レイミドトリアジン)樹脂からなる基板1の両面に18μ
mの銅箔8がラミネートされている銅張積層板を出発材
料とした(図2参照)。まず、この銅張積層板をドリル
削孔し、無電解めっきおよび電解めっきを施してスルー
ホール9を形成した(図3参照)。
に、酸化浴として、NaOH(20g/l)、NaCl02(50g/
l)、Na3PO4(15.0g/l)の水溶液、還元浴として、
NaOH(2.7g/l)、NaBH4 ( 1.0g/l)の水溶液を
用いた酸化還元処理に供し、そのスルーホール9を含む
導体の全表面に粗化層11を設けた(図4参照)。
ルーホール部分に開口を設けたマスクを介して、スクリ
ーン印刷法によってスルーホール9内に充填し、乾燥、
硬化させた(図5参照)。そして、銅箔上面の粗化層11
およびスルーホール9からはみ出した充填材10を、#60
0 のベルト研磨紙(三共理化学製)を用いたベルトサン
ダー研磨により除去した(図6参照)。
第二鉄などの水溶液でエッチング処理し、導体回路およ
びスルーホールランドを形成した(図7参照)。さら
に、この導体回路およびスルーホールランドの側面を含
む全表面に、厚さ2.5μmのCu−Ni−P合金からなる粗
化層(凹凸層)11を形成し、さらにこの粗化層11の表面
に厚さ 0.3μmのSn層を設けた(図8参照、但し、Sn層
については図示しない)。その形成方法は以下のようで
ある。即ち、基板を酸性脱脂してソフトエッチングし、
次いで、塩化パラジウムと有機酸からなる触媒溶液で処
理して、Pd触媒を付与し、この触媒を活性化した後、硫
酸銅8g/l、硫酸ニッケル 0.6g/l、クエン酸15g
/l、次亜リン酸ナトリウム29g/l、ホウ酸31g/
l、界面活性剤(日信化学工業製、サーフィノール46
5) 0.1g/lの水溶液からなるpH=9の無電解めっ
き浴にてめっきを施し、スルーホール9を含む導体回路
4の全表面にCu−Ni−P合金からなる粗化層11を設け
た。さらに、この基板に対し、 100℃で30分間、 120℃
で30分間、 150℃で2時間の加熱処理を施し、10重量%
硫酸水溶液、0.2mol/lのホウフッ酸水溶液で処理し、
ついで、ホウフッ化スズ 0.1mol/l、チオ尿素 1.0 mo
l/lの水溶液を用い、温度50℃、pH=1.2 の条件でC
u−Sn置換反応させ、粗化層11の表面に厚さ 0.3μmのS
n層を設けた(Sn層については図示しない)。
(粘度15Pa・s)をロールコータで塗布し、水平状態で
20分間放置してから、60℃で30分の乾燥を行い、絶縁剤
層2aを形成した。さらにこの絶縁剤層2aの上にAの無電
解めっき用接着剤(粘度8Pa・s)をロールコータを用
いて塗布し、55℃で40分の乾燥を行い、接着剤層2bを形
成し、層間樹脂絶縁剤の層2を形成した(図9参照)。
このとき、層間樹脂絶縁剤の層2の表面は、導体間の凹
凸に起因して平坦ではなかった。
層2の表面にポリエチレンテレフタレートフィルム18を
貼着した後、ステンレス板19で挟み、20 kgf/cm2で加圧
し、加熱炉内で65℃で加熱しながら、20分間加熱プレス
した(図9参照)。この加熱プレスにより、層間樹脂絶
縁剤の層2の表面を平坦化した(図10参照)。
85μmφの黒円が印刷されたフォトマスクフィルムを密
着させ、超高圧水銀灯により 500mJ/cm2 で露光した。
これをDMDG溶液でスプレー現像することにより、そ
の層間樹脂絶縁剤の層2に85μmφのバイアホールとな
る開口を形成した。さらに、当該基板を超高圧水銀灯に
より3000mJ/cm2 で露光し、100 ℃で1時間、その後 1
50℃で5時間の加熱処理をすることにより、フォトマス
クフィルムに相当する寸法精度に優れた開口(バイアホ
ール形成用開口6)を有する厚さ35μmの層間樹脂絶縁
層2を形成した(図11参照)。なお、バイアホールとな
る開口には、スズめっき層を部分的に露出させた。
板を、 800g/lのクロム酸水溶液に70℃で19分間浸漬
し、層間樹脂絶縁層2の接着剤層2bの表面に存在するエ
ポキシ樹脂粒子を溶解除去することにより、当該層間樹
脂絶縁層2の表面を粗面(深さ3μm)とし、その後、
中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした
(図12参照)。さらに、粗面化処理した該基板の表面
に、パラジウム触媒(アトテック製)を付与することに
より、層間樹脂絶縁層12の表面およびバイアホール用開
口6の内壁面に触媒核を付けた。
に基板を浸漬して、粗面全体に厚さ0.6μmの無電解銅
めっき膜12を形成した(図13参照)。このとき、めっき
膜が薄いために無電解めっき膜表面には凹凸が観察され
た。 〔無電解めっき水溶液〕 EDTA 150 g/l 硫酸銅 20 g/l HCHO 30 ml/l NaOH 40 g/l α、α’−ビピリジル 80 mg/l PEG 0.1 g/l 〔無電解めっき条件〕70℃の液温度で30分
上に市販の感光性ドライフィルムを張り付け、マスクを
載置して、100 mJ/cm2 で露光、0.8 %炭酸ナトリウム
で現像処理し、厚さ15μmのめっきレジスト3を設けた
(図14参照)。
脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄してから、
以下の条件で電解銅めっきを施し、厚さ15μmの電解銅
めっき膜13を形成した(図15参照)。 〔電解めっき水溶液〕 硫酸銅 180 g/l 硫酸銅 80 g/l 添加剤(アドテックジャパン製、カパラシドGL) 1ml/l 〔電解めっき条件〕 電流密度 1A/dm2 時間 30分 温度 室温
で剥離除去した後、そのめっきレジスト3下の無電解め
っき膜12を硫酸と過酸化水素の混合液でエッチング処理
して溶解除去し、無電解銅めっき膜12と電解銅めっき膜
13からなる厚さ18μmの導体回路(バイアホール7を含
む)5を形成した(図16参照)。さらに、70℃で800g/
l のクロム酸水溶液に3分間浸漬して、導体回路非形成
部分に位置する導体回路間の無電解めっき用接着剤層の
表面を1μmエッチング処理し、その表面に残存するパ
ラジウム触媒を除去した。
8g/l、硫酸ニッケル 0.6g/l、クエン酸15g/
l、次亜リン酸ナトリウム29g/l、ホウ酸31g/l、
界面活性剤(日信化学工業製、サーフィノール465 )
0.1g/lの水溶液からなるpH=9の無電解めっき液
に浸漬し、該導体回路5の表面に厚さ3μmの銅−ニッ
ケル−リンからなる粗化層11を形成した(図17参照)。
このとき、形成した粗化層11をEPMA(蛍光X線分析
装置)で分析したところ、Cu:98 mol%、Ni: 1.5 mol
%、P: 0.5 mol%の組成比であった。さらに、ホウフ
ッ化スズ 0.1 mol/l、チオ尿素 1.0 mol/lの水溶液
を用い、温度50℃、pH=1.2 の条件でCu−Sn置換反応
を行い、前記粗化層11の表面に厚さ0.3 μmのSn層を設
けた(Sn層については図示しない)。
により、さらに上層の導体回路を形成し、多層配線板を
得た。但し、上層の層間樹脂絶縁層の平坦化、ならびに
最上層の導体回路におけるSn置換は行わなかった(図18
〜23参照)。
ゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬製)のエポ
キシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴマー
(分子量4000)を 46.67重量部、メチルエチルケトンに
溶解させた80wt%のビスフェノールA型エポキシ樹脂
(油化シェル製、エピコート1001)15.0重量部、イミダ
ゾール硬化剤(四国化成製、2E4MZ-CN)1.6 重量部、感
光性モノマーである多価アクリルモノマー(日本化薬
製、R604 )3重量部、同じく多価アクリルモノマー
(共栄社化学製、DPE6A ) 1.5重量部、分散系消泡剤
(サンノプコ社製、S−65)0.71重量部を混合し、さら
にこの混合物に対して光開始剤としてのベンゾフェノン
(関東化学製)を2重量部、光増感剤としてのミヒラー
ケトン(関東化学製)0.2 重量部を加えて、ソルダーレ
ジスト組成物を得た。
に、上記ソルダーレジスト組成物を20μmの厚さで塗布
した。次いで、70℃で20分間、70℃で30分間の乾燥処理
を行った後、クロム層によってソルダーレジスト開口部
の円パターン(マスクパターン)が描画された厚さ5mm
のソーダライムガラス基板を、クロム層が形成された側
をソルダーレジスト層に密着させて1000mJ/cm2 の紫外
線で露光し、DMTG現像処理した。さらに、80℃で1時
間、 100℃で1時間、 120℃で1時間、 150℃で3時間
の条件で加熱処理し、はんだパッドの上面、バイアホー
ルおよびランド部分を開口した(開口径 200μm)ソル
ダーレジストパターン層14(厚み20μm)を形成した。
を形成した基板を、塩化ニッケル30g/l、次亜リン酸
ナトリウム10g/l、クエン酸ナトリウム10g/lの水
溶液からなるpH=5の無電解ニッケルめっき液に20分
間浸漬して、開口部に厚さ5μmのニッケルめっき層15
を形成した。さらに、その基板を、シアン化金カリウム
2g/l、塩化アンモニウム75g/l、クエン酸ナトリ
ウム50g/l、次亜リン酸ナトリウム10g/lの水溶液
からなる無電解金めっき液に93℃の条件で23秒間浸漬し
て、ニッケルめっき層15上に厚さ0.03μmの金めっき層
16を形成した。
14の開口部に、はんだペーストを印刷して 200℃でリフ
ローすることによりはんだバンプ(はんだ体)17を形成
し、はんだバンプ17を有する多層プリント配線板を製造
した(図24参照)。
マレイミドトリアジン)樹脂からなる基板の両面に18μ
mの銅箔がラミネートされている銅張積層板を出発材料
とした。まず、この銅張積層板をドリル削孔し、めっき
レジストを形成した後、無電解めっき処理してスルーホ
ールを形成し、さらに、銅箔を常法に従いパターン状に
エッチングすることにより、基板の両面に内層銅パター
ンを形成した。 (2) 内層銅パターンを形成した基板を、水洗いし、乾燥
した後、NaOH(10g/l)、NaClO2(40g/l)、Na3P
O4(6g/l)の水溶液を酸化浴、またNaOH(10g/
l)、NaBH4 (6g/l)の水溶液を還元浴とし、導体
回路、スルーホール全表面に粗化層を設けた。 (3) 実施例1のCの樹脂充填材を、スルーホール部に開
口を設けた金属製印刷マスクを載置した基板の両面に、
ロールコータを用いて印刷することにより導体回路間あ
るいはスルーホール内に充填し、次いで、100 ℃で1時
間、 120℃で3時間、 150℃で1時間、 180℃で7時間
の加熱処理を行って硬化した。即ち、この工程により、
樹脂充填材が内層銅パターンの間あるいはスルーホール
内に充填される。 (4) 前記(3) の処理を終えた基板の片面を、#600 のベ
ルト研磨紙(三共理化学製)を用いたベルトサンダー研
磨により、内層銅パターンの表面やスルーホールのラン
ド表面に樹脂充填材が残らないように研磨し、次いで、
前記ベルトサンダー研磨による傷を取り除くためのバフ
研磨を行った。このような一連の研磨を基板の他方の面
についても同様に行った。このようにして、スルーホー
ル等に充填された樹脂充填材の表層部および内層導体回
路上面の粗化層を除去して基板両面を平滑化し、樹脂充
填材と導体回路の側面とが粗化層を介して強固に密着
し、またスルーホールの内壁面と樹脂充填材とが粗化層
を介して強固に密着した配線基板を得た。即ち、この工
程により、樹脂充填材の表面と内層銅パターンの表面が
同一平面となる。ここで、充填した硬化樹脂のTg点は
155.6℃、線熱膨張係数は44.5×10-5/℃であった。 (5) さらに、露出した導体回路およびスルーホールのラ
ンド上面に厚さ5μmのCu−Ni−P合金被覆層、厚さ2
μmのCu−Ni−P針状合金粗化層および粗化層表面に厚
さ 0.3μmのSn金属被覆層を設けた。これらの層の形成
方法は以下のようである。即ち、基板を酸性脱脂してソ
フトエッチングし、次いで、塩化パラジウムと有機酸か
らなる触媒溶液で処理して、Pd触媒を付与し、この触媒
を活性化した後、硫酸銅8g/l、硫酸ニッケル 0.6g
/l、クエン酸15g/l、次亜リン酸ナトリウム29g/
l、ホウ酸31g/l、界面活性剤(日信化学工業製、サ
ーフィノール104 ) 0.1g/lの水溶液からなるpH=
9の無電銅めっき浴に基板を浸漬し、この基板を4秒に
1回の割合で縦方向に振動させるとともに、めっき析出
後、3分後に空気をバブリングさせて、銅導体回路およ
びスルーホールの表面にCu−Ni−Pの非針状合金の被覆
層を最初に析出させ、次にCu−Ni−Pの針状合金を析出
させて粗化層を設けた。さらに、 100℃で30分、 120℃
で30分、 150℃で2時間の加熱処理を行い、10体積%の
硫酸水溶液、および0.2mol/lのホウフッ酸水溶液で処
理した後、ホウフッ化スズ 0.1 mol/l、チオ尿素 1.0
mol/lの水溶液を用い、温度50℃、pH=1.2 の条件
でCu−Sn置換反応させ、粗化層の表面に厚さ 0.3μmの
Sn金属被覆層を設けた。 (6) 実施例1の(5) 以降の工程を実施し、はんだバンプ
を有する多層プリント配線板を製造した。
板について、−55〜125 ℃で1000回のヒートサイクル試
験を実施し、光学顕微鏡により層間樹脂絶縁層中のクラ
ックの有無を確認した。その結果を表1に示す。また、
電子部品の実装性について評価した。
回路の側面と上面で粗化形態の相違がないため、導体回
路の側面と上面とが交差する部分を起点とするクラック
が発生しないことがわかる。また、電子部品の実装性に
ついても問題はなかった。
導体と層間樹脂絶縁層との界面において、導体の表面側
と側面側の粗化形態の違いが原因となるクラックを効果
的に防止できる。その結果、本発明の多層プリント配線
板は、ヒートサイクルなどの条件下での耐クラック性に
優れる。
程のを示す概略図である。
程を示す図である。
程を示す図である。
程を示す図である。
程を示す図である。
程を示す図である。
程を示す図である。
程を示す図である。
程を示す図である。
程を示す図である。
程を示す図である。
程を示す図である。
程を示す図である。
程を示す図である。
程を示す図である。
程を示す図である。
程を示す図である。
程を示す図である。
程を示す図である。
程を示す図である。
程を示す図である。
程を示す図である。
程を示す図である。
程を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 基板上に、層間樹脂絶縁層を介して導体
回路が形成されてなり、該コア基板にはスルーホールが
設けられ、そのスルーホールには充填材が充填された構
造を有する多層プリント配線板において、 前記コア基板上に設けられた層間樹脂絶縁層は平坦であ
り、かつ前記コア基板に設けた導体回路には、側面を含
む全表面に、同一種類の粗化層が形成されていることを
特徴とする多層プリント配線板。 - 【請求項2】 コア基板上に、層間樹脂絶縁層を介して
導体回路が形成されてなり、該コア基板には、スルーホ
ールが設けられ、そのスルーホールには充填材が充填さ
れた構造を有する多層プリント配線板を製造するにあた
り、少なくとも下記 (a)〜(g) の工程、すなわち、(a)
両面に金属層が形成された基板にスルーホールを設ける
工程、(b) 前記金属層の表面および前記スルーホールの
内壁面を粗化処理する工程、(c) 該スルーホールに樹脂
を充填する工程、(d) 表面を研磨する工程、(e) 金属層
をエッチングして導体回路を形成し、コア基板とする工
程、(f) 前記導体回路の側面を含む全表面に、同一種類
の粗化層を形成する工程、(g) 前記コア基板上に層間樹
脂絶縁剤の層を設け、加熱プレスして平坦化した層間樹
脂絶縁層とする工程、を含むことを特徴とする多層プリ
ント配線板の製造方法。
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