JP2000022288A - フレキシブルプリント基板及びその製造方法 - Google Patents

フレキシブルプリント基板及びその製造方法

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JP2000022288A
JP2000022288A JP10182992A JP18299298A JP2000022288A JP 2000022288 A JP2000022288 A JP 2000022288A JP 10182992 A JP10182992 A JP 10182992A JP 18299298 A JP18299298 A JP 18299298A JP 2000022288 A JP2000022288 A JP 2000022288A
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Satoshi Takahashi
敏 高橋
Hiromasa Ota
浩全 太田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着強度が向上されて、しかも接着強度のば
らつきが抑えられて品質が均一化されるとともに、カー
ルが極力抑えられて寸法安定性に優れた微細な回路に十
分対応可能なフレキシブルプリント基板を提供する。 【解決手段】 フレキシブルプリント基板1は、銅箔2
上に第1のポリイミド樹脂層3a、第2のポリイミド樹
脂層3bが順次積層形成されてなる。この銅箔2に接す
る第1のポリイミド樹脂層3aは、酸無水物成分とアミ
ン成分とが反応してなるポリアミック酸成分と、酸無水
物成分とイソシアネート成分とが反応してなるポリイミ
ド成分とを含有するポリイミド前駆体を、イミド化して
形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば電子機器等
の電気的接続に用いるフレキシブルプリント配線板のベ
ース基板であるフレキシブルプリント基板に関するもの
であり、詳しくは導体上にポリイミド樹脂層からなる絶
縁体が形成されたものに関する。特に、フレキシブルプ
リント基板の接着性やカールの改善に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯型記録再生装置等のいわゆるポータ
ブル電気製品では、小型化や低価格化を図るために、電
気回路部間を比較的安価で省スペース化が可能なフレキ
シブルプリント配線板を利用して接続されたものが多
い。従来のフレキシブルプリント配線板は、例えば、ベ
ース基板であるフレキシブルプリント基板の導体にエッ
チングが施されて回路が形成されてなる。
【0003】このフレキシブルプリント基板としては、
柔軟性や耐熱性の点からポリイミドフィルムが多用され
ている。具体的には、図8に示すように、銅箔51上に
ポリアミック酸からなるポリイミド前駆体用ワニスを直
接塗布し、このポリイミド前駆体を乾燥した後にイミド
化して、ポリイミド樹脂層52を形成した2層フレキシ
ブルプリント基板50が提案され実用化されている。
【0004】ところが、この2層フレキシブルプリント
基板50では、金属箔51上に塗布したポリアミック酸
をイミド化する際に高温下にて行うため、カールが生じ
てしまうという問題があった。
【0005】このようなカールが生じる原因の一つとし
ては、金属箔51とポリイミド樹脂層52との熱膨張率
の差が起因して、イミド化後に常温に戻した際に、金属
箔51とポリイミド樹脂層52との熱収縮率に差が生じ
るためと考えられる。
【0006】そこで、特開平8−250860号公報に
て示されるように、2層フレキシブルプリント基板にお
けるカールの除去等を目的として、金属箔上に形成され
るポリイミド樹脂層を多層構造とし、金属箔とポリイミ
ド樹脂層との熱線膨張係数の差を緩和する方法が提案さ
れている。この方法では、銅箔上にポリイミド樹脂層を
形成しフレキシブルプリント基板を完成させた時点では
カールをかなり効果的に除去することができると知られ
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
方法では、銅箔を含めた状態でポリイミド樹脂層の熱線
膨張係数を調整しているため、フレキシブルプリント基
板の完成後に銅箔をエッチングして回路パターンを形成
しフレキシブルプリント配線板を作製した際には、再び
カールが生じてしまう。すなわち、この方法では、回路
を形成した後のものについてはカールの矯正は不可能で
あるという問題がある。
【0008】また、2層フレキシブルプリント基板にカ
ールが生じる他の原因としては、ポリイミド前駆体がイ
ミド化される際に材料自体が収縮を起こし、この収縮が
原因となってカールが生じると考えられる。
【0009】しかしながら、このようなポリイミド前駆
体がイミド化する際の材料収縮が原因となってカールが
生じる現象に対しては、効果的な手当が施されていない
のが現状である。そのため、従来の2層フレキシブルプ
リント基板では、カールを完全に除去することは困難で
あり、このカールが原因してエッチング後の回路の導体
間隔の精度が落ちてしまい、昨今求められているような
更なる微細な回路パターンを形成するには不向きであ
る。
【0010】また、このようなポリイミド前駆体がイミ
ド化される際に材料収縮が起こることによって、銅箔5
1とポリイミド樹脂層52との間に歪みが生じて接着強
度が劣化するという問題もある。
【0011】さらに、従来の2層フレキシブルプリント
基板では、実際にイミド化する際に、図9に示すよう
に、銅箔上にポリアミック酸からなるポリイミド前駆体
用ワニスを塗布したフィルム53をロール状に巻き取
り、この状態で加熱処理を施してイミド化を行う。
【0012】このように、イミド化時にロール状態で加
熱処理を行うので、ロール化されたフィルム53全体に
均一に加熱処理が行えず、結果的にイミド化後にロール
を解いたフレキシブルプリント基板50では、巻き取り
軸に最も近い巻芯部53a、中間部53b及び巻外部5
3cに相当する各部分において、銅箔51とポリイミド
樹脂層52との接着強度がばらついてしまい、均一な品
質が得られないという問題がある。詳しくは、特に、巻
芯部53aから中間部53bに相当する部分のものは、
銅箔とポリイミド樹脂層との接着強度が安定しなかっ
た。
【0013】そこで、本発明は、このような実情に鑑み
て提案されたものであり、接着強度が向上されて、しか
も接着強度のばらつきが抑えられて品質が均一化される
とともに、カールが極力抑えられて寸法安定性に優れた
微細な回路に十分対応可能なフレキシブルプリント基板
を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
本発明に係るフレキシブルプリント基板は、導体上に少
なくとも1層以上のポリイミド樹脂層が形成されてなる
ものであり、上記導体に接するポリイミド樹脂層が、酸
無水物成分とアミン成分とが反応してなる下記の化5に
示されるポリアミック酸成分と、酸無水物成分とイソシ
アネート成分とが反応してなる下記の化6に示されるポ
リイミド成分とを含有するポリイミド前駆体を、イミド
化して形成されることを特徴とするものである。
【0015】
【化5】
【0016】
【化6】
【0017】このように、本発明に係るフレキシブルプ
リント基板は、導体に接するポリイミド樹脂層の材料で
あるポリイミド前駆体が、上記化5に示すポリアミック
酸成分の他に、上記化6に示すポリイミド成分を含有し
ている。
【0018】即ち、本発明に係るフレキシブルプリント
基板では、導体に接するポリイミド樹脂層の材料である
ポリイミド前駆体がイミド化処理を施す前に予め部分イ
ミド化されているため、このポリイミド前駆体がイミド
化されることによる材料収縮が小さく抑えられる。その
結果、本発明に係るフレキシブルプリント基板によれ
ば、イミド化時における導体と当該導体に接するポリイ
ミド樹脂層との間に生じる歪みが抑えられて、導体とポ
リイミド樹脂層との接着強度が向上される。
【0019】しかも、本発明に係るフレキシブルプリン
ト基板では、ロール化してイミド化する際に、上記の材
料収縮が小さく抑えられるので、イミド化後にロールを
解いたフレキシブルプリント基板において巻芯部、中間
部及び巻取部に相当する各部分において、導体とポリイ
ミド樹脂層との接着強度のばらつきが抑えられて、品質
が極力均一化される。
【0020】さらに、本発明に係るフレキシブルプリン
ト基板では、ポリイミド前駆体がイミド化されることに
よる材料収縮が小さく抑えられるため、カールが極力抑
えられる。
【0021】また、本発明に係るフレキシブルプリント
基板の製造方法は、導体上に、酸無水物成分とアミン成
分とが反応してなる下記の化7に示されるポリアミック
酸成分と、酸無水物成分とイソシアネート成分とが反応
してなる下記の化8に示されるポリイミド成分とを含有
する第1のポリイミド前駆体用ワニスを塗工して第1の
ポリイミド前駆体層を形成する工程と、上記第1のポリ
イミド前駆体層上に酸無水物成分とアミン成分とが反応
してなるポリアミック酸成分からなる第2のポリイミド
前駆体用ワニスを塗工して第2のポリイミド前駆体層を
形成する工程と、上記第1のポリイミド前駆体層及び第
2のポリイミド前駆体層を熱処理してイミド化すること
により第1のポリイミド樹脂層及び第2のポリイミド樹
脂層を形成する工程とを有することを特徴とする。
【0022】
【化7】
【0023】
【化8】
【0024】このように、本発明に係るフレキシブルプ
リント基板の製造方法では、導体に接する第1のポリイ
ミド樹脂層の材料であるポリイミド前駆体として、上記
化7に示すポリアミック酸成分の他に、上記化8に示す
ポリイミド成分を含有したものを用いてポリイミド前駆
体層を形成する。
【0025】即ち、本発明に係るフレキシブルプリント
基板の製造方法では、第1のポリイミド樹脂層の材料で
あるポリイミド前駆体として、イミド化処理を施す前に
予め部分イミド化されている材料を用いるため、この第
1のポリイミド樹脂層の材料であるポリイミド前駆体が
イミド化されることによる材料収縮が小さく抑えられ
る。その結果、本発明に係るフレキシブルプリント基板
の製造方法によれば、イミド化時における導体と第1の
ポリイミド樹脂層との間に生じる歪みが抑えられて、導
体と第1のポリイミド樹脂層との接着強度が向上され
る。
【0026】しかも、本発明に係るフレキシブルプリン
ト基板の製造方法では、ロール化してイミド化する際に
上記の材料収縮が小さく抑えられるので、イミド化後に
ロールを解いたフレキシブルプリント基板において巻芯
部、中間部及び巻取部に相当する各部分において、導体
と第1のポリイミド樹脂層との接着強度のばらつきが抑
えられて、品質が極力均一化なものとなる。
【0027】さらに、本発明に係るフレキシブルプリン
ト基板の製造方法では、ポリイミド前駆体がイミド化さ
れることによる材料収縮が小さく抑えられるため、カー
ルが極力抑えられる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発
明を適用したフレキシブルプリント基板1の一例の断面
図である。
【0029】本発明のフレキシブルプリント基板1は、
図1に示すように、銅箔2の一主面2a上に第1のポリ
イミド樹脂層3a、第2のポリイミド樹脂層3bが順次
積層されてなるものである。そして、このフレキシブル
プリント基板1は、銅箔2にエッチングによって所望の
回路パターンが形成されて、電子機器等の電気的接続に
用いられるフレキシブルプリント配線板となされる。
【0030】銅箔2としては、具体的には、電解銅箔や
圧延銅箔等を使用することができる。銅箔2の厚さは、
35μm以下、好ましくは8μm〜18μmが微細回路
を形成する上で好ましい。ここで、銅箔2の厚さが18
μm以上であると、微細回路の形成が難しい。銅箔2の
厚さが8μm以下であると、塗布工程でしわ等が生じや
すく作業しにくい。
【0031】なお、銅箔2は、第1のポリイミド樹脂層
3aや第2のポリイミド樹脂層3bのイミド化温度であ
る250℃〜400℃の雰囲気で熱処理すると、熱線膨
張係数が上昇する性質がある。例えば、銅箔2の熱線膨
張係数は、イミド化前には16.0×10-6〜18.0
×10-6/Kであるが、イミド化後になると18.0×
10-6〜20.0×10-6/Kとなる。
【0032】また、銅箔2は、表面処理を施さない銅箔
が最適であるが、亜鉛やクロムや酸化等によって表面処
理した場合には、中心線平均粗さRaが10μm以下、
好ましくは7μm以下が良い。
【0033】なお、本発明のフレキシブルプリント基板
1の導体としては、銅箔2に限らず、アルミニウム、鉄
等の金属箔でも良い。さらに、これら金属とベリリュウ
ム、ニッケル、クロム、タングステン等との合金からな
る金属箔、例えば、ベリリュウム銅箔、ステンレス箔で
も良く、また、銅とアルミニウムの複合箔等であっても
良い。
【0034】そして、これら金属箔の表面に対して、接
着強度の向上のために、マット処理やニッケルや亜鉛メ
ッキや酸化処理等を施しても良い。また、アルミニウム
アルコラート、アルミニウムキレート、シランカップリ
ング剤、イミダゾール処理等の化学的な表面処理を施す
ことも可能である。
【0035】特に、本発明のフレキシブルプリント基板
1において、銅箔2と接する第1のポリイミド樹脂層3
aは、酸無水物成分とアミン成分とが反応してなる化9
に示されるポリアミック酸成分と、酸無水物成分とイソ
シアネート成分とが反応してなる化10に示されるポリ
イミド成分とを含有してなるポリイミド前駆体を、イミ
ド化して形成されるものである。
【0036】言い換えれば、本発明のフレキシブルプリ
ント基板1では、第1のポリイミド樹脂層3aの材料と
して用いる第1のポリイミド前駆体用ワニスが、化10
に示すようなポリイミド成分を含有することにより、イ
ミド化工程前に既に部分的にイミド化された状態であ
る。詳しくは、後述するように、第1のポリイミド前駆
体用ワニスは、ジイソシアネート成分により部分イミド
化されている。
【0037】そして、第1のポリイミド樹脂層3aは、
この第1のポリイミド前駆体用ワニスが銅箔2上に塗布
され乾燥された後に、イミド化工程を経て形成されるも
のである。
【0038】
【化9】
【0039】
【化10】
【0040】上記の化9に示す成分は、通常のポリアミ
ック酸成分であり、酸二無水物と芳香族ジアミンとが縮
合されてなる。よって、化9に示されるAr1,Ar
2は、以下に示す酸二無水物と芳香族ジアミンとの縮合
物から構成される芳香環部分である。なお、この芳香環
部分は、適宜置換されたものでも良い。
【0041】酸二無水物としては、例えば、ピロメリッ
ト酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、
ビス(ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物、ビ
ス(ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸二無水物等を用いることがで
きる。
【0042】芳香族ジアミンとしては、例えば、o−,
m−及びp−フェニレンジアミン、4,4ジアミノジフェ
ニルエーテル、2,2−ビス[4-(4-アミノフェノキシ)
フェニル]プロパン、2,2ービス[4-(4-アミノフェ
ノキシ)フェニル]スルフォン、4,4-ジアミノベンズア
ニリド、1,4−ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、
3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル等
を好適に用いることができる。
【0043】上記の化10に示す成分は、上記酸二無水
物に芳香族ジイソシアネートが反応(イミド化反応)し
てイミド環が形成されたものである。よって、化10に
示されるAr3,Ar4は、以下に示す芳香族ジイソシア
ネート化合物と上記の酸二無水物との縮合物から構成さ
れる芳香環部分である。なお、この芳香環部分は、適宜
置換されたものでも良い。
【0044】上記の芳香族ジイソシアネート化合物とし
ては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、2,4−トリレンジイソシアネート、トリジン
ジイソシアネート、1,5−ナフタリンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイ
ソシアネート等が挙げられる。
【0045】このように、本発明のフレキシブルプリン
ト基板1では、銅箔2に接する第1のポリイミド樹脂層
3aの材料として用いる第1のポリイミド前駆体用ワニ
スが、上記化10に示すポリイミド成分を含有してい
る。
【0046】即ち、本発明のフレキシブルプリント基板
1では、第1のポリイミド樹脂層3aの材料であるポリ
イミド前駆体がイミド化処理を施す前に予め部分イミド
化されているため、この第1のポリイミド樹脂層3aの
材料であるポリイミド前駆体がイミド化されることによ
る材料収縮を小さく抑えることができる。その結果、本
発明のフレキシブルプリント基板1によれば、イミド化
時における銅箔2と第1のポリイミド樹脂層3aとの間
に生じる歪みが抑えられて、銅箔2と第1のポリイミド
樹脂層3aとの接着強度を向上することができる。
【0047】しかも、本発明のフレキシブルプリント基
板1では、ロール化してイミド化する際に、上記の材料
収縮が小さく抑えられるので、イミド化後にロールを解
いたフレキシブルプリント基板において巻芯部、中間部
及び巻取部に相当する各部分において、銅箔2と第1の
ポリイミド樹脂層3aとの接着強度のばらつきが抑えら
れて、品質が極力均一化な高品質なものとすることがで
きる。
【0048】さらに、本発明のフレキシブルプリント基
板1では、ポリイミド前駆体がイミド化されることによ
る材料収縮が小さく抑えられるため、カールが極力抑え
られて良好な平面性が得られたものとなる。
【0049】なお、このとき、第1のポリイミド樹脂層
3aに用いられる第1のポリイミド前駆体用ワニス中に
おいて化10に示す成分の割合は、化9に示す成分及び
化10に示す成分の和を100モル%としたときに10
モル%〜70モル%が好ましく、より好ましくは30モ
ル%〜50モル%の範囲が良い。
【0050】ここで、使用した芳香族ジイソシアネート
化合物のモル数を、ポリアミック酸のイミド化率とす
る。すなわち、第1のポリイミド樹脂層3aの第1のポ
リイミド前駆体用ワニスでは、化10に示すようなポリ
イミド成分を含有することにより、イミド化工程前に既
に10モル%〜70モル%イミド化されているのが好ま
しく、より好ましくは30モル%〜50モル%イミド化
されているのが良い。言い換えれば、上記第1のポリイ
ミド前駆体用ワニスは、既に部分的にイミド化された率
(以下、仕込みイミド化率と称する。)が10モル%〜
70モル%であると好ましく、30モル%〜50モル%
であるとより好ましい。
【0051】仕込みイミド化率が10モル%を下回る
と、フレキシブルプリント基板1にカールが発生しやす
くなる。一方、仕込みイミド化率が70モル%以上であ
ると、銅箔2と第1のポリイミド樹脂層3aとの接着強
度が低下する。また、熱線膨張係数が30×10-6/K
以下のポリイミド樹脂は、前駆体であるポリアミック酸
の一部がイミド化していると、N−メチル−2−ピロリ
ドンやジメチルアセトアミドのような極性溶媒に溶解し
にくく、樹脂が分離したり、ポリアミック酸溶液がゲル
化又は粘度が高くなる。このような状態であると、銅箔
2上に塗布することが困難となる。そのため、仕込みイ
ミド化率の上限としては、70モル%が限界である。
【0052】また、第1のポリイミド樹脂層3aに用い
る第1のポリイミド前駆体用ワニスは、後のイミド化処
理により高温下にて加熱処理を施すため、この高温の加
熱処理による熱膨張を低減するために、上記仕込みイミ
ド化率の範囲内でガラス転移温度Tgが高いものを用い
ることが必要である。理想的には、この第1のポリイミ
ド前駆体用ワニスのガラス転移温度Tgとしては、25
0℃以上が好ましい。ここで、250℃以下であると、
イミド化の温度が300℃〜400℃の高温を必要とす
るため、銅箔2に対する第1のポリイミド樹脂層3aの
幅方向及び長手方向の接着強度や、フレキシブルプリン
ト基板1の銅箔2をエッチング除去して回路を形成した
フレキシブルプリント配線板を作製した場合にこのフレ
キシブルプリント配線板の収縮率に大きなばらつきが生
じやすく、寸法安定性が劣ったものとなる。
【0053】一方、第2のポリイミド樹脂層3bは、ポ
リイミド系樹脂の前駆体である酸二無水物と芳香族ジア
ミンとの縮合化合物であるポリアミック酸を主成分とす
る第2のポリイミド前駆体用ワニスを塗布し乾燥させた
後に、イミド化されることにより形成されるものであ
る。
【0054】上記酸二無水物及び芳香族ジアミンとして
は、上述したような第1のポリイミド樹脂層3aのポリ
イミド前駆体に用いられる酸二無水物及び芳香族ジアミ
ンと同様なものを用いることができる。
【0055】なお、上記第1及び第2のポリイミド樹脂
層3a,3bの何れのポリイミド前駆体であるポリアミ
ック酸溶液についても、ポリアミック酸のカルボン酸基
が銅箔2等の金属箔を腐食させることが考えられるた
め、防錆剤を添加することができる。しかも、防錆剤
は、防錆の機能の他に、金属箔との接着強度を向上させ
ることもできる。このような防錆剤としては、例えば、
3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,3−トリア
ゾール等のトリアゾール化合物や、2−メチルイミダゾ
ール等のイミダゾール化合物とその塩が挙げられる。そ
して、このような防錆剤の添加量としては、ポリアミッ
ク酸100重量部に対して1〜10重量部とすることが
好ましい。
【0056】また、多層構造のポリイミド樹脂層におい
て、個々のポリイミド樹脂層3a,3b相互間の層間剥
離を起こさないように接着力を向上するために、又は、
銅箔2等の金属箔との接着力を向上させるために、エポ
キシ樹脂を添加しても良い。このエポキシ樹脂として
は、例えば、ビスフェノール型、ノボラックフェノール
型等の汎用エポキシ樹脂を使用することができる。な
お、必ずしも、エポキシ樹脂の硬化剤は必要ではないが
添加しても良い。その場合、硬化剤は、ポリアミック酸
溶液に配合すればよい。
【0057】また、第2のポリイミド樹脂層3bは、そ
の熱線膨張係数が30×10-6/K以下となされること
が好ましい。つまり、第2のポリイミド樹脂層3b用の
ポリイミド前駆体は、イミド化後の熱線膨張係数が30
×10-6/K以下となるものであることが好ましい。こ
の第2のポリイミド樹脂層3bの熱線膨張係数が30×
10-6/Kよりも大きいと、フレキシブルプリント基板
1の銅箔2をエッチング除去してフレキシブルプリント
配線板を作製した際に、このフレキシブルプリント配線
板が平坦にならないからである。
【0058】このように、本発明のフレキシブルプリン
ト基板1では、銅箔2上に接する第1のポリイミド樹脂
層3a上に積層される第2のポリイミド樹脂層3bの熱
線膨張係数が規定されることにより、カールをより効果
的に抑制することが可能となり、更なる高密度実装に求
められる微細回路の形成を実現することができる。
【0059】ここで、このような熱線膨張係数に設定す
るには、特開昭60-157286号公報,特開昭60-243120号公
報,特開昭63-239998号公報,特開平1-245586号公報,
特開平3-123093号公報,特開平5-1390527号公報等に報告
されるように、既存の酸二無水物と芳香族ジアミンとの
組み合わせやそれぞれの化学構造、並びにこれらの配合
比等を変えることにより、熱線膨張係数を自在に調整す
ることができる。
【0060】なお、本発明を適用したフレキシブルプリ
ント基板は、図1に示すような2層のポリイミド樹脂層
からなる構造に限らず、銅箔2上に複数のポリイミド樹
脂層が積層された多層構造であっても良い。このとき、
特に、ポリイミド樹脂層が3層以下の多層構造であるこ
とが好ましい。4層以上だとコストアップを招き経済的
でないからである。
【0061】具体的には、本発明のフレキシブルプリン
ト基板20としては、図2に示すように、銅箔2に第1
のポリイミド樹脂層13a、第2のポリイミド樹脂層1
3b及び第3のポリイミド樹脂層13cが順次積層形成
されてなる。そして、上記第1のポリイミド樹脂層13
aは、図1に示したフレキシブルプリント基板1におけ
る第1のポリイミド樹脂層3aと同様に、部分イミド化
された第1のポリイミド前駆体用ワニスをイミド化して
なるものである。また、上記第2のポリイミド樹脂層1
3bは、図1に示したフレキシブルプリント基板1にお
ける第2のポリイミド樹脂層3bと同様に、従来公知の
ポリアミック酸溶液をイミド化されてなるものである。
【0062】ここで、第3のポリイミド樹脂層13c
は、上記第2のポリイミド樹脂層13bと同様に、従来
公知のポリアミック酸溶液がイミド化されてなるもので
ある。そして、このフレキシブルプリント基板20にお
いては、外側に位置する第3のポリイミド樹脂層13c
は、中央に位置する第2のポリイミド樹脂層13bより
も熱線膨張係数が高い方が好ましい。このような構成と
することにより、銅箔2との接着強度を向上させること
ができるとともに、フレキシブルプリント基20のカー
ルを抑えることができる。
【0063】そして、特に、銅箔2側の第1のポリイミ
ド樹脂層13aの熱線膨張係数が外側の第3のポリイミ
ド樹脂層13cの熱線膨張係数よりも若干大きいとより
好ましい。これは、銅箔2の表面粗さがカールに影響を
及ぼすためである。
【0064】このように、ポリイミド樹脂層を多層構造
にすることにより、熱線膨張係数を銅箔2の熱線膨張係
数とより近い値に調整することができ、カールを抑制す
ることができる。特に、銅箔2に対して外側の層のポリ
イミド系樹脂の厚さによってカールを制御することがで
きる。
【0065】なお、本発明のフレキシブルプリント基板
としては、銅箔2との接着強度を向上させるとともにそ
の接着強度のばらつきを抑えることのみを目的とする場
合には、銅箔2上に形成されるポリイミド樹脂層は単層
でも良く、化9及び化10に示すような部分的にイミド
化されたポリイミド前駆体を用いて当該ポリイミド前駆
体をイミド化してポリイミド樹脂層を形成すれば良い。
但し、上述したように、接着強度だけでなく、カールの
抑制をより効果的に実現するには、銅箔2と接する第1
のポリイミド樹脂層上に積層される第2のポリイミド樹
脂層の熱線膨張係数を規定することがより好ましい。
【0066】つぎに、以上のように構成される本発明の
フレキシブルプリント基板1の製造方法について、図面
を参照しながら説明する。
【0067】先ず、図3に示すような導体である銅箔2
を用意する。
【0068】次に、この銅箔2上に形成する第1のポリ
イミド樹脂層3aの材料である第1のポリイミド前駆体
用ワニスを以下のように合成し調整する。始めに、過剰
な酸二無水物と芳香族ジアミンとを溶剤中に溶解して反
応させて、両末端が酸二無水物であるポリアミック酸プ
レポリマーを作る。そして、このポリアミック酸プレポ
リマー中に芳香族ジイソシアネート化合物を添加し、ポ
リアミック酸プレポリマー中の酸二無水物と上記芳香族
ジイソシアネート化合物とを反応させて直接イミド環を
持つポリアミック酸溶液を作る。このとき、芳香族ジイ
ソシアネート化合物との反応は、ポリアミック酸のカル
ボキシル基より酸二無水物の方が反応し易いため、例え
ば、60℃等の温和な条件下で行うことができる。
【0069】なお、上記溶剤としては、例えば、N−メ
チル−2−ピロリドン等のピロリドン系溶剤、N,N’
−ジメチルアセトアミド等のアセトアミド系溶剤、クレ
ゾール等のフェノール系溶剤を使用可能であるが、安全
性の点からN−メチル−2−ピロリドンの使用が好まし
い。又、キシレン、トルエン、エチレングリコールモノ
エチルエーテル等も混合して使用することができる。
【0070】以上のようにして、第1のポリイミド樹脂
層3a用の部分的にイミド化された第1のポリイミド前
駆体用ワニスが合成される。
【0071】次に、このように合成された第1のポリイ
ミド前駆体用ワニスを、図4に示すように、銅箔2上に
例えばナイフコータ、バーコータ等の公知のコーティン
グ方法により膜厚1μm〜5μmとなるように塗布し、
その後、連続乾燥炉にて乾燥させて溶剤を所定量揮発さ
せ、既に部分的にイミド化された第1のポリイミド前駆
体層31を形成する。なお、上記連続乾燥炉としては、
カールの発生を抑制するために、アーチ型炉やフローテ
ィング炉等が好ましいが、これらに限定されるものでな
い。
【0072】ここで、乾燥温度としては、ポリイミド前
駆体層の残存揮発量%で決定する。この残存揮発量は、
未乾燥の溶剤及びイミド化による縮合水の和と考えられ
る。
【0073】このとき、第1のポリイミド前駆体層31
の残存揮発量は、20%〜30%が好ましい。20%以
下であると、後に形成される第2のポリイミド樹脂層3
bとの接着強度が低下してしまい、層間剥離が生じやす
い。また、30%以上であると、出来上がったフレキシ
ブルプリント基板1における金属箔とポリイミド樹脂層
との接着強度やフレキシブルプリント基板1のイミド化
後の収縮が、巻芯部分、中間部分及び巻取部分で安定せ
ず、均一な品質のものが得られないからである。また、
30%以上であると、イミド化の際に発泡する虞があ
る。
【0074】次に、このポリイミド前駆体層31上に形
成する第2のポリイミド樹脂層3b用の第2のポリイミ
ド前駆体用ワニスを以下のように作製する。
【0075】この第2のポリイミド前駆体用ワニスは、
第1のポリイミド前駆体用ワニスと同様な極性溶媒中で
上述したような酸二無水物と芳香族ジアミンとを反応さ
せて合成する。なお、この反応は発熱反応であるため、
必要に応じて冷却を行いながら反応を制御するものとす
る。通常、約0℃〜90℃、好ましくは約5℃〜50℃
にて反応させる。溶液の粘度が高い場合には、90℃に
近い温度で熱処理することにより粘度を低下させること
ができる。このとき、酸二無水物と芳香族ジアミンとを
同時に加えても良いし、又はどちらか一方を先に極性溶
媒中に溶解又は懸濁させておき、他方を徐々に添加させ
つつ反応させても良い。酸二無水物と芳香族ジアミンの
モル比は、当モルとなるのが望ましいが、約10:9〜
9:10の範囲内で両成分のどちらか一方を過剰量用い
ても良い。
【0076】以上のようにして、第2のポリイミド樹脂
層に用いる第2のポリイミド前駆体用ワニスが合成され
る。
【0077】次に、このように合成された第2のポリイ
ミド前駆体用ワニスを、図5に示すように、第1のポリ
イミド前駆体層31上に塗布し、その後連続乾燥炉にて
乾燥して溶剤を所定量揮発させ、第2のポリイミド前駆
体層32を形成し、金属複合フィルム30を得る。上記
連続乾燥炉としては、第1のポリイミド前駆体層31を
形成する場合と同様なものを用いることができる。
【0078】このとき、第1のポリイミド前駆体層31
と第2のポリイミド前駆体層32とを合わせた残存揮発
量を30%〜50%とすることが好ましい。30%以下
であると、後にイミド化されて形成される第2のポリイ
ミド樹脂層3bとの接着強度が低下してしまい、層間剥
離を生じやすい。また、50%以上であると、次工程に
て発泡が起こる。そのため、連続乾燥炉の温度は、溶剤
の飛散による発泡が起こらない温度で特に限定しない
が、例えば、N−メチル−2−ピロリドンを溶剤とした
場合、その沸点が204℃であるので残存揮発量を50
%以下とするためには、最高温度を170℃とすれば良
い。
【0079】次に、このような工程を経て形成された第
1のポリイミド前駆体層31及び第2のポリイミド前駆
体層32には、各前駆体層中にかなりの溶媒が残存して
いるので、ここで加熱処理を施して溶剤を揮発させてお
くことが好ましい。
【0080】通常、このときの乾燥温度は、210℃〜
250℃が好ましく、この加熱処理によりポリイミド前
駆体層31,32全体の残存揮発量が7%〜10%程度
に調整することが好ましい。250℃以上であると、銅
箔2と接する第1のポリイミド前駆体層31中のポリア
ミック酸がイミド化してしまい、イミド化処理前にイミ
ド化率が上述したような所定範囲から外れる虞がある。
その結果、金属複合フィルム30のカールを抑えること
が難しくなる。210℃以下では残存揮発量を7%以下
にすることができない。また、この加熱処理により残存
揮発量を7%以下にしないと、次工程のロール状でイミ
ド化する際にブロッキングが起こり、金属複合フィルム
30同士が互いにくっついてしまう。
【0081】次に、図6に示すように、上記の金属複合
フィルム30をロール状に巻き取り、300℃〜350
℃の温度範囲で加熱処理を施して上記の第1及び第2の
ポミイド前駆体層31,32を一気にイミド化して、最
終的に、図7に示すような銅箔2上に第1及び第2のポ
リイミド樹脂層3a,3bが形成されたフレキシブルプ
リント基板1を作製する。
【0082】なお、ポリイミド樹脂層を3層以上有する
フレキシブルプリント基板を作製するには、上記の図5
の工程と同様にしてポリイミド前駆体層を順次塗布乾燥
して積層形成した後に、上記の図6の工程と同様にして
イミド化を行えば良い。
【0083】また、従来より提案されているフレキシブ
ルプリント基板の一例としては、導体上に形成するポリ
イミド樹脂層が、化10に示すような構造となされてい
るものがある。しかし、このポリイミド樹脂層は、あく
までも酸無水物とジアミンとからなるポリイミド前駆体
をイミド化することによって、化10に示すような構造
となされたものである。
【0084】一方、本発明のフレキシブルプリント基板
1では、上述したように、第1のポリイミド樹脂層3a
が、既に部分的にイミド化された化10に示す成分を含
むポリイミド前駆体を用いて、このポリイミド前駆体の
うちのイミド化されていない成分を完全にイミド化する
ことによって形成されるものである。
【0085】よって、上記の従来例と本発明とは、導体
上に形成するポリイミド樹脂層のポリイミド前駆体の構
成成分が異なるものである。
【0086】また、従来より提案されているフレキシブ
ルプリント基板の他の例としては、導体上に多層構造の
ポリイミド樹脂層を積層形成したものがある。このフレ
キシブルプリント基板は、導体上にポリイミド前駆体を
塗工及び乾燥した後に、順次ポリイミド前駆体の塗工及
び乾燥を繰り返し行うことにより、多層のポリイミド前
駆体層を形成する。そして、その後に、この多層のポリ
イミド前駆体層を一気にイミド化することにより、多層
構造のポリイミド樹脂層を形成するものである。
【0087】ここで、ポリイミド前駆体を塗工及び乾燥
する毎に、若干ポリイミド前駆体がイミド化される。そ
のため、最終的に多層のポリイミド前駆体層を一気にイ
ミド化する前の段階で、既に多層のポリイミド前駆体が
若干部分的にイミド化されている。
【0088】しかし、この従来のフレキシブルプリント
基板では、部分的にイミド化されているが、この部分イ
ミド化のイミド化率を制御することは製造上非常に困難
であり、大量生産を考慮すると品質の均一なものを製造
するという点で非常に不利である。
【0089】一方、本発明のフレキシブルプリント基板
1では、最終的にイミド化する前に、導体上に接するポ
リイミド前駆体層が部分的にイミド化されているという
点では上記の従来例と一見同一のようである。しかし、
上記の従来例ではポリイミド前駆体を塗工した後の乾燥
工程にて当該ポリイミド前駆体が若干部分的にイミド化
されるのに対して、本発明では使用するポリイミド前駆
体が始めからイソシアネート成分を含有することにより
部分的にイミド化されており、このような予め部分イミ
ド化されているポリイミド前駆体を積極的に用いるもの
である。
【0090】すなわち、上記の従来例と本発明とは、多
層構造のポリイミド前駆体層を完全にイミド化する前
に、若干部分イミド化されている点では同一のようだ
が、部分イミド化する方法が全く異なる。しかも、本発
明では、イソシアネート成分により部分的にイミド化す
るため、部分的にイミド化する際のイミド化率、つまり
仕込みイミド化率を容易に制御することが可能であり、
製造工程上、非常に有利である。
【0091】
【実施例】以下、本発明の実施例について具体的な実験
結果に基づいて説明する。
【0092】まず、ポリアミック酸を次のように合成し
た。そして、合成したポリアミック酸溶液をイミド化し
てなるポリイミド系樹脂の熱線膨張係数を測定するた
め、以下のようなポリイミドフィルムを作製した。
【0093】<部分イミド化されたポリアミック酸溶液
の合成>合成例(1)−1 先ず、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DP
E)120g(0.6モル)を、2.0kgのN−メチ
ル−2−ピロリドン中に溶解し、20℃に保持しなが
ら、次いで、ピロメロリット酸二無水物(PMDA)2
18g(1.0モル)を添加し1時間反応させて、両末
端が酸無水物のプレポリマーを得た。
【0094】次に、この酸無水物のプレポリマーにトリ
ジンジイソシアネート(TODI)105.6g(0.
4モル)を添加し、60℃まで徐々に昇温した。この反
応初期では二酸化炭素の泡の発生が認められ増粘した。
そして、これにN−メチル−2−ピロリドン2.0kg
を分添しながら2時間反応させて、部分イミド化された
ポリアミック酸溶液を得た。
【0095】合成例(1)−2〜合成例(1)−9 表1に示すように、酸二無水物、芳香族ジアミン、芳香
族ジイソシアネートの種類や割合等を変化させた以外
は、合成例(1)−1と同様にして、部分イミド化され
たポリアミック酸溶液を得た。
【0096】以上のようにして得られた部分イミド化さ
れた各ポリアミック酸溶液について、以下のよう特性を
評価した。その結果を表1に示す。
【0097】(1)仕込みイミド化率の測定 この部分イミド化されたポリアミック酸溶液の既にイミ
ド化された割合を仕込みイミド化率とし、このポリアミ
ック酸溶液の仕込みイミド化率を次のようして測定し
た。
【0098】赤外線吸光分析計を使用し表面反射法(A
TR法)により、イミド基の吸収波長1780cm-1
吸光量を、同試料を100モル%イミド化した時のイミ
ド基の吸光量に対する百分率から算出した。
【0099】(2)粘度及び固形分の測定 この部分イミド化されたポリアミック酸溶液の粘度及び
固定分の割合をそれぞれB型粘度計及び300℃におけ
る乾燥減量により測定した。
【0100】(3)ガラス転移温度の測定 この部分イミド化されたポリアミック酸溶液を厚さ35
μmの電解銅箔に塗布して溶剤を乾燥した後、350℃
で10分間イミド化した。その後、この銅箔をエッチン
グで除去し、ポリイミドフィルムを得た。このようにし
て得られたポリイミドフィルムのガラス転移温度を、示
差走査熱量計法(DSC法)により測定した。
【0101】
【表1】
【0102】<ポリアミック酸溶液の合成>合成例(2)−1 始めに、温度制御できるジャケット付きの60リットル
の反応釜に、パラフェニレンジアミン(PDA、三井化
学社製)0.866kg(8.00モル)と、4,4’
−ジアミノジフェニルエーテル(DPE、和歌山精化社
製)1.603kg(8.00モル)とを窒素ガス雰囲
気下で溶剤N−メチル−ピロリドン(NMP、三菱化学
社製)約44kgに溶解した。その後、50℃において
ピロメリット酸二無水物(PMDA、三菱ガス化学社
製)3.523kg(16.14モル)を徐々に加えな
がら3時間反応させた。このようにして、固形分約12
%の25℃における粘度20Pa・Sのポリアミック酸
溶液を得た。
【0103】次に、このポリアミック酸溶液を銅箔上に
イミド化後のフィルムの厚さが25μmとなるように塗
布し、80℃〜160℃の連続炉で溶剤を飛散させた
後、230℃〜350℃まで昇温し、350℃で30分
間加熱処理してイミド化した。
【0104】その後、塩化第2銅溶液でエッチングして
銅箔を除去し、ポリイミドフィルムを作製した。
【0105】合成例(2)−2〜合成例(2)−7 表2に示すように、酸二無水物、芳香族ジアミンの種類
や割合を変化させた以外は、合成例(2)−1と同様に
して、ポリアミック酸溶液を合成した。
【0106】以上のようにして得られたポリイミドフィ
ルムの熱線膨張係数を以下のようにして測定し、その結
果を表2に示す。
【0107】(4)熱線膨張係数の測定 得られたポリイミドフィルムについて、サーマルメカニ
カルアナライザー(TMA:SCC150CU、S11
社製)を使用し、荷重2.5〜5.0gをかけた引張法
により、100℃〜350℃の温度範囲の測定データに
従って、熱線膨張係数を測定した。
【0108】
【表2】
【0109】つぎに、以上のようにして得られたポリア
ミック酸溶液を用いて、フレキシブルプリント基板を作
製した。
【0110】<フレキシブルプリント基板の作製>実施例1 先ず、厚さ18μm、幅540μmの電解銅箔(商品
名:CF−T9−LP,福田金属社製)を用意し、この
銅箔上に、合成例(1)−1の部分イミド化されたポリ
アミック酸溶液を、乾燥後の厚さが2μmとなるように
連続塗工して乾燥させ、第1のポリイミド前駆体層を形
成した。このとき、残存揮発量は25%であった。
【0111】次に、この第1のポリイミド前駆体層上に
合成例(2)−1のポリアミック酸溶液を、イミド化後
の厚さが22μmとなるように連続塗工して乾燥させ、
第2のポリイミド前駆体層を形成した。このとき、第1
及び第2のポリイミド前駆体層を合わせた残存揮発量は
30%であった。
【0112】更に、この上に、合成例(2)−2のポリ
アミック酸溶液を、イミド化後の厚さが3μmとなるよ
うに連続塗工して乾燥させ、第3のポリイミド前駆体層
を形成した。このとき、第1,第2及び第3のポリイミ
ド前駆体層の3層を合わせた残存揮発量は38%であっ
た。
【0113】次に、銅箔2上に第1,第2及び第3のポ
リイミド前駆体層が順次積層された金属複合フィルムを
230℃の連続乾燥炉にて加熱処理し、余分な溶剤を揮
発させた。このとき、3層の残存揮発量は、7.9%と
なった。
【0114】次に、この金属複合フィルム100m分
を、直径250mmのステンレス管に銅箔が内側となる
ように巻き取った。そして、このロール状の金属複合フ
ィルムを窒素置換ができるバッチオーブンに入れ、オー
ブン内に窒素ガスを吹き込み、酸素濃度が0.1%にな
るまで窒素置換を行った。その後、窒素ガスを吹き込み
ながら昇温し、約1時間かけて350℃に到達させた。
【0115】その後、この350℃にて15分間保持し
て、第1、第2及び第3のポリイミド前駆体を完全にイ
ミド化し、第1、第2及び第3のポリイミド樹脂層を形
成した。その後、窒素雰囲気下で200℃まで降温し、
大気中で冷却した。
【0116】そして、ロール状に巻き取られた状態でイ
ミド化されたフィルムを解いて、最終的に、長尺状のフ
レキシブルプリント基板を得た。
【0117】実施例2〜実施例14及び比較例1 表3に示すように、ポリイミド樹脂層の種類や膜厚や残
存揮発量を変化させた以外は、実施例1と同様にして、
フレキシブルプリント基板を得た。
【0118】以上のようにして得られたフレキシブルプ
リント基板について、以下の評価試験を行い、その測定
結果を表3及び表4に示した。
【0119】評価試験の方法 (5)残存揮発量の測定 各ポリイミド前駆体層を塗工乾燥した毎に、形成された
金属複合フィルムが含有する全揮発成分の百分率で表
す。
【0120】すなわち、乾燥した金属複合フィルムの重
量をw0とし、イミド化して形成したフレキシブルプリ
ント基板の重量をw1とし、イミド化後のフレキシブル
プリント基板から金属箔をエッチングにより除去して得
られる複合ポリイミドフィルムの重量をw2とすると、
残存揮発量は、下記式(1)にて示される。
【0121】 残存揮発量=(w0−w1)×100/{w0−(w1−w2)}・・(1) よって、上記w0をポリイミド前駆体層を形成した毎に
それぞれ測定し、さらに上記ポリイミド前駆体層をイミ
ド化させて上記w1、w2測定した。そして、測定した
w0、w1、w2の値を上記式(1)に代入して、残存
揮発量を求めた。
【0122】(6)接着強度の測定 各実施例のフレキシブルプリント基板をロール状に巻き
戻し、巻外部、長手方向に約50mに位置する中間部及
び巻芯部をサンプリングした。
【0123】そして、巻外部、中間部及び巻芯部のそれ
ぞれについて、各部分の銅箔を1.59mm幅にエッチ
ングによって形成し、金属箔の引きはがし強さJIS
C6471に準じて、各銅箔を基板面とは90度の垂直
方向に引き剥がすことにより接着強度を測定した。
【0124】(7)寸法安定性(収縮率)の測定 片面銅張積層板の寸法安定性JIS C 6471に準
じた方法に従った。詳しくは、各実施例のフレキシブル
プリント基板の巻外部、中間部及び巻芯部の各部分につ
いて、210mm×210mmの大きさの標点をつけ、
標点間の距離を測定する。その後、銅箔をエッチングに
より除去して複合ポリイミドフィルムを作製し、この複
合ポリイミドフィルムを乾燥してエッチング及び乾燥後
の標点間の距離を測定し、フレキシブルプリント基板の
標点間の距離との比率を計算して寸法安定性を求めた。
更に、複合ポリイミドフィルムを280℃に10分間放
置して加熱処理後の寸法安定性を同様にして測定した。
【0125】(8)カールの測定 フレキシブルプリント基板を100mm×100mmの
大きさに切断して試験片を作製し、この試験片を常温で
所定時間放置した後に、下が凸の状態で水平な板の上に
載せたときの四隅の高さの平均から曲率半径を算出し
た。また、試験片を260℃で所定時間放置した後に、
同様にしてカールの曲率半径を算出した。
【0126】また、実施例のフレキシブルプリント基板
の銅箔をエッチングにより除去して複合ポリイミドフィ
ルムを作製し、各複合ポリイミドフィルムについて、上
記の方法と同様にして常温及び260℃下で放置後のカ
ールの曲率半径を算出した。
【0127】
【表3】
【0128】
【表4】
【0129】以上の表4の結果から示されるように、ジ
イソシアネートにより部分イミド化された第1のポリイ
ミド前駆体用ワニスを用いて第1のポリイミド樹脂層が
形成されてなる実施例1〜実施例14は、銅箔との接着
強度が非常に優れており、巻外部、中間部及び巻芯部に
おける接着強度のばらつきも少ない。しかも、実施例1
〜実施例14は、巻外部、中間部及び巻芯部において収
縮率、即ち寸法安定性のばらつきが少ないことがわかっ
た。
【0130】一方、ジイソシアネートにより部分イミド
化されたポリイミド前駆体用ワニスを用いていない比較
例は、銅箔との接着強度が劣っており、巻外部、中間部
及び巻芯部において接着強度のばらつきが大きい。しか
も、比較例は、収縮率自体も大きく、寸法安定性に劣っ
ており、巻外部、中間部及び巻芯部において収縮率のば
らつきも大きい。
【0131】また、実施例1〜実施例14は、比較例よ
りもカールが小さく抑えられていることがわかった。
【0132】以上の結果から、銅箔と接する第1のポリ
イミド樹脂層がジイソシアネートにより既に部分イミド
化されたポリイミド前駆体をイミド化することにより形
成されることにより、特に、銅箔との接着強度が向上さ
れ、また、巻外部、中間部及び巻芯部において接着強度
のばらつきが少なくなって品質が極力均一化されるとと
もに、寸法安定性が向上することが判明した。しかも、
カールを小さく抑えることも可能であることが判明し
た。
【0133】なお、第1のポリイミド樹脂層の材料であ
るポリイミド前駆体の仕込みイミド化率が80モル%で
ある実施例14は、実際にはこのポリイミド前駆体用ワ
ニスを塗工することができなかった。このことから、実
施例1〜実施例13に示されるように、第1のポリイミ
ド樹脂層の材料であるポリアミック酸溶液の仕込みイミ
ド化率は、10モル%〜70モル%であることが好まし
いと判明した。
【0134】さらに、仕込みイミド化率が30モル%〜
50モル%である実施例1〜実施例11は、仕込みイミ
ド化率が上記の範囲外である実施例12及び実施例13
よりも接着強度に優れていたり、またカールがより小さ
く抑えられている。このことから、第1のポリイミド樹
脂層の材料であるポリアミック酸溶液の仕込みイミド化
率は、30モル%〜50モル%がより好ましいと判明し
た。
【0135】また、第1のポリイミド樹脂層上に形成さ
れる第2のポリイミド樹脂層の熱線膨張係数が30×1
-6/K以上の実施例9、実施例10及び実施例11
は、第2及び第3のポリイミド樹脂層の熱線膨張係数が
30×10-6/K以下である実施例1〜実施例7と比較
して、カールが大きい。このことから、第1のポリイミ
ド樹脂層上に形成される第2のポリイミド樹脂層の熱線
膨張係数が30×10-6/Kよりも大きいと、カールを
抑制する効果が小さくなることがわかる。よって、第1
のポリイミド樹脂層上に形成される第2のポリイミド樹
脂層の熱線膨張係数は、30×10-6/K以下であるこ
とがカール抑制の点でより好ましいと判明した。
【0136】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
るフレキシブルプリント基板は、導体に接する第1のポ
リイミド樹脂層の材料であるポリイミド前駆体が、イミ
ド化処理を施す前に予め部分イミド化されているため、
このポリイミド前駆体がイミド化されることによる材料
収縮を小さく抑えることができる。
【0137】その結果、本発明に係るフレキシブルプリ
ント基板によれば、導体と第1のポリイミド樹脂層との
接着強度が向上されて、しかも接着強度のばらつきが抑
えられて品質が極力均一化されるとともに、カールが極
力抑えられて平面性に優れた高品質なものとなる。
【0138】また、本発明に係るフレキシブルプリント
基板の製造方法は、導体に接する第1のポリイミド樹脂
層の材料であるポリイミド前駆体として、イミド化処理
を施す前に予め部分イミド化された材料を用いるため、
第1のポリイミド樹脂層の材料であるポリイミド前駆体
がイミド化されることによる材料収縮を小さく抑えるこ
とができる。
【0139】その結果、本発明に係るフレキシブルプリ
ント基板の製造方法によれば、導体と第1のポリイミド
樹脂層との接着強度が向上されて、しかも接着強度のば
らつきが抑えられて品質が極力均一化されるとともに、
カールが極力抑えられて平面性に優れた高品質なフレキ
シブルプリント基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したフレキシブルプリント基板の
一例の断面図である。
【図2】本発明を適用したフレキシブルプリント基板の
他の例の断面図である。
【図3】本発明を適用したフレキシブルプリント基板の
製造工程のうち、銅箔を用意する工程を示す断面図であ
る。
【図4】本発明を適用したフレキシブルプリント基板の
製造工程のうち、銅箔上に第1のポリイミド前駆体層を
形成する工程を示す断面図である。
【図5】本発明を適用したフレキシブルプリント基板の
製造工程のうち、第1のポリイミド前駆体層上に第2の
ポリイミド前駆体層を形成する工程を示す断面図であ
る。
【図6】本発明を適用したフレキシブルプリント基板の
製造工程のうち、ロール化してイミド化処理を行う工程
を示す斜視図である。
【図7】本発明を適用したフレキシブルプリント基板の
製造工程のうち、イミド化後にロールを解いてフレキシ
ブルプリント基板が得られた工程を示す断面図である。
【図8】従来のフレキシブルプリント基板の一例を示す
断面図である。
【図9】従来のフレキシブルプリント基板を作製する際
のイミド化工程を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,20 フレキシブルプリント基板、 2 銅箔、
3a,13a 第1のポリイミド樹脂層、 3b,13
b 第2のポリイミド系樹脂層、 13c 第3のポリ
イミド樹脂層
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AB01A AB17 AB33 AK49B AK49C AK49D AK49K BA02 BA04 BA10A BA10D BA13 BA26 EH462 EJ422 EJ423 EJ583 GB43 JA02B JA02C JA02D JA03 JK06 JL04 YY00B YY00C YY00D 4J038 DJ021 DJ031 PA07 PB09 PC02 4J043 PA02 PA19 QB15 QB26 QB31 QB58 RA06 RA35 SA06 SA11 SA43 SB01 TA22 TB01 UA121 UA122 UA131 UA132 UA151 UA261 UA632 UA662 UA672 UA761 UB021 UB121 UB122 UB131 UB152 UB221 UB302 UB402 VA011 VA021 VA022 VA031 VA041 VA051 VA062 VA081 VA091 YA06 ZA23 ZA35 ZB50

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体上に少なくとも1層以上のポリイミ
    ド樹脂層が形成されてなるフレキシブルプリント基板に
    おいて、 上記導体に接するポリイミド樹脂層は、酸無水物成分と
    アミン成分とが反応してなる下記の化1に示されるポリ
    アミック酸成分と、酸無水物成分とイソシアネート成分
    とが反応してなる下記の化2に示されるポリイミド成分
    とを含有するポリイミド前駆体を、イミド化して形成さ
    れることを特徴とするフレキシブルプリント基板。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】 上記ポリイミド樹脂層は、複数のポリイ
    ミド樹脂層が積層されてなり、 上記複数のポリイミド樹脂層のうちの少なくとも上記導
    体に接するポリイミド樹脂層上に積層されるポリイミド
    樹脂層は、その熱線膨張係数が30×10-6/K以下で
    あることを特徴とする請求項1記載のフレキシブルプリ
    ント配線板。
  3. 【請求項3】 上記ポリイミド前駆体は、上記化2に示
    されるポリイミド成分を10%〜70%の範囲で含有す
    ることにより、イミド化前に予め10モル%〜70モル
    %の割合でイミド化された状態であることを特徴とする
    請求項1記載のフレキシブルプリント基板。
  4. 【請求項4】 上記ポリイミド前駆体は、上記化2に示
    されるポリイミド成分を30%〜50%の範囲で含有す
    ることにより、イミド化前に予め30モル%〜50モル
    %の割合でイミド化された状態であることを特徴とする
    請求項1記載のフレキシブルプリント基板。
  5. 【請求項5】 上記ポリイミド樹脂層は、3層のポリイ
    ミド樹脂層からなり、 外側のポリイミド樹脂層の熱線膨張係数が、中央に位置
    するポリイミド樹脂層の熱線膨張係数よりも大きいこと
    を特徴とする請求項2記載のフレキシブルプリント基
    板。
  6. 【請求項6】 導体上に、酸無水物成分とアミン成分と
    が反応してなる下記の化3に示されるポリアミック酸成
    分と、酸無水物成分とイソシアネート成分とが反応して
    なる下記の化4に示されるポリイミド成分とを含有する
    第1のポリイミド前駆体用ワニスを塗工して第1のポリ
    イミド前駆体層を形成する工程と、 上記第1のポリイミド前駆体層上に、酸無水物成分とア
    ミン成分とが反応してなるポリアミック酸成分からなる
    第2のポリイミド前駆体用ワニスを塗工して第2のポリ
    イミド前駆体層を形成して金属複合フィルムを作製する
    工程と、 上記金属複合フィルムに熱処理を施して第1のポリイミ
    ド前駆体層及び第2のポリイミド前駆体層をイミド化す
    ることにより、第1のポリイミド樹脂層及び第2のポリ
    イミド樹脂層を形成する工程とを有することを特徴とす
    るフレキシブルプリント基板の製造方法。 【化3】 【化4】
  7. 【請求項7】 上記第2のポリイミド前駆体用ワニスと
    して、イミド化後の熱線膨張係数が30×10-6/K以
    下であるものを使用することを特徴とする請求項6記載
    のフレキシブルプリント基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記第1のポリイミド前駆体層上に、上
    記第2のポリイミド前駆体用ワニスを繰り返し塗工して
    乾燥することにより複数層からなる第2のポリイミド前
    駆体層を形成することを特徴とする請求項6記載のフレ
    キシブルプリント基板の製造方法。
  9. 【請求項9】 上記第1のポリイミド前駆体用ワニスと
    して、上記化4に示されるポリイミド成分を10%〜7
    0%の範囲で含有するものを使用することを特徴とする
    請求項6記載のフレキシブルプリント基板の製造方法。
  10. 【請求項10】 上記第1のポリイミド前駆体用ワニス
    として、上記化4に示されるポリイミド成分を30%〜
    50%の範囲で含有するものを使用することを特徴とす
    る請求項6記載のフレキシブルプリント基板の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 上記第1のポリイミド前駆体層及び第
    2のポリイミド前駆体層をイミド化する前に、上記第1
    のポリイミド前駆体層のイミド化を促進しない所定温度
    で上記第1のポリイミド前駆体層及び第2のポリイミド
    前駆体層から溶剤を所定量揮発させる工程を有すること
    を特徴とする請求項6記載のフレキシブルプリント基板
    の製造方法。
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