JP2000022183A - 多結晶半導体素子及びその製造方法 - Google Patents
多結晶半導体素子及びその製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】太陽電池に好適な多結晶シリコン薄膜を高速
で、効率よく、低コストで作製する。 【解決手段】耐熱性基材上に、酸素または窒素の少なく
とも1 種類の元素が0.001 〜3 重量%含有される半導体
膜を形成した後、ランプ或いはレーザ等の加熱源により
半導体膜を溶融・再結晶化させる。
で、効率よく、低コストで作製する。 【解決手段】耐熱性基材上に、酸素または窒素の少なく
とも1 種類の元素が0.001 〜3 重量%含有される半導体
膜を形成した後、ランプ或いはレーザ等の加熱源により
半導体膜を溶融・再結晶化させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多結晶半導体素子
及びその製造方法に関する。
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽電池を材料の観点から見ると、シリ
コン系と化合物半導体系の2 種類に分類することができ
るが、現在実用化されている太陽電池の大部分はシリコ
ン系であり、今後、しばらくその傾向は変わらないもの
と考えられる。このシリコン系太陽電池は、結晶構造の
点から、単結晶,多結晶,アモルファスの3 種に分類さ
れ、歴史的にもこの順に開発が進められてきた。中で
も、単結晶シリコンについては、その理論効率が最も高
いことから精力的に研究が進められ、様々なメカニズム
が明らかになり、性能的にもほぼ理論効率に近いものが
研究開発レベルで達成されるようになった。しかし、太
陽電池の宿命ともいえる最終的な発電コストの低減には
限界があり、今現在、単結晶シリコン太陽電池は、非電
化地域での応用や狭い面積でできるだけ多くの発電量が
望まれる人工衛星や自動車等、既存の商用電力網と競合
しない応用分野での適用に止まっている。単結晶シリコ
ン太陽電池の開発目標の第一が高効率化であったのに対
して、いかにコストを低減するかを第一目標に、効率第
二として開発されてきた太陽電池に多結晶シリコン太陽
電池とアモルファスシリコン太陽電池がある。いずれの
場合も単結晶シリコンを適用した場合より大幅な低コス
ト化が可能になるが、太陽光発電の本格的な普及には発
電コストの更なる低減が必要である。特に、多結晶シリ
コン太陽電池では、高価なシリコン原料の利用効率の悪
さがコストを引き上げており、アモルファスシリコン太
陽電池においては、変換効率が低い上、光劣化の問題が
残されているため、低コスト化の施策が無く、発電コス
トが頭打ちになっている。このような状況にあって、最
近、材料の無駄を無くし、製造コストを大幅に低減で
き、かつ高い変換効率が期待でき、さらに将来の材料枯
渇の心配もない太陽電池として、薄膜多結晶シリコン太
陽電池が有望視されている。しかしながら、高品質な薄
膜多結晶シリコンの高速・低コスト製造技術に関して、
これまで多方面で様々なプロセスが提案されているが、
今のところ完成された技術はなく、早急な製造技術の確
立が望まれている。
コン系と化合物半導体系の2 種類に分類することができ
るが、現在実用化されている太陽電池の大部分はシリコ
ン系であり、今後、しばらくその傾向は変わらないもの
と考えられる。このシリコン系太陽電池は、結晶構造の
点から、単結晶,多結晶,アモルファスの3 種に分類さ
れ、歴史的にもこの順に開発が進められてきた。中で
も、単結晶シリコンについては、その理論効率が最も高
いことから精力的に研究が進められ、様々なメカニズム
が明らかになり、性能的にもほぼ理論効率に近いものが
研究開発レベルで達成されるようになった。しかし、太
陽電池の宿命ともいえる最終的な発電コストの低減には
限界があり、今現在、単結晶シリコン太陽電池は、非電
化地域での応用や狭い面積でできるだけ多くの発電量が
望まれる人工衛星や自動車等、既存の商用電力網と競合
しない応用分野での適用に止まっている。単結晶シリコ
ン太陽電池の開発目標の第一が高効率化であったのに対
して、いかにコストを低減するかを第一目標に、効率第
二として開発されてきた太陽電池に多結晶シリコン太陽
電池とアモルファスシリコン太陽電池がある。いずれの
場合も単結晶シリコンを適用した場合より大幅な低コス
ト化が可能になるが、太陽光発電の本格的な普及には発
電コストの更なる低減が必要である。特に、多結晶シリ
コン太陽電池では、高価なシリコン原料の利用効率の悪
さがコストを引き上げており、アモルファスシリコン太
陽電池においては、変換効率が低い上、光劣化の問題が
残されているため、低コスト化の施策が無く、発電コス
トが頭打ちになっている。このような状況にあって、最
近、材料の無駄を無くし、製造コストを大幅に低減で
き、かつ高い変換効率が期待でき、さらに将来の材料枯
渇の心配もない太陽電池として、薄膜多結晶シリコン太
陽電池が有望視されている。しかしながら、高品質な薄
膜多結晶シリコンの高速・低コスト製造技術に関して、
これまで多方面で様々なプロセスが提案されているが、
今のところ完成された技術はなく、早急な製造技術の確
立が望まれている。
【0003】薄膜多結晶シリコンの成膜方法の一つに、
高温プラズマ中でシリコン原料を溶解させ、高速で基板
に飛着させて成膜するプラズマ溶射法がある。この成膜
方法は、CVD やスパッタの数百倍の成膜速度を有するこ
とから、大量生産が可能であり、この技術が確立すれ
ば、発電コストの大幅な低減が可能となる。ところが、
現状、この成膜方法によって堆積された皮膜は結晶品質
が悪く、太陽電池の性能が向上しないという欠点があっ
た。
高温プラズマ中でシリコン原料を溶解させ、高速で基板
に飛着させて成膜するプラズマ溶射法がある。この成膜
方法は、CVD やスパッタの数百倍の成膜速度を有するこ
とから、大量生産が可能であり、この技術が確立すれ
ば、発電コストの大幅な低減が可能となる。ところが、
現状、この成膜方法によって堆積された皮膜は結晶品質
が悪く、太陽電池の性能が向上しないという欠点があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の薄膜多結晶シリ
コンを使用した太陽電池では結晶性が十分ではなく発電
効率が向上しない問題があった。本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたもので、結晶粒界に酸化物等の不純物
が存在しても発電効率が高い構造の太陽電池型多結晶半
導体素子を提供する事を第1の目的とする。また、この
様な多結晶半導体素子を歩留まり良く形成する事のでき
る多結晶半導体素子の製造方法を提供する事を第2の目
的とする。
コンを使用した太陽電池では結晶性が十分ではなく発電
効率が向上しない問題があった。本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたもので、結晶粒界に酸化物等の不純物
が存在しても発電効率が高い構造の太陽電池型多結晶半
導体素子を提供する事を第1の目的とする。また、この
様な多結晶半導体素子を歩留まり良く形成する事のでき
る多結晶半導体素子の製造方法を提供する事を第2の目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の多結晶半導体素子は、耐熱性基板と、こ
の耐熱性基板上に形成された多結晶半導体膜と、この多
結晶半導体膜に電気的に接続され前記多結晶半導体膜に
光が照射された際前記多結晶半導体膜内で発生したキャ
リアによって生じる起電力を取り出す一対の電極とを有
する多結晶半導体素子において、前記多結晶半導体膜は
複数の半導体結晶粒子がこの半導体結晶粒子間の結晶粒
界に形成された酸化物或いは窒化物の粒界層で分離さ
れ、この粒界層の平均の厚みが10nm以上300nm
以下である事を特徴とする事を特徴とする。このような
半導体膜を形成した半導体素子では、結晶粒界に形成さ
れた酸素あるいは窒素の粒界層が発生したキャリアを反
射する事により基板に対して水平方向の電子の拡散を効
果的に抑制して、垂直方向のみの電子の拡散を促進さ
せ、結果として大きな電流を取出すことが可能となる。
粒界層がこれより薄いとキャリアがこの酸化物或いは窒
化物にトラップされて消滅するため発電効率を悪くし、
これより厚いと結晶粒界に欠陥が生じてキャリアが通過
できなくなるためやはり発電効率が低下する。
に、請求項1の多結晶半導体素子は、耐熱性基板と、こ
の耐熱性基板上に形成された多結晶半導体膜と、この多
結晶半導体膜に電気的に接続され前記多結晶半導体膜に
光が照射された際前記多結晶半導体膜内で発生したキャ
リアによって生じる起電力を取り出す一対の電極とを有
する多結晶半導体素子において、前記多結晶半導体膜は
複数の半導体結晶粒子がこの半導体結晶粒子間の結晶粒
界に形成された酸化物或いは窒化物の粒界層で分離さ
れ、この粒界層の平均の厚みが10nm以上300nm
以下である事を特徴とする事を特徴とする。このような
半導体膜を形成した半導体素子では、結晶粒界に形成さ
れた酸素あるいは窒素の粒界層が発生したキャリアを反
射する事により基板に対して水平方向の電子の拡散を効
果的に抑制して、垂直方向のみの電子の拡散を促進さ
せ、結果として大きな電流を取出すことが可能となる。
粒界層がこれより薄いとキャリアがこの酸化物或いは窒
化物にトラップされて消滅するため発電効率を悪くし、
これより厚いと結晶粒界に欠陥が生じてキャリアが通過
できなくなるためやはり発電効率が低下する。
【0006】請求項2の多結晶半導体素子は、請求項1
において、前記粒界層の平均の厚みが、10nm以上1
00nm以下である事を特徴とする。ここでの粒界層の
膜厚は請求項1の多結晶半導体素子よりもさらに歩留ま
りよく良品を出す厳しい条件である。
において、前記粒界層の平均の厚みが、10nm以上1
00nm以下である事を特徴とする。ここでの粒界層の
膜厚は請求項1の多結晶半導体素子よりもさらに歩留ま
りよく良品を出す厳しい条件である。
【0007】請求項3の多結晶半導体素子の製造方法
は、半導体に酸化物或いは窒化物が含まれる半導体微粒
子を原料にしてプラズマ溶射法で耐熱性基板上に薄膜を
形成する工程と、前記薄膜を加熱して溶融再結晶化して
多結晶半導体膜を形成する工程とを具備する事を特徴と
する。
は、半導体に酸化物或いは窒化物が含まれる半導体微粒
子を原料にしてプラズマ溶射法で耐熱性基板上に薄膜を
形成する工程と、前記薄膜を加熱して溶融再結晶化して
多結晶半導体膜を形成する工程とを具備する事を特徴と
する。
【0008】請求項4の多結晶半導体素子の製造方法
は、請求項3において、前記半導体微粒子は、表面に酸
化物皮膜或いは窒化物皮膜が形成されている事を特徴と
する。請求項5の多結晶半導体素子の製造方法は、請求
項3において、前記半導体微粒子は、酸素あるいは窒素
が0.001 〜3 重量%含有されることを特徴とする。上記
半導体膜は、例えばシリコン膜である。上述した多結晶
半導体素子の製造方法の発明では、このシリコン膜中に
微量の酸素または窒素を含有させた粒子原料て溶射法を
実施することにより形成した半導体の溶射膜の表面に薄
い酸化膜或いは窒化膜が形成される事になる。この酸化
膜或いは窒化膜が重要である。即ち、このシリコン膜の
結晶品質の向上を図るためにランプ或いはレーザ等の加
熱源によってこのシリコン膜を溶融・再結晶化させる
際、シリコン膜中に僅かに含まれる酸素または窒素を供
給源として溶融時に最表面あるいは結晶粒界で薄い酸化
物、窒化物あるいは酸窒化物を形成するため、溶融時の
気孔或いは欠陥等の存在に起因した突沸の防止や、凝固
後の膜の結晶性を高めることが可能となる。
は、請求項3において、前記半導体微粒子は、表面に酸
化物皮膜或いは窒化物皮膜が形成されている事を特徴と
する。請求項5の多結晶半導体素子の製造方法は、請求
項3において、前記半導体微粒子は、酸素あるいは窒素
が0.001 〜3 重量%含有されることを特徴とする。上記
半導体膜は、例えばシリコン膜である。上述した多結晶
半導体素子の製造方法の発明では、このシリコン膜中に
微量の酸素または窒素を含有させた粒子原料て溶射法を
実施することにより形成した半導体の溶射膜の表面に薄
い酸化膜或いは窒化膜が形成される事になる。この酸化
膜或いは窒化膜が重要である。即ち、このシリコン膜の
結晶品質の向上を図るためにランプ或いはレーザ等の加
熱源によってこのシリコン膜を溶融・再結晶化させる
際、シリコン膜中に僅かに含まれる酸素または窒素を供
給源として溶融時に最表面あるいは結晶粒界で薄い酸化
物、窒化物あるいは酸窒化物を形成するため、溶融時の
気孔或いは欠陥等の存在に起因した突沸の防止や、凝固
後の膜の結晶性を高めることが可能となる。
【0009】請求項6の多結晶半導体素子の製造方法
は、0.01〜1 ×105 Paに酸素あるいは窒素分圧を制御し
た雰囲気中で半導体微粒子を原料にしてプラズマ溶射法
で耐熱性基板上に薄膜を形成する工程と、前記薄膜を加
熱して溶融再結晶化して多結晶半導体膜を形成する工程
とを具備する事ができる。この様に、酸素あるいは窒素
分圧を制御した雰囲気中で半導体微粒子を原料にしてプ
ラズマ溶射した場合、半導体の粒子に酸化物或いは窒化
物の皮膜を形成した粒子原料を使用した場合と同様の効
果を期待する事ができる。
は、0.01〜1 ×105 Paに酸素あるいは窒素分圧を制御し
た雰囲気中で半導体微粒子を原料にしてプラズマ溶射法
で耐熱性基板上に薄膜を形成する工程と、前記薄膜を加
熱して溶融再結晶化して多結晶半導体膜を形成する工程
とを具備する事ができる。この様に、酸素あるいは窒素
分圧を制御した雰囲気中で半導体微粒子を原料にしてプ
ラズマ溶射した場合、半導体の粒子に酸化物或いは窒化
物の皮膜を形成した粒子原料を使用した場合と同様の効
果を期待する事ができる。
【0010】請求項7の多結晶半導体素子の製造方法
は、半導体に酸化物或いは窒化物が含まれる半導体微粒
子を原料にしてプラズマ溶射法で耐熱性基板上に薄膜を
形成する工程と、前記薄膜を加熱して溶融再結晶化して
多結晶半導体膜を形成する工程と、この多結晶半導体膜
に電気的に接続され前記多結晶半導体膜から発生する起
電力を取り出す一対の電極を形成する工程とを具備する
事を特徴とする。
は、半導体に酸化物或いは窒化物が含まれる半導体微粒
子を原料にしてプラズマ溶射法で耐熱性基板上に薄膜を
形成する工程と、前記薄膜を加熱して溶融再結晶化して
多結晶半導体膜を形成する工程と、この多結晶半導体膜
に電気的に接続され前記多結晶半導体膜から発生する起
電力を取り出す一対の電極を形成する工程とを具備する
事を特徴とする。
【0011】請求項8の多結晶半導体素子の製造方法
は、請求項7において、前記半導体微粒子は、半導体粒
子の表面に酸化物皮膜或いは窒化物皮膜が形成されてい
る事を特徴とする。
は、請求項7において、前記半導体微粒子は、半導体粒
子の表面に酸化物皮膜或いは窒化物皮膜が形成されてい
る事を特徴とする。
【0012】溶射原料として、表面の一部が酸化物、窒
化物あるいは酸窒化物で構成される薄膜で被覆された半
導体粒子あるいは粉末を利用することにより、均一に酸
素(窒素)あるいは酸化物(窒化物、酸窒化物)が分散
した半導体膜を形成することが可能となる。これらの膜
では溶融・再結晶化の過程で堆積膜表面もしくは粒界部
に酸素(窒素)の高濃度層を形成する。
化物あるいは酸窒化物で構成される薄膜で被覆された半
導体粒子あるいは粉末を利用することにより、均一に酸
素(窒素)あるいは酸化物(窒化物、酸窒化物)が分散
した半導体膜を形成することが可能となる。これらの膜
では溶融・再結晶化の過程で堆積膜表面もしくは粒界部
に酸素(窒素)の高濃度層を形成する。
【0013】その結果、欠陥密度が小さく、結晶粒径が
大きい高品質なシリコン薄膜を容易に得ることができ、
従来の薄膜多結晶シリコン太陽電池を作製する上で大き
な問題であった高速・低コスト成膜が可能となった。
大きい高品質なシリコン薄膜を容易に得ることができ、
従来の薄膜多結晶シリコン太陽電池を作製する上で大き
な問題であった高速・低コスト成膜が可能となった。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態及びその方法について詳細に説明する。図1 は本発明
の半導体素子の半導体膜を形成するための装置の一例で
ある。この装置は図1 に示すように、数千〜数万℃の高
温プラズマを発生させる高温プラズマ部1 と、この高温
プラズマ発生部1 に隣接する製膜部2 と、高温プラズマ
中に原料を供給する原料供給部3 とでその主要部が構成
される。製膜部2には原料が堆積する基板4 が基板支持
部5 上に設置される。この基板支持部5 には、基板4の
温度を制御する補助加熱手段としてカーボンストリップ
ヒーター等の基板加熱部6 を設けても良い。
態及びその方法について詳細に説明する。図1 は本発明
の半導体素子の半導体膜を形成するための装置の一例で
ある。この装置は図1 に示すように、数千〜数万℃の高
温プラズマを発生させる高温プラズマ部1 と、この高温
プラズマ発生部1 に隣接する製膜部2 と、高温プラズマ
中に原料を供給する原料供給部3 とでその主要部が構成
される。製膜部2には原料が堆積する基板4 が基板支持
部5 上に設置される。この基板支持部5 には、基板4の
温度を制御する補助加熱手段としてカーボンストリップ
ヒーター等の基板加熱部6 を設けても良い。
【0015】上記プラズマ発生部1 に原料となる粉末
状、塊状、或いはガス状のシリコンが原料供給部3 から
導入され、溶融物が基板4 上に堆積され、基板加熱部6
によって冷却速度を適宜制御して半導体膜を形成する。
なお、製膜部2 には排気系7 が接続されており、製膜時
の原料中に含有される揮発成分や基板4に飛着すること
なく凝固したシリコン等が排出される。また、この排気
系7 と雰囲気ガス制御系8 によって製膜部2 の雰囲気を
制御することができる。
状、塊状、或いはガス状のシリコンが原料供給部3 から
導入され、溶融物が基板4 上に堆積され、基板加熱部6
によって冷却速度を適宜制御して半導体膜を形成する。
なお、製膜部2 には排気系7 が接続されており、製膜時
の原料中に含有される揮発成分や基板4に飛着すること
なく凝固したシリコン等が排出される。また、この排気
系7 と雰囲気ガス制御系8 によって製膜部2 の雰囲気を
制御することができる。
【0016】高温プラズマ部1 における高温プラズマを
発生させる手段としては、アークプラズマを用いる直流
タイプ、或いは誘導プラズマを用いる高周波タイプ、マ
イクロ波プラズマを用いるマイクロ波タイプ、並びにそ
れらの複数を併用するハイブリッドタイプがあるが、本
発明においてはいずれのタイプでも適用できる。図2 は
上記直流タイプを、図3 は上記誘導プラズマタイプを、
図4 は上記ハイブリッドタイプのプラズマ発生部を示し
たものである。図2 において、11はアノード部、12はカ
ソード部であり、両者間で放電させると同時にアルゴン
ガス、水素ガス、ヘリウムガス等のガスを分解させて高
温プラズマを発生させる。そして、この高温プラズマ中
にシリコン原料を連続的に導入し、このシリコン原料を
高温のアルゴンガスプラズマ、水素プラズマ等によって
溶解させるとともに、溶融状態のまま基板17に搬送し
てシリコン膜14を形成する。16はガス流入手段、1
3はアーク、15はシリコン原料の粉末を示した。
発生させる手段としては、アークプラズマを用いる直流
タイプ、或いは誘導プラズマを用いる高周波タイプ、マ
イクロ波プラズマを用いるマイクロ波タイプ、並びにそ
れらの複数を併用するハイブリッドタイプがあるが、本
発明においてはいずれのタイプでも適用できる。図2 は
上記直流タイプを、図3 は上記誘導プラズマタイプを、
図4 は上記ハイブリッドタイプのプラズマ発生部を示し
たものである。図2 において、11はアノード部、12はカ
ソード部であり、両者間で放電させると同時にアルゴン
ガス、水素ガス、ヘリウムガス等のガスを分解させて高
温プラズマを発生させる。そして、この高温プラズマ中
にシリコン原料を連続的に導入し、このシリコン原料を
高温のアルゴンガスプラズマ、水素プラズマ等によって
溶解させるとともに、溶融状態のまま基板17に搬送し
てシリコン膜14を形成する。16はガス流入手段、1
3はアーク、15はシリコン原料の粉末を示した。
【0017】他方、図3 において、アルゴンガス、水素
ガス、ヘリウムガス等が供給される管状部位13の周りに
環状部材14を配置させこれを覆う様に高周波コイル32
を配置している。以下の説明では同一部分は同一番号を
付しその詳細の繰り返し説明を省略した。このコイル3
2によって誘導プラズマを発生させる。そして、この高
温プラズマ中にシリコン原料粉末15を連続的に導入
し、このシリコン原料15をガス流入手段16から供給
したガスによる高温のアルゴンガスプラズマ、水素プラ
ズマ等によって溶解させるとともに、溶融状態のまま基
板に搬送してシリコン溶射膜14を形成する。ハイブリ
ッドタイプは、図4に示す様にこれら両タイプを併用し
たものである。47はガス供給手段である。
ガス、ヘリウムガス等が供給される管状部位13の周りに
環状部材14を配置させこれを覆う様に高周波コイル32
を配置している。以下の説明では同一部分は同一番号を
付しその詳細の繰り返し説明を省略した。このコイル3
2によって誘導プラズマを発生させる。そして、この高
温プラズマ中にシリコン原料粉末15を連続的に導入
し、このシリコン原料15をガス流入手段16から供給
したガスによる高温のアルゴンガスプラズマ、水素プラ
ズマ等によって溶解させるとともに、溶融状態のまま基
板に搬送してシリコン溶射膜14を形成する。ハイブリ
ッドタイプは、図4に示す様にこれら両タイプを併用し
たものである。47はガス供給手段である。
【0018】供給する原料の半導体微粒子の形状或いは
性状等は特に限定されるものではないが、粉末状のシリ
コンを利用するのが最も簡便な方法である。シリコン以
外の半導体としては、SiC,SiGe等の化合物半導
体も利用する事ができる。ここでのシリコンの純度は、
金属等の不純物が含まれる98%程度のいわゆる金属級シ
リコン以上であれば良いが、安定した特性を得るために
は6N以上であることが好ましい。通常、太陽電池に金属
級シリコンは利用できないが、本発明のプラズマ溶射法
を適用した場合には、シリコン原料が高温プラズマ中で
完全に溶解されるために、不純物が揮発成分となって除
去され、得られるシリコン膜の純度は6N程度にまで高め
られ、高品質な太陽電池を得ることができる。また、使
用する粉末の形状及び粒径も特に限定されるものではな
いが、均一な厚さの被膜を得るためには粒径が1 〜200
μm であること、更には粒径が均一であることが好まし
く、粉末形状が球体であると粉末供給量を一定量に制御
することが可能となり、広範囲で均一厚さの被膜が得ら
れると共に、装置からの不純物の混入を抑制することが
できる。
性状等は特に限定されるものではないが、粉末状のシリ
コンを利用するのが最も簡便な方法である。シリコン以
外の半導体としては、SiC,SiGe等の化合物半導
体も利用する事ができる。ここでのシリコンの純度は、
金属等の不純物が含まれる98%程度のいわゆる金属級シ
リコン以上であれば良いが、安定した特性を得るために
は6N以上であることが好ましい。通常、太陽電池に金属
級シリコンは利用できないが、本発明のプラズマ溶射法
を適用した場合には、シリコン原料が高温プラズマ中で
完全に溶解されるために、不純物が揮発成分となって除
去され、得られるシリコン膜の純度は6N程度にまで高め
られ、高品質な太陽電池を得ることができる。また、使
用する粉末の形状及び粒径も特に限定されるものではな
いが、均一な厚さの被膜を得るためには粒径が1 〜200
μm であること、更には粒径が均一であることが好まし
く、粉末形状が球体であると粉末供給量を一定量に制御
することが可能となり、広範囲で均一厚さの被膜が得ら
れると共に、装置からの不純物の混入を抑制することが
できる。
【0019】以上の装置では、溶融したシリコンは基板
4 上に堆積され、基板支持部5 を移動させることによっ
てシリコン膜が形成される。得られるシリコン膜の結晶
粒径、欠陥密度、膜厚の均一性、及び膜表面の平滑度
は、基板の温度に大きく影響される。基板温度が高いほ
ど結晶粒径の拡大、欠陥密度の低減、膜厚の均一化、及
び膜表面の平滑性の向上が図れるため、基板支持部5 に
は基板加熱部6 を設置することが好ましく、品質の良好
な被膜を得るためには、基板温度をシリコンの融点直下
或いは直上に設定することが望ましい。また、溶融状態
から固化させる冷却速度も膜質、特に欠陥密度に大きな
影響を与えるため、基板加熱部6 を利用して冷却速度を
制御し、膜温度が800 ℃以下になるまで徐冷すると欠陥
密度の低減が図れる。次に、本発明の半導体素子の製造
方法を図5及び図6を用いて説明する。図5 は本発明の
半導体素子の溶射後の断面図であり、耐熱性基材21上に
シリコン膜22が被覆形成されている。
4 上に堆積され、基板支持部5 を移動させることによっ
てシリコン膜が形成される。得られるシリコン膜の結晶
粒径、欠陥密度、膜厚の均一性、及び膜表面の平滑度
は、基板の温度に大きく影響される。基板温度が高いほ
ど結晶粒径の拡大、欠陥密度の低減、膜厚の均一化、及
び膜表面の平滑性の向上が図れるため、基板支持部5 に
は基板加熱部6 を設置することが好ましく、品質の良好
な被膜を得るためには、基板温度をシリコンの融点直下
或いは直上に設定することが望ましい。また、溶融状態
から固化させる冷却速度も膜質、特に欠陥密度に大きな
影響を与えるため、基板加熱部6 を利用して冷却速度を
制御し、膜温度が800 ℃以下になるまで徐冷すると欠陥
密度の低減が図れる。次に、本発明の半導体素子の製造
方法を図5及び図6を用いて説明する。図5 は本発明の
半導体素子の溶射後の断面図であり、耐熱性基材21上に
シリコン膜22が被覆形成されている。
【0020】この耐熱性基材21を構成する物質は特に限
定されるものではなく、具体的には、シリコンなどの半
導体、ガラス、アルミナ,ジルコニア等の酸化物、AlN
,Si3N4 等の窒化物、SiC ,TiC 等の炭化物、鉄,ス
テンレス等の金属,カーボン(グラファイト)あるいは
高融点高分子などから選択される任意の材料を用いるこ
とができるが、好ましくはシリコンと同等以上の融点を
持ち、熱膨張係数等の物性定数がシリコンと同等である
方が、形成される半導体膜の品質、及びプロセス上の取
り扱い易さの点から有利である。また、上記耐熱性基板
にはプロセス段階で十分な機械的強度が必要であり、こ
れを単結晶シリコン基板以外を適用する場合には、この
基板が300 μm の単結晶シリコンの強度に相当する強度
を有する必要がある。
定されるものではなく、具体的には、シリコンなどの半
導体、ガラス、アルミナ,ジルコニア等の酸化物、AlN
,Si3N4 等の窒化物、SiC ,TiC 等の炭化物、鉄,ス
テンレス等の金属,カーボン(グラファイト)あるいは
高融点高分子などから選択される任意の材料を用いるこ
とができるが、好ましくはシリコンと同等以上の融点を
持ち、熱膨張係数等の物性定数がシリコンと同等である
方が、形成される半導体膜の品質、及びプロセス上の取
り扱い易さの点から有利である。また、上記耐熱性基板
にはプロセス段階で十分な機械的強度が必要であり、こ
れを単結晶シリコン基板以外を適用する場合には、この
基板が300 μm の単結晶シリコンの強度に相当する強度
を有する必要がある。
【0021】以上の観点から、本発明で利用する耐熱性
基板としては、グラファイト基板、炭素繊維基板、ある
いは表面をガラス状化した炭素基板等が適当である。ま
た、請求項1の様な多結晶半導体膜を形成するには、溶
射法によって半導体膜21を形成する場合として、出発
原料としての半導体の微粒子は、酸素または窒素の少な
くとも一方の元素が0.001 〜3 重量%含有される事、ま
たは、酸化物、窒化物或いは酸窒化物が0.01〜20体積%
含有される事によって、容易に形成する事ができる。
基板としては、グラファイト基板、炭素繊維基板、ある
いは表面をガラス状化した炭素基板等が適当である。ま
た、請求項1の様な多結晶半導体膜を形成するには、溶
射法によって半導体膜21を形成する場合として、出発
原料としての半導体の微粒子は、酸素または窒素の少な
くとも一方の元素が0.001 〜3 重量%含有される事、ま
たは、酸化物、窒化物或いは酸窒化物が0.01〜20体積%
含有される事によって、容易に形成する事ができる。
【0022】また、この半導体膜22の形成方法は特に
限定されるものではなく、例えば、CVD ,EB-PVD,スパ
ッタ,溶射等が適用できるが、高速・低コスト製膜の観
点から本発明の効果が最も明瞭に現れる手法として、プ
ラズマ溶射法の適用が有効である。プラズマ溶射法を適
用する場合、製膜部2 の酸素または窒素分圧を0.01〜1
×105 Paに保持しながら製膜すれば、酸素または窒素が
0.001 〜3 重量%含有されるシリコンからなる半導体膜
21を形成させることができる。また、プラズマ溶射の際
に表面の一部が酸化物、窒化物あるいは酸窒化物で構成
される薄膜で被覆された原料粉末を利用すれば、半導体
膜中の酸素(窒素)あるいは酸化物(窒化物、酸窒化
物)を均一に分散させることが可能となる。分散させる
酸化物(窒化物、酸窒化物)がB ,Al,P 等で構成され
ると溶射あるいは溶融再結晶化によって半導体膜のドー
ピングが同時に行え、Mg,Co,Fe,Ni,Si等で構成され
ると溶射あるいは溶融再結晶化後の半導体膜の結晶品質
の向上が可能となる。シリコンで構成される半導体膜を
プラズマ溶射法で形成する場合、シリコン粉末をH2O2あ
るいはO3で構成される溶液あるいはガス中に晒すと、粉
末表面にシリコンの化成酸化膜が形成されて、酸化物で
被覆されたシリコン粉末を容易に作製することができ
る。シリコンの自然酸化膜は高々10〓程度であるが、こ
の方法によると40〓以上の酸化膜ができる。
限定されるものではなく、例えば、CVD ,EB-PVD,スパ
ッタ,溶射等が適用できるが、高速・低コスト製膜の観
点から本発明の効果が最も明瞭に現れる手法として、プ
ラズマ溶射法の適用が有効である。プラズマ溶射法を適
用する場合、製膜部2 の酸素または窒素分圧を0.01〜1
×105 Paに保持しながら製膜すれば、酸素または窒素が
0.001 〜3 重量%含有されるシリコンからなる半導体膜
21を形成させることができる。また、プラズマ溶射の際
に表面の一部が酸化物、窒化物あるいは酸窒化物で構成
される薄膜で被覆された原料粉末を利用すれば、半導体
膜中の酸素(窒素)あるいは酸化物(窒化物、酸窒化
物)を均一に分散させることが可能となる。分散させる
酸化物(窒化物、酸窒化物)がB ,Al,P 等で構成され
ると溶射あるいは溶融再結晶化によって半導体膜のドー
ピングが同時に行え、Mg,Co,Fe,Ni,Si等で構成され
ると溶射あるいは溶融再結晶化後の半導体膜の結晶品質
の向上が可能となる。シリコンで構成される半導体膜を
プラズマ溶射法で形成する場合、シリコン粉末をH2O2あ
るいはO3で構成される溶液あるいはガス中に晒すと、粉
末表面にシリコンの化成酸化膜が形成されて、酸化物で
被覆されたシリコン粉末を容易に作製することができ
る。シリコンの自然酸化膜は高々10〓程度であるが、こ
の方法によると40〓以上の酸化膜ができる。
【0023】この微量な酸素(窒素)あるいは酸化物
(窒化物、酸窒化物)23の存在が、次いで行われる溶
融・再結晶化の工程で良好な被膜を形成するために効果
的に機能する。詳細は溶融・再結晶化工程の説明で記述
する。
(窒化物、酸窒化物)23の存在が、次いで行われる溶
融・再結晶化の工程で良好な被膜を形成するために効果
的に機能する。詳細は溶融・再結晶化工程の説明で記述
する。
【0024】このとき形成する半導体膜の膜厚は、高効
率を実現させるために1 μm 以上の膜厚が必要であり、
原料コストの観点からは1 mm以下の膜厚とすることが好
ましい。また、半導体膜をプラズマ溶射法によって形成
する場合、1 〜200 μm 径の高純度原料粉末を使用する
と高品質の半導体膜が得られる。
率を実現させるために1 μm 以上の膜厚が必要であり、
原料コストの観点からは1 mm以下の膜厚とすることが好
ましい。また、半導体膜をプラズマ溶射法によって形成
する場合、1 〜200 μm 径の高純度原料粉末を使用する
と高品質の半導体膜が得られる。
【0025】太陽電池素子の構成部材として、この段階
では十分な性能を発揮させることが難しく、本発明で
は、次に説明する溶融・再結晶化の工程を実施する。こ
の工程を実施することで、工程後の結晶粒径の大幅な拡
大、欠陥密度の低減、膜厚の均一化、及び膜表面の平滑
性の向上が可能となる。以下に、溶融・再結晶化工程の
詳細を記す。
では十分な性能を発揮させることが難しく、本発明で
は、次に説明する溶融・再結晶化の工程を実施する。こ
の工程を実施することで、工程後の結晶粒径の大幅な拡
大、欠陥密度の低減、膜厚の均一化、及び膜表面の平滑
性の向上が可能となる。以下に、溶融・再結晶化工程の
詳細を記す。
【0026】先の工程で製造した半導体膜の溶融・再結
晶化を図7 の様にして行う。すなわち、減圧雰囲気中、
不活性ガス雰囲気中あるいは還元雰囲気中において、耐
熱性基板72の下側に配置されたヒーター71により耐
熱性基板を一様に加熱し、この状態で半導体膜直上から
集光加熱型ヒーター71でライン上に半導体膜73を加
熱し、半導体膜73を溶融させながら、集光型ヒーター
71を移動させて、溶融・再結晶化を行う。この溶融・
再結晶化は、半導体膜73の溶融幅を1 〜10 mm とし
て、集光型ヒーターの移動速度を毎分1 〜50 mm とする
と、結晶粒径が数cm以上の半導体膜が得られ、条件によ
ってはほぼ単結晶の半導体膜を得ることが可能となる。
このような結晶の面方位は、90%以上が(100 )配向を
示す。耐熱性基板72の下側に配置するヒーター71を
上側と同じ集光加熱型に置き換えても同様に溶融・再結
晶化が可能である。また、下側をヒーターで加熱し、上
側の集光型ヒーター71の代わりにCO2 ガスレーザー等
の熱源を用いても、同様な性質を持つ半導体膜が得られ
る。このとき、シリコン膜中に微量の酸素が含有されて
いると、溶融時に含有酸素がシリコン最表面に移動し、
シリコンと反応して薄いシリコン酸化膜を形成する(図
6 )。シリコン膜中に窒素が含まれる場合にも、同様な
現象が起こる。この被膜がシリコン膜の再結晶化の突沸
を防止して、良好なシリコン膜が得られる。このとき、
半導体膜中の酸素または窒素含有量が0.001 重量%より
低いと突沸を防止できる良好な被膜が形成できず、3 重
量%を越えると半導体膜中にも酸化物が形成され、太陽
電池の光電変換効率が低下してしまう。
晶化を図7 の様にして行う。すなわち、減圧雰囲気中、
不活性ガス雰囲気中あるいは還元雰囲気中において、耐
熱性基板72の下側に配置されたヒーター71により耐
熱性基板を一様に加熱し、この状態で半導体膜直上から
集光加熱型ヒーター71でライン上に半導体膜73を加
熱し、半導体膜73を溶融させながら、集光型ヒーター
71を移動させて、溶融・再結晶化を行う。この溶融・
再結晶化は、半導体膜73の溶融幅を1 〜10 mm とし
て、集光型ヒーターの移動速度を毎分1 〜50 mm とする
と、結晶粒径が数cm以上の半導体膜が得られ、条件によ
ってはほぼ単結晶の半導体膜を得ることが可能となる。
このような結晶の面方位は、90%以上が(100 )配向を
示す。耐熱性基板72の下側に配置するヒーター71を
上側と同じ集光加熱型に置き換えても同様に溶融・再結
晶化が可能である。また、下側をヒーターで加熱し、上
側の集光型ヒーター71の代わりにCO2 ガスレーザー等
の熱源を用いても、同様な性質を持つ半導体膜が得られ
る。このとき、シリコン膜中に微量の酸素が含有されて
いると、溶融時に含有酸素がシリコン最表面に移動し、
シリコンと反応して薄いシリコン酸化膜を形成する(図
6 )。シリコン膜中に窒素が含まれる場合にも、同様な
現象が起こる。この被膜がシリコン膜の再結晶化の突沸
を防止して、良好なシリコン膜が得られる。このとき、
半導体膜中の酸素または窒素含有量が0.001 重量%より
低いと突沸を防止できる良好な被膜が形成できず、3 重
量%を越えると半導体膜中にも酸化物が形成され、太陽
電池の光電変換効率が低下してしまう。
【0027】また、シリコン膜中に酸化物、窒化物ある
いは酸窒化物が含有されていると、溶融時にこれらの物
質がシリコン最表面に移動して薄い酸化膜、窒化膜或い
は酸窒化膜を形成する。この被膜がシリコン膜の再結晶
化の突沸を防止して、良好なシリコン膜が得られる。こ
のとき、半導体膜中の酸化物、窒化物或いは酸窒化物の
含有量が0.01体積%より小さいと突沸を防止できる良好
な被膜を形成できず、20体積%を越えると半導体中にも
酸化物、窒化物或いは酸窒化物が形成され、半導体膜の
光電変換効率を低下させてしまう。半導体膜中に含有さ
せる物質は、酸素または窒素以外の不純物を混入させな
いために、半導体膜を構成する物質の酸化物、窒化物あ
るいは酸窒化物とすることが好ましい。半導体膜構成元
素以外の酸化物等を含有させる場合、含有物質の融点が
半導体膜の融点よりも低いと、半導体膜の溶融・再結晶
化時に含有物質が溶解・分解して半導体膜中の不純物と
なり得るため、含有物質は半導体膜より高い融点を持つ
ことが好ましい。さらに、半導体膜中への不純物の混入
を防ぐためには、含有物質は半導体膜を構成する物質の
酸化物、窒化物あるいは酸窒化物より熱力学的に安定な
物質であることが好ましい。半導体膜がシリコンで構成
させる場合には、酸化シリコンまたは窒化シリコンより
も熱力学的にも安定な物質が好ましく、具体的には、酸
化マグネシウム、アルミナ、イットリア、ジルコニア、
チタニア、窒化タンタル、窒化チタン、窒化マグネシウ
ム等が挙げられる。さらに、溶融・再結晶化後のシリコ
ン膜の結晶品質をより高いものにするためには酸化シリ
コン、窒化シリコン、酸化マグネシウム等の添加が有効
である。B ,Al,P 等の酸化物は融点が低く、熱力学的
安定性にも欠けるが、これらの元素がシリコン中に混入
しても、シリコンに対するドーパントとして働くため、
上記内容の例外として本発明で利用することができる。
いは酸窒化物が含有されていると、溶融時にこれらの物
質がシリコン最表面に移動して薄い酸化膜、窒化膜或い
は酸窒化膜を形成する。この被膜がシリコン膜の再結晶
化の突沸を防止して、良好なシリコン膜が得られる。こ
のとき、半導体膜中の酸化物、窒化物或いは酸窒化物の
含有量が0.01体積%より小さいと突沸を防止できる良好
な被膜を形成できず、20体積%を越えると半導体中にも
酸化物、窒化物或いは酸窒化物が形成され、半導体膜の
光電変換効率を低下させてしまう。半導体膜中に含有さ
せる物質は、酸素または窒素以外の不純物を混入させな
いために、半導体膜を構成する物質の酸化物、窒化物あ
るいは酸窒化物とすることが好ましい。半導体膜構成元
素以外の酸化物等を含有させる場合、含有物質の融点が
半導体膜の融点よりも低いと、半導体膜の溶融・再結晶
化時に含有物質が溶解・分解して半導体膜中の不純物と
なり得るため、含有物質は半導体膜より高い融点を持つ
ことが好ましい。さらに、半導体膜中への不純物の混入
を防ぐためには、含有物質は半導体膜を構成する物質の
酸化物、窒化物あるいは酸窒化物より熱力学的に安定な
物質であることが好ましい。半導体膜がシリコンで構成
させる場合には、酸化シリコンまたは窒化シリコンより
も熱力学的にも安定な物質が好ましく、具体的には、酸
化マグネシウム、アルミナ、イットリア、ジルコニア、
チタニア、窒化タンタル、窒化チタン、窒化マグネシウ
ム等が挙げられる。さらに、溶融・再結晶化後のシリコ
ン膜の結晶品質をより高いものにするためには酸化シリ
コン、窒化シリコン、酸化マグネシウム等の添加が有効
である。B ,Al,P 等の酸化物は融点が低く、熱力学的
安定性にも欠けるが、これらの元素がシリコン中に混入
しても、シリコンに対するドーパントとして働くため、
上記内容の例外として本発明で利用することができる。
【0028】本発明によれば、溶融・再結晶化処理にお
いて特別にシリコン膜上に突沸を防止するキャップ層を
設ける必要がなく、再結晶化の工程が容易に実施でき、
基板に対して垂直方向の電子の拡散を促進するため、電
気的特性も向上する。シリコン薄膜成膜後の溶融・再結
晶化処理は、ドーパントの均質化にも有効であり、より
比抵抗の均一性に優れた薄膜が得られる。上記工程によ
り得られた半導体膜は、エッチングにより最表面の酸化
物を除去した後、半導体膜表面に800 ℃〜950 ℃程度で
B ,Al,P 等の不純物拡散層を形成する。
いて特別にシリコン膜上に突沸を防止するキャップ層を
設ける必要がなく、再結晶化の工程が容易に実施でき、
基板に対して垂直方向の電子の拡散を促進するため、電
気的特性も向上する。シリコン薄膜成膜後の溶融・再結
晶化処理は、ドーパントの均質化にも有効であり、より
比抵抗の均一性に優れた薄膜が得られる。上記工程によ
り得られた半導体膜は、エッチングにより最表面の酸化
物を除去した後、半導体膜表面に800 ℃〜950 ℃程度で
B ,Al,P 等の不純物拡散層を形成する。
【0029】次いで、薄膜太陽電池の受光面となる半導
体膜表面に起電力を得るための一対の電極を形成する。
即ち、格子状のパターンからなる電極(格子電極)と、
耐熱性基板の裏面に基板電極を形成して太陽電池を完成
させる。
体膜表面に起電力を得るための一対の電極を形成する。
即ち、格子状のパターンからなる電極(格子電極)と、
耐熱性基板の裏面に基板電極を形成して太陽電池を完成
させる。
【0030】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例について説明
する。 (実施例1 )酸素分圧を2.5 ×10-4〜7.9 ×106 Paに制
御した雰囲気下で、プラズマ溶射法により、カーボン基
板(100 ×100 ×1t)上に約30μm 厚さのシリコン膜を
堆積させた。成膜条件の詳細を表1 に示す。
する。 (実施例1 )酸素分圧を2.5 ×10-4〜7.9 ×106 Paに制
御した雰囲気下で、プラズマ溶射法により、カーボン基
板(100 ×100 ×1t)上に約30μm 厚さのシリコン膜を
堆積させた。成膜条件の詳細を表1 に示す。
【0031】
【表1】 作製した6 種類のサンプルに対して、シリコン膜の含有
酸素濃度を測定した。結果を表2 に示す。
酸素濃度を測定した。結果を表2 に示す。
【0032】
【表2】
【0033】次いで、表1 に示す条件で作製した6 種類
のサンプルのシリコン膜を、焦点加熱型ヒーターを用い
て溶融・再結晶化させたところ、サンプル2〜6のシリ
コン膜は突沸することなく、外観上、良好な形態のシリ
コン膜が得られた。ところが、サンプル1の場合には、
溶融段階でシリコン膜が突沸し、シリコンが部分的に凝
集して均一な厚さの膜が得られなかった。さらに、サン
プル2〜6に対してSPV 法による少数キャリアの拡散長
の測定を行ったところ、2〜5では100 μm 近い値が得
られたが、6になるとその値は数μm まで急激に落込ん
だ。再結晶後のサンプルの断面組織観察を実施した結
果、2〜5のシリコン表面には薄い酸化シリコン膜の形
成が確認された。6の場合にも、シリコン表面に薄い酸
化シリコン膜が形成されていたが、シリコン膜内部にも
シリコン酸化物の存在が認められた。このシリコン膜内
部の酸化物の存在が、急激な拡散長の低下を引き起こし
たと推察される。
のサンプルのシリコン膜を、焦点加熱型ヒーターを用い
て溶融・再結晶化させたところ、サンプル2〜6のシリ
コン膜は突沸することなく、外観上、良好な形態のシリ
コン膜が得られた。ところが、サンプル1の場合には、
溶融段階でシリコン膜が突沸し、シリコンが部分的に凝
集して均一な厚さの膜が得られなかった。さらに、サン
プル2〜6に対してSPV 法による少数キャリアの拡散長
の測定を行ったところ、2〜5では100 μm 近い値が得
られたが、6になるとその値は数μm まで急激に落込ん
だ。再結晶後のサンプルの断面組織観察を実施した結
果、2〜5のシリコン表面には薄い酸化シリコン膜の形
成が確認された。6の場合にも、シリコン表面に薄い酸
化シリコン膜が形成されていたが、シリコン膜内部にも
シリコン酸化物の存在が認められた。このシリコン膜内
部の酸化物の存在が、急激な拡散長の低下を引き起こし
たと推察される。
【0034】以上の結果から、溶射段階でシリコン中に
酸素が適量含まれるサンプル2〜5は、太陽電池素子に
適した特性を持つことが確認された。また、上記のデー
タで比較的良好であったサンプル3について、半導体膜
中の結晶粒界の膜厚を変えたサブサンプルを作成し、結
晶粒界の膜と最終製品である太陽電池の発電効率の関係
を調べたのが表11である。
酸素が適量含まれるサンプル2〜5は、太陽電池素子に
適した特性を持つことが確認された。また、上記のデー
タで比較的良好であったサンプル3について、半導体膜
中の結晶粒界の膜厚を変えたサブサンプルを作成し、結
晶粒界の膜と最終製品である太陽電池の発電効率の関係
を調べたのが表11である。
【0035】
【表3】
【0036】この表中で、発電効率の項目の二重丸は発
電効率が12%以上の太陽電池。一重丸は発電効率が1
0%以上、12%未満の比較的良品の太陽電池。三角は
発電効率が8%以上、10%未満の良品の太陽電池。×
は発電効率が8%未満の実用化に耐えない太陽電池であ
る。この表から明らかなように、膜厚が10nm〜10
0nmであれば発電効率が12%以上の実用化可能な製
品が作成できる事が分かった。また、膜厚が100nm
〜300nmであれば発電効率が10%以上、12%未
満の比較的良品の製品が作成できる事が分かった。さら
に、膜厚が1nmあるいは300nm〜500nmであ
れば発電効率が8%以上、10%未満の良品の製品が作
成できる事が分かった。膜厚が1nm以下あるいは60
0nm以上の場合には、発電効率は8%未満であった。
電効率が12%以上の太陽電池。一重丸は発電効率が1
0%以上、12%未満の比較的良品の太陽電池。三角は
発電効率が8%以上、10%未満の良品の太陽電池。×
は発電効率が8%未満の実用化に耐えない太陽電池であ
る。この表から明らかなように、膜厚が10nm〜10
0nmであれば発電効率が12%以上の実用化可能な製
品が作成できる事が分かった。また、膜厚が100nm
〜300nmであれば発電効率が10%以上、12%未
満の比較的良品の製品が作成できる事が分かった。さら
に、膜厚が1nmあるいは300nm〜500nmであ
れば発電効率が8%以上、10%未満の良品の製品が作
成できる事が分かった。膜厚が1nm以下あるいは60
0nm以上の場合には、発電効率は8%未満であった。
【0037】また、同表の歩留まりの項目に関しては、
5cm角サイズの素子を作製した場合に10%以上の効
率が得られる割合を評価したもので、1重丸はその割合
が90%以上、三角は75%以上90%未満、×は75
%未満の場合である。この表から明らかなように、膜厚
が10nm〜100nmであれば90%以上の歩留まり
が達成され、100nm〜300nmであれば75%以
上90%未満の歩留まりが達成されることが分かった。
5cm角サイズの素子を作製した場合に10%以上の効
率が得られる割合を評価したもので、1重丸はその割合
が90%以上、三角は75%以上90%未満、×は75
%未満の場合である。この表から明らかなように、膜厚
が10nm〜100nmであれば90%以上の歩留まり
が達成され、100nm〜300nmであれば75%以
上90%未満の歩留まりが達成されることが分かった。
【0038】以上の評価から、粒界層の膜厚が1nm〜
500nmの場合に良好な太陽電池が作製でき、膜厚を
10nm〜300nmに制御すると、より優れた太陽電
池が作製できることが分かった。以上のサブサンブルで
は粒界層が酸化物であったが、この粒界層が窒化物或い
は酸化窒化物でも同様の傾向であった。
500nmの場合に良好な太陽電池が作製でき、膜厚を
10nm〜300nmに制御すると、より優れた太陽電
池が作製できることが分かった。以上のサブサンブルで
は粒界層が酸化物であったが、この粒界層が窒化物或い
は酸化窒化物でも同様の傾向であった。
【0039】(実施例2 )アルミナ基板(100 ×100 ×
1t)上に、マグネトロンスパッタ法によって約500 〓の
タングステン層を形成した後、酸素分圧を2.2 ×10-4〜
8.2 ×106 Paに制御した雰囲気下で、プラズマ溶射法に
より、約30μm 厚さのシリコン膜を堆積させた。成膜条
件の詳細を表4に示す。
1t)上に、マグネトロンスパッタ法によって約500 〓の
タングステン層を形成した後、酸素分圧を2.2 ×10-4〜
8.2 ×106 Paに制御した雰囲気下で、プラズマ溶射法に
より、約30μm 厚さのシリコン膜を堆積させた。成膜条
件の詳細を表4に示す。
【0040】
【表4】 作製した6 種類のサンプルに対して、シリコン膜の含有
酸素濃度を測定した。結果を表5に示す。
酸素濃度を測定した。結果を表5に示す。
【0041】
【表5】
【0042】次いで、表4に示す条件で作製した6 種類
のサンプルのシリコン膜を、焦点加熱型ヒーターを用い
て溶融・再結晶化させたところ、サンプル8〜12のシ
リコン膜は突沸することなく、外観上、良好な形態のシ
リコン膜が得られた。ところが、サンプル7の場合に
は、溶融段階でシリコン膜が突沸し、シリコンが部分的
に凝集して均一な厚さの膜が得られなかった。さらに、
サンプル8〜12に対してSPV 法による少数キャリアの
拡散長の測定を行ったところ、8〜11では100μm 近
い値が得られたが、12になるとその値は数μm まで急
激に落込んだ。再結晶後のサンプルの断面組織観察を実
施した結果、8〜11のシリコン表面には薄い酸化シリ
コン膜の形成が確認された。12の場合にも、シリコン
表面に薄い酸化シリコン膜が形成されていたが、シリコ
ン膜内部にもシリコン酸化物の存在が認められた。この
シリコン膜内部の酸化物の存在が、急激な拡散長の低下
を引き起こしたと推察される。以上の結果から、溶射段
階でシリコン中に酸素が適量含まれるサンプル8〜11
は、太陽電池素子に適した特性を持つことが確認され
た。
のサンプルのシリコン膜を、焦点加熱型ヒーターを用い
て溶融・再結晶化させたところ、サンプル8〜12のシ
リコン膜は突沸することなく、外観上、良好な形態のシ
リコン膜が得られた。ところが、サンプル7の場合に
は、溶融段階でシリコン膜が突沸し、シリコンが部分的
に凝集して均一な厚さの膜が得られなかった。さらに、
サンプル8〜12に対してSPV 法による少数キャリアの
拡散長の測定を行ったところ、8〜11では100μm 近
い値が得られたが、12になるとその値は数μm まで急
激に落込んだ。再結晶後のサンプルの断面組織観察を実
施した結果、8〜11のシリコン表面には薄い酸化シリ
コン膜の形成が確認された。12の場合にも、シリコン
表面に薄い酸化シリコン膜が形成されていたが、シリコ
ン膜内部にもシリコン酸化物の存在が認められた。この
シリコン膜内部の酸化物の存在が、急激な拡散長の低下
を引き起こしたと推察される。以上の結果から、溶射段
階でシリコン中に酸素が適量含まれるサンプル8〜11
は、太陽電池素子に適した特性を持つことが確認され
た。
【0043】(実施例3 )Fe基板(100 ×100 ×1t)上
に、マグネトロンスパッタ法によって約1000〓の炭化硼
素層を形成した後、酸素分圧を2.0 ×10-4〜9.8 ×106
Paに制御した雰囲気下で、プラズマ溶射法により、約10
μm 厚さのシリコン膜を堆積させた。成膜条件の詳細を
表6に示す。
に、マグネトロンスパッタ法によって約1000〓の炭化硼
素層を形成した後、酸素分圧を2.0 ×10-4〜9.8 ×106
Paに制御した雰囲気下で、プラズマ溶射法により、約10
μm 厚さのシリコン膜を堆積させた。成膜条件の詳細を
表6に示す。
【0044】
【表6】 作製した6 種類のサンプルに対して、シリコン膜の含有
酸素濃度を測定した。結果を表7に示す。
酸素濃度を測定した。結果を表7に示す。
【0045】
【表7】
【0046】次いで、表6に示す条件で作製した6 種類
のサンプルのシリコン膜を、焦点加熱型ヒーターを用い
て溶融・再結晶化させたところ、サンプル14〜18の
シリコン膜は突沸することなく、外観上、良好な形態の
シリコン膜が得られた。ところが、サンプル13の場合
には、溶融段階でシリコン膜が突沸し、シリコンが部分
的に凝集して均一な厚さの膜が得られなかった。さら
に、サンプル14〜18に対してSPV 法による少数キャ
リアの拡散長の測定を行ったところ、14〜17では10
0 μm 近い値が得られたが、18になるとその値は数μ
m まで急激に落込んだ。再結晶後のサンプルの断面組織
観察を実施した結果、14〜17のシリコン表面には薄
い酸化シリコン膜の形成が確認された。18の場合に
も、シリコン表面に薄い酸化シリコン膜が形成されてい
たが、シリコン膜内部にもシリコン窒化物の存在が認め
られた。このシリコン膜内部の酸化物の存在が、急激な
拡散長の低下を引き起こしたと推察される。以上の結果
から、溶射段階でシリコン中に酸素が適量含まれるサン
プル14〜17は、太陽電池素子に適した特性を持つこ
とが確認された。
のサンプルのシリコン膜を、焦点加熱型ヒーターを用い
て溶融・再結晶化させたところ、サンプル14〜18の
シリコン膜は突沸することなく、外観上、良好な形態の
シリコン膜が得られた。ところが、サンプル13の場合
には、溶融段階でシリコン膜が突沸し、シリコンが部分
的に凝集して均一な厚さの膜が得られなかった。さら
に、サンプル14〜18に対してSPV 法による少数キャ
リアの拡散長の測定を行ったところ、14〜17では10
0 μm 近い値が得られたが、18になるとその値は数μ
m まで急激に落込んだ。再結晶後のサンプルの断面組織
観察を実施した結果、14〜17のシリコン表面には薄
い酸化シリコン膜の形成が確認された。18の場合に
も、シリコン表面に薄い酸化シリコン膜が形成されてい
たが、シリコン膜内部にもシリコン窒化物の存在が認め
られた。このシリコン膜内部の酸化物の存在が、急激な
拡散長の低下を引き起こしたと推察される。以上の結果
から、溶射段階でシリコン中に酸素が適量含まれるサン
プル14〜17は、太陽電池素子に適した特性を持つこ
とが確認された。
【0047】(実施例4 )カーボン基板(100 ×100 ×
1t)上に、CVD 法によって約1000〓の酸化シリコン層を
形成した後、酸化マグネシウム粉末を0.001 〜30体積%
混合したシリコン粉末を、真空中でのプラズマ溶射法に
より、約10μm 厚さ堆積させた。成膜条件の詳細を表8
に示す。
1t)上に、CVD 法によって約1000〓の酸化シリコン層を
形成した後、酸化マグネシウム粉末を0.001 〜30体積%
混合したシリコン粉末を、真空中でのプラズマ溶射法に
より、約10μm 厚さ堆積させた。成膜条件の詳細を表8
に示す。
【0048】
【表8】
【0049】次いで、これら7 種類のサンプルのシリコ
ン膜を、焦点加熱型ヒーターを用いて溶融・再結晶化さ
せたところ、サンフ゜ル 20〜サンフ゜ル 25のシリコン膜は突
沸することなく、外観上、良好な形態のシリコン膜が得
られた。ところが、サンフ゜ル 19の場合には、溶融段階で
シリコン膜が突沸し、シリコンが部分的に凝集して均一
な厚さの膜が得られなかった。さらに、サンフ゜ル 20〜サン
フ゜ル 25のシリコン膜に対して少数キャリアの拡散長の
測定を行ったところ、サンフ゜ル 20〜サンフ゜ル 24のシリコ
ン膜では100 μm 近い値が得られたが、サンフ゜ル 25にな
るとその値は数μm まで急激に落込んだ。再結晶後のサ
ンプルの断面組織観察を実施した結果、サンフ゜ル 20〜サン
フ゜ル 24のシリコン膜のシリコン表面には薄い酸化膜の
形成が確認された。サンフ゜ル 25の場合にも、シリコン表
面に薄い酸化膜が形成されていたが、シリコン膜内部に
もマグネシウム酸化物の存在が認められた。このシリコ
ン膜内部の酸化物の存在が、急激な拡散長の低下を引き
起こしたと推察される。以上の結果から、溶射段階でシ
リコン中に酸化物が適量含まれるサンフ゜ル 20〜サンフ゜ル 2
4のシリコン膜は、太陽電池素子に適した特性を持つこ
とが確認された。
ン膜を、焦点加熱型ヒーターを用いて溶融・再結晶化さ
せたところ、サンフ゜ル 20〜サンフ゜ル 25のシリコン膜は突
沸することなく、外観上、良好な形態のシリコン膜が得
られた。ところが、サンフ゜ル 19の場合には、溶融段階で
シリコン膜が突沸し、シリコンが部分的に凝集して均一
な厚さの膜が得られなかった。さらに、サンフ゜ル 20〜サン
フ゜ル 25のシリコン膜に対して少数キャリアの拡散長の
測定を行ったところ、サンフ゜ル 20〜サンフ゜ル 24のシリコ
ン膜では100 μm 近い値が得られたが、サンフ゜ル 25にな
るとその値は数μm まで急激に落込んだ。再結晶後のサ
ンプルの断面組織観察を実施した結果、サンフ゜ル 20〜サン
フ゜ル 24のシリコン膜のシリコン表面には薄い酸化膜の
形成が確認された。サンフ゜ル 25の場合にも、シリコン表
面に薄い酸化膜が形成されていたが、シリコン膜内部に
もマグネシウム酸化物の存在が認められた。このシリコ
ン膜内部の酸化物の存在が、急激な拡散長の低下を引き
起こしたと推察される。以上の結果から、溶射段階でシ
リコン中に酸化物が適量含まれるサンフ゜ル 20〜サンフ゜ル 2
4のシリコン膜は、太陽電池素子に適した特性を持つこ
とが確認された。
【0050】(実施例5 )カーボン基板(100 ×100 ×
1t)上に、CVD 法によって約1000〓の酸化シリコン層を
形成した後、酸化ニッケル粉末を0.001 〜30体積%混合
したシリコン粉末を、真空中でのプラズマ溶射法によ
り、約10μm 厚さ堆積させた。成膜条件の詳細を表9に
示す。
1t)上に、CVD 法によって約1000〓の酸化シリコン層を
形成した後、酸化ニッケル粉末を0.001 〜30体積%混合
したシリコン粉末を、真空中でのプラズマ溶射法によ
り、約10μm 厚さ堆積させた。成膜条件の詳細を表9に
示す。
【0051】
【表9】
【0052】次いで、これら7 種類のサンプルのシリコ
ン膜を、焦点加熱型ヒーターを用いて溶融・再結晶化さ
せたところ、サンフ゜ル 27〜サンフ゜ル 32のシリコン膜は突
沸することなく、外観上、良好な形態のシリコン膜が得
られた。ところが、サンフ゜ル 26の場合には、溶融段階で
シリコン膜が突沸し、シリコンが部分的に凝集して均一
な厚さの膜が得られなかった。さらに、サンフ゜ル 27〜サン
フ゜ル 32に対してSPV法による少数キャリアの拡散長の
測定を行ったところ、サンフ゜ル 27〜サンフ゜ル 31では100
μm 近い値が得られたが、サンフ゜ル 32になるとその値は
数μm まで急激に落込んだ。再結晶後のサンプルの断面
組織観察を実施した結果、サンフ゜ル 27〜サンフ゜ル 31のシ
リコン表面には薄い酸化膜の形成が確認された。サンフ゜ル
32の場合にも、シリコン表面に薄い酸化膜が形成され
ていたが、シリコン膜内部にもニッケル酸化物の存在が
認められた。このシリコン膜内部の酸化物の存在が、急
激な拡散長の低下を引き起こしたと推察される。以上の
結果から、溶射段階でシリコン中に酸化物が適量含まれ
るサンフ゜ル 27〜サンフ゜ル 31は、太陽電池素子に適した特
性を持つことが確認された。
ン膜を、焦点加熱型ヒーターを用いて溶融・再結晶化さ
せたところ、サンフ゜ル 27〜サンフ゜ル 32のシリコン膜は突
沸することなく、外観上、良好な形態のシリコン膜が得
られた。ところが、サンフ゜ル 26の場合には、溶融段階で
シリコン膜が突沸し、シリコンが部分的に凝集して均一
な厚さの膜が得られなかった。さらに、サンフ゜ル 27〜サン
フ゜ル 32に対してSPV法による少数キャリアの拡散長の
測定を行ったところ、サンフ゜ル 27〜サンフ゜ル 31では100
μm 近い値が得られたが、サンフ゜ル 32になるとその値は
数μm まで急激に落込んだ。再結晶後のサンプルの断面
組織観察を実施した結果、サンフ゜ル 27〜サンフ゜ル 31のシ
リコン表面には薄い酸化膜の形成が確認された。サンフ゜ル
32の場合にも、シリコン表面に薄い酸化膜が形成され
ていたが、シリコン膜内部にもニッケル酸化物の存在が
認められた。このシリコン膜内部の酸化物の存在が、急
激な拡散長の低下を引き起こしたと推察される。以上の
結果から、溶射段階でシリコン中に酸化物が適量含まれ
るサンフ゜ル 27〜サンフ゜ル 31は、太陽電池素子に適した特
性を持つことが確認された。
【0053】(実施例6 )カーボン基板(100 ×100 ×
1t)上に、CVD 法によって約1000〓の酸化シリコン層を
形成した後、窒化シリコン粉末を0.001 〜30体積%混合
したシリコン粉末を、真空中でのプラズマ溶射法によ
り、約10μm 厚さ堆積させた。成膜条件の詳細を表10
に示す。
1t)上に、CVD 法によって約1000〓の酸化シリコン層を
形成した後、窒化シリコン粉末を0.001 〜30体積%混合
したシリコン粉末を、真空中でのプラズマ溶射法によ
り、約10μm 厚さ堆積させた。成膜条件の詳細を表10
に示す。
【0054】
【表10】
【0055】次いで、これら7 種類のサンプルのシリコ
ン膜を、焦点加熱型ヒーターを用いて溶融・再結晶化さ
せたところ、サンフ゜ル 34〜サンフ゜ル 39のシリコン膜は突
沸することなく、外観上、良好な形態のシリコン膜が得
られた。ところが、サンフ゜ル 33の場合には、溶融段階で
シリコン膜が突沸し、シリコンが部分的に凝集して均一
な厚さの膜が得られなかった。さらに、サンフ゜ル 34〜サン
フ゜ル 39に対してSPV法による少数キャリアの拡散長の
測定を行ったところ、サンフ゜ル 34〜サンフ゜ル 38では100
μm 近い値が得られたが、サンフ゜ル 39になるとその値は
数μm まで急激に落込んだ。再結晶後のサンプルの断面
組織観察を実施した結果、サンフ゜ル 34〜サンフ゜ル 38のシ
リコン表面には薄いシリコン窒化膜の形成が確認され
た。サンフ゜ル39の場合にも、シリコン表面に薄いシリコ
ン窒化膜が形成されていたが、シリコン膜内部にもシリ
コン窒化物の存在が認められた。このシリコン膜内部の
窒化物の存在が、急激な拡散長の低下を引き起こしたと
推察される。以上の結果から、溶射段階でシリコン中に
窒化物が適量含まれるサンフ゜ル 34〜サンフ゜ル 38は、太陽
電池素子に適した特性を持つことが確認された。
ン膜を、焦点加熱型ヒーターを用いて溶融・再結晶化さ
せたところ、サンフ゜ル 34〜サンフ゜ル 39のシリコン膜は突
沸することなく、外観上、良好な形態のシリコン膜が得
られた。ところが、サンフ゜ル 33の場合には、溶融段階で
シリコン膜が突沸し、シリコンが部分的に凝集して均一
な厚さの膜が得られなかった。さらに、サンフ゜ル 34〜サン
フ゜ル 39に対してSPV法による少数キャリアの拡散長の
測定を行ったところ、サンフ゜ル 34〜サンフ゜ル 38では100
μm 近い値が得られたが、サンフ゜ル 39になるとその値は
数μm まで急激に落込んだ。再結晶後のサンプルの断面
組織観察を実施した結果、サンフ゜ル 34〜サンフ゜ル 38のシ
リコン表面には薄いシリコン窒化膜の形成が確認され
た。サンフ゜ル39の場合にも、シリコン表面に薄いシリコ
ン窒化膜が形成されていたが、シリコン膜内部にもシリ
コン窒化物の存在が認められた。このシリコン膜内部の
窒化物の存在が、急激な拡散長の低下を引き起こしたと
推察される。以上の結果から、溶射段階でシリコン中に
窒化物が適量含まれるサンフ゜ル 34〜サンフ゜ル 38は、太陽
電池素子に適した特性を持つことが確認された。
【0056】(実施例7 )カーボン基板(100 ×100 ×
1t)上に、CVD 法によって約1000〓の酸化シリコン層を
形成した後、酸化硼素粉末を0.001 〜30体積%混合した
シリコン粉末を、真空中でのプラズマ溶射法により、約
10μm 厚さ堆積させた。成膜条件の詳細を表11に示
す。
1t)上に、CVD 法によって約1000〓の酸化シリコン層を
形成した後、酸化硼素粉末を0.001 〜30体積%混合した
シリコン粉末を、真空中でのプラズマ溶射法により、約
10μm 厚さ堆積させた。成膜条件の詳細を表11に示
す。
【0057】
【表11】
【0058】次いで、これら7 種類のサンプルのシリコ
ン膜を、焦点加熱型ヒーターを用いて溶融・再結晶化さ
せたところ、サンフ゜ル 40〜サンフ゜ル 45のシリコン膜は突
沸することなく、外観上、良好な形態のシリコン膜が得
られた。同時に、適量のB がドーピングされて、得られ
たシリコン膜はp 型になっていた。ところが、サンフ゜ル3
9の場合には、溶融段階でシリコン膜が突沸し、シリコ
ンが部分的に凝集して均一な厚さの膜が得られなかっ
た。さらに、サンフ゜ル 40〜サンフ゜ル 45に対してSPV 法に
よる少数キャリアの拡散長の測定を行ったところ、サンフ゜
ル 40〜サンフ゜ル 44では100 μm 近い値が得られたが、
サンフ゜ル 45になるとその値は数μm まで急激に落込ん
だ。再結晶後のサンプルの断面組織観察を実施した結
果、サンフ゜ル 40〜サンフ゜ル 44のシリコン表面には薄い酸
化硼素膜の形成が確認された。サンフ゜ル 45の場合にも、
シリコン表面に薄い酸化硼素膜が形成されていたが、シ
リコン膜内部にも酸化硼素物の存在が認められた。この
シリコン膜内部の酸化物の存在が、急激な拡散長の低下
を引き起こしたと推察される。
ン膜を、焦点加熱型ヒーターを用いて溶融・再結晶化さ
せたところ、サンフ゜ル 40〜サンフ゜ル 45のシリコン膜は突
沸することなく、外観上、良好な形態のシリコン膜が得
られた。同時に、適量のB がドーピングされて、得られ
たシリコン膜はp 型になっていた。ところが、サンフ゜ル3
9の場合には、溶融段階でシリコン膜が突沸し、シリコ
ンが部分的に凝集して均一な厚さの膜が得られなかっ
た。さらに、サンフ゜ル 40〜サンフ゜ル 45に対してSPV 法に
よる少数キャリアの拡散長の測定を行ったところ、サンフ゜
ル 40〜サンフ゜ル 44では100 μm 近い値が得られたが、
サンフ゜ル 45になるとその値は数μm まで急激に落込ん
だ。再結晶後のサンプルの断面組織観察を実施した結
果、サンフ゜ル 40〜サンフ゜ル 44のシリコン表面には薄い酸
化硼素膜の形成が確認された。サンフ゜ル 45の場合にも、
シリコン表面に薄い酸化硼素膜が形成されていたが、シ
リコン膜内部にも酸化硼素物の存在が認められた。この
シリコン膜内部の酸化物の存在が、急激な拡散長の低下
を引き起こしたと推察される。
【0059】以上の結果から、溶射段階でシリコン中に
酸化物が適量含まれるサンフ゜ル 40〜サンフ゜ル 44は、太陽
電池素子に適した特性を持つことが確認され、酸化硼素
の添加がシリコン膜をp 型にさせることが分かった。
酸化物が適量含まれるサンフ゜ル 40〜サンフ゜ル 44は、太陽
電池素子に適した特性を持つことが確認され、酸化硼素
の添加がシリコン膜をp 型にさせることが分かった。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の太陽電池
素子の製造方法によれば、毎秒数μm以上の高速で成膜
したシリコン膜を、容易に溶融・再結晶化することが可
能となり、高速で高効率な太陽電池を低コストで作製で
きるため、工業的価値は極めて大きい。
素子の製造方法によれば、毎秒数μm以上の高速で成膜
したシリコン膜を、容易に溶融・再結晶化することが可
能となり、高速で高効率な太陽電池を低コストで作製で
きるため、工業的価値は極めて大きい。
【図1】本発明の半導体膜を形成する溶射装置の一例を
示す図
示す図
【図2】直流タイプ溶射装置の電極部の模式図
【図3】高周波タイプ溶射装置の電極部の模式図
【図4】ハイブリッドタイプ溶射装置の電極部の模式図
【図5】製膜直後の太陽電池素子の断面図
【図6】溶融・再結晶化後の太陽電池素子の断面図
【図7】溶融・再結晶化装置の一例を示す図
1 高温プラズマ発生部 2 製膜部 3 原料供給部 4 耐熱性基材 5 基材支持部 6 基材加熱部 7 排気系 8 雰囲気ガス制御系 9 アノード 10 カソード 11 管状部位 12 コイル 13 耐熱性基材 14 シリコン膜 15 シリコン酸化膜 16 結晶粒界 17 酸素の高濃度層 18 集光加熱ヒーター 19 均一加熱ヒーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 末永 誠一 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 竹田 博光 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 Fターム(参考) 5F051 AA03 BA14 CB04 CB11 CB29 CB30
Claims (8)
- 【請求項1】耐熱性基板と、この耐熱性基板上に形成さ
れた多結晶半導体膜と、この多結晶半導体膜に電気的に
接続され前記多結晶半導体膜に光が照射された際前記多
結晶半導体膜内で発生したキャリアによって生じる起電
力を取り出す一対の電極とを有する多結晶半導体素子に
おいて、前記多結晶半導体膜は複数の半導体結晶粒子が
この半導体結晶粒子間の結晶粒界に形成された酸化物或
いは窒化物の粒界層で分離され、この粒界層の平均の厚
みが10nm以上300nm以下である事を特徴とする
多結晶半導体素子。 - 【請求項2】前記粒界層の平均の厚みが、10nm以上
100nm以下である事を特徴とする請求項1に記載の
多結晶半導体素子。 - 【請求項3】半導体に酸化物或いは窒化物が含まれる半
導体微粒子を原料にしてプラズマ溶射法で耐熱性基板上
に薄膜を形成する工程と、前記薄膜を加熱して溶融再結
晶化して多結晶半導体膜を形成する工程とを具備する事
を特徴とする多結晶半導体素子の製造方法。 - 【請求項4】前記半導体微粒子は、表面に酸化物皮膜或
いは窒化物皮膜が形成されている事を特徴とする請求項
3に記載の多結晶半導体素子の製造方法。 - 【請求項5】前記半導体微粒子は、酸素あるいは窒素が
0.001 〜3 重量%含有されることを特徴とする請求項3
に記載の多結晶半導体素子の製造方法。 - 【請求項6】0.01〜1 ×105 Paに酸素あるいは窒素分圧
を制御した雰囲気中で半導体微粒子を原料にしてプラズ
マ溶射法で耐熱性基板上に薄膜を形成する工程と、前記
薄膜を加熱して溶融再結晶化して多結晶半導体膜を形成
する工程とを具備する事を特徴とする多結晶半導体素子
の製造方法。 - 【請求項7】半導体に酸化物或いは窒化物が含まれる半
導体微粒子を原料にしてプラズマ溶射法で耐熱性基板上
に薄膜を形成する工程と、前記薄膜を加熱して溶融再結
晶化して多結晶半導体膜を形成する工程と、この多結晶
半導体膜に電気的に接続され前記多結晶半導体膜から発
生する起電力を取り出す一対の電極を形成する工程とを
具備する事を特徴とする多結晶半導体素子の製造方法。 - 【請求項8】前記半導体微粒子は、半導体粒子の表面に
酸化物皮膜或いは窒化物皮膜が形成されている事を特徴
とする請求項7に記載の多結晶半導体素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18490498A JP3490297B2 (ja) | 1998-06-30 | 1998-06-30 | 多結晶半導体素子及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18490498A JP3490297B2 (ja) | 1998-06-30 | 1998-06-30 | 多結晶半導体素子及びその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000022183A true JP2000022183A (ja) | 2000-01-21 |
JP3490297B2 JP3490297B2 (ja) | 2004-01-26 |
Family
ID=16161372
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18490498A Expired - Fee Related JP3490297B2 (ja) | 1998-06-30 | 1998-06-30 | 多結晶半導体素子及びその製造方法 |
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---|---|
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5204299B2 (ja) * | 2009-10-23 | 2013-06-05 | パナソニック株式会社 | 結晶型太陽電池パネルの製造方法 |
KR101825238B1 (ko) * | 2010-07-26 | 2018-02-02 | 하마마츠 포토닉스 가부시키가이샤 | 광 흡수 기판의 제조 방법, 및 그것을 제조하기 위한 성형형의 제조 방법 |
-
1998
- 1998-06-30 JP JP18490498A patent/JP3490297B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5204299B2 (ja) * | 2009-10-23 | 2013-06-05 | パナソニック株式会社 | 結晶型太陽電池パネルの製造方法 |
KR101825238B1 (ko) * | 2010-07-26 | 2018-02-02 | 하마마츠 포토닉스 가부시키가이샤 | 광 흡수 기판의 제조 방법, 및 그것을 제조하기 위한 성형형의 제조 방법 |
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JP3490297B2 (ja) | 2004-01-26 |
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