JP2000016463A - 吸液性台紙 - Google Patents

吸液性台紙

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JP2000016463A JP11097162A JP9716299A JP2000016463A JP 2000016463 A JP2000016463 A JP 2000016463A JP 11097162 A JP11097162 A JP 11097162A JP 9716299 A JP9716299 A JP 9716299A JP 2000016463 A JP2000016463 A JP 2000016463A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鮮魚等の切り身やフィレ加工またはチルド加
工品の陳列・販売用台紙で、当該加工品から滲出するド
リップ等を効率よく吸収するための包装用下敷きを得ん
としたものである。 【解決手段】 2枚の紙層を上下方向に配設すると共
に、これら紙層の間にシート状の吸液性素材層をサンド
イッチ状に挟みこみ、かつ最上層に位置する紙層表面に
は耐水皮膜を形成させると共に、該皮膜と、皮膜が形成
された紙層とを貫通して吸液性素材層に至る深さをもっ
た行き止まりの導孔を設け、さらに、前記吸液性素材層
とその下に配設された紙層との間に遮水層を設けたこと
を特徴とする吸液性台紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、三枚にお
ろした片身の魚肉などの水産物、またはブロック状の牛
肉、豚肉等の畜産物、もしくは筍の水煮やカットした西
瓜などの農産物で、食品それ自体から水分またはドリッ
プが滲出し易いものをパックまたはラップする際に使用
する台紙に関する。
【0002】
【従来の技術】前記のような各種の生鮮食品または農産
品等(それらの加工食品を含む)は、特別な乾燥処理を
施さない限り、一般的には当該食品それ自体から水分が
滲出する性質を帯びている。とりわけ、チルド食品や解
凍食品の場合には、しばしばドリップが生ずるので鮮度
保持の観点から前記水分及び/またはドリップの影響を
如何に少なくするかについて種々の提案がなされてい
る。
【0003】例えば、特開昭62−287865、特開
平3−256871、同6−153779、同7−28
5574、同9−154477号公報等に開示されてい
るように、前記した各食品から滲出する水分を素早く吸
収させて食品の保存性を改善せんとして、有孔ポリマー
シートをラミネートした紙で袋を作り、その中に食品と
共に高吸水性樹脂を収納して前記の滲出水分を吸着させ
るようにするものだとか、或いは厚紙などの基材の表面
にPE樹脂膜から成る防水皮膜を形成させた上で、該皮
膜の上層に吸水紙を貼着するようにしたパック用台紙で
あるとかの試みも知られている。さらにまた、前記のド
リップを吸収する不織布を、細孔を有する合成樹脂製フ
ィルムまたはシートと積層させ、さらに該フィルムまた
は前記シート内に抗菌剤を含有させておく等の手段も開
示されているが、後記のようにいずれも実用性に乏しく
現実に使用されているものはない。これを要するに、表
面に防水機能と吸液機能とを兼備させた合成樹脂フィル
ムまたはシートに、各種の吸水性材料を組み合わせた複
合材料によってパック用台紙を提供しようとするアイデ
ィアは種々知られている。
【0004】しかし、現在、実用に供されている台紙と
しては、板紙などの基材面にアルミ蒸着を施すか、或い
はアルミ箔を貼り合わせ、さらに前記金属面を印刷によ
り金色に着色し、さらに当該着色インキの滲出防止のた
め、これをポリエチレン皮膜で覆うという構成であっ
た。また、前記構成の台紙にパックした商品から滲出す
る水分を抜くため、台紙そのものに水抜き用の貫通孔を
穿けたものもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】まず、現に汎用されて
いる台紙から述べると、このものは、表層側にアルミ箔
または金属蒸着膜が形成されているので、この台紙を使
用したパック商品を金属探知器にかけて検査することが
できない。例えば、生鮮魚の半身をパックした場合、こ
のパック内には魚体を裁断加工した際に混入することが
あるカッターの刃コボレによる金属片や、魚体が呑み込
んでいる釣り針等の異物を取り除くため、金属探知器に
よる検査を必要としているが、前記した従来品にはアル
ミ箔またはアルミ蒸着膜が使用されているので、前記探
知器にかけることができないといった不便があった。ま
た、台紙に貫通孔を設けたものは、魚体等から滲出した
水分が貫通孔を通過して台紙の裏側に廻ってしまい、見
た目も悪く、鮮度を落としてしまうという不具合を免れ
なかった。
【0006】現実には使われていないが、前記特許情報
資料に記載されている従来品は、例えば台紙内に吸水性
高分子物質を含有させたり、或いは表層側に配設された
不織布の上に、有孔ポリエチレンシートを貼り合わせた
りする構成であったから、理屈としては成り立つもの
の、現実に製品化して実用に供するという面では高価過
ぎたり、あるいは製品化に当たっては多大の費用と設備
を必要とする等、使い捨てを本命とするパック用台紙を
提供するという点では実用性に乏しかった。
【0007】特に、ポリエチレンフィルムそれ自体を孔
あきフィルムとした従来型は、機械的に穿孔したもので
ないので、その孔が極めて微細で、水滴を通過させるこ
とができず、精々水蒸気レベルの水分を通す程度であっ
たから、水抜きを目的とする本発明には不適である。
【0008】ここにおいて本発明は、従来の汎用品の不
具合を解消して金属探知器にもかけることができ、しか
も水分が台紙の裏側に廻ることなく台紙中にとどめ、そ
の上で高価な素材や薬品を使用することなく、しかも製
品化に際しては既存の設備を活用できるだけでなく、使
い捨てに適し、経済性に優れた台紙を廉価に提供し得、
さらには汎用品では不可能であった完全焼却を可能なら
しめ、もってごみ処理にも有利な台紙が得られるように
したものである。
【0009】ちなみに、本発明の台紙は、従来、店頭で
加温され販売される食品、例えば饅頭や鯛焼き、大判焼
き、焼き芋などの食品をパックする場合にも適用可能で
あって、これらの食品は水蒸気を放出するので、プラス
チックフィルムからなる袋に入れると、水蒸気が結露し
て食品に水分が付き、食感ないしは食味を損ねるという
問題があったが、この点をも解決し得る点で優れた効果
を発揮するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、前記食品をラップもしくはパックするた
めの台紙を次のような構成としたものである。すなわ
ち、基材として少なくとも2枚の紙層を上下方向に配設
すると共に、これら紙層の間にシート状の吸液性素材層
をサンドイッチ状に挟みこみ、かつ最上層に位置する紙
層表面には耐水皮膜を形成させると共に、該皮膜と、皮
膜が形成された紙層とを貫通して吸液性素材層に至る深
さをもった行き止まりの導孔を設け、さらに、前記吸液
性素材層とその下に配設された紙層との間に遮水層を設
けるようにして台紙を構成させ、それによって課題の解
決を図ったものである。
【0011】なお、最上層に位置する紙層の表面には合
成樹脂製フィルムをラミネートして耐水皮膜とするか、
或いは耐水化剤の塗工層を設けて耐水皮膜を形成させて
もよい。
【0012】ちなみに前記台紙において、上下の紙層を
構成させる材料としては、、通常の板紙以外に、洋紙や
クラフト紙なども使用でき、特に制限を受けない。な
お、板紙の多くは、円網抄紙機、長網抄紙機、円網・長
網コンビネーションで抄造され、表層には晒化学パルプ
などの白原料を用いて印刷効果があがるようにし、他の
層には機械パルプ、未晒パルプ、古紙パルプなどを原料
に用いて、これら複数の層を抄き合わせた形態のもの
で、紙質は硬く、腰が強い。本発明においては、板紙に
おける前記抄き合わせ層それ自体を吸液性素材層として
使用することができる。
【0013】また、上記とは構成を異ならせ、吸液性素
材層として繊維性の不織布、特に、比較的嵩高な乾式不
織布を用いるようにしてもよい。何れの場合にあって
も、吸液性素材層の裏面側には当該台紙に剛性を保持さ
せるため別の板紙を積層させるのがよく、この板紙の米
坪は、550〜600g/mの範囲のとするのを可と
する。なお、剛性を保持させる板紙と前記吸液性素材層
との間にはをPEフィルムを介在させるか、または前記
両者をPETフィルムを介して接着させ、ないしは合成
樹脂のラミネート加工により前記両者を接合させるよう
になす。
【0014】ちなみに、台紙全体の剛性を保持させる手
段としては、上下に位置する2枚の紙層のうちのいずれ
か一方の紙層を板紙としてもよく、その場合における上
側の紙層は、これを坪量50〜100g/mの洋紙ま
たはクラフト紙とし、一方、下側の紙層を200〜50
0g/mの米坪からなる板紙で構成させるのがよい。
【0015】上述のように、台紙を構成する上下の紙層
の間にサンドイッチ状に繊維性の不織布層を介在させた
事例において、前記繊維性不織布の表面に一例としてエ
ンボス加工などの手段によって多数の凹所を形成させる
と共に、この凹所に到達し得る深さをもった導孔を、前
記不織布層の上方に位置する板紙層を貫通するように穿
設する。換言すれば、前記導孔は、上方の板紙層を貫通
し、かつ不織布層の表面に設けた凹所の上面に至って開
孔するだけの深さを有する行き止まりの孔で、詳しくは
図5に基づく後記の説明を参照されたい。
【0016】
【作用】本発明の台紙を用いれば、食品そのものから水
分が滲出したとしても、その水分は該食品が接する台紙
表面から導孔を介して台紙の内側に存在する不織布等の
吸液素材層に取り込まれて台紙表面に残ることがないか
ら、ドリップ等による食品の鮮度落ちや余剰水分による
腐敗を招く虞れもない。また、食品から出る水分は吸液
素材層で吸着されると共に、該吸液層とその下に位置す
る板紙層との間には遮水層または遮水膜が存在するの
で、前記水分が台紙の裏側に廻ることもなく、その上で
は、表層側に位置する紙層表面には自由に印刷が可能
で、しかもその印刷層は最上層に配設された耐水皮膜に
より被覆されているので、食品に対し直かに接すること
なく、したがって食品衛生法にも適合した台紙が得られ
る。これを要するに、本発明によれば印刷インキによる
毒性を懸念する必要のない安全な食品包装用の台紙が得
られるのである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明における台紙は、前記した
鮮魚等のフィレ加工品またはチルド加工品から滲出する
ドリップ等の余剰水分を吸収するための中仕切りまたは
下敷き等に使用して最適であり、特に身質の柔らかい
鮭、たら類等の切身や、フィレ加工した魚体の水切り
用、または干物等の仕上げ時(開き等)の血水等による
汚れの除去に用いて好適である。
【0018】また、食品に近接する表側の紙層は、印刷
可能であれば如何なる素材または品質のものでもよく、
普通によく知られている洋紙もしくはクラフト紙等、任
意の材料を用いることができる。実用的には、台紙その
ものに剛性を保持させる目的から上下両紙層の何れを
も、200〜350g/mの程度の板紙で構成させ、
その上では、上層側の白板紙の表面に一例としてグラビ
ア印刷によりアルミペーストによる銀色または金色を主
体とする印刷を施すようにするのがよい。
【0019】最上層に位置し、食品と直接触れる合成樹
脂膜としては、最適にはPE皮膜またはPET皮膜を設
けるのがよく、その場合には上側の紙層に対し、押し出
しによるラミネート加工で形成させるのがよい。また、
樹脂膜の厚みは20〜30ミクロン程度でよいが、その
膜厚に限定されるものではない。
【0020】本発明の台紙において、最上層に位置する
耐水皮膜としては、前記した合成樹脂膜以外に、紙層表
面にワックス塗工を施こすことにより形成される耐水膜
でもよい。すなわち、パラフィンワックス、ポリエチレ
ンワックス、エチレンビニルアセテートなどのワックス
類をロールコーターまたはカーテンコーターを介して紙
表面に塗工して耐水皮膜を形成させてもよい。
【0021】台紙の内部に設ける吸液素材層としては、
天然パルプを主体とする乾式不織布が好適であるが、そ
れに限られるものではなく、抄き合わせによる多層板紙
としてもよい。その場合において、台紙の上側に位置す
る紙層を板紙で構成させ、かつこの板紙の抄き合わせ層
それ自体を吸液素材層として利用することができる。ま
た、吸液素材層として、いわゆるティッシュを用いても
よく、要するに比較的密度が低く嵩高な紙、例えば0.
3g/cm以下の低密度紙であれば、本発明に用いて
好適である。なお、この吸液層は、食品から滲出するド
リップなどの余剰水分を吸着させるものであって、これ
らの低密度紙は不織布と同様に、概ね紙の密度の20倍
程度の保水量を有するので、本発明の目的を達成する上
では充分である。
【0022】前記した吸液層の下面側には、台紙に剛性
を保持させるための基材層を配設するのが好ましい。し
たがって下側紙層としては、少なくとも200〜300
g/mの板紙を用いるのがよい。しかし、本発明にあ
っては、上下の各紙層全体で剛性を保持させればよいも
のであるから、上下両層の総和で、その目的を達成して
もよく、或いはいずれか一方の紙層に、その役割を担わ
せてもよい。これを要するに本発明にあっては、上層側
または下層側のいずれにも吸液層を挟んで紙層が存在
し、いわば二重に板紙を配設してもよいので、一方の板
紙を薄く、他方のそれを厚く形成させてもよく、全体と
して台紙全体の剛度を高めることができればよい。
【0023】上層側の板紙層と、その下に置かれる吸液
素材層との間は、任意の接着剤を用いて接合すればよ
く、好ましくは澱粉系、膠系またはカゼイン・グルー系
の水溶性接着剤を用いるのを可とする。
【0024】なお、本発明においては、前記のように最
上層の耐水皮膜を有する紙層と、次段の吸液層とを貫い
て、食品から滲出する水分を吸収するための導孔を穿設
するものであるが、穿設にあたっては、板紙にミシン孔
を開ける際に、通常使用されている切り刃(図3の符号
18参照)を用いればよく、また図4の符号18aで示
す2枚刃を用いて比較的口径の大きな導孔12bを穿設
するようにしてもよい。このようにして前記切刃または
2枚刃により台紙表面から吸液層にまで届く行き止まり
の導孔12または12bを形成させる。台紙面における
導孔の分布状態は任意で、好ましくは収納する食品の形
状、形態に応じた形の不連続な半切線、すなわち、不貫
通の導孔12により形成される半切線は、一例として図
1または図2に示すように、台紙11の中央部に密集し
て穿設されるか、或いは食品の外形に即した楕円形、す
なわち平面的にみて楕円形をなす輪郭線が形成されるよ
うに展開させるのである。
【0025】前記のように、半切線とは、台紙を断面方
向でみて表面から中途の吸液素材層に至る行き止まりの
導孔をいうのであって、この導孔を平面で考察した場合
の形状には制限がない。すなわち、連続または不連続の
直線状、曲線状、円弧状等、如何なる形状でもよく、場
合によっては台紙の全面にハの字形、S字形、丸形等、
任意の形状の導孔を複数穿設してもよい。要するに、本
発明にあっては、前記積層体からなる台紙に対し、後加
工により機械的に導孔を形成させ、それによって台紙上
に置かれた食品から滲出する水分を導孔を介して内部に
誘導する機能を発揮させるのである。
【0026】次に、前記吸液素材層と、該吸液層の下側
に位置する板紙層との間を接合する接着剤について述べ
ると、この場合の接着剤としては、耐水性接着剤を使用
するのがよい。例えば、酢酸ビニル・エチレン(EV
A)共重合エマルジョン、天然ゴム系またはスチレン・
ブタジエン系ゴムラテックス、もしくは各種のホットメ
ルト系接着剤を使用するとよい。この種の耐水性接着剤
を使用すれば、前記吸液層に取り込まれた水分が下層に
向かって浸透することのない遮水層が形成される。
【0027】ちなみに、前記遮水層を形成させるに際し
ては、必ずしも耐水性接着剤を使用する必要なく、例え
ば、前記遮水層を合成樹脂のラミネート加工により形成
させた際には、その遮水層と、該遮水層の下側に位置す
る紙層とがラミネート加工に際して同時に接着されるの
で、他に接着剤を使用する必要がない。また、前記合成
樹脂によるラミネート膜を形成させた後に、別途接着剤
を用いて接着させるときには任意の接着剤を使用するこ
とが可能となる。すなわち、例えば、吸液層を構成する
不織布層の下面にポリエチレン皮膜をラミネートしてか
ら、該吸液層を適宜の接着剤を介して下層の板紙層と接
着させてもよく、その場合には、必ずしも耐水性接着剤
を用いる必要はないのである。
【0028】
【実施例】進んで、図示の実施例に基づき具体的に説明
する。図1は本発明の台紙11に半身の鮮魚から成る魚
体Fを載置した後、ラッピングフィルムWで包被した状
態を示す斜視図である。図1〜2の符号12は前記導孔
で構成させた半切線を示すもので、台紙11の表面にお
いてミシン目状に刻設された状態を平面的に示した。近
接した状態の2本の半切線で示す導孔12bは、図4の
切刃18aを用いて導孔を形成させた場合である。ま
た、図2においては、魚体の形状に沿ったリング状の外
廓線12aと直線状の半切線12とで構成させた事例を
示したが、導孔の台紙上における分布状態は,これを自
由に設定でき、例えば円形または格子状もしくは単なる
平行線状に刻設することも可能で、なんらの制限も受け
ない。先に述べたように、図4の2枚刃18aを用いて
口径の大きな導孔としてもよい。これらの導孔を台紙の
断面方向で考察すると、台紙層全体の中途における吸液
層に至るまでの深さを有する一種の半切線であるから、
以下の説明においても「半切線」という場合がある。
【0029】図3は本発明における台紙11の断面を拡
大して示したもので、図中、符号13は台紙の最上層に
配設された合成樹脂皮膜にして、20〜30ミクロン厚
のポリエチレンフィルムを押し出しラミネート加工によ
り形成させる。14は表側に位置する紙層にして、一例
として270g/mの白板紙で構成させると共に、該
板紙の表面には所望の印刷14aを施して商品説明また
は出所表示とする。なお、同印刷面を上から被覆するよ
うに前記のPE膜13が形成されることになる。符号1
5は、前記紙層14の下面に配設された吸液素材層にし
て、紙層14と吸液層15とを接着するにあたっては、
グルー系の水溶性接着剤を使用した。また、吸液素材層
は、これを一例として天然パルプ100%から成る乾式
不織布「キノクロス」(本州キノクロス株式会社所有の登
録商標)または天然パルプとレーヨンとを混抄して成る
「パルクロス」(本州キノクロス株式会社の登録商標)も
しくは天然パルプを主体とする低密度紙「フワットライ
ト」(王子製紙所有の登録商標)等で構成させる。な
お、この吸液素材層は、これを抄き合せによる多層板紙
としてもよく、その場合には、一例として270g/m
米坪を有する板紙を上側紙層として使用するのがよ
い。
【0030】なお、前記不織布または多層板紙(抄き合
わせ板紙)の中には、顆粒状または球状の高吸水性樹
脂、例えば、アクリル酸・ビニル共重合体またはアクリ
ル酸ソーダ重合体のような高吸水性樹脂を含ませておく
ことができ、この場合には繊維性不織布または多層板紙
が有する吸水能に加えて、前記樹脂が有する吸水効果が
併せて発揮される。
【0031】図3に示すように、不織布または多層板紙
から成る吸液性素材15の下面には、一例として酢ビ系
の耐水接着剤層16を介して下側の板紙層17を貼り合
わせて本発明の台紙を完成させる。ちなみに、図示の実
施例にあっては前記した耐水接着剤層16が遮水膜の機
能を果たすものである。
【0032】なお、符号18または18aで示す部材
は、前記した導孔を穿設するための切刃であって、該切
刃により台紙面に行き止まりの導孔を機械的に形成させ
るのである。
【0033】図3において符号19で示す層は、台紙の
最下層に形成させた防水皮膜にして、この皮膜は、最上
層に形成した前記の耐水皮膜13と同じものでよく、形
成の仕方も同様に処理すればよい。台紙の最下層に耐水
皮膜を形成しておくときは、下層板紙の汚れを防ぐこと
ができる。以下に他の実施例を挙げて本発明をより具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定さ
れるものではない。
【0034】図5は、図3に示す実施例の不織布層に対
して、別途加工を施した事例で、台紙の中間層に設けた
吸液素材層、すなわち不織布シート21の表面に例えば
エンボス加工等の手段により凹凸を形成させ、その際現
出する多数の凹所21aを多数のドリップ溜まりとして
機能させた事例である。この場合には、魚体等から滲出
するドリップが凹所21aに貯留させる効果を発揮する
ので、前記のドリップを多量に保有させることができ、
台紙外に流出するのを阻止する効果が高まる。換言すれ
ば、前記の凹所をドリップ溜まりとして活用して、台紙
全体の保水力を高めるようにした事例である。
【0035】
【発明の効果】本発明の台紙を用いれば、食品そのもの
から水分またはドリップが滲出したとしても、それらは
台紙表面から導孔を介して台紙の内側に存在する吸液素
材層に取り込まれて台紙表面に残ることがないから、ド
リップ等による食品の鮮度落ちや余剰水分による腐敗を
招くことが少ない。また、食品から出る水分は吸液素材
層で吸着されると共に、該吸液層とその下に位置する板
紙層との間には遮水層または遮水膜が存在するので、前
記水分が台紙の裏側に廻ることもなく、その上では表層
側に位置する紙層表面には自由に印刷が可能で、しかも
その印刷層は最上層に配設された耐水皮膜により被覆さ
れているので、食品に対し直かに接することなく、した
がって食品衛生法にも適合した台紙が得られる。
【0036】上記に加え、本発明によれば商品表示を示
す印刷インキ層は最上層の耐水皮膜で覆われているの
で、インクによる毒性を懸念する必要がなく、しかも従
来のような金属箔または金属蒸着膜は使用されていない
から、金属探知器にかけることもでき、その上、ゴミ処
理に当たっても完全な焼却処理が可能であると共に、場
合によっては回収し資源として再利用することもでき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の台紙を用いて半身の魚体をラップした
状態を示した斜視図。
【図2】同上台紙のみの斜視図で、一部を剥離して示し
た。
【図3】本発明の台紙の一部を拡大して示した断面斜視
図。
【図4】本発明における他の実施例を示す台紙の部分図
で、主として半切線の形成手段について示した斜視図。
【図5】同じく他の実施例を示す断面図で、中間の吸液
素材層として不織布を用いると共に、該不織布の表面に
凹所を形成させた事例を示す台紙の一部拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
11 台紙 12 導孔 12a 輪郭線 12b 口径の大きな導孔 13 耐水皮膜 14 上側の紙層 14a 印刷インキ層 15 吸液素材層 16 遮水層(遮水膜) 17 下側の紙層 18 半切れ刃 19 防水皮膜 21 吸液素材層 21a 凹所(ドリップ溜り)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸本 晋 静岡県富士市本市場427−5 本州産業株 式会社富士営業所内 (72)発明者 佐々木 坤彪 静岡県富士市入山瀬1−2−5 本州キノ クロス株式会社開発研究所内 (72)発明者 福嶋 健 埼玉県大宮市日進町2丁目1386番地の7

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材として少なくとも2枚の紙層を上下
    方向に配設すると共に、これら紙層の間にシート状の吸
    液性素材層をサンドイッチ状に挟みこみ、かつ最上層に
    位置する紙層表面には耐水皮膜を形成させると共に、該
    皮膜と、皮膜が形成された紙層とを貫通して吸液性素材
    層に至る深さをもった行き止まりの導孔を設け、さら
    に、前記吸液性素材層とその下に配設された紙層との間
    に遮水層を設けたことを特徴とする吸液性台紙。
  2. 【請求項2】 最上層に位置する紙層表面に合成樹脂製
    フィルムをラミネートして成る耐水皮膜を形成させる
    か、或いは耐水化剤の塗工層から成る耐水皮膜を設けた
    請求項1記載の吸液性台紙。
  3. 【請求項3】 上下の紙層を、それぞれ200〜350
    g/mの米坪を有する板紙となし、かつ上側に位置す
    る板紙それ自体を吸液性素材層として用いると共に、下
    側の板紙層で剛度を保持させ、さらに前記両板紙を合成
    樹脂層を介して接着させた請求項1または同2記載の吸
    液性台紙。
  4. 【請求項4】 上下に位置する紙層の間に繊維性の不織
    布を吸液素材層として介在させ、かつ前記吸液層と下側
    の紙層とを合成樹脂層により接着させて成る請求項1な
    いし3の何れかに記載の吸液性台紙。
  5. 【請求項5】 上側の紙層を米坪50〜100g/m
    の洋紙またはクラフト紙で形成させると共に、下側の紙
    層を200〜500g/mの米坪からなる板紙で構成
    させた請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の吸液
    性台紙。
  6. 【請求項6】 最下層に位置する板紙の表面に耐水化剤
    を塗工するか、あるいは合成樹脂膜をラミネートさせた
    請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の吸液性台
    紙。
  7. 【請求項7】 上側の紙層を米坪50〜100g/m
    の洋紙またはクラフト紙で形成させると共に、下側の紙
    層を200〜500g/mの米坪からなる板紙で構成
    させ、さらに前記上側紙層の下面側に凹凸を有する不織
    布層を積層させて、当該不織布層の表面に多数のドリッ
    プ溜まりを形成させた請求項1または同2もしくは請求
    項4またh同5のいずれかに記載の吸液性台紙。
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