JP3900339B2 - 生鮮食品包装用吸液シート - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食肉、野菜、果実や魚などの生鮮食品を貯蔵または流通する過程において、浸出したドリップを吸収除去し長期間にわたって生鮮食品の変色や品質低下を防止することができる生鮮食品包装用吸液シートに関する。さらに詳しくは該生鮮食品包装用吸液シートを使用するに際しその表裏の誤用を防止するとともに、吸液後においても違和感のない識別標識を付与した生鮮食品包装用吸液シートならびにそれを用いた生鮮食品製品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
食肉や魚などの生鮮食品(以下、単に「食品」ということもある。)は非通気性フィルムで真空包装した後、チルド温度帯で保存した場合や冷凍保存後に解凍した場合などは、血液や体液など、いわゆるドリップと称される液体が浸出してくる。このドリップは、食品と非通気性フィルムの間に溜り、放置すればこれらは接触した食品を変色させるなど品質を低下させ、商品価値を著しく低下させる。これを避けるため食品の変色部分を除けばそれだけ商品の歩留まりが低下することになる。さらにこのドリップは細菌類の繁殖の温床となりやすく保存期間も短くなるなど多くの問題がある。
【0003】
そこで、包装生鮮食品からドリップを除去する方法が検討された。除去方法の最初は、食品をシート状の吸液材と接触させた状態で包装し、保存中に浸出するドリップを吸液材に随時吸収させて除去しようとするものである。この吸液材としては、紙パルプなど表面が親水性で毛細管現象によってドリップを吸収保持できる毛細管吸液材やいわゆる高分子吸水剤、またはそれらの複合物などが用いられた。
しかし、毛細管吸液材はシート材として強度が弱く、また高分子吸水剤は一般に粉状または粒状であって、直接に食品と接触させるには問題があるので、吸液材の外面を不織布などの透液性フィルムで覆った生鮮食品包装用吸液シート(以下、単に「吸液シート」ともいうこともある。)が提案され、ドリップ対策は大きく改善された。しかしこの吸液シートは食肉や魚などの食品から浸出したドリップだけでなく食品の接触面から積極的に食品内部の水分を吸収するため食品自体が乾燥することがあった。
【0004】
これを改善した吸液シートとして、食肉や魚などの食品から浸出したドリップだけを吸収し、食品の接触面からは積極的に食品内部の水分を吸収しないことで食品自体を乾燥させず、また食品と吸液シートが接触している食品の底部、凹部などに浸み出して溜まるドリップを吸収除去し、長期間にわたって食品の変退色や品質低下を防止し、かつ歩留まりを維持することができるように、透液性フィルムを一面に使用し、他の面に非透液性フィルムまたは半透液性フィルムを使用したカバー状の包装材を用いた吸液シートが提案がされている。
【0005】
この吸液シートは、食品内部からの直接的なあるいは局所的な水分吸収を避けるために、非透液性フィルムまたは半透液性フィルムの面を食品に接触させるようにして使用することになる。このため表裏を識別するためにシート状吸液材に着色あるいは印字などの工夫がなされているが、消費者の受け取る感覚、商品の見栄えを良くするために明確な識別標識となるような色彩・模様などは避けられてきたため、表裏の識別性が低下し、包装に際し、しばしば反対面である透液性フィルム面を食品に直接接するように包装することが起きていた。そして一旦そのような包装がなされた後ではそれを外側から簡単に検出することが困難となっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、非通気性フィルムなどで包装するに際し、その内面に配置される吸液シートの適切な面が食品側となるように簡単に識別可能であり、かつ反対の面を食品側に配置した場合には包装後であっても外部から容易に識別可能であり、かつ吸液後においては消費者にとって識別し難いあるいは違和感のない識別標識を付した吸液シートの開発を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、[1]一方の外面が透液性フィルムであり、他方の外面が非透液性フィルムまたは半透液性フィルムからなる包装材内に、高分子吸収剤および/または湿潤剤を含むシート状吸液材を内蔵した生鮮食品包装用吸液シートであって、該吸液シートの一方の側の少なくとも一部に、生鮮食品と同系統の色の着色フィルムやテープを挿入し、透液性フィルムと非透液性フィルムまたは半透液性フィルムとのヒートシール部に挟持シールした識別標識が設けられていることを特徴とする生鮮食品包装用吸液シート、[2]牛肉包装に用いられる生鮮食品包装用吸液シートであって、色が赤色系であることを特徴とする[1]に記載の生鮮食品包装用吸液シート、[3]野菜または果実包装に用いられる生鮮食品包装用吸液シートであって、色が緑色、黄色または茶色系であることを特徴とする[1]に記載の生鮮食品包装用吸液シート、[4]鳥肉、豚肉または魚包装に用いられる生鮮食品包装用吸液シートであって、色が桃色、黄色または茶色系であることを特徴とする[1]に記載の生鮮食品包装用吸液シート、
【0008】
[5]識別標識が非透液性フィルムまたは半透液性フィルムの側に設けられたことを特徴とする[1]ないし[4]のいずれかに記載の生鮮食品包装用吸液シート、
[6]識別標識が透液性フィルムの側に設けられたことを特徴とする[1]ないし[4]のいずれかに記載の生鮮食品包装用吸液シート、
【0009】
[7]半透液性フィルムがポリエチレンフィルムまたはポリプロピレンフィルムに開孔が形成されたものである[1]ないし[6]のいずれかに記載の生鮮食品包装用吸液シート、
[8]シート状吸液材が、湿潤剤としてエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリグリセリン、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、メチルセルローズ、カルボキシメチルセルローズからなる群のいずれか1種以上を含んでなる[1]ないし[7]のいずれかに記載の生鮮食品包装用吸液シート、
[9]生鮮食品を[1]、[2]、[4]、[5]、[7]及び[8]のいずれかに記載の生鮮食品包装用吸液シートの非透液性フィルムまたは半透液性フィルムの面に接触させ、非通気性フィルムで真空包装して吸液させる工程を含むことを特徴とする生鮮食品製品の製造方法、
[10]生鮮食品を[1]、[3]、[4]、及び[6]ないし[8]のいずれかに記載の生鮮食品包装用吸液シートの透液性フィルム側に向かい合う様にさせ、包装して吸液させる工程を含むことを特徴とする生鮮食品製品の製造方法を開発することにより上記の目的を達成した。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の吸液シートにおいて使用される包装材は、一方は透液性フィルムであり、他方は非透液性フィルムまたは半透液性フィルムから構成される。
【0011】
本発明の吸液シートに用いる透液性フィルムとしては、透水性および耐水性があり、吸液材、特に粉末状の高分子吸水剤を漏洩しない程度の大きさの孔を有し、好ましくはヒートシール性であり、かつ食品包装用として許容し得るものであれば一般に入手し得るいずれのものであってもよい。例えば、天然繊維、半合成繊維、合成繊維もしくは合成樹脂などの織布、編布、不織布からなる群のいずれかまたはその積層物から形成されたものであってもよい。また、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム及び防湿加工セロファンなどの非透液性フィルムに公知の機械的または電気的手段により、あるいはレーザなどで微細連通孔を形成したもの、連通孔発泡ポリエチレンシートやメッシュシートなどであってもよい。
このような透液性フィルムは、いわゆる通水性であり、一般に開孔率が1%以上であって、半透液性フィルムとは明確に区別されるものである。この透液性フィルムは、吸液シートが接触していない食品の面から浸出して、輸送中の振動、重力などによって吸水シートまで移動したドリップを吸水シート内部に急速に透過吸収させるために設けられたものである。
【0012】
この透液性フィルムの反対面に用いる非透液性フィルムとしては、例えばポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリエステルフィルムまたは防湿加工セロファンまたはポリエチレンラミネートアルミニウム箔などを挙げることができる。中でもポリエチレンフィルムまたはポリプロピレンフィルムは食品を汚染する可能性のある物質を含まず、発生せず、それ自体に吸水性や透水性がなく、柔軟であり、圧着された食品からの剥離性が良好であり、しかもヒートシール性もあり、安価であるので特に好ましい。
【0013】
また半透液性フィルムとしては、上記の非透液性フィルムに公知の機械的、電気的手段またはレーザーなどで開孔を形成して製造することができる。ただし前記透液性フィルムとは異なり、通水性は極めて小さく制限された開孔度を有することが必要である。
すなわち開孔の孔径dは0.05mmないし0.5mmの範囲内、好ましくは0.1mmないし0.3mmの範囲内に、かつその開孔率Pは、0.01%ないし0.4%の範囲内、好ましくは0.01%ないし0.2%の範囲内にあるように形成されている。この開孔は、半透液性フィルムの全体にわたって均一に分布していることが好ましい。また、開孔の形状は、上記の孔径と開孔率の範囲内であれば特に限定されるものではない。
【0014】
ここで開孔率Pは、(開孔の総面積/半透液性フィルムの総面積)×100で表わされる%値であり、各開孔の面積sが同一の場合には、(開孔1個当たりの開孔面積s×開孔個数n×100)/(半透液性フィルムの総面積)で与えられる。
【0015】
本発明の吸液シートを用い、非透液性フィルムまたは半透液性のフィルムの面に食品を接触させ、それら全体を非通気性フィルムにて真空包装し、保存する場合には、半透液性フィルムに接触している食品から浸出するドリップがこの開孔を通して吸液シートの内部に導入される。従って、接触している食品の脱水をせず、ドリップのみを吸液するためにその孔径dは、0.05ないし0.5mmの範囲内のものが好ましい。
【0016】
また、透液性フィルムおよび非透液性フィルムまたは半透液性フィルムがともにヒートシール性であって、かつ吸液シートの包装材のそれぞれ一方の面をなしていることが好ましい。双方のフィルムの周辺部をヒートシールすることにより、吸液シートのフィルム間の剥離を防止し、内蔵された高分子吸水剤などの漏洩を防ぐことができる。
【0017】
シート状吸液材は、食品から浸み出すドリップを吸収するために用いられるものであって、食品を保存するに当り人体に悪影響を及ぼさないものであればいずれでもよい。
シート状吸液材は、一旦吸液したドリップや水は加圧などにより放出しないことが望ましく、そのためには高分子吸水剤などの高分子吸収剤を含んでいることが好ましい。シート状吸液材に用いられる高分子吸水剤は、水分やドリップの吸収能を有し、かつ食品の安全性において許容できるものであれば、公知のいずれのものを用いてもよい。これらは一般に水溶性ポリマーが三次元的に架橋されたものであり、多くの種類が知られている。
【0018】
好ましい高分子吸水剤は、デンプンやセルローズなど多糖類にアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸塩、メタクリル酸塩、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド、アクリトニトリル、メタクリトニトリル、マレイン酸、スルホン化スチレン、ポリビニルピリジンまたはこれらのオリゴマーまたはコオリゴマーからなる群のいずれか1種以上をグラフト重合させ、またはグラフト重合させた上で加水分解して得られた重合物の架橋生成物、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、スルホン化ポリエチレン、ポリビニルピリジン、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩、ポリアクリル酸アミド、ポリメタクリル酸アミドからなる群のいずれか1種以上の架橋生成物、酢酸ビニル−アクリル酸塩共重合物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合物、ポリビニルアルコール−マレイン酸共重合物、カルボキシメチルセルローズ架橋物などであり、たとえば吸液シートに用いられる市販の高分子吸水剤の例としては、PX−402A(昭和電工株式会社製)、サンウェットIM−300(三洋化成工業株式会社製)、アクアキープ10SH(製鉄化学工業株式会社製)、アクアリックCA(日本触媒化学工業株式会社製)などを挙げることができる。
【0019】
本発明のシート状吸液材は、上記の高分子吸水剤が毛細管現象によって吸液できる毛細管吸液材に挾持されてなるものであることが好ましい。毛細管吸液材としては、ドリップまたは水分を毛細管現象によって吸収し、かつそれらを保持し得るシート状の形成物であって、前記高分子吸水剤や、より好ましくは後記する湿潤剤を保持するものである。例としては例えば紙、パルプ、パルプをシート状にしたパルプシート、脱脂綿、ガーゼ、織布、編布、不織布、スポンジ、連通孔ポリウレタンフォーム、連通孔ビスコースフォーム、連通孔ビニロンフォームなどを挙げることができる。
【0020】
高分子吸水剤は一般に乾燥時は粉末または粒状であるので、これを吸液シートに内蔵するには、2層の毛細管吸液材の間に層状に散布して挾持してもよく、または1層の毛細管吸液材の連通孔の内部に挿入して挾持してもよい。また、高分子吸水剤を毛細管吸液材に挾持した市販の製品、例えば紙おむつ、生理処理用品、土壌改良剤などの分野で使用されている高吸水シートを吸液材として用いることもできる。
【0021】
高分子吸水剤は、半透液性フィルムの開孔や透液性フィルムの微細連通孔を通過し、さらに毛細管吸液材の層を通過したドリップや水分を非可逆的に吸収し、一旦吸水した後は通常の毛細管吸液材とは異なり外部からの圧力や衝撃が加えられてもこれらを逆流させることがない。
【0022】
本発明において、シート状吸液材は湿潤剤を含んでいることが好ましい。一般に高分子吸収剤は乾燥時に硬くなり、輸送、移動などの時の衝撃や摩擦などによって包装材フィルムや食品全体を包装する非通気性フィルムを損傷する恐れがある。湿潤剤の添加は、乾燥時にも高分子吸水剤を柔軟に保つので、この様な損傷が防止され、例えば真空包装用の非通気性フィルムのピンホール率を低下させることができる。
【0023】
また、上記の毛細管吸液材が疎水性表面を有する場合は一般に初期吸水が悪いが、その疎水性表面が湿潤性で覆われていれば初期吸水が大きく改善され、半透液性フィルムの開孔や透液性フィルムの微細連通孔から導入されたドリップや水分を速やかに吸収することができる。湿潤剤の使用量は、吸液材を柔軟にし、かつ圧力を受けても実質的に漏洩しない程度であれば特に限定されるものではない。その適量は、使用する吸液材の材質、構成、毛細管壁の総面積などを考慮して実験的に決定される。
【0024】
この湿潤剤の例としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、1,3−ブチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリグリセリンなどの多価アルコール重合物、キシリトール、ソルビトール、マルチトールなどの糖アルコール、メチルセルローズ、カルボキシメチルセルローズなどを挙げることができる。これらは必要に応じて水溶液の形態で用いられる。特に、湿潤性および安全性の観点からグリセリンが好ましい。
【0025】
食品と吸液シートとを非通気性フィルムを用い真空包装し吸液させて生鮮食品製品を製造する際には、食品と吸液シートが密着して使用されるが、その際には吸液シートの非透液性フィルムまたは半透液性フィルムの面に食品を接触させることが好ましい。この様にすることで、透液性フィルムが食品に接触し、食品自体が乾燥することを防止することができる。
食品と吸液シートとを真空包装以外の包装方法により包装して吸液させて生鮮食品製品を製造する際には、真空包装の場合とは逆に、吸液シートの透液性フィルム側に食品が向かい合う様に配置させ、包装することが好ましい。この様にすることで、非透液性フィルムまたは半透液性フィルムの側を食品と向かい合う様に吸液シートを配置した時に比較して、液の吸収がより速やかとなる。
上記の様に、包装形態により食品と向かい合う吸液シートの面を選択し、さらに輸送もしくは保存に際しては食品の底部に吸液シートの少なくとも一部分があるように配置させ吸液させることが、より効果的な吸液シートの使用方法となる。
【0026】
本発明の吸液シートを用いて食品を包装し、吸液させ、生鮮食品製品を製造するには、好ましくはこの吸液シートの識別標識が設けられた側が、食品側となるように包装して使用する。この様に使用することで、包装時に吸液シートの裏表が意図した通りに使用されていないことが外部から容易に視認することができると同時に、吸液後の識別標識も目立たないものとなる。
具体的な食品毎の包装形態としては、食品が牛肉、鶏肉及び豚肉等の食肉、魚、魚肉などの場合には、非透液性フィルムまたは半透液性フィルムの面に食品を接触させた状態での非通気性フィルムを用いた真空包装が用いられ、食品が、魚、魚肉、野菜、果実などの場合には、食品の下に透液フィルム側が向かい合う様に吸液シートを配置した包装が用いられる。
【0027】
真空包装のとき使用する非通気性フィルムは、一般に食品の真空包装に使用されているポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどの非通気性フィルム、シュリンクフィルム等であればよい。また、このときの真空度は、食品と本発明の吸液シート、非通気性フィルムが密着する程度以上あればよい。
【0028】
本発明の吸液シートに使用する識別標識はシート状吸液材または包装材それ自身に着色しても良く、また着色フィルムやテープ、糸等の挿入、シールの貼着、マーク等の印字などによりその面を区別できるようにすればよい。制作するときに最も容易なのは非透液性フィルムまたは半透液フィルムに識別標識を付与することであり、好ましい態様である。
識別標識のデザインとしては上記のフィルム全体を均一な色としても良いが、縞模様や水玉な小さな模様を付けたものであっても良い。特に識別明瞭性の点から、それぞれの用途に合わせて魚、牛、鶏、豚、野菜、果実などの小さな模様のデザインを入れておくことにより、用途別に色調を選択することも可能である。識別標識の色は、ドリップを吸液したときにその色がドリップの色と同じかあるいは識別標識が不明瞭となる同系統の色を選択する。具体的に食品と色の組合せとしては、例えば、牛肉包装に用いられる吸液シートには、赤色系の色が好ましく、野菜または果実包装に用いられる吸液シートには、緑色、黄色または茶色系の色が好ましく、鳥肉、豚肉または魚包装に用いられる吸液シートには、桃色、黄色または茶色系の色が好ましい。
識別標識は、吸液シートの表裏を明瞭に区別できればよいので設ける場所は表裏のいずれでも良いが、包装後に外部からは見えない側に設けることが好ましい。
【0029】
上記識別標識の着色に用いることができる色素としては、食品包装に用いることができる色素であれば制限はない。例えばテープやフィルムの材質がポリオレフィンである場合には、ポリオレフィン等衛生協議会の「ポリオレフィンなど合成樹脂製食品包装などに関するポジティブリスト」に収載されている色素を用いることができる。具体的な色素としては、食品、食品添加剤に該当する食紅などの赤色色素、β−カロチン類などの黄色色素、クロロフィル類などの緑色色素、またこれら色素の混合物である茶色色素などを挙げることができる。
また、フィルム、シールに印刷するためには上述した色素を水やエタノールなどの食品に使用できる溶媒に溶解したものを用いることができる。
【0030】
本発明の生鮮食品包装用吸液シートを適用することができる生鮮食品としては、例えば、牛、豚の部分肉、鶏などの解体肉、部分肉など、マグロ、カツオ、サケなどの冷凍品、チルド品あるいは生鮮品など、ドリップが赤色系の色調を呈する種々のもの、野菜、果実などを挙げることができる。
【0031】
【実施例】
(実施例1)
図1に示すように、非透液性フィルム2全体を、フィルム製造時に赤色カラーマスターバッチを用いて全体を赤色にし、ポリエチレンとポリプロピレンとからなる着色していない不織布(透液性フィルム)3とを重ねて3方をヒートシールしてカバー状の包装材とした。高分子吸収剤を担持したパルプ(シート状吸液材)1を上記包装材の間に挟持し入り口をヒートシールして生鮮食品包装材用吸液シートとした。
【0032】
(実施例2)
図2に示すように、実施例1において着色非透液性フィルム2に代えて、非着色のポリエチレンフィルム5を用いてカバー状の包装材とした。実施例1と同様に作成したシート状吸液材1をこれに入れ、赤色ポリエチレンフィルムのテープ4をポリエチレンフィルム5とシート状吸液材1の間に入れ入り口をヒートシールして生鮮食品包装材用吸液シートとした。テープが内部で移動しないようにポリエチレンフィルム5と不織布3をカバー状の包装材とするときにヒートシール部に挟持シールを行った。
【0033】
(実施例3)
図3に示すように、実施例2において赤色ポリエチレンフィルムのテープに代え、食紅をエタノールに溶解してこれを非透液性フィルム5にインクジェットプリンターを用いて印字し、乾燥した。
【0034】
(実施例4)
図4に示すように、実施例2において赤色ポリエチレンフィルムのテープに代え、赤色のフィルム状のシール7を貼付した。シールはでんぷん糊を使用して接着するか、またはヒートシールで行うことにより食品衛生上問題のないものである。
【0035】
【発明の効果】
本発明の生鮮食品包装材用吸液シートは、生鮮食品側に食品包装として使用できる無害な着色剤を用いて識別標識としているために、包装前においても誤る可能性を大きく減殺しているだけでなく、誤った使用品は包装後においても容易に識別可能であるばかりでなく、ドリップを吸液した後の吸液シートはドリップの色調によってその使用が不明となるかあるいは不明確となり、消費者にとって違和感のない包装品とすることが可能となった。
【0036】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の平面図とその断面図。
【図2】本発明の実施例2の平面図とその断面図。
【図3】本発明の実施例3の平面図とその断面図。
【図4】本発明の実施例4の平面図とその断面図。
【符号の説明】
1 シート状吸液材
2 赤色に着色した非透液性フィルム(半透液フィルムであっても可。)
3 透液性フィルム
4 着色テープ
5 非着色非透液性フィルム(半透液フィルム)
6 非着色非透液性フィルムへの印刷
7 着色シール

Claims (10)

  1. 一方の外面が透液性フィルムであり、他方の外面が非透液性フィルムまたは半透液性フィルムからなる包装材内に、高分子吸収剤および/または湿潤剤を含むシート状吸液材を内蔵した生鮮食品包装用吸液シートであって、該吸液シートの一方の側の少なくとも一部に、生鮮食品と同系統の色の着色フィルムやテープを挿入し、透液性フィルムと非透液性フィルムまたは半透液性フィルムとのヒートシール部に挟持シールした識別標識が設けられていることを特徴とする生鮮食品包装用吸液シート。
  2. 牛肉包装に用いられる生鮮食品包装用吸液シートであって、色が赤色系であることを特徴とする請求項1に記載の生鮮食品包装用吸液シート。
  3. 野菜または果実包装に用いられる生鮮食品包装用吸液シートであって、色が緑色、黄色または茶色系であることを特徴とする請求項1に記載の生鮮食品包装用吸液シート。
  4. 鳥肉、豚肉または魚包装に用いられる生鮮食品包装用吸液シートであって、色が桃色、黄色または茶色系であることを特徴とする請求項1に記載の生鮮食品包装用吸液シート。
  5. 識別標識が非透液性フィルムまたは半透液性フィルムの側に設けられたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の生鮮食品包装用吸液シート。
  6. 識別標識が透液性フィルムの側に設けられたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の生鮮食品包装用吸液シート。
  7. 半透液性フィルムがポリエチレンフィルムまたはポリプロピレンフィルムに開孔が形成されたものである請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の生鮮食品包装用吸液シート。
  8. シート状吸液材が、湿潤剤としてエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリグリセリン、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、メチルセルローズ、カルボキシメチルセルローズからなる群のいずれか1種以上を含んでなる請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の生鮮食品包装用吸液シート。
  9. 生鮮食品を請求項1、請求項2、請求項4、請求項5、請求項7及び請求項8のいずれか1項に記載の生鮮食品包装用吸液シートの非透液性フィルムまたは半透液性フィルムの面に接触させ、非通気性フィルムで真空包装して吸液させる工程を含むことを特徴とする生鮮食品製品の製造方法。
  10. 生鮮食品を請求項1、請求項3、請求項4、及び請求項6ないし請求項8のいずれか1項に記載の生鮮食品包装用吸液シートの透液性フィルム側に向かい合う様にさせ、包装して吸液させる工程を含むことを特徴とする生鮮食品製品の製造方法。
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