JP2000015745A - 金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルム - Google Patents
金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルムInfo
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Abstract
れた特性(例えば、成形加工性、耐熱性、耐衝撃性な
ど)を保持しながら、耐レトルト性、保味保香性に優
れ、巻取り性、接着性の良好な金属板貼合せ成形加工用
ポリエステルフィルムを提供する。 【解決手段】 特定の熱的特性を持ち、Ge化合物を用
いて製造され、粒径の異なる不活性粒子2種類を含有す
るイソフタル酸共重合ポリエステルから形成される共重
合ポリエステル層(A)と、不活性粒子を含有し、Ge
化合物を用いて製造された共重合ポリエチレンテレフタ
レートと共重合ポリブチレンテレフタレートからなる組
成物からなるポリエステル組成物層(B)とを積層して
なる金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルム。
Description
加工用ポリエステルフィルムに関し、更に詳しくは金属
板に貼合わせて絞り加工等の製缶加工をする際優れた成
形加工性を示し、耐熱性、耐レトルト性、保香保味性、
耐衝撃性等に優れた金属缶、例えば飲料缶、食品缶等を
製造し得る金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィル
ムに関する。
に塗装が施されているが、近年、工程簡素化、衛生性向
上、公害防止の目的で、有機溶剤を使用せずに防錆性を
得る方法の開発が進められ、その一つとして熱可塑性樹
脂フィルムによる被覆が試みられている。すなわち、ブ
リキ、ティンフリースチール、アルミニウム等の金属板
に熱可塑性樹脂フィルムをラミネートした後、絞り加工
等により製缶する方法の検討が進められている。この熱
可塑性樹脂フィルムとして積層共重合ポリエステルフィ
ルムが試みられ、成形加工性、耐熱性、保味保香性、耐
衝撃性のすべてについて従来の実用化基準を満足するも
のが開発された(例えば特開平6−039979号公
報)。
判明した。
後の、低温耐衝撃性である。従来品は実用化基準を満足
しているとはいえ、低温時の耐衝撃性、特に5℃以下の
低温での耐衝撃性は未だ十分とはいえず、改善の余地が
残された。
ジュース、清涼飲料水用の金属缶のように冷却した状態
で取り扱われるものでは、金属缶を落下させたりして衝
撃を与えると、フィルムにひび割れが生じ、大きな問題
となる。
トに際してしわが発生する等の作業性の低下を改善する
ため、適度な滑り性が必要である。この滑り性を付与す
るために、滑剤として不活性粒子をフィルムに添加する
ことが知られている。しかし、不活性粒子中に粗大な粒
子が有ると、金属缶成形における絞り加工のような大き
な変形を伴う工程においては、フィルムにピンホールや
破断が発生する場合があり、問題となる。
た成形加工性、耐熱性、耐レトルト性、保味保香性を維
持し、かつ耐衝撃性を改善し、低温下で衝撃によりひび
割れが生じにくい、作業性の良い金属板貼合せ成形加工
用ポリエステルフィルムを提供することにある。
を解決すべく鋭意検討した結果、フィルムを積層ポリエ
ステルフィルムとし、その表面層をイソフタル酸共重合
ポリエステルからなる層とし、缶側層を、エチレンテレ
フタレートを主たる繰り返し単位とする共重合ポリエス
テルとアジピン酸を共重合したブチレンテレフタレート
を主たる繰り返し単位とするポリエステルとを特定割合
で混合した組成物ならなる層とし、かつ該共重合ブチレ
ンテレフタレートの割合を増加させることによって、低
温下の耐衝撃性が優れたフィルムが得られることを見い
出し、しかも2層のそれぞれに添加する滑剤を特定する
ことにより、共重合ポリエステルが有する優れた成形加
工性を保持しながら優れた作業性を獲得し、さらに共重
合ポリエステルの重縮合触媒としてゲルマニウム触媒を
用いることにより、優れた保味保香性や成形性が得られ
ることを見いだし本発明に到達した。
℃、ガラス転移温度60℃以上、かつ重縮合触媒として
ゲルマニウム化合物を用いて製造され、かつ不活性粒子
Aを0.01〜3重量%および不活性粒子Bを0.00
1〜0.2重量%含有するイソフタル酸共重合ポリエス
テルから形成される共重合ポリエステル層(A)と、共
重合ポリエステル(1)と共重合ポリエステル(2)か
らなり、かつ不活性粒子Cを0.03〜0.5重量%含
有するポリエステル組成物から形成されるポリエステル
組成物層(B)とを積層してなる積層フィルムであっ
て、該不活性粒子Aが平均粒径(dA)0.05μm以
上0.6μm未満であり、該不活性粒子Bが平均粒径
(dB)が0.3μm以上2.5μm以下であり、不活
性粒子Aの平均粒径と不活性粒子Bの平均粒径の比(d
B/dA)が2.5以上であり、不活性粒子Cの平均粒径
(dC)が0.8μm以上2.5μm未満であり、そし
て該共重合ポリエステル(1)が融点210〜245℃
のエチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とし、
重縮合触媒としてゲルマニウム化合物を用いた共重合ポ
リエステルであり、該共重合ポリエステル(2)がアジ
ピン酸を5〜50モル%共重合した融点170〜220
℃のブチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とす
る共重合ポリエステルであり、しかも共重合ポリエステ
ル(1)および共重合ポリエステル(2)の配合比が、
ポリエステル組成物に対してそれぞれ45〜80重量%
および20〜55重量%であることを特徴とする金属板
貼合せ成形加工用ポリエステルフィルムである。
(A)は優れた保味保香性を発現する層であって、イソ
フタル酸共重合ポリエステルで構成されており、イソフ
タル酸共重合ポリエチレンテレフタレートがその代表例
としてあげられる。
フタレートは、イソフタル酸以外の共重合成分または共
重合アルコール成分が、その特性を損なわない範囲、例
えば全酸成分又は全アルコール成分に対して3モル%以
下の割合で、共重合されていてもよい。該共重合酸成分
としてはフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等
の如き芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸等の如
き脂肪族ジカルボン酸等が例示でき、またジオール成分
としては1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、ネオペンチルグリコール等の如き脂肪族ジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノールの如き脂環族
ジオール等が例示できる。これらは単独または二種以上
を使用することができる。
合は、ポリマー融点が210〜245℃、好ましくは2
15〜235℃の範囲になる割合である。融点が210
℃未満では耐熱性が劣ることになる。他方、融点が24
5℃を超えると、ポリマーの結晶性が大きすぎて成形加
工性が損なわれる。
の融点測定は、Du Pont Instruments
910 DSCを用い、昇温速度20℃/分で融解ピ
ークを求める方法による。なお、サンプル量は約20m
gとする。
は、ガラス転移温度(以下、Tgと略することがある)
が60℃以上であることが必要であり、好ましくは70
℃以上である。ガラス転移温度が60℃未満では満足で
きる保味保香性が得られない。
のガラス転移温度測定は、Du Pont Instru
ments 910 DSCを用い、昇温速度20℃/
分でガラス転移点を求める方法による。
の固有粘度は0.52〜0.80であることが好まし
く、更に好ましくは0.54〜0.70、特に好ましく
は0.57〜0.65である。
(B)を構成する共重合ポリエステル(1)は、エチレ
ンテレフタレートを主たる繰り返し単位とする共重合ポ
リエステルである。この共重合成分は、酸成分でも、ア
ルコール成分でも良い。該共重合成分としてはイソフタ
ル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の
如き芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、
セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸等の如き脂
肪族ジカルボン酸等が例示でき、またアルコール成分と
しては1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、ネオペンチルグリコール等の如き脂肪族ジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノールの如き脂環族
ジオール等が例示できる。これらは単独または二種以上
を使用することができる。これらの中、イソフタル酸が
好ましい。
(A)と同じ共重合ポリエステルとすることで、製品に
ならなかった部分を回収し、再利用するのに有利であ
り、産業廃棄物を最少にできることである。第二に、缶
の内容物に直接接触しないポリエステル組成物層(B)
においても、保味保香性の良いイソフタル酸共重合ポリ
エステルを用いることが好ましいことである。
は、その種類にもよるが、結果としてポリマーの融点が
210〜245℃、好ましくは215〜235℃の範囲
になる割合である。融点が210℃未満では耐熱性が劣
ることになる。他方、融点が245℃を超えると、ポリ
マーの結晶性が高くなり過ぎて成形加工性が損なわれ
る。
測定は、イソフタル酸共重合ポリエステルの融点測定と
同じ方法により行う。
度は0.52〜0.80であることが好ましく、更に好
ましくは、0.54〜0.70、特に好ましくは0.5
7〜0.65である。固有粘度が0.52未満では缶成
形時の成形加工性や、耐衝撃性等の特性が不十分であ
り、0.8以上になると、フィルム製膜時の押出成形性
が低下する。
(B)を構成する共重合ポリエステル(2)は、アジピ
ン酸を共重合したブチレンテレフタレートを主たる繰り
返し単位とする共重合ポリエステルである。
タレートは、アジピン酸以外の共重合成分または共重合
アルコール成分が、その特性を損なわない範囲で共重合
されていてもよい。
成分が好ましく、例えば、アゼライン酸、セバシン酸、
1,10−デカンジカルボン酸等の如き脂肪族ジカルボ
ン酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸等の如き芳香族ジカルボン酸が挙げられる。
としてポリマー融点が170〜220℃、更には180
〜210℃の範囲になる割合で共重合する。ポリマー融
点が170℃未満では耐熱性が劣ることになる。なおポ
リブチレンテレフタレートホモポリマーの融点は223
℃であり、これを本発明のフィルムに用いると、低温耐
衝撃性と金属との接着性がアジピン酸共重合ポリマーよ
り劣ることになる。
に対して5〜50モル%である。アジピン酸の共重合比
をこの範囲とすることで、缶との接着性を高め、耐衝撃
性を向上させることができる。
測定法は、前述のイソフタル酸共重合ポリエステルの融
点測定と同じ方法により行う。また、共重合ポリエステル
(2)の固有粘度は0.70〜2.00であることが好
ましく、更に好ましくは0.80〜1.70、特に好ま
しくは0.85〜1.50である。
(B)は、共重合ポリエステル(1)45〜80重量%
と、共重合ポリエステル(2)20〜55重量%とを溶
融混合したポリエステル組成物からなることが必要であ
る。
未満で、共重合ポリエステル(1)が80重量%を超え
ると低温下での耐衝撃性を改善することができない。ま
た共重合ポリエステル(2)が55重量%を超え、共重
合ポリエステル(1)が45重量%未満であると、フィ
ルムの耐熱性が低下し好ましくない。共重合ポリエステ
ル(1)および共重合ポリエステル(2)のより好適な
割合の範囲はそれぞれ50〜60重量%および40〜5
0重量%である。
(A)に用いられるイソフタル酸共重合ポリエステル、
ならびにポリエステル組成物層(B)に用いられる共重
合ポリエステル(1)および共重合ポリエステル(2)
は、その製造方法によって限定されることはない。例え
ば、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とす
るポリエステルは、テレフタル酸、エチレングリコール
及び共重合成分をエステル化反応させ、ついで得られる
反応生成物を重縮合反応させて共重合ポリエステルとす
る方法、あるいはジメチルテレフタレート、エチレング
リコール及び共重合成分をエステル交換反応させ、つい
で得られる反応生成物を重縮合反応させて共重合ポリエ
ステルとする方法、が好ましく用いられる。
および共重合ポリエステル(1)の重合段階で用いる触
媒は、保味保香性の点でゲルマニウム化合物に限定され
る。
土類金属もしくはそれらの化合物の存在下でグリコール
に溶解した溶液 (ニ)酸化ゲルマニウムを水に溶解した溶液 等が用いられる。
エステル中に残存するゲルマニウム原子量として60〜
150ppmが好ましい。
共重合ポリエステル(1)および共重合ポリエステル
(2)の製造においては、必要に応じ、他の添加剤例え
ば蛍光増白剤、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤等も
添加することができる。
(B)を構成するポリエステル組成物のエステル交換率
は3.0%以上であることが好ましく、3.0〜9.0
%であることがさらに好ましい。エステル交換率が3.
0%以上であると、ポリエステル組成物層(B)の結晶
性が抑制されて成形加工性や耐衝撃性が著しく向上す
る。他方、9%を超えるとポリマーの劣化によるフィル
ムの製膜性低下が発性することがある。逆にエステル交
換率が3.0%未満であると、結晶性が上がるため成形
加工性や耐衝撃性が不十分となり好ましくない。
重合ポリエステル(1)と(2)は、製膜前までに溶融
混練されていることが好ましい。
テル(1)と(2)とを溶融混合する時の条件、例えば
押出温度や滞留時間により設定することができる。ま
た、共重合ポリエステル(2)の重合触媒量によっても
調整することができる。
するポリエステル組成物のエステル交換率は次のように
して測定する。フィルムから該当するポリエステル組成
物を約10mg削り取り、CDCl3:CF3COODの
混合溶媒に溶解後、600MHz1H−NMRで測定す
る(図1参照)。検出されたエステル交換に起因するピ
ークA、ピークBおよびピークCの波形(図2参照)を
分離し、それぞれの積分値を求め、以下の式によりエス
テル交換率を求める。
分値、SCはピークCの積分値を表わす。
造工程における取扱い性(巻取り性)を改良するため、
滑剤として不活性粒子を含有させる必要がある。
ソフタル酸共重合ポリエステルは、平均粒径(dA)が
0.05μm以上0.6μm未満、好ましくは0.08
〜0.5μm、更に好ましくは0.1〜0.4μmの不
活性粒子A(粒子A)を0.01〜3重量%、好ましく
は0.1〜1.0重量%、更に好ましくは0.2〜0.
5重量%含有させ、、さらに平均粒径(dB)が0.3
μm以上2.5μm以下、好ましくは0.5〜2.0μ
m、更に好ましくは0.6〜1.8μmの不活性粒子B
(粒子B)を0.001〜0.2重量%、好ましくは
0.002〜0.1重量%、更に好ましくは0.005
〜0.05重量%合有させる。
未満では、滑り性の向上効果が不十分であり、フィルム
製造工程において巻取り性が悪くなるので好ましくな
い。他方、平均粒径(dA)が0.6μm以上では、深
絞り製缶等の加工により変形した部分に、ピンホールを
生じたり、場合によっては破断が生じるので、好ましく
ない。
満では滑り性の向上効果が不十分であり、他方、3重量
%を超えるとフィルムの破断が多発するので好ましくな
い。
Bをイソフタル酸共重合ポリエステルに含有させるが、
それによって滑り性を一段と向上させることができる。
この粒子Bの平均粒径(db)が0.3μm未満では、
滑り性を更に向上させることができず、他方2.5μm
を超えると、深絞り加工により変形した場合、粒子の脱
落が生じ、ピンホールを生じたり、フィルムが破断した
りして、耐削れ性が悪化する。
未満では粒子Aのみの場合と滑り性が変らず、0.2重
量%を超えると耐削れ性が悪化するので不適当である。
Bの平均粒径(dB)の比(dB/dA)は2.5以上、
好ましくは3.0以上である。平均粒径比(dB/dA)
が2.5未満では粒子B添加による滑り性向上効果が発
現しない。
粒子Bは、無機粒子であっても有機粒子であってもよい
が、無機粒子が好ましい。無機粒子としては、シリカ、
アルミナ、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム等が例示でき、有機粒子としてはシリコーン樹脂粒
子、架橋ポリスチレン粒子等が例示できる。これらの粒
子は、単独で用いることもできるし、2種以上を混合し
て用いることもできる。また、必要に応じてその他の滑
剤を添加することもできる。
ましい粒子は、粒径比(長径/短径)が1.0〜1.2
である単分散粒子である。このような粒子としては、真
球状シリカ、真球状二酸化チタン、真球状シリコーン樹
脂粒子、真球状架橋ポリスチレン粒子などが例示でき
る。
径比は、先ず粒子表面に金属を蒸着したのち電子顕微鏡
にて例えば1万〜3万倍に拡大した像から、長径、短径
及び面積円相当径を求め、次いでこれらを次式にあては
めることによって、算出される。
/測定粒子の数 粒径比=粒子の平均長径/該粒子の平均短径 また、球状粒子は粒径分布がシャープであることが好ま
しい。
(B)を構成するポリエステル組成物は、平均粒径(d
c)が0.8μm以上2.5μm未満、好ましくは1.
0〜2.3μmの不活性粒子C(粒子C)を0.03〜
0.5重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%含有
する。
満では、滑り性が不十分であり、フィルム製造工程にお
いて巻取り性が悪くなるので好ましくない。他方、平均
粒径(dc)が2.5μm以上の場合は、深絞り製缶等
の加工により変形した部分に、粗大粒子が起点となり、
ピンホールを生じたり、フィルムが破断するので好まし
くない。
満では滑り性が不十分であり、他方、0.5重量%を超
えると、深絞り製缶等の加工により、フィルムの破断が
多発するので好ましくない。
有機粒子であってもよいが、無機粒子が好ましい。無機
粒子としては、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、炭酸
カルシウム、硫酸バリウム等が例示でき、有機粒子とし
てはシリコーン樹脂粒子、架橋ポリスチレン粒子等が例
示できる。これらの粒子は、単独で用いることもできる
し、2種以上を混合して用いることもできる。また、必
要に応じて、その他の滑剤を添加することもできる。
は、前述の共重合ポリエステル層(A)を構成するイソ
フタル酸共重合ポリエステルに添加する粒子Aおよび粒
子Bと同種の、粒径比(長径/短径)が1.0〜1.2
である単分散の粒子である。
性粒子を含有させる手段としては従来から知られている
手段を用いることができ、特に限定されないが、共重合
ポリエテルの製造時に不活性粒子を添加する方法が好ま
しい。
は、まず共重合ポリエステルを溶融押出すが、このとき
所定の不活性粒子の含有量となるように上記共重合ポリ
エステルに不活性粒子を含有させておくか、あるいは押
出し時に所定の量をブレンドして押出す方法を採用する
ことができる。
び粒子Bをイソフタル酸共重合ポリエステルに含有させ
ることによって、製缶時の大きな変形(深絞り加工)に
よっても粒子の脱落が起らず、耐削れ性の良好なポリエ
ステルフィルムが得られるのであって、ポリエチレンテ
レフタレートの如きホモポリマーに含有させたのでは、
滑り性は向上するものの、耐削れ性は改善されない。
タル酸共重合ポリエステル層(A)とポリエステル組成
物層(B)とを積層した構造を有するものであり、従来
から知られている方法で製造することができる。例え
ば、それぞれの層を構成するイソフタル酸共重合ポリエ
ステルとポリエステル組成物を別々に溶融、共押出し、
固化前に積層融着させた後、二軸延伸、熱固定する方
法、イソフタル酸共重合ポリエステルとポリエステル組
成物を別々に溶融、押し出してフィルム化し、未延伸状
態または延伸後、両者を積層させる方法などが挙げられ
る。本発明のポリエステルフィルムは、未延伸フィルム
であってもよいが、二軸延伸フィルムであることが好ま
しい。この場合、共重合ポリエステル層(A)の厚さ方
向の屈折率は、1.490〜1.550であることが好
ましく、更に好ましくは1.505を超え1.540以
下である。この屈折率が低すぎると成形加工性が不十分
となり、他方、高すぎると非晶に近い構造となるため、
耐熱性が低下することがある。
くは厚みが6〜75μmである。更に好ましくは10〜
75μm、特に好ましくは15〜50μmである。厚み
が6μm未満では加工時に破れ等が生じやすくなり、一
方、75μmを超えるものは過剰品質であって不経済で
ある。
Aと、ポリエステル組成物層(B)の厚みTBとの比(T
A/TB)は、0.02〜1.5が好ましく、更に好まし
くは0.04〜0.67、特に好ましくは0.04〜
0.25である。具体的には、例えば厚みが25μmの
ポリエステルフィルムの場合、共重合ポリエステル層
(A)の厚みを0.5〜15μm、好ましくは1〜10
μm、更に好ましくは3〜5μmとする。
せられる金属板、特に製缶用金属板としては、ブリキ、
ティンフリースチール、アルミニウム等の板が適切であ
る。金属板へのポリエステルフィルムの貼り合わせは、
例えば下記(ア)、(イ)の方法で行うことができる。
しておいてフィルムを貼り合わせた後冷却し、金属板に
接するフィルムの表層部(薄層部)を非晶化して密着さ
せる。
イマーコートしておき、この面と金属板を貼り合わせ
る。接着剤としては公知の樹脂接着剤、例えばエポキシ
系接着剤、エポキシ−エステル系接着剤、アルキッド系
接着剤等をもちいることができる。
せる場合には、ポリエステル組成物層(B)の側を金属
板に貼合わせるようにする。更に、本発明のフィルムに
おいては、必要に応じて、共重合ポリエステル層(A)
とポリエステル組成物層(B)との間又は片側に、他の
追加の層を積層させてもよい。
なお、フィルムの特性は、以下の方法で測定、評価し
た。
Cを用い、昇温速度20℃/分で融解ピークを求める方
法による。なお、サンプル量は約20mgとする。
Cを用い、昇温速度20℃/分でガラス転移点を求める
方法による。
削り取り、CDCl3:CF3COODの混合溶媒に溶解
後、600MHz1H−NMRで測定する(図1参
照)。検出されたエステル交換に起因するピークA、ピ
ークBおよびピークCの波形(図2参照)を分離し、そ
れぞれの積分値を求め、以下の式によりエステル交換率
を求めた。 エステル交換率=SB/(SA+SB+SC)×100 上記式中、SAはピークAの積分値、SBはピークBの積
分値、SCはピークCの積分値を表わす。
3万倍に拡大した像から、長径、短径及び面積円相当径
を求め、次いでこれらを次式にあてはめることによって
算出した。 平均粒径=測定粒子の面積円相当径の総和/測定粒子の
数 粒径比=粒子の平均長径/該粒子の平均短径
mmのティンフリースチールの両面に貼り合せ、水冷し
た後、150mm径の円板状に切り取り、絞りダイスと
ポンチを用いて4段階で深絞り加工し、55mm径の側
面無継目容器(以下、缶と略することがある)を作成し
た。なお、各フィルムは、ポリエステル組成物層(B)
の表面がティンフリースチールに接するように貼り合わ
せた。
基準で評価した。 ○:フィルムに異状なく加工され、フィルムに白化や破
断が認められない。 △:フィルムの缶上部に白化が認められる。 ×:フィルムの一部にフィルム破断が認められる。
却した後、各テストにつき10個ずつを高さ30cmか
ら塩ビタイル床面に落とした後、缶内フィルム面の防錆
性試験(1%NaCl水を缶内にいれ、電極を挿入し、
缶体を陽極にして6Vの電圧をかけた時の電流値を測定
する。以下ERV試験と略することがある)を行い下記
の基準で評価した。 ○:全10個について0.1mA以下であった。 △:1〜5個について0.1mAを超えていた。 ×:6個以上について0.1mAを超えていたかあるい
は、落下後既にフィルムのひび割れが認められた。
持した後、前述の耐衝撃性評価を行い下記の基準で評価
した。 ○:全10個について0.2mA以下であった。 △:1〜5個について0.2mAを超えていた。 ×:6個以上について0.2mAを超えていたかあるい
は、200℃×5分間加熱後、既にフィルムのひび割れ
が認められた。
気滅菌器で、120℃、1時間レトルト処理を行い、し
かる後、50℃で30日間保存した。得られた缶を各テ
ストにつき10個ずつ高さ1mから塩ビタイル床面に落
とした後、缶内のERV試験を行い下記の基準で評価し
た。 ○:全10個について0.2mA以下であった。 △:1〜5個について0.2mAを超えていた。 ×:6個以上について0.2mAを超えていたかあるい
は、落下後既にフィルムのひび割れが認められた。
し、密封した。37℃で30日間保持した後、開缶し、
香りの変化を官能検査により調べ下記の基準で評価し
た。 ○:香りの変化はなかった。 △:わずかに香りの変化が認められた。 ×:香りの変化が認められた。
より調べ下記の基準で評価した。 ○:味の変化はなかった。 △:わずかに味の変化が認められた。 ×:味の変化が認められた。
基準で評価した。 ○:正常な巻姿であった。 ×:角張、巻ずれが有り、その後の工程に悪影響を及ぼ
す巻姿であった。
す成分を共重合した共重合ポリエチレンテレフタレート
(固有粘度0.64、重縮合触媒として二酸化ゲルマニ
ウム触媒を使用、粒径比1.1、平均粒径0.2μmの
二酸化チタン0.4重量%、平均粒径1.3μm、粒径
比1.07の真球状シリカを0.01重量%含有)を重
縮合法により作成し、共重合ポリエステル層(A)用ポ
リマーとした。同じく表1に示すポリエステル組成物
(平均粒径1.5μm、粒径比1.1の真球状シリカを
含有)がポリエステル層(B)となるように、それぞれ
別々に常法により乾燥、280℃で溶融したあと、互い
に隣接した二層ダイから共押出して、積層、融着させて
急冷固化し、未延伸積層フィルムを作成した。なお、
(B)層のポリエステル組成物のエステル交換率は、前
述の溶融温度を変更することにより設定した。
3.2倍に縦延伸した後、120℃で3.3倍に横延伸
し、180℃で熱固定して二軸配向積層フィルムを得
た。
り、共重合ポリエステル層(A)、ポリエステル組成物
層(B)の厚みは、それぞれ5μm、及び20μmであ
った。これらのフィルムの特性を表2に示す。
ンを用いた以外は実施例1と同様にして製膜した。この
フィルムの特性を表2に示す。
施例2において表3に示すように不活性粒子の種類、粒
径、含有量を変更する以外は実施例2と同じ方法で積層
フィルムを作成した。これらのフィルムの特性を表4に
示す。
発明のフィルムを使用した缶では、深絞り加工性、耐熱
脆化性、耐レトルト性、保味保香性に優れているととも
に、耐衝撃性、特に低温下での耐衝撃性に優れており、
しかも清涼飲料水などの風味を悪化させることなく良好
である。
ステルフィルムは、優れた成形加工性、耐熱性、耐レト
ルト性、保味保香性を有するとともに、耐衝撃性、特に
低温下での耐衝撃性に優れており、しかも清涼飲料水な
どの味を悪化させることがなく良好である。従って、冷
却して低温下で取り扱われることの多い清涼飲料水用な
どの金属缶に貼り合せて用いるのに、特に好適である。
ポリエステル(2)を溶融混練したポリエステル組成物
のNMRチャートの全体図である。
(1)と共重合ポリエステル(2)のエステル交換に起
因するピークA、ピークBおよびピークCの部分を拡大
したNMRチャートである。
Claims (2)
- 【請求項1】 融点210〜245℃、ガラス転移温度
60℃以上、かつ重縮合触媒としてゲルマニウム化合物
を用いて製造され、かつ不活性粒子Aを0.01〜3重
量%および不活性粒子Bを0.001〜0.2重量%含
有するイソフタル酸共重合ポリエステルから形成される
共重合ポリエステル層(A)と、共重合ポリエステル
(1)と共重合ポリエステル(2)からなり、かつ不活
性粒子Cを0.03〜0.5重量%含有するポリエステ
ル組成物から形成されるポリエステル組成物層(B)と
を積層してなる積層フィルムであって、該不活性粒子A
が平均粒径(dA)0.05μm以上0.6μm未満で
あり、該不活性粒子Bが平均粒径(dB)が0.3μm
以上2.5μm以下であり、不活性粒子Aの平均粒径と
不活性粒子Bの平均粒径の比(dB/dA)が2.5以上
であり、不活性粒子Cの平均粒径(dC)が0.8μm
以上2.5μm未満であり、そして該共重合ポリエステ
ル(1)が融点210〜245℃のエチレンテレフタレ
ートを主たる繰り返し単位とし、重縮合触媒としてゲル
マニウム化合物を用いた共重合ポリエステルであり、該
共重合ポリエステル(2)がアジピン酸を5〜50モル
%共重合した融点170〜220℃のブチレンテレフタ
レートを主たる繰り返し単位とする共重合ポリエステル
であり、しかも共重合ポリエステル(1)および共重合
ポリエステル(2)の配合比が、ポリエステル組成物に
対してそれぞれ45〜80重量%および20〜55重量
%であることを特徴とする金属板貼合せ成形加工用ポリ
エステルフィルム。 - 【請求項2】 ポリエステル組成物層(B)を形成する
ポリエステル組成物のエステル交換率が3.0%以上で
ある請求項1に記載の金属板貼合せ成形加工用ポリエス
テルフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19042398A JP2000015745A (ja) | 1998-07-06 | 1998-07-06 | 金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19042398A JP2000015745A (ja) | 1998-07-06 | 1998-07-06 | 金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000015745A true JP2000015745A (ja) | 2000-01-18 |
Family
ID=16257897
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19042398A Pending JP2000015745A (ja) | 1998-07-06 | 1998-07-06 | 金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000015745A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002178471A (ja) * | 2000-12-12 | 2002-06-26 | Unitika Ltd | 金属板ラミネート用ポリエステルフィルム、およびこれを用いてなる金属板、金属容器 |
-
1998
- 1998-07-06 JP JP19042398A patent/JP2000015745A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002178471A (ja) * | 2000-12-12 | 2002-06-26 | Unitika Ltd | 金属板ラミネート用ポリエステルフィルム、およびこれを用いてなる金属板、金属容器 |
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