JP2000015079A - 造粒方法および装置 - Google Patents

造粒方法および装置

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JP2000015079A
JP2000015079A JP10190334A JP19033498A JP2000015079A JP 2000015079 A JP2000015079 A JP 2000015079A JP 10190334 A JP10190334 A JP 10190334A JP 19033498 A JP19033498 A JP 19033498A JP 2000015079 A JP2000015079 A JP 2000015079A
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moisture
particles
powder
granulation
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Kuniaki Yamanaka
邦昭 山中
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Freund Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粒子の湿潤状態を的確に把握し、安定した粒
度分布を持つ製品を製造し得る造粒方法および装置を提
供する。 【解決手段】 容器1の底部に同心の回転板2を設け、
容器1の内壁と回転板2の縁部2aとで形成される間隙
4を通じて容器1内へ気体を送入しつつ回転板2を回転
させて、粒子を遠心流動させながら、粉末8と結合液1
0とを供給して造粒を行う。容器1の内部に粒子表面の
水分を測定する水分センサを配設し、水分センサによっ
て粒子の吸光度(X値)を測定する。このX値に基づき
プログラム調節器17を用いて結合液10の供給量を自
動的に変化させ、粒子表面を所定の湿潤状態にプログラ
ム制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は造粒技術、特に医薬
品、食品等に利用する球形粒子の製造や、この球形粒子
を核としてこの上にさらに粉末コーティングを行う方法
および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、球形やそれに近い形状の粒子
の製造や、このような粒子上にさらに薬品などの粉末を
付着させる粉末コーティングを行うため、遠心式転動造
粒コーティング装置(以下、適宜遠心転動装置と略す)
と呼ばれる装置が用いられている。この遠心式転動造粒
コーティング装置は、CF装置とも呼ばれ、処理容器底
部に水平円板を配設し、それを回転させつつその上面を
転動運動する核粒子にバインダ液やコーティング液をス
プレーして造粒、コーティング処理(以下、造粒処理等
と略す)を行っている。
【0003】ここで、遠心転動装置における造粒処理等
では、装置に供給される液体と粉体とのバランスが重要
であり、安定した粒度分布を持つ製品を得るためには粒
子の湿潤状態を的確に把握することが必要となる。この
場合、流動層造粒装置では、赤外線水分計による造粒処
理等の制御も行われており、そこでは、造粒物の水分を
実際に測定し、それがある水分値に達するまで加液(ス
プレー)を続ける。そして、水分値が所定値に達した時
点からその値を一定に保つような制御が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、遠心転
動装置は、流動層装置とはその造粒メカニズムを全く異
にしているため、従来の赤外線水分計による造粒制御が
適用できない。すなわち、遠心転動装置では、粉を添加
して核に載せるという形で造粒が行われ、そこでは、流
動層装置のような水分を一定に保つ制御ではなく、時間
毎に水分を変化させて行く形の制御が必要となる。従っ
て、所望の造粒物を得るためには水分をいかに設定通り
推移させるかが重要であり、従来の赤外線水分計による
造粒制御ではこれに対応できず、遠心転動装置では赤外
線水分計を用いた制御は実施されていなかった。
【0005】一方、遠心転動装置では、粒子の湿潤状態
が外気や室内空気等の影響を受け易く、粒子の湿潤状態
がバッチ間で変動し易い。このため、このような変動要
因にかかわらず常に一定の水分条件下で造粒処理等を行
うことができる技術が望まれていた。
【0006】本発明の目的は、遠心転動装置において、
粒子の湿潤状態を的確に把握し、安定した粒度分布を持
つ製品を製造し得る造粒方法および装置を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者は、前述
のような課題が存在するため従来遠心転動装置では用い
られていなかった赤外線水分計に関し、遠心転動装置で
もこれを活用すべくその問題点を検討した。その結果、
遠心転動装置の造粒物が流動層装置のものに比して大き
いため、造粒物内部まで浸透した水分を水分計では十分
に捉えることができないことが判明した。
【0008】一方、かかる考察を行う過程において、発
明者は、遠心転動装置では粒子表面の濡れ具合とこれに
伴う転動状態が、表面水分と密接な関係にあることを見
出した。そこで、粒子全体の水分量ではなくその表面水
分量に着目し、これと造粒物の吸光度(以下、X値と称
す)との間の相関関係を探るとそこには良好な相関関係
が存在し、そこからX値を直接に制御因子として用いる
ことに想到した。
【0009】そこで、本発明の造粒方法は、水平断面形
状が円形の容器の底部に容器断面の円と同心の円形の縁
部を有する回転板を設け、容器の内壁と回転板の縁部と
で形成される間隙を通じて容器内へ気体を送入しつつ回
転板を回転させて、粒子を遠心転動させながら、粉末と
結合液とを供給して造粒を行う方法であって、容器内部
に粒子表面の水分を測定する水分量検出手段を配設し、
水分量検出手段の検出値に基づき結合液と粉末の少なく
とも何れか一方、つまり、結合液のみ、または粉末の
み、または結合液と粉末の両方の供給量を自動的に変化
させ、粒子表面を所定の湿潤状態に制御することを特徴
としている。
【0010】またこの場合、水分量検出手段として赤外
線水分計を用い、この赤外線水分計によって測定した粒
子の吸光度に基づき粒子表面を所定の湿潤状態に制御す
るようにしても良い。
【0011】さらに、結合液の供給量をプログラム調節
器によって制御し、粒子表面の湿潤状態を予め設定した
プログラムに沿って制御するようにしても良い。
【0012】一方、本発明の造粒装置は、円形の水平断
面を有する容器と、この容器の底部に設けられ容器の断
面形状の円と同心の円形の縁部を有する回転板と、容器
内に粉末原料を供給する粉末供給手段と、容器内の粒子
層の上面に結合液を供給する結合液供給手段と、容器の
内壁と回転板の縁部との間で形成される間隙と、間隙を
通じて容器内に気体を送入する手段と、回転板を回転さ
せる手段とからなる造粒装置であって、容器内部に配設
され粒子表面の水分を測定する水分量検出手段と、水分
量検出手段の検出値に基づき結合液と粉末の少なくとも
何れか一方の供給量を自動的に変化させる手段(調節手
段)とを有することを特徴としている。そしてこれによ
り、粒子表面を所定の湿潤状態に制御することが可能と
なる。
【0013】この場合もまた、水分量検出手段として、
粒子の吸光度を測定する赤外線水分計を用いても良く、
さらに、前記調節手段として、結合液の供給量を調整す
るために、粒子表面の湿潤状態を予め設定したプログラ
ムに沿って制御するプログラム調節器を用いても良い。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の造粒方法
を実施するために用いられる造粒装置の一実施の形態を
示す説明図である。
【0015】当該実施の形態における造粒装置は、いわ
ゆる遠心流動型ないし遠心転動型造粒コーティング装置
(CF装置)と呼ばれている粉粒体処理装置であり、容
器1の底部に回転板2を設け、その回転により回転板2
上の粉粒体を造粒処理するようになっている。
【0016】当該造粒装置における造粒用の容器1は、
その水平断面形状が円形である円筒状の構造を有してお
り、その底部には円板状の回転板2が水平に設けられて
いる。回転板2の下面には回転軸3が取り付けられてお
り、回転板2はこの回転軸3を中心として回転可能に設
置されている。また、回転板2の円形の縁部2aは容器
1の水平断面の円と同心となっている。さらに、縁部2
aと容器1の内壁との間には、環状の間隙4が形成され
ている。
【0017】回転板2の下方にはエアチャンバ5が形成
されている。このエアチャンバ5には、図示しないブロ
アからプレフィルタ6および空気調節装置7を経てエア
が供給される。そして、このエアはスリットエアとして
前記間隙4から容器1の内部に送入される。なお、空気
調節装置7には、冷却器7aと温度調節器付きの加熱器
7bと加湿器7cが備えられている。
【0018】容器1の図中左方には、容器1の内部に造
粒用の粉末8を供給するための粉末供給装置(粉末供給
手段)9が設けられている。この粉末供給装置9には、
例えばスクリューフィーダ式の粉末送給機構が備えられ
ており、スクリューフィーダに送られた粉末8は粉末供
給口23から容器1内に供給されるようになっている。
また、容器1の底部近くには、造粒された製品を取り出
すための製品排出装置15が設けられている。さらに、
容器1の上部にはカバー16が取り付けられている。
【0019】容器1内には、造粒用の結合液10を供給
するためのスプレーノズル13がアーム21に保持され
た状態で設置されており、アーム21は容器1上方から
延びる駆動ロッド24に固定されている。このスプレー
ノズル13は、定量供給ポンプ12を経てタンク11と
連通しており、これらにより結合液供給手段が形成され
ている。そして、タンク11からの結合液10は、スプ
レーノズル13に供給される高圧エア14と共に、スプ
レーノズル13先端の結合液剤供給口から容器1内に噴
出される。なお、スプレーノズル13は、その先端に設
けられた結合液剤供給口と造粒処理中の粒子の層M(以
下、粒子層Mと称す)との距離が略一定となるように適
宜制御される。
【0020】さらに、容器1内に造粒処理中の粒子表面
の水分を測定するセンサユニット25が設けられてい
る。図2は、このセンサユニット25の取り付け部の構
成を示す説明図である。図2に示したように、センサユ
ニット25は、センサ取付用治具29に水分センサ(水
分量検出手段)28を取り付けた構成となっており、セ
ンサ取付用治具29によってアーム26に固定されてい
る。
【0021】この場合、センサ取付用治具29の上部に
は水分センサ28の先端部28aが収容されている。ま
た、その下部には粒子層内挿入部29aが設けられてお
り、この部分を粒子層Mに挿入して水分測定が行われ
る。すなわち、当該造粒装置では、粒子の水分測定は、
水分センサ28の先端部28aが直接粒子層Mに挿入さ
れない状態で実施される。
【0022】さらに、粒子層内挿入部29aの上部に
は、水分センサ28の先端近傍にパージエア導入口29
bが設けられている。このパージエア導入口29bは、
パージエア供給部29cと連通しており、図示しないエ
ア供給源からパージエアを粒子層内挿入部29a内に導
入できるようになっている。そして、このパージエアに
より、粒子層内挿入部29a内を清浄化することが可能
となる。
【0023】また、図1に示したように、センサユニッ
ト25はスプレーノズル13と共に、アーム26を介し
て駆動ロッド24に取り付けられている。すなわち、水
分センサ28の位置は、スプレーノズル13と連動させ
て変更することができるようになっている。なお、セン
サユニット25の取付位置は図1の例には限られず、例
えば粒子層M内に粒子層内挿入部29aを直接進入させ
ずに、これを粒子層Mの上方に粒子層Mと非接触状態で
配設するようにしても良い。また、容器1の側壁に取り
付け、その粒子層内挿入部29aを粒子層M内に進入す
る形で配設することも可能である。但し、粒子層Mの上
方に粒子層Mと接触状態で取り付けた方が比較的安定し
た値が得られ、また付着にも対応可能であり好適であ
る。
【0024】ここで当該造粒機にあっては、水分センサ
28には、例えば株式会社大川原製作所製の「モイスウ
ォッチ(商品名)」のような赤外線水分計が用いられて
いる。この赤外線水分計は、近赤外線域の水の吸収波長
光と対照波長光を交互に測定対象物に照射し、両波長光
のエネルギ比率から粒子に含まれる水分を測定するもの
である。そして、本発明による造粒方法および装置で
は、この水分センサ28により前述のX値が測定され、
その値に基づきプログラム調節器(調節手段)17によ
ってスプレーノズル13からの供給液量が制御される。
【0025】図3は、このような制御過程を示した説明
図である。図3に示したように、水分センサ28により
造粒機内部の粒子のX値が測定され、その値がプログラ
ム調節器17に送られる。プログラム調節器17では、
この実測X値と予め設定された設定X値とを比較し、実
測X値が設定X値となるような結合液10の液量を算出
する。そして、算出された量の結合液10をスプレーノ
ズル13から噴射すべく、定量供給ポンプ12を駆動す
るインバータ27に指令を発する。これにより、定量供
給ポンプ12がプログラム調節器17の指示に基づいて
作動し、スプレーノズル13から所定量の結合液10が
噴射される。このため造粒機内の粒子は設定X値近傍で
推移することとなり、粒子表面の水分量を予め定めたプ
ログラムに沿って制御することが可能となる。なお、プ
ログラム調節器17は、粉末供給装置9からの粉末8の
供給量も制御できるようになっている。
【0026】次に、図1の造粒装置の作用について説明
する。まず、造粒コーティング操作に当たって、容器1
内には核となる粒子が供給される。そして、回転軸3を
図示しない駆動源で回転させて回転板2を回転させる。
また、その一方で図示しないブロワからエアチャンバ5
および間隙4を介して容器1内にエアを供給する。そし
て、この状態で容器1内に粉末供給装置9から粉末8、
タンク11からスプレーノズル13を経て結合液10を
供給する。これにより、回転板2の上では、粒子が遠心
流動ないしは遠心転動され、粉末8と結合液10とによ
って造粒コーティング処理が行われる。
【0027】この造粒コーティング処理の際には、水分
センサ28により得たX値に基づきプログラム調節器1
7によって結合液10の供給量が制御される。すなわ
ち、粒子の湿潤状態を的確に把握した上でそれを最適な
状態とすべくスプレーノズル13からの噴射液量が制御
される。そしてこれにより、粒子層M内で転動する粒子
表面の水分量が予め定めたプログラムに従って推移する
こととなり、安定した粒度分布を持つ製品を得ることが
可能となる。
【0028】なお、スプレーノズル13は、造粒進行と
共に増大する粒子層Mに合わせて引き上げられ、結合液
剤供給口と粒子層Mの上面との距離が略一定となるよう
に調整される。このため、スプレーノズル13と連動し
て移動するセンサユニット25もまた、粒子層Mとの接
触を保った状態で引き上げられる。また、前述の実施の
形態では結合液の供給量を制御する制御形態を示した
が、これに代えて粉末供給装置9からの粉末供給量を制
御することも可能であり、さらに、結合液と粉末の両方
の供給量を制御することも可能である。
【0029】
【実施例】(実施例1)フロイント産業株式会社製の遠
心転動造粒コーティング装置「CF−300N型」を用
いて造粒実験を行った。この場合、回転板の径は300
mmで傾斜ロータを使用した。また、核粒子としてはグ
ラニュー糖 シュクレーヌ 40/50を1kg、被覆
粉末としては粉糖/コーンスターチ=6/4を2kg、
スプレー液としては12%還元麦芽糖水溶液を用いた。
なお、水分検出用のセンサユニットは図1のように、粒
子層の上方に接触するように取り付けた。
【0030】造粒は5バッチ行い、それぞれ1分毎にX
値を記録した。図4にX値の推移を表すグラフを示す。
転動状態は目視にて確認し、転動不良が生じそうな場合
はスプレーを1分間止めて転動状態を回復させた。造粒
物はフロイント産業株式会社製「フローコーター(商品
名)」FL−miniで乾燥させ、その後粒度分布を測
定した。
【0031】粒度分布の測定結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】図4に示したX値の推移により、テストN
o.1を「乾き気味」、No.3,5を「濡れ気味」、
No.2,4を「中間タイプ」と分類した。これらの粒
度分布は、「乾き気味」では微粒子が、「濡れ気味」で
は粗大品が多い。これに対して「中間タイプ」では粒度
分布がシャープであり、24〜32M(メッシュ)の割
合も最も高い。
【0034】この場合、「乾き気味」で微粒子が多いの
は、核粒子に乗らない粉末同士が凝集するためである。
また、「濡れ気味」では核粒子同士が凝集して粗大品を
形成していると考えられる。
【0035】このように、本実験によりX値の推移が転
動粒子の湿潤状態を表し、これが製品の粒度分布に影響
を及ぼすことが明らかとなった。すなわち、X値の推移
を制御することにより、所望の粒度分布を持つ製品が得
られることがこの実験結果から予想できる。本発明の造
粒方法では、粒子の湿潤状態を水分センサにより検出し
たX値に基づいて適当な範囲内で制御しており、その結
果、シャープな粒度分布を持つ造粒物を得ることが可能
となっている。
【0036】(実施例2)フロイント産業株式会社製の
遠心転動造粒コーティング装置「CF−300N型」に
よりプログラム調節器を用いた造粒実験を行った。この
場合、プログラム調節器としては、山武ハネウエル株式
会社製「デジトロニックデジタルプログラム調節計DC
P31(商品名)」を用いた。また、回転板の径は30
0mmで傾斜ロータを使用した。さらに、核粒子として
はグラニュー糖 シュクレーヌ 40/50を1kg、
被覆粉末としては粉糖/コーンスターチ=6/4を2k
g、スプレー液としては12%還元麦芽糖水溶液を用い
た。水分検出用のセンサユニットは図1のように、粒子
層の上方に接触するように取り付けた。
【0037】この場合、プログラム調節器によるプログ
ラムは表2のように設定した。表中のSPはX値の設定
値、TIMEは設定時間である。
【0038】
【表2】
【0039】表2に示したように、当該実験ではX値は
−0.75から制御を開始し、5分後に−0.20にな
るように制御される。以下、5分刻みで同様に制御し、
35分後にX値が1.00に達したところでそれ以降の
20分間はX値を1.00に保つようプログラムされて
いる。
【0040】表2中、組番号とは実行するPID制御パ
ラメータの番号であり、P,I,DはそれぞれPID制
御の比例帯、積分時間、微分時間を示す。また、oL,
oHは操作量の下限と上限であり、ここではインバータ
の回転数を入力しており、スプレー液量の下限値と上限
値を示している。表2に示したように、この場合には制
御開始後10分までは組番号1のPIDパラメータで制
御し、以降設定時間毎に組番号2,3,4で制御を行う
プログラムとなっている。
【0041】なお、液速度はX値が−0.75に達する
までは5ml/minであり、それ以後はプログラム制
御となっている。また、粉供給量は時間毎に固定されて
おり、0〜10分は43g/min、10〜20分は5
1g/min、20〜30分は60g/min、30分
〜終了までは66g/minとなっている。さらに、回
転板の回転数は250rpm、給気風量は260Nl/
minである。
【0042】このようなプログラム制御を行い、実験に
よる実測X値とSP値とを比較した。その比較結果を図
5に示す。図4に示したように、実測値とSP値とはほ
ぼ一致しており、遠心転動造粒コーティング装置におけ
る造粒処理等において、水分センサとプログラム調節器
を用い、X値をプログラムにより自動制御できることが
確認された。
【0043】(実施例3)実施例2とプログラムのみ変
えて同一装置、処方、条件で実験を行った。プログラム
は、湿潤状態が乾燥気味〜濡れ気味までの5水準とし
た。評価は粒度分布の測定により行い、24〜32Mの
割合を良品率とした。
【0044】表3にプログラムのSP値とそれに対する
実測X値を、図6に実測X値をグラフ化したものを示
す。なお、データはプログラム開始時(X値が−0.7
5に達した時点)を0分として示した。
【0045】
【表3】
【0046】表4に評価結果(良品率)を示す。湿潤状
態が乾燥気味で良品率が低く、濡らし気味になるほど良
品率が向上している。しかしながら、濡らし過ぎると転
動不良が起こり付着が生じたり、造粒を中止せざるを得
ない状態に陥る場合もある。すなわち、造粒条件として
は、転動不良が生ぜず良好な転動状態となる湿潤状態を
保つことが好ましい。
【0047】
【表4】
【0048】(実施例4)造粒条件を異ならせ、実施例
2と同一の実験装置、処方にて実験を行った。造粒条件
を表5に示す。
【0049】
【表5】
【0050】テストNo.6〜9のX値の推移を図7
に、良品率を表6に示す。
【0051】
【表6】
【0052】図7および表6から分かるように、基準と
なるNo.6に対して、プログラムを使用したNo.8
はNo.6とほぼ同等のX値と良品率を保っている。一
方、給気温度を30℃に上げた場合、No.6と同様に
液速度を固定したNo.7では造粒が終始乾燥状態で行
われ、良品率も極端に低下している。これに対しプログ
ラムを用いたNo.9では、No.6,8とほぼ同等の
X値の推移と良品率を保っている。
【0053】以上の結果より、本発明によるプログラム
調節器を用いた自動制御では、多少の給気条件の変動に
は左右されず、常に安定した湿潤状態(転動状態)で造
粒が行われ、安定した製品(粒度分布)を得ることがで
きる。また、給気条件のみならず、室内温湿度やフィー
ダ精度、粉粒体物性のバラツキ等のその他の変動要因に
関しても同様に作用し、これらの変動にかかわらず安定
した製品を得ることが可能となる。
【0054】以上、本発明者によってなされた発明を実
施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実
施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱し
ない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0055】たとえば、前述の実施の形態では赤外線水
分計を用いてX値を検出し造粒処理等の制御を行ってい
るが、粒子表面の水分を測定する水分センサは赤外線水
分計には限られず、水分量を数値として把握できるもの
であればその種類は問われない。また、前記プログラム
例や種々の実験条件はあくまでも一例であり、プログラ
ム制御器の制御形態や造粒条件、処方等は前記のものに
は限定されない。
【0056】
【発明の効果】本発明の造粒方法および装置は、粒子表
面の水分を測定し、この値に基づき結合液の供給量を自
動的に変化させて粒子表面を所定の湿潤状態に制御する
ようにしたことにより、粒子の転動状態を良好な状態に
制御できる。
【0057】また、赤外線水分計を用いて粒子の吸光度
(X値)を測定するようにしたことにより、粒子表面の
水分を的確に把握することが可能となり、粉粒体の処理
条件をより精密に制御することが可能となる。
【0058】さらに、プログラム調節器によって結合液
の供給量を自動的に変化させて粒子表面を所定の湿潤状
態にプログラム制御するようにしたことにより、粒子表
面の水分量を予め定めたプログラムに沿って制御するこ
とが可能となる。従って、給気温度や室内温湿度、フィ
ーダ精度、粉粒体物性のバラツキ等の変動に左右されず
に、常に安定した湿潤状態で造粒が行われ、安定した品
質の製品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の造粒方法を実施するために用いられる
造粒装置の一実施の形態を示す説明図である。
【図2】図1の造粒装置に用いられるセンサユニットの
取り付け部の構成を示す説明図である。
【図3】プログラム調節器による供給液量制御の過程を
示した説明図である。
【図4】実施例2におけるX値の推移を示したグラフで
ある。
【図5】実施例3においてプログラムによりX値を制御
した場合の実測X値と設定値とを比較したグラフであ
る。
【図6】実施例4におけるX値の推移を示したグラフで
ある。
【図7】実施例5におけるX値の推移を示したグラフで
ある。
【符号の説明】
1 容器 2 回転板 2a 縁部 3 回転軸 4 間隙 5 エアチャンバ 6 プレフィルタ 7 空気調節装置 7a 冷却器 7b 加熱器 7c 加湿器 8 粉末 9 粉末供給装置(粉末供給手段) 10 結合液 11 タンク 12 定量供給ポンプ 13 スプレーノズル 14 高圧エア 15 製品排出装置 16 カバー 17 プログラム調節器(液量調節手段) 23 粉末供給口 24 駆動ロッド 25 センサユニット 26 アーム 27 インバータ 28 水分センサ(水分量検出手段) 28a 先端部 29 センサ取付用治具 29a 粒子層内挿入部 29b パージエア導入口 29c パージエア供給部 M 粒子層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平断面形状が円形の容器の底部に前記
    容器断面の円と同心の円形の縁部を有する回転板を設
    け、前記容器の内壁と前記回転板の前記縁部とで形成さ
    れる間隙を通じて前記容器内へ気体を送入しつつ前記回
    転板を回転させて、粒子を遠心転動させながら、粉末と
    結合液とを供給して造粒を行う方法であって、 前記容器内部に前記粒子表面の水分を測定する水分量検
    出手段を配設し、前記水分量検出手段の検出値に基づき
    前記結合液と前記粉末の少なくとも何れか一方の供給量
    を自動的に変化させ、前記粒子表面を所定の湿潤状態に
    制御することを特徴とする造粒方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の造粒方法であって、前記
    水分量検出手段が赤外線水分計であり、前記赤外線水分
    計によって測定した前記粒子の吸光度に基づき前記粒子
    表面を所定の湿潤状態に制御することを特徴とする造粒
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の造粒方法であっ
    て、前記結合液の供給量をプログラム調節器によって制
    御し、前記粒子表面の湿潤状態を予め設定したプログラ
    ムに沿って制御することを特徴とする造粒方法。
  4. 【請求項4】 円形の水平断面を有する容器と、この容
    器の底部に設けられ前記容器の断面形状の円と同心の円
    形の縁部を有する回転板と、前記容器内に粉末原料を供
    給する粉末供給手段と、前記容器内の粒子層の上面に結
    合液を供給する結合液供給手段と、前記容器の内壁と前
    記回転板の前記縁部との間で形成される間隙と、前記間
    隙を通じて前記容器内に気体を送入する手段と、前記回
    転板を回転させる手段とからなる造粒装置であって、 前記容器内部に配設され前記粒子表面の水分を測定する
    水分量検出手段と、 前記水分量検出手段の検出値に基づき前記結合液と前記
    粉末の少なくとも何れか一方の供給量を自動的に変化さ
    せる手段とを有することを特徴とする造粒装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の造粒装置であって、前記
    水分量検出手段が、前記粒子の吸光度を測定する赤外線
    水分計であることを特徴とする造粒装置。
  6. 【請求項6】 請求項4または5記載の造粒装置であっ
    て、前記結合液と前記粉末の少なくとも何れか一方の供
    給量を自動的に変化させる手段が、前記結合液の供給量
    を調整することにより、前記粒子表面の湿潤状態を予め
    設定したプログラムに沿って制御するプログラム調節器
    であることを特徴とする造粒装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008516206A (ja) * 2004-10-09 2008-05-15 サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング ドライヤおよびドライヤを制御する方法
JP2011072882A (ja) * 2009-09-29 2011-04-14 Kitagawa Iron Works Co Ltd 再生造粒物の製造装置
RU2516664C1 (ru) * 2012-11-07 2014-05-20 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего профессионального образования "Юго-Западный государственный университет" ЮЗГУ Устройство для гранулирования удобрений

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