JP2000014109A - リラクタンスモータの回転子の製造方法 - Google Patents
リラクタンスモータの回転子の製造方法Info
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Abstract
を容易とし、製造コストの低減を図り、しかもモータ性
能のバラツキを抑える。 【解決手段】 リラクタンスモータのアキシャルラミネ
ート形回転子の製造方法において、磁性鋼板を渦巻状に
巻いて所定内径d、外径Dの円筒状の磁性鋼板部10を
作成し、この磁性鋼板部10を同一平面上に所定に並べ
るとともに、各磁性鋼板部10の中心が正方形の頂点に
くるように、かつ隣接する磁性鋼板部を密着させて配置
する。しかる後、これら磁性鋼板部を覆うようしてボス
部13となる部分を正四角柱形状の金型内でインサート
鋳造し、この鋳造した本体11に当該回転子12の中心
孔を形成し、かつこの中心孔6を基準として回転子12
の形状に外形を加工、切削する。
Description
車等に用いる電動機のリラクタンスモータに係り、特に
詳しくは回転子の製造に特徴を有するリラクタンスモー
タの回転子の製造方法に関するものである。
および図8に示す構成のものがある。図7および図8に
おいて、回転磁界を発生する固定子1内には、リラクタ
ンストルクを発生するために断面バスタブ曲線状の磁性
鋼板を複数枚重ねて磁性鋼板部2を当該極数分だけ多角
形柱のボス部3にネジ4で固定してなる回転子5が配置
される。この磁性鋼板2はバスタブ形状の底部を中心孔
(シャフト用)6に向けて形成されており、固定子1の
回転磁界による磁気を回転子5内で変え、つまりリラク
タンスを不均一化とし、突極部を形成する。
d,Xqの比(Xd/Xq;突極比)に応じてリラクタ
ンストルクが発生し、いわゆる回転子5に回転力が発生
する。この場合、固定子1によって発生する回転磁界に
よる一方(q軸)の磁気の通路に磁性鋼板部2がほぼ直
角に介在し、他方(d軸)の磁気の通路に磁性鋼板部2
が沿って介在する。このd軸の磁気が磁性鋼板部2を通
って突極部を形成し、リラクタンスの比(Xd/Xq)
が大きくなる。
ラクタンスの比(突極比)が大きく、つまり発生トルク
が大きい方がよい。そのために、種々構成の回転子が提
案されているが、図6に示すアキシャルラミネート形が
突極比を大きくとれる。したがって、現状においては、
アキシャルラミネート形の回転子が極めて現実的である
ということができる。
5に4層構造の磁性鋼板部2を形成した場合について説
明しているが、2層以上の多層構造の場合であっても同
様である。
ラクタンスモータにおいては、磁性鋼板を折り曲げて重
ね、この重ねた磁性鋼板部2を多角形柱のボス部3にネ
ジ4で止めているが、ボス部3の加工に手間がかかるた
め、コスト高になるばかりでなく、特に、突極部を形成
するための磁性鋼板部2の外径寸法にバラツキが大きく
なることから、モータの性能にバラツキが生じるため、
品質の低下を招くことになる。
であり、その目的は、回転子の製造を容易なものとして
製造コストの低減を図ることができるとともに、モータ
の性能のバラツキを抑えて高効率のモータを得ることが
できるようにしたリラクタンスモータの回転子製造方法
を提供することにある。
に、この発明は、回転磁界を発生する固定子内に回転子
を有するリラクタンスモータのアキシャルラミネート形
回転子の製造方法において、磁性鋼板を渦巻状に巻いて
所定内外径の円筒状の磁性鋼板部を作成し、該磁性鋼板
部を複数個同一平面上に所定に並べるとともに、これら
磁性鋼板部を覆うようしてボス部となる部分を非磁性体
の軽金属で一体化し、該一体化した本体の所定箇所に前
記回転子の中心孔を形成し、かつ該中心孔を基準として
前記回転子の形状に外形を加工、切削するようにしたこ
とを特徴としている。
径の円筒を作成し、磁性鋼板を前記円筒に巻いて円筒を
重ねるとともに、これを繰り返して所定内外径の円筒形
にしてもよい。
り、前記磁性鋼板部を同一平面上に並べる際、前記磁性
鋼板部の中心が正方形の頂点にくるように、かつ隣接す
る磁性鋼板部を密着させて配置するとよい。
dは(1−1/(2の平方根))×Dより大きく、Dよ
り小さい値にするとよい。
は無方向性電磁鋼板、もしくはそれらの絶縁皮膜のない
もの、ならびに冷間圧延鋼板を材料にするとよい。
はアルミニウム、亜鉛、マグネシウムあるいはそれらの
合金であり、前記磁性鋼板部とボス部をダイカスト、鋳
造によって一体化するとよい。
回転子を得る際、ワイヤ放電加工、あるいはレーザ加工
を行った後、旋盤による切削、研削盤による研削の後加
工を行うとよい。
1ないし図6を参照して詳しく説明する。なお、図中、
図7と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略す
る。
造方法は、突極部を形成する磁路が円弧状に近いことか
ら、例えば、鋼板を渦巻状に巻いて円筒状の磁性鋼板部
を形成し、この磁性鋼板部を平面上に並べて全体を非磁
性体の軽金属で所定形状に鋳造してボス部となる部分を
加えた後、回転子の形状に加工、切削すれば、突極部を
形成する磁性鋼板部の外径寸法にバラツキが生じること
もなく、また、磁性鋼板部を固定するボス部の加工の必
要もなくなることに着目したものである。
このリラクタンスモータの回転子製造方法にあっては、
電磁鋼板または鋼板を円柱(径d)に渦巻状に巻き付け
て外径Dの円筒状の磁性鋼板部10を当該極数分作成
し、これを同一平面上に正方形状に並べ、これらを全て
覆うようにボス部となる本体11を非磁性体の軽金属で
ダイカスト法によりインサート鋳造する。
をDとすると、(1−1/(2平方根))×D<d<D
を満足するように決定する。すなわち、後述する回転子
の径D0は、Dより小さくする必要があり、q軸近傍に
フラックスバリアを形成する必要があるからである。
性鋼板部10を正方形に並べ、かつ隣接する磁性鋼板部
10を密着させた状態として正四角柱形状の金型内でイ
ンサート鋳造する。
としては、鋼板を内径dの円筒形とし、同じ鋼板をその
内径dの円筒に重ねるとともに、これを外径Dの円筒形
になるまで繰り返して得てもよい。
に切削して回転子12を得る。この場合、4つの磁性鋼
板部10の中心に回転子12のシャフト用の中心孔6を
形成した後、この中心孔6を基準として回転子12の外
径D0(<D)となるようにワイヤ放電加工機で加工、
切削する。なお、他の加工方法としては、例えばレーザ
加工方法を用いてもよい。
旋盤による切削、研削盤による研削の後加工を行う。す
ると、図4および図5に示すように、回転子12は、積
層した円弧状磁性鋼板部10aが当該極数(4極)分だ
け円周方向に等間隔に配置した形、つまりアキシャルラ
ミネート形となる。しかも、q軸近傍には非磁性体の軽
金属が残り、d軸近傍には円弧状磁性鋼板部10aの断
面が現れ、また全体がボス部13となる。
子1に適応すると、各円弧状磁性鋼板部10aの両端部
(d軸近傍)が突極部aとなり、q軸近傍はフラックス
バリアbとなる。したがって、突極比(Xd/Xq)が
大きく、発生トルクが大きいリラクタンストルクを得る
ことができる。
ットの固定子1に三相(U相、V相およびW相)の電機
子巻線を有し、例えば外径側の巻線をU相、内径側の巻
線をW相、その中間の巻線をV相としているが、スロッ
ト数や電機子巻線数が異なっていてもよい。
鋼板をコイル状に巻き、これをボス部となる非磁性金属
で鋳造し、ワイヤ放電加工機等で回転子の形状に外形を
加工、切削して仕上げるようにしたので、ボス部13の
加工コストを安価にすることができるとともに、磁極を
形成する円弧状磁性鋼板部10aの外形寸法のバラツキ
を抑えることができ、しかも、円弧状磁性鋼板部10a
の外形寸法の高精度化が図れることから、リラクタンス
モータの品質向上を図ることができる。
場合に最も効率よく、(2+m)×(2+n)個の磁性
鋼板部10から回転子12を(1+m)×(1+n)個
得ることができる。なお、n,mは正の整数であり、
n,mを大きくすれば、回転子12の製造効率を上げる
ことができる。
磁鋼板または無方向性電磁鋼板もしくはそれらの絶縁皮
膜のないもの、ならびに冷間圧延鋼板を用いることがで
きる。例えば、リラクタンスモータのトルク特性に重点
を置くならば方向性電磁鋼板を用い、またリラクタンス
モータのコストに重点を置くならば冷間圧延鋼板を用い
る。したがって、リラクタンスモータの使用目的に合わ
せて回転子12を製造することができる。
るボス部13の材料(非磁性体)としては、アルミウ
ム、亜鉛およびマグネシウム等の軽金属、またはそれら
の合金を使用する。
を組み込んでDCブラシレスモータとし、例えば空気調
和機の圧縮機モータ等として利用すれば、コストをアッ
プすることなく、空気調和機の性能アップ(運転効率の
上昇、振動や騒音の低下)を図ることができる。
タの回転子製造方法の請求項1記載の発明によると、回
転磁界を発生する固定子内に回転子を有するリラクタン
スモータのアキシャルラミネート形回転子の製造方法に
おいて、磁性鋼板を渦巻状に巻いて所定内外径の円筒状
の磁性鋼板部を作成し、この磁性鋼板部を複数個同一平
面上に所定に並べるとともに、これら磁性鋼板部を覆う
ようしてボス部となる部分を非磁性体の軽金属で一体化
し、該一体化した本体の所定箇所に前記回転子の中心孔
を形成し、かつ該中心孔を基準として前記回転子の形状
に外形を加工、切削するようにしたので、分割磁路とな
る磁性鋼板の製造が容易になるとともに、製造コストの
低減を図ることができる。また、突極部を形成する磁性
鋼板部の外形寸法にバラツキがなくなることから、外形
寸法の精度が高くなり、モータ性能のバラツキの小さい
高効率のモータを得ることができるという効果がある。
おける磁性鋼板部は磁性鋼板を用いて所定内径の円筒を
作成し、磁性鋼板を前記円筒に巻いて円筒を重ねるとと
もに、これを繰り返して所定内外径の円筒形にしてなる
ので、請求項1の効果に加え、突極部を形成する分割磁
路の精度を上げることができ、より高効率のモータを得
ることができる。
たは2におけるリラクタンスモータは四極モータであ
り、前記磁性鋼板部を同一平面上に並べる際、前記磁性
鋼板部の中心が正方形の頂点にくるように、かつ隣接す
る磁性鋼板部を密着させて配置するようにしたので、請
求項1または2記載の効果に加え、回転子の製造し易さ
が向上し、しかも正確に確実に高効率のモータを得るこ
とができる。
おいて前記磁性鋼板部の外径Dに対して内径dは(1−
1/(2の平方根))×Dより大きく、Dより小さい値
であるので、請求項3の効果に加え、回転子の径D0を
Dより小さくすると、q軸近傍にフラックスバリアを形
成することができ、つまり突極比が大きくなり、高効率
のモータを得ることができるという効果がある。
2,3または4における磁性鋼板部は、方向性電磁鋼
板、あるいは無方向性電磁鋼板、もしくはそれらの絶縁
皮膜のないもの、ならびに冷間圧延鋼板を材料としてい
るので、請求項1,2,3または4の効果に加え、例え
ば、方向性電磁鋼板を用いると、リラクタンスモータの
トルク特性を上げることができ、また、冷間圧延鋼板を
用いると、リラクタンスモータのコストを安価に済ませ
ることができる。したがって、リラクタンスモータの使
用目的に合わせて回転子12を製造することができると
いう効果がある。
たは2において前記ボス部となる非磁性体の軽金属とし
ては、アルミニウム、亜鉛、マグネシウムあるいはそれ
らの合金であり、前記磁性鋼板部とボス部をダイカス
ト、鋳造によって一体化するようにしたので、請求項1
または2の効果に加え、入手の容易な非磁性体で実現が
可能になるばかりか、従来のインサート鋳造および加工
で容易に回転子を製造することができるため、製造コス
トの低減を図ることができる。
した本体を加工、切削して前記回転子を得る際、ワイヤ
放電加工、あるいはレーザ加工を行った後、旋盤による
切削、研削盤による研削の後加工を行うようにしたの
で、請求項1または2の効果に加え、回転子の外形を高
精度に仕上げることができ、ひいてはモータの高性能化
を図ることができる。
ータの回転子製造方法を説明するための本体の概略的平
面図。
略的模式図。
法による回転子を説明するための概略的平面図。
ンスモータを説明するための概略的平面図。
図。
するための概略的側面図。
Claims (7)
- 【請求項1】 回転磁界を発生する固定子内に回転子を
有するリラクタンスモータのアキシャルラミネート形回
転子の製造方法において、磁性鋼板を渦巻状に巻いて所
定内外径の円筒状の磁性鋼板部を作成し、該磁性鋼板部
を複数個同一平面上に所定に並べるとともに、これら磁
性鋼板部を覆うようしてボス部となる部分を非磁性体の
軽金属で一体化し、該一体化した本体の所定箇所に前記
回転子の中心孔を形成し、かつ該中心孔を基準として前
記回転子の形状に外形を加工、切削するようにしたこと
を特徴とするリラクタンスモータの回転子の製造方法。 - 【請求項2】 前記磁性鋼板部は磁性鋼板を用いて所定
内径の円筒を作成し、磁性鋼板を前記円筒に巻いて円筒
を重ねるとともに、これを繰り返して所定内外径の円筒
形にしてなる請求項1記載のリラクタンスモータの回転
子の製造方法。 - 【請求項3】 前記リラクタンスモータは四極モータで
あり、前記磁性鋼板部を同一平面上に並べる際、前記磁
性鋼板部の中心が正方形の頂点にくるように、かつ隣接
する磁性鋼板部を密着させて配置するようにした請求項
1または2記載のリラクタンスモータの回転子の製造方
法。 - 【請求項4】 前記磁性鋼板部の外径Dに対してその内
径dは(1−1/(2の平方根))×Dより大きく、D
より小さい値である請求項3記載のリラクタンスモータ
の回転子の製造方法。 - 【請求項5】 前記磁性鋼板部は方向性電磁鋼板、ある
いは無方向性電磁鋼板、もしくはそれらの絶縁皮膜のな
いもの、ならびに冷間圧延鋼板を材料としている請求項
1,2,3または4記載のリラクタンスモータの回転子
の製造方法。 - 【請求項6】 前記ボス部となる非磁性体の軽金属とし
てはアルミニウム、亜鉛、マグネシウムあるいはそれら
の合金であり、前記磁性鋼板部とボス部をダイカスト、
鋳造によって一体化するようにした請求項1または2記
載のリラクタンスモータの回転子の製造方法。 - 【請求項7】 前記一体化した本体を加工、切削して前
記回転子を得る際、ワイヤ放電加工、あるいはレーザ加
工を行った後、旋盤による切削、研削盤による研削の後
加工を行うようにした請求項1または2記載のリラクタ
ンスモータの回転子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17082098A JP3849737B2 (ja) | 1998-06-18 | 1998-06-18 | リラクタンスモータの回転子の製造方法 |
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JP3849737B2 JP3849737B2 (ja) | 2006-11-22 |
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JP17082098A Expired - Fee Related JP3849737B2 (ja) | 1998-06-18 | 1998-06-18 | リラクタンスモータの回転子の製造方法 |
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JP (1) | JP3849737B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102545500A (zh) * | 2010-12-28 | 2012-07-04 | 株式会社安川电机 | 磁阻电动机 |
FR3002704A1 (fr) * | 2013-02-25 | 2014-08-29 | Renault Sa | Rotor de machine electrique rotative, machine electrique rotative comprenant un tel rotor et procede de fabrication d'un tel rotor |
-
1998
- 1998-06-18 JP JP17082098A patent/JP3849737B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102545500A (zh) * | 2010-12-28 | 2012-07-04 | 株式会社安川电机 | 磁阻电动机 |
JP2012143073A (ja) * | 2010-12-28 | 2012-07-26 | Yaskawa Electric Corp | リラクタンスモータ |
FR3002704A1 (fr) * | 2013-02-25 | 2014-08-29 | Renault Sa | Rotor de machine electrique rotative, machine electrique rotative comprenant un tel rotor et procede de fabrication d'un tel rotor |
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