JP2000013167A - フィルタ - Google Patents

フィルタ

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JP2000013167A
JP2000013167A JP10171051A JP17105198A JP2000013167A JP 2000013167 A JP2000013167 A JP 2000013167A JP 10171051 A JP10171051 A JP 10171051A JP 17105198 A JP17105198 A JP 17105198A JP 2000013167 A JP2000013167 A JP 2000013167A
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JP
Japan
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base
filter
inductance
inductance element
terminal
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Pending
Application number
JP10171051A
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English (en)
Inventor
Kuniaki Kiyosue
邦昭 清末
Sumio Tate
純生 楯
Kenzo Isozaki
賢蔵 磯崎
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Structures For Mounting Electric Components On Printed Circuit Boards (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、小型で、高周波に対応し、他の電
子部品の影響が少なく、損失が小さなフィルタを提供す
ることを目的としている。。 【解決手段】 基板1の上に、コンデンサ2,3とイン
ダクタンス素子4,5,6を実装し、各コンデンサと各
インダクタンス素子は導電パターン7,8,9,10,
11にて接合されている。そして少なくとも各インダク
タンス素子は、素子の両端に直接形成された端子部に
て、直接他の部品や配線と接合するチップ状部品とし
た。基板201上に、インダクタンス素子型共振器20
2,203及び受動素子204,205,206を実装
することによって、フィルタを構成し、そして少なくと
も各インダクタンス素子型共振器202,203は、素
子の両端に直接形成された端子部にて、直接他の部品や
配線と接合するチップ状部品とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動体通信などの
電子機器に用いられ、特に高周波信号に対応したフィル
タに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ギガ帯域の周波数を用いてデータ
信号や音声信号の送信や受信の少なくとも一方を行う電
子機器やその電子機器を用いたシステムが多数提案され
ている。
【0003】その様な機器に用いられる信号のフィルタ
として、同軸共振器を用いたフィルタ,リード付LCフ
ィルタ,積層LCフィルタ及びストリップ電極を誘電体
中に埋設した平面フィルタなどが使用されている。
【0004】上記同軸共振器としては、筒型の誘電体基
体の内周面及び外周面それぞれに内部導体及び外部導体
を設けるとともに、誘電体基体の短絡端面にその内部導
体と外部導体を短絡する短絡導体を設けた構成となって
おり、内部導体に中心導体を挿入する等して外部回路と
の電気的接合を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、同軸共
振器を用いたフィルタ,リード付LCフィルタ及び積層
フィルタなどは、2GHz以上の高周波信号のフィルタ
として用いた場合に、減衰帯域における減衰量が小さく
なり、不具合が生じる。また、平面フィルタは高周波域
における特性は良いものの、他の部品からの電磁波など
による影響を受けやすいので、平面フィルタと他の部品
のは所定の距離を離して基板上に設けなければならない
ので、回路基板が大きくなり、電子機器等の小型化を行
うのは困難であった。
【0006】又、同軸共振器を用いた各種フィルタで
は、高周波信号に対応するように構成すると、同軸共振
器長が短くなり、高周波側の減衰領域のスプリアス特性
が悪くなるという問題点があった。
【0007】本発明は、上記従来の課題を解決するもの
で、小型でかつ、搭載される電子機器の小型化を行うこ
とが可能なフィルタを得ることを目的とするものであ
る。
【0008】また、高周波信号(2GHz以上)に対す
る減衰特性などの緒特性を向上させることができるフィ
ルタを得ることを目的とするものである。
【0009】更に、他の電子部品から放出される電磁波
等によって、特性の変化がないフィルタを得ることを目
的とするものである。
【0010】加えて、信号の劣化が非常に小さなフィル
タを得ることを目的としている。また、高周波信号(2
GHz以上)に対する高周波側の減衰領域のスプリアス
特性を向上させることができるフィルタを得ることを目
的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、インダクタン
ス素子とコンデンサを接続して得られるフィルタであっ
て、少なくともインダクタンス素子として基台の両端部
の上に直接端子部を備え前記端子部が他の部品かもしく
は他の配線に直接接続可能なチップ型部品とした。
【0012】他の本発明は、容量とインダクタンスを並
列に接続した回路構成となる共振器と、前記共振器に電
気的に接続される受動素子とを有するフィルタであっ
て、共振器としてインダクタンス素子型共振器を用いる
とともに、前記インダクタンス素子型共振器は基台の両
端部の上に直接端子部を備え、前記端子部が受動素子か
回路配線に直接接続可能なチップ型部品とした。
【0013】
【発明の実施の形態】請求項1記載の発明は、インダク
タンス素子とコンデンサを接続して得られるフィルタで
あって、少なくともインダクタンス素子として基台の両
端部の上に直接端子部を備え前記端子部が他の部品かも
しくは他の配線に直接接続可能なチップ型部品とした事
によって、フィルタ及びそのフィルタを搭載する電子機
器の小型化を行うことが出来る。更には、高周波信号に
対する減衰特性などの諸特性を向上させることができ、
他の部品からの影響による特性変動が無く、しかも損失
が低く抑えることができる。
【0014】請求項2記載の発明は、請求項1におい
て、インダクタンス素子とコンデンサの双方をチップ型
部品とした事によって、更に小型化が可能になる。
【0015】請求項3記載の発明は、請求項2におい
て、配線パターンを備えた基板上にインダクタンス素子
とコンデンサの双方を実装し、前記配線パターンよっ
て、前記インダクタンス素子及びコンデンサを電気的に
接続した事によって、フィルタをモジュール化すること
ができ、生産性や取付性を向上させることが出来る。
【0016】請求項4記載の発明は、請求項3におい
て、複数のコンデンサを直列に接続し、前記複数のコン
デンサ間にインダクタンス素子の一方の端子部を接続
し、他方の端子部を基板上に設けられた接地用の導電パ
ターンに接続した事によって、ローパスフィルタを構成
することができる。
【0017】請求項5記載の発明は、請求項3におい
て、複数のインダクタンス素子を直列に接続し、前記複
数のインダクタンス素子の間にコンデンサの一方の端子
部を接続し、他方の端子部を基板上に設けられた接地用
の導電パターンに接続した事によって、ハイパスフィル
タを構成することができる。
【0018】請求項6記載の発明は、請求項3〜5にお
いて、基板上にカバーを設けた事によって、素子の保護
を行うことができるともに、カバーをシールド材料で構
成することによって、電磁シールド効果を更に向上させ
ることができる。
【0019】請求項7記載の発明は、請求項6におい
て、カバーに表示部を設けた事によって、カバーを設け
ても中の素子の仕様等を確認できるし、どのような規格
に合格しているか等を直ぐ知ることができる。
【0020】請求項8記載の発明は、請求項1におい
て、複数のコンデンサを前記複数のコンデンサの端子部
同士を直接当接させて直列に接続するとともに、前記複
数のコンデンサの端子部同士を接合した部分とインダク
タンス素子の一方の端子部を接合した事によって、基板
等の部品を削減でき、非常に小型で特性の良いローパス
フィルタを作製することができる。
【0021】請求項9記載の発明は、請求項1におい
て、複数のインダクタンス素子を前記複数のインダクタ
ンス素子の端子部同士を直接当接させて直列に接続する
とともに、前記複数のインダクタンス素子の端子部同士
を接合した部分とコンデンサ素子の一方の端子部を接合
した事によって、基板等の部品を削減でき、非常に小型
で特性の良いハイパスフィルタを作製することができ
る。
【0022】請求項10記載の発明は、請求項8,9に
おいて、インダクタンス素子とコンデンサ素子の接合体
を一部の端子部を露出させるようにモールドするか、ケ
ース内に収納した事によって、耐候性や機械的強度を著
しく向上させることができる。
【0023】請求項11に記載の発明は、容量とインダ
クタンスを並列に接続した回路構成となる共振器と、前
記共振器に電気的に接続される受動素子とを有するフィ
ルタであって、共振器としてインダクタンス素子型共振
器を用いるとともに、前記インダクタンス素子型共振器
は基台の両端部の上に直接端子部を備え、前記端子部が
受動素子か回路配線に直接接続可能なチップ型部品とし
たによって、非常に小型で、しかも自己共振周波数を高
くすることができ、高周波領域のスプリアス特性を改善
することができ、しかも信号の劣化を非常に小さくする
ことができる。
【0024】請求項12に記載の発明は、請求項11に
おいて、配線パターンを備えた基板上にインダクタンス
素子型共振器と受動素子の双方を実装し、前記配線パタ
ーンよって、前記インダクタンス素子型共振器及び受動
素子を電気的に接続した事によって、フィルタをモジュ
ール化することができ、生産性や取付性を向上させるこ
とが出来る。
【0025】請求項13に記載の発明は、請求項12に
おいて、受動素子としてコンデンサ素子かインダクタン
ス素子の少なくとも一方を使用し、前記受動素子を直列
に複数接続するとともに、前記受動素子間にインダクタ
ンス素子型共振器の一方の端子部を接続するとともに、
前記インダクタンス素子の他の端子部を接地された導電
パターンに接続する事によって、受動素子を全てコンデ
ンサ素子かインダクタンス素子にすることで、バンドパ
スフィルタを構成することができる。
【0026】請求項14に記載の発明は、請求項12に
おいて、受動素子として第1のコンデンサ素子かインダ
クタンス素子の少なくとも一方を使用し、前記受動素子
を直列に複数接続し、更に第2のコンデンサ素子とイン
ダクタンス素子型共振器を直列に接続し、前記受動素子
間に前記第2のコンデンサ素子の一方の端子部を接続す
るとともに、前記インダクタンス素子型共振器の一方の
端子部を接地された導電パターンに接続する事によっ
て、受動素子を全てコンデンサ素子かインダクタンス素
子にすることで、バンドエリミネーションフィルタを構
成することができる。
【0027】請求項15に記載の発明は、請求項11〜
14において、インダクタンス素子型共振器と並列に他
のコンデンサ素子を接続した事によって、並列の容量を
大きくすることができ、通過帯域を高周波側にシフトさ
せる事ができる。
【0028】請求項16に記載の発明は、請求項12〜
15において、基板上にカバーを設けた事によって、基
板上に実装された素子の保護を行うことができ、しかも
埃等によるショート等を防止できる。
【0029】請求項17に記載の発明は、請求項16に
おいて、カバーに表示部を設けた事によって、カバーを
設けても中の素子の仕様等を確認できるし、どのような
規格に合格しているか等を直ぐ知ることができる。
【0030】請求項18に記載の発明は、請求項16,
17において、カバーを電磁波シールド材料で構成した
事によって、自ら放出した電磁波及び他の部品などから
放出された電磁波等を遮断することができるので、ノイ
ズ等の発生を防止することができる。
【0031】請求項19に記載の発明は、請求項11〜
18において、受動素子とインダクタンス型共振器の双
方をチップ型部品とした事によって、更に小型のフィル
タを構成でき、しかも面実装にてフィルタを製造する事
ができるので、生産性が向上する。
【0032】請求項20に記載の発明は、請求項19に
おいて、受動素子とインダクタンス素子型共振器の双方
を断面四角形状の角柱形状とした事によって、実装性に
優れ、生産性を向上させることができる。
【0033】請求項21記載の発明は、請求項1〜20
において、基台と、前記基台上に形成された導電膜と、
前記導電膜に設けられた溝と、前記基台の両端に設けら
れた端子部とを備え、長さL1,幅L2,高さL3を、 L1=0.5〜1.8mm L2=0.2〜1.0mm L3=0.2〜1.0mm としたインダクタンス素子を用いたことによって、非常
に小型のインダクタンス素子を用いるので、フィルタ自
体を非常に小型化に形成することができる。
【0034】請求項22記載の発明は、請求項21にお
いて、導電膜を設けた基台に段落ち部を設け、その段落
ち部の深さL4を5μm〜50μmとしたことによっ
て、インダクタンス素子の強度を強くでき、しかも段落
ち部に保護材を設けることによって、耐候性が大きなイ
ンダクタンス素子とすることができるので、そのインダ
クタンス素子をフィルタに搭載することによって、素子
の破損や素子の腐食などによって、フィルタ特性が長期
間使用しても余り変化をすることはない。
【0035】請求項23記載の発明は、請求項21にお
いて、基台の端子部に端子電極を設けるとともに、基台
の中央部にスパイラル状の溝を設けたことによって、溝
幅等を調整することによって、自己共振周波数の調整や
インダクタンスの調整を行うことができるので、フィル
タの特性調整を容易に行うことができる。
【0036】請求項24記載の発明は、請求項21にお
いて、基台の両端部を多角形状としたことによって、基
板上に実装する場合には、素子の転がりなどを防止する
ことができ、実装性を向上させることができるので、フ
ィルタを製造する際に製造時間を短くすることができる
ので、生産性が向上する。また、素子同士を接合する際
には、端子部の平面同士を接合すれば良いので、接合が
行いやすくなり、生産性が向上する。
【0037】請求項25記載の発明は、請求項21にお
いて、溝はレーザ加工によって形成されていることで、
レーザの直径や出力を調整することによって、インダク
タタンス特性を容易に調整可能とすることができるの
で、フィルタ特性も同様に容易に変化させることができ
る。
【0038】請求項26記載の発明は、請求項21にお
いて、導電膜の表面粗さを1.0μm以下としたことに
よって、インダクタンス素子の損失を極めて小さくする
ことができるので、フィルタでの損失を小さくすること
ができる。
【0039】請求項27記載の発明は、請求項21にお
いて、50nH以下のインダクタンスを有し、800M
Hz以上の周波数に対してQ値が30以上である導電膜
を有することによって、フィルタの特性を向上させるこ
とができる。
【0040】請求項28記載の発明は、請求項21にお
いて、基台を、 体積固有抵抗:1013Ωm以上 熱膨張係数:5×10-4/℃以下[20℃〜500℃に
おける熱膨張係数] 比誘電率:1MHzにおいて12以下 曲げ強度:1300kg/cm2以上 密度:2〜5g/cm3 となるように構成したことによって、特性劣化を防止で
き、自己共振周波数を向上させることができるので、フ
ィルタをより高周波対応にする事が可能で、特性劣化を
防止できる。
【0041】請求項29記載の発明は、請求項28にお
いて、基台の構成材料としてアルミナを含むことによっ
て、非常に扱いやすく、しかも加工性や機械的強度の面
から非常に有利である。
【0042】請求項30記載の発明は、請求項21にお
いて、基台の表面粗さを0.15〜0.5μmとしたこ
とによって、Q値の高い素子を実現できるので、フィル
タを低ロス化することができるとともに、損失がちいさ
くなるので、フィルタでの信号劣化を防止できる。
【0043】請求項31記載の発明は、請求項30にお
いて、基台の端部の表面粗さと前記基台の溝を設けた部
分及びその近傍の表面粗さを異ならせたことによって、
インダクタンス素子の剥がれ等を防止でき、フィルタ特
性の劣化を防止できる。
【0044】請求項32記載の発明は、請求項31にお
いて、基台の両端部の高さをそれぞれZ1,Z2とした
ときに、 |Z1−Z2|≦80μm とした事によって、素子立ち現象を防止でき、特にイン
ダクタンス素子を基板に実装する場合、作製不良を低減
できるので、フィルタの生産性の低下を防止できる。
【0045】図1は本発明の一実施の形態におけるフィ
ルタを示す斜視図である。なお、図1に示すフィルタは
一例としてローパス型のフィルタを記載している。
【0046】図1において、1は基板で、基板1の形状
としては、方形板状,円板状,楕円板状等が用いられ、
特に方形板状とすることによって、電子機器等の内部に
設けられた回路基板上へ位置決めが容易になる。
【0047】基板1の構成材料としては、ガラスエポキ
シ樹脂などの樹脂材料やセラミック材料等を単体として
用いるか、それらの材料を積層したものが用いられる。
また、基板1として、金属多層基板を用いることもでき
る。
【0048】2,3はチップ型のコンデンサで、コンデ
ンサ2,3は基板1上に実装されている。ここで定義さ
れているチップ型コンデンサとは、素子上に設けられた
端子部を設け、リード端子なしに半田などを介して端子
部を直接回路基板上のランド等に接合するいわゆる面実
装コンデンサを示すものである。コンデンサ2は両端に
端子部2a,2bが設けられ、この端子部2a,2bの
間で所定の容量が構成されている。コンデンサ3も同様
に両端に端子部3a,3bが設けられ、この端子部3
a,3bの間で所定の容量が構成されている。コンデン
サ2,3の具体的な一例を図2に示す。
【0049】図2はコンデンサ2を用いて説明するがコ
ンデンサ3も同様の構成であるので説明を省略する。図
2において、2cは誘電材料で構成された基台で、基台
2c上には導電膜2dが設けられており、しかも導電膜
2dを2分するように溝2eが設けられている。また、
この溝2eを覆うように保護材2fを設けることもでき
る。コンデンサ2の容量を調整するには溝2eの間隔や
溝の深さなどで決定される。
【0050】なお、コンデンサ2,3の形態として図2
に示すような構成だけでなく、誘電体材料で構成された
基台の両端に端子を用いただけのものや、電極を誘電体
中に埋設した積層コンデンサなどを用いることができ
る。
【0051】4,5,6はチップ型のインダクタンス素
子で、インダクタンス素子4,5,6は基板1上に実装
されている。ここで定義されているチップ型インダクタ
とは、素子上に直接端子部を設け、リード端子なしに半
田などを介して端子部を直接回路基板上のランド等や他
の部品等に接合するインダクタンス素子を示すものであ
る。
【0052】インダクタンス素子4,5,6にはそれぞ
れ端子部4a,5a,6aと端子部4b,5b,6bが
設けられている。このインダクタンス素子4,5,6は
2GHz以上の高周波に対応可能であり、しかも他の電
子部品の影響が少なく、更に損失を低減できるキーデバ
イスであるので、構造については詳細に後述する。
【0053】7,8は信号の入出力のいずれか一方を行
う導電パターンで、導電パターン7,8はそれぞれ端子
部4aと端子部6bに接続されている。導電パターン
7,8は基板1の表面1aから基板の側面1bまで延設
されており、外部回路等との電気的接続を可能にしてい
る。なお、外部回路との接続をより確実にするために
は、導電パターン7,8は基板の裏面1cまで延設して
も良い。導電パターン7を入力端子とした場合には、導
電パターン8は出力端子となり、逆の場合には、導電パ
ターン7を出力端子として導電パターン8を入力端子と
して使用される。
【0054】なお、導電パターン7,8上には端子部4
a,6aがそれぞれ半田などの接合材を介して直接接合
されている。
【0055】9は基板1上に設けられた接地用の導電パ
ターンで、導電パターン9は端子部2a,3aと接合さ
れている。導電パターン9は、基板の表面1aから側面
1bに渡って延設され、より外部回路との接合性を向上
させるために裏面1cまで延設しても良い。なお、導電
パターン9が外部回路等に設けられた接地パターン等に
接続されることになる。なお、導電パターン9上には端
子部2a,3aが半田等を介して直接接合されている。
【0056】10は基板1上に設けられた導電パターン
で、導電パターン10は端子部2bと端子部4bと端子
部5aをそれぞれ電気的に接続している。なお、導電パ
ターン10上には端子部2b,4b,5aが半田等を介
して直接接合されている。
【0057】11は基板1上に設けられた導電パターン
で、導電パターン11は端子部3bと端子部5bと端子
部6aをそれぞれ電気的に接続している。なお、導電パ
ターン11上には端子部3b,5b,6aが半田等を介
して直接接合されている。
【0058】上記の導電パターン7〜11はそれぞれ
金,銀,銅等の金属材料の良導体を印刷や焼き付けある
いはマスキングを施して蒸着などの薄膜形成技術によっ
て形成される。
【0059】以上の様に構成されたフィルタの等価回路
は図3に示す様な、ローパスフィルタを構成する。
【0060】なお、本実施の形態では、コンデンサ2,
3をチップ型の部品としたが、コンデンサ2,3は基板
1上にパターンで形成してもよい。
【0061】本実施の形態の場合、少なくともインダク
タンス素子4,5,6をチップ型の部品とすることによ
って、フィルタの小型化を行うことができ、他の電子部
品からの影響を受けにくく、しかも高周波に対応でき、
しかも信号の出力損失を小さくすることができる。当然
の事ながら、コンデンサ2,3もチップ型部品とするこ
とによって、フィルタを構成する主要部品をチップ型部
品とすることによって、組立も容易になり、生産性が向
上し、更にコンデンサ2,3をチップ型部品とすると基
板1上にパターニングして容量を形成するよりも、容量
の大きさにバリエーションを持たせることができ、様々
な特性のフィルタを得ることができる。
【0062】以上の様に構成されたフィルタは、図4に
示すように低い周波数の信号は通過させ、高い周波数の
信号は減衰させる特性を持つ。本実施の形態では、チッ
プ型でしかも自己共振点が非常に高いインダクタンス素
子4,5,6を用いたことによって、通過体域を高周波
側にシフトすることができ、高周波信号を取り扱う電子
機器やシステムに好適に用いられる。
【0063】次に、ハイパス型のフィルタについて説明
する。図5は本発明の他の実施の形態におけるフィルタ
を示す斜視図である。
【0064】図5において、1は基板、7,8,9,1
0,11は導電パターンでこれらは図1に示すものと同
じである。
【0065】12,13はインダクタンス素子であり、
インダクタンス素子12,13は図1に示すインダクタ
ンス素子4,5,6とほぼ同じ形状をしている。
【0066】14,15,16はコンデンサで、コンデ
ンサ14,15,16は図1に示すコンデンサ2,3と
ほぼ同じ形状をしている。
【0067】以上の様に構成されたフィルタの等価回路
は図6に示す様なハイパスフィルタを構成する。
【0068】なお、本実施の形態では、コンデンサ1
4,15,16をチップ型の部品としたが、コンデンサ
14,15,16は基板1上にパターンで形成してもよ
い。
【0069】本実施の形態の場合、少なくともインダク
タンス素子12,13をチップ型の部品とすることによ
って、フィルタの小型化を行うことができ、他の電子部
品からの影響を受けにくく、しかも高周波に対応でき、
しかも信号の出力損失を小さくすることができる。当然
の事ながら、コンデンサ14,15,16もチップ型部
品とすることによって、フィルタを構成する主要部品を
チップ型部品とすることによって、組立も容易になり、
生産性が向上し、更にコンデンサ14,15,16をチ
ップ型部品とすると基板1上にパターニングして容量を
形成するよりも、容量の大きさにバリエーションを持た
せることができ、様々な特性のフィルタを得ることがで
きる。
【0070】以上の様に構成されたフィルタは、図7に
示すように高い周波数の信号は通過させ、低い周波数の
信号は減衰させる特性を持つ。本実施の形態では、チッ
プ型でしかも自己共振点が非常に高いインダクタンス素
子12,13を用いたことによって、減衰帯域を高周波
側にシフトすることができ、高周波信号を取り扱う電子
機器やシステムに好適に用いられる。
【0071】図1及び図5に示す回路構成の他にも、基
板1上に少なくともインダクタンス素子とコンデンサを
搭載し、少なくともインダクタンス素子がチップ部品で
ある回路構成と採用しても同様の効果を得ることはでき
る。当然のことながら、上述のように、コンデンサもチ
ップ状部品とすることによって、生産性が向上し、様々
な特性を有するフィルタを作製することができる。
【0072】また、基板1上に搭載された電子部品など
を保護したり耐候性を向上させる場合には、図8に示す
様に基板上にカバー17を搭載することが望ましい。カ
バー17を設けることによって、基板1上に搭載された
電子部品が他の部材と接触することによって、損傷を受
けたり、脱落することを防止できる。なお、カバー17
の上面には、製造会社,品番,特性,注意事項等の少な
くとも一つを表示させることもできる。表示の方法とし
ては、カバー17に上記事項を記載したシールを貼付し
たり、カバー17上に直接印刷で表示したり、カバー1
7にレーザなどによって文字等を彫り込んでも良い。
【0073】なお、フィルタ自体に電磁シールドを持た
せたい場合には、このカバー17を磁性材料などの電磁
シールド作用を有する材料で構成することが好ましい。
【0074】又、カバー17が導電性を有する場合に
は、カバー17と基板1上の導電パターンとの接触が起
こらないように、カバー17と外端部に切欠などを形成
してカバーと導電パターンを非接触にしたり、基板1に
スルーホールを設けたり、基板1の端部に切欠を設けた
りする必要がある。
【0075】カバーの構成材料としては、加工性及びコ
スト面を考えると樹脂材料も使用することができる。
【0076】図9は本発明の他の実施の形態におけるフ
ィルタを示す平面図である。図9に示すフィルタは図
1,図5に示すフィルタよりも更に小型化を目的として
構成されている。
【0077】図9において、18,19,20はインダ
クタンス素子で、インダクタンス素子18,19,20
は図1に示すインダクタンス素子4,5,6と同様の構
成を有している。インダクタンス素子18の端子部18
aは入力かもしくは出力の端子となり、端子部18bは
インダクタンス素子19の端子部19aと直接接合して
いる。端子部19bはインダクタンス素子20の端子部
20aと直接接合しており、端子部20bは入力かもし
くは出力の端子となる。
【0078】21,22はコンデンサで、コンデンサ2
1,22は図1に示したコンデンサ2,3と同様の構成
を有している。コンデンサ21の端子部21aは回路基
板等の接地部等に接続される端子となり、端子部21b
は端子部18b,19a双方と直接接合されている。な
お、端子部21bは端子部18b,19aの少なくとも
一方と接合すれば十分である。コンデンサ22の端子部
22aは回路基板等の接地部等に接続される端子とな
り、端子部22bは端子部19b,20a双方と直接接
合されている。なお、端子部22bは端子部19b,2
0aの少なくとも一方と接合すれば十分である。この様
に構成されたフィルタの等価回路は、図3に示す通りで
ある。
【0079】また、図6に示す等価回路を実現するため
には、図9において、インダクタンス素子18,19,
20をチップ状のコンデンサに変更し、コンデンサ2
1,22をインダクタンス素子に変更する。
【0080】この様な構成によって、基板1を不要とす
ることができる事などによって、フィルタを極めて小型
化することができ、しかも部品点数を減らすことができ
るので、超小型でしかもコストや生産性の面で有利とな
る。
【0081】なお、上述の様にチップ型の電子部品を直
接接合してフィルタを構成すると、どうしても外部から
の衝撃によって、部品の脱落等が発生しやすいので、例
えば、図9に示す点線で囲んだ領域をモールドする事に
よって、機械的強度を格段に増すことができる。なお、
モールド材として、エポキシ樹脂などの樹脂材料を用い
る事が好ましい。また、図9に示す点線で囲んだ領域に
相当するケースを作製し、そのケース内に前述のチップ
状部品を接合した複合体を収納し、機械的強度を増すこ
ともできる。
【0082】図10は本発明の一実施の形態におけるフ
ィルタを示す斜視図である。図10において、201は
基板で、基板201の形状としては、方形板状,円板
状,楕円板状等等が用いられ、特に方形板状とすること
によって、電子機器等の内部に設けられた回路基板上へ
位置決めが容易になる。
【0083】基板201の構成材料としては、ガラスエ
ポキシ樹脂などの樹脂材料やセラミック材料等を単体と
して用いるか、それらの材料を積層したものが用いられ
る。また、基板201として、金属多層基板を用いるこ
ともできる。
【0084】202,203はチップ型のインダクタン
ス素子で、インダクタンス素子型共振器202,203
は基板201上に実装されているとともに、コンデンサ
とインダクタを並列回路とした共振器を構成している。
インダクタンス素子型共振器202,203の具体的構
成の一例は図11に示す通りである。図11はインダク
タンス素子型共振器202を用いて説明するが、インダ
クタンス素子型共振器203も同様の構成であるので、
インダクタンス素子型共振器203については説明を省
略する。なお、このインダクタンス素子型共振器20
2,203は本実施の形態におけるフィルタのキーデバ
イスであるので、詳細な構造については後述する。
【0085】図11において、インダクタンス素子型共
振器202は、絶縁材料や誘電体材料で構成された基台
202c上に導電膜202dを設け、導電膜202dに
スパイラル状の溝202eを設けてインダクタンス成分
が構成されている。インダクタンス素子型共振器202
の両端には基台202c上に直接か或いは導電膜202
d上に端子部202a,202bが設けられており、し
かも溝202eを覆うように保護材202fが設けられ
ている。ここで、溝202eを設けることによって、線
間容量Cが形成されるとともに、スパイラル状の溝20
2eを設けることによって、スパイラル状の導電膜20
2dが形成されることでインダクタンス成分が発生す
る。この線間容量Cとインダクタンス成分が並列回路を
構成し、インダクタンス素子型共振器202は共振器を
構成することになる。
【0086】ここで定義されているチップ型インダクタ
ンス素子型共振器とは、素子上に設けられた端子部を設
け、リード端子なしに半田などを介して端子部を直接回
路基板上のランド等に接合するいわゆる面実装インダク
タンス素子型共振器を示すものである。インダクタンス
素子型共振器202は両端に端子部202a,202b
が設けられ、この端子部202a,202bの間に共振
部(容量とインダクタンスの並列回路)が構成されてい
る。インダクタンス素子型共振器203も同様に両端に
端子部203a,203bが設けられ、この端子部20
3a,203bの間で共振部(容量とインダクタンスの
並列回路)が構成されている。
【0087】また、インダクタンス素子型共振器20
2,203は、基板上などに実装しやすいように断面多
角形状に構成されており、特に断面四角形状の角柱状と
することが、位置決めや実装性の面で非常に好ましい。
【0088】なお、インダクタンス素子型共振器20
2,203の形態として図11に示すような構成だけで
なく、コイル部を誘電体または絶縁体中に埋設した積層
インダクタなどを用いることができるが、自己共振周波
数f0(2GHz以上)を高くする事が可能な図11に
示す様な構成のインダクタンス素子型共振器を用いる事
が好ましい。
【0089】204,205,206はチップ型の受動
素子で、受動素子204,205,206は基板201
上に実装されている。ここで定義されているチップ型受
動素子とは、素子上に直接端子部を設け、リード端子な
しに半田などを介して端子部を直接回路基板上のランド
等や他の部品等に接合する受動素子を示すものである。
受動素子204,205,206を構成する素子として
は、コンデンサ,抵抗,インダクタンス素子の少なくと
も1つが用いられる。
【0090】受動素子204,205,206にはそれ
ぞれ端子部204a,205a,206aと端子部20
4b,205b,206bが設けられている。
【0091】207,208は信号の入出力のいずれか
一方を行う導電パターンで、導電パターン207,20
8はそれぞれ端子部204aと端子部206bに接続さ
れている。導電パターン207,208は基板201の
表面201aから基板の側面201bまで延設されてお
り、外部回路等との電気的接続を可能にしている。な
お、外部回路との接続をより確実にするためには、導電
パターン207,208は基板の裏面201cまで延設
しても良い。導電パターン207を入力端子とした場合
には、導電パターン208は出力端子となり、逆の場合
には、導電パターン207を出力端子として導電パター
ン208を入力端子として使用される。
【0092】なお、導電パターン207,208上には
端子部204a,206aがそれぞれ半田などの接合材
を介して直接接合されている。
【0093】209は基板201上に設けられた接地用
の導電パターンで、導電パターン209は端子部202
a,203aと接合されている。導電パターン209
は、基板の表面201aから側面201bに渡って延設
され、より外部回路との接合性を向上させるために裏面
201cまで延設しても良い。なお、導電パターン20
9が外部回路等に設けられた接地パターン等に接続され
ることになる。なお、導電パターン209上には端子部
202a,203aが半田等を介して直接接合されてい
る。
【0094】210は基板201上に設けられた導電パ
ターンで、導電パターン210は端子部202bと端子
部204bと端子部205aをそれぞれ電気的に接続し
ている。なお、導電パターン210上には端子部202
b,204b,205aが半田等を介して直接接合され
ている。
【0095】211は基板201上に設けられた導電パ
ターンで、導電パターン211は端子部203bと端子
部205bと端子部206aをそれぞれ電気的に接続し
ている。なお、導電パターン211上には端子部203
b,205b,206aが半田等を介して直接接合され
ている。
【0096】上記の導電パターン207〜211はそれ
ぞれ金,銀,銅等の金属材料の良導体を印刷や焼き付け
あるいはマスキングを施して蒸着などの薄膜形成技術に
よって形成される。受動素子204,205,206全
てにコンデンサを用いた場合、フィルタの等価回路は図
12に示す様な、バンドパスフィルタをフィルタを構成
する。また受動素子204,205,206全てにイン
ダクタンス素子を用いてもバンドパスフィルタを構成す
ることができる。
【0097】本実施の形態の場合、少なくともインダク
タンス素子型共振器202,203をチップ型の部品と
することによって、フィルタの小型化を行うことがで
き、しかも高周波に対応でき、しかも信号の出力損失を
小さくすることができる。当然の事ながら、受動素子2
04,205,206もチップ型部品とすることによっ
て、フィルタを構成する主要部品をチップ型部品とする
ことによって、組立も容易になり、生産性が向上する。
【0098】また、受動素子204,205,206
は、断面多角形状とすることが好ましく、特に実装性や
位置決め等の面から断面四角形状の角柱状とすることが
好ましい。
【0099】以上の様に構成されたフィルタは、高周波
領域の信号を通過させる際に、図13に示すような特性
を示し、特に高周波側の減衰帯域のスプリアス抑制度
は、従来の同軸型共振器を用いたフィルタよりも大きく
なり、信号中にノイズ等が入り込むことが少なくなる。
【0100】この様に、本実施の形態では、チップ型で
しかも自己共振点が非常に高いインダクタンス素子型共
振器202,203を用いたことによって、通過体域を
高周波側にシフトしても、高周波側のスプリアス抑制度
を大きくできるので、高周波信号を取り扱う電子機器や
システムに好適に用いられる。
【0101】なお、通過帯域は、インダクタンス素子型
共振器202,203の線間容量Cを調整することで、
変化させることが好ましく、この線間容量Cは、溝20
2eの間隔を変化させる,保護材202fの誘電率を変
化させる,基台202cの誘電率を変化させる等の手段
がある。しかしながら、上記手段でも所望の通過帯域を
得られない場合には、図14に示す様に、インダクタン
ス素子型共振器202,203それぞれに並列にコンデ
ンサ素子212,213を設ける事が好ましい。この様
な構成によって、インダクタンス素子型共振器202,
203線間容量成分を大きくさせる事ができるので、通
過帯域を高周波側にシフトさせる事ができる。また、本
実施の形態の場合、コンデンサ素子212,213の端
子部212a,213aはそれぞれ導電パターン21
0,211に電気的に接続されており、端子部212
b,213bは導体パターン209にそれぞれ接続され
ている。
【0102】なお、このコンデンサ素子212,213
はチップ部品としたが、それぞれ基板1上にパターニン
グされたコンデンサ素子でもよい。
【0103】図15は本発明の他の実施の形態における
フィルタを示す斜視図である。図15において、201
は基板、207,208,209,210,211は導
電パターン、202,203はインダクタンス素子型共
振器、204,205,206は受動素子でこれらは図
10に示すものと同じである。
【0104】214,215はチップ型のコンデンサ素
子であり、コンデンサ素子214,215はそれぞれイ
ンダクタンス素子型共振器202,203に直列に接続
されている。すなわち、コンデンサ素子214の端子部
214aはインダクタンス素子型共振器202の端子部
202bと直接又は導体等を介して接合されており、端
子部214bは導電パターン210に接続されている。
又、コンデンサ素子215の端子部215aはインダク
タンス素子型共振器203の端子部203bに接続され
ており、端子部215bは導電パターン211に接続さ
れている。
【0105】受動素子204,205,206を全てコ
ンデンサとした場合、図16に示す様な等価回路とな
り、受動素子204,205,206を全てインダクタ
ンス素子とした場合に図17に示す様な等価回路とな
り、従来の帯域素子フィルタ(バンドエリミネーション
フィルタ)と同じ回路になる。
【0106】以上の様な構成によって、インダクタンス
素子型共振器202,203を共振器として用いること
によって、高周波信号に対応でき、しかも減衰領域のス
プリアス抑制度を大きくする事ができるので、信号にノ
イズが入り込むことが少なくなる。また、インダクタン
ス素子型共振器202,203はQ値を非常に高くする
ことができ、損失が小さいので、信号の劣化が少なく、
しかも小型化が可能なフィルタを構成することができ
る。
【0107】なお、通過帯域は、インダクタンス素子型
共振器202,203の線間容量Cを調整することで、
変化させることが好ましく、この線間容量Cは、溝20
2eの間隔を変化させる,保護材202fの誘電率を変
化させる,基台202cの誘電率を変化させる等の手段
がある。しかしながら、上記手段でも所望の通過帯域を
得られない場合には、図18に示す様に、インダクタン
ス素子型共振器202,203それぞれに並列にコンデ
ンサ素子216,217を設ける事が好ましい。この様
な構成によって、インダクタンス素子型共振器202,
203線間容量成分を大きくさせる事ができるので、通
過帯域を高周波側にシフトさせる事ができる。また、本
実施の形態の場合、コンデンサ素子216,217の端
子部216b,217bはそれぞれコンデンサ素子21
4,215の端子部216b,217bに電気的に接続
されており、端子部216a,217aは導体パターン
209にそれぞれ接続されている。
【0108】なお、このコンデンサ素子216,217
はチップ部品としたが、それぞれ基板201上にパター
ニングされたコンデンサ素子でもよい。
【0109】以上の図10〜図18に示したフィルタ
に、図示していないがカバーを取り付けても良い。カバ
ーは、基板201の各部品を実装した側に前記各部品の
少なくとも一部を覆うように設けられる。このときカバ
ーは基板201に接合材などによって取り付ける事が好
ましい。また、カバーにシールド材を設けることによっ
て、フィルタの構成部品から放出される電磁波を遮断し
たり、外部装置等から放出される電磁波によって、フィ
ルタの構成部品が影響を受けないように、遮断したりす
る作用を持たせることができる。
【0110】なお、カバーに表示部を設け、その表示部
に生産地,生産者,規格,品番,特性等の情報の少なく
とも1つを表示することによって、カバーでフィルタの
構成部品を覆っても、情報を外部から容易に目視する事
ができる。なお、情報とは、文字や図等の他にバーコー
ド等でも良い。
【0111】本発明の更なる特徴は、インダクタンス素
子として自己共振周波数が高く、しかも損失が小さく、
しかも小型なものを用いることである。
【0112】以下その最も好ましいインダクタンス素子
について詳細に説明する。図19,図20はそれぞれ本
発明の一実施の形態におけるインダクタンス素子を示す
斜視図及び側面図である。
【0113】図19において、111は絶縁材料などを
プレス加工,押し出し法等を施して構成されている基
台、112は基台111の上に設けられている導電膜
で、導電膜112は、メッキ法やスパッタリング法等の
蒸着法等によって基台111上に形成される。113は
基台111及び導電膜112に設けられた溝で、溝11
3は、レーザ光線等を導電膜12に照射することによっ
て形成したり、導電膜112に砥石等を当てて機械的に
形成されている。114は基台111及び導電膜112
の溝113を設けた部分に塗布された保護材、115,
116はそれぞれ端子電極が形成された端子部で、端子
部115と端子部116の間には、溝113及び保護材
114が設けられている。なお、図20は、保護材11
4の一部を取り除いた図である。
【0114】また、本実施の形態のインダクタンス素子
は、実用周波数帯域が1〜6GHzと高周波数域に対応
するとともに、50nH以下の微小インダクタンスを有
し、しかもインダクタンス素子の長さL1,幅L2,高
さL3は以下の通りとなっていることが好ましい。
【0115】L1=0.5〜1.8mm(好ましくは
0.6〜1.0mm) L2=0.2〜1.0mm(好ましくは0.3〜0.6
mm) L3=0.2〜1.0mm(好ましくは0.3〜0.6
mm) L1が0.5mm以下であると、自己共振周波数f0が
下がってしまうとともにQ値が低下してしまい、良好な
特性を得ることができない。また、L1が1.8mmを
超えてしまうと、素子自体が大きくなってしまい、電子
回路等が形成された基板など(以下回路基板等と略す)
回路基板等の小型化ができず、ひいてはその回路基板等
を搭載した電子機器等の小型化を行うことができない。
また、L2,L3それぞれが0.2mm以下であると、
素子自体の機械的強度が弱くなりすぎてしまい、実装装
置などで、回路基板等に実装する場合に、素子折れ等が
発生することがある。また、L2,L3が1.0mm以
上となると、素子が大きくなりすぎて、回路基板等の小
型化、ひいては装置の小型化を行うことができない。な
お、L4(段落ちの深さ)は5μm〜50μm程度が好
ましく、5μm以下であれば、保護材14の厚さ等を薄
くしなければならず、良好な保護特性等を得ることがで
きない。また、L4が50μmを超えると基台の機械的
強度が弱くなり、やはり素子折れ等が発生することがあ
る。なお、段落ちは必ずしも必要なものではない。
【0116】以上の様に構成されたインダクタンス素子
について、以下各部の詳細な説明をする。図21は導電
膜を形成した基台の断面図、図22(a)(b)はそれ
ぞれ基台の側面図及び底面図である。
【0117】まず、基台111の形状について説明す
る。基台11は、図21及び図22に示す様に、回路基
板等に実装しやすいように断面が四角形状の中央部11
1aと中央部111aの両端に一体に設けられ、しかも
断面が四角形状の端部111b,111cによって構成
されている。なお、端部111b,111c及び中央部
111aは断面四角形状としたが、五角形状や六角形状
などの多角形状でも良い。中央部111aは端部111
b,111cから段落ちした構成となっている。本実施
の形態では、端部111b,111cの断面形状を略正
四角状とすることによって、回路基板等へのインダクタ
ンス素子を装着性を良好にした。また、本実施の形態で
は中央部111aに横向きに溝113を形成することに
よって、どのように回路基板等に実装しても方向性が無
いために、取り扱いが容易になる。また、中央部111
aには素子部(溝113や保護材114)が形成される
こととなり、端部111b,111cには端子部11
5,116が形成される。
【0118】なお、本実施の形態では、中央部111a
及び端部111b,111cをともに略正四角形状とし
たが、正五角形状等の正多角形状にしてもよい。さら
に、本実施の形態では、中央部111aと端部111
c,111bそれぞれの断面形状を正四角形というよう
に同一にしたが、異なっても良い。すなわち、端部11
1b、111cの断面形状を正多角形状とし、中央部1
11aの断面形状を他の多角形状としたり、円形状とし
ても良い。中央部111aの断面形状を円形とすること
によって、良好に溝113を形成することができる。
【0119】さらに、本実施の形態では、中央部111
aを端部111b,111cより段落ちさせることによ
って、保護材114を塗布した際に、その保護材114
と回路基板等が接触することなどを防止していたが、特
に保護材114の厚みや実装される回路基板等の状況
(回路基板等の実装される部分に溝が形成されていた
り、回路基板等の電極部が盛り上がっている等)によっ
て、中央部111aを段落ちさせなくてもよい。中央部
111aを端部111b,111cから段落ちさせない
と、基台111の構造が簡単になり、生産性が向上し、
さらに中央部111aの機械的強度も向上する。この様
に段落ちさせない場合でも、断面四角形状の四角柱形状
としてもよいし、さらに断面を多角形状とする角柱とす
ることもできる。
【0120】また、図22(a)に示す様に基台11の
端部の高さZ1及びZ2は下記の条件を満たすことが好
ましい。
【0121】 |Z1−Z2|≦80μm(好ましくは50μm) Z1とZ2の高さの違いが80μm(好ましくは50μ
m以下)を超えると、素子を基板に実装し、半田等で回
路基板等に取り付ける場合、半田等の表面張力によって
素子が一方の端部に引っ張られて、素子が立ってしまう
というマンハッタン現象の発生する確率が非常に高くな
る。このマンハッタン現象を図23に示す。図23に示
すように、基板200の上にインダクタンス素子を配置
し、端子部15,16それぞれと基板200の間に半田
201,202が設けられているが、リフローなどによ
って半田201,202を溶かすと、半田201,20
2のそれぞれの塗布量の違いや、材質が異なることによ
る融点の違いによって、溶融した半田201,202の
表面張力が端子部115と端子部116で異なり、その
結果、図23に示すように一方の端子部(図23の場合
は端子部115)を中心に回転し、インダクタンス素子
が立ち上がってしまう。Z1とZ2の高さの違いが80
μm(好ましくは50μm以下)を超えると、素子が傾
いた状態で基板200に配置されることとなり、素子立
ちを促進する。また、マンハッタン現象は特に小型軽量
のチップ型の電子部品(チップ型インダクタンス素子を
含む)において顕著に発生し、しかもこのマンハッタン
現象の発生要因の一つとして、端子部115,116の
高さの違いによって素子が傾いて基板200に配置され
ることを着目した。この結果、Z1とZ2の高さの差を
80μm以下(好ましくは50μm以下)となるよう
に、基台111を成形などで加工することによって、こ
のマンハッタン現象の発生を大幅に抑えることができ
た。Z1とZ2の高さの差を50μm以下とすることに
よって、ほぼ、マンハッタン現象の発生を抑えることが
できる。
【0122】次に基台111の面取りについて説明す
る。図24は本発明の一実施の形態におけるインダクタ
ンス素子に用いられる基台の斜視図である。図24に示
されるように、基台111の端部111b,111cそ
れぞれの角部111e,111dには面取りが施されて
おり、その面取りした角部111e,111dのそれぞ
れの曲率半径R1及び中央部111aの角部111fの
曲率半径R2は以下の通りに形成されることが好まし
い。
【0123】0.03<R1<0.15(mm) 0.01<R2(mm) R1が0.03mm以下であると、角部111e,11
1dが尖った形状となっているので、ちょっとした衝撃
などによって角部111e,111dに欠けなどが生じ
ることがあり、その欠けによって、特性の劣化等が発生
したりする。また、R1が0.15mm以上であると、
角部111e,111dが丸くなりすぎて、前述のマン
ハッタン現象を起こしやすくなり、不具合が生じる。更
にR2が0.01mm以下であると、角部111fにバ
リなどが発生しやすく、中央部111a上に形成され、
しかも素子の特性を大きく左右する導電膜112の厚み
が角部111fと平坦な部分で大きく異なることがあ
り、素子特性のばらつきが大きくなる。
【0124】次に基台111の構成材料について説明す
る。基台111の構成材料として下記の特性を満足して
おくことが好ましい。
【0125】体積固有抵抗:1013Ωm以上(好ましく
は1014以上) 熱膨張係数:5×10-4/℃以下(好ましくは2×10
-5/℃以下)[20℃〜500℃における熱膨張係数] 比誘電率:1MHzにおいて12以下(好ましくは10
以下) 曲げ強度:1300kg/cm2以上(好ましくは20
00kg/cm2以上) 密度:2〜5g/cm3(好ましくは3〜4g/cm3) 基台111の構成材料が体積固有抵抗が1013Ωm以下
であると、導電膜112とともに基台111にも所定に
電流が流れ始めるので、並列回路が形成された状態とな
り、自己共振周波数f0及びQ値が低くなってしまい、
高周波用の素子としては不向きである。
【0126】また熱膨張係数が5×10-4/℃以上であ
ると、基台111にヒートショック等でクラックなどが
入ることがある。すなわち熱膨張係数が5×10-4以上
であると、上述の様に溝13を形成する際にレーザ光線
や砥石等を用いるので、基台111が局部的に高温にな
り、基台111にクラックなどが生じることあるが、上
述の様な熱膨張係数を有することによって、大幅にクラ
ック等の発生を抑止できる。
【0127】また、比誘電率が1MHzにおいて12以
上であると、自己共振周波数f0及びQ値が低くなって
しまい、高周波用の素子としては不向きである。
【0128】曲げ強度が1300kg/cm2以下であ
ると、実装装置で回路基板等に実装する際に素子折れ等
が発生することがある。
【0129】密度が2g/cm3以下であると、基台1
11の吸水率が高くなり、基台11の特性が著しく劣化
し、素子としての特性が悪くなる。また密度が5g/c
3以上になると、基台111の重量が重くなり、実装
性などに問題が発生する。特に密度を上記範囲内に設定
すると、吸水率も小さく基台111への水の進入もほと
んどなく、しかも重量も軽くなり、チップマウンタなど
で基板に実装する際にも問題は発生しない。
【0130】この様に基台111の体積固有抵抗,熱膨
張係数,誘電率,曲げ強度,密度を規定することによっ
て、自己共振周波数f0及びQ値が低下しないので、高
周波用の素子として用いることができ、ヒートショック
等で基台111にクラック等が発生することを抑制でき
るので、不良率を低減することができ、更には、機械的
強度を向上させることができるので、実装装置などを用
いて回路基板等に実装できるので、生産性が向上する等
の優れた効果を得ることができる。
【0131】上記の諸特性を得る材料としては、アルミ
ナを主成分とするセラミック材料が挙げられる。しかし
ながら、単にアルミナを主成分とするセラミック材料を
用いても上記諸特性を得ることはできない。すなわち、
上記諸特性は、基台111を作製する際のプレス圧力や
焼成温度及び添加物によって異なるので、作製条件など
を適宜調整しなければならない。具体的な作製条件とし
て、基台111の加工時のプレス圧力を2〜5t,焼成
温度を1500〜1600℃,焼成時間1〜3時間等の
条件が挙げられる。また、アルミナ材料の具体的な材料
としては、Al2O3が92重量%以上,SiO2が6
重量%以下,MgOが1.5重量%以下,Fe2O3が
0.1%以下,Na2Oが0.3重量%以下等が挙げら
れる。なお、自己共振周波数を高域に渡り制御する目的
で、εr<100の高周波でQ値の高い誘電体材料を使
用しても良い。
【0132】次に基台11の表面粗さについて説明す
る。なお、以下の説明で出てくる表面粗さとは、全て中
心線平均粗さを意味するものであり、導電膜112の説
明等に出てくる粗さも中心線平均粗さである。
【0133】基台111の表面粗さは0.15〜0.5
μm程度、好ましくは0.2〜0.3μm程度がよい。
図25は基台111の表面粗さと剥がれ発生率を示した
グラフである。図25は下記に示すような実験の結果で
ある。基台111及び導電膜112はそれぞれアルミ
ナ,銅で構成し、基台111の表面粗さをいろいろ変え
たサンプルを作製し、その各サンプルの上に同じ条件で
導電膜112を形成した。それぞれのサンプルに超音波
洗浄を行い、その後に導電膜112の表面を観察して、
導電膜112の剥がれの有無を測定した。基台11の表
面粗さは、表面粗さ測定器(東京精密サーフコム社製
574A)を用いて、先端Rが5μmのものを用いた。
この結果から判るように平均表面粗さが0.15μm以
下であると、基台111の上に形成された導電膜12の
剥がれの発生率が5%程度であり、良好な基台111と
導電膜112の接合強度を得ることができる。更に、表
面粗さが0.2μm以上であれば導電膜12の剥がれが
ほとんど発生していないので、できれば、基台111の
表面粗さは0.2μm以上が好ましい。導電膜112の
剥がれは、素子の特性劣化の大きな要因となるので、歩
留まり等の面から発生率は5%以下が好ましい。
【0134】図26は基台の表面粗さに対する周波数と
Q値の関係を示すグラフである。図26は以下のような
実験の結果である。まず、表面粗さが0.1μm以下の
基台11と、表面粗さが0.2〜0.3μmの基台11
1と、表面粗さが0.5μm以上の基台111のそれぞ
れのサンプルを作製し、それぞれのサンプルに同じ材料
(銅)で同じ厚さの導電膜を形成した。そして、各サン
プルにおいて、所定の周波数FにおけるQ値を測定し
た。図26から判るように基台111の表面粗さが0.
5μm以上であると、導電膜112の膜構造が悪くなる
ことが原因と考えられるQ値の低下が見られる。特に高
周波領域で顕著にQ値の劣化が見られる。また、自己共
振周波数f0(各線の極大値)も基台111の表面粗さ
が0.5μmのものは、低周波側にシフトしている。従
ってQ値の面及び自己共振周波数f0の面から見れば基
台111の表面粗さは0.5μm以下とすることが好ま
しい。
【0135】以上の様に、導電膜112と基台111と
の密着強度,導電膜のQ値及び自己共振周波数f0の双
方の結果から判断すると、基台111の表面粗さは、
0.15μm〜0.5μmが好ましく、さらに好ましく
は0.2〜0.3μmが良い。
【0136】また、表面粗さは、端部11b,11cと
中央部11aでは、平均表面粗さを異ならせた方が好ま
しい。すなわち、平均表面粗さ0.15〜0.5μmの
範囲内で端部11b,11cの平均表面粗さを中央部1
11aの平均表面粗さよりも小さくすることが好まし
い。端部111b,111cは導電膜112を積層する
ことによって上述の様に端子部115,116が構成さ
れるので、端部111b,111cの表面粗さを中央部
111aより小さくすることによって、端部111b,
111c上に形成される導電膜112の表面粗さを小さ
くできるので、回路基板等の電極との密着性を向上させ
ることができ、確実な回路基板等とインダクタンス素子
の接合をおこなうことができる。また、中央部111a
には導電膜112を積層し溝113を形成するので、溝
113をレーザ等で形成する際に導電膜112が基台1
11からはがれ落ちないように導電膜112と基台11
1の密着強度を向上させなければないので、端部111
b,111cよりも中央部111aの表面粗さを大きく
した方が好ましい。特にレーザで溝113を形成する場
合、レーザが照射された部分は他の部分よりも急激に温
度が上昇し、ヒートショック等で導電膜112が剥がれ
ることがある。従って、レーザで溝113を形成する場
合には導電膜112と基台111の接合密度を他の部分
よりも向上させることが必要である。
【0137】この様に中央部111aと端部111b,
111cとの表面粗さを異ならせることによって、回路
基板等との密着性及び溝113の加工の際の導電膜12
のはがれを防止することができる。
【0138】なお、本実施の形態では、導電膜112と
基台111の接合強度を基台111の表面粗さを調整す
ることによって、向上させたが、例えば、基台111と
導電膜112の間にCr単体またはCrと他の金属の合
金の少なくとも一方で構成された中間層を設けることに
よって、表面粗さを調整せずとも導電膜112と基台1
11の密着強度を向上させることができる。もちろん基
台111の表面粗さを調整し、その上その基台111の
上に中間層及び導電膜112を積層する場合では、より
強力な導電膜12と基台111の密着強度を得ることが
できる。
【0139】次に導電膜112について説明する。導電
膜112としては、50nH以下の微少インダクタンス
を有し、しかも800MHz以上の高周波信号に対して
Q値が30以上のものが好ましい。この様な特性の導電
膜112を得るためには、材料及び製法等を選択しなけ
ればならない。
【0140】以下具体的に導電膜112について説明す
る。導電膜112の構成材料としては、銅,銀,金,ニ
ッケルなどの導電材料が挙げられる。この銅,銀,金,
ニッケル等の材料には、耐候性等を向上させために所定
の元素を添加してもよい。また、導電材料と非金属材料
等の合金を用いてもよい。構成材料としてコスト面や耐
食性の面及び作り易さの面から銅及びその合金がよく用
いられる。導電膜112の材料として、銅等を用いる場
合には、まず、基台111上に無電解メッキによって下
地膜を形成し、その下地膜の上に電解メッキにて所定の
銅膜を形成して導電膜112が形成される。更に、合金
等で導電膜112を形成する場合には、スパッタリング
法や蒸着法で構成することが好ましい。また、構成材料
に銅及びその合金を用いた場合導電膜112の形成厚み
は15μm以上が好ましい。厚みが15μmより薄い
と、導電膜112のQ値が小さくなり所定の特性を得る
ことができにくい。図27は、導電膜112の膜厚とQ
値の関係を示すグラフである。導電膜112の構成材料
としては銅を用い、基台111の材料及び表面粗さ等
は、同じ条件にし、その基台111の上に形成する導電
膜112の厚さを変化させ、それぞれの場合におけるQ
値を測定した。図27から判るように導電膜112の厚
さが15μm以上であると、Q値は30を超えている。
また、導電膜112の膜厚は15μm以上の領域では、
Q値はあまり向上せず、又、コスト面や不良率の低減の
ために導電膜112の膜厚は35μm以下とすることが
好ましい。なお、導電膜112の膜厚は21μm以上が
更に好ましい。
【0141】導電膜112は単層で構成してもよいが、
多層構造としてもよい。すなわち、構成材料の異なる導
電膜を複数積層して構成しても良い。例えば、基台11
1の上に先ず銅膜を形成し、その上に耐候性の良い金属
膜(ニッケル等)を積層する事によって、やや耐候性に
問題がある銅の腐食を防止することができる。
【0142】導電膜112の形成方法としては、メッキ
法(電解メッキ法や無電解メッキ法など),スパッタリ
ング法,蒸着法等が挙げられる。この形成方法の中で
も、量産性がよく、しかも膜厚のばらつきが小さなメッ
キ法がよく用いられる。
【0143】導電膜112の表面粗さは1μm以下が好
ましく、更に好ましくは0.2μm以下が好ましい。導
電膜112の表面粗さが1μmを超えると、表皮効果に
よって高周波でのQ値が低下する。図28は導電膜12
の周波数とQ値の関係を示すグラフである。図28は下
記の様な実験を通して導き出された。まず、同じ大きさ
同じ材料同じ表面粗さで構成された基台111の上に銅
を構成材料とする導電膜112の表面粗さを変えて形成
し、それぞれのサンプルにて各周波数におけるQ値を測
定した。図28から判るように、導電膜112の表面粗
さが1μm以上であれば高周波領域におけるQ値が低く
なっていることが判る。更に導電膜112の表面粗さが
0.2μm以下であれば特に高周波領域におけるQ値
が、非常に高くなっていることがわかる。
【0144】以上の様に導電膜112の表面粗さは、
1.0μm以下が良く、更に好ましくは、0.2μm以
下とすることによって、導電膜12の表皮効果を低減さ
せることができ、特に高周波におけるQ値を向上させる
事ができる。
【0145】次に保護材114について説明する。保護
材114としては、耐候性に優れた有機材料、例えばエ
ポキシ樹脂などの絶縁性を示す材料が用いられる。ま
た、保護材114としては、溝113の状況等が観測で
きるような透明度を有する事が好ましい。更に保護材1
14には透明度を有したまま、所定の色を有することが
好ましい。
【0146】次に端子部115,116について説明す
る。端子部115,116は、導電膜112のみでも十
分に機能するが、様々な環境条件等に順応させるため
に、多層構造とすることが好ましい。
【0147】図29は端子部15の断面図である。図2
9において、基台111の端部111bの上に導電膜1
12が形成されており、しかも導電膜112の上には耐
候性を有するニッケル,チタン等の材料で構成される保
護層300が形成されており、更に保護層300の上に
は半田等で構成された接合層301が形成されている。
保護層300は接合層と導電膜112の接合強度を向上
させるとともに、導電膜の耐候性を向上させることがで
きる。本実施の形態では、保護層300の構成材料とし
て、ニッケルかニッケル合金の少なくとも一方とし、接
合層301の構成材料としては半田を用いた。保護層3
00(ニッケル)の厚みは2〜7μmが好ましく、2μ
mを下回ると耐候性が悪くなり、7μmを上回ると保護
層300(ニッケル)自体の電気抵抗が高くなり、素子
特性が大きく劣化する。また、接合層301(半田)の
厚みは5μm〜10μm程度が好ましく、5μmを下回
ると半田食われ現象が発生して素子と回路基板等との良
好な接合が期待できず、10μmを上回るとマンハッタ
ン現象が発生し易くなり、実装性が非常に悪くなる。
【0148】以上の様に構成されたインダクタンス素子
は、特性劣化が無く、しかも,実装性及び生産性が非常
によい。
【0149】以上の様に構成されたインダクタンス素子
について、以下その製造方法について説明する。
【0150】まず、アルミナ等の絶縁材料をプレス成形
や押し出し法によって、基台111を作製する。次にそ
の基台111全体にメッキ法やスパッタリング法などに
よって導電膜112を形成する。次に導電膜112を形
成した基台111にスパイラル状の溝113を形成す
る。溝113はレーザ加工や切削加工によって作製され
る。レーザ加工は、非常に生産性が良いので、以下レー
ザ加工について説明する。まず、基台111を回転装置
に取り付け、基台111を回転させ、そして基台111
の中央部111aにレーザを照射して導電膜112及び
基台111の双方を取り除き、スパイラル状の溝を形成
する。このときのレーザは、YAGレーザ,エキシマレ
ーザ,炭酸ガスレーザなどを用いることができ、レーザ
光をレンズなどで絞り込むことによって、基台111の
中央部111aに照射する。更に、溝113の深さ等
は、レーザのパワーを調整し、溝113の幅等は、レー
ザ光を絞り込む際のレンズを交換することによって行え
る。また、導電膜112の構成材料等によって、レーザ
の吸収率が異なるので、レーザの種類(レーザの波長)
は、導電膜112の構成材料によって、適宜選択するこ
とが好ましい。
【0151】溝113を形成した後に、溝113を形成
した部分(中央部111a)に保護材114を塗布し、
乾燥させる。
【0152】この時点でも、製品は完成するが、特に端
子部115,116にニッケル層や半田層を積層して、
耐候性や接合性を向上させることもある。ニッケル層や
半田層は、メッキ法等によって保護材114を形成した
半完成品に形成する。
【0153】以上のようなインダクタンス素子は、小型
で、高周波領域におけるQ値が極めて高く、しかも高い
自己共振点を有するので、このインダクタンス素子を図
1〜図18に示すフィルタのキーデバイスとして用いる
ことによって、小型化することができ、しかも高周波に
対応でき、他の電子部品からの影響があまりなく、非常
に損失が少なくできるフィルタを提供することができ
る。
【0154】
【発明の効果】本発明は、インダクタンス素子とコンデ
ンサを接続して得られるフィルタであって、少なくとも
インダクタンス素子として基台の両端部の上に直接端子
部を備え前記端子部が他の部品かもしくは他の配線に直
接接続可能なチップ型部品とした事によって、フィルタ
及びそのフィルタを搭載する電子機器の小型化を行うこ
とが出来る。更には、高周波信号に対する減衰特性など
の諸特性を向上させることができ、他の部品からの影響
による特性変動が無く、しかも損失が低く抑えることが
できる。
【0155】又、他の本発明は、容量とインダクタンス
を並列に接続した回路構成となる共振器と、前記共振器
に電気的に接続される受動素子とを有するフィルタであ
って、共振器としてインダクタンス素子型共振器を用い
るとともに、前記インダクタンス素子型共振器は基台の
両端部の上に直接端子部を備え、前記端子部が受動素子
か回路配線に直接接続可能なチップ型部品とした事によ
って、フィルタ及びそのフィルタを搭載する電子機器の
小型化を行うことが出来る。更には、高周波域のスプリ
アス特性などの諸特性を向上させることができ、しかも
損失が低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるフィルタを示す
斜視図
【図2】本発明の一実施の形態におけるフィルタに用い
られるコンデンサを示す断面図
【図3】本発明の一実施の形態におけるフィルタの等価
回路を示す図
【図4】本発明の一実施の形態におけるフィルタの周波
数と減衰量を示す図
【図5】本発明の他の実施の形態におけるフィルタを示
す斜視図
【図6】本発明の一実施の形態におけるフィルタの等価
回路を示す図
【図7】本発明の一実施の形態におけるフィルタの周波
数と減衰量を示す図
【図8】本発明の一実施の形態におけるフィルタを示す
斜視図
【図9】本発明の他の実施の形態におけるフィルタを示
す平面図
【図10】本発明の一実施の形態におけるフィルタを示
す斜視図
【図11】本発明の一実施の形態におけるフィルタに用
いられるインダクタンス素子型共振器を示す断面図
【図12】本発明の一実施の形態におけるフィルタの等
価回路を示す図
【図13】本発明の一実施の形態におけるフィルタの周
波数と減衰量を示す図
【図14】本発明の他の実施の形態におけるフィルタを
示す斜視図
【図15】本発明の他の実施の形態におけるフィルタを
示す平面図
【図16】本発明の他の実施の形態におけるフィルタの
等価回路を示す図
【図17】本発明の他の実施の形態におけるフィルタの
等価回路を示す図
【図18】本発明の他の実施の形態におけるフィルタを
示す平面図
【図19】本発明の一実施の形態におけるインダクタン
ス素子を示す斜視図
【図20】本発明の一実施の形態におけるインダクタン
ス素子を示す側面図
【図21】本発明の一実施の形態におけるインダクタン
ス素子に用いられる導電膜を形成した基台の断面図
【図22】本発明の一実施の形態におけるインダクタン
ス素子に用いられる基台を示す図
【図23】マンハッタン現象を示す側面図
【図24】本発明の一実施の形態におけるインダクタン
ス素子に用いられる基台の斜視図
【図25】本発明の一実施の形態におけるインダクタン
ス素子に用いられる基台の表面粗さと剥がれ発生率を示
したグラフ
【図26】本発明の一実施の形態におけるインダクタン
ス素子に用いられる基台の表面粗さに対する周波数とQ
値の関係を示すグラフ
【図27】本発明の一実施の形態におけるインダクタン
ス素子に用いられる導電膜の膜厚と、Q値の関係を示す
グラフ
【図28】本発明の一実施の形態におけるインダクタン
ス素子に用いられる導電膜の表面膜の表面粗さに対する
周波数とQ値の関係を示す図
【図29】本発明の一実施の形態におけるインダクタン
ス素子の端子部の断面図
【符号の説明】
1 基板 2,3,14,15,16,21,22 コンデンサ 4,5,6,12,13,18,19,20 インダク
タンス素子 7,8,9,10,11 導電パターン 17 カバー 111 基台 111a 中央部 111b,111c 端部 111d,111e,111f 角部 112 導電膜 113 溝 114 保護材 115,116 端子部 201 基板 202,203 インダクタンス素子型共振器 204,205,206 受動素子 207,208,209,210,211 導電パター
ン 212,213,214,215,216 コンデンサ
素子
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年7月15日(1999.7.1
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】
【発明の実施の形態】請求項1記載の発明は、2GHz
以上の高周波に対応でき、基板上にインダクタンス素子
及びコンデンサを実装し、前記インダクタンス素子と前
記コンデンサを接続して得られるフィルタであって、イ
ンダクタンス素子をチップ部品とするとともに、前記イ
ンダクタンス素子は、実用周波数帯域が1〜6GHzで
あり、50nH以下の微小インダクタンスを有し、しか
も、基台と、前記基台上に設けられた導電膜と、前記基
台の中央部に設けられた導電膜に横向きに形成されたス
パイラル状の溝と、前記基体の両端部に設けられた端子
部とを備えており、前記端子部には他の部品かもしくは
前記基板上に形成された配線と直接接合されており、し
かも前記スパイラル状の溝の軸心は前記基板に沿うよう
に前記インダクタンス素子が前記基板に実装されている
事によって、フィルタ及びそのフィルタを搭載する電子
機器の小型化を行うことが出来る。更には、高周波信号
に対する減衰特性などの諸特性を向上させることがで
き、他の部品からの影響による特性変動が無く、しかも
損失が低く抑えることができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】請求項10記載の発明は、チップ部品であ
るインダクタンス素子とチップ部品であるコンデンサを
直接接合して構成されたフィルタであって、前記インダ
クタンス素子は、基台と、前記基台上に設けられた導電
膜と、前記基台の中央部に設けられた導電膜に横向きに
形成されたスパイラル状の溝と、前記基体の両端部に設
けられた端子部とを備えており、前記インダクタンス素
子とコンデンサのそれぞれの端子部を直接接合して得ら
れた接合体を一部の端子部を露出させるようにモールド
するか、ケース内に収納した事によって、耐候性や機械
的強度を著しく向上させることができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】請求項11に記載の発明は、2GHz以上
の高周波に対応でき、容量とインダクタンスを並列に接
続した回路構成となる共振器と、前記共振器に電気的に
接続される受動素子とを基板上に実装したフィルタであ
って、共振器としてインダクタンス素子型共振器を用い
るとともに、前記インダクタンス素子型共振器をチップ
部品とするとともに、前記インダクタンス素子型共振器
は、実用周波数帯域が1〜6GHzであり、50nH以
下の微小インダクタンスを有し、しかも、基台と、前記
基台上に設けられた導電膜と、前記基台の中央部に設け
られた導電膜に横向きに形成されたスパイラル状の溝
と、前記基体の両端部に設けられた端子部とを備えてお
り、前記端子部には他の部品かもしくは前記基板上に形
成された配線と直接接合されており、しかも前記スパイ
ラル状の溝の軸心は前記基板に沿うように前記インダク
タンス素子型共振器が前記基板に実装されている事によ
って、非常に小型で、しかも自己共振周波数を高くする
ことができ、高周波領域のスプリアス特性を改善するこ
とができ、しかも信号の劣化を非常に小さくすることが
できる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】請求項21記載の発明は、請求項1〜20
において、長さL1,幅L2,高さL3を、 L1=0.5〜1.8mm L2=0.2〜1.0mm L3=0.2〜1.0mm としたインダクタンス素子を用いたことによって、非常
に小型のインダクタンス素子を用いるので、フィルタ自
体を非常に小型化に形成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 磯崎 賢蔵 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5E070 AA01 AA05 AB01 BA01 CA06 CC03 CC10 DA02 DA05 DA11 DA15 DA17 DA20 DB02 DB08 EA01 5E336 AA04 AA10 AA12 AA13 BC34 BC36 CC32 CC43 CC51 EE01 EE03 GG30 5J024 AA01 BA03 CA04 DA03 DA27 DA35 EA01 EA02 EA03

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インダクタンス素子とコンデンサを接続し
    て得られるフィルタであって、インダクタンス素子を基
    台の両端部の上に直接端子部を備え前記端子部が他の部
    品かもしくは他の配線に直接接続可能なチップ型部品と
    した事を特徴とするフィルタ。
  2. 【請求項2】インダクタンス素子とコンデンサの双方を
    チップ型部品とした事を特徴とする請求項1記載のフィ
    ルタ。
  3. 【請求項3】配線パターンを備えた基板上にインダクタ
    ンス素子とコンデンサの双方を設け、前記配線パターン
    よって、前記インダクタンス素子及びコンデンサを電気
    的に接続した事を特徴とする請求項1,2いずれか1記
    載のフィルタ。
  4. 【請求項4】複数のコンデンサを直列に接続し、前記複
    数のコンデンサ間にインダクタンス素子の一方の端子部
    を接続し、他方の端子部を基板上に設けられた接地用の
    導電パターンに接続した事を特徴とする請求項3記載の
    フィルタ。
  5. 【請求項5】複数のインダクタンス素子を直列に接続
    し、前記複数のインダクタンス素子の間にコンデンサの
    一方の端子部を接続し、他方の端子部を基板上に設けら
    れた接地用の導電パターンに接続した事を特徴とする請
    求項3記載のフィルタ。
  6. 【請求項6】基板上にカバーを設けた事を特徴とする請
    求項3〜5記載いずれか1記載のフィルタ。
  7. 【請求項7】カバーに表示部を設けた事を特徴とする請
    求項6記載のフィルタ。
  8. 【請求項8】複数のコンデンサを前記複数のコンデンサ
    の端子部同士を直接当接させて直列に接続するととも
    に、前記複数のコンデンサの端子部同士を接合した部分
    とインダクタンス素子の一方の端子部を接合した事を特
    徴とする請求項1記載のフィルタ。
  9. 【請求項9】複数のインダクタンス素子を前記複数のイ
    ンダクタンス素子の端子部同士を直接当接させて直列に
    接続するとともに、前記複数のインダクタンス素子の端
    子部同士を接合した部分とコンデンサ素子の一方の端子
    部を接合した事を特徴とする請求項1記載のフィルタ。
  10. 【請求項10】インダクタンス素子とコンデンサ素子の
    接合体を一部の端子部を露出させるようにモールドする
    か、ケース内に収納した事を特徴とする請求項8,9何
    れか1記載のフィルタ。
  11. 【請求項11】容量とインダクタンスを並列に接続した
    回路構成となる共振器と、前記共振器に電気的に接続さ
    れる受動素子とを有するフィルタであって、共振器とし
    てインダクタンス素子型共振器を用いるとともに、前記
    インダクタンス素子型共振器は基台の両端部の上に直接
    端子部を備え、前記端子部が受動素子か回路配線に直接
    接続可能なチップ型部品とした事を特徴とするフィル
    タ。
  12. 【請求項12】配線パターンを備えた基板上にインダク
    タンス素子型共振器と受動素子の双方を実装し、前記配
    線パターンよって、前記インダクタンス素子型共振器及
    び受動素子を電気的に接続した事を特徴とする請求項1
    1記載のフィルタ。
  13. 【請求項13】受動素子としてコンデンサ素子かインダ
    クタンス素子の少なくとも一方を使用し、前記受動素子
    を直列に複数接続するとともに、前記受動素子間にイン
    ダクタンス素子型共振器の一方の端子部を接続するとと
    もに、前記インダクタンス素子の他の端子部を接地され
    た導電パターンに接続する事を特徴とする請求項12記
    載のフィルタ。
  14. 【請求項14】受動素子として第1のコンデンサ素子か
    インダクタンス素子の少なくとも一方を使用し、前記受
    動素子を直列に複数接続し、更に第2のコンデンサ素子
    とインダクタンス素子型共振器を直列に接続し、前記受
    動素子間に前記第2のコンデンサ素子の一方の端子部を
    接続するとともに、前記インダクタンス素子型共振器の
    一方の端子部を接地された導電パターンに接続する事を
    特徴とする請求項12記載のフィルタ。
  15. 【請求項15】インダクタンス素子型共振器と並列に他
    のコンデンサ素子を接続した事を特徴とする請求項11
    〜14いずれか1記載のフィルタ。
  16. 【請求項16】基板上にカバーを設けた事を特徴とする
    請求項12〜16記載いずれか1記載のフィルタ。
  17. 【請求項17】カバーに表示部を設けた事を特徴とする
    請求項17記載のフィルタ。
  18. 【請求項18】カバーを電磁波シールド材料で構成した
    事を特徴とする請求項16,17いずれか1記載のフィ
    ルタ。
  19. 【請求項19】受動素子とインダクタンス型共振器の双
    方をチップ型部品とした事を特徴とする請求項11〜1
    8いずれか1記載のフィルタ。
  20. 【請求項20】受動素子とインダクタンス素子型共振器
    の双方を断面四角形状の角柱形状とした事を特徴とする
    請求項19記載のフィルタ。
  21. 【請求項21】基台と、前記基台上に形成された導電膜
    と、前記導電膜に設けられた溝と、前記基台の両端に設
    けられた端子部とを備え、長さL1,幅L2,高さL3
    を、 L1=0.5〜1.8mm L2=0.2〜1.0mm L3=0.2〜1.0mm としたインダクタンス素子を用いたことを特徴とする請
    求項1〜20いずれか1記載のフィルタ。
  22. 【請求項22】導電膜を設けた基台に段落ち部を設け、
    その段落ち部の深さL4を5μm〜50μmとしたこと
    を特徴とする請求項21記載のフィルタ。
  23. 【請求項23】基台の端子部に端子電極を設けるととも
    に、基台の中央部にスパイラル状の溝を設けたことを特
    徴とする請求項21記載のフィルタ。
  24. 【請求項24】基台の両端部を多角形状としたことを特
    徴とする請求項21記載のフィルタ。
  25. 【請求項25】溝はレーザ加工によって形成されている
    ことを特徴とする請求項21記載のフィルタ。
  26. 【請求項26】導電膜の表面粗さを1.0μm以下とし
    たことを特徴とする請求項21記載のフィルタ。
  27. 【請求項27】50nH以下のインダクタンスを有し、
    800MHz以上の周波数に対してQ値が30以上であ
    る導電膜を有することを特徴とする請求項21記載のフ
    ィルタ。
  28. 【請求項28】基台を、 体積固有抵抗:1013Ωm以上 熱膨張係数:5×10-4以下/℃[20℃〜500℃に
    おける熱膨張係数] 比誘電率:1MHzにおいて12以下 曲げ強度:1300kg/cm2以上 密度:2〜5g/cm3 となるように構成したことを特徴とする請求項21記載
    のフィルタ。
  29. 【請求項29】基台の構成材料としてアルミナを含むこ
    とを特徴とする請求項28記載のインダクタンス素子。
  30. 【請求項30】基台の表面粗さを0.15〜0.5μm
    としたことを特徴とする請求項21記載のインダクタン
    ス素子。
  31. 【請求項31】基台の端部の表面粗さと前記基台の溝を
    設けた部分及びその近傍の表面粗さを異ならせたことを
    特徴とする請求項30記載のフィルタ。
  32. 【請求項32】基台の両端部の高さをそれぞれZ1,Z
    2としたときに、 |Z1−Z2|≦80μm とした事を特徴とする請求項21記載のフィルタ。
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