JP2000012832A - 静電誘導サイリスタ - Google Patents

静電誘導サイリスタ

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JP2000012832A
JP2000012832A JP10179939A JP17993998A JP2000012832A JP 2000012832 A JP2000012832 A JP 2000012832A JP 10179939 A JP10179939 A JP 10179939A JP 17993998 A JP17993998 A JP 17993998A JP 2000012832 A JP2000012832 A JP 2000012832A
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slit
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cathode
induction thyristor
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JP10179939A
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Inventor
Mitsuru Hanakura
満 花倉
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静電誘導サイリスタ(SITh)のスイッチ
ング性能を改善する。 【解決手段】 ノーマリーON型SIThのカソードス
リット3の中央部分にp型ベース層8を形成してカソー
ドスリット3に構成されるSIThを部分的にノーマリ
ーOFF型にする。ターンオフに失敗して熱破壊する原
因は、ターンオフ期間後半に主電流が特定の個所に集中
するためである。カソードスリットではその電流集中が
カソードスリットの長手方向の中央部で発生する。カソ
ードスリット中央部にp型ベース層8を形成すると、こ
の付近がノーマリーOFF型となるので、カソードスリ
ット中央部分のターンOFF時間が短くなり、先にター
ンオフされる。それでターンオフ時間後半に中央部付近
で電流集中が発生しにくくなり、電流集中が緩和され、
最大可制御電流が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電誘導サイリス
タ(または電界制御サイリスタ:Field Controlled Thy
ristor)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自己消弧形の半導体デバイスは電力変換
の容易さから種々の応用機器に使用されているが、電気
エネルギーの高効率利用のためには、高速動作が可能で
かつ低損失なデバイスの開発が強く望まれている。静電
誘導サイリスタ(以下SIThと略す)は高電圧,大電
流領域で高速動作可能な次世代の電力用半導体デバイス
として注目されており、電力分野への適用面から現在ゲ
ートターンオフサイリスタ(GTO)で達成されている
ピーク繰り返しオフ電圧4500V,繰り返し可制御オ
ン電流3000Aクラス以上のデバイスの出現が望まれ
ている。
【0003】図16は、SIThの要部の断面構造を示
すもので、このSIThはP層6(アノード層)、N-
層5(ベース層)、N層3(カソード層)およびP層4
(ゲート層)によって構成されている。
【0004】SIThはN-型の基板5の一方の主面に
P型のアノード層6を形成し、その反対側の主面にP型
のゲート層4およびN型のカソード層3を交互に配置し
た構造のデバイスである。SIThは図16の点線aで
囲まれた単位エレメントを複数個並列に動作させること
により電流容量を増やすことが可能なデバイスである。
【0005】具体的には図10に示すような、スリット
状のカソード層3(以下カソードスリットと呼ぶ)が複
数個集積されることにより電流容量を増やすことが可能
である。この図は素子をカソード面側から見た図で、カ
ソードスリットは放射状に配置されている。
【0006】ゲート集電極部は図10では素子中央に配
置されているいわゆるセンターゲート構造であるが、こ
れ以外にカソードスリット部外周部に集電極を形成する
外ゲート構造、カソードスリット部に挟まれるように集
電極を形成する中間ゲート構造などがある。
【0007】図17はこのカソードスリット部を拡大し
た図で、図16の断面図に対応している。ただし、説明
しやすいようにカソード電極1およびゲート電極2は省
略して描いてある。以後この部分の拡大図を示す場合
は、同様に電極は省略して示す。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】SIThは変換効率が
他の電力用半導体素子に比べて高い。それで、高圧大容
量のSIThが実現できれば、エネルギー応用分野での
進歩が期待できる。SIThの高圧大容量化のための特
性の一つがスイッチング特性である。
【0009】SIThには、スイッチング性能の大きく
異なる2種類のタイプの素子がある。図16に示したS
IThはノーマリー・オンタイプ(以下N−ON型と略
す)で、ゲート・カソード間に逆バイアスを印加しない
状態でオン状態にある素子である。
【0010】もう一つのタイプは図18に示すようにカ
ソードエミッタ層直下にpベース層8を設けたノーマリ
ー・オフタイプ(以下N−OFF型と略す)で、ゲート
・カソード間に逆バイアスを印加しない状態でオフ状態
にある素子である。
【0011】N−ON型素子はゲートの逆バイアスを切
るだけで容易にオン状態に移行できるのでターンオン時
間が短いという利点がある。しかしながら、ターンオフ
時は逆にゲートに逆バイアスをかけて、ゲート層付近の
nベース層に逆バイアスにより空乏層が形成され、隣接
した空乏層が接続されて主電流経路が閉じられるまでタ
ーンオフ動作が始まらないためにターンオフ時間が長い
という欠点がある。
【0012】一方N−OFF型素子はpベース層がある
ためにゲートの逆バイアスを切るだけではオン状態に移
行せず、積極的にゲート・カソード間に順電流を流す必
要があるため、ターンオン時間が比較的長いという欠点
がある。しかしながら、ターンオフ時はpベース層があ
るために上記の隣接する空乏層が接続する前にターンオ
フ動作が始まるのでターンオフ時間が比較的短いという
欠点がある。
【0013】また、大容量SIThでは数千〜数十万本
ものカソードスリットからなるために、これらのカソー
ドスリットをスイッチング時にいかに均一に動作させる
かが重要である。例えば、ターンオン時の動作が不均一
であればターンオンしやすいカソードスリットに主電流
が局部的に集中して素子破壊しやすくなる。つまり、い
わゆるdi/dt耐量が低下する。ターンオフ時の動作
が不均一であれば、逆にターンオフしやすいカソードス
リットに主電流が局部的に集中して素子破壊しやすくな
る。つまり、いわゆる最大可制御電流が低下する。
【0014】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、これまで決して試み
られることの無かったN−ON型素子とN−OFF型素
子を組み合わせることで静電誘導サイリスタのスイッチ
ング性能を改善した大容量の電力用半導体素子を提供す
ることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明は、n型半導体
基板の一方の主面に複数のスリット状のn型カソード領
域を、他方の主面にp型アノード領域をそれぞれ備え、
前記カソード領域との間に電流経路となるn型高比抵抗
領域を備え、電流のオン・オフの制御を行うためのp型
ゲート領域を備えた静電誘導サイリスタにおいて、前記
スリット状のn型カソード領域の中央付近の直下にp型
ゲート層に接続されているp型ベース層を部分的に形成
し、ノーマリーオン型の特性を示すカソードスリット領
域の中央付近を局部的にノーマリーオフ型の特性を示す
構造とする。
【0016】または、前記p型ベース層が形成されてい
ない部分のn型カソード領域の周辺、またはn型カソー
ド領域の周辺に、n型カソード領域よりも浅い深さのp
型層を形成し、カソードスリット領域全体をノーマリー
オフ型の特性を示す構造とする。 または、前記p型ベ
ース層が形成されていない部分のn型カソード領域の直
下にもp型ゲート層に接続されているp型ベース層を形
成し、後者のp型ベース層の方が前者のp型ベース層に
比べて、深さが浅いかもしくは不純物濃度が低いか、ま
たはその両方とする。
【0017】または、前記スリット状のn型カソード領
域の中央付近に形成されたp型ベース層と同様のp型ベ
ース層を、n型カソード領域の中央部分付近以外の部分
にも形成し、前記p型ベース層をスリットあたり複数個
所形成する。
【0018】または、前記スリット状のn型カソード領
域の中央付近の直下にフローティング層となっているp
型ベース層を部分的に形成し、ノーマリーオン型の特性
を示すカソードスリット領域の中央付近が局部的にノー
マリーオフ型の特性を示す構造とする。
【0019】または、前記p型ベース層はスリット状の
n型カソード領域の直下にスリット状に形成する。
【0020】または、前記p型ベース層は少なくとも一
部分で前記p型ゲート層にp型層で接続する。
【0021】または、前記スリット状のn型カソード領
域の中央付近の直下にp型ゲート層に接続されているp
型ベース層を形成したノーマリーオフ型の特性を示すス
リット状のn型カソード領域とp型ベース層を形成しな
いノーマリーオン型の特性を示すスリット状のn型カソ
ード領域を混在させる。
【0022】または、外部のゲート端子に直接接続され
るゲート集電電極部を有し、かつ前記スリット状のn型
カソード領域の中央付近に形成されたp型ベース層は、
ゲート集電電極部に近い位置のスリット状のカソード領
域ほど広い領域になるようにし、各カソード領域のター
ン特性を均一にする。
【0023】または、外部のゲート端子に直接接続され
るゲート集電電極部を有し、かつ、前記スリット状のn
型カソード領域の中央付近に形成されたp型ベース層
は、ゲート集電電極部に近い位置のスリット状のカソー
ド領域ほど狭い領域になるようにし、ターンオフ特性を
均一にする。
【0024】または、外部のゲート端子に直接接続され
るゲート集電電極部を有し、かつ、前記スリットあたり
複数個所形成されるp型ベース層の数を、ゲート集電電
極部に近い位置のスリット状のカソード領域ほど多くな
るようにし、各カソード領域のターンオン特性を均一と
する。
【0025】または、外部のゲート端子に直接接続され
るゲート集電電極部を有し、かつ、前記スリットあたり
複数個所形成されるp型ベース層の数を、ゲート集電電
極部に近い位置のスリット状カソード領域ほど少なくな
るようにし、各カソード領域ターンオフ特性を均一とす
る。
【0026】または、前記n型高比抵抗とp型アノード
領域との間に比較的高濃度のnバッファ層を設ける。
【0027】または、前記n型高抵抗領域またはnバッ
ファ層とアノード電極を短絡するn型短絡層を設ける。
【0028】前記静電誘導サイリスタをダイオードが逆
並列に集積された逆導通型静電誘導サイリスタとする。
【0029】
【発明の実施の形態】実施の形態1 図1に実施の形態1にかかる半導体素子のカソードスリ
ット部の平面構造を示す。この半導体素子はN−ON型
SITh(図16,図17)のカソードスリットの一部
分(中央部分)にp型ベース層8を形成することによ
り、カソードスリット部に構成されるSIThが部分的
にN−OFF型になるようにしたものである。しかし
て、図1のX−X′断面は図16のN−ON型の断面構
造、Y−Y′断面は図18のN−OFF型の断面構造と
なっている。
【0030】各々のカソードスリットのターンオン特性
はN−ON部で律則されるので、この素子はN−ON型
素子とほぼ同等のターンオン時間の短い優れたターンオ
ン特性を示す。一方、ターンオフ特性はN−OFF型素
子と同等の短いターンオフ時間にはならないが、N−O
N型素子と比べてN−OFF部の分だけは若干改善され
る。
【0031】この素子のターンオフ特性で特筆すべき点
は、ターンオフ可能な電流能力である最大可制御電流が
N−OFF素子よりも向上することである。最大可制御
電流は所定の条件で素子がターンオフできる最大の電流
で、これを超える電流をターンオフすると素子はターン
オフに失敗して熱破壊を起こしてしまう。
【0032】この熱破壊の原因は、ターンオフ期間後半
に主電流が特定の個所に集中するために起こるものであ
る。この電流集中を緩和させればそれだけ最大可制御電
流は向上する。カソードスリットではその電流集中は長
手方向のほぼ中央で発生することが、シミュレーション
や実験から知られている。
【0033】図1はカソードスリット中央部にp型ベー
ス層8を形成して、この付近をN−OFF型素子にして
いるが、N−ON型素子に比べてN−OFF型素子の方
がターンオフ時間は短いので、カソードスリット中央部
付近が先にターンオフされる。それで、ターンオフ時間
後半に中央部付近で電流集中が発生しにくくなり、電流
集中が緩和され、その結果最大可制御電流が向上する。
【0034】実際に10mm角チップの耐圧1500V
のSIThを試作して比較したところ、ターンオン特性
は同等のN−ON型素子とほぼ同等で、最大可制御電流
は約2割向上した。
【0035】図1のN−ON型部とN−OFF型部とで
はゲートカソード間の逆方向耐圧が異なる。SIThの
ターンオフはゲート・カソード間に逆方向電流を流すこ
とにより行われるので、これらの逆方向耐圧は均一であ
る方が望ましい。
【0036】そこで、図2に示すように、図1のp型ベ
ース層8以外のカソードスリット部にも、N−OFF型
にならない程度の深さの浅いp型層9を形成する。これ
により、N−ON部の逆方向耐圧がN−OFF部の逆方
向耐圧により近い値または等しくなる。
【0037】実施の形態2 図3に実施の形態2にかかるり半導体素子のカソードス
リット部の平面構造を示す。この半導体素子はN−ON
型SITh(図16,図17)のカソードスリットの全
体をN−OFF型にしたものである。ただし、中央部分
のp型ベース層8Aとその両側のp型ベース層8Bとで
は、層8Bの不純物濃度をより高くしてある。このた
め、電流集中緩和の作用が働き、最大可制御電流は向上
する。
【0038】また、不純物濃度は同じでも層8Bの深さ
をより深く形成しても同じ効果が得られる。つまり、層
8Bの単位面積当たりの不純物総量(ドーズ量)をより
多くすれば同じ効果が得られる。
【0039】実施の形態3 図4は実施の形態3にかかる半導体素子のカソードスリ
ット部の平面構造を示す。この半導体素子は実施の形態
1(図1)と同様のp型ベース層8をカソードスリット
の長さ方向に複数個所に形成したものである。そのた
め、ターンオフ期間後半の電流集中はさらに緩和され
て、最大可制御電流が向上する。
【0040】実施の形態4 図5に実施の形態4にかかる半導体素子のカソードスリ
ット部の平面構造を示し、図6にそのZ−Z′断面構造
を示す。この半導体素子は、p型ベース8Cをp型ゲー
ト層4と接続しないで、いわゆるフローティングに形成
したものである。この実施の形態4は実施の形態2と逆
に、完全なN−ON型素子である。それで、ターンオン
特性が特にすぐれているが、フローティングのp型ベー
ス層8Cにより電流集中が緩和され、最大可制御電流は
向上する。
【0041】特に、図5のようにフローティングのp型
ベース層8Cをカソード層3に合わせてスリット状に形
成すれば、カソードスリットの幅方の電流集中も緩和さ
れて最大可制御電流は向上に効果的である。図7のよう
に、このスリット状のp型ベース層8Dの一部をp型ゲ
ート層4に接続すれば、完全なN−ON型では無くなる
が、ゲート電流がより流れやすくなるのでターンオフ時
間は短くなる。
【0042】以上の本発明のバリエーションは、実際の
素子が種々の用途からどの特性が優先して要求されるか
により選択される。
【0043】以上の本発明の種々の実施例はいわゆるp
nベース構造(またはノンパンチスルー構造)で説明し
たが、図8に示すようなnベース層5にnバッファ層1
0を付加したいわゆるpinベース構造(パンチスルー
構造)のSIThにも同様に適用できる。
【0044】また、図9に示すようなnベース層5とア
ノード電極7とをnショート層11によって短絡した、
いわゆるアノードショート構造のSIThにも同様に適
用できる。さらに、pinベース構造にアノードショー
ト構造を組み合わせた構造のSIThにも同様に適用で
きる。
【0045】実施の形態5 図11に実施の形態5にかかる半導体素子のカソードス
リット部の配置を示す。センタゲート構造の素子は図1
0のように、外部のゲート端子に直接接続されるゲート
集電極のまわりに放射状でかつ同心円にカソードスリッ
トが配置されている。
【0046】先に述べたターンオフ時の電流集中は、先
に述べたようにカソードスリット部内でも発生するが、
それ以外にカソードスリット間の特性ばらつきなどによ
って生じる局部的なカソードスリットへの電流集中も無
視できない。
【0047】例えば、最大可制御電流が1Aのカソード
スリットを1000本配置した大容量素子を作成して
も、この素子の最大可制御電流は本数から類推される1
000Aには決してならず、実際はその数分一程度にし
かならない。これは素子の特性のばらつきにより、ター
ンオフ時に少数のカソードスリットに電流が集中するた
めである。理想的にはこの特性ばらつきを無くせば良い
わけであるが、現実にはゲート集電極との位置関係、製
作時の微少なばらつき等の避けられない特性ばらつきの
原因がある。
【0048】実施の形態5の素子は、上記特性ばらつき
による少数カソードスリットへの電流集中緩和を狙った
もので、図11に示すように、N−ON型のカソードス
リット3AとN−OFF型のカソードスリット3Bが交
互に配置した構成となっている。
【0049】N−OFF型のカソードスリット3Bの方
がターンオフ時間が短いため、電流集中はN−ON型の
カソードスリット3Aで発生する。しかし、各々のN−
ON型カソードスリットはN−OFF型のカソードスリ
ット3Bにより分離されているため、局部の少数のカソ
ードスリットに発生する電流集中は大幅に緩和される。
つまり、最大可制御電流が向上する。また、N−ON型
のカソードスリットがまんべんなく配置されているた
め、N−OFF型のカソードスリットのみの素子に比べ
て、より高いdi/dt耐量などの優れたターンオン特
性を示す。
【0050】実施の形態6 図12に実施の形態6にかかる半導体素子のカソードス
リット部の平面構造を示す。この素子は実施の形態1
(図1)と同様に中央部分にp型ベース層8を有するカ
ソードスリット3を図10のような大口径素子に適用し
て、ゲート集電極との位置関係によりp型ベース層8の
面積を変化させて、つまりN−OFF部分面積を変化さ
せて、特性の向上を図ったものである。
【0051】例えば図10のような素子では、ゲート集
電極に近いカソードスリットほど、つまりこの場合内周
のカソードスリットほど、ターンオンおよびターンオフ
の時間が短くなる。
【0052】そこで、ゲート集電極に近いカソードスリ
ットほどp型ベース層の面積が大きくなるように(図1
2(b)のように)して、ゲート集電極に遠いカソード
スリットほどp型ベース層の面積が小さくなるように
(図12(a)のように)してやれば、素子内でターン
オン時間がより平均化されて、素子のターンオン時のd
i/dtが向上する。
【0053】逆に、ゲート集電極に近いカソードスリッ
トほどp型ベース層の面積が小さくなるように(図12
(a)のように)して、ゲート集電極に遠いカソードス
リットほどp型ベース層の面積が大きくなるように(図
12(b)のように)してやれば、素子内でターンオフ
時間がより平均化されて、素子の最大可制御電流が向上
する。
【0054】実施の形態6はターンオフ時間を平均化す
るために実施の形態1のp型ベース層8の面積を変えた
例であるが、実施の形態2〜4についても同時にNO−
OFF部の程度を変化させることによって同様の効果が
得られる。例えば、実施の形態3(図4)を適用する場
合図13(a),(b)に示すようにp型ベース層8の
本数を変化させればよい。
【0055】以上SIThについて本発明の実施の形態
を説明したが、SIThとダイオードを逆並列に集積し
た逆導通SIサイリスタのSITh部にも、本発明が適
用できる。
【0056】図14はSIサイリスタとダイオードを逆
並列に集積した逆導通SIサイリスタの断面図である。
このダイオードは、SIサイリスタをインバータ制御等
に用いる場合に逆並列に接続されるフリーホイリングダ
イオードをモノリシックに形成したもので、分離部を介
して同一素子ウェーハに形成される。図15はそのSI
Thのカソード電極側から見た素子の一例である。ダイ
オード部はSITh部の外周に形成されている。このS
ITh部に上記で説明した実施例がすべて適用可能で、
同様の効果が得られることは明らかである。この例とは
逆に、ダイオード部の外周にSITh部が形成される構
造の逆導通SIサイリスタにおいても上記で説明した実
施例がすべて適用可能で、同様の効果が得られることは
明らかである。
【0057】
【発明の効果】この発明は、上述のとおり構成されてい
るので、高いdi/dt耐量と大きい最大可制御電流を
もつ大面積の大容量の静電誘導サイリスタが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1にかかる静電誘導サイリスタのカ
ソードスリットの拡大平面構造図。
【図2】同半静電誘導サイリスタ断面構成図。
【図3】実施の形態2にかかる静電誘導サイリスタのカ
ソードスリットの拡大平面構造図。
【図4】実施の形態3にかかる静電誘導サイリスタのカ
ソードスリットの拡大平面構造図。
【図5】実施の形態4にかかる静電誘導サイリスタのカ
ソードスリットの拡大平面構造図。
【図6】同静電誘導サイリスタ断面構造図。
【図7】同静電誘導サイリスタのカソードスリットの他
の例を示す拡大平面構造図。
【図8】同静電誘導サイリスタ断面構造図。
【図9】同静電誘導サイリスタのアノード構造を変えた
場合の断面構造図。
【図10】静電誘導サイリスタのカソードスリットの配
置例を示す平面図。
【図11】実施の形態5にかかる静電誘導サイリスタの
カソードスリットの配置を示す平面図。
【図12】実施の形態6にかかる静電誘導サイリスタの
カソードスリットの拡大平面構造図。
【図13】同静電誘導サイリスタのカソードスリットの
他の例を示す拡大平面構造図。
【図14】逆導通静電誘導サイリスタの断面構造図。
【図15】同静電誘導サイリスタのカソードスリットの
配置を示す平面図。
【図16】従来静電誘導サイリスタの断面構造図。
【図17】従来同静電誘導サイリスタのカソードスリッ
ト部の拡大平面構造図。
【図18】他の従来例にかかる静電誘導サイリスタのカ
ソードスリット部の拡大平面構造図。
【符号の説明】
1…カソード電極 2…ゲート電極 3…n型エミッタ層(カソード層,カソード領域,カソ
ードスリット) 4…p型ゲート層 5…半導体基板であるn型ベース層 6…p型エミッタ層(アノード領域) 7…アノード電極 7A…共通電極 8…p型ベース層 8A…比較的高濃度のp型ベース層(もしくは比較的に
深いp型ベース層) 8B…比較的低濃度のp型ベース層(もしくは比較的に
浅いp型ベース層) 8C…フローティングのp型ベース層 8D…一部がp型ゲート層4に接続されたp型ベース層 9…p型層 10…n型バッファ層 11…n型ショート層 12…ダイオードのp型アノード層 13…ダイオードのn型カソード層 14…ダイオードのアノード電極。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 n型半導体基板の一方の主面に複数のス
    リット状のn型カソード領域を、他方の主面にp型アノ
    ード領域をそれぞれ備え、前記カソード領域との間に電
    流経路となるn型高比抵抗領域を備え、電流のオン・オ
    フの制御を行うためのp型ゲート領域を備えた静電誘導
    サイリスタにおいて、 前記スリット状のn型カソード領域の中央付近の直下に
    p型ゲート層に接続されているp型ベース層を部分的に
    形成し、ノーマリーオン型の特性を示すカソードスリッ
    ト領域の中央付近を局部的にノーマリーオフ型の特性を
    示す構造としたことを特徴とする静電誘導サイリスタ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記p型ベース層が形成されていない部分のn型カソー
    ド領域の周辺、またはn型カソード領域の周辺に、n型
    カソード領域よりも浅い深さのp型層が形成されている
    ことを特徴とする静電誘導サイリスタ。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記p型ベース層が形成されていない部分のn型カソー
    ド領域の直下にもp型ゲート層に接続されているp型ベ
    ース層を形成し、後者のp型ベース層の方が前者のp型
    ベース層に比べて、深さが浅いかもしくは不純物濃度が
    低いか、またはその両方であることを特徴とする静電誘
    導サイリスタ。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1つにおい
    て、 前記スリット状のn型カソード領域の中央付近に形成さ
    れたp型ベース層と同様のp型ベース層を、n型カソー
    ド領域の中央部分付近以外の部分にも形成し、前記p型
    ベース層がスリットあたり複数個所形成されていること
    を特徴とする静電誘導サイリスタ。
  5. 【請求項5】 n型半導体基板の一方の主面に複数のス
    リット状のn型カソード領域を、他方の主面にp型アノ
    ード領域をそれぞれ備え、前記カソード領域とアノード
    領域との間に電流経路となるn型高比抵抗領域を備え、
    電流のオン・オフの制御を行うためのp型ゲート領域を
    備えた静電誘導サイリスタにおいて、 前記スリット状のn型カソード領域の中央付近の直下に
    フローティング層となっているp型ベース層を部分的に
    形成し、ノーマリーオン型の特性を示すカソードスリッ
    ト領域の中央付近が局部的にノーマリーオフ型の特性を
    示す構造としたことを特徴とする静電誘導サイリスタ。
  6. 【請求項6】 請求項5において、 前記p型ベース層はスリット状のn型カソード領域の直
    下にスリット状に形成されていることを特徴とする静電
    誘導サイリスタ。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 前記p型ベース層は少なくとも一部分で前記p型ゲート
    層にp型層で接続されていることを特徴とする静電誘導
    サイリスタ。
  8. 【請求項8】 n型半導体基板の一方の主面に複数のス
    リット状のn型カソード領域を、他方の主面にp型アノ
    ード領域をそれぞれ備え、前記カソード領域とアノード
    領域との間に電流経路となるn型高比抵抗領域を備え、
    電流のオン・オフの制御を行うためのp型ゲート領域を
    備えた静電誘導サイリスタにおいて、 前記スリット状のn型カソード領域の中央付近の直下に
    p型ゲート層に接続されているp型ベース層を形成した
    ノーマリーオフ型の特性を示すスリット状のn型カソー
    ド領域とp型ベース層を形成しないノーマリーオン型の
    特性を示すスリット状のn型カソード領域を混在させた
    ことを特徴とする静電誘導サイリスタ。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし3のいずれか1つにおい
    て、 外部のゲート端子に直接接続されるゲート集電電極部を
    有し、かつ前記スリット状のn型カソード領域の中央付
    近に形成されたp型ベース層は、ゲート集電電極部に近
    い位置のスリット状のカソード領域ほど広い領域になる
    ようにし、各カソード領域のターン特性を均一にしたこ
    と特徴とする静電誘導サイリスタ。
  10. 【請求項10】 請求項1〜3のいずれか1つにおい
    て、 外部のゲート端子に直接接続されるゲート集電電極部を
    有し、かつ、前記スリット状のn型カソード領域の中央
    付近に形成されたp型ベース層は、ゲート集電電極部に
    近い位置のスリット状のカソード領域ほど狭い領域にな
    るようにし、ターンオフ特性を均一にしたことを特徴と
    する静電誘導サイリスタ。
  11. 【請求項11】 請求項4において、 外部のゲート端子に直接接続されるゲート集電電極部を
    有し、かつ、前記スリットあたり複数個所形成されるp
    型ベース層の数を、ゲート集電電極部に近い位置のスリ
    ット状のカソード領域ほど多くなるようにし、各カソー
    ド領域のターンオン特性を均一としたことを特徴とする
    静電誘導サイリスタ。
  12. 【請求項12】 請求項4において、 外部のゲート端子に直接接続されるゲート集電電極部を
    有し、かつ、前記スリットあたり複数個所形成されるp
    型ベース層の数を、ゲート集電電極部に近い位置のスリ
    ット状カソード領域ほど少なくなるようにし、各カソー
    ド領域ターンオフ特性が均一となるようにしたことを特
    徴とする静電誘導サイリスタ。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれか1つにおい
    て、 前記n型高比抵抗とp型アノード領域との間に比較的高
    濃度のnバッファ層を設けたことを特徴とする静電誘導
    サイリスタ。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし13のいずれか1つに
    おいて、前記n型高抵抗領域またはnバッファ層とアノ
    ード電極を短絡するn型短絡層を設けたことを特徴とす
    る静電誘導サイリスタ。
  15. 【請求項15】 請求項1ないし4のいずれか1つにお
    いて、 前記静電誘導サイリスタにダイオードが逆並列に集積さ
    れた逆導通型静電誘導サイリスタであることを特徴とす
    る静電誘導サイリスタ。
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