JP2000012005A - アルカリ蓄電池用水素吸蔵合金電極及びその製造方法 - Google Patents

アルカリ蓄電池用水素吸蔵合金電極及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルカリ蓄電池用の水素吸蔵合金電極に使用
される水素吸蔵合金のの活性度を十分に向上させ、充電
時の電池内圧の上昇を抑制し、大電流放電特性に優れた
電極を提供する。 【解決手段】 ニッケルのキレート剤を含有する酸性溶
液で処理された、ニッケル(Ni)を含有する水素吸蔵合
金を用いてアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金電極を構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ蓄電池の
負極として使用されているアルカリ蓄電池用水素吸蔵合
金電極、及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ニッケル・カドミウム蓄電池に比べて2
倍以上の高容量で、且つ、環境適合性にも優れたニッケ
ル・水素蓄電池が、次世代のアルカリ蓄電池として注目
されている。
【0003】このニッケル・水素蓄電池の負極に用いる
水素吸蔵合金としては、希土類元素の混合物であるミッ
シュメタル(Mm)を用いたMm系の水素吸蔵合金や、ラーベ
ス(Laves)相系の水素吸蔵合金が使用されている。
【0004】これらの水素吸蔵合金は、一般に、自然酸
化等によってその表面に酸化物等の被膜が形成されるた
め、水素ガスの吸収が十分に行われないことがある。こ
れらの水素吸蔵合金を用いて電極を作製し、電池の負極
に使用した場合には、十分な放電容量が得られず、更
に、充電時に電池内圧が上昇する等の問題があった。
【0005】このため、近年、例えば特開平5-225975号
公報に示される如く、水素吸蔵合金を塩酸等の酸性溶液
に浸漬処理することにより、合金粒子表面の酸化被膜を
溶解・除去し、電気化学的に活性な部位を合金表面に露
出させる方法が提案されている。この結果、水素吸蔵合
金電極の電気化学的活性を向上させることが可能であ
る。
【0006】しかしながら、形成された活性な部位であ
る表面層は、空気中で容易に酸化されてしまうため、依
然として、放電容量を増加させ、電池内圧上昇を十分に
抑制するには至っていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ニッケル・
水素蓄電池の負極に使用する水素吸蔵合金電極での、上
記問題を解決することを課題とするものである。即ち、
水素吸蔵合金の活性度を十分に向上させ、充電時の電池
内圧の上昇を抑制することを目的とする。
【0008】更に、大電流放電特性に優れた水素吸蔵合
金電極を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のアルカリ蓄電池
用水素吸蔵合金電極は、ニッケルのキレート剤を含有す
る酸性溶液で処理された、ニッケル(Ni)を含有する水
素吸蔵合金からなることを特徴とする。
【0010】また、本発明のアルカリ蓄電池用水素吸蔵
合金電極の製造方法は、ニッケル(Ni)を含有する水素
吸蔵合金を、ニッケルのキレート剤を含んだ酸性溶液に
浸漬処理することを特徴とする。
【0011】従来、酸性溶液中に水素吸蔵合金を浸漬、
撹拌する処理は、合金表面の酸化被膜を除去し、電極の
電気化学的活性を向上させるものであった。しかしなが
ら、この処理では、合金表面の酸化被膜だけでなく、水
素吸蔵合金自体も酸性溶液により腐食されるため、合金
表面が空気中で酸化され易い。
【0012】ところが、本発明では、ニッケルのキレー
ト剤を溶解させた酸性溶液で水素吸蔵合金の処理を行う
ものである。これにより浸漬処理後の合金表面には金属
ニッケルを多量に含有する表面層が形成され、合金の表
面酸化に対して優れた耐性を持つとともに、水素ガスの
吸収反応に対して活性な表面層が形成される。上記の表
面層が形成される過程については明らかではないが、キ
レート剤の添加によって合金表面のニッケルが、酸化物
を形成する過程が抑制されるためとであると考えられ
る。これは、処理中に溶出したニッケルイオンがキレー
ト剤によって錯体化するためであり、これにより、空気
中においても安定な金属ニッケル層が形成される。
【0013】また、上記表面層は、希土類元素の溶出に
よって形成されたと考えられる多量の空隙を含んでお
り、電解液がこの空隙中に浸透することにより、水素吸
蔵合金と電解液との接触面積が増大し、これによって、
電極放電反応の過電圧が低下する。
【0014】従って、本発明の水素吸蔵合金電極は優れ
た活性度を持ち、これを負極に用いたニッケル・水素蓄
電池は、充電時の電池内圧上昇を抑制できると共に、優
れた大電流放電特性を有する。
【0015】ここで、上記した電池特性の向上は、アル
ゴンアーク炉で作製した合金は言うまでもなく、ガスア
トマイズ法やロール急冷法等により作製した合金でも同
様の効果が得られる。また、初期放電特性及び内圧特性
の良いアルカリ蓄電池を与える水素吸蔵合金電極を得る
上で、平均粒径100μm以下、特に好ましくは平均粒径8
0μm以下の水素吸蔵合金粉末を使用することが望まし
い。
【0016】本発明において、酸性水溶液に溶解する化
合物としては、上記金属イオンと強固な錯体を形成する
窒素化合物、硫黄化合物等が使用され、特に、2,2'-ビ
ピリジル、ジエチルジチオカルバミン酸塩、2-メルカプ
トベンゾチアゾール、メタニルイエロー、ヘキサシアノ
鉄(III)酸カリウムが好ましい。
【0017】また、酸性溶液中に添加する化合物は、水
素吸蔵合金の重量に対して1.0〜100ppmであることが好
ましい。これは、添加される化合物の量が1.0ppmより少
ないと、水素吸蔵合金の表面に金属ニッケル層を形成す
る効果が弱くなって、上記の効果が小さくなり、一方、
100ppmより大きいと処理後の合金表面に化合物が多量に
付着し、これが電解液との電気化学的な反応を阻害する
恐れがあるからである。
【0018】また、上記酸性溶液としては、塩酸、硝
酸、リン酸が例示される。酸性溶液の好適なpHは0.7〜
2.0である。pHが0.7より低くなると、水素吸蔵合金粒子
の表面に存在する酸化膜を溶解するだけでなく、水素吸
蔵合金表面からバルク層に向かって、水素吸蔵合金自体
の酸性溶液による溶解が進行するからであり、一方、pH
が2.0より高くなると水素吸蔵合金粒子の表面に存在す
る酸化物は被膜を十分に溶解除去できなくなるからであ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を公知の比
較例とともに詳細に説明するが、本発明は下記実施例に
何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範
囲において適宜変更して実施することが可能なものであ
る。
【0020】《実験1》先ずこの実験1では、様々な添
加剤を用いるものと、無添加のものを準備し、その電池
特性に及ぼす影響を調べた。
【0021】(実施例1) [MmNi3.1Co0.8Al0.4Mn0.7合金の作製]出発原料として
のMm(La:25、Ce:50、Pr:6、Nd:19の混合物)、N
i、Co、Al、Mn(純度99.9%の金属単体)を、モル比1.
0:3.1:0.8:0.4:0.7の割合で混合し、アルゴン雰囲
気のアーク溶解炉で溶解させた後、自然放冷して、組成
式MmNi3.1Co0.8Al0.4Mn0.7で表される水素吸蔵合金を作
製した。この水素吸蔵合金のインゴットを空気中で機械
的に粉砕し、平均粒径80μmに調整し、合金粉末とし
た。
【0022】[合金試料の作製]酸性水溶液としてpH=
1.0に調製した塩酸水溶液を準備し、これにニッケルの
キレート剤である2,2'-ビピリジルを10ppm別途に溶解し
たものを添加し、処理液とした。これを25℃に保って、
上記合金粉末を15分間、浸漬、撹拌(浸漬処理)し、吸
引濾過後、水洗乾燥して得られた合金粉末を、合金試料
aとした。
【0023】[電池の組立]上記合金試料aを100重量
部と、結着剤としてのPEO(ポリエチレンオキサイド)
5重量%の水溶液20重量部とを混合して、ペーストを調
製した。このペーストをニッケル鍍金を施したパンチン
グメタルからなる導電性芯体の両面に塗着し、室温で乾
燥した後、所定の寸法に切断して、水素吸蔵合金電極を
作製した。この水素吸蔵合金電極を負極に使用して、AA
サイズの正極支配型のアルカリ蓄電池(電池容量1000mA
h)を作製した。
【0024】ここで正極としては、従来公知の焼結式ニ
ッケル極を、セパレーターとして耐アルカリ性の不織布
を、また、電解液として30重量%水酸化カリウム水溶液
をそれぞれ使用している。そして、この電池を、本発明
に関わる電池Aとした。
【0025】図1は、組み立てた電池の模式的斜視図で
あり、正極1及び負極2、セパレーター3、正極リード
4、負極リード5、正極外部端子6、負極缶7、封口蓋
8などからなる。正極1及び負極2は、セパレーター3
を介して渦巻き状に巻き取られた状態で負極缶7内に収
容されている。また、正極1は正極リード4を介して封
口蓋8に、また、負極2は負極リード5を介して負極缶
7に接続されている。負極缶7と封口蓋8との接合部に
は絶縁性のパッキング10が装着されて電池を密閉してい
る。正極外部端子6と封口蓋8との間には、コイルスプ
リング9が設けられ、電池内圧が異常に上昇した時に圧
縮されて電池内部のガスを大気中に放出できるようにな
っている。
【0026】(実施例2〜5)上記実施例1と同様にし
て2,2'-ビピリジルに代えて、それぞれジエチルジチオ
カルバミン酸ナトリウム、2-メルカプトベンゾチアゾー
ル、メタニルイエロー、ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウ
ムを用い、それぞれ10ppm別途に溶解して処理液を調製
した。これらを25℃に保って、合金粉末を15分間、浸
漬、撹拌し、吸引濾過後、水洗乾燥して得られた合金粉
末を、それぞれ合金試料b〜合金試料eとした。
【0027】この合金試料b〜合金試料eを用いて、同
様にして、本発明に関わる4種類の電池B〜電池Eを作
製した。
【0028】(比較例1)上記実施例1と同様にして2,
2'-ビピリジルに代えて、他の金属元素(白金等)のキレ
ート剤であるピリジンを10ppm別途に溶解して処理液を
調製した。このピリジンは、キレート剤ではあるが、ニ
ッケルとキレート化合物を形成しない化合物である。
【0029】この処理液を25℃に保って、合金粉末を15
分間浸漬撹拌し、吸引濾過後、水洗乾燥して得られた合
金粉末を、合金試料x1とした。そして、この合金試料
x1を用いて、同様にして、比較電池X1を作製した。
【0030】(比較例2)塩酸溶液をpH=1に調製した
処理液を作製し、これを25℃に保って合金粉末を15分間
浸漬撹拌し、吸引濾過後、水洗乾燥し、得られた合金粉
末を合金試料x2とした。この合金試料x2を用いて、
比較電池X2を作製した。
【0031】[電池特性の評価]そして、上記合金試料
a〜合金試料e、合金試料x1、合金試料x2を負極材
料に使用した各アルカリ蓄電池について、電池内圧が10
kgf/cm2に達するまでの充電時間と高率放電容量を測定
した。
【0032】電池内圧特性は、次のとおり測定してい
る。即ち、各電池を、25℃にて電流1.0Cで充電を行い
電池内圧を測定し、電池内圧が10kgf/cm2に達するまで
の充電時間を測定し、内圧特性(min)とした。
【0033】また、電池高率放電特性は、次のとおりで
ある。即ち、各電池を、25℃にて電流0.2Cで6時間充
電した後、1Cで1.0Vまで放電した。その後、同温度
での充電を1Cで1時間、放電を1Cで1.0Vまで行う
充放電を1サイクルとして、4サイクルの試験を行い、
5サイクル目の放電を2Cで1.0Vまで行って、その時
の放電容量(mAh)を求めるというものである。
【0034】この結果を、表1に示す。この表1には、
使用した合金試料、添加剤名、その添加量、電池名、内
圧特性、高率放電容量が示してある。
【0035】
【表1】
【0036】この結果より、合金試料a〜合金試料eを
負極に用いた電池A〜電池Eでは、合金試料x2を負極
に用いた電池X2と比較し、電池内圧が10kgf/cm2に達
するまでの充電時間が長くなっており、充電時の電池内
圧の上昇が抑制されていることが分かる。
【0037】更に、合金試料a〜合金試料eを負極に使
用した電池A〜電池Eでは、合金試料x2を負極に使用
した電池X2に比べ、電池の高率放電容量が増加してお
り、電池の活性化特性が向上していることがわかる。
【0038】尚、上述の効果は合金試料x1を負極に用
いた電池X1では観察されないため、酸性溶液中に添加
される化合物は、ニッケルのキレート剤に限られること
が分かる。
【0039】《実験2》この実験2では、水素吸蔵合金
粒子を処理する酸性水溶液のpHの影響を調べた。
【0040】酸性溶液としてpH=0.5、0.7、1.0、2.0、
3.0に調製した各塩酸水溶液に、10ppmの2,2'-ビピリジ
ルを溶解して処理液を調製した。これを25℃に保って合
金粉末1を15分間浸漬撹拌し、吸引濾過後、水洗乾燥し
て得られた合金粉末を、それぞれ合金試料f1〜合金試
料f5とした。尚、合金試料f3は、上記実験1で使用
した合金試料aと同じものである。
【0041】また、同様にして酸性溶液としてpH=0.
7、1.0、2.0に調製した塩酸水溶液に、10ppmのメタニル
イエローを溶解して処理液を準備した。これに合金粉末
1を浸漬処理し、同様にして、合金試料g1〜合金試料
g3を得た。
【0042】上記合金試料f1〜合金試料f5及び合金
試料g1〜合金試料g3を負極材料に使用した各アルカ
リ蓄電池F1〜F5及びG1〜G3について、電池内圧
が10kgf/cm2に達するまでの充電時間と高率放電容量の
測定を行った。この時の実験条件は、上述の実験1と同
一である。
【0043】この結果を、表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】この結果より、充電時の電池内圧の上昇
は、合金試料f2〜合金試料f4、合金試料g1〜合金
試料g3を負極に用いた電池F2〜電池F4及び電池G
1〜電池G3で特によく抑制されていることが理解され
る。
【0046】また、電池の高率放電容量は、合金試料f
1〜合金試料f4及び合金試料g1〜合金試料g3を負
極に使用した電池F2〜電池F4及び電池G1〜電池G
3において、増加していることがわかる。
【0047】この結果から、キレート剤を添加した酸性
浴で水素吸蔵合金の処理を行うとき、処理液のpHは0.7
〜2.0が特に好ましいことがわかる。
【0048】《実験3》ここでは、酸性溶液としてpH=
1.0に調製した塩酸水溶液に添加する、ニッケルのキレ
ート剤の添加量を変化させ、その電池特性に及ぼす影響
を調べた。
【0049】先ず、ニッケルのキレート剤として、2,2'
-ビピリジルを使用した場合について記載する。2,2'-ビ
ピリジルを、表3に示す各濃度で溶解して、処理液を調
製した。これを25℃に保って合金粉末1を15分間浸漬撹
拌し、吸引濾過後、水洗乾燥して得られた合金粉末を、
それぞれ合金試料h1〜合金試料h5とした。
【0050】これらの合金試料を負極材料に使用した電
池について、電池内圧が10kgf/cm2に達するまでの充電
時間と高率放電容量の測定を行った。実験条件は、上記
実験1と同一である。
【0051】この結果を、表3に示す。
【0052】
【表3】
【0053】充電時の電池内圧の上昇は、2,2'-ビピリ
ジルを使用した合金試料h2〜合金試料h4を負極に用
いた電池H2〜電池H4で、特によく抑制されている。
また、電池の高率放電容量についてみると、合金試料h
2〜合金試料h4を負極に使用した電池H2〜電池H4
において、増加していることがわかる。
【0054】以上の結果から、キレート剤として2,2'-
ビピリジルを添加した酸性溶液においては、2,2'-ビピ
リジルの濃度が1.0〜100ppmが特に好ましいことがわか
る。
【0055】次に、前記2,2'-ビピリジルに代えて、キ
レート剤としてメタニルイエロー、2,2'-ビピリジルと
メタニルイエローとの混合物を用いた場合について、2,
2'-ビピリジルの場合と同様の実験を行った。
【0056】この結果を、表4に示す。尚、メタニルイ
エローを用いた場合、合金試料j1〜合金試料j3であ
る。また、2,2'-ビピリジルとメタニルイエローとの混
合物を用いた場合、合金試料kとした。
【0057】
【表4】
【0058】この結果より、充電時の電池内圧の上昇
は、メタニルイエローを使用した合金試料j1〜合金試
料j3、それらの混合物を使用した合金試料kを負極に
用いた電池J1〜電池J3及び電池Kで、特によく抑制
されている。また、電池の高率放電容量も良好である。
【0059】以上の結果、2,2'-ビピリジルを用いた場
合(表3を参照)、メタニルイエローを用いた場合(表
4を参照)、それらの混合物を用いた場合(表4を参
照)の傾向から、酸性溶液中で水素吸蔵合金の処理を行
うときの、キレート剤の濃度は1.0〜100ppmが特に好ま
しいことがわかる。
【0060】上述した実施例では、水素吸蔵合金粉末と
して、アーク溶解・粉砕により作製した合金粉末を使用
しているが、ガスアトマイズ法やロール急冷法により作
製した水素吸蔵合金粉末を使用することも可能である。
【0061】また、水素吸蔵合金として組成式MmNi3.1C
o0.8Al0.4Mn0.7のものを用いたが、他の組成範囲であっ
ても、同様の傾向が観察される。具体的には、CaCu5型
結晶構造を有し、組成式MmNixCoyMnzM1-z[式中Mはア
ルミニウム(Al)、銅(Cu)、鉄(Fe)、ホウ素
(B)、クロム(Cr)及びケイ素(Si)から選ばれた少
なくとも一種の元素、xはニッケル(Ni)の組成比率で
あって3.0≦x≦5.2、yはコバルト(Co)の組成比率で
あって0≦y≦1.2、zはマンガン(Mn)の組成比率であ
って0.1≦z≦0.9であり、且つ前記x、y、zの合計値が4.
4≦x+y+z≦5.4]で示されるものが最適である。この
組成範囲内の水素吸蔵合金を使用すれば、アルカリ電解
液中での腐食が抑えられ、水素吸蔵量の増大が狙える。
【0062】
【発明の効果】以上詳述したとおり、ニッケルのキレー
ト剤を酸性溶液に添加して、合金粒子を処理しているの
で、多量の空隙をその内部に有する金属ニッケルからな
る表面層が形成され、これが合金表面の酸化防止機能を
持つとともに、水素ガスの吸収反応に対して活性にな
る。この様にして合金粒子の空隙内に電解液が取り込ま
れ、水素吸蔵合金電極の極板面積が増大し、水素の酸化
・還元反応に対する過電圧が低減する。
【0063】従って、係る水素吸蔵合金をアルカリ蓄電
池の水素吸蔵合金電極に用いることにより、組立て直後
の高率放電容量が大きく、充電時の電池内圧の上昇が抑
制された電池を供することができるものであり、その工
業的価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルカリ蓄電池の模式的断面図である。
【符号の説明】
1 正極 2 負極 3 セパレータ 4 正極リード 5 負極リード 6 正極外部端子 7 負極缶 8 封口蓋 9 コイルスプリング 10 パッキング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 菊子 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 東山 信幸 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 木本 衛 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 藤谷 伸 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 西尾 晃治 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 5H003 AA02 BA02 BB02 BB13 BD06 5H016 AA02 BB10 EE01 EE08 HH08 5H028 AA01 BB03 EE01 EE06 HH03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニッケル(Ni)のキレート剤を含有する
    酸性溶液で処理された、ニッケル(Ni)を含有する水素
    吸蔵合金からなるアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金電極。
  2. 【請求項2】 前記キレート剤が、2,2'-ビピリジル、
    ジエチルジチオカルバミン酸塩、2-メルカプトベンゾチ
    アゾール、メタニルイエロー、ヘキサシアノ鉄(III)酸
    カリウムからなる群から選択された少なくとも1種であ
    ることを特徴とする請求項1記載のアルカリ蓄電池用水
    素吸蔵合金電極。
  3. 【請求項3】 ニッケル(Ni)を含有する水素吸蔵合金
    を用いたアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金電極の製造方法
    において、 水素吸蔵合金を、ニッケルのキレート剤を含有する酸性
    溶液に、浸漬処理することを特徴とするアルカリ蓄電池
    用水素吸蔵合金電極の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記キレート剤は、2,2'-ビピリジル、
    ジエチルジチオカルバミン酸塩、2-メルカプトベンゾチ
    アゾール、メタニルイエロー、ヘキサシアノ鉄(III)酸
    カリウムからなる群から選択された少なくとも1種であ
    ることを特徴とする請求項3記載のアルカリ蓄電池用水
    素吸蔵合金電極の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記酸性溶液は、pH=0.7〜2.0であるこ
    とを特徴とする請求項3記載のアルカリ蓄電池用水素吸
    蔵合金電極の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記キレート剤の添加濃度は、1.0〜100
    ppmであることを特徴とする請求項3のアルカリ蓄電池
    用水素吸蔵合金電極の製造方法。
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