JP2000011864A - 電極の形成方法およびそれに用いられる転写フィルム - Google Patents

電極の形成方法およびそれに用いられる転写フィルム

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JP2000011864A JP10175092A JP17509298A JP2000011864A JP 2000011864 A JP2000011864 A JP 2000011864A JP 10175092 A JP10175092 A JP 10175092A JP 17509298 A JP17509298 A JP 17509298A JP 2000011864 A JP2000011864 A JP 2000011864A
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健司 岡本
Setsuko Noma
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エッチング処理時にレジストパターンに対応
する導電膜形成用ペースト層および反射防止膜形成用ペ
ースト層のパターンを良好に形成可能であり、かつ良好
な可撓性と転写性を保持しながら反射防止膜を薄膜化す
ることにより、当該パターンを焼成処理を工程を含む方
法により基板の表面に導電性に優れた電極パターンを形
成することができる電極の形成方法を提供すること。 【解決手段】 反射防止膜形成用ペースト層中の無機粒
子重量に対する有機バインダー重量の比率が、導電膜形
成用ペースト層中の無機粒子重量に対する有機バインダ
ー重量の比率よりも大きいことを特徴とする転写フィル
ムを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電極の形成方法およ
びそれに用いられる電極形成用転写フィルムに関し、さ
らに詳しくは、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマ
ディスプレイパネル(PDP)などのパネルディスプレ
イ用の電極形成に適した電極の形成方法および転写フィ
ルムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、LCD、PDPなどの電極配線や
突起電極に対して、小型化、高精細化、高密度化の要求
が高まっている。従来、このような電極の製造方法とし
ては、(1)金属薄膜をスパッタや蒸着などで形成し、
レジストを塗布、露光、現像後にエッチング液により金
属薄膜のパターンを形成するエッチング法、(2)非感
光性の導電膜形成用ペースト組成物を基板上にスクリー
ン印刷してパターンを得、これを焼成するスクリーン印
刷法、(3)感光性の導電膜形成用ペースト層を基板上
に形成し、これにフォトマスクを介して紫外線を照射し
た上で現像することにより基板上にパターンを残存さ
せ、これを焼成するフォトリソグラフィー法などが知ら
れている。また、上記の製造方法を用いて電極を形成す
る場合、例えば導電膜形成用ペースト層に銀を主成分と
した導電性物質を使用すると、前面基板上に形成される
電極はシルバー色の金属光沢を有するものとなり、パネ
ルとして画像表示を行うと外光反射が大きく、コントラ
ストの低い表示しか得られないという問題がある。この
場合は、導電膜形成用ペーストの下に反射防止膜を設け
ることで外光反射を低減する方法が知られている。
【0003】しかしながら、上記エッチング法では、大
型の真空設備が必要なこと、工程上のスループットが遅
いなどの問題がある。前記スクリーン印刷法では、パネ
ルの大型化および高精細化に伴い、パターンの位置精度
の要求が非常に厳しくなり、通常の印刷では対応できな
いという問題がある。また、前記フォトリソグラフィー
法では、5μm以上の膜厚を有するパターンを形成する
際、導電膜形成用ペースト層の深さ方向に対する感度が
不十分であり、現像マージンの広い材料が得られるもの
とはならないという問題がある。さらに、上記製造方法
において、外光反射を防止するために反射防止膜を設け
る場合、反射防止膜形成用ペースト組成物を塗布、乾燥
後、導電膜形成用ペースト組成物を塗布、乾燥して、反
射防止膜形成用ペースト層と導電膜形成用ペースト層を
形成しなければならず、工程数が多いという問題があ
る。そこで、上記のようなエッチング法、スクリーン印
刷法およびフォトリソグラフィー法で見られる問題を解
決する手段として、本発明者らは、導電膜形成用ペース
ト層と反射防止膜形成用ペースト層との積層膜を支持フ
ィルム上に形成し、支持フィルム上に形成された積層膜
を基板上に転写し、導電膜形成用ペースト層上にレジス
ト膜を形成し、当該レジスト膜を露光処理してレジスト
パターンの潜像を形成し、当該レジスト膜を現像処理し
てレジストパターンを顕在化させ、導電膜形成用ペース
ト層および反射防止膜形成用ペースト層をエッチング処
理してレジストパターンに対応する導電膜形成用ペース
ト層および反射防止膜形成用ペースト層のパターンを形
成し、当該パターンを焼成処理する工程を含む方法によ
り、前記基板の表面に電極を形成する工程を含むPDP
の製造方法を提案している(特願平10−98444号
明細書参照)。このような製造方法によれば、高精細パ
ターンの形成が可能で表面の均一性に優れた電極を形成
することができ、また、膜形成材料層が支持フィルム上
に形成されてなる複合フィルム(以下、「転写フィル
ム」ともいう。)は、これをロール状に巻き取って保存
することができる点でも有利である。
【0004】しかしながら、上記転写フィルムにおいて
は、エッチング処理時にレジストパターンに対応する導
電膜形成用ペースト層および反射防止膜形成用ペースト
層のパターンの欠損、欠落が生じやすいという問題があ
る。さらに、得られる反射防止膜の膜厚が厚いと、形成
された電極の導電性が不十分となり、反射防止膜を薄膜
化するために転写フィルムの反射防止膜形成用ペースト
層を薄膜化すると、形成される反射防止膜形成用ペース
ト層が十分な可撓性を有するものとならず、転写フィル
ムを折り曲げると、当該膜形成材料層の表面に微小な亀
裂(ひび割れ)が発生するという問題がある。また、転
写フィルムの反射防止膜形成用ペースト層を薄膜化する
と、ガラス基板に対して十分な接着性(加熱接着性)を
発揮することができなくなり、支持フィルムからガラス
基板の表面に転写されにくいという問題もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、良好
な電極パターン形状が形成可能であり、かつ導電性に優
れた電極が形成可能な電極の形成方法および電極形成用
転写フィルムを提供することにある。具体的には、エッ
チング処理時にレジストパターンに対応する導電膜形成
用ペースト層および反射防止膜形成用ペースト層のパタ
ーンが基板との密着性に優れ、高精細なパターンが形成
可能であり、かつ良好な可撓性と転写性を保持しながら
反射防止膜を薄膜化することにより、導電性に優れた電
極パターンが形成可能な電極の形成方法および電極形成
用転写フィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の電極の形成方法
は、支持フィルム上に形成された反射防止膜形成用ペー
スト層を基板上に転写し、別の支持フィルム上に形成さ
れた導電膜形成用ペースト層を反射防止膜形成用ペース
ト層上に転写し、導電膜形成用ペースト層上にレジスト
膜を形成し、当該レジスト膜を露光処理して、レジスト
パターンの潜像を形成し、当該レジスト膜を現像処理し
てレジストパターンを顕在化させ、導電膜形成用ペース
ト層および反射防止膜形成用ペースト層をエッチング処
理してレジストパターンに対応する導電膜形成用ペース
ト層および反射防止膜形成用ペースト層のパターンを形
成し、当該パターンを焼成処理する工程を有する電極の
形成方法であって、反射防止膜形成用ペースト層中の無
機粒子重量に対する有機バインダー重量の比率が、導電
膜形成用ペースト層中の無機粒子重量に対する有機バイ
ンダー重量の比率よりも大きいことを特徴とする。
【0007】また、導電膜形成用ペースト層および反射
防止膜形成用ペースト層を有する積層膜を支持フィルム
上に形成し、当該積層膜を基板上に転写し、転写された
当該積層膜上にレジスト膜を形成し、当該レジスト膜を
露光処理してレジストパターンの潜像を形成し、当該レ
ジスト膜を現像処理してレジストパターンを顕在化さ
せ、導電膜形成用ペースト層および反射防止膜形成用ペ
ースト層をエッチング処理してレジストパターンに対応
する導電膜形成用ペースト層および反射防止膜形成用ペ
ースト層のパターンを形成し、当該パターンを焼成処理
する工程を有する電極の形成方法において、反射防止膜
形成用ペースト層中の無機粒子重量に対する有機バイン
ダー重量の比率が、導電膜形成用ペースト層中の無機粒
子重量に対する有機バインダー重量の比率よりも大きい
ことを特徴とする。
【0008】さらに、本発明の転写フィルムは、支持フ
ィルム上に導電膜形成用ペースト層と、反射防止膜形成
用ペースト層とを積層してなり、反射防止膜形成用ペー
スト層中の無機粒子重量に対する有機バインダー重量の
比率が、導電膜形成用ペースト層中の無機粒子重量に対
する有機バインダー重量の比率よりも大きいことを特徴
とする。
【0009】
【作用】本発明の電極の形成方法において、導電膜形成
用ペースト層は、導電性粒子を分散させた導電膜形成用
ペースト組成物を、また反射防止膜形成用ペースト層
は、黒色、灰色などの着色物質を分散させた反射防止膜
形成用ペースト組成物を、可撓性を有する支持フィルム
上に塗布することにより形成される。当該反射防止膜形
成用ペースト層中の無機粒子重量に対する有機バインダ
ー重量の比率は、導電膜形成用ペースト層中の無機粒子
重量に対する有機バインダー重量の比率よりも大きいこ
とを特徴とし、このため、反射防止膜形成用ペースト層
の可撓性、基板への密着性を維持したまま、反射防止膜
の薄膜化が可能になる。そして、このようにして形成さ
れた導電膜形成用ペースト層および反射防止膜形成用ペ
ースト層を基板の表面に対して転写するという簡単な操
作により、当該導電膜形成用ペースト層および反射防止
膜形成用ペースト層を基板上に確実に形成することがで
き、導電性の高い電極を形成することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の製造方法について
詳細に説明する。 <電極の形成方法1>本発明の電極の形成方法において
は、〔1〕反射防止膜形成用ペースト層の転写工程、
〔2〕導電膜形成用ペースト層の転写工程、〔3〕レジ
スト膜の形成工程、〔4〕レジスト膜の露光工程、
〔5〕レジスト膜の現像工程、〔6〕導電膜形成用ペー
スト層・反射防止膜形成用ペースト層のエッチング工
程、〔7〕パターンの焼成工程 により、電極を形成す
る。
【0011】〔1〕反射防止膜形成用ペースト層の転写
工程 本発明の製造方法において、反射防止膜形成用ペースト
層は、転写フィルムを使用し、当該転写フィルムを構成
する反射防止膜形成用ペースト層を透明電極付き基板の
表面に転写することによって形成される。ここに、転写
フィルムは、支持フィルムと、この支持フィルム上に形
成された反射防止膜形成用ペースト層とを有してなり、
当該反射防止膜形成用ペースト層の表面には保護フィル
ム層が設けられていてもよい。転写フィルム、反射防止
膜形成用ペースト層および保護フィルムの具体的構成
は、後述する本発明の電極形成用転写フィルムに準ず
る。
【0012】転写工程の一例を示せば以下のとおりであ
る。必要に応じて使用される転写フィルムの保護フィル
ム層を剥離した後、基板の表面に、反射防止膜形成用ペ
ースト層の表面が当接されるように転写フィルムを重ね
合わせ、この転写フィルムを加熱ローラなどにより熱圧
着した後、反射防止膜形成用ペースト層から支持フィル
ムを剥離除去する。これにより、基板の表面に反射防止
膜形成用ペースト層が転写されて密着した状態となる。
ここで、転写条件としては、例えば、加熱ローラの表面
温度が80〜140℃、加熱ローラによるロール圧が1
〜5kg/cm 2 、加熱ローラの移動速度が0.1〜1
0.0m/分を示すことができる。また、基板は予熱さ
れていてもよく、予熱温度としては例えば40〜100
℃とすることができる。
【0013】〔2〕導電膜形成用ペースト層の転写工程 本発明の製造方法において、導電膜形成用ペースト層
は、転写フィルムを使用し、当該転写フィルムを構成す
る導電膜形成用ペースト層を反射防止膜形成用ペースト
層上に転写して形成される。ここに、転写フィルムは、
支持フィルムと、この支持フィルム上に形成された導電
膜形成用ペースト層とを有してなり、当該導電膜形成用
ペースト層の表面には保護フィルム層が設けられていて
もよい。支持フィルム、導電膜形成用ペースト組成物お
よび保護フィルムの具体的構成は、後述する本発明の電
極形成用転写フィルムに準ずる。
【0014】転写工程の一例を示せば以下のとおりであ
る。必要に応じて使用される転写フィルムの保護フィル
ム層を剥離した後、反射防止膜形成用ペースト層の表面
に、導電膜形成用ペースト層の表面が当接されるように
転写フィルムを重ね合わせ、この転写フィルムを加熱ロ
ーラなどにより熱圧着した後、導電膜形成用ペースト層
から支持フィルムを剥離除去する。これにより、反射防
止膜形成用ペースト層の表面に導電膜形成用ペースト層
が転写されて密着した状態となる。ここで、転写条件と
しては、例えば、反射防止膜形成用ペースト層の転写と
同様の条件で行うことができる。
【0015】〔3〕レジスト膜の形成工程 この工程においては、転写された導電膜形成用ペースト
層の表面にレジスト膜を形成する。このレジスト膜を構
成するレジストとしては、ポジ型レジストおよびネガ型
レジストのいずれであってもよく、その具体的組成につ
いては後述する。レジスト膜は、スクリーン印刷法、ロ
ール塗布法、回転塗布法、流延塗布法など種々の方法に
よってレジストを塗布した後、塗膜を乾燥することによ
り形成することができる。また、支持フィルム上に形成
されたレジスト膜を導電膜形成用ペースト層の表面に転
写することによって形成してもよい。このような形成方
法によれば、レジスト膜の形成工程における工程改善
(高効率化)を図ることができるとともに、形成される
無機粉体パターンの膜厚均一性を図ることができる。レ
ジスト膜の膜厚としては、通常、0.1〜40μm、好
ましくは0.5〜20μmである。
【0016】〔4〕レジスト膜の露光工程 この工程においては、導電膜形成用ペースト層上に形成
されたレジスト膜の表面に、露光用マスクを介して、紫
外線などの放射線を選択的照射(露光)して、レジスト
パターンの潜像を形成する。ここに、放射線照射装置と
しては、前記フォトリソグラフィー法で使用されている
紫外線照射装置、半導体および液晶表示装置を製造する
際に使用されている露光装置など特に限定されるもので
はない。
【0017】〔5〕レジスト膜の現像工程 この工程においては、露光されたレジスト膜を現像処理
することにより、レジストパターン(潜像)を顕在化さ
せる。ここに、現像処理条件としては、レジスト膜の種
類などに応じて、現像液の種類・組成・濃度、現像時
間、現像温度、現像方法(例えば浸漬法、揺動法、シャ
ワー法、スプレー法、パドル法)、現像装置などを適宜
選択することができる。この現像工程により、レジスト
残留部と、レジスト除去部とから構成されるレジストパ
ターン(露光用マスクに対応するパターン)が形成され
る。このレジストパターンは、次工程(エッチング工
程)におけるエッチングマスクとして作用するものであ
り、レジスト残留部の構成材料は、導電膜形成用ペース
ト層および反射防止膜形成用ペースト層の構成材料より
もエッチング液に対する溶解速度が小さいことが必要で
ある。
【0018】〔6〕導電膜形成用ペースト層・反射防止
膜形成用ペースト層のエッチング工程 この工程においては、導電膜形成用ペースト層および反
射防止膜形成用ペースト層をエッチング処理し、レジス
トパターンに対応する導電膜形成用ペースト層および反
射防止膜形成用ペースト層のパターンを形成する。すな
わち、導電膜形成用ペースト層および反射防止膜形成用
ペースト層のうち、レジストパターンのレジスト除去部
に対応する部分がエッチング液に溶解されて選択的に除
去される。そして、エッチング処理を継続すると、導電
膜形成用ペースト層および反射防止膜形成用ペースト層
におけるレジスト除去部に対応する部分で、基板表面が
露出する。ここに、エッチング処理条件としては、導電
膜形成用ペースト層および反射防止膜形成用ペースト層
の種類などに応じて、エッチング液の種類・組成・濃
度、処理時間、処理温度、処理方法(例えば浸漬法、揺
動法、シャワー法、スプレー法、パドル法)、処理装置
などを適宜選択することができる。なお、エッチング液
として、現像工程で使用した現像液と同一の溶液を使用
することができるよう、レジスト膜、導電膜形成用ペー
スト層および反射防止膜形成用ペースト層の種類を選択
することにより、現像工程と、エッチング工程とを連続
的に実施することが可能となり、工程の簡略化による製
造効率の向上を図ることができる。ここに、レジストパ
ターンを構成するレジスト残留部は、エッチング処理の
際に徐々に溶解され、導電膜形成用ペースト層パターン
および反射防止膜形成用ペースト層パターンが形成され
た段階(エッチング処理の終了時)で完全に除去される
ものであることが好ましい。なお、エッチング処理後に
レジスト残留部の一部または全部が残留していても、当
該レジスト残留部は、次の焼成工程で除去される。
【0019】〔7〕パターンの焼成工程 この工程においては、導電膜形成用ペースト層パターン
および反射防止膜形成用ペースト層パターンを焼成処理
して、電極を形成する。これにより、材料層残留部中の
有機物質が焼失して、金属層、黒色顔料層などの無機物
層が形成され、基板の表面に反射防止膜パターンと導電
性パターンが形成されてなる電極を得ることができる。
ここに、焼成処理の温度としては、材料層残留部中の有
機物質が焼失される温度であることが必要であり、通
常、400〜600℃とされる。また、焼成時間は、通
常10〜90分間とされる。
【0020】<電極の形成方法2>本発明における電極
の形成方法は、支持フィルム上に導電膜形成用ペースト
層を形成した後、当該導電性形成用ペースト層上に反射
防止膜形成用ペースト層を積層形成してなる、本発明の
電極形成用転写フィルムを用いることにより、さらに作
業性を向上させるものである。ここに、導電膜形成用ペ
ースト層および反射防止膜形成用ペースト層を形成する
際には、ロールコータなどを使用することができ、これ
により、膜厚の均一性に優れた積層膜を支持フィルム上
に形成することができる。本発明の転写フィルムを用い
た電極の形成方法においては、〔1〕転写フィルム(反
射防止膜形成用ペースト層・導電膜形成用ペースト層)
の転写工程、〔2〕レジスト膜の形成工程、〔3〕レジ
スト膜の露光工程、〔4〕レジスト膜の現像工程、
〔5〕導電膜形成用ペースト層・反射防止膜形成用ペー
スト層のエッチング工程、〔6〕パターンの焼成工程
により、電極を形成する。各形成工程の詳細について
は、上記「電極の形成方法1」に準ずる。さらに、本発
明の転写フィルムは、支持フィルム上にレジスト膜を形
成した後、当該レジスト膜上に導電膜形成用ペースト
層、反射防止膜形成用ペースト層を積層形成してなるも
のであってもよい。この場合、支持フィルム上に形成さ
れたレジスト膜、導電膜形成用ペースト層および反射防
止膜形成用ペースト層との積層膜を基板上に一括転写す
ることが可能となり、当該転写フィルムを用いた電極の
形成方法においては、〔1〕転写フィルム(反射防止膜
形成用ペースト層・導電膜形成用ペースト層・レジスト
層)の転写工程、〔2〕レジスト膜の露光工程、〔3〕
レジスト膜の現像工程、〔4〕導電膜形成用ペースト層
・反射防止膜形成用ペースト層のエッチング工程、
〔5〕パターンの焼成工程 により、電極を形成する。
各形成工程の詳細については、上記「電極の形成方法
1」に準ずる。以上のような方法によれば、反射防止膜
形成用ペースト層、導電膜形成用ペースト層およびレジ
スト膜とが基板上に一括転写されるので、工程の簡略化
による製造効率を更に向上させることができる。
【0021】以下に、前記の各工程に用いられる材料、
各種条件などについて説明する。 <基板>基板材料としては、例えばガラス、シリコンな
どの絶縁性材料からなる板状部材が挙げられる。この板
状部材の表面に対しては、必要に応じて、シランカップ
リング剤などによる薬品処理;プラズマ処理;イオンプ
レーティング法、スパッタリング法、気相反応法、真空
蒸着法などによる薄膜形成処理のような適宜の前処理が
施されていてもよい。
【0022】<電極形成用転写フィルム>本発明で用い
られる電極形成用転写フィルムは、支持フィルムとこの
支持フィルム上に形成された導電膜形成用ペースト層お
よび/または反射防止膜形成用ペースト層とを有してな
り、反射防止膜形成用ペースト層中の無機粒子重量に対
する有機バインダー重量の比率が導電膜形成用ペースト
層中の無機粒子重量に対する有機バインダー重量の比率
よりも大きいことを特徴とする。また、上記電極形成用
転写フィルムは、支持フィルム上にレジスト層と膜形成
用ペースト層との積層膜が形成されたものであってもよ
い。当該積層膜を転写することにより、膜形成ペースト
層上にレジスト膜が形成された積層膜を得ることができ
る。また当該導電膜形成用ペースト層および/または反
射防止膜形成用ペースト層の表面に保護フィルム層が設
けられていてもよい。
【0023】(1)支持フィルム:上記電極形成用転写
フィルムを構成する支持フィルムは、耐熱性および耐溶
剤性を有すると共に可撓性を有する樹脂フィルムである
ことが好ましい。支持フィルムが可撓性を有することに
より、ロールコータによってペースト状組成物を塗布す
ることができ、導電膜形成用ペースト層および/または
反射防止膜形成用ペースト層をロール状に巻回した状態
で保存し、供給することができる。支持フィルムを形成
する樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リスチレン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリ
塩化ビニル、ポリフロロエチレンなどの含フッ素樹脂、
ナイロン、セルロースなどを挙げることができる。支持
フィルムの厚さとしては、例えば20〜100μmとさ
れる。なお、上記支持フィルムの表面には、離型処理が
施されていることが好ましい。これにより、上記転写工
程において、支持フィルムの剥離操作を容易に行うこと
ができる。
【0024】(2)反射防止膜形成用ペースト層:上記
電極形成用転写フィルムを構成する反射防止膜形成用ペ
ースト層は、反射防止効果を有する黒色、灰色などの着
色物質、有機バインダーおよび溶剤を必須成分として含
有するペースト状の反射防止膜形成用ペースト組成物を
前記支持フィルム上に塗布し、塗膜を乾燥して溶剤の一
部又は全部を除去することにより形成することができ
る。反射防止膜形成用ペースト組成物は、(a)着色物
質、(b)有機バインダーおよび(c)溶剤を含有して
なるペースト状の組成物である。 (a)着色物質 反射防止膜形成用ペースト組成物に使用される、反射防
止効果を有する黒色、灰色などの着色物質としては、例
えば、Mn、Fe、Cr、Ni、Co、Zn、Cu、T
iなどの金属およびその酸化物、複合酸化物、炭化物、
窒化物、硫化物、けい化物、ほう化物やカーボンブラッ
クなどの無機粒子を挙げることができる。また、反射防
止膜形成用ペースト組成物には、上記着色物質のほか
に、任意成分として、導電性粒子、低融点ガラスなどの
各種無機粒子が含有されていてもよい。特に、得られる
電極の導電性を上げる目的で、後述する導電膜形成用ペ
ースト組成物に用いられる導電性粒子を含有させること
が好ましい。本発明における「無機粒子重量」とは、上
記着色物質と導電性粒子、低融点ガラスなどの各種無機
粒子を合わせた重量をいう。また、上記無機粒子の平均
粒径としては、好ましくは0.1〜10μm、より好ま
しくは0.2〜5μmである。無機粒子の平均粒径が
0.1μm未満の場合は、無機粒子の比表面積が大きく
なることから反射防止膜形成用ペースト中で粒子の凝集
が発生しやすくなり、安定した分散状態を得るのが難し
くなる。一方、無機粒子の平均粒径が10μm以上の場
合は、高精細の電極パターンを得るのが難しくなる。
【0025】(b)有機バインダー 反射防止膜形成用ペースト組成物に使用される有機バイ
ンダーには、結着樹脂が必須成分として含有される。結
着樹脂としては種々の樹脂を用いることができるが、ア
ルカリ可溶性樹脂を結着樹脂全体に対して30〜100
重量%の割合で含有することが特に好ましい。ここに、
「アルカリ可溶性」とは、後述するアルカリ性のエッチ
ング液によって溶解し、目的とするエッチング処理が遂
行される程度に溶解性を有する性質をいう。かかるアル
カリ可溶性樹脂の具体例としては、例えば(メタ)アク
リル系樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、ノボラック樹
脂、ポリエステル樹脂などを挙げることができる。この
ようなアルカリ可溶性樹脂のうち、特に好ましいものと
しては、下記のモノマー(イ)とモノマー(ロ)との共
重合体、又はモノマー(イ)と、モノマー(ロ)とモノ
マー(ハ)との共重合体などの(メタ)アクリル系樹脂
を挙げることができる。
【0026】モノマー(イ):アクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、
シトラコン酸、メサコン酸、ケイ皮酸、コハク酸(2−
(メタ)アクリロイロキシエチル)、ω-カルボキシ-ポ
リカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、アクリル
酸ダイマーなどのカルボキシル基含有モノマー類;(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリ
ル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−
ヒドロキシプロピルなどの水酸基含有モノマー類;o−
ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒ
ドロキシスチレンなどのフェノール性水酸基含有モノマ
ー類などに代表されるアルカリ可溶性官能基含有モノマ
ー類。 モノマー(ロ):メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、
ベンジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)ア
クリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレー
ト、n−ラウリル(メタ)アクリレートなどのモノマー
(イ)以外の(メタ)アクリル酸エステル類;スチレ
ン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル系モノマー
類;ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン類などに
代表されるモノマー(イ)と共重合可能なモノマー類。 モノマー(ハ):ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル
酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メ
タ)アクリル酸ベンジルなどのポリマー鎖の一方の末端
に、(メタ)アクリロイル基などの重合性不飽和基を有
するマクロモノマーなどに代表されるマクロモノマー
類:
【0027】上記アルカリ可溶性樹脂の分子量として
は、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量と
して5,000〜1,000,000であることが好ま
しく、さらに好ましくは10,000〜500,000
とされる。また、有機バインダーには、上記結着樹脂の
ほかに、任意成分として、可塑剤、現像促進剤、接着助
剤、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤、酸化防
止剤、紫外線吸収剤などの各種添加剤が含有されていて
もよい。本発明における有機バインダー重量とは、上記
結着樹脂と各種添加剤を合わせた重量をいう。各種添加
剤の含有量は、有機バインダー全体に対して80重量%
以下であることが好ましい。
【0028】本発明においては、反射防止膜形成用ペー
スト層中の無機粒子重量に対する有機バインダー重量
が、導電膜形成用ペースト層中の無機粒子重量に対する
有機バインダー重量よりも大きいことを特徴とする。具
体的には、反射防止膜形成用ペースト組成物中の有機バ
インダー重量が、無機粒子100重量部に対して、通常
5〜1000重量部とされ、好ましくは10〜200重
量部とされる。反射防止膜形成用ペースト組成物に用い
られる有機バインダーは、後述する導電膜形成用ペース
ト組成物に用いられる有機バインダーよりもアルカリ性
のエッチング液に対する溶解性(アルカリ可溶性)が高
い方が好ましい。反射防止膜形成用ペースト組成物に用
いられる有機バインダーのアルカリ可溶性を導電膜形成
用ペースト組成物に用いられる有機バインダーよりも高
くすることにより、エッチング処理時にレジストパター
ンに対応する導電膜形成用ペースト層および反射防止膜
形成用ペースト層のパターンを良好に形成し易くなり、
また、エッチング部の下地基板上に膜残りや残さが生じ
にくくなる。有機バインダーのアルカリ可溶性は、結着
樹脂の分子量や、上述した結着樹脂におけるアルカリ可
溶性樹脂の含有量、アルカリ可溶性樹脂中のモノマー
(イ)の共重合割合を加減することなどにより、コント
ロールすることができる。
【0029】(c)溶剤 反射防止膜形成用ペースト組成物を構成する溶剤は、当
該反射防止膜形成用ペースト組成物に、適当な流動性ま
たは可塑性、良好な膜形成性を付与するために含有され
る。反射防止膜形成用ペースト組成物を構成する溶剤と
しては、上記無機粒子との親和性、上記有機バインダー
の溶解性が良好で、反射防止膜形成用ペースト組成物に
適度な粘性を付与することができ、乾燥されることによ
って容易に蒸発除去できるものである限り特に制限され
るものではなく、例えばエーテル類、エステル類、エー
テルエステル類、ケトン類、ケトンエステル類、アミド
類、アミドエステル類、ラクタム類、ラクトン類、スル
ホキシド類、スルホン類、炭化水素類、ハロゲン化炭化
水素類などを挙げることができる。かかる溶剤の具体例
としては、テトラヒドロフラン、アニソール、ジオキサ
ン、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエ
チレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレング
リコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコー
ルジアルキルエーテル類、酢酸エステル類、ヒドロキシ
酢酸エステル類、アルコキシ酢酸エステル類、プロピオ
ン酸エステル類、ヒドロキシプロピオン酸エステル類、
アルコキシプロピオン酸エステル類、乳酸エステル類、
エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート
類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテ
ート類、アルコキシ酢酸エステル類、環式ケトン類、非
環式ケトン類、アセト酢酸エステル類、ピルビン酸エス
テル類、N,N−ジアルキルホルムアミド類、N,N−
ジアルキルアセトアミド類、N−アルキルピロリドン
類、γ−ラクトン類、ジアルキルスルホキシド類、ジア
ルキルスルホン類、ターピネオール、N−メチル−2−
ピロリドンなどを挙げることができ、これらは単独でま
たは2種以上を組み合わせて用いることができる。これ
らのうち、エチレングリコールモノアルキルエーテル
類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、プロ
ピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレン
グリコールジアルキルエーテル類、酢酸エステル類、ヒ
ドロキシ酢酸エステル類、アルコキシ酢酸エステル類、
プロピオン酸エステル類、ヒドロキシプロピオン酸エス
テル類、アルコキシプロピオン酸エステル類、乳酸エス
テル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセ
テート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル
アセテート類、アルコキシ酢酸エステル類、環式ケトン
類、非環式ケトン類、アセト酢酸エステル類、ピルビン
酸エステル類などが特に好ましく用いられる。反射防止
膜形成用ペースト組成物における溶剤の含有割合として
は、良好な膜形成性(流動性または可塑性)が得られる
範囲内において適宜選択することができる。
【0030】反射防止膜形成用ペースト組成物は、上記
無機粒子、有機バインダーおよび溶剤を、ロール混練
機、ミキサー、ホモミキサー、ボールミル、ビーズミル
などの混練機を用いて混練することにより調製すること
ができる。上記のようにして調製される反射防止膜形成
用ペースト組成物は、塗布に適した流動性を有するペー
スト状の組成物であり、その粘度は、通常100〜3
0,000cpとされ、好ましくは500〜10,00
0cpとされる。反射防止膜形成用ペースト組成物を支
持フィルム上に塗布する方法としては、膜厚の均一性に
優れた膜厚の大きい(例えば1μm以上)塗膜を効率よ
く形成することができるものであることが必要とされ、
具体的には、グラビアによる塗布方法、ダイによる塗布
方法、ロールによる塗布方法、ドクターブレードによる
塗布方法、ドクターロールによる塗布方法、カーテンコ
ーターによる塗布方法、ワイヤーコーターによる塗布方
法、などを好ましいものとして挙げることができる。塗
膜の乾燥条件としては、例えば、50〜150℃で0.
5〜30分間程度とされ、乾燥後における溶剤の残存割
合(反射防止膜形成用ペースト層中の含有率)は、通常
2重量%以内とされる。上記のようにして支持フィルム
上に形成される反射防止膜形成用ペースト層の厚さとし
ては、無機粒子の含有率、部材の種類やサイズなどによ
っても異なるが、形成される反射防止膜の反射防止効果
を損なわず、かつ反射防止膜形成用ペースト層の可撓性
と転写性を損なわない限り薄い方が好ましく、通常20
μm以下とされる。なお、反射防止膜形成用ペースト層
の表面に設けられることのある保護フィルム層として
は、ポリエチレンフィルム、ポリビニルアルコール系フ
ィルムなどを挙げることができる。
【0031】(3)導電膜形成用ペースト層:上記電極
形成用転写フィルムを構成する導電膜形成用ペースト層
は、導電性粒子、有機バインダーおよび溶剤を必須成分
として含有するペースト状の導電膜形成用ペースト組成
物を前記支持フィルム上に塗布し、塗膜を乾燥して溶剤
の一部又は全部を除去することにより形成することがで
きる。上記電極形成用転写フィルムを作製するために使
用される導電膜形成用ペースト組成物は、(a)導電性
粒子、(b)有機バインダーおよび(c)溶剤を含有し
てなるペースト状の組成物である。
【0032】(a)導電性粒子 電極形成材料に使用される導電性粒子としては、Ag、
Au、Cr、Ni、Al、Ag−Pd合金、Cuなどの
無機粒子を挙げることができる。また、導電膜形成用ペ
ースト組成物には、上記導電性粒子のほかに、任意成分
として、低融点ガラスなどの各種無機粒子が含有されて
いてもよい。本発明における「無機粒子重量」とは、上
記導電性粒子と低融点ガラスなどの各種無機粒子を合わ
せた重量をいう。また、上記無機粒子の平均粒径として
は、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは0.
2〜5μmである。無機粒子の平均粒径が0.1μm未
満の場合は、無機粒子の比表面積が大きくなることから
導電性膜形成用ペースト中で粒子の凝集が発生しやすく
なり、安定した分散状態を得るのが難しくなる。一方、
無機粒子の平均粒径が10μm以上の場合は、高精細の
電極パターンを得るのが難しくなる。
【0033】(b)有機バインダー 導電膜形成用ペースト組成物に使用される有機バインダ
ーは、反射防止膜形成用ペースト組成物の有機バインダ
ーと同様に、結着樹脂が必須成分として含有され、任意
成分として、可塑剤、現像促進剤、接着助剤、ハレーシ
ョン防止剤、保存安定剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線
吸収剤などの各種添加剤が含有される。本発明における
有機バインダー重量とは、上記結着樹脂と可塑剤、分散
剤、現像促進剤、接着助剤、ハレーション防止剤、保存
安定剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの各種
有機添加剤を合わせた重量をいう。各種添加剤の含有量
は、有機バインダー全体に対して80重量%以下である
ことが好ましい。本発明においては、反射防止膜形成用
ペースト層中の無機粒子重量に対する有機バインダー重
量が、導電膜形成用ペースト層中の無機粒子重量に対す
る有機バインダー重量よりも大きいことを特徴とする。
具体的には、導電膜形成用ペースト組成物中の有機バイ
ンダー重量が、無機粒子100重量部に対して、通常1
〜500重量部とされ、好ましくは5〜100重量部と
される。 (c)溶剤 導電膜形成用ペースト組成物を構成する溶剤は、当該導
電膜形成用ペースト組成物に、適当な流動性または可塑
性、良好な膜形成性を付与するために含有され、上述し
た反射防止膜形成用ペースト組成物に用いられる溶剤と
同様のものを使用することができる。
【0034】導電膜形成用ペースト組成物は、上記無機
粒子、有機バインダー、および溶剤を、ロール混練機、
ミキサー、ホモミキサー、ボールミル、ビーズミルなど
の混練機を用いて混練することにより調製することがで
きる。上記のようにして調製される導電膜形成用ペース
ト組成物は、塗布に適した流動性を有するペースト状の
組成物であり、その粘度は、通常100〜30,000
cpとされ、好ましくは500〜10,000cpとさ
れる。導電膜形成用ペースト組成物を支持フィルム上に
塗布する方法としては、上述した反射防止膜形成用ペー
スト組成物を支持フィルム上塗布する方法と同様の方法
を用いることができる。塗膜の乾燥条件としては、例え
ば、50〜150℃で0.5〜30分間程度とされ、乾
燥後における溶剤の残存割合(導電膜形成用ペースト層
中の含有率)は、通常2重量%以内とされる。上記のよ
うにして支持フィルム上に形成される導電膜形成用ペー
スト層の厚さとしては、無機粒子の含有率、部材の種類
やサイズなどによっても異なるが、形成される導電膜の
導電性を損なわない限り薄い方が好ましく、通常100
μm以下とされる。
【0035】(4)保護フィルム:当該電極形成用転写
フィルムの表面に設けられることのある保護フィルムと
しては、ポリエチレンフィルム、ポリビニルアルコール
系フィルムなどを挙げることができる。また、当該保護
フィルムの表面には離型処理が施されていることが好ま
しい。
【0036】<レジスト組成物>本発明においては、導
電膜形成用ペースト層上にレジスト膜が形成され、当該
レジスト膜に露光処理および現像処理を施すことによ
り、前記導電膜形成用ペースト層上にレジストパターン
が形成される。レジスト膜を形成するために使用するレ
ジスト組成物としては、アルカリ現像型感放射線性レジ
スト組成物、有機溶剤現像型感放射線性レジスト組成
物、水性現像型感放射線性レジスト組成物などを例示す
ることができるが、好ましくはアルカリ現像型感放射線
性レジスト組成物が用いられる。なお、本発明でいう
「放射線」とは、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子
線、X線などを含むものである。
【0037】アルカリ現像型感放射線性レジスト組成物
は、アルカリ可溶性樹脂と感放射線性成分を必須成分と
して含有してなる。アルカリ現像型感放射線性レジスト
組成物を構成するアルカリ可溶性樹脂としては、反射防
止膜形成用ペースト組成物および導電膜形成用ペースト
組成物の有機バインダー成分を構成するものとして例示
したアルカリ可溶性樹脂を挙げることができる。アルカ
リ現像型感放射線性レジスト組成物を構成する感放射線
性成分としては、例えば、(イ)多官能性モノマーと光
重合開始剤との組み合わせ、(ロ)メラミン樹脂と放射
線照射により酸を形成する光酸発生剤との組み合わせ、
(ハ)放射線照射によりアルカリ難溶性のものがアルカ
リ可溶性になる化合物などを例示することができ、上記
(イ)の組み合わせのうち、多官能性(メタ)アクリレ
ートと光重合開始剤とのネガタイプの組み合わせと
(ハ)のポジタイプが特に好ましい。
【0038】ネガタイプの感放射線性成分を構成する多
官能性(メタ)アクリレートの具体例としては、エチレ
ングリコール、プロピレングリコールなどのアルキレン
グリコールのジ(メタ)アクリレート類;ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアル
キレングリコールのジ(メタ)アクリレート類;両末端
ヒドロキシポリブタジエン、両末端ヒドロキシポリイソ
プレン、両末端ヒドロキシポリカプロラクトンなどの両
末端ヒドロキシル化重合体のジ(メタ)アクリレート
類;グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、トリ
メチロールアルカン、テトラメチロールアルカン、ジペ
ンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールの
ポリ(メタ)アクリレート類;3価以上の多価アルコー
ルのポリアルキレングリコール付加物のポリ(メタ)ア
クリレート類;1,4−シクロヘキサンジオール、1,
4−ベンゼンジオール類などの環式ポリオールのポリ
(メタ)アクリレート類;ポリエステル(メタ)アクリ
レート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メ
タ)アクリレート、アルキド樹脂(メタ)アクリレー
ト、シリコーン樹脂(メタ)アクリレート、スピラン樹
脂(メタ)アクリレートなどのオリゴ(メタ)アクリレ
ート類などを挙げることができ、これらは単独でまたは
2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0039】また、ネガタイプの感放射線性成分を構成
する光重合開始剤の具体例としては、ベンジル、ベンゾ
イン、ベンゾフェノン、カンファーキノン、2−ヒドロ
キシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2
−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチ
ル−〔4’−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォ
リノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルア
ミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1
−オンなどのカルボニル化合物;アゾイソブチロニトリ
ル、4−アジドベンズアルデヒドなどのアゾ化合物ある
いはアジド化合物;メルカプタンジスルフィドなどの有
機硫黄化合物;ベンゾイルパーオキシド、ジ−tert
−ブチルパーオキシド、tert−ブチルハイドロパー
オキシド、クメンハイドロパーオキシド、パラメタンハ
イドロパーオキシドなどの有機パーオキシド;1,3−
ビス(トリクロロメチル)−5−(2’−クロロフェニ
ル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−(2−フラ
ニル)エチレニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチ
ル)−1,3,5−トリアジンなどのトリハロメタン
類;2,2’−ビス(2−クロロフェニル)4,5,
4’,5’−テトラフェニル1,2’−ビイミダゾール
などのイミダゾール二量体などを挙げることができ、こ
れらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用するこ
とができる。
【0040】一方、ポジタイプの感放射線性化合物とし
ては、ポリヒドロキシ化合物の1,2−ベンゾキノンジ
アジド−4−スルホン酸エステル、1,2−ナフトキノ
ンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,2−ナフト
キノンジアジド−5−スルホン酸エステルおよび1,2
−ナフトキノンジアジド−6−スルホン酸エステルなど
が挙げられ、特に、1,2−ナフトキノンジアジド−4
−スルホン酸エステル、1,2−ナフトキノンジアジド
−5−スルホン酸エステルが好ましい。感放射線性化合
物は、例えば、ポリヒドロキシ化合物とキノンジアジド
スルホニルクロリドとを塩基性触媒の存在下で反応させ
ることにより得られる。通常、ポリヒドロキシ化合物の
全水酸基に対するキノンジアジドスルホン酸エステルの
割合(平均エステル化率)は、20%以上100%以下
であり、好ましくは40%以上95%以下である。平均
エステル化率が低すぎると、パターン形成が難しく、高
すぎると感度の低下を招くことがある。ここで、用いら
れるポリヒドロキシ化合物としては、特に限定されるも
のではないが、具体例として下記に示す化合物が挙げら
れる。
【0041】
【化1】
【0042】(式中、X1 〜X15は、それぞれ相互に同
一または異なり、水素原子、C1 〜C 4 のアルキル基、
1 〜C4 のアルコキシ基、C6 〜C10のアリール基ま
たは水酸基である。ただし、X1 〜X5 およびX6 〜X
10のそれぞれの組み合わせにおいて少なくとも1つは水
酸基である。また、Y1 は、水素原子またはC1 〜C4
のアルキル基である。)
【0043】
【化2】
【0044】(式中、X16〜X30は、前記X1 〜X15
同様である。ただし、X16〜X20、X 21〜X25およびX
26〜X30のそれぞれの組み合わせにおいて少なくとも1
つは水酸基である。また、Y2 〜Y4 は、それぞれ相互
に同一または異なり、水素原子またはC1 〜C4 のアル
キル基である。)
【0045】
【化3】
【0046】(式中、X31〜X44は、前記X1 〜X15
同様である。ただし、X31〜X35において少なくとも1
つは水酸基である。また、Y5 〜Y8 は、それぞれ相互
に同一または異なり水素原子またはC1 〜C4 のアルキ
ル基である。)
【0047】
【化4】
【0048】(式中、X45〜X58は、それぞれ相互に同
一または異なり、水素原子、ハロゲン原子、C1 〜C4
のアルキル基、C1 〜C4 のアルコキシ基、C5 〜C7
のシクロアルキル基または水酸基である。ただし、X45
〜X48およびX49〜X53のそれぞれの組み合わせにおい
て少なくとも1つは水酸基である。また、Y9 およびY
10は、それぞれ相互に同一または異なり水素原子、C1
〜C4 のアルキル基またはC5 〜C7 のシクロアルキル
基である。)
【0049】
【化5】
【0050】(式中、X59〜X80は、前記X45〜X58
同様である。ただし、X59〜X63、X 64〜X67、X72
75およびX76〜X80のそれぞれの組み合わせにおいて
少なくとも1つは水酸基である。また、Y11〜Y18は、
それぞれ相互に同一または異なり水素原子またはC1
4 のアルキル基である。)
【0051】
【化6】
【0052】(式中、X81〜X90はそれぞれ相互に同一
または異なり、水素原子、C1 〜C4のアルコキシ基、
6 〜C10のアリール基または水酸基である。ただし、
81〜X90の組み合わせにおいて少なくとも1つは水酸
基である。)
【0053】このアルカリ現像型感放射線性レジスト組
成物における感放射線性成分の含有割合としては、アル
カリ可溶性樹脂100重量部当たり、通常1〜200重
量部とされ、好ましくは5〜100重量部である。ま
た、アルカリ現像型感放射線性レジスト組成物について
は、良好な膜形成性付与するために、適宜有機溶剤が含
有される。かかる有機溶剤としては、反射防止膜形成用
ペースト組成物および導電膜形成用ペースト組成物を構
成するものとして例示した溶剤を挙げることができる。
本発明において使用するレジスト組成物には、任意成分
として、現像促進剤、接着助剤、ハレーション防止剤、
保存安定剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、フィ
ラー、蛍光体、顔料、染料などの各種添加剤が含有され
ていてもよい。
【0054】<現像液>レジスト膜の現像工程で使用さ
れる現像液としては、レジスト膜(レジスト組成物)の
種類に応じて適宜選択することができる。具体的には、
アルカリ現像型感放射線性レジスト組成物によるレジス
ト膜にはアルカリ現像液を使用することができる。アル
カリ現像液の有効成分としては、例えば水酸化リチウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素ナ
トリウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸水素二カ
リウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素アンモ
ニウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウ
ム、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウ
ム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ホ
ウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ア
ンモニアなどの無機アルカリ性化合物;テトラメチルア
ンモニウムヒドロキシド、トリメチルヒドロキシエチル
アンモニウムヒドロキシド、モノメチルアミン、ジメチ
ルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエ
チルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミ
ン、ジイソプロピルアミン、エタノールアミンなどの有
機アルカリ性化合物などを挙げることができる。レジス
ト膜の現像工程で使用されるアルカリ現像液は、前記ア
ルカリ性化合物の1種または2種以上を水などに溶解さ
せることにより調整することができる。ここに、アルカ
リ性現像液におけるアルカリ性化合物の濃度は、通常
0.001〜10重量%とされ、好ましくは0.01〜
5重量%とされる。なお、アルカリ現像液による現像処
理がなされた後は、通常、水洗処理が施される。
【0055】<エッチング液>導電膜形成用ペースト層
および反射防止膜形成用ペースト層のエッチング工程で
使用されるエッチング液としては、アルカリ性溶液であ
ることが好ましい。これにより、導電膜形成用ペースト
層および反射防止膜形成用ペースト層に含有されるアル
カリ可溶性樹脂を容易に溶解除去することができる。な
お、導電膜形成用ペースト層および反射防止膜形成用ペ
ースト層に含有される無機粒子は、アルカリ可溶性樹脂
により均一に分散されているため、アルカリ性溶液で有
機バインダーであるアルカリ可溶性樹脂を溶解させ、洗
浄することにより、無機粒子も同時に除去される。ここ
に、エッチング液として使用されるアルカリ性溶液とし
ては、現像液と同一組成の溶液であることがさらに好ま
しい。エッチング液が、現像工程で使用するアルカリ現
像液と同一の溶液であることにより、現像工程と、エッ
チング工程とを連続的に実施することが可能となり、工
程の簡略化を図ることができる。なお、アルカリ性溶液
によるエッチング処理がなされた後は、通常、水洗処理
が施される。
【0056】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれらによって限定されるものではない。な
お、以下において「部」は「重量部」を示す。また、重
量平均分子量(Mw)は、東ソー株式会社製ゲルパーミ
ィエーションクロマトグラフィー(GPC)(商品名H
LC−802A)により測定したポリスチレン換算の平
均分子量である。
【0057】実施例1 (1)反射防止膜形成用ペースト組成物の調製: (a)着色物質として平均粒径0.4μmのニッケル粉
末50部、その他の無機粒子として平均粒径1μmの銀
粉末50部、平均粒径2μmのガラス粉末10部、
(b)有機バインダーとしてn−ラウリルメタクリレー
ト/n−ブチルメタクリレート/メタクリル酸=40/
30/30(重量%)共重合体(Mw=250,00
0)80部、添加剤(分散剤)としてステアリン酸1部
および(c)溶剤としてプロピレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテート100部を混練りすることによ
り、反射防止膜形成用ペースト組成物を調製した。 (2)導電膜形成用ペースト組成物の調製: (a)導電性粒子として平均粒径1μmの銀粉末100
部、その他の無機粒子として平均粒径2μmのガラス粉
末10部、(b)有機バインダーとしてn−ラウリルメ
タクリレート/n−ブチルメタクリレート/メタクリル
酸=40/40/20(重量%)共重合体(Mw=25
0,000)40部、添加剤(分散剤)としてステアリ
ン酸1部および(c)溶剤としてプロピレングリコール
モノメチルエーテルアセテート100部を混練りするこ
とにより、導電膜形成用ペースト組成物を調製した。 (3)アルカリ現像型感放射線性レジスト組成物の調
製:アルカリ可溶性樹脂としてn−ブチルメタクリレー
ト/メタクリル酸=70/30(重量%)共重合体(M
w=60,000)60部、多官能性モノマー(感放射
線性成分)としてペンタエリスリトールテトラアクリレ
ート40部、光重合開始剤(感放射線性成分)として2
−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォ
リノフェニル)−ブタン−1−オン5部および溶剤とし
てプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
100部を混練りすることにより、アルカリ現像型感放
射線性レジスト組成物(以下、「レジスト組成物」とい
う。)を調製した。
【0058】(4)電極形成用転写フィルムの作製:下
記(イ)〜(ハ)の操作により、レジスト膜、導電膜形
成用ペースト層および反射防止膜形成用ペースト層を有
する積層膜が支持フィルム上に形成されてなる本発明の
転写フィルムを作製した。 (イ)(3)で調製したレジスト組成物を予め離型処理
した膜厚38μmのPETフィルムよりなる支持フィル
ム上にロールコータを用いて塗布し、塗膜を100℃で
5分間乾燥して溶剤を完全に除去し、厚さ5μmのレジ
スト膜を支持フィルム上に形成した。(2)で調製した
導電膜形成用ペースト組成物をレジスト膜上にロールコ
ータを用いて塗布し、塗膜を100℃で5分間乾燥して
溶剤を完全に除去し、膜厚32μmの導電膜形成用ペー
スト層をレジスト膜上に形成した。 (ハ)(1)で調製した反射防止膜形成用ペースト組成
物を導電膜形成用ペースト層上にロールコータを用いて
塗布し、塗膜を100℃で5分間乾燥して溶剤を完全に
除去し、膜厚8μmの反射防止膜形成用ペースト層を導
電膜形成用ペースト層上に形成した。
【0059】(5)転写フィルムの可撓性評価:上記
(4)で作製した転写フィルムを折り曲げ、膜形成ペー
スト層の表面にひび割れ(屈曲亀裂)の発生を目視確認
することにより、当該転写フィルムの可撓性評価を行っ
た。可撓性が良好なものを○、ひび割れが発生したもの
を×として、評価結果を表1に示す。 (6)転写フィルムの転写性評価:予めホットプレート
上で80℃に加熱されたガラス基板の表面に、反射防止
膜形成用ペースト層の表面が当接されるよう上記(4)
で作製した転写フィルムを重ね合わせ、この転写フィル
ムを加熱ローラに熱圧着した。ここで、圧着条件として
は、加熱ローラの表面温度を120℃、ロール圧を4k
g/cm、加熱ローラの移動速度を0.5m/分とし
た。熱圧着処理の終了後、転写フィルム(レジスト膜の
表面)から支持フィルムを剥離除去し、ガラス基板の表
面に転写フィルムが転写されて密着した状態となること
を目視確認することにより、当該転写フィルムの転写性
評価を行った。転写性良好なものを○、基板との密着不
良により、転写もしくは支持フィルム剥離が不可能なも
のを×として、評価結果を表1に示す。
【0060】(7)パターニング特性の評価:上記
(6)においてガラス基板上に形成された転写膜中のレ
ジスト膜に対して、露光用マスク(50μm幅のストラ
イプパターン)を介して、超高圧水銀灯により、i線
(波長365nmの紫外線)を200mJ/cm2照射
し、次いで、露光処理されたレジスト膜に対して、0.
1重量%の水酸化カリウム水溶液(25℃)を現像液と
するシャワー法によるレジスト膜の現像処理および連続
して0.1重量%の水酸化カリウム水溶液(25℃)を
エッチング液とするシャワー法による導電膜形成用ペー
スト層と反射防止膜形成用ペースト層のエッチング処理
を、合計3分間行った。次いで、超純水による水洗処理
および乾燥処理を行い、パターンの欠損、欠落を光学顕
微鏡観察することにより、パターニング特性評価を行っ
た。パターニング特性が良好なものを○、パターンに欠
損、欠落が見られたものを×として、評価結果を表1に
示す。 (8)電極パターンの導電性評価:上記(6)において
パターンが形成されたガラス基板を焼成炉内で600℃
の温度雰囲気下で30分間にわたり焼成処理を行い、ガ
ラス基板の表面に電極パターン形成した。得られた電極
パターンの膜厚を触針式段差測定器により測定した。ま
た、得られた電極パターンの抵抗率を4探針法により測
定し、比抵抗率を算出することにより当該電極パターン
の導電性評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0061】<比較例1>実施例1中(1)反射防止膜
形成用ペースト組成物の調製における(b)有機バイン
ダーとしてn−ラウリルメタクリレート/n−ブチルメ
タクリレート/メタクリル酸=40/30/30(重量
%)共重合体(Mw=250,000)40部を用いた
以外は実施例1と同様にして、転写フィルムの作製、電
極の形成および評価を行った。評価結果を表1に示す。 <比較例2>比較例1中(4)電極形成用転写フィルム
の製造(ハ)において、膜厚4μmの反射防止膜形成用
ペースト層を導電膜形成用ペースト層上に形成した以外
は比較例1と同様にして、転写フィルムの作製、電極の
形成および評価を行った。評価結果を表1に示す。 <比較例3>実施例1中(2)導電膜形成用ペースト組
成物の調製における(b)有機バインダーとしてn−ラ
ウリルメタクリレート/n−ブチルメタクリレート/メ
タクリル酸=40/40/20(重量%)共重合体(M
w=250,000)80部を用いた以外は実施例1と
同様にして、転写フィルムの作製、電極の形成および評
価を行った。評価結果を表1に示す。 <比較例4>比較例3中(4)電極形成用転写フィルム
の製造(ロ)において、膜厚54μmの導電膜形成用ペ
ースト層をレジスト膜上に形成した以外は比較例3と同
様にして、転写フィルムの作製、電極の形成および評価
を行った。評価結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
【発明の効果】本発明の電極形成用転写フィルムは、エ
ッチング処理時にレジストパターンに対応する導電膜形
成用ペースト層および反射防止膜形成用ペースト層のパ
ターンを良好に形成可能であり、かつ良好な可撓性と転
写性を保持しながら反射防止膜を薄膜化することによ
り、当該パターンを焼成処理を工程を含む方法により基
板の表面に導電性に優れた電極パターンを形成すること
ができる。したがって、本発明の電極形成用転写フィル
ムは、プラズマディスプレイパネルなどの電極形成のた
めに好適に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 11/02 H01J 11/02 B // C03C 17/06 C03C 17/06 A (72)発明者 野間 節子 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持フィルム上に形成された反射防止膜
    形成用ペースト層を基板上に転写し、別の支持フィルム
    上に形成された導電膜形成用ペースト層を反射防止膜形
    成用ペースト層上に転写し、導電膜形成用ペースト層上
    にレジスト膜を形成し、当該レジスト膜を露光処理し
    て、レジストパターンの潜像を形成し、当該レジスト膜
    を現像処理してレジストパターンを顕在化させ、導電膜
    形成用ペースト層および反射防止膜形成用ペースト層を
    エッチング処理してレジストパターンに対応する導電膜
    形成用ペースト層および反射防止膜形成用ペースト層の
    パターンを形成し、当該パターンを焼成処理する工程を
    有する電極の形成方法において、反射防止膜形成用ペー
    スト層中の無機粒子重量に対する有機バインダー重量の
    比率が、導電膜形成用ペースト層中の無機粒子重量に対
    する有機バインダー重量の比率よりも大きいことを特徴
    とする、電極の形成方法。
  2. 【請求項2】 導電膜形成用ペースト層および反射防止
    膜形成用ペースト層を有する積層膜を支持フィルム上に
    形成し、当該積層膜を基板上に転写し、転写された当該
    積層膜上にレジスト膜を形成し、当該レジスト膜を露光
    処理してレジストパターンの潜像を形成し、当該レジス
    ト膜を現像処理してレジストパターンを顕在化させ、導
    電膜形成用ペースト層および反射防止膜形成用ペースト
    層をエッチング処理してレジストパターンに対応する導
    電膜形成用ペースト層および反射防止膜形成用ペースト
    層のパターンを形成し、当該パターンを焼成処理する工
    程を有する電極の形成方法において、反射防止膜形成用
    ペースト層中の無機粒子重量に対する有機バインダー重
    量の比率が、導電膜形成用ペースト層中の無機粒子重量
    に対する有機バインダー重量の比率よりも大きいことを
    特徴とする、電極の形成方法。
  3. 【請求項3】 支持フィルム上に導電膜形成用ペースト
    層と、反射防止膜形成用ペースト層とを積層してなり、
    反射防止膜形成用ペースト層中の無機粒子重量に対する
    有機バインダー重量の比率が、導電膜形成用ペースト層
    中の無機粒子重量に対する有機バインダー重量の比率よ
    りも大きいことを特徴とする、請求項2記載の電極の形
    成に用いられる電極形成用転写フィルム。
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